JP3835999B2 - 防振床施工用組合せ型枠 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、防振床施工用組合せ型枠に関し、さらに詳しくは、例えば、機械式駐車場から発生する固体音を遮音する防振床の施工に用いることができ、しかも簡単に組み上げることができる防振床施工用組合せ型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
駐車スペースの有効利用を図るために機械で車両を搬送する機械式駐車場が開発されており、この機械式駐車場がマンション等の住居内に設けられる場合がある。この場合、機械式駐車場が居住空間と同じビル内に設けられているので、モーター等の機械から発生する騒音及び振動が隣接する居住空間糖に影響を及ぼす。騒音は、空気音、固体音に分けられる。前記空気音は、音源から空気中を伝搬して伝わる音であり、固体音は、機械、装置等から発生する振動が、機械、装置等を支持する床面等を伝わり、その振動によって空気中に放射される音である。前記空気音は、界壁となっている音源室の壁及び床に施す遮音対策や、グラスウール等を用いた吸音対策により容易に低減することができるが、前記固体音は、建物全体に関係する要因により、この固体音の低減対策が重要になる。例えば、機械式駐車場の場合、40Hz〜250Hzの低周波の振動が問題となる。したがって、振動の伝搬を防止すること、すなわち防振することが必要である。
【0003】
防振対策として従来から知られている防振床の一例として、コンクリート床とこれを支持する防振ゴムとを備えた浮き床構造のものがある。この防振床の施工は、コンクリートスラブ上に所定間隔ごとにモルタル束を設け、その上に防振ゴムを配置し、補強プレート、大引、デッキプレート、エンドプレート、ワイヤーメッシュを取り付けた上で、コンクリートを打設するので、施工工程が多くて複雑であった。このため、施工に時間がかかり、コストが高くなるという欠点を有していた。さらに防振床の重量が重く、多層階に設置すると建物の構造強度に影響するので、施工場所が限られるという問題もあった。
【0004】
上記施工よりも簡易な施工で形成することのできる防振床として、コンクリートスラブ上に直接防振ゴムを所定の間隔で敷設し、敷設した防振ゴム間にグラスウールからなるボードを敷設し、防振ゴムとボードとの上にコンクリートを打設することにより形成される防振床がある。
【0005】
しかし、この防振床においては、グラスウールに耐水性がなく、グラスウールが吸水すると著しく防振性が低下するため、地下や屋外等の雨水が入り込む可能性のある場所に施工することができず、施工場所が限られるという問題があった。また、施工作業中におけるグラスウールの吸入は、健康上好ましくない。グラスウール上へのコンクリート打設は、合成樹脂シートをグラスウール上に敷いた上で行うが、施工時にシートが破れる場合があり、そこに打設したコンクリートが入り込み、その部分がサウンドブリッジとなって振動が伝搬するという問題がある。
【0006】
これらの欠点を解消するために特開平9−242314号公報に所定の間隔ごとに防振ゴムが配置され、防振ゴム間に合成樹脂発泡体と板材又は網材との積層体が配置された防振材が開発されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、機械式駐車場等の重量物が設置される床面は、一般的なスタジオ等の防振床と異なり、機械を支持する部分や、車両が通過する部分等の振動発生源に近く、しかも耐荷重性が必要とされる部分と、反対に振動発生源から遠く、耐荷重性もあまり必要とされない部分とが存在する。したがって、上記のような合成樹脂発泡体内に一定間隔毎に均等に防振ゴムが配置された防振材では、耐荷重性が不要な場所にも高価な防振ゴムが配置されることになり、設置コストを高める要因となる。また、耐荷重性がより必要とされる部分においては、上記のような防振材では、配置される防振ゴムの間隔が広すぎるために、耐荷重が足らず、浮き床に偏荷重が加わり、床が不等沈下する可能性もある。
【0008】
また、単に防振対策を図った程度の防振床では、地震対策が不十分である。
【0009】
そこで、この発明は上記課題を解決することを目的とする。すなわち、この発明の目的は、振動発生源に近く、耐荷重が必要とされる部分に選択的に防振ゴムを配置させることが容易にでき、充分な防振効果が得られるとともに、防振床の施工コストが低い防振床施工用組合せ型枠を提供することにある。
【0010】
また、この発明の目的は、防振床の設計、施工が容易な防振床施工用組合せ型枠を提供することにある。
【0011】
さらに、この発明の目的は、防振性及び耐震性共に優れた防振床を形成することができる防振床施工用組合せ型枠を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、
(1) 貫通孔を有する板状熱可塑性樹脂発泡体の該貫通孔に防振弾性体を装填してなり、建造物の床面に敷かれる床用板状防振発泡体と、前記床用板状防振発泡体、及び必要に応じて床用板状熱可塑性樹脂発泡体を建造物の床面に複数枚敷詰めてなる敷設体の縁辺に連接し、且つ建造物の壁面に接して立ち上がり部を形成する立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体とを有し、該敷設体が、貫通孔数の異なる複数種類の床用板状防振発泡体の中から選択された少なくとも2種類以上を組み合わせてなり、該立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体が、貫通孔を有する熱可塑性樹脂発泡体の該貫通孔に防振弾性体を装填してなる立ち上がり部用防振発泡体を有することを特徴とする防振床施工用組合せ型枠であり、
