JP3838070B2 - 圧力センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度変化によって変化するセンサチップ(圧力検知素子)の出力値を温度補正して圧力測定する圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の圧力センサは、例えば建設機械や産業機械等に利用される油圧回路の油圧等の各種流体圧力を測定するために使用されるものである。従来技術の圧力センサは、図4の概略断面図に示されるものである。
【0003】
圧力センサ101は、下側方のボルト状の金属製ケース130と、ケース130上側に接続された金属製の円筒状のカバー140と、樹脂製のコネクタ部150と、が嵌合した外装となっている。
【0004】
ケース130は、油圧回路の油圧測定部の取付孔に螺合するために外周面にネジ部131aを有する油圧導入部131と、油圧導入部131の上側に接続された有底筒形状で1周の外周形状が例えば6角ナットのように多角形状のケース本体132と、を備えている。
【0005】
ケース本体132には、ケース本体132の内部に固定されるボディ133が挿入されている。
【0006】
ボディ133は、下端部で下向きに開口する凹部134と、凹部134から上方のカバー140の内部へ貫通する貫通孔135と、を備えている。
【0007】
ボディ133の下端には、凹部134の開口に臨んでダイアフラム102が設けられている。また、ボディ133の下端には、さらにダイアフラム102よりも下方にダイアフラム102を押えるリング103が取り付けられている。
【0008】
リング103は、環状部材であり、リング103の孔を介して流体がダイアフラム102に直接作用して、ダイアフラム102の下面を感圧部としている。
【0009】
ダイアフラム102の外周端部は、凹部134下端とリング103とに挟まれて全周的に電子ビーム等によるビーム溶接やTIG溶接により固定されている。
【0010】
また、ダイアフラム102で開口側を塞がれた凹部134内には、中心に導入孔104aを有するガイド104と、ガイド104の導入孔104aの真上に歪ゲージが配設されたセンサチップ(圧力検知素子)105と、センサチップ105が固定されるセラミック製のスペーサ106と、を備えている。
【0011】
なお、このダイアフラム102で開口側を塞がれた凹部134内は密封された空間となっており、この空間にシリコンオイルが充填されている。
【0012】
凹部134内でスペーサ106は、凹部134上底面に固定されている。このスペーサ106には、中心に穴部が設けられており、この穴部にセンサチップ105が配置されている。また、スペーサ106下面の穴部周りには、導通パターンが形成されている。そして、この導通パターンとセンサチップ105との間が、ボンディングワイヤ107で接続されている。
【0013】
また、凹部134内でガイド104の外周に設けられた環部でガイド104とスペーサ106との隙間を隔てて、ガイド104がスペーサ106の下側に固定されている。このように、スペーサ106とガイド104との間に隙間が形成されるためスペーサ106下面の導通パターンとセンサチップ105との間を接続するボンディングワイヤ107がガイド104と接触することも防止されている。
【0014】
そして、センサチップ105は、ダイアフラム102下面の感圧部が測定対象の流体の圧力を受け、この圧力によってダイアフラム102が変形し、ダイアフラム102とスペーサ106間に充填されたシリコンオイルが導入孔104aを介して圧力をセンサチップ105に伝達し、センサチップ105の歪ゲージが変形することによって、変形による歪ゲージの抵抗値の変化で変化する入力電圧に対する出力電圧を出力値として取り出す。このセンサチップ105の出力値の信号は、ボンディングワイヤ107を介してスペーサ106下面の導通パターンへ伝達される。
【0015】
ボディ133の貫通孔135には、導電性を有するピン108が挿通されている。貫通孔135のピン108周りは、ガラス109で封止されており、絶縁性を確保してピン108がボディ133と導通することを防止し、かつ凹部134内に充填されたシリコンオイルが貫通孔135内へ漏洩することを防止している。
【0016】
また、ピン108の下端はスペーサ106下面に突出しており、ピン108下端とスペーサ106下面の導通パターンが導通されている。一方、ピン108上端はカバー140の内部へ突出している。よって、センサチップ105の出力値の信号は、スペーサ106下面の導通パターンからさらにピン108へ伝達される。
