JP3837705B2 - 通信制御システム及び通信制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加入者側の光加入者線終端装置と、ネットワーク側の光加入者線終局装置との間に光ファイバ集合装置を設けて、光信号によりデータを送受信する通信制御システム及び通信制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの普及に伴ってデータ通信のトラフィックが電話(音声)トラフィックを凌駕する状態となっており、又インターネットへのアクセスは企業からのみでなく、一般家庭からのアクセスも増加の一途を辿っている。一般家庭からのアクセスは、既存のアナログ電話網やISDN(Integrated Services Digital Network)を利用したダイヤルアップ接続が多いものであるが、xDSL(Digital Subscriber Line)の技術を使用した常時接続サービスの普及も増加している。
【0003】
xDSL技術の中のADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)は、例えば、局側から加入者側への下り方向が最大8Mbps、上り方向が640kbpsの伝送速度とすることができる。このような高速伝送の加入者の増加に対して、通信システムの幹線系も対応する必要がある。
【0004】
又利用できる伝送速度としては、アナログ電話回線の場合は最大56kbps、ISDNの場合は64kbps〜128kbps、CATVシステムによる場合は、128kbps〜2Mbps、ADSLの場合は、256kbps〜8Mbps、無線インタフェースを利用した場合は、512kbps〜2Mbps、光ファイバを利用した場合は、10Mbps〜100Mbpsとなる。
【0005】
光ファイバ用いた加入者サービスはFTTH(Fiber To The Home)として知られており、このFTTHサービスに於いては、光ファイバを用いることにより、前述のように、100Mbpsのブロードバンドサービスを提供できることになり、各種のコンテンツ配信や新たなビジネスが登場すると期待されている。
【0006】
従来例のFTTH方式は、例えば、図13の(A),(B)に示す構成が一般的である。同図の(A)は光加入者線終局装置104と加入者の端末機器101とを1対1で接続するSS(シングル・スター)方式を示し、102は光加入者線終端装置(ONU)、103は光ファイバ接合装置、105はIP(インターネット)網、106,107は電気通信事業者等のネットワークを示す。又端末機器101と光加入者線終端装置102との間を、IEEE802.3uとして標準化された100BASE−TXのケーブルで接続し、光加入者線終端装置102と光加入者線終局装置104の光ファイバ接合装置103との間は、IEEE802.3uとして標準化された100BASE−FXの光ファイバにより接続した場合を示す。
【0007】
又図13の(B)はPDS(Passive Double Star)方式の場合を示し、111は加入者の端末機器、112は光加入者線終端装置(ONU)、113は光ファイバ接合装置、114は光加入者線終局装置、115はIP網、116,117は電気通信事業者等のネットワーク、118は光カプラを示す。この場合、光カプラ118と光加入者線終局装置114の光ファイバ接合装置113との間は、各加入者の端末機器111に対して時分割により使用するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述の図13の(A)に示すSS方式の構成に於いては、上り方向と下り方向とを100Mbpsの全二重モードで通信できるもので、標準化されたIEEE802.3uによる構成を用いることにより、比較的安価に構成できる。しかし、加入者の端末機器101との間を1対1で接続する為、光加入者線終局装置104の個数が端末機器101の個数に対応して増加することにより、局舎側の設置スペース並びに装置増加に伴うコストアップが問題となる。
【0009】
又図13の(B)に示すPDS方式の構成に於いては、複数の加入者の端末機器111に対して共通化した光加入者線終局装置114を設ければ良いことにより、加入者の端末機器111の増加に対して局舎側の設置スペース及びコストアップの問題を回避できる。このPDS方式に於いて、例えば、STM(Synchronous Transfer Mode)の50Mbpsの帯域を時分割多重で利用し、最大32の加入者の端末機器111との間で通信を可能とした構成が知られているが、IEEE802.3の帯域としては、20Mbpsを確保できるのみで、効率が良くない問題がある。