(2) 前記(1)の防振床施工用組合せ型枠が、該敷設体の縁辺に連接し、且つ建造物の壁面に接して立ち上がり部を形成する立ち上がり部用防振弾性体をさらに有してなり、
(3) 前記(1)または(2)の防振床施工用組合せ型枠において、熱可塑性樹脂発泡体が、小さくとも密度が30kg/m3である架橋ポリエチレン系樹脂発泡体であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明に係る防振床施工用組合せ型枠は、図1にその一例が示されているように、板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cとそれに設けられた貫通孔2に装填された防振弾性体3aとを備える床用板状防振発泡体1と立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4とを少なくとも備え、必要に応じて貫通孔2を備えていない床用板状熱可塑性樹脂発泡体1d、及び/又は立ち上がり部用防振弾性体(図示せず。)、及び/又は立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4に貫通孔4cを形成し、該貫通孔4cに防振弾性体4eが装填されてなる立ち上がり部用防振発泡体4dをも有する。なお、図1に示されている寸法を表す数字の単位はmmである。
【0014】
図1に示す各板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dは、いずれも同じ縦横の長さと厚みとを有する。この発明における前記板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dの縦横の長さ及び厚みは、図1に示される寸法に限定されないことは言うまでもなく、この発明に係る防振床施工用組合せ型枠を施工する現場の規模等に応じて適宜に決定される。ともあれ、板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dの縦横長さは、作業のし易さや床面積を考慮すると、縦500〜3,000mm、更に縦750〜2,000mm、横500〜3,000mm、更に横750〜2,000mmの範囲内にあることが望ましい。板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dの厚みは、一般的に20〜160mmであり、好ましくは35〜80mmである。
【0015】
板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dは、図1においては長方形板状体として表現されているが、その平面形状が、長方形であっても、正方形であっても、三角形であっても、或いはその他の形状であってもよい。要するに、この板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dは、建造物の床面の形状に合わせて組み合わせて敷設可能であればその形状は任意であってよい。
【0016】
また貫通孔2の有無及びその数により区別される複数種類の板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dそれぞれは、図1に例示されるように全て同じ縦横の長さを有していてもよいし、異なる縦横の長さを有していても良い。もっとも、板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dの生産性、輸送性、及び施工現場での作業性等を考慮すると、板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dは全て同じ大きさ(平面形状及び厚み)であることが好ましい。また、板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dは、施工時において構造床の形状、規模、形態等に合わせて、適当な大きさに切断して使用することもできる。
【0017】
図1における板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cに設けられる貫通孔2の平面形状は円形であるが、この発明においては、貫通孔2の形状は、多角形及びその他の異形であってもよい。貫通孔2における開口部形状が円形である場合、その開口部の直径、或いは、その開口部形状が多角形である場合、その多角形におけるその最大長軸長(開口部の差し渡しの長さの中でも最大の長さ)は、好ましくは、100〜300mm、更に好ましくは120〜250mmである。
【0018】
板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cに設けられる貫通孔2の数は、床用板状防振発泡体1に必要とされる許容荷重に応じて決定される。すなわち、許容荷重が少なくてもよい場合には、貫通孔2を特に設けずに床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dを床用板状防振発泡体1に代えて使用することができる。必要とされる許容荷重が増加すると、その許容荷重に応じた数の貫通孔2が板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cに設けられる。板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cの1枚につき設けられる貫通孔2の数は、防振弾性体3aを貫通孔2に装填する作業を考慮すると、概ね6箇所以下、更に1〜5箇所であることが好ましい。
