JP3837772B2 - Method for producing pigment composition, pigment composition and colorant composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビヒクル等に分散した際の使用適性、特に非凝集性、結晶安定性および流動性に優れ、また塗膜にした際の鮮明性、透明性に優れたC.I.ピグメントレッド177を含有する顔料組成物の製造方法およびそれにより得られた該顔料組成物および該顔料組成物とビヒクルとからなる着色剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
C.I.ピグメントレッド177(4,4’−ジアミノ−1,1’−ジアントラキノニル)は鮮明な色調と高い着色力を有する、実用上有用な赤色顔料である。しかしながら、オフセットインキ、グラビアインキおよび塗料のようなビヒクル、特に非水系ビヒクルに分散した場合、安定な分散体を得ることが難しく、製造作業上および得られる製品の価値に重大な影響を及ぼす種々の問題を引き起こすことが往々にして生じる。例えば、微細な粒子からなるC.I.ピグメントレッド177を含む分散体はしばしば高粘度を示し、製品の分散機からの取り出し、輸送が困難となるばかりでなく、更に悪い場合には貯蔵中にゲル化を起し、使用困難となる場合がある。
【0003】
また、異種の顔料を混合して使用する場合、凝集による色別れや沈降などの現象により、展色物において色むらや著しい着色力の低下となって現れることがある。さらに展色物の塗膜表面に関しては、光沢の低下やレベリング不良等の状態を生じることがある。またオフセットインキ、グラビアインキおよび塗料等の非水系ビヒクル中で、エネルギー的に不安定なC.I.ピグメントレッド177の結晶粒子がその大きさ、形態を変化させて安定状態に移行するため、展色物において著しい色相の変化、着色力の減少、粗大粒子の発生等により商品価値を損なうことがある。
【0004】
これらの問題を解決するために、銅フタロシアニン顔料やキナクリドン顔料を中心として、数多くの提案がされている。その内容を技術的手法から分類すると大きく次のような2つに分けられる。第1の方法は、USP3370971号公報およびUSP2965511号公報に見られるように、酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび第3級ブチル安息香酸のように無色の化合物で、顔料粒子の表面を被覆するものである。第2の方法は、特公昭41−2466号公報およびUSP2761865公報に代表されるように、有機顔料を母体骨格とし、側鎖にスルホン基、スルホンアミド基、アミノメチル基、フタルイミドメチル基等の置換基を導入して得られる化合物を混合する方法である。
【0005】
第2の方法は第1の方法と比較して非水性ビヒクル中での顔料の非集合性、結晶安定性等に関する効果が著しく大きく、また顔料組成物の製造の容易さから判断しても非常に有利な方法である。特開昭63−172772公報には、特にC.I.ピグメントレッド177のスルホン化誘導体を混合する第2の方法が提案されているが、この方法により得られた顔料組成物は品質的に十分に満足できるものではない。
【0006】
近年、顔料分散体の新規用途開発として、液晶ディスプレイのカラーフィルター用顔料分散体、インクジェットプリンターに用いるインクジェット用顔料分散体等への応用が進められている。これらは顔料分散体をより高機能なデバイス等への用途に用いようとするもので、要求物性に合った顔料分散体を得るためには、特に微細でかつ安定に分散する顔料が必要となる。
【0007】
これら新規用途の顔料分散体として用いるためには、従来の方法により製造されたC.I.ピグメントレッド177を含有する顔料組成物では、品質的に十分なものとはいえず、要求物性を満足させることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、C.I.ピグメントレッド177を含有する顔料組成物の上記の欠点を改良し、顔料粒子が比表面積値で50〜150m2 /gとなるように微細でかつ均一な形状に整粒された顔料組成物の製造を可能にすることにより、広範囲の組成の非水系および水系ビヒクルに対して、良好な耐凝集性、耐結晶成長性と安定性および分散体の流動性を与え、かつ塗膜にした際の鮮明性、透明性に優れた顔料組成物の製造方法を提供するものである。
さらに本発明は、オフセットインキ、グラビアインキ、塗料、プラスチック用着色剤、水系カラー、捺染、トーニング剤、カラートナー、カラーフィルタ用顔料分散体、インクジェット用顔料分散体等の用途に優れた適性を有する顔料組成物および該顔料組成物とビヒクルとからなる着色剤組成物を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、
下式[1]
【化3】
で表される、C.I.ピグメントレッド177と、
上記構造のC.I.ピグメントレッド177のアミノ基と塩化シアヌルとの反応により導入したトリアジン骨格のクロロ基をHN(CH 2 ) n NR 3 R 4 (式中、R 3 R 4 は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基を、nは1〜6の整数を表す。)の構造を有するアミン、アルコール類又はヒドロキシメチルフタルイミドと反応させることにより得られるジアントラキノン誘導体
