JP3837804B2 - 光デジタイザ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータシステムの操作やTV、その他の機器の操作に用いるマウスやデジタイザ、タッチパネルといったポインティングデバイスに関し、特に撮像手段を用いてスタイラスや指の位置を検出する光デジタイザに関する。
【0002】
【従来の技術】
近来のノート型パソコンには、パッド面を指でさすることにより画面に表示されるカーソルを移動するタイプのポインティングデバイスが組み込まれているものが多い。このようなポインティングデバイスは低廉ではあるが、操作性の点ではデジタイザ等の他の座標入力装置に劣る。方式として、指の接近による電極間の静電容量の変化を検出するものと、抵抗膜を用いた感圧シートにより指の接触圧を検出するものの2種類がある。
【0003】
しかしながら、いずれの方式においても、パッド面と指の接触の状態が安定しないといった本質的な問題を含んでおり、このことは特に軽いタッチで操作したときになかなか入力がなされないという形で顕著に現れ、これが操作性を悪いものにしている。すなわち、操作者は、ある一定圧以上の大きさの押圧力をもって座標入力面を指等で押すことを強いられる。
【0004】
このような問題を本質的に解決する手段として、指の接触状態に依存せずに指の位置を安定して検出することのできる、イメージセンサを用いた光デジタイザ方式が考えられる。従来の光デジタイザの例を図10に示す。
【0005】
図10(a)は、従来の光デジタイザの座標検出原理を示す図である。光源1001は四辺形形状の座標読取面を構成する四辺のうち三方の辺上に置かれた線状光源であり、多数の点状光源(発光ダイオード)を並べるか、あるいは、一つの点状光源(発光ダイオード)からの光を線状に導く導光板を配置することにより構成され得る。多数の点状光源を用いる場合であっても、一様な線状光源を得るために導光板を用いるのが望ましい。座標読取面を構成する四辺のうち線上光源1001が配置されない残余の辺のほぼ両端近くにはそれぞれ一次元撮像手段、たとえばリニアイメージセンサ1011、1012が配置される。リニアイメージセンサは多数の受光素子を直線状に並べたものであり、それぞれの受光素子が受けた光量に応じた信号を出力するように構成されたものである。一次元撮像手段としてリニアイメージセンサ以外の例としては、たとえば長い素子一つからなり、光の当たる場所に応じてその両端の電圧が変化するごとくに構成されたものが考えられる。
【0006】
図10における例では、リニアイメージセンサ1011、1012は、その受光素子が座標読取面のほぼ中央を向くように所定の角度で固定される。また、リニアイメージセンサ1011、1012のそれぞれの前面には、ピンホール(板)1021、1022がそれぞれ所定の位置に配置される。ピンホール(板)1021、1022は座標読取面上の操作者の指(または操作者が操作するスタイラス) の像をリニアイメージセンサ1011、1012にそれぞれ結像させる働きをする。リニアイメージセンサ1011、1012は指またはスタイラスを側面から異なる方向でそれぞれ撮像し、その出力を信号処理手段1091に送出し、信号処理手段1091は、三角測量の原理で指の位置を計算する。その結果、得られた指の位置は座標読取面上の二次元座標(X,Y)として外部機器に出力される。
【0007】
しかしながら、図10(b)に示すように、このような光デジタイザは指と撮像手段の距離が離れたときに、イメージセンサのすべての画素が有効に使用されず、位置検出の分解能が悪くなるといった問題があり、これを解決しようとして座標読み取り面から撮像手段を離して視野角を小さくすると、無駄なスペースが必要となる。特に指の後方に光源を設置する場合にはかなりのスペースが必要となる。このように、検出分解能の向上と無駄なスペースを減らすこととの間には、相矛盾する関係がある。
【0008】
また、比較的高価なイメージセンサを2つ使用すると、コスト面の理由によりパソコンへの搭載が難しい。
【0009】
