JP3836803B2 - 無線通信受信システムの誤り制御装置及び無線通信受信システムの誤り制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信システムに係るもので、詳しくは、無線通信システムで誤り制御動作を行う装置及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来無線通信システムの受信装置の構成を示したブロック図で、図示されたように、従来受信装置においては、軟判定方式により再伝送されたパケット信号を復調するMPSK(M−ary Phase Shift Keying;以下、MPSKと略称す)復調器10と、該MPSK復調器10から生成されたシンボルを以前に受信された誤りパケット信号(以下、’オリジナルパケット信号’と称す)のシンボルと結合するダイバーシティ結合器20と、該結合されたシンボルを復号する復号器30と、を含んで構成されている。
【0003】
このとき、前記MPSKとは、搬送波の振幅及び周波数を同様に維持した状態で、位相のみを変化させて、一度で複数のビットを伝送する変調方式を示し、信号を変調させると、一つの変調信号で2ビット或いは4ビットのデータを伝送することができる。即ち、一般に、変調されていない信号は、一度で1ビットずつ伝送するが、4進−PSK変調では、信号の位相変化を利用して一度で2ビットずつ伝送することが可能で、16進−PSK変調では、一度で4ビットずつ伝送することが可能である。
【0004】
前記MPSK変調のとき、Mは2nであり、該Mは、位相が相互異なる変調信号(又はシンボル)の個数を示し、nは、一度で送り得るビット数を示したものである。且つ、MPSK変調における各搬送波間の位相差は2π/Mで、直交表示法を利用して具現される。
【0005】
又、前記ダイバーシティ結合器20は、シンボルダイバーシティ結合技法を行うが、該シンボルダイバーシティ結合技法は、雑音のあるシンボルを捨てずに、再伝送時に再び入ってくる各同一シンボルと効果的に結合させることで、そのシンボルの信頼性(Reliability)を向上し得る方法である。
【0006】
従って、無線通信システムでシンボルダイバーシティ結合方法を適用すると、シンボルの信頼性を向上することができるため、選択結合(Selectioncombining)、等価利得結合(Equal−gain−combining)及び最大比結合(maximal−ratio−combining)等の多様なダイバーシティ結合方法が提案されている。
【0007】
これら中、最も効果的と知られている最大比結合は、各信号をその大きさの比で合わせる方法で、付加性白色ガウス雑音(additive white gaussian noise)と共に、受信される環境で信号対雑音比(SNR)を最大にさせる方法である。前記最大比結合は、性能が優秀である反面、計算方式が非常に複雑であるが、その最大比結合の計算方式が複雑な最大の理由は、軟判定(Soft−decision)値を利用するからである。
【0008】
前記MPSK復調器10から出力された信号であるシンボルは、受信された再伝送パケット信号を軟判定した値であって、一般に、少数点を有する実数型で表現される。即ち、前記シンボルがダイバーシティ結合器20に伝達されると、ダイバーシティ結合器20は、オリジナルパケットのシンボルと結合し、そのダイバーシティ結合器20で行われる結合過程を数式で表現すると次式のようである。
【0009】
(加重値X×シンボルA)+(加重値Y×シンボルB)
→(1.1×0.789)+(0.8×1.125)=1.768
式中、前記加重値X(1.1)はオリジナルパケットを伝送したチャンネルの加重値で、前記加重値Y(0.8)は再伝送パケットを伝送したチャンネルの加重値で、前記シンボルA(0.789)はオリジナルパケットのシンボルで、前記シンボルB(1.125)は再伝送パケットのシンボルで、1.768はMRC方式によるダイバーシティ結合過程の結果値を夫々示したものである。
【0010】
該結合過程の結果値(1.768)は復号器30に伝達されることで、該復号器30は伝達された結果値により再伝送パケット信号を判定して誤り訂正復号化を行う。一般に、前記復号器30は誤り訂正機能のみを有する。
【0011】