との混合物を、水溶性無機塩類または水溶性無機塩類および溶剤の存在下、機械的に混練し、顔料粒子を比表面積値が50〜150m2 /gとなるように微細に整粒することを特徴とする顔料組成物の製造方法に関する。
更に本発明は、ジアントラキノン誘導体が下式[2]である上記製造方法に関する。
【化4】
更に本発明は、上記製造方法により製造した顔料組成物に関する。
更に本発明は、上記顔料組成物とビヒクルとからなる着色剤組成物に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明においてC.I.ピグメントレッド177と混合して用いられるジアントラキノン誘導体は、母体ジアントラキノン骨格へ置換基を導入することにより行うことができる。置換基の導入方法としては、母体のジアントキノン骨格が有するアミノ基と塩化シアヌルとの反応によりまずトリアジン骨格を導入し、次いでこのトリアジン骨格に残ったクロロ基をHN(CH2 )n NR3 R4 (nは1〜6の整数を表す)の構造を有するアミン成分、アルコール類、ヒドロキシメチルフタルイミドと反応させることにより導入することができる。
【0014】
本発明におけるジアントラキノン誘導体中の−NR3 R4 で表されるアミン残基の例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、n−アミルアミノ基、イソアミルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、ステアリルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、N−メチルヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−(2−エチルヘキシル)アミノ基、2−ヒドロキシメチルアミノエタノール基、ジエタノールアミノ基、3−アミノプロパノール基、2−アミノプロパノール基、3−メトキシプロピルアミノ基、3−エトキシプロピルアミノ基、3−プロポキシプロピルアミノ基、3−ブトキシプロピルアミノ基、3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピルアミノ基、3−ラウリロキシプロピルアミノ基、ピペリジニル基、2−ピペコリニル基、4−ピペコリニル基、2,4−ルペチジニル基、2,6−ルペチジニル基、3−ピペリジンメタノール基、N−アミノピペリジニル基、N−アミノ−4−ピペコリニル基、2−ピペリジンエタノール基、ピロリジニル基、3−ヒドロキシピロリジニル基、N−メチルホモピペリジニル基、N−メチルピペラジニル基、1−アミノ−4−シクロペンチルピペラジニル基、1−シクロペンチルピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホニリル基、ジメチルアミノエチルアミノ基、エチルアミノエチルアミノ基、ジエチルアミノエチルアミノ基、メチルアミノプロピルアミノ基、ジメチルアミノプロピルアミノ基、ジエチルアミノプロピルアミノ基、ジブチルアミノプロピルアミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミノ基、ラウリルアミノプロピルアミノ基、ジエタノールアミノプロピルアミノ基、N−アミノエチルピペリジニル基、N−アミノエチル−4−ピペコリニル基、N−アミノエチルモルホニリル基、N−アミノプロピルピペリジニル基、N−アミノプロピル−2−ピペコニル基、N−アミノプロピルモルホニリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
これら側鎖に導入されたアミン残基は、ビヒクルに含まれる樹脂成分のカルボキシル基等の部分と強い親和性を示し、多種用途においてC.I.ピグメントレッド177の分散性の向上に寄与するものと考えられる。
【0016】
本発明においてジアントラキノン誘導体の、C.I.ピグメントレッド177に対する配合比は、C.I.ピグメントレッド177を100重量部に対して0.3〜30重量部が好ましい。0.3重量部より少ないと効果が少なくなり、また30重量部より多く用いても用いた分の効果は得られず、顔料組成物として使用後の着色物の諸耐性を劣化させる恐れがある。最も好ましいのは0.5〜20重量部である。
【0017】
本発明において、C.I.ピグメントレッド177とジアントラキノン誘導体の機械的な混練には、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
本発明において、機械的に混練する際に用いる水溶性無機塩類としては、食塩、塩化カリウム、ボウ硝等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。水溶性無機塩類は、C.I.ピグメントレッド177を100重量部に対して100〜2000重量部用いるのが好ましく、300〜1000重量部用いるのが最も好ましい。
【0019】
本発明において、機械的に混練する際に用いる溶剤は特に限定されないが、混練時に温度が上昇し、溶剤が蒸発しやすい状態になるため、安全性の点から高沸点の溶剤が好ましい。例としては、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等を挙げることができる。