【0017】
カバー140は、内部にHIC(ハイブリッドIC)113やプリント基板117を収納している。カバー140内部に露呈するボディ133の上面は、絶縁体である樹脂製のインシュレータ110で覆われている。
【0018】
インシュレータ110は、ボディ133の貫通孔135から突き出たピン108を位置決め固定する。このインシュレータ110によって位置決め固定されたピン108の上端は、インシュレータ110の上部に張り付けられた変換基板111にはんだ付けされて接続されている。
【0019】
変換基板111では、ピン108から到達した電気信号の電気変換を行う。また、変換基板111から第2ピン112が上方へ延びている。よって、ピン108へ伝達されたセンサチップ105の出力値の信号は、変換基板111で電気変換されて第2ピン112へ伝達される。
【0020】
HIC113は、インシュレータ110及び変換基板111の上側に設けられている。HIC113には、デジタルトリミングによりセンサチップ105の出力値の信号の増幅・補正を行うASIC(カスタムIC)114がHIC113下面側に設けられている。
【0021】
ASIC114は、デジタルトリミングによりセンサチップ105の出力値の信号の増幅・補正を行うものである。圧力センサ101は、センサチップ105の出力値が温度条件によって変化してしまうことから、センサチップ105の出力値の信号についてASIC114で温度補正を行い、温度条件によらない信号を出力できるようにしている。このため、ASIC114には、温度検知する感熱機構が内蔵されており、温度補正はこの感熱機構の検知温度を用いてセンサチップ105の出力値を温度補正している。
【0022】
また、変換基板111から上方へ伸びる第2ピン112の上端はHIC113に至っており、HIC113の回路と第2ピン112の上端とがはんだ付けされている。さらに、HIC113には、上方へ延びるコムリード115が中央近傍に複数配置されており、コムリード115はHIC113の回路と接続されている。即ち、第2ピン112に伝達された変換基板111を経たセンサチップ105の出力値の信号はHIC113に設けられたASIC114で増幅・補正が行われ、その後に、増幅・補正が行われた信号がコムリード115へ伝達される。
【0023】
また、カバー140の内部は、インシュレータ110からHIC113の上側まで、各部材を保護する等のためにシリコンゲル等のポッティング剤116が充填されている。このポッティング剤116は、介在することでHIC113に設けられたASIC114とボディ133との熱結合性を高めており、ASIC114に内蔵された感熱機構とボディ133の下方のセンサチップ105との温度差が低減するようにしている。さらに、ASIC114をHIC113下面側に配置してASIC114をボディ133に近づけることでも熱結合性を高めている。
【0024】
HIC113の上側には、表面に導通パターンがプリントされたセラミック製のプリント基板117が設けられている。プリント基板117には、センサチップ105への供給電力量を制御するトランジスタ118やフレキシブルサーキット又はリード線120を接続するためのピンヘッダ119等が備えられている。トランジスタ118は、プリント基板117上でコムリード115上端がはんだ付けされた中央近傍から最も離れたプリント基板117の外周側かつ上面側に配置されている。
【0025】
プリント基板117上では、トランジスタ118,ピンヘッダ119等は導通パターンに接続されている。また、プリント基板117は、中央近傍でコムリード115上端部に支持固定されており、プリント基板117上の導通パターンとコムリード115上端とがはんだ付けされている。
【0026】
プリント基板117は、熱伝導率の高いセラミック製であるため、プリント基板117に設けられたトランジスタ118,導通パターン等の発熱素子が通電で発熱すると、熱はプリント基板117全体に熱伝導し、プリント基板117からカバー140内部の空気中に拡散して放熱される。
【0027】
そして、ASIC114で増幅・補正が行われた信号はコムリード115に伝達された後、プリント基板117を介してピンヘッダ119からフレキシブルサーキット又はリード線120へ伝達される。
【0028】