本発明は、比較的安価な構成により通信効率を向上することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信制御システムは、図1を参照して説明すると、光加入者線終局装置4と複数の光加入者線終端装置2との間を光ファイバ集合装置3を介して接続した通信制御システムであって、光加入者線終局装置4は、フレーム識別子を含むデータフレームの送受信制御と、フレーム識別子を含むアクセス制御フレームの所定時間間隔の送信制御とを行う構成を有し、光ファイバ集合装置3は、光加入者線終局装置4と複数の加入者線終端装置2との間を、アクセス制御フレームが一巡できるように接続する光ファイバ伝送路9を含む構成を有し、複数の加入者線終端装置2は、アクセス制御フレームを受信して送信権を獲得し、その送信権の獲得により端末機器からの送信データをデータフレームとして送信する構成を有するものである。
【0011】
又光加入者線終局装置4は、所定時間間隔でアクセス制御フレームを生成して、光ファイバ集合装置3を介して光加入者線終端装置2に送出し、アクセス制御フレームが一巡して所定時間内に受信できない時に障害発生と判定する構成を有するものである。又光加入者線終端装置2は、アクセス制御フレームを受信して送信権を獲得し、その送信権獲得により端末機器1からの送信データをフレーム識別子を含むデータフレームにより送出し、自装置宛のデータフレームを受信処理して端末機器1に転送し、且つアクセス制御フレームを光ファイバ集合装置3を介して他の光加入者線終端装置2又は光加入者線終局装置4に中継送出する構成を有するものである。
【0012】
又光ファイバ集合装置3は、光ファイバ伝送路の経路切替えを行う経路切替部と、この経路切替部と光加入者線終局装置4及び複数の光加入者線終端装置2との間を接続し、且つ光信号レベルを検出する検出部を含む送受信モジュールと、検出部からの検出信号を基に障害発生を判定して前記経路切替部を制御して、障害発生装置を切り離すインタフェース処理部とを有するものである。
【0013】
又本発明の通信制御方法は、光加入者線終局装置4と複数の光加入者線終端装置2との間を光ファイバ集合装置3を介してリングネットワークを構成するように接続してデータ通信を行う通信制御方法であって、光加入者線終局装置4は、所定時間間隔でフレーム識別子を含むアクセス制御フレームを送出する過程と、アクセス制御フレームを光ファイバ集合装置3を介して受信した光加入者線終端装置2は送信権を獲得して、端末機器1からの送信データを有する場合にフレーム識別子を含むデータフレームとして送信し、自装置宛のデータフレームを受信処理して端末機器1に転送し、且つアクセス制御フレームを中継送出する過程とを含むものである。
【0014】
又アクセス制御フレームは、光加入者線終端装置2のアドレス対応のアドレスビットを含む保守情報フィールドを有し、光加入者線終端装置2は、アクセス制御フレームを中継送出する時に自装置対応のアドレスビットをセットして送出し、光加入者線終局装置4は、保守情報フィールドのアドレスビットにより、光加入者終端装置2の接続状況を監視する過程を含むことができる。又アクセス制御フレームの保守情報フィールドは、複数の光加入者線終端装置2のアドレス対応位置のアドレスビットと、このアドレス対応位置のテスト要求及びテスト結果を示すビットとを含み、各ビット位置により、光加入者線終端装置2の接続状態及びテスト要求に従ったテスト結果とを、光加入者線終局装置4に通知する過程を含むことができる。
【0015】
又アクセス制御フレームを、データフレームに対してインターフレームギャップをおいて送出する過程を含むことができる。又アクセス制御フレームを、データフレーム間のインターフレームギャップに比較して充分に短い固定長として、インターフレームギャップ内に挿入して送出する過程を含むことができる。
【0016】
又光ファイバ集合装置3の送受信モジュールの検出部に於いて、光加入者線終端装置2との間で送受信する光信号レベルを検出してインタフェース処理部へ通知し、このインタフェース処理部に於いて障害の有無を判定し、障害発生の場合に、経路切替部を制御して光ファイバ伝送路の切替えを行って、障害発生の光加入者終端装置を切り離す過程を含むことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態の説明図であり、1は加入者の端末機器、2は光加入者線終端装置(ONU)、3は光ファイバ集合装置、4は光加入者線終局装置、5は地域IP(インターネット)網、6,7は電気通信事業者等のネットワーク、8はリングネットワーク、9,10は光ファイバ伝送路を示す。
【0018】