【0019】
図1に示されるように、板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cに設けられる貫通孔2の位置は、板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cの平面における長辺に平行であって対向する短辺の中点同士を結ぶ仮想的な直線上に適宜の間隔を設けて配列されているのであるが、この発明においてはこのような位置に限定されることはなく、適宜の位置に適宜の間隔を設けて設けられることができる。例えば、平面が長方形である板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cにおいては、図1に示すことの外に、その長方形の対角線上における適宜の位置に開設された1又は2以上の貫通孔2を有するようにしても良い。
【0020】
板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cは、例えば押出発泡法により成形される押出発泡体及び発泡粒子を成形した発泡粒子成形体のいずれであってもよい。発泡粒子成形体の方が、金型形状を適宜に変更することにより、発泡体の厚み等の寸法を容易に変更することができ、また、貫通孔も抜き等の二次加工によらず形成することもでき、更に圧縮強度等の機械的物性が全ての方向において比較的均一であるため、より好ましい。床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dもまた、貫通孔2を設けないことの外は前記板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cと同様の押出発泡体又は発泡粒子成形体であってもよい。
【0021】
板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dを形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、ブテン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、ブテン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体、及びポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、及びスチレン系共重合体等のスチレン系樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、並びにポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は架橋されていてもよく、また無架橋であってもよい。
【0022】
中でも、ポリオレフィン系樹脂を基材とした板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dは、耐水性が高く、また繰り返し圧縮永久歪が小さいので、好ましい。更に、ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂とした板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dは、グラスウールに比べて圧縮強度が高く、また厚みや形状を変化させることにより、遮蔽できる振動数の調節が容易であるので、グラスウールに比して優れている。尚、通常に使用される板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dの密度は、通常、20〜90kg/m3である。さらに、前記ポリオレフィン系樹脂の中でも、密度が小さくとも30kg/m3である架橋ポリエチレン系樹脂が、圧縮永久歪が極めて小さいことから、特に好ましい。
【0023】
板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dは、その動的弾性率が1.5×106N/m2を越えないことが好ましい。動的弾性率が上記値以下であり、密度が小さくとも30kg/m3であることにより圧縮強度と弾性とのバランスが良好となる。この動的弾性率は、図5の原理図に示すように、サンプル20を加振側プレート21に載置し、サンプル20の上面に受振側プレート22を載置して前記サンプル20を加振側プレート21と受振側プレート22で挟んだ状態にし、受振側プレート22には所定の荷重をかけた状態下で加振側プレート21に5〜100Hzの振動数の振動を加え、加振側プレート21の振動と受振側プレート22の振動とをそれぞれのセンサーで検出し、検出データをチャージアンプ25,26で増幅し、増幅されたデータをFFTと称する高速フーリエ変換方式の分析器27によって以下の式により動的弾性率を算出し、出力手段例えばプリンター28に出力することにより、求められる。
【0024】
動的弾性率(N/m2)=f0 2・W・t/25A
ただし、上記式中のf0は固有振動数(Hz)を示し、Wはサンプルの重量(kg)を示し、tはサンプルの厚み(m)を示し、Aはサンプルの振動歪が加えられる面の面積(m2)を示し、サンプルは厚み50mm、縦300mm、横300mmの直方体形状とする。また、加振方向は厚み方向とし、図5に示すように、加重は0.09kg/cm2とする。
【0025】
貫通孔2に装填される防振弾性体3aの平面形状は、貫通孔2の平面形状(換言すると、開口形状)に合わせて形成される。また防振弾性体3aの高さ(厚みと称することもある。)は貫通孔2の軸線長さ(厚みと称してもよい。)と実質的に同じで良い。
【0026】