図8には示されてないが、MRC方式には、多重経路フェーディングを克服するためのチャンネル推定器が具備されてあり、該チャンネル推定器(図示せず)は、受信された各信号が通過されたチャンネルの大きさ及び位相情報を正確に推定する装置である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、このような従来MRC方式においては、チャンネル推定器を具備しなければならなく、シンボル復調過程で軟判定値を利用するため、具現が困難であって、計算の量及び複雑度が非常に高いという不都合な点があった。且つ、MRC方式で行われる少数点以下の実数の掛け算及び足し算は、複雑の程度面でビット論理演算の数十倍である。
【0013】
且つ、従来MRC方式においては、チャンネルの推定値、軟判定値及び計算結果値を実数型で格納するため、メモリ空間を浪費するという不都合な点があった。
【0014】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたもので、従来MRCダイバーシティ結合方法よりも演算過程が簡単で、極めて簡便に具現し得るダイバーシティ結合装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0015】
且つ、消去−誤り訂正コードシステムの多重タイプを適用したダイバーシティ結合方法及びそのシステムを提供することを目的とする。
【0016】
又、従来MRCダイバーシティ結合方法の演算の代わりに、論理積演算を行うダイバーシティ結合装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の論理積(AND)演算ダイバーシティ結合方法は、再伝送パケットと対応するシンボル情報を判定する判定過程と、前記再伝送パケットのシンボル情報をオリジナルパケットのシンボル情報と比較する比較過程と、該比較過程の結果に基づいて、結合パケットを形成する結合過程と、を順次行うことを特徴とする。
【0018】
前記再伝送パケットは、複数の信号を含んでいて、前記判定過程では、前記再伝送パケットの各信号に対するシンボルを判定することを特徴とする。
【0019】
前記各信号に対するシンボルは、各信号のI成分及びQ成分に基づくことを特徴とする。
【0020】
前記各信号のシンボルは、前記各信号に対応するI成分及びQ成分を検出する過程と、該検出されたI成分及びQ成分を位相図に位置させる過程と、該位相図上のI成分及びQ成分の位置に基づいて、前記各信号にシンボルを割り当てる過程と、により判定されることを特徴とする。
【0021】
前記位相図は、所定個数の基本領域及び臨界領域を有していて、前記各シンボルは、基本領域及び臨界領域に夫々割り当てられることを特徴とする。
【0022】
前記臨界領域は、前記各基本領域間に位置することを特徴とする。
【0023】
前記各信号のI成分及びQ成分がどの領域に位置しているかを判定する過程と、前記各信号に、前記判定された領域に対応するシンボルを割り当てる過程と、を更に行うことを特徴とする。
【0024】
前記各シンボルは、QPSK値であることを特徴とする。
【0025】
前記比較過程では、再伝送パケットの各信号に対するシンボルをオリジナルパケットの対応信号に対するシンボルと比較することを特徴とする。
【0026】
前記比較過程は、再伝送パケットの各信号に対するシンボルと、オリジナルパケットの対応信号に対するシンボルとの論理演算を行うことを特徴とする。
【0027】
前記論理演算は、論理積(AND)演算であることを特徴とする。
【0028】
前記比較過程では、再伝送パケットの各信号に対するシンボル値を判定する過程を更に行うことを特徴とする。
【0029】
再伝送パケットの各信号に対して判定された前記シンボル値が消去シンボルに該当するか、又は、非消去シンボルに該当するかを判定する過程を更に行うことを特徴とする。
【0030】
前記結合パケットの各信号に対して、シンボル値は、再伝送パケットの信号に対するシンボル値及びオリジナルパケットの信号に対するシンボル値が基本シンボル値で、相互一致しない場合、再伝送パケットの信号に対するシンボル値とオリジナルパケットの信号に対するシンボル値が臨界シンボル値で、相互一致する場合の何れか一つのみを満足すると、消去シンボルと判定されることを特徴とする。