プリント基板117の上側には、蓋状の金属製のプレート121が設けられている。プレート121は、外周端をカバー140の上端内周に係止させている。このプレート121には、中央近傍に貫通コンデンサ122が設けられており、貫通コンデンサ122はコネクタ152のコネクタピン153とはんだ付けされて接続されている。また、フレキシブルサーキット又はリード線120もコネクタピン153とはんだ付けされて接続されている。フレキシブルサーキット又はリード線120とコネクタピン153の接続部には、耐久性を向上する補強用の基板123を介在させている。
【0029】
プレート121の上側では、蓋状のコネクタ部150がカバー140に装着される。コネクタ部150の下端がプレート121を支持し、コネクタ部150の下端外周の外径に突出する環状凸部151がカバー140の上端とカシメ固定されている。コネクタ部150下端と環状凸部151とプレート121外縁とカバー140の内周とで囲まれた部分には、カバー140の内部を密封するOリング124が装着されている。
【0030】
また、コネクタ部150は、頂部に略直方体のコネクタ152が設けられており、コネクタ152内部に設けられたコネクタピン153がカバー140の内部に達して貫通コンデンサ122とはんだ付けされている。
【0031】
そして、ASIC114で増幅・補正が行われプリント基板117を経た信号が、フレキシブルサーキット又はリード線120から貫通コンデンサ122を介してコネクタピン153に伝達されて圧力センサ101から取り出される。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来技術の圧力センサ101の場合には、センサチップ105は同一の圧力であっても温度条件によってその出力値を変化させてしまうものである。このため、従来技術の圧力センサ101では、センサチップ105の出力値の信号についてASIC114で温度補正を行い、温度条件によらない信号を出力するようにしている。
【0033】
このASIC114は、デジタルトリミングにより増幅や温度補正を簡単に行うことができる。ASIC114は、感熱機構を内蔵しており、感熱機構で温度検知し感熱機構の検知温度に基づいて温度補正を行う。このため、ASIC114の感熱機構の温度がセンサチップ105の温度と大きく異なると、温度補正をかけるべき温度とは異なる温度について温度補正を行ってしまい、誤差が大きく生じてしまう。
【0034】
この誤差が大きくなることを防止するために、従来では、図4に示すように、感熱機構を内蔵するASIC114をHIC113に設置し、また、トランジスタ118,導通パターン等の発熱素子をプリント基板117に設置し、感熱機構と発熱素子を別々に異なる2つの基板に設置して、AISC114への熱の伝播を極力防ぐようにしていた。
【0035】
しかしながら、主に、電源回路部であるトランジスタ118の発熱は約100mW以上と大きく、トランジスタ118をプリント基板117に設置していても、コムリード115を通して熱をHIC113に伝播してしまう。
【0036】
その結果、やはりASIC114に内蔵された感熱機構の検知温度は実際のセンサチップ105の温度よりも高温となり温度差が大きくなってしまうので、感熱機構の検知温度を用いて温度補正を行った信号は実際の圧力に対して大きな誤差が生じてしまい、出力精度が落ちるという問題があった。
【0037】
また、発熱素子が通電で発熱すると、発熱素子の熱が時間の経過と共に熱伝導して行くので、感熱機構の温度は時間の経過と共に実際のセンサチップ105の温度よりも上昇して行く。このため、温度補正を行った信号は、時間の経過と共に実際の圧力に対して誤差が増大して行く。したがって、電源投入後に時間が経過して行く程、出力精度が悪化して不安定となるという問題があった。
【0038】
これらの現象は、図4に示すような低圧用の半導体圧力センサで顕著に表れるようになった。これは、圧力センサの定格圧力が低くなればなるほど、シリコンオイルを封入している部分の温度による影響(シリコンオイルの膨張収縮による内部圧力の変化)を受けやすくなり、温度補正が大きくなるためである。すなわち、ASIC114の温度補正係数が大きくなるからである。
【0039】
すると、プリント基板117に配置された発熱素子からコムリード115を通しての熱伝導があると、ASIC114の温度補正係数が大きい分だけ、同じ熱量に対して出力変動量(=誤差)が大きくなってしまう。低圧用では特に、電源投入してからのオフセットドリフトが大きく、安定性が悪化するという現象が生じていた。