防振弾性体3aを形成する制振材料としては、天然ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、アクリルゴム、ジエン系ゴム、高弾性エポキシ系樹脂、高減衰性熱可塑性エラストマー、またはこれらと他の成分とのポリマーアロイ等が挙げられる。また防振弾性体3aは、機械式駐車場等の加振源から発生する低周波の固体音を低減することを考慮すると、JIS K6385−1977防振ゴムの試験方法の硬さ試験により求められる硬さが75度を越えないことが好ましく、さらに50〜70度であることが特に好ましい。
【0027】
床用板状防振発泡体1は、板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cの貫通孔2に防振弾性体3aを装填することにより完成品として出荷してもよいし、また貫通孔3aが形成された板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cと防振弾性体3aとをそれぞれ施工現場に搬入し、施工現場にて貫通孔2に防振弾性体3aを装填して床用板状防振発泡体1としてもよい。また、場合によっては、施工現場で、床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dに貫通孔2を適宜の切削道具にて開穿し、形成された貫通孔2に防振弾性体3aを装填することにより床用板状防振発泡体1を得るようにしても良い。
【0028】
また、図4の(a)に示されるように、複数個例えば9個の貫通孔2を有する板状熱可塑性樹脂発泡体1eの前記貫通孔2の全てに円筒状熱可塑性樹脂発泡体1fを装填してなる複合床用板状熱可塑性樹脂発泡体1gを使用するのも良い。なお、図4の(b)に示される板状熱可塑性樹脂発泡体1eは9個の貫通孔2を有するに対し、図1に示される板状熱可塑性樹脂発泡体1aは1個の貫通孔2を有する点において図4の(b)に示される板状熱可塑性樹脂発泡体1eと図1に示される板状熱可塑性樹脂発泡体1aとは区別される。
【0029】
この複合床用板状熱可塑性樹脂発泡体1gは、前記貫通孔2の全てに円筒状熱可塑性樹脂発泡体1fを装填した状態で、施工現場に搬入される。施工現場においては、図4の(b)に示されるように、適宜の位置にある1個の貫通孔2に装填されている円筒状熱可塑性樹脂発泡体1fを抜き取り、空洞になった貫通孔2内に円筒状の防振弾性体3aを装填する。そうすると、図4の(b)に示されるように、貫通孔2内に防振弾性体3aを装填してなる床用板状防振発泡体1が得られる。また、図4の(c)に示されるように、3個の貫通孔2における円筒状熱可塑性樹脂発泡体1fを抜き取ってそこに円筒状の防振弾性体3aを装填することにより、3個の防振弾性体3aを備えた床用板状防振発泡体1が得られる。いずれの貫通孔2における円筒状熱可塑性樹脂発泡体1fを円筒状の防振弾性体3aに置き換えるかは、想定される床用板状防振発泡体に加わる荷重に応じて適宜に決定される。図4に示される床用板状熱可塑性樹脂発泡体1gは、貫通孔2が一個開設された板状熱可塑性樹脂発泡体1a、貫通孔2が二個開設された板状熱可塑性樹脂発泡体1b或いは貫通孔2が三個開設された板状熱可塑性樹脂発泡体1cといったように複数種類の板状熱可塑性樹脂発泡体を製造し、用意しなくても、図4の(a)に示されるように一種類の板状熱可塑性樹脂発泡体1gを用意するだけで、防振弾性体3aを一個、二個或いは三個と言った任意の数で有する床用板状防振発泡体1を施工現場で形成させることができる。つまり、床用板状熱可塑性樹脂発泡体1gを用いると、防振床施工用組合せ型枠の点数を減少させることができ、また設計変更等にも容易に対応することができるという利点がある。
【0030】
以上総括すると、工場出荷段階で既に床用板状防振発泡体1が形成されていても、施工現場で床用板状防振発泡体1を形成するようにしても良い。
【0031】
図1に、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4の一例を図1に示す。立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4は、その底部4aの厚さが、板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1c及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dの厚さと同じであり、ここでは50mmである。この立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4は壁面に沿って配設される立ち上がり部4bを有する。通常の場合、この立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4は、壁面,及び柱に沿って配設される。尚、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4の厚みは15〜125mmの範囲内であることが好ましく、また立ち上がり部4bは、縦250〜600mm、横750〜2000mmの範囲内であることが好ましい。
【0032】