溶剤は、C.I.ピグメントレッド177を100重量部に対して10〜1000重量部用いるのが好ましく、50〜500重量部用いるのが最も好ましい。
【0020】
本発明において、機械的に混練する際に必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は好ましくは室温で固体で、水不溶性であり、かつ混練の際に溶剤を用いる場合には、その溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。
【0021】
本発明において、着色組成物を構成するビヒクルの例としては以下のものを挙げることができる。
オフセットインキ用ビヒクルの例としては、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキド樹脂、またはこれらの乾性油変性樹脂等20〜50重量%と、アマニ油、桐油、大豆油等の乾性油0〜30重量%、n−パラフィン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オレフィン等の溶剤10〜60重量%からなるものが挙げられる。
【0022】
グラビアインキ用ビヒクルの例としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、ライムロジン、ロジンエステル、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ギルソナイト、ダンマル、セラック等またはこれらの混合物、あるいは上記樹脂またはこれらの混合物を水溶化した水溶性樹脂、またはエマルション樹脂10〜50重量%と炭化水素、アルコール、ケトン、エーテルアルコール、エーテル、エステル、水等の溶剤30〜80重量%からなるものが挙げられる。
【0023】
塗料用ビヒクルの例としては、アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ゴム、塩化ビニル、合成樹脂エマルション、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等またはこれらの混合物、あるいは上記樹脂またはこれらの混合物を水溶化した水溶性樹脂、またはエマルション樹脂20〜80重量%と炭化水素、アルコール、ケトン、エーテルアルコール、エーテル、エステル、水等の溶剤10〜60重量%からなるものが挙げられる。
【0024】
プラスチック用ビヒクルの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン系アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース系プラスチック、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイト、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、さらにはこれらの複合物等が挙げられる。
【0025】
水系カラー用ビヒクルの例としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤、あるいはスルホン酸アミド系、ヒドロキシステアリン酸系、ε−カプロラクタム系の高分子分散剤から選ばれる少なくとも1種と、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリストール等の多価アルコール、水、必要によりアミン、防腐剤、消泡剤等の助剤からなるものが挙げられる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお実施例において「部」は全て重量部を示す。
実施例1
粗製のC.I.ピグメントレッド177:100部、式[8]で示される化合物1.0部、粉砕した食塩700部およびジエチレングリコール200部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。次にこの混合物を温水4000部に投入し、約80℃で2時間加熱攪拌した。この時混合物は温水中で、十分に分散されたスラリー状になっていた。混合物をろ過し、70℃の温水約12000部で十分に洗浄して、食塩およびジエチレングリコールを除去し、85℃の乾燥機中で乾燥して顔料組成物(d)97部を得た。得られた顔料組成物について、比表面積を窒素ガスを吸着させ、BETの1点法に従って測定した結果、100m2 /gであった。グラビア用環化ゴムワニスに顔料組成物(d)を、顔料分が10重量%となるように配合し、ビーズミルで分散してグラビアインキを調整した。その流動性をC.I.ピグメントレッド177(チバガイギー社製クロモフタルレッドA3B)を単独で使用して同様に調整したグラビアインキと、B型粘度計を用いて比較したところ、顔料組成物(d)を使用したものが著しく優れていた。また該グラビアインキで印刷した印刷物の色調の鮮明性、透明性、着色力および光沢に関する効果においても優れた結果が得られた。
式[8]
【化5】
【0034】
【発明の効果】