【0040】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、誤差の少ない温度補正を行って出力精度の向上を図る圧力センサを提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
感熱機構と発熱素子とを別々に異なる2つの基板に設置した圧力センサであって、前記2つの基板が放熱基板を介して接続されたことを特徴とする。
【0042】
したがって、通電によって発熱した発熱素子の熱は、感熱機構が設置された基板から熱伝導しても、途中の放熱基板で放熱され、感熱機構が配置された基板へ伝播しないので、発熱素子の熱を感熱機構に熱伝導することが防止でき、感熱機構の検知温度が実際の圧力検知素子の温度よりも高温とならず温度差が大きくならないので、感熱機構の検知温度を用いて温度補正を行った信号は実際の圧力に対して誤差が低減し、出力精度の向上を図ることができる。
【0043】
また、時間が経過しても発熱素子の熱が感熱機構へ熱伝導しないので、感熱機構の温度は時間の経過と共に上昇して行くことはない。このため、温度補正を行った信号は、時間の経過と共に実際の圧力に対して誤差が増大することはない。よって、電源投入後に時間が経過しても、安定した出力精度を維持することができる。
【0044】
前記放熱基板の配線パターンは、細く、かつ長く配線されていることが好適である。
【0045】
これにより、放熱基板を伝わる熱は途中で良好に放熱されるので、感熱機構が設置された基板まで熱が伝播することを防止できる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0047】
以下に、図1〜図3を用いて実施の形態を説明する。図1は実施の形態に係る圧力センサを示す断面図である。
【0048】
圧力センサ1は、従来技術と同様に、例えば建設機械や産業機械等に利用される油圧回路の油圧等の各種流体圧力を測定するために使用されるものであり、低圧用の半導体圧力センサである。
【0049】
圧力センサ1は、下側方のボルト状の金属製ケース30と、ケース30上側に接続された金属製の円筒状のカバー40と、樹脂製のコネクタ部50と、が嵌合した外装となっている。
【0050】
ケース30は、油圧回路の油圧測定部の取付孔に螺合するために外周面にネジ部31aを有する油圧導入部31と、油圧導入部31の上側に接続された有底筒形状で1周の外周形状が例えば6角ナットのように多角形状のケース本体32と、を備えている。
【0051】
ケース本体32には、ケース本体32の内部に固定されるボディ33が挿入されている。
【0052】
ボディ33は、下端部で下向きに開口する凹部34と、凹部34から上方のカバー40の内部へ貫通する貫通孔35と、を備えている。
【0053】
ボディ33の下端には、凹部34の開口に臨んでダイアフラム2が設けられている。また、ボディ33の下端には、さらにダイアフラム2よりも下方にダイアフラム2を押えるリング3が取り付けられている。
【0054】
リング3は、環状部材であり、リング3の孔を介して流体がダイアフラム2に直接作用して、ダイアフラム2の下面を感圧部としている。
【0055】
ダイアフラム2の外周端部は、凹部34下端とリング3とに挟まれて全周的に電子ビーム等によるビーム溶接やTIG溶接により固定されている。
【0056】
また、ダイアフラム2で開口側を塞がれた凹部34内には、中心に導入孔4aを有するガイド4と、ガイド4の導入孔4aの真上に歪ゲージが配設されたセンサチップ(圧力検知素子)5と、センサチップ5が固定されるセラミック製のスペーサ6と、を備えている。
【0057】
なお、このダイアフラム2で開口側を塞がれた凹部34内は密封された空間となっており、この空間にシリコンオイルが充填されている。
【0058】
凹部34内でスペーサ6は、凹部34上底面に固定されている。このスペーサ6には、中心に穴部が設けられており、この穴部にセンサチップ5が配置されている。また、スペーサ6下面の穴部周りには、導通パターンが形成されている。そして、この導通パターンとセンサチップ5との間が、ボンディングワイヤ7で接続されている。
【0059】
また、凹部34内でガイド4の外周に設けられた環部でガイド4とスペーサ6との隙間を隔てて、ガイド4がスペーサ6の下側に固定されている。このように、スペーサ6とガイド4との間に隙間が形成されるためスペーサ6下面の導通パターンとセンサチップ5との間を接続するボンディングワイヤ7がガイド4と接触することも防止されている。