この発明においては、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4は図1に示される形態に限定されることはなく、建造物における構造床面に敷いた複数の床用板状防振発泡体1からなる敷設体、又は複数の床用板状防振発泡体1と床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dとの組合せから成る敷設体の上にコンクリートを打設するときに、その敷設体を底面とする容器状の型枠の壁体となるように立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4が機能する限り種々の形態を取り得る。つまり、前記敷設体とこの敷設体の縁辺に連接して立ち上がる壁体になる立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4とで、コンクリート打設用の容器が形成されるように、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4の形状ないし形態が決定される。
【0033】
したがって、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体の形態として、図1に示すような底部4aを有する立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4、及び、底部が形成されずに単に前記敷設体の縁辺で立ち上がるように配設される板状体であっても良い。さらに、例えば、コンクリートスラブと壁面とのコーナー部に角状又は円柱上の張り出し部分がある場合には、この立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体がこの張り出し部分に沿って変形した形状を有するものを使用しても良い。
【0034】
この立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4における立ち上がり部4bの高さは、一般に打設されるコンクリートの厚みよりも小さくなることはない。
【0035】
図1に示される立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4における立ち上がり部には、防振弾性体4eが装填されておらず、全体が熱可塑性樹脂の発泡体で形成されているが、この発明においては、図1に示される立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4の他、貫通孔4cを有する熱可塑性樹脂発泡体とその貫通孔4cに装填された防振弾性体4eとを有する立ち上がり部用防振発泡体4dを使用することができる。即ち、型枠における立ち上がり部4bとして、防振弾性体4eが装填されておらず,全体が熱可塑性樹脂発泡体で形成された立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4及び/又は立ち上がり部用防振発泡体4eが使用できる。この発明においては、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4の範疇には、立ち上がり部用防振発泡体4dも包含される。
【0036】
立ち上がり部用防振発泡体4d及び貫通孔4cのない立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4を形成する熱可塑性樹脂は、前記板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cについて説明した熱可塑性樹脂と同様である。
【0037】
立ち上がり部用防振発泡体4dに設けられる貫通孔4cは、例えば図1に示すような長方形の貫通孔4cであっても良い。もっとも、この貫通孔4cの形状は、長方形であるに限らず、正方形、円形、楕円形等の様々の形状であって良い。
【0038】
この立ち上がり部用防振発泡体4dにおける貫通孔4cは、工場出荷段階で、形成されていても良く、また、施工現場で、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4に適宜の開穿手段で形成されても良い。
【0039】
図1に示されるように、貫通孔4cに装填される防振弾性体4eは、貫通孔4cに嵌着可能な形状を有する。またこの発明においては、この防振弾性体4eは、前記床用板状防振発泡体1における防振弾性体3aと同様な材質で同様に形成することができる。
【0040】
この発明においては、コンクリートを打設する際に、底面と成る前記敷設体と、この敷設体の縁辺に連接して配設された立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4とで、コンクリート打設用の容器状(構造床面の規模によっては巨大な容器のようになる。)型枠が形成されるのであるが、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4の一部を立ち上がり部用防振弾性体で置き換え、或いは立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4と建造物の壁面との間に立ち上がり部用防振弾性体(図示せず。)をさらに配設しても良い。
【0041】
この立ち上がり部用防振弾性体の材質は、前記床用板状防振発泡体1における防振弾性体3aと同様であって良い。
【0042】
この立ち上がり部用防振弾性体は、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4に代えて使用される場合には、耐震効果及びコストを考慮すると、その厚さが立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4と同様の厚み若しくはそれ以下で、15〜125mmの範囲内であることが好ましく、立ち上がり部用防振弾性体における縦横の長さは、特に制限はないが、縦150〜400mm、横150〜1000mmの長さを有しているのが好ましい。他方、この立ち上がり部用防振弾性体が、建造物の壁面と立ち上がり部用発泡体との間に介装されるときには、前記壁面と立ち上がり部用発泡体との実際の間隙に挿入するに足る厚さを有するのが良い。