【0031】
硬判定(hard decision)値に基づいて、再伝送パケットを復調する過程を更に行うことを特徴とする。
【0032】
本発明の論理積(AND)演算ダイバーシティ結合装置は、再伝送パケットと対応するシンボル情報を判定するプロセッサーと、前記再伝送パケットのシンボル情報をオリジナルパケットのシンボル情報と比較する比較器と、前記比較結果に基づいて、結合パケットを形成する結合器と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0033】
前記再伝送パケットは、複数の信号を含んでいて、前記プロセッサーは、前記再伝送パケットの各信号に対するシンボルを判定することを特徴とする。
【0034】
前記各信号に対するシンボルは、各信号のI成分及びQ成分に基づいたものであることを特徴とする。
【0035】
前記プロセッサーは、前記各信号に対応するI成分及びQ成分を検出する過程と、該検出されたI成分及びQ成分を位相図に位置させる過程と、該位相図上のI成分及びQ成分の位置に基づいて、前記各信号にシンボルを割り当てる過程と、を行って各信号のシンボルを判定することを特徴とする。
【0036】
前記位相図は、所定個数の基本領域及び臨界領域を有し、前記各シンボルは、基本領域及び臨界領域に夫々割り当てられることを特徴とする。
【0037】
前記臨界領域は、前記各基本領域間に位置されることを特徴とする。
【0038】
前記プロセッサーは、前記各信号のI成分及びQ成分がどの領域に位置されるかを判定して、前記各信号に、該判定された領域に対応するシンボルを割り当てることを特徴とする。
【0039】
前記比較器は、再伝送パケットの各信号に対するシンボルをオリジナルパケットの対応信号に対するシンボルと比較することを特徴とする。
【0040】
前記比較器は、再伝送パケットの各信号に対するシンボルと、オリジナルパケットの対応信号に対するシンボルとの論理演算を行うことを特徴とする。
【0041】
前記論理演算は、論理積(AND)演算であることを特徴とする。
【0042】
前記結合器は、前記比較段階に基づいて、再伝送パケットの各信号に対するシンボル値を判定することを特徴とする。
【0043】
前記結合器は、再伝送パケットの各信号に対して判定された前記シンボル値が消去シンボルに該当しているか、又は、非消去シンボルに該当しているかを判定することを特徴とする。
【0044】
前記結合パケットの各信号に対して、結合器は、再伝送パケットの信号に対するシンボル値及びオリジナルパケットの信号に対するシンボル値が基本シンボル値で、相互一致しない場合、再伝送パケットの信号に対するシンボル値及びオリジナルパケットの信号に対するシンボル値が臨界シンボル値で、相互一致する場合の何れか一つのみを満足すると、シンボル値を消去シンボルと判定することを特徴とする。
【0045】
硬判定値に基づいて、再伝送パケットを復調する復調器を更に含んで構成されることを特徴とする。
【0046】
このような目的を達成するため、本発明に係る論理積(AND)演算ダイバーシティの結合方法においては、再伝送パケットを受信して復調する過程と、該復調過程で生成されたシンボルを復号する過程と、該復号された信号から誤りが検出されると、前記生成されたシンボルをオリジナルパケットのシンボルと結合する過程と、該結合結果に基づいて、再伝送パケットのシンボルを復号する過程と、前記2回目に復号された信号から誤りが検出されると、パケット再伝送を要求する過程と、を順次行うことを特徴とする。
【0047】
又、前記結合過程は、論理演算に基づいて行われ、前記論理演算は、論理積(AND)演算であることを特徴とする。
【0048】
又、本発明に係る論理積(AND)演算ダイバーシティ結合方法においては、従来MRCダイバーシティ結合方法の計算の代わりに行われる論理演算により、チャンネル推定器を使用せずに、チャンネル推定の効率を増加し得ることを特徴とする。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に対し、図面に基づいて説明する。
【0050】