このリングネットワーク8は、複数の加入者のそれぞれの端末機器1対応の光加入者線終端装置2と光加入者線終局装置4とを光ファイバ集合装置3のリング状の光ファイバ伝送路9を介して相互に接続するもので、光加入者線終端装置2との間の光ファイバ伝送路10は2本の光ファイバにより構成するか、又は1本の光ファイバにより全二重通信を行う構成とするものである。
【0019】
図2はリングネットワークの説明図であり、図1と同一符号は同一部分を示し、SMは光送信モジュール、RMは光受信モジュール、CNは光コネクタ部、4aは送受信処理部、4bはインタフェース部を示す。光ファイバ集合装置3の光ファイバ伝送路9と、光コネクタ部CNと、各光加入者線終端装置2の光受信モジュールRMと光送信モジュールSMと、光ファイバ伝送路10と、光加入者線終局装置4の光受信モジュールRMと光送信モジュールSMと送受信処理部4aとにより光信号を伝送するリングネットワークを構成する。
【0020】
従って、各光加入者線終端装置2は、光ファイバ集合装置3に対して1対1で光ファイバ伝送路10を介して接続された状態となり、光ファイバ集合装置3は、光加入者線終局装置4からの光信号をリングネットワークを介して各光加入者線終端装置2に伝送し、各光加入者線終端装置2は、自光加入者線終端装置2に対するアドレス情報を識別して光信号を受信し、自光加入者線終端装置2宛でない光信号はそのまま転送する。
【0021】
図3はフレーム構成の説明図であり、(a)はIEEE802.3u(100BASE−TX)のフレーム、(b)はIEEE802.3u(100BASE−FX)のフレーム、(c)は本発明に於いて用いるデータフレーム、(d)はアクセス制御フレーム、(e)はフレーム識別子FIDを示す。なお、IPGはインターフレームギャップ(Inter Frame Gap)、PAはプリアンブルフィールド(Preamble)、SFDは開始フレームデリミタ(Start Frame Delimiter)、DAは送信先アドレス(Destination Address)、SAは送信元アドレス(Source Address)、L/Tは長さ/タイプ(Length/Type)、LLCは送信データ、FCSはフレーム検査シーケンス(Frame Check Sequence)を示す。
【0022】
又IFGはインターフレームギャップ(Inter Frame Gap)、SSDは開始ストリームデリミタ(Start of Stream Delimiter)、ESDは終了ストリームデリミタ(End of StreamDelimiter)、FIDはフレーム識別子(Frame Identifier)、MIは保守情報(Management Information)、PADは調整用ビット(Padding Bits)、D/Aはフレーム識別子(Data/Access Identifier)、I/Dは挿入位置識別子(IPG/Data)、Rは予備ビット(Reserved Bit)を示す。又D/A=“0”はデータフレームを示し、D/A=“1”はアクセス制御フレームを示す。又I/D=“0”はアクセス制御フレームをインターフレームギャップIPG内に挿入したことを示し、I/D=“1”はアクセス制御フレームを、データフレームと同様にインターフレームギャップIFGをおいて伝送していることを示す。又各フィールドの上の数字はバイト数を示す。
【0023】
端末機器1と光加入者線終端装置2との間は、例えば、前述の図3の(a)に示すフレームによりデータを伝送し、光加入者終端装置2と光ファイバ集合装置3と光加入者線終局装置4との間は、リングネットワーク8を構成する光ファイバ伝送路9,10を介して、図3の(c)に示すデータフレームによりデータを伝送する。このフレームは、図3の(b)に示すフレームに対して、データフレームか制御フレームかを示すフレーム識別子FIDを、プリアンブルフィールドPAの1バイト分を利用して付加したフレーム構成に相当する。
【0024】
又図3の(d)に示すアクセス制御フレームは、図3の(e)に示すフレーム識別子FIDを含み、光加入者線終局装置4に於いて生成し、光ファイバ集合装置3の光ファイバ伝送路9及び光加入者線終端装置2との間の光ファイバ伝送路10を介して伝送し、この制御フレームにより、端末装置1は、光加入者線終端装置2からのデータの送信権を得るものである。
【0025】
又光加入者線終局装置4は、IP網5からのデータを、図3の(c)に示すフレーム構成で前述のように光ファイバ集合装置3を介して送出するから、各光加入者線終端装置2は、送信先アドレスDAを識別して、自装置宛の場合に、図3の(c)に示すフレーム構成を、図3の(a)に示すフレーム構成に変換して端末装置1へ転送する。