本発明の目的はこのような、検出分解能の向上と無駄なスペースを減らすこととの矛盾を解決し、小型で位置検出精度の高い光デジタイザを提供することにある。また、パソコンに搭載できる経済的な光デジタイザを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、長方形形状の座標読取面と、この座標読取面上で座標読取面上の任意の位置を指示する指示手段と、座標読取面に沿って進行する光を受光して電気信号に変換する撮像手段と、この撮像手段の出力信号から指示手段が指示する座標読取面上の位置に関する情報を抽出する処理手段と、長方形形状の座標読取面上の指示手段による指示位置が、座標読取面の長方形形状の一方の一辺と平行に移動しても、撮像手段の出力が変化しないように、座標読取面の長方形形状の他方の一辺の幅をもって撮像手段の視野を平行化する光学レンズ手段と、座標読取面上に沿って進行する光の光路を座標読取面の裏側に折り返すための光学的反射手段と、を備えた光デジタイザであって、座標読取面は、座標読取面の裏側に座標読取面と平行に境界面が設けられ、座標読取面と境界面を境界とする3層構造に形成されており、座標読取面上の指示手段側の層を第1層、座標読取面と境界面との間の層を第2層、境界面の座標読取面の反対側の層を第3層としたとき、座標読取面に沿って第1層を進行する光の光路を180度折り返して、座標読取面の裏側にある第2層を進行させる第一の光学的反射手段と、この第一の光学的反射手段によって折り返され第2層を進行する光を、さらに座標読取面から遠ざける向きに180度折り返して第3層を進行させる第二の光学的反射手段とを備え、撮像手段は、第3層に配置されて、座標読取面上での指示手段で指示された位置情報を読み取ることを特徴とする光デジタイザを提案するものである。
【0011】
また、本発明は、長方形形状の座標読取面と、該座標読取面上で該座標読取面上の任意の位置を指示する指示手段と、座標読取面に沿って進行する光を受光して電気信号に変換する撮像手段と、この撮像手段の出力信号から指示手段が指示する座標読取面上の位置に関する情報を抽出する処理手段と、長方形形状の座標読取面上の指示手段による指示位置が、座標読取面の長方形形状の一方の一辺と平行に移動しても、撮像手段の出力が変化しないように、座標読取面の長方形形状の他方の一辺の幅をもって撮像手段の視野を平行化する光学レンズ手段と、座標読取面上に沿って進行する光の光路を座標読取面の裏側に折り返すための光学的反射手段と、を備えた光デジタイザであって、長方形形状の座標読取面を構成する長方形の四辺のうちの隣り合う2辺上にそれぞれ当該辺に広がる線状光源を互いに直交するように設け、この線状光源から発し座標読み取り面上を進行する光の光路を座標読み取り面の裏側に折り返すべく、線状光源を設けた辺のそれぞれ対辺にあたる辺上にそれぞれ光学的反射手段を互いに直交するように設け、この光学的反射手段によりそれぞれ折り返されて座標読取面の裏側を進行する2組の光を合成するハーフミラー手段を配置し、撮像手段を該ハーフミラー手段に対して光学的反射手段の反対側に配置する、ことを特徴とする光デジタイザを提案する。
【0012】
また、本発明の好ましい形態としては、上記指示手段は、操作者の指またはスタイラスペンであることを特徴とする光デジタイザである。また、上述した2組の光を合成するハーフミラー手段を配置する場合において、この2組の線状光源は交互に点灯され、それぞれの点灯期間に、線状光源の影となる指示手段の指示位置の像を撮像手段により撮像し、異なる2方向からの指示位置の像を一つの撮像手段で撮像することを特徴とする光デジタイザを提案するものである。
【0015】
【作用】
本発明の特徴となる主な構成要素は、第一に撮像手段の視野を平行化する光学レンズ手段、第二に座標読取面上にそって進行する光の光路を座標読取面の裏側に折り返す光学的反射手段、第三に座標読取面の裏側を進行する2組の光を合成するハーフミラー手段である。これらの3つの構成要素は、場合によってはそのうちのいくつかを組み合わせて用いられることになる。まずは、これらの構成要素の一つ一つの作用について説明した後に、組み合わせの作用について説明する。
【0016】