本発明の製造方法により得られた顔料組成物は、芳香族溶媒中において常温ではもちろん、160℃まで加熱しても結晶転移、成長は認められず、色相および着色力の変化をきたさない。また、C.I.ピグメントレッド177をニーダーでの練肉を行わずに使用した場合に比べて、本発明の製造方法により得られた顔料組成物は、塗料またはグラビアインキ等の非水系ビヒクルに良好な分散性を示し、凝集を起こさないため、良好な流動性を示すと同時に、異種顔料との混合使用においても色別れまたは顔料の沈降を起こさない。したがって、印刷物あるいは塗膜の光沢が良好となり、また美麗な高分子着色物を得ることができる。本発明の製造方法において、ニーダーでの練肉の際にC.I.ピグメントレッド177に混合されるジアントラキノン誘導体は、顔料粒子を微細でかつ均一な形状に整粒する上で極めて高い効果を示す。本発明の製造方法により得られた顔料組成物は、C.I.ピグメントレッド177単独でニーダーによる練肉を行い、得られた顔料組成物と比較して、特に展色物塗膜の光沢、鮮明性および透明性が著しく向上する。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention has excellent suitability for use when dispersed in a vehicle or the like, in particular, excellent non-aggregation, crystal stability and fluidity, and excellent clarity and transparency when formed into a coating film. I. The present invention relates to a method for producing a pigment composition containing CI Pigment Red 177, the pigment composition obtained thereby, and a colorant composition comprising the pigment composition and a vehicle.
[0002]
[Prior art]
C. I. Pigment Red 177 (4,4′-diamino-1,1′-dianthraquinonyl) is a practically useful red pigment having a clear color tone and high coloring power. However, when dispersed in vehicles such as offset inks, gravure inks and paints, especially non-aqueous vehicles, it is difficult to obtain a stable dispersion, which has a significant impact on manufacturing operations and the value of the resulting product. It often causes problems. For example, C.I. I. Dispersions containing CI Pigment Red 177 often exhibit high viscosity, making it difficult to remove and transport the product from the disperser, and if worse, cause gelation during storage, making it difficult to use There is.
[0003]
In addition, when different types of pigments are used in combination, they may appear as uneven color or a marked reduction in coloring power due to phenomena such as color separation or sedimentation due to aggregation. Furthermore, on the surface of the paint film of the color-extended product, a state such as a decrease in gloss or poor leveling may occur. In addition, C.I. which is unstable in energy in non-aqueous vehicles such as offset ink, gravure ink and paint. I. Since the pigment red 177 crystal particles change their size and shape to a stable state, the product value may be impaired due to a remarkable hue change, a reduction in coloring power, generation of coarse particles, etc. .