【0026】
図4はアクセス制御フレームの伝送形式の説明図であり、(a),(b)は、前述のI/D=“1”とした場合について示し、(a)に示すように、データフレームDATA間にインターフレームギャップIFGが形成されており、制御フレームは、最小フレーム構成の64バイト構成とし、この制御フレームの前後に、(b)に示すようにインターフレームギャップIFGをおいて伝送するものである。
【0027】
又図4の(c),(d)は、前述のI/D=“0”とした場合について示し、(c)は(a)と同一のフレーム構成であるが、インターフレームギャップIFGを12バイト以上の構成とし、このインターフレームギャップIFG内に、図4の(d)に示すように、インターフレームギャップIFGに比較して短い固定長の例えば10バイト構成としたアクセス制御フレームを挿入して伝送する。
【0028】
図5は制御フレームの保守情報フィールドの説明図であり、図3の(d)に示す制御フレームの保守情報フィールドMIを示し、この保守情報フィールドMIは0〜61バイト構成とすることが可能であり、32個の光加入者線終端装置2が接続されたシステムに於いては、4バイト構成として、アドレスビットA0〜A31をそれぞれの光加入者線終端装置2に割当てる。各光加入者線終端装置2は、この制御フレームを受信すると、自装置のアドレス位置を示すビットA0〜A31の一つを“1”にセットして送出する。従って、光加入者線終局装置4に於いて、光加入者線終端装置2の接続状況を監視することができる。
【0029】
図6は制御フレームの保守情報フィールドの詳細な説明図であり、保守情報フィールドMIの0〜32バイトについて示し、A0〜A31は前述の図5に示す32個の光加入者線終端装置のユニークなアドレス対応位置のアドレスビット、R0〜R31,R32〜R64はリザーブビット、LF0〜LF31は、アドレスA0〜A31対応の100BASE−FXのリンクインティグリティテストがOKの場合に“1”とするテスト結果ビット、LT0〜LT31は、アドレスA0〜A31対応の100BASE−TXのリンクインティグリティテストがOKの場合に“1”とするテスト結果ビット、LR0〜LR31は、アドレスA0〜A31対応のループ要求時に“1”とするループ要求ビット、LA0〜LA31は、アドレスA0〜A31対応の応答時に“1”とする応答ビット、E0〜E31はアドレスA0〜A31対応のEQP情報ビット、Ri0〜Ri31は、アドレスA0〜A31対応のインヒビット状態を示すR−INHビットを示す。光加入者線終局装置4は、制御フレームの前述の保守情報フィールドMIの内容により、リングネットワーク8に接続された各光加入者線終端装置2の状況を、トラフィックに与える影響が殆どない状態として監視することができる。
【0030】
図7は本発明の実施の形態のリングネットワークのシステム構成説明図であり、図2と同一符号は同一部分を示し、21はインタフェース盤(IF盤)、22は双方向バス(BWB)、23は監視制御端末、24は監視制御端末用のインタフェース盤を示す。光加入者線終局装置4は、複数のインタフェース盤21と、地域IP網(図示を省略)との間を双方向バス22を介して接続し、そのインタフェース盤24に監視制御端末23を接続し、又インタフェース盤21に光ファイバ集合装置3を接続する。
【0031】
光ファイバ集合装置3と光加入者線終局装置4とを局舎内に設け、分散配置された光加入者線終端装置2との間を、光ファイバ伝送路10を介して接続し、光ファイバ集合装置3の光ファイバ伝送路9を含むリングネットワークにより、送受信データを光信号のフレームとして伝送する。
【0032】
図8は光加入者終端装置及び光加入者線終局装置の説明図であり、(A)は光加入者線終端装置2のブロック図、(B)は光加入者線終局装置のブロック図を示す。同図の(A)の光加入者線終端装置2は、電気信号と光信号との相互変換を行うO/E・E/O変換部32を含む光送受信部31と、100BASE−FX物理層終端部33と、アクセス制御フレーム終端部34と、100BASE−TX物理層終端部35と、伝送トランス36とを含み、100BASE−FX物理層終端部33と100BASE−TX物理層終端部34とにより、メディア独自インタフェースMII(Media Independent Interface)を構成している。
【0033】