図1は本発明に係る受信システムの構成を示したブロック図で、図示されたように、本発明に係る受信システムにおいては、硬判定(hard decision)方式により再伝送パケット信号を復調するMPSK復調器50と、該MPSK復調器50から生成されたシンボルをオリジナルパケット信号のシンボルと結合するダイバーシティ結合器60と、前記結合結果に基づいて、再伝送パケットのシンボルを復号する復号器70と、を含んで構成されている。
【0051】
図2は本発明に係るMPSK復調を示した図で、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式を利用して、MPSK復調方式の概念を示したものである。
【0052】
即ち、前記再伝送パケットは、オリジナルパケットに誤りがあるとき、受信端の再伝送要求によって伝送されたパケットであって、それらオリジナルパケット及び再伝送パケットは複数の信号を夫々含んでいる。
【0053】
且つ、前記オリジナルパケットの信号は、図3Aにa1,1,a1,2,…a1,nで表現され、前記再伝送パケットの信号は、図3Bにa2,1,a2,2,…a2,nで表現されてある。
【0054】
又、本発明に係る復調は、図2に示されたフェーザー(Phasor)図に基づいて行われ、そのフェーザー(Phasor)図は、基本シンボル領域と臨界シンボル領域とで形成され、説明の便宜のために、図2のフェーザー(Phasor)図は、4個の基本シンボル領域及び臨界シンボル領域を有している。このとき、臨界シンボル領域は、各基本シンボル領域間に位置され、MPSK復調性能を極大化させるために、その範囲を最適化すべきである。
【0055】
このように、本発明に係るMPSK復調器50は、硬判定(hard decision)値を利用して復調を行う。即ち、パケットの各信号はフェーザー(Phasor)図の8個のシンボル領域中何れか一つの領域に属し、自身が属した領域のシンボル値に変換される。
【0056】
且つ、パケットの各信号は、I/Q信号(或いは、直交係数)を含んでいて、I/Q信号は、パケット信号をフェーザー(Phasor)図上で表現する時、パケットの位置を示す座標値と同様である。
【0057】
パケット信号が属するシンボル領域によって、MPSK復調器50は、パケット信号を4個の基本シンボル0,1,2,3中何れか一つに変換したり、又は、4個の臨界シンボル0&1,1&2,2&3,3&0中何れか一つに変換させる。このとき、臨界シンボル0&1は、基本シンボル0或いは基本シンボル1に雑音成分が混合されたものである可能性が高く、臨界シンボル1&2は、基本シンボル1或いは基本シンボル2に雑音成分が混合されたものである可能性が高く、臨界シンボル2&3は、基本シンボル2或いは基本シンボル3に雑音成分が混合されたものである可能性が高く、臨界シンボル3&0は、基本シンボル3或いは基本シンボル0に雑音成分が混合されたものである可能性が高い。
【0058】
また、基本シンボル領域に属するパケット信号は、該当のシンボルのみで表現され、臨界シンボル領域に属するパケット信号は、二つのシンボル、即ち、該当の臨界シンボル領域と境界をなす2個の基本シンボルで表現される。
【0059】
例えば、あるパケット信号が基本シンボル領域0に位置すると、パケット信号は基本シンボル0に変換される。然し、パケット信号が基本シンボル領域3と基本シンボル領域0間の臨界シンボル領域3&0に位置すると、パケット信号は、基本シンボル3値と基本シンボル0値を全て有する臨界シンボルに変換される。
【0060】
このように、MPSK復調器50から出力された信号は復号器70に伝達されて復号化され、再伝送パケットに誤りがあるかがチェックされる。このとき、臨界シンボルは、復号化過程で消去されたシンボルと見なされて処理される。
【0061】
次いで、もし、誤りが発見されると、MPSK復調器50から出力された信号はダイバーシティ結合器60に伝達される。
【0062】
そして、図4A〜Cに示したように、ダイバーシティ結合器60は、復調された再伝送パケットとオリジナルパケットの各シンボルとを論理積(AND)演算し、該論理積(AND)演算の結果値の個数は0、1、2中何れか一つである。(この時、必ず論理積(AND)演算のみを使用する必要はなく、同様な結果が得られるなら、他の形態の演算を使用することもできる。)