【0060】
そして、センサチップ5は、ダイアフラム2下面の感圧部が測定対象の流体の圧力を受け、この圧力によってダイアフラム2が変形し、ダイアフラム2とスペーサ6間に充填されたシリコンオイルが導入孔4aを介して圧力をセンサチップ5に伝達し、センサチップ5の歪ゲージが変形することによって、変形による歪ゲージの抵抗値の変化で変化する入力電圧に対する出力電圧を出力値として取り出す。このセンサチップ5の出力値の信号は、ボンディングワイヤ7を介してスペーサ6下面の導通パターンへ伝達される。
【0061】
ボディ33の貫通孔35には、導電性を有するピン8が挿通されている。貫通孔35のピン8周りは、ガラス9で封止されており、絶縁性を確保してピン8がボディ33と導通することを防止し、かつ凹部34内に充填されたシリコンオイルが貫通孔35内へ漏洩することを防止している。
【0062】
また、ピン8の下端はスペーサ6下面に突出しており、ピン8下端とスペーサ6下面の導通パターンが導通されている。一方、ピン8上端はカバー40の内部へ突出している。よって、センサチップ5の出力値の信号は、スペーサ6下面の導通パターンからさらにピン8へ伝達される。
【0063】
カバー40は、内部にHIC(ハイブリッドIC)13やプリント基板19を収納している。カバー40内部に露呈するボディ33の上面は、絶縁体である樹脂製のインシュレータ10で覆われている。
【0064】
インシュレータ10は、ボディ33の貫通孔35から突き出たピン8を位置決め固定する。このインシュレータ10によって位置決め固定されたピン8の上端は、インシュレータ10の上部に張り付けられた変換基板11にはんだ付けされて接続されている。
【0065】
変換基板11では、ピン8から到達した電気信号の電気変換を行う。また、変換基板11から第2ピン12が上方へ延びている。よって、ピン8へ伝達されたセンサチップ5の出力値の信号は、変換基板11で電気変換されて第2ピン12へ伝達される。
【0066】
HIC13は、インシュレータ10及び変換基板11の上側に設けられている。HIC13には、デジタルトリミングによりセンサチップ5の出力値の信号の増幅・補正を行うASIC(カスタムIC)14がHIC13下面側に設けられている。
【0067】
ASIC14は、デジタルトリミングによりセンサチップ5の出力値の信号の増幅・補正を行うものである。圧力センサ1は、センサチップ5の出力値が温度条件によって変化してしまうことから、センサチップ5の出力値の信号についてASIC14で温度補正を行い、温度条件によらない信号を出力できるようにしている。このため、ASIC14には、温度検知する感熱機構が内蔵されており、温度補正はこの感熱機構の検知温度を用いてセンサチップ5の出力値を温度補正している。
【0068】
また、変換基板11から上方へ伸びる第2ピン12の上端はHIC13に至っており、HIC13の回路と第2ピン12の上端とがはんだ付けされている。さらに、HIC13には、上方へ延びるコムリード15が中央近傍に複数配置されており、コムリード15はHIC13の回路と接続されている。即ち、第2ピン12に伝達された変換基板11を経たセンサチップ5の出力値の信号はHIC13に設けられたASIC14で増幅・補正が行われ、その後に、増幅・補正が行われた信号がコムリード15へ伝達される。
【0069】
また、カバー40の内部は、インシュレータ10からHIC13の上側まで、各部材を保護する等のためにシリコンゲル等のポッティング剤16が充填されている。このポッティング剤16は、介在することでHIC13に設けられたASIC14とボディ33との熱結合性を高めており、ASIC14に内蔵された感熱機構とボディ33の下側にあるセンサチップ5との温度差が低減するようにしている。さらに、ASIC14をHIC13下面側に配置してASIC14をボディ33に近づけることでも熱結合性を高めている。
【0070】
HIC13の上側には、放熱基板17が設けられている。放熱基板17には、図2に示すように、表裏面に細くかつ長い配線パターン17aが配置面積をなるべく稼ぎつつ距離を長く配線されるように波線形状に設けられている。放熱基板17の配線パターン17aの一端はコムリード15の上端に接続され、他端は上方へ延びる第2コムリード18に接続されている。第2コムリード18は中央近傍に複数配置されている。
【0071】
