JP3837709B2 - 回遊魚の陸上養殖用水槽 - Google Patents

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本発明は、マグロなどの回遊性の魚を陸上で養殖することを目的とする養殖用水槽に関する。
日本人が好むマグロ類は遠洋漁業の対象として、世界中の海から日本の食卓へ供給されてきた。しかし、近年は次第に漁獲量にかげりが見え、絶滅危惧種に指定されて捕獲が制限されるようになってきた。将来的にはくじらのように捕獲禁止となる可能性も予測されないではない。
そこで、マグロ類の人工養殖が試みられるようになってきたが、その方法は、海面で直径30m、深さ10m程度の円形あるいは長円形の網いけすを用い、その中に稚魚(本明細書ではふ化直後のものを稚魚、その上を幼魚、成魚と呼ぶ。)を放流して飼育するというものである。しかし、この方法には幾多の困難がつきまとい、事業者は苦労が絶えない。
その困難の主なものを挙げると、次のようである。
(1) 餌の食べ残しや糞などで海洋が汚染される。
(2) 狭い海面で飼育するので魚が運動不足からストレスを受け、脂肪分の多い、酸化し易い肉質となって品質・味が低下する。
(3) 魚が驚いたときに猛スピードでいけす網に激突し、傷を負ったり死んだりする事故が起きやすい。
(4) 網いけすに貝や海藻が付着するので、その除去と網いけすの交換の作業と費用の負担が大きい。
(5) 夏場に多い赤潮被害や、病気対策に使用する抗生物質の環境への影響と魚への蓄積の問題、また、台風被害による網の破れなど。
(6) 出荷サイズとなったマグロは稚魚を共食いするので、そのマグロを全部いけすから出して出荷しないと新しい稚魚を入れられない。したがって、一つの水槽で需要に応じて出荷しながら稚魚を補充するというサイクルを実現できない。
これらの問題を解決するための工夫は色々行われており、特許等も多数出願されている。その中に下記特許文献1又は2のようなものがあるが、本願発明との直接的関連性は認められない。
特開2002-233268号公報 特開2003-265065号公報
本発明は、上に挙げた問題の多くを解決するために、マグロなどの回遊魚が壁面に衝突することなく安全かつ十分に運動できること、成魚と幼魚、稚魚が共存できること、海を汚染せず海からも汚染を受けないこと、などを目標にする。
上記の課題は、次の陸上養殖用水槽により解決することができる。
すなわち、大型の陸上円形水槽であって、中心に配置した排水用円筒部の外側に、稚魚専用、幼魚専用及び成魚専用の各回遊レーンを、それぞれ同心円状に配置し、各回遊レーン間は開閉扉付きネットシートで水のみ連通可能に隔離し、各レーンに沿って同一方向の循環水流を生じさせる水流発生器を設けることを特徴とするものである。
上記の「回遊魚が壁面に衝突することなく安全かつ十分に運動できること」という課題は、養殖用水槽中に水路に沿って所定の速度で循環する水流を生じさせることで解決される。回遊魚が水流に逆らって泳ぐ習性を利用して思い切り泳がせて、必要な運動量を得させると共にストレスを解消させる。魚と周囲の壁やネットとの相対スピードが低下し、回遊魚がネット等に激突する事故を減らすことができる。なお、ストレスを与えないようにすると魚の体内にストレス物質が蓄積されず、味が良くなるといわれている。
また、上記の「成魚と幼魚、稚魚が共存できること」という課題は、一つの養殖用水槽を魚の成長段階に応じた複数の領域に分けることで解決される。しかも、各領域を同心円状の回遊レーンとして形成することにより、上記の「回遊魚が安全かつ十分に運動できること」という課題の解決手段を兼ねることができる。また、魚の成長段階毎に1個づつの専用水槽を持つのと同じであるから、次々と順繰りに魚を成長させながら、年中魚を出荷することができる。
本発明の第1の実施形態は、上記の回遊レーン間を隔離するネットシートに関する。このネットシートはネットとシートからなり、ネットは魚が通過できない大きさの網目を有し、魚の密度が高い中間の水深を避けて、ネットシートの上部と下部に分離配置される。また、シートは回遊魚が全速力で衝突しても破れない強度と弾力性を有し、数カ所に開閉扉が設けられる。