第一に撮像手段の視野を平行化する光学レンズ手段の作用について説明する。この光学レンズ手段は、座標読取面の一辺の幅をもって撮像手段の視野を平行化する。「撮像手段の視野を平行化する」とは、仮に撮像手段を光源としたときに平行光線を発することを意味する。平行光線を生成するレンズ系はよく知られ、光学実験等でよく用いられる。「座標読取面の一辺の幅をもって」とは、仮に撮像手段を光源としたときに平行光線を発する幅が座標読取面全体をカバーすることを意味する。ここで、「仮に」と説明したが、撮像手段が光源ではなく受光手段である場合には、座標読取面上で指示位置が座標読取面を構成する長方形の四辺の内の一辺に平行に動いても撮像手段の出力が変化しないように働くことを、光線光学における逆進の法則が保証する。したがって、この「撮像手段の視野を平行化する光学レンズ手段」は座標読取面上にそれを構成する長方形と重なるXY直交座標系を考えたときにX座標に依存せずにY座標のみに依存する撮像手段の出力、又はY座標に依存せずにX座標のみに依存する撮像手段の出力を得るように働く。さらにいえば、このことにより撮像手段の出力によりXY座標値を算出する処理を単純化するように働く。
【0017】
この平行化するレンズ手段がなかりせば、撮像手段の出力は角度に依存するものと見て、角度計算、三角関数の計算等により三角測量と同様の原理により座標を算出するか、あるいは、二つの撮像手段の出力の組とXY座標の組との間の対応関係を利用してあらかじめ対応表をつくっておきそれを記憶手段に蓄えて、座標算出の際にその対応テーブルを参照して座標を出力するというやり方が考えられる。それらの処理に比べるとこの平行化レンズ手段の作用により著しい座標算出処理の単純化ひいては低コスト化ができることになる。
【0018】
第二に座標読取面上にそって進行する光の光路を座標読取面の裏側に折り返す光学的反射手段について説明する。この光学的反射手段は例えば、プリズムによって構成され得る。この光学的反射手段は、光路長を稼ぐように作用するものである。すなわち、もしもこの光学的反射手段がなかりせば、撮像手段を座標読取面の端から相当の距離を隔てて配置せねばならず、光デジタイザ全体の占める面積が座標読取面に比べて相当に大きなものとなる。別の言い方をすれば、光デジタイザの占める面積のうちの読取有効領域の面積を大きくする、または、無効領域を小さくする機能を果たすということができる。
【0019】
第三に座標読取面の裏側を進行する2組の光を合成するハーフミラー手段の作用について説明する。このハーフミラー手段は、2つの撮像手段のうちの一つを省略して1個の撮像手段で済むようにするという作用をする。低コストの効果の大きいものである。このハーフミラー手段を使う場合、指示位置に点状光源を設けてその位置を検出するというやり方は困難である。2組の光を合成した結果、撮像手段に二つの像が同時に検出されるため、それらの分離の必要が生じるからである。本発明においては、その困難を解決することを課題とはしない。本発明にあっては、指示位置を示す指またはスタイラスが直接的に発光するものではなく、間接的に発光する(または影をつくる)場合において、その光源を交互に発光させ、どちらの光源が発光しているかの情報を座標算出処理手段が知り得る(当該処理手段が光源の発光を制御する場合を含む。)ごとくに構成することにより二つの撮像手段を一つ省略することとする。
【0020】
本発明の発明者が提案する最良の実施形態にあっては、これらの三つの構成要素をすべて用いるから、座標算出の単純化、有効領域の拡大、撮像手段の一つ省略という3つの作用のすべてがなされる。その結果、それらの相乗作用により、パーソナルコンピュータとりわけ携帯型のパソコンに搭載するのに適した経済的な光デジタイザを構成できるように作用する。
【0021】
他の実施例にあっては、これらの三つのうちの幾つかを用いる。その場合、いずれかの作用を欠くために、座標算出処理の簡便さを犠牲にするか、有効領域の拡大を犠牲にするか、撮像手段を二つ設けることとするか、という不利益を残すものの他の作用による利益を妨げることはない。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、実施例11、すなわち、視野角を平行にするレンズと、光路を折り返すプリズムを使用し、かつ、指の背後に光源を配置する実施例を示す図である。
【0023】
以下、図1を参照しつつ、実施例11について説明する。
【0024】
図1では、煩雑を避けるため、図示を省略したが、座標読取面を示す板が置かれた上を操作者の指が自由に動けるように構成される。光源101は、その指をその背後から照らすように、座標読取面を構成する四辺形のうちの一辺上に配置される。プリズム141は、座標読取面を構成する四辺のうち光源101の置かれた辺と相対する辺の上に置かれ、光源101からの光を2回全反射してその光路を折り返すように働く。