このため、本実施の形態では、コムリード15から熱伝導してきた熱が放熱基板17で放熱されると共に、コムリード15へ伝達された増幅・補正が行われた信号が放熱基板17を経て第2コムリード18に伝達される。
【0072】
放熱基板17の上側には、表面に導通パターンがプリントされたセラミック製のプリント基板19が設けられている。プリント基板19には、センサチップ5への供給電力量を制御するトランジスタ20やフレキシブルサーキット又はリード線22を接続するためのピンヘッダ21等が備えられている。トランジスタ20は、プリント基板19上で第2コムリード18上端がはんだ付けされた中央近傍から最も離れたプリント基板19の外周側かつ上面側に配置されている。
【0073】
プリント基板19上では、トランジスタ20,ピンヘッダ21等は導通パターンに接続されている。また、プリント基板19は、中央近傍で第2コムリード18上端部に支持固定されており、プリント基板19上の導通パターンと第2コムリード18上端とがはんだ付けされている。
【0074】
プリント基板19は、熱伝導率の高いセラミック製であるため、プリント基板19に設けられたトランジスタ20,導通パターン等の発熱素子が通電で発熱すると、熱はプリント基板19全体に熱伝導し、プリント基板19からカバー40内部の空気中に拡散して放熱される。
【0075】
そして、ASIC14で増幅・補正が行われた信号は第2コムリード18に伝達された後、プリント基板19を介してピンヘッダ21からフレキシブルサーキット又はリード線22へ伝達される。
【0076】
プリント基板19の上側には、蓋状の金属製のプレート23が設けられている。プレート23は、外周端をカバー40の上端内周に係止させている。このプレート23には、中央近傍に貫通コンデンサ24が設けられており、貫通コンデンサ24はコネクタ52のコネクタピン53とはんだ付けされて接続されている。また、フレキシブルサーキット又はリード線22もコネクタピン53とはんだ付けされて接続されている。フレキシブルサーキット又はリード線22とコネクタピン53の接続部には、耐久性を向上する補強用の基板25を介在させている。
【0077】
プレート23の上側では、蓋状のコネクタ部50がカバー40に装着される。コネクタ部50の下端がプレート23を支持し、コネクタ部50の下端外周の外径に突出する環状凸部51がカバー40の上端とカシメ固定されている。コネクタ部50下端と環状凸部51とプレート23外縁とカバー40の内周とで囲まれた部分には、カバー40の内部を密封するOリング26が装着されている。
【0078】
また、コネクタ部50は、頂部に略直方体のコネクタ52が設けられており、コネクタ52内部に設けられたコネクタピン53がカバー40の内部に達して貫通コンデンサ24とはんだ付けされている。
【0079】
そして、ASIC14で増幅・補正が行われプリント基板19を経た信号が、フレキシブルサーキット又はリード線22から貫通コンデンサ24を介してコネクタピン53に伝達されて圧力センサ1から取り出される。
【0080】
以上の構成を備えた本実施の形態の圧力センサ1では、感熱機構を内蔵するASIC14をHIC13に設置し、また、トランジスタ20,導通パターン等の発熱素子をプリント基板19に設置し、感熱機構と発熱素子を別々に異なる基板(HIC13、プリント基板19)に設置し、さらに、これら2つの基板が放熱基板17を介して接続されることで、通電によって発熱した発熱素子の熱は、トランジスタ20,導通パターン等の発熱素子を配置したプリント基板19から熱伝導しても、途中の放熱基板17で放熱され、感熱機構を内蔵するASIC14を配置したHIC13へ伝播しないので、発熱素子の熱を感熱機構に熱伝導することが防止でき、感熱機構の検知温度が実際のセンサチップ5の温度よりも高温とならず温度差が大きくならないので、感熱機構の検知温度を用いて温度補正を行った信号は実際の圧力に対して誤差が低減し、出力精度の向上を図ることができる。
【0081】
また、時間が経過しても発熱素子の熱が感熱機構へ熱伝導しないので、感熱機構の温度は時間の経過と共に上昇して行くことはない。このため、温度補正を行った信号は、時間の経過と共に実際の圧力に対して誤差が増大することはない。よって、電源投入後に時間が経過しても、安定した出力精度を維持することができる。
【0082】
放熱基板17の配線パターン17aは、細く、かつ長いことで、放熱基板17を伝わる熱は途中で好適に放熱されるので、感熱機構を内蔵するASIC14を配置したHIC13まで熱が伝播することを防止できる。
【0083】