光ファイバ集合装置3と光送受信部31との間を光ファイバ伝送路により接続するもので、その場合に、図2に示すように、2本の光ファイバ伝送路10によって接続する構成が判り易いが、光ファイバ集合装置3と光送受信部31とに、送受信光信号の分離と合成とを行う手段を設けて1本の光ファイバ伝送路により接続することもできる。又100BASE−FX物理層終端部33に於いて、光ファイバ集合装置3との間に伝送する図3の(c)に示すデータフレームの送受信制御を行い、アクセス制御フレーム終端部34に於いて図3の(d)に示す制御フレームの送受信制御を行う。それにより、自装置に接続された端末機器へのデータの転送及びその端末機器からのデータの送出を行う。この場合、フレーム識別子FIDによりデータフレームかアクセス制御フレームかを識別することができる。
【0034】
又図8の(B)の光加入者線終局装置4は、電気光の相互変換を行うO/E・E/O変換部41を含む光送受信部41と、100BASE−FX物理層終端部43とアクセス制御フレーム終端部及び生成部44と、BWBインタフェース処理部45と、光コネクタ46とを含み、100BASE−FX物理層終端部43とアクセス制御フレーム終端部及び生成部44とにより、メディア独自インタフェースMII(Media Independent Interface)を構成している。又BWBは図7に於ける双方向バス22に対応する。
【0035】
光ファイバ集合装置3と光送受信部41との間を、光信号を双方向に伝送する1本の光ファイバ伝送路により接続し、又は光信号の送信と受信とに分けて伝送する2本の光ファイバ伝送路により接続し、100BASE−FX物理層終端部43に於いて光ファイバ集合装置3との間に伝送する図3の(c)に示すデータフレームの送受信制御を行い、アクセス制御フレーム終端部及び生成部45は、受信したアクセス制御フレームの終端処理と、送信するアクセス制御フレームの生成とを行う。
【0036】
図9は通信制御の説明図であり、(a)〜(e)はデータフレーム及びアクセス制御フレームAMFの送受信状況を示し、光加入者線終局装置4に相当するステーションをアクティブステーションA、光加入者線終端装置2に相当するステーションをスタンバイステーションB,C,Dとして、光ファイバ集合装置3を介してリング状に伝送路を接続した構成を示す。
【0037】
図9の(a)は、アクティブステーションAから図3の(d)に示すアクセス制御フレームAMFを生成して送出し、次のスタンバイステーションBは、図示を省略した端末機器からスタンバイステーションDに接続された端末機器へのデータを有する場合に、アクセス制御フレームAMFを受信することにより送信権を獲得し、アクセス制御フレームAMFに、B→Dとして示すスタンバイステーションD宛のデータを、図3の(c)に示すフレームフォーマットによるデータフレームとして送出し、又アクセス制御フレームAMFも中継送出した状態を示す。
【0038】
次に、図9の(b)に示すように、スタンバイステーションCに於いて、スタンバイステーションBからのデータフレームは、自装置宛のデータフレームではないから、そのまま中継送出し、又アクセス制御フレームAMFを受信することにより送信権を獲得し、アクティブステーションA宛のデータC→Aを、図3の(c)に示すフレームフォーマットによるデータフレームに変換して送出し、又アクセス制御フレームAMFを中継送出する。
【0039】
次に、図9の(c)に示すように、スタンバイステーションDに於いて、データフレームを受信し、B→Dとして示すデータフレームは、自装置宛であることを識別して受信処理し、図示を省略した端末機器に対して、例えば、図3の(a)に示すフレームフォーマットにより受信データを転送し、C→Aとして示すデータフレームは、自装置宛でないから、中継伝送し、又アクセス制御フレームAMFを中継送出する。
【0040】
次に、図9の(d)に示すように、アクティブステーションAに於いて、C→Aとして示すデータフレームは、自装置宛であるから、これを受信処理し、且つアクセス制御フレームAMFを生成して送出する。次に、図9の(e)に示すように、スタンバイステーションBは、アクセス制御フレームAMFを受信した時に、送信データがなければ、そのアクセス制御フレームAMFを中継送出する。以下他のスタンバイステーションも同様な処理を行うことになる。
【0041】
図10は障害救済手段を備えた実施の形態の説明図であり、図7と同一符号は同一部分を示し、26はインタフェース処理盤(INFO盤)、51はインタフェース処理部(INFO部)、52は経路切替部、53はスイッチ部、54は検出部、56,57は送受信モジュールを示す。又図9に於けるアクティブステーションAを光加入者線終局装置4とし、スタンバイステーションB,C,Dを光加入者線終端装置2として示す。
【0042】