【0025】
凸レンズ131は、プリズム141により折り返された光路をピンホール121に集束させるべく配置される。逆に言えば、リニアイメージセンサ111およびピンホール121側から見たとき、放射状に広がる視野角を平行にする働きをしている。ピンホール121は、指の像をリニアイメージセンサ111に結像させるべく、リニアイメージセンサ111の受光素子の前方に配置される。リニアイメージセンサ111は、光源101を配置した位置の前記座標読取面に対するちょうど裏側の位置に近く配置して、その受光素子の面がプリズム141を向くようにするのが光路長を稼ぐ上で望ましい。
【0026】
このような構成により、座標読取面上の指の像を該座標読取面の裏側に導いてその像を結像することが可能になる。そして、省スペースの問題をクリアしつつ、得られる角度の分解能の問題をも解決することを可能にする。
【0027】
図2は、実施例12、すなわち、視野角を平行にするレンズと、光路を折り返すプリズムを使用し、かつ、指の前面に光源を配置する実施例を示す図である。図2にあっては、リニアイメージセンサ211、ピンホール221、凸レンズ231、プリズム241の位置関係は図1に示す実施例11と同様であるが、光源201の配置が図1に示す実施例11とは異なり、プリズム241と同じ側に置かれ、座標読取面上の指を前面から照らすように構成される。
【0028】
図1に示す実施例11が指の影の像を結像させるのに対し、図2に示す実施例12は、指の像そのものを結像させるものであるといえる。
【0029】
図3は、実施例13、すなわち、視野角を平行にするレンズと、光路を折り返すプリズムを使用し、かつ、LEDが先端に付いたスタイラスを使用する実施例を示す図である。図3にあっては、リニアイメージセンサ311、ピンホール321、凸レンズ331、プリズム341の位置関係は図1に示す実施例11あるいは、図2に示す実施例12と同様であるが、光源として用いるのがスタイラスの先に設けたLEDである点、操作者が座標読取面上で操作するのが指の先ではなく、スタイラスである点が図1、図2に示す実施例11、12とは異なる。
【0030】
スタイラスという別個の器具を用いる必要があるが、検出すべき像の大きさが指よりも小さいLEDである点においてリニアイメージセンサの信号処理をより簡単にすることができるという利点を有する。
【0031】
図4は、実施例21、すなわち、二次元座標を検出するために、2組のイメージセンサを使用した実施例を示す図である。図1から図3に示した実施例11、12、13はいずれも指またはスタイラスの像を一つの方向から見るのみであったため、一次元座標の検出はできるが、2次元座標の決定まではできない。それに対し、図4に示す実施例では、二次元座標の決定をすべく、図1に示した構成を二組用いたものである。
【0032】
図4(a)は、実施例21の構成を座標読取面の上側すなわち、指またはスタイラスを動かす側から見た平面図である。座標読取面はここではおよそ正方形に近い形としている。その正方形を構成する四辺のうち一辺に光源A401を配置し、それと相対する辺の上にプリズム441を配置する。残余の二辺のうち一辺に光源B402を配置し、それと相対する辺の上にプリズム442を配置する。プリズムの向きは、いずれもそれぞれ光源A、光源Bからの光を2度全反射して光路を折り返して座標読取面の裏側を逆向きに進行させる向きである。
【0033】
図4(b)は、実施例21の構成を座標読取面の裏側から見た図、すなわち、図4(a)の向きからはひっくり返してみた図である。座標読取面上に指またはスタイラスがあると、それが光源A401によって照らされた結果できる影の像は、プリズム441によって折り返され、凸レンズ431、ピンホール421を通してリニアイメージセンサ411上に結像する。同様に、指またはスタイラスが光源B402によって照らされた結果できる影の像は、プリズム442によって折り返され、凸レンズ432、ピンホール422を通してリニアイメージセンサ412上に結像する。プリズムと凸レンズの働きによりリニアイメージセンサ上に得られる像は十分に鮮明であり、かつ、座標読取面の裏側のスペースを有効に利用しているから距離による分解能の違いの問題も起こらない。二つのリニアイメージセンサの出力が図示しない信号処理手段により処理されて二次元座標が算出されることは、図10に示した従来例と同様である。