[0004]
In order to solve these problems, many proposals have been made focusing on copper phthalocyanine pigments and quinacridone pigments. The contents can be roughly classified into the following two categories based on technical methods. The first method is to coat the surface of pigment particles with a colorless compound such as silicon oxide, aluminum oxide and tertiary butylbenzoic acid, as seen in US Pat. No. 3,370,971 and US Pat. No. 2,965,511. In the second method, as represented by Japanese Examined Patent Publication No. S41-2466 and US Pat. No. 2,761,865, an organic pigment is used as a base skeleton, and a side chain is substituted with a sulfone group, a sulfonamide group, an aminomethyl group, a phthalimidomethyl group, or the like. In this method, a compound obtained by introducing a group is mixed.
[0005]
The second method is significantly more effective than the first method in terms of the non-aggregation property and crystal stability of the pigment in the non-aqueous vehicle, and it is extremely judged from the ease of production of the pigment composition. This is an advantageous method. Japanese Patent Application Laid-Open No. 63-172773 discloses C.I. I. A second method of mixing a sulfonated derivative of CI Pigment Red 177 has been proposed, but the pigment composition obtained by this method is not sufficiently satisfactory in quality.
[0006]
In recent years, as a new application development of a pigment dispersion, application to a pigment dispersion for a color filter of a liquid crystal display, an ink jet pigment dispersion used for an ink jet printer, and the like has been advanced. These are intended to use the pigment dispersion for applications such as more sophisticated devices, and in order to obtain a pigment dispersion that meets the required physical properties, a particularly fine and stable pigment is required. .
[0007]
For use as a pigment dispersion for these new applications, C.I. I. The pigment composition containing CI Pigment Red 177 is not sufficient in quality and cannot satisfy the required physical properties.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention relates to C.I. I. Improvement of the above-mentioned drawbacks of the pigment composition containing CI Pigment Red 177, and production of a pigment composition which is sized in a fine and uniform shape so that the pigment particle has a specific surface area value of 50 to 150 m 2 / g Enables non-aqueous and aqueous vehicles of a wide range of compositions to have good anti-agglomeration properties, resistance to crystal growth and stability, and fluidity of the dispersion. The present invention provides a method for producing a pigment composition having excellent properties and transparency.
Furthermore, the present invention has excellent suitability for applications such as offset ink, gravure ink, paint, plastic colorant, water-based color, textile printing, toning agent, color toner, color filter pigment dispersion, inkjet pigment dispersion, etc. The present invention provides a pigment composition and a colorant composition comprising the pigment composition and a vehicle.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The above-mentioned subject is achieved by the following present invention. That is, the present invention
The following formula [1]
[Chemical 3]
Represented by C.I. I. Pigment Red 177,
C.I. I. The chloro group of the triazine skeleton introduced by the reaction of the amino group of Pigment Red 177 with cyanuric chloride is converted to HN (CH 2 ) n NR 3 R 4 ( wherein R 3 R 4 may have a hydrogen atom or a substituent). A mixture of a good alkyl group and a dianthraquinone derivative obtained by reacting with an amine, alcohol or hydroxymethylphthalimide having a structure of n is a water-soluble inorganic group. Manufacture of a pigment composition characterized by mechanically kneading in the presence of a salt or water-soluble inorganic salt and a solvent, and finely sizing the pigment particles to have a specific surface area value of 50 to 150 m 2 / g. Regarding the method.
Furthermore, this invention relates to the said manufacturing method whose dianthraquinone derivative is following Formula [2].
[Formula 4]
Furthermore, this invention relates to the pigment composition manufactured by the said manufacturing method.
The present invention further relates to a colorant composition comprising the above pigment composition and a vehicle.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, C.I. I. The dianthraquinone derivative used by mixing with Pigment Red 177 can be carried out by introducing a substituent into the parent dianthraquinone skeleton. As a method for introducing a substituent, a triazine skeleton is first introduced by a reaction between an amino group of the parent diantoquinone skeleton and cyanuric chloride, and then a chloro group remaining in the triazine skeleton is converted to HN (CH 2 ) n NR 3 R 4. It can introduce | transduce by making it react with the amine component which has the structure of (n represents the integer of 1-6), alcohol, and hydroxymethyl phthalimide.