光ファイバ集合装置3の経路切替部52は、スイッチ部53を含み、光クロスコネクト部として知られている光信号のスイッチ手段や経路切替えの手段を適用することができるものであり、光スイッチ等からなるスイッチ部53は、インタフェース処理部51から制御される。又送受信モジュール56,57は、それぞれ検出部54を備え、光信号レベル等の検出信号をインタフェース処理部51に入力する。インタフェース処理部51は、検出信号により光信号断,光信号レベル低下等を判定し、経路切替部52を制御する。
【0043】
例えば、スタンバイステーションCに障害が発生すると、アクセス制御フレームAMFの中継送出が不可能となり、スタンバイステーションD対応の送受信モジュール57の検出部54からの検出信号は異常を示すものとなる。それにより、インタフェース処理部51は、スタンバイステーションC対応の経路切替部52のスイッチ部53を制御して例えばバイパスさせる。それにより、スタンバイステーションBからのアクセス制御フレーム及びデータフレームをスタンバイステーションDに転送することができる。
【0044】
インタフェース処理部51に於いて前述のように障害発生検出を基に、経路切替部52を制御する構成とすることも可能であるが、監視制御端末23に各種の判定及び制御機能を設けて、インタフェース処理部51を介して経路切替部52を制御する構成とすることもできる。例えば、監視制御端末23に、リング構成テーブルを設ける。図11はこのリング構成テーブルの説明図であり、ステーション名と回線情報とを含み、図11の(a)は、ステーション名A,B,C,Dのステーションは総て正常の場合を示す。
【0045】
光ファイバ集合装置3に接続されたアクティブステーションAを含む他のスタンバイステーションB,C,Dについては、アクティブステーションAに於いて、アクセス制御フレームの保守情報フィールドMIのアドレスビットを利用してリングネットワークに接続されているか否かを、インタフェース盤24を介して監視制御端末23に於いて収集することができる。又正常か否かの情報は、インタフェース処理部51からインタフェース盤26,24を介して収集することができる。又保守情報フィールドMIの図6に示すテスト結果ビット等により警報状態か否かの情報を収集することができる。
【0046】
又前述のように、スタンバイステーションCに障害が発生すると、その情報を監視制御端末23に転送する。監視制御端末23は、インタフェース処理部51に制御情報を送出する。インタフェース処理部51はその制御情報に従って経路切替部52のスイッチ部53を制御して、スタンバイステーションCをバイパスするように切替制御する。そして、リング構成テーブルを、図11の(b)に示すように更新する。そして、アクセス制御フレームの保守情報フィールドMIを基にスタンバイステーションCが接続されてないことを識別することができるから、リング構成テーブルを、図11の(c)に示すように更新する。即ち、正常なステーションA,B,Dが接続されている状態を示すものとなる。
【0047】
図12はアクセス制御フレームの伝送シーケンス説明図であり、アクティブステーションAとスタンバイステーションB,C,Dとがリングネットワークに接続されている状態に於いて、アクティブステーションAからアクセス制御フレームAMFをスタンバイステーションBに送出する。スタンバイステーションBは、アクセス制御フレームAMFを受信してスタンバイステーションCへ中継送出し、自ステーション宛のデータフレームがあれば受信処理し、又送信データがあれば、データフレームを送出する。
【0048】
次のスタンバイステーションCに於いても同様にアクセス制御フレームAMFの中継送出、データフレームの送受信の処理を行い、次のスタンバイステーションDに於いても同様に処理する。そして、スタンバイステーションDからアクティブステーションAにアクセス制御フレームAMFを中継送出する。従って、アクティブステーションAは、アクセス制御フレームAMFを送出してから一巡して戻るまでに、所定の時間Tを要することになる。従って、アクセスステーションAは、この時間Tに近い所定時間間隔でアクセス制御フレームAMFを生成して送出することを繰り返し、且つアクセス制御フレームAMFが一巡して戻るまでの時間を計測する。
【0049】
これに対して、例えば、スタンバイステーションBに障害が発生して、アクセス制御フレームAMFを中継送出できない場合、アクティブステーションAには、時間Tを経過してもスタンバイステーションDからのアクセス制御フレームAMFを受信できないから、何れかに障害が発生したと判定することができる。この場合も所定時間間隔でアクセス制御フレームAMFを生成して送出する。例えば、スタンバイステーションBの電源断による障害発生で、その後、電源が回復すると、次のアクセス制御フレームAMFを受信して、中継送出できるから、正常の状態に戻ることになる。
【0050】