【0034】
なお、煩雑を避けるために図示は省略するが、実施例11の応用として図4に描いた実施例21が構成可能であるのと同様に、二組のイメージセンサを使用した実施例として実施例22、実施例23が、それぞれ実施例12、実施例13の応用として構成可能である。
【0035】
図5は、実施例31、すなわち、2つの折り返し手段により、光路をつづら折りにする実施例を示す断面図である。実施例31にあっては、この光デジタイザは三層構造を有する。第1層は、座標読取面であり、その上を指またはスタイラスが移動可能な面である。第1層の座標読取面を構成する四辺形の四辺のうち一辺の上に設けられた(線状)光源501によって照らされたスタイラスの影の像は、光源501の設けられた辺に相対する辺上に設けられた第1プリズム541により折り返され、第2層を進行する。
【0036】
第2層を進行した光は、さらに第1プリズム541に相対する辺の上に設けられた第2プリズム542によってさらに折り返され第3層を進行する。その光は対物レンズ531を介してリニアイメージセンサ511に入る。対物レンズ531は座標読取面上の指またはスタイラスの影の像をリニアイメージセンサ511に結像するように設計され、配置される。
【0037】
図5は、この光デジタイザの一つの断面について描いたが、それと直交する断面図もまた同様の構成となる。
【0038】
図6は、図5に描いた光デジタイザの原理を説明するため、プリズムによる光路の折り返しを展開して描いた図である。プリズムをそれぞれ2個用いて光路長を稼いだため、視野角を小さくできる。この場合の座標読取の有効エリアはそれぞれのリニアイメージセンサ511、512が、対物レンズ531、532を通じて見込む視野の重なり合う図形に内接する長方形として得られることになる。
【0039】
なお、実施例31と同様に、実施例32、実施例33として、それぞれ実施例12、実施例13からの応用も可能である。
【0040】
図7は、ハーフミラーを使用して、イメージセンサを1つ省略した実施例41を示す図である。図7には、煩雑を避けるため、座標読取面上に配置される光源および指またはスタイラス等の位置指示手段を描くのを省略してある。図4に示した実施例21と比較すると、図4(b)と同様に座標読取面の裏側から見た図が図7である。プリズム741、742、凸レンズ731、732は図4(b)と同様である。
【0041】
実施例41が、図4に示す実施例21と異なるのは、2点ある。第一は、ハーフミラー751がプリズム741とプリズム742とのなす角をちょうど二等分する線に沿って配置されている点である。第二は、リニアイメージセンサ712、ピンホール722とがプリズム742に対向する側に置かれているのみであって、プリズム741に対向する側のリニアイメージセンサおよびピンホールが省略されている点である。ハーフミラー751の働きにより、プリズム741、凸レンズ731を通って進行する光は直角に折り曲げられ、ピンホール722を経てリニアイメージセンサ712に結像するからである。ここで用いるハーフミラーはたとえば、ガラス板の裏面に金属を薄く蒸着したものが用いられ得る。この構成によれば、二つの像が合成されてリニアイメージセンサ712に結像することとなるが、それらを分離する処理は図8に示すフローチャートによりなされる。
【0042】
図8は、光源の点滅により2つの像の分離を可能とする処理を示すフローチャートである。従来技術の説明で述べたように、この種の光デジタイザはリニアイメージセンサの出力信号を処理して二次元座標値を算出し、外部機器に出力するものであるが、その信号処理手段は、マイクロプロセッサを中心とする回路(図7では図示を省略してある。)により構成され、予め記憶されたプログラムにしたがって、処理を行うものである。実施例41にあっては、このマイクロプロセッサが二つの光源A,Bの点灯、消灯という制御をも含めた処理を実行する。図8は、その際にそのマイクロプロセッサが実行するプログラムを示したものである。
【0043】
図8に示したフローチャートを参照しつつ、リニアイメージセンサの出力から二つの像を分離する処理を説明する。まず、ステップ1において、光源Aを点灯して、光源Bを消灯する。この時、光源Aによってできた指またはスタイラスの像は、プリズム741、凸レンズ731を通過し、ハーフミラー751によって直角に反射されて、ピンホール722を通過し、リニアイメージセンサ712に結像する。