[0014]
—NR 3 R 4 in the dianthraquinone derivative in the present invention Examples of amine residues represented by the formula: methylamino group, ethylamino group, propylamino group, isopropylamino group, n-butylamino group, isobutylamino group, n-amylamino group, isoamylamino group, n-hexyl Amino group, octylamino group, 2-ethylhexylamino group, decylamino group, dodecylamino group, stearylamino group, dimethylamino group, diethylamino group, di-n-butylamino group, diisobutylamino group, N-methylhexylamino group, Di-n-octylamino group, di- (2-ethylhexyl) amino group, 2-hydroxymethylaminoethanol group, diethanolamino group, 3-aminopropanol group, 2-aminopropanol group, 3-methoxypropylamino group, 3 -Ethoxypropylamino group, 3-propoxy Propylamino group, 3-butoxypropylamino group, 3- (2-ethylhexyloxy) propylamino group, 3-lauryloxypropylamino group, piperidinyl group, 2-pipecolinyl group, 4-pipecolinyl group, 2,4-lupetidinyl Group, 2,6-lupetidinyl group, 3-piperidinemethanol group, N-aminopiperidinyl group, N-amino-4-pipecolinyl group, 2-piperidineethanol group, pyrrolidinyl group, 3-hydroxypyrrolidinyl group, N -Methylhomopiperidinyl group, N-methylpiperazinyl group, 1-amino-4-cyclopentylpiperazinyl group, 1-cyclopentylpiperazinyl group, morpholinyl group, thiomorpholinyl group, dimethylaminoethylamino group, ethylamino Ethylamino group, diethylaminoethylamino group, methylamino Propylamino group, dimethylaminopropylamino group, diethylaminopropylamino group, dibutylaminopropylamino group, 2-hydroxyethylaminopropylamino group, laurylaminopropylamino group, diethanolaminopropylamino group, N-aminoethylpiperidinyl group N-aminoethyl-4-pipecolinyl group, N-aminoethylmorpholinyl group, N-aminopropylpiperidinyl group, N-aminopropyl-2-pipeconyl group, N-aminopropylmorpholinyl group, etc. However, it is not limited to these.
[0015]
The amine residues introduced into these side chains have a strong affinity with the carboxyl group or the like of the resin component contained in the vehicle. I. It is thought that it contributes to the improvement of the dispersibility of Pigment Red 177.
[0016]
In the present invention, C.I. I. The compounding ratio with respect to Pigment Red 177 is C.I. I. Pigment Red 177 is preferably 0.3 to 30 parts by weight with respect to 100 parts by weight. If the amount is less than 0.3 parts by weight, the effect is reduced, and even if it is used in an amount of more than 30 parts by weight, the effect of the amount used cannot be obtained, and there is a risk of deteriorating various resistances of the colored product after use as a pigment composition. . Most preferred is 0.5 to 20 parts by weight.
[0017]
In the present invention, C.I. I. For mechanical kneading of Pigment Red 177 and the dianthraquinone derivative , a kneader, a two-roll mill, a three-roll mill, a ball mill, an attritor, a sand mill, or the like can be used, but is not limited thereto.
[0018]
In the present invention, examples of the water-soluble inorganic salts used for mechanical kneading include, but are not limited to, sodium chloride, potassium chloride, bow glass and the like. Water-soluble inorganic salts are C.I. I. It is preferable to use 100 to 2000 parts by weight of Pigment Red 177 with respect to 100 parts by weight, and most preferable to use 300 to 1000 parts by weight.