図4Aは演算結果値の個数が0の場合の表示図で、図4Bは演算結果値の個数が2の場合の表示図で、図4Cは演算結果値の個数が1の場合の表示図である。
【0063】
図4Aに示したように、比較される2個のシンボルが夫々異なる基本シンボル0,2であると、演算結果値の個数は0である。そして、演算結果値の個数が0であると、復号器70は該当のシンボルを消去シンボルと見做してデコーディングする。
【0064】
また、図4Bに示したように、比較される2個のシンボルが同様で、臨界シンボルであると、演算結果値の個数は2である。そして、演算結果値の個数が2であると、復号器70は該当のシンボルを消去シンボルと見做してデコーディングする。
【0065】
一方、図4Cに示したように、比較される2個のシンボルA,A’が同様で、基本シンボルであると、演算結果値の個数は1である。そして、演算結果値の個数が1であると、復号器70は該当のシンボルを正常にデコーディングする。また、比較される2個のシンボルB,B’が夫々異なる臨界シンボル0&1,1&2であるが、同様な基本シンボル1を中間に置いて隣接する臨界シンボルであると、演算結果値の個数は1で、復号器70は該当のシンボルを正常にデコーディングする。
【0066】
また、比較される2個のシンボルC,C’中、何れか一つのシンボルCが基本シンボル3で、他のシンボルC’がその基本シンボル3と隣接する臨界シンボル2&3であると、演算結果値の個数は1で、復号器70は該当のシンボルを正常にデコーディングする。
【0067】
結果的に、AND演算結果値の個数が0か2であると、復号器70は該当のシンボルを消去されたシンボルと見做して消去−誤り訂正復号を行い、本発明に係るダイバーシティ結合方法は、全ての消去−誤り訂正符号化に適用される。
【0068】
図5は図3A、Bのパケットを結合した結果を示した結合パケットの表示図で、消去シンボルの割当条件中何れか一つが満足されるため、結合パケットの信号A2は消去シンボルの割当を受け、その反面、信号A2を除いた残りの信号は正常シンボル値を受ける。(例えば、Ai=a2,i and An−1=a1,n−1=a2,n−1)。
【0069】
結合(combined)パケットの信号A2に対する論理積(AND)演算は、図6(a)、(b)に示したように2種類がある。即ち、一つは正しい決定(非消去)シンボルに対応する結合パケットの信号A2で、他のひとつは消去シンボルに対応する結合パケットの信号A2である。以下、これに対して詳しく説明する。
【0070】
図6(a)、(b)は、オリジナルパケットと再伝送パケットとを結合して示した図で、このとき、a1,jは以前に伝送された(オリジナル)J番目のパケットを示し、a2,jはJ番目の再伝送パケットの臨界決定出力を示し、Ajは本発明によって形成されたJ番目の結合パケットを示したものである。例えば、A2は、a1,2とa2,2の論理積(AND)結合を示したものであって、もし論理積(AND)演算が一つの’1’(論理値)のみを導出すると、前記A2の決定は正しく判定されたもの(誤りがない)である。その反面、論理積(AND)演算が複数の’1’(論理値)を導出すると、前記A2の決定は消去シンボルに対応するものである。
【0071】
図7は本発明に係るダイバーシティ結合方法を示したフローチャートで、図示されたように、本発明に係るダイバーシティ結合方法においては、再伝送パケットを受信して復調する過程(S10、S20)と、前記復調過程で生成されたシンボルを復号する第1復号過程(S30)と、前記復号された信号から誤りを検出する過程(図示せず)と、前記復号された信号から誤りが検出されると、前記生成されたシンボルをオリジナルパケットの対応シンボルと結合させる過程(S40)と、前記結合結果に従って、再伝送パケットのシンボルを復号する第2復号過程(S50)と、該第2復号された信号から誤りが検出されると、パケットの再伝送を要求する過程(S60)と、を行うようになっている。
【0072】
以下、このような本発明に係るダイバーシティ結合方法をより詳しく説明する。
【0073】