なお、プリント基板19は、セラミック製であることで、プリント基板19上は熱伝導し易く、通電によって発熱した発熱素子の熱はプリント基板19全体に熱伝導し、プリント基板19から空気中に拡散して放熱されるが、その他の熱伝導率のよい部材であってもよい。
【0084】
(効果の比較)
上記の本実施の形態の圧力センサ1と比較例としての従来技術の圧力センサとの熱伝導により生じるオフセット過渡特性を比較した。比較したオフセット過渡特性は、オフセット変化量について、電源投入後の時間経過を見たものである。図3(a)は本実施の形態を示し、図3(b)は比較例としての従来技術を示す。
【0085】
図3に示すように、比較例ではオフセット変化量が最大±0.5%前後まで変動するのに対し、本実施の形態ではオフセット変化量が最大でも±0.2%以内と変化量を著しく低減することができた。すなわち、本実施の形態では、放熱基板17を介することで、感熱機構を内蔵するASIC14を配置したHIC13まで発熱素子から発生する熱が伝播することを防止でき、これによってオフセット変動量が低減することとなっている。また本実施の形態では、電源投入後に時間が経過しても、安定した出力精度を維持している。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にあっては、感熱機構と発熱素子とを別々に異なる2つの基板に設置し、2つの基板が放熱基板を介して接続されたことで、通電によって発熱した発熱素子の熱は、感熱機構が設置された基板から熱伝導しても、途中の放熱基板で放熱され、感熱機構が配置された基板へ伝播しないので、発熱素子の熱を感熱機構に熱伝導することが防止でき、感熱機構の検知温度が実際の圧力検知素子の温度よりも高温とならず温度差が大きくならないので、感熱機構の検知温度を用いて温度補正を行った信号は実際の圧力に対して誤差が低減し、出力精度の向上を図ることができる。
【0087】
また、時間が経過しても発熱素子の熱が感熱機構へ熱伝導しないので、感熱機構の温度は時間の経過と共に上昇して行くことはない。このため、温度補正を行った信号は、時間の経過と共に実際の圧力に対して誤差が増大することはない。よって、電源投入後に時間が経過しても、安定した出力精度を維持することができる。
【0088】
放熱基板の配線パターンは、細く、かつ長く配線されていることで、放熱基板を伝わる熱は途中で良好に放熱されるので、感熱機構が設置された基板まで熱が伝播することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る圧力センサを示す断面図である。
【図2】実施の形態に係る圧力センサの放熱基板を示す図である。
【図3】実施の形態に係る圧力センサと比較例としての従来技術の圧力センサのオフセット過渡特性を示すグラフである。
【図4】従来技術の圧力センサを示す断面図である。
【符号の説明】
1 圧力センサ
2 ダイアフラム
3 リング
4 ガイド
4a 導入孔
5 センサチップ
6 スペーサ
7 ボンディングワイヤ
8 ピン
9 ガラス
10 インシュレータ
11 変換基板
12 第2ピン
13 HIC(ハイブリッドIC)
14 ASIC(カスタムIC)
15 コムリード
16 ポッティング剤
17 放熱基板
17a 配線パターン
18 第2コムリード
19 プリント基板
20 トランジスタ
21 ピンヘッダ
22 フレキシブルサーキット又はリード線
23 プレート
24 貫通コンデンサ
25 基板
26 Oリング
30 ケース
31 油圧導入部
31a ネジ部
32 ケース本体
33 ボディ
34 凹部
35 貫通孔
40 カバー
50 コネクタ部
51 環状凸部
52 コネクタ
53 コネクタピン

Claims (2)

  1. 圧力検知素子と、
    該圧力検知素子の出力値の温度補正に用いるために温度検知する感熱機構と、
    動作時の通電により発熱する発熱素子と、
    を備え、
    前記感熱機構と前記発熱素子とを別々に異なる2つの基板に設置した圧力センサであって、
    前記2つの基板が放熱基板を介して接続されたことを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記放熱基板の配線パターンは、細く、かつ長く配線されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
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