【0044】
次に、ステップ2において、リニアイメージセンサ712により、画像(1)を読む。この画像は、プリズム741に対向する辺の上に設けられた光源Aによりできた指またはスタイラスの影の像である。
【0045】
さらに、ステップ3において、光源Bを点灯して、光源Aを消灯する。この時、光源Bによって、できた指またはスタイラスの像は、プリズム742、凸レンズ732、ハーフミラー751を通過し、さらにピンホール722を通過して、リニアイメージセンサ712に結像する。
【0046】
ステップ4において、リニアイメージセンサ712により、画像(2)を読む。この画像は、プリズム742に対向する辺の上に設けられた光源Bによりできた指またはスタイラスの影の像である。
【0047】
最後に、ステップ5において、画像(1)と画像(2)から指示位置(X,Y)を演算する。求められた座標値は、パーソナルコンピュータ等の他の機器に送出されることとなる。
【0048】
なお、指(またはスタイラス)の影の像を用いる実施例21の変形として、前面から光を当てて得られる指(またはスタイラス)の像を用いる実施例22が考えられたのと同様に、実施例41の変形として、前面から光を当てて得られる指(またはスタイラス)の像を用いる実施例42が考えられる。その場合には、スタイラスの先の反射材を再帰性の強いものとして光が来た方向にもっとも強く返すこととするのが望ましい。リニアイメージセンサ712が受けた二つの方向からの合成された光を分離して処理する必要上、直角方向へ進む光との識別をする必要があるからである。
【0049】
図9は、プリズムを二重に用いる実施例31に対してハーフミラーによるイメージセンサの1つ省略を施した実施例51を示す図である。本実施例においては、視野角を平行化するレンズ手段を用いていないから、座標算出は三角測量と類似の方法、すなわち角度や三角関数を利用したやり方、または2組の撮像手段の出力とXY座標との対応関係をテーブルにもっておいてそれを参照するやり方等によってなされることになる。
【0050】
【発明の効果】
撮像手段の視野をある幅をもって平行にするレンズ手段と、撮像の光路を座標読取面の裏側に折り返す反射手段を用いることにより、座標読取面上のどの場所においても同一の高い位置検出分解能が得られると同時に、デジタイザのサイズをコンパクトにできるという効果がある。
【0051】
高い分解能が得られるということは、同一の分解能であればより画素数の少ないイメージセンサに置き換えられるので経済性に優れるという効果もある。
【0052】
経済性とコンパクト性に優れ、指示手段のパッドへの接触状態に影響を受けずに安定して指示位置を検出できるので、パソコン搭載に最適なポインティングデバイスを提供できるという効果がある。
【0053】
2つの反射手段を組み合わせることにより、撮像対象の指示手段と撮像手段との光路距離を大きくすることができるので、座標読取面上の位置による位置検出分解能の変化を最小限に抑えることができ、高い位置検出分解能が得られ、また同時にデジタイザのサイズをコンパクトにできるという効果がある。
【0054】
2次元の位置検出ができる構成において、光路の折り返し手段を用いて2方向の撮像光路を座標読取面の裏面で直交させ、ここにハーフミラー手段を配置することにより、2つの像を合成できる。そして、2つの像の1つを選択するために各々の光源を点滅制御する。このことによって、従来2つの撮像手段が必要だったのを1つに減らすことができるという効果がある。これは低コスト化の上で大きな経済効果がある。そして、この技術は、上記2つの技術と組み合わせて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 視野角を平行にするレンズと、光路を折り返すプリズムを使用し、かつ、指の背後に光源を配置する例を示す図。
【図2】 指の前面に光源を配置する例を示す図。
【図3】 LEDが先端に付いたスタイラスを使用する例を示す図。
【図4】 二次元座標を検出するために、2組のイメージセンサを使用した例を示す図。
【図5】 2つの折り返し手段により、光路をつづら折りにする例を示す図。
【図6】 この手段により、小型化が図れることを説明する図。
【図7】 ハーフミラーを使用して、イメージセンサを1つ省略した実施例を示す図。