本発明に係るダイバーシティ結合方法においては、再伝送パケットが受信されると(S10)、本発明の復調方式によってMPSK復調器50が再伝送パケットを復調し(S20)、該復調された信号はフェーザー(Phasor)図上のパケット信号の位置に従って、8個のシンボル0,0&1,1,1&2,2,2&3,3,3&0中一つに表示される。次いで、該復調された信号(又はシンボル)は復号器70により復号され(S30)、このとき、復号器70は、前記MPSK復調器50から出力されたシンボル中、臨界シンボルを消去されたシンボルと見做して復号する。次いで、復号過程を終了したパケットに誤りがあるかをチェックし、もし、伝送中誤りがあったと判定されると、前記MPSK復調器50から出力されたパケットのシンボルをダイバーシティ結合器60に伝達し、該ダイバーシティ結合器60は、その伝送されたパケットのシンボルをオリジナルパケットのシンボルと論理積(AND)演算する(S40)。次いで、復号器70は復号及び誤りを検出(S50)するが、該AND演算値が0又は2のとき、復号器70は該当のシンボルを消去されたシンボルと見做して復号及び誤り検出を行う(S50)。該検出結果、再伝送パケットに誤りがあると判定されると、受信側は送信側に該当パケットの再伝送を要求し(S60)、再伝送パケットに誤りがないと判定されると、該当パケットに対する誤り制御ルーチンを終了する。
【0074】
即ち、本発明に係るダイバーシティ結合方法においては、MPSK復調過程(S20)〜消去−誤り訂正復号過程(S30)を通して1次誤り制御過程を行い、ダイバーシティ結合過程(S40)〜消去−誤り訂正復号過程(S50)を通して2次誤り制御過程を行うようになっている。従って、再伝送パケットの誤り程度が1次誤り制御過程で補正可能なものであると、ダイバーシティ結合過程(S40)を行わないように誤り制御ルーチンが設計されているため、誤りなしに、再伝送されたパケットをより迅速に処理し得るという効果がある。
【0075】
本発明の論理積(AND)演算ダイバーシティ結合方法は、再伝送パケットと対応するシンボル情報を判定する過程と、前記再伝送パケットのシンボル情報をオリジナルパケットのシンボル情報と比較する過程と、該比較過程の結果に基づいて、結合パケットを形成する過程と、により論理積(AND)演算ダイバーシティ結合を行う。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るダイバーシティ結合方法においては、ダイバーシティ結合を論理積(AND)演算により行うようになっているため、従来MRC方法に比べて演算過程が非常に簡単で、メモリが少なく要求されるだけでなく、復調過程で硬判定値を利用するため、非常に容易に具現されるという効果がある。
【0077】
且つ、本発明に係るダイバーシティ結合方法においては、全ての消去−誤り訂正符号方式に容易に適用されるため、チャンネル推定器が必要ないという効果がある。
【0078】
尚、本発明に係る論理積(AND)演算ダイバーシティ結合方法は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想が許容する範囲内で多様に変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る受信システムの構成を示したブロック図である。
【図2】本発明に係るMPSK復調を示した図である。
【図3A】本発明によって結合されたオリジナルパケット及び再伝送パケットを示した構成図である。
【図3B】本発明によって結合されたオリジナルパケット及び再伝送パケットを示した構成図である。
【図4A】本発明に係るダイバーシティ結合方法及びその結果を示し、演算結果値の個数が0の場合を示した図である。
【図4B】本発明に係るダイバーシティ結合方法及びその結果を示し、演算結果値の個数が2の場合を示した図である。
【図4C】本発明に係るダイバーシティ結合方法及びその結果を示し、演算結果値の個数が1の場合を示した図である。
【図5】図3A、図3Bの各パケットを結合した時の結合パケットを示した図である。
【図6】(a)および(b)は、図5に示した結合パケットの信号が正常シンボルを有する場合及び消去シンボルを有する場合を夫々示した図である。
【図7】本発明に係るダイバーシティ結合方法を示したフローチャートである。
【図8】従来MRC方式に係る受信システムの構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
10、50 MPSK復調器
20、60 ダイバーシティ結合器