[0019]
In the present invention, the solvent used for mechanical kneading is not particularly limited, but a solvent having a high boiling point is preferable from the viewpoint of safety because the temperature rises during the kneading and the solvent easily evaporates. Examples include 2- (methoxymethoxy) ethanol, 2-butoxyethanol, 2- (isopentyloxy) ethanol, 2- (hexyloxy) ethanol, diethylene glycol, diethylene glycol monomethyl ether, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, tri Ethylene glycol, triethylene glycol monomethyl ether, liquid polyethylene glycol, 1-methoxy-2-propanol, 1-ethoxy-2-propanol, dipropylene glycol, dipropylene glycol monomethyl ether, dipropylene glycol monoethyl ether, low molecular weight polypropylene A glycol etc. can be mentioned.
The solvent is C.I. I. It is preferable to use 10 to 1000 parts by weight of Pigment Red 177 with respect to 100 parts by weight, and most preferable to use 50 to 500 parts by weight.
[0020]
In the present invention, a resin may be added as necessary when mechanically kneading. The type of resin used is not particularly limited, and natural resins, modified natural resins, synthetic resins, synthetic resins modified with natural resins, and the like can be used. The resin used is preferably solid at room temperature, insoluble in water, and more preferably partially soluble in the solvent when a solvent is used during kneading.
[0021]
In the present invention, examples of the vehicle constituting the coloring composition include the following.
Examples of vehicles for offset ink include rosin-modified phenolic resin, petroleum resin, alkyd resin, or 20 to 50% by weight of these drying oil-modified resins, and drying oils of linseed oil, tung oil, soybean oil, etc. 0 to 30%. %, N-paraffin, isoparaffin, aromatech, naphthene, α-olefin, and the like.
[0022]
Examples of gravure ink vehicles include gum rosin, wood rosin, tall oil rosin, lime rosin, rosin ester, maleic acid resin, polyamide resin, vinyl resin, nitrocellulose, cellulose acetate, ethyl cellulose, chlorinated rubber, cyclized rubber, ethylene-acetic acid Vinyl copolymer resin, polyurethane resin, polyester resin, alkyd resin, acrylic resin, gilsonite, dammar, shellac, etc., or a mixture thereof, or a water-soluble resin obtained by water-solubilizing the above resin or a mixture thereof, or an emulsion resin of 10 to 50 weights And 30 to 80% by weight of a solvent such as hydrocarbon, alcohol, ketone, ether alcohol, ether, ester or water.
[0023]
Examples of paint vehicles include acrylic resins, alkyd resins, epoxy resins, chlorinated rubber, vinyl chloride, synthetic resin emulsions, silicone resins, fluororesins, polyurethane resins, polyester resins, melamine resins, urea resins, etc., or mixtures thereof. Alternatively, a water-soluble resin obtained by water-solubilizing the above resin or a mixture thereof, or emulsion resin 20 to 80% by weight and a solvent such as hydrocarbon, alcohol, ketone, ether alcohol, ether, ester, water or the like 10 to 60% by weight Is mentioned.
[0024]
Examples of plastic vehicles include polyethylene, polypropylene, polybutadiene, ethylene ionomer, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, ABS resin, acrylic resin, methacrylic resin, polyvinyl alcohol, cellulose plastic, epoxy resin, polyester resin, phenol resin. , Urea resin, melamine resin, polyurethane resin, silicone resin, polyamide resin, polystyrene, polyacetal, polycarbonate, polyphenylene ether, polyphenylene sulfite, polysulfone, polyether imide, polyether ketone, and composites thereof.
[0025]
Examples of water-based color vehicles include at least one selected from nonionic, anionic, and cationic surfactants, or sulfonic acid amide, hydroxystearic acid, and ε-caprolactam polymer dispersants; Examples thereof include polyhydric alcohols such as glycerin, ethylene glycol, triethylene glycol, propylene glycol, and pentaerythritol, water, and if necessary, auxiliary agents such as amines, preservatives, and antifoaming agents.
[0030]
【Example】
The present invention will be specifically described below with reference to examples. In the examples, “parts” are all parts by weight.