又スタンバイステーションの障害発生時に、図10に示すように、光ファイバ集合装置3に於いて障害発生スタンバイステーションを切り離して、正常なスタンバイステーションのみを接続した構成に切替えることができる。この経路切替えにより、アクセス制御フレームAMFは、障害発生スタンバイステーションをバイパスして次のスタンバイステーションに伝送されることになり、一巡したアクセス制御フレームAMFはアクティブステーションAに戻ることになる。
【0051】
又アクティブステーションに対して、例えば、32個のスタンバイステーションが接続され、それぞれ重複しないアドレスを設定し、アクティブステーションは、アクセス制御フレームAMFの保守情報フィールドMIのA31〜A0を総て“0”にセットして送出する。スタンバイステーションは、アクセス制御フレームAMFを前述のように受信して中継送出するものであるが、保守情報フィールドMIのアドレスビットA31〜A0の中の自スタンバイステーションのアドレスに相当する位置のアドレスビットを“1”とする。例えば、アドレス0番のスタンバイステーションは、アドレスビットA0を“1”にセットして中継送出する。従って、アクティブステーションは、一巡したアクセス制御フレームAMFの保守情報フィールドMIの“1”のアドレスビットにより、スタンバイステーションの接続状況を把握することができる。このような処理は、アクセス制御フレームAMFの送出毎に行うか、或いは、所定の時間間隔をおいて保守情報フィールドMIの処理を行うことができる。
【0052】
又アクティブステーションは、図6に示すアクセス制御フレームAMFの保守情報フィールドMIを総て“0”にセットして送出する。スタンバイステーションは、アドレスビットA0〜A31以外の他のテスト結果ビット等について、正常でない結果の場合に、自ステーションのアドレスに相当する位置のビットを“1”とする。従って、アクティブステーションは、一巡したアクセス制御フレームAMFの保守情報フィールドMIを基に、警報状態のスタンバイステーションを認識することができる。
【0053】
本発明は、前述の各実施の形態にのみ限定されるものではなく、種々付加変更することが可能であり、光加入者線終端装置2に複数の端末機器を接続することも可能であり、又光加入者線終局装置4と光ファイバ集合装置3とを同一局舎内ではなく、離れた局舎内に設けて、光ファイバ伝送路で接続した構成とすることも可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、局舎側の光加入者終局装置4と、複数の光加入者線終端装置2との間に、光ファイバ集合装置3を設けて、リングネットワーク8を構成したことにより、複数の光加入者終端装置2に対して1台の光加入者線終局装置4を設けることで対処できるから、局舎側を経済的な構成とすることができる利点がある。又光ファイバ集合装置3を介してリングネットワークを構成し、且つデータフレームと送信権を与えるアクセス制御フレームとをフレーム識別子により区別可能とし、リングネットワークに接続された複数の光加入者線終端装置2に対して、アクセス制御フレームによって順次送信権を与えることができるから、リングネットワーク上のデータフレームの衝突もなく、IEEE802.3uによる高速伝送が可能となる。なお、伝送速度は、100Mbpsのみでなく、その上の1Gbpsや10Gbpsの伝送速度に対しても適用することができる。又アクセス制御フレームの保守情報フィールドMIを利用して、リングネットワークに接続された光加入者線終端装置を認識し、又正常か否かの確認等も容易である利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明図である。
【図2】リングネットワークの説明図である。
【図3】フレーム構成の説明図である。
【図4】アクセス制御フレームの伝送形式の説明図である。
【図5】制御フレームの保守情報フィールドの説明図である。
【図6】制御フレームの保守情報フィールドの詳細な説明図である。
【図7】本発明の実施の形態のリングネットワークのシステム構成説明図である。
【図8】光加入者線終端装置及び光加入者線終局装置の説明図である。
【図9】通信制御の説明図である。
【図10】障害救済手段を備えた実施の形態の説明図である。
【図11】リング構成テーブルの説明図である。
【図12】アクセス制御フレームの伝送シーケンス説明図である。
【図13】従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 端末機器
2 光加入者線終端装置
3 光ファイバ集合装置
4 光加入者線終局装置
5 地域IP網
6,7 ネットワーク
8 リングネットワーク