30、70 復号器
Claims (27)
- MPSK(M−ary Phase Shift Keying)復調方式で再伝送パケットを復調し、前記再伝送パケットの各信号に対するシンボルを判定する判定過程と、
前記判定の結果に基づいて、第1の消去−誤り訂正を行って、前記再伝送パケットの誤りを検出する過程と、
前記再伝送パケットに誤りが検出されると、前記再伝送パケットの各信号に対するシンボルとオリジナルパケットの対応信号に対するシンボルとの論理積(AND)演算を行なう過程と、
前記論理積(AND)演算の結果値に基づいて、第2の消去−誤り訂正を行う過程と、
を順次行うことを特徴とする無線通信受信システムの誤り制御方法。 - 前記各信号に対するシンボルは、前記各信号のI成分及びQ成分に基づくことを特徴とする請求項1記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。
- 前記各信号に対するシンボルは、
前記各信号に対応するI成分及びQ成分を検出する過程と、
該検出されたI成分及びQ成分を位相図に位置させる過程と、
該位相図上のI成分及びQ成分の位置に基づいて、前記各信号にシンボルを割り当てる過程と、
により判定されることを特徴とする請求項1記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。 - 前記位相図は、所定個数の基本領域及び臨界領域を有していて、前記各シンボルは、前記基本領域又は臨界領域に割り当てられることを特徴とする請求項3記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。
- 前記臨界領域は、前記各基本領域間に位置することを特徴とする請求項4記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。
- 前記各信号のI成分及びQ成分が前記基本領域および臨界領域のどの領域に位置しているかを判定する過程と、
前記各信号に、前記判定された領域に対応するシンボルを割り当てる過程と、
を更に行うことを特徴とする請求項4記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。 - 前記各シンボルは、QPSK値であることを特徴とする請求項4記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。
- 前記論理積(AND)演算に基づいて、前記再伝送パケットの各信号に対するシンボル値を判定する過程を更に行うことを特徴とする請求項1記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。
- 前記論理積(AND)演算に基づいて判定された前記シンボル値が消去シンボルに該当するか、又は、非消去シンボルに該当するかを判定する過程を更に行うことを特徴とする請求項8記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。
- 前記論理積(AND)演算に基づいて判定されたシンボル値は、前記再伝送パケットの信号に対するシンボル値及びオリジナルパケットの信号に対するシンボル値が基本シンボル値で、相互一致しない場合、前記再伝送パケットの信号に対するシンボル値と前記オリジナルパケットの信号に対するシンボル値が臨界シンボル値で、相互一致する場合の何れか一つのみを満足すると、消去シンボルと判定されることを特徴とする請求項9記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。
- 前記シンボルの判定は、硬判定(hard decision)方式で行うことを特徴とする請求項1記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。
- MPSK(M−ary Phase Shift Keying)復調方式で再伝送パケットを復調し、前記再伝送パケットの各信号に対するシンボルを判定するMPSK復調器と、
前記判定の結果に基づいて、第1の消去−誤り訂正を行い、前記再伝送パケットの誤りを検出する消去−誤り訂正復号器と、