Example 1
Crude C.I. I. Pigment Red 177: 100 parts, 1.0 part of the compound represented by the formula [8], 700 parts of crushed salt and 200 parts of diethylene glycol were charged into a stainless gallon kneader (manufactured by Inoue Seisakusho) and kneaded at 70 ° C. for 4 hours. . Next, this mixture was poured into 4000 parts of warm water, and heated and stirred at about 80 ° C. for 2 hours. At this time, the mixture was in a well-dispersed slurry in warm water. The mixture was filtered, washed thoroughly with about 12000 parts of warm water at 70 ° C. to remove salt and diethylene glycol, and dried in a dryer at 85 ° C. to obtain 97 parts of a pigment composition (d). With respect to the obtained pigment composition, the specific surface area was measured by adsorbing nitrogen gas and measured according to the BET one-point method. As a result, it was 100 m 2 / g. The pigment composition (d) was blended with the cyclized rubber varnish for gravure so that the pigment content was 10% by weight, and dispersed with a bead mill to prepare gravure ink. Its fluidity is represented by C.I. I. When using a B-type viscometer and a gravure ink prepared in the same manner using Pigment Red 177 (Chromophthalred A3B manufactured by Ciba Geigy Co., Ltd.) alone, the one using the pigment composition (d) was remarkably superior. It was. In addition, excellent results were obtained in the effects relating to the sharpness, transparency, coloring power and gloss of the printed matter printed with the gravure ink.
Formula [8]
[Chemical formula 5]
[0034]
【The invention's effect】
When the pigment composition obtained by the production method of the present invention is heated to 160 ° C. in an aromatic solvent at room temperature, no crystal transition or growth is observed, and the hue and tinting strength are not changed. In addition, C.I. I. Compared to the case where Pigment Red 177 is used without kneading with a kneader, the pigment composition obtained by the production method of the present invention exhibits better dispersibility in non-aqueous vehicles such as paints or gravure inks. In addition, since it does not cause agglomeration, it exhibits good fluidity, and at the same time, does not cause color separation or pigment precipitation even when mixed with different pigments. Therefore, the gloss of the printed matter or the coating film becomes good, and a beautiful polymer colored product can be obtained. In the production method of the present invention, C.I. I. The dianthraquinone derivative mixed with Pigment Red 177 exhibits a very high effect in regulating the pigment particles into a fine and uniform shape. The pigment composition obtained by the production method of the present invention is C.I. I. Pigment Red 177 alone is kneaded with a kneader, and the gloss, sharpness, and transparency of the color-extracted coating film are significantly improved as compared with the obtained pigment composition.
Claims (4)
上記構造のC.I.ピグメントレッド177のアミノ基と塩化シアヌルとの反応により導入したトリアジン骨格のクロロ基をHN(CH 2 ) n NR 3 R 4 (式中、R 3 R 4 は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基を、nは1〜6の整数を表す。)の構造を有するアミン、アルコール類又はヒドロキシメチルフタルイミドと反応させることにより得られるジアントラキノン誘導体
との混合物を、水溶性無機塩類または水溶性無機塩類および溶剤の存在下、機械的に混練し、顔料粒子を比表面積値が50〜150m2 /gとなるように微細に整粒することを特徴とする顔料組成物の製造方法。The following formula [1]
C.I. I. The chloro group of the triazine skeleton introduced by the reaction of the amino group of CI Pigment Red 177 with cyanuric chloride is converted to HN (CH 2 ) n NR 3 R 4 ( wherein R 3 R 4 has a hydrogen atom or a substituent). A mixture of a good alkyl group and a dianthraquinone derivative obtained by reacting with an amine, alcohol or hydroxymethylphthalimide having a structure of n is a water-soluble inorganic group. Manufacture of a pigment composition characterized by mechanically kneading in the presence of a salt or water-soluble inorganic salt and a solvent, and finely sizing the pigment particles to have a specific surface area value of 50 to 150 m 2 / g. Method.
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