このネットシートに設けた開閉扉を利用すれば、各レーン間で魚の損傷を防止しつつ容易に移動させることができる。出荷サイズに成長した成魚を当該回遊レーンから取り出したら、開閉扉を開いて幼魚をその跡へ移動させ、幼魚の跡には稚魚を入れる。これで共食いを防止し、同時に養殖用水槽の利用効率を向上させることができる。
本発明の第2の実施形態は、本発明に係る養殖用水槽を、その名のとおり陸上に設置することである。こうすることにより、この養殖用水槽が海の環境から切り離されて海を汚すことがなくなり、逆に貝や海藻の付着、赤潮といった海からの汚染も受けなくなる。
海を汚さないために、この養殖用水槽からの排水を処理して、餌の食べ残しや糞などの環境汚染成分をフィルターで除去する。除去した有機分は生ゴミ処理機等で処理して有効活用する。フィルター処理後の排水の一部は外部へ放出し、残りの水に新鮮な補給水を加えて適宜オゾン滅菌等を施しつつ水槽へ戻す。その際、補給水に由来する汚染を遮断するために、50ミクロン程度のフィルターでフジツボやカキの卵、有機物などを取り除く。
図1及び図2は、本発明の一実施例としての回遊魚の陸上養殖用水槽の平面図と立面図である。図中の参照符号1は水槽本体隔壁、2は各回遊レーンを仕切るネットシート、3はネットシートに設けた開閉扉、4は各回遊レーンに沿って循環水流を生じさせるための水流発生器、5は水槽中心の円筒部40内に設けた排水パイプ、10,20,30はこの順に成魚専用、幼魚専用、稚魚専用の回遊レーンである。
本実施例の陸上養殖用円形水槽の直径は30m、高さは約11mである。このような大型水槽はコンクリート製か鉄板製が普通であるが、本実施例のものはコンクリーと製である。そして、図1に示すように、外側から順に成魚専用、幼魚専用、稚魚専用の回遊レーン10,20,30に区画される。各回遊レーンにはそれぞれ水流発生器4、4を設け、各レーン毎に所定の流速の循環水流を生じさせる。
上記3つの回遊レーン10,20,30の間は筒状のネットシート2、2で仕切られる。ネットシート2の構造は、図2に示すように、上部の高さ約2m強の部分と下部の高さ約1mの部分がネットになっており、ネットに挟まれた中間部分がシートである。ネットは各レーン間の水の流通を確保するため、シートは各レーンを分離して大小の魚を入り交じらせないために設ける。
各レーンの幅は、図示のものでは、外側から順に5m、5m、2.5mであるが、魚のサイズや数量に合わせて適宜変更可能である。中心部40は排水用の直径5mの円筒である。この円筒40の下端と水槽底面の間にはアーチ状の窓が設けられ、魚が通れないように5cm角程度のネットが取り付けてある。円筒40の中に排水パイプ5が開口する。
排水パイプ5の先は排水処理装置へ接続されるが、排水処理装置については図示及び説明を省略する。
本発明は、回遊魚の陸上養殖用水槽に関するものであるので、水産業、水産物加工業、同輸送業、あるいは土木建設業等幅広い産業において役立つことが期待される。
本発明の一実施例としての回遊魚の陸上養殖用水槽の平面図である。 同、立面図である。
符号の説明
1 コンクリート壁
2 ネットシート
3 開閉扉
4 水流発生器
5 排水パイプ
10 成魚専用回遊レーン
20 幼魚専用回遊レーン
30 稚魚専用回遊レーン
40 排水用円筒部


Claims (3)

  1. 大型の陸上円形水槽(1)であって、中心に配置した排水用円筒部(40)の外側に、稚魚専用、幼魚専用及び成魚専用の各回遊レーン(30、20、10)をそれぞれ同心円状に配置し、各回遊レーン間は開閉扉(3、3、…)付きネットシート(2、2)で水のみ連通可能に隔離し、各レーンに沿って同一方向の循環水流を生じさせる水流発生器(4、4、…)を設けることを特徴とする回遊魚の陸上養殖用水槽。
  2. 前記ネットシート(2)はネット及びシートからなり、ネットは魚が通過できない大きさの網目を有し、ネットシートの上部と下部に分離配置され、シートは魚が全速力で衝突しても破れない強度を有し、数カ所に開閉扉(3、3、…)を有することを特徴とする請求項1に記載の陸上養殖用水槽。
  3. 前記水槽の水を常時一定量排出し、排水中の環境汚染成分を所定の水処理方式で除去後その一定割合を外部へ放流し、残部を新鮮な補給水と共に水槽へ還流することを特徴とする請求項1に記載の陸上養殖用水槽。

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