前記再伝送パケットに誤りが発見されると、前記再伝送パケットの各信号に対するシンボルとオリジナルパケットの対応信号に対するシンボルとの論理積(AND)演算を行なうダイバーシティ結合器とを含んで構成され、
前記消去−誤り訂正復号器は、前記論理積(AND)演算の結果値に基づいて、第2の消去−誤り訂正を行うことを特徴とする無線通信受信システムの誤り制御装置。 - 前記各信号に対するシンボルは、前記各信号のI成分及びQ成分に基づいたものであることを特徴とする請求項12記載の無線通信受信システムの誤り制御装置。
- 前記MPSK復調器は、
前記各信号に対応するI成分及びQ成分を検出する過程と、
該検出されたI成分及びQ成分を位相図に位置させる過程と、
該位相図上のI成分及びQ成分の位置に基づいて、前記各信号にシンボルを割り当てる過程と、
を行って前記各信号のシンボルを判定することを特徴とする請求項12記載の無線通信受信システムの誤り制御装置。 - 前記位相図は、所定個数の基本領域及び臨界領域を有し、前記各シンボルは、前記基本領域又は臨界領域に割り当てられることを特徴とする請求項14記載の無線通信受信システムの誤り制御装置。
- 前記臨界領域は、前記各基本領域間に位置されることを特徴とする請求項15記載の無線通信受信システムの誤り制御装置。
- 前記MPSK復調器は、
前記各信号のI成分及びQ成分が前記基本領域および臨界領域のどの領域に位置されるかを判定して、前記各信号に、該判定された領域に対応するシンボルを割り当てることを特徴とする請求項15記載の無線通信受信システムの誤り制御装置。 - 前記ダイバーシティ結合器は、 前記論理積(AND)演算に基づいて、前記再伝送パケットの各信号に対するシンボル値を判定することを特徴とする請求項12記載の無線通信受信システムの誤り制御装置。
- 前記消去−誤り訂正復号器は、前記論理積(AND)演算に基づいて判定された前記シンボル値が消去シンボルに該当しているか、又は、非消去シンボルに該当しているかを判定することを特徴とする請求項18記載の無線通信受信システムの誤り制御装置。
- 前記消去−誤り訂正復号器は、前記論理積(AND)演算に基づいて判定されたシンボル値が、前記再伝送パケットの信号に対するシンボル値及び前記オリジナルパケットの信号に対するシンボル値が基本シンボル値で、相互一致しない場合、前記再伝送パケットの信号に対するシンボル値及び前記オリジナルパケットの信号に対するシンボル値が臨界シンボル値で、相互一致する場合の何れか一つのみを満足すると、消去シンボルと判定することを特徴とする請求項19記載の無線通信受信システムの誤り制御装置。
- 前記シンボルの判定は、硬判定方式で行われることを特徴とする請求項12記載の無線通信受信システムの誤り制御装置。
- 前記第1の消去−誤り訂正により誤りを検出する過程で、誤りが検出されないと、該当パケットに対する誤り制御ルーチンを終了することを特徴とする請求項1記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。
- 前記第2の消去−誤り訂正を行う過程で、誤りが検出されないと、該当パケットに対する誤り制御ルーチンを終了し、誤りが検出されると該当パケットの再伝送を送信側に要求することを特徴とする請求項1記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。
- 前記再伝送パケットに誤りが検出されると、パケットの再伝送を送信側に要求することを特徴とする請求項1記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。
- 前記論理積(AND)演算の結果値の個数が0又は2であると、前 記再伝送パケットに誤りがあると判定することを特徴とする請求項1記載の無線通信受信システムの誤り制御方法。
- 前記消去−誤り訂正復号器は、前記再送パケットに誤りを検出すると、パケットの再伝送を送信側に要求することを特徴とする請求項12記載の無線通信受信システムの誤り制御装置。
- 前記消去−誤り訂正復号器は、前記論理積(AND)演算の結果値の個数が0又は2であると、前記再伝送パケットに誤りがあると判定することを特徴とする請求項12記載の無線通信受信システムの誤り制御装置。
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