【図8】 光源の点滅により2つの像の分離を可能とする処理を示すフローチャート。
【図9】 プリズムを二重に用いる構成でもハーフミラーによるイメージセンサの1つ省略が可能であることを示す図。
【図10】 従来の光デジタイザを説明する図。
【符号の説明】
101、 201、501、1001 光源
301 LED
401 光源A
402 光源B
111、211、311、511、512、712、1011、1012 リニアイメージセンサ
121、221、321、722、1021、1022 ピンホール
131、231、331、431、432、731、732 凸レンズ
531、532 対物レンズ
141、241、341、441、442、741、742 プリズム
541 第1プリズム
542 第2プリズム
751 ハーフミラー
1091 信号処理手段
Claims (4)
- 長方形形状の座標読取面と、
該座標読取面上で該座標読取面上の任意の位置を指示する指示手段と、
前記座標読取面に沿って進行する光を受光して電気信号に変換する撮像手段と、
該撮像手段の出力信号から前記指示手段が指示する前記座標読取面上の前記位置に関する情報を抽出する処理手段と、
前記長方形形状の座標読取面上の前記指示手段による指示位置が、前記座標読取面の長方形形状の一方の一辺と平行に移動しても、前記撮像手段の出力が変化しないように、前記座標読取面の長方形形状の他方の一辺の幅をもって前記撮像手段の視野を平行化する光学レンズ手段と、
前記座標読取面上に沿って進行する光の光路を座標読取面の裏側に折り返すための光学的反射手段と、を備えた光デジタイザであって、
前記座標読取面は、該座標読取面の裏側に該座標読取面と平行に境界面が設けられ、前記座標読取面と前記境界面を境界とする3層構造に形成されており、
前記座標読取面上の前記指示手段側の層を第1層、前記座標読取面と前記境界面との間の層を第2層、前記境界面の前記座標読取面の反対側の層を第3層としたとき、
前記座標読取面に沿って前記第1層を進行する光の光路を180度折り返して、前記座標読取面の裏側にある前記第2層を進行させる第一の光学的反射手段と、
前記第一の光学的反射手段によって折り返され前記第2層を進行する光を、さらに前記座標読取面から遠ざける向きに180度折り返して前記第3層を進行させる第二の光学的反射手段と
を備え、
前記撮像手段は、前記第3層に配置されて、前記座標読取面上での前記指示手段で指示された位置情報を読み取る
ことを特徴とする光デジタイザ。 - 長方形形状の座標読取面と、
該座標読取面上で該座標読取面上の任意の位置を指示する指示手段と、
前記座標読取面に沿って進行する光を受光して電気信号に変換する撮像手段と、
該撮像手段の出力信号から前記指示手段が指示する前記座標読取面上の前記位置に関する情報を抽出する処理手段と、
前記長方形形状の座標読取面上の前記指示手段による指示位置が、前記座標読取面の長方形形状の一方の一辺と平行に移動しても、前記撮像手段の出力が変化しないように、前記座標読取面の長方形形状の他方の一辺の幅をもって前記撮像手段の視野を平行化する光学レンズ手段と、
前記座標読取面上に沿って進行する光の光路を座標読取面の裏側に折り返すための光学的反射手段と、を備えた光デジタイザであって、
前記長方形形状の座標読取面を構成する長方形の四辺のうちの隣り合う2辺上にそれぞれ当該辺に広がる線状光源を互いに直交するように設け、
該線状光源から発し前記座標読み取り面上を進行する光の光路を該座標読み取り面の裏側に折り返すべく、前記線状光源を設けた辺のそれぞれ対辺にあたる辺上にそれぞれ光学的反射手段を互いに直交するように設け、
該光学的反射手段によりそれぞれ折り返されて前記座標読取面の裏側を進行する2組の光を合成するハーフミラー手段を配置し、
前記撮像手段を該ハーフミラー手段に対して前記光学的反射手段の反対側に配置する、
ことを特徴とする光デジタイザ。 - 前記指示手段は、操作者の指またはスタイラスペンであることを特徴とする請求項1または2に記載の光デジタイザ。
- 前記2組の線状光源は交互に点灯され、それぞれの点灯期間に、該線状光源の影となる前記指示手段の指示位置の像を前記撮像手段により撮像し、異なる2方向からの前記指示位置の像を一つの撮像手段で撮像することを特徴とする請求項2に記載の光 デジタイザ。
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