9,10 光ファイバ伝送路

Claims (10)

  1. 光加入者線終局装置と複数の光加入者線終端装置との間を光ファイバ集合装置を介して接続した通信制御システムであって、
    前記光加入者線終局装置は、フレーム識別子を含むデータフレームの送受信制御と、フレーム識別子を含むアクセス制御フレームの所定時間間隔の送信制御とを行う構成を有し、
    前記光ファイバ集合装置は、前記光加入者線終局装置と前記複数の加入者線終端装置との間を前記アクセス制御フレームが一巡できるように接続する光ファイバ伝送路を含む構成を有し、
    前記複数の加入者線終端装置は、前記アクセス制御フレームを受信して送信権を獲得し、該送信権の獲得により端末機器からの送信データをデータフレームとして送信する構成を有する
    ことを特徴とする通信制御システム。
  2. 前記光加入者線終局装置は、所定時間間隔で前記アクセス制御フレームを生成して前記光ファイバ集合装置を介して前記光加入者線終端装置に送出し、該アクセス制御フレームが一巡して所定時間内に受信できない時に障害発生と判定する構成を有することを特徴とする請求項1記載の通信制御システム。
  3. 前記光加入者線終端装置は、前記アクセス制御フレームを受信して送信権を獲得し、端末機器からの送信データをフレーム識別子を含むデータフレームにより送出し、自装置宛のデータフレームを受信処理して前記端末機器に転送し、且つ前記アクセス制御フレームを前記光ファイバ集合装置を介して他の光加入者線終端装置又は前記光加入者線終局装置に中継送出する構成を有することを特徴とする請求項1記載の通信制御システム。
  4. 前記光ファイバ集合装置は、光ファイバ伝送路の経路切替えを行う経路切替部と、該経路切替部と前記光加入者線終局装置及び前記複数の光加入者線終端装置との間を接続し、且つ光信号レベルを検出する検出部を含む送受信モジュールと、前記検出部からの検出信号を基に障害発生を判定して前記経路切替部を制御して、障害発生装置を切り離すインタフェース処理部とを有することを特徴とする請求項1記載の通信制御システム。
  5. 光加入者線終局装置と複数の光加入者線終端装置との間を光ファイバ集合装置を介してリングネットワークを構成するように接続してデータ通信を行う通信制御方法であって、
    前記光加入者線終局装置は、所定時間間隔でフレーム識別子を含むアクセス制御フレームを送出する過程と、
    該アクセス制御フレームを前記光ファイバ集合装置を介して受信した光加入者線終端装置は送信権を獲得して、端末機器からの送信データを有する場合にフレーム識別子を含むデータフレームとして送信し、自装置宛のデータフレームを受信処理して前記端末機器に転送し、且つ前記アクセス制御フレームを中継送出する過程とを含む
    ことを特徴とする通信制御方法。
  6. 前記アクセス制御フレームは、前記光加入者線終端装置のアドレス対応のアドレスビットを含む保守情報フィールドを有し、前記光加入者線終端装置は、前記アクセス制御フレームを中継送出する時に自装置対応のアドレスビットをセットして送出し、前記光加入者線終局装置は、前記保守情報フィールドのアドレスビットにより前記光加入者終端装置の接続状況を監視する過程を含むことを特徴とする請求項5記載の通信制御方法。
  7. 前記アクセス制御フレームの前記保守情報フィールドは、前記複数の光加入者線終端装置のアドレス対応位置のアドレスビットと、該アドレス対応位置のテスト要求及びテスト結果を示すビットとを含み、各ビット位置により前記光加入者線終端装置の接続状態及びテスト要求に従ったテスト結果とを前記光加入者線終局装置に通知する過程を含むことを特徴とする請求項記載の通信制御方法。
  8. 前記アクセス制御フレームを、前記データフレームに対してインターフレームギャップをおいて送出する過程を含むことを特徴とする請求項5又は6又は7記載の通信制御方法。
  9. 前記アクセス制御フレームを、前記データフレーム間のインターフレームギャップに比較して短い固定長として、前記インターフレームギャップ内に挿入して送出する過程を含むことを特徴とする請求項5又は6又は7記載の通信制御方法。
  10. 前記光ファイバ集合装置の送受信モジュールの検出部に於いて前記光加入者線終端装置との間で送受信する光信号レベルを検出してインタフェース処理部へ通知し、該インタフェース処理部に於いて障害の有無を判定し、障害発生の場合に、経路切替部を制御して光ファイバ伝送路の切替えを行って、障害発生の前記光加入者終端装置を切り離す過程を含むことを特徴とする請求項5記載の通信制御方法。
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