【0043】
この立ち上がり部用防振弾性体、立ち上がり部用防振発泡体4dを型枠の立ち上がり部に配設する場合、壁面に沿って、連続的に配設してもよいし、一定間隔ごとに配設してもよい。
【0044】
この発明に係る防振床施工用組合せ型枠を使用して防振床を形成する方法について、図2を参照しながら、説明する。
【0045】
防振床を形成する施工前に、建造物における構造床面の平面形状及び面積等を図面により観察し、また形成された防振床上にかかる荷重の大きさ及び荷重のかかる位置を検討する。
【0046】
構造床面10(コンクリートスラブとも称される。)の平面形状及び面積に応じて、また荷重のかかる位置に応じて、床用板状防振発泡体1の種類を選択すると共に所定数の貫通孔に防振弾性体3aを装填した所定の数の床用板状防振発泡体1を用意する。また、必要に応じて貫通孔2を有していない所定数の床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dを用意する。その構造床面10の周囲に立設する壁面11に対応するに十分な数の立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4を用意する。もし、その建造物に耐震性を付与する必要があるときには、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4の一部又は全部として、貫通孔4cに防振弾性体4eを装填した立ち上がり部用防振発泡体4d、及び/又は立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4の一部の置き換えとしての立ち上がり部用防振弾性体を必要数用意する。
【0047】
構造床面10において、荷重の多くかかる位置には防振弾性体3aを装填した貫通孔2を多く有する床用板状防振発泡体1が設置され、荷重の少ないところには防振弾性体3aを装填した貫通孔2の数の少ない床用板状防振発泡体1又は貫通孔2のない床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dが設置されるように、それぞれの配置を決定する。
【0048】
そこで、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4を壁面11に沿って配置する。耐震効果を発揮させる必要があるときには、立ち上がり部用防振弾性体等を壁面11に沿って配置する。構造床面10を囲繞する壁面11に立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4等を配設し終わると、あらかじめ決定した配置に従って構造床面10上に床用板状防振発泡体1等を敷き詰めて敷設体を形成する。その際、敷設体の縁辺と立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4とが連接される。尚、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4等を配置する工程と床用板状防振発泡体1等を敷き詰める工程とは前後しても並行して行ってもかまわない。
【0049】
完成された敷設体は、荷重が多くかかる部位に対応する位置に、防振弾性体3aを装填した貫通孔2の数の多い床用板状防振発泡体1が配設され、荷重があまりかからないと予測される部位に対応する位置には、防振弾性体3aを装填した貫通孔2の数の少ない床用板状防振発泡体1或いは貫通孔のない床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dが配設されている。このように、構造床面10上のどのような位置にどのような床用板状防振発泡体1及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dをどのような配列で配設していくかは、その建造物の種類例えば立体駐車場付きビル、マンション等により、また構造床の広さ等の規模に応じて、防振しようとしている対象の荷重条件、防振しなくてはいけない振動数とその減衰量により決定される。したがって、建造物の種類に応じて決めの細かな防振床の設計が可能であり、しかも、不必要なところに床用板状防振発泡体1を配設すると行った無駄がなくなる。
【0050】
また、耐震効果をさらに高めるために、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4と構造床面10から立ち上がる壁面11との間に、立ち上がり部用防振弾性体(図示せず。)を介装する。
【0051】
敷き詰めた床用板状防振発泡体1或いは床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dの突き合わせ部分(目地)、更には防振弾性体3aの装填目地部には、図2に示されるように、ガムテープ等の粘着テープ5を貼付する。この粘着テープ5の貼付により、床用板状防振発泡体1或いは床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dの突き合わせ部分等の目地への後工程におけるコンクリート打設時のノロ浸出が防止できるため、サウンドブリッジ対策となる。立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4と床用板状防振発泡体1又は床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dの突き合わせ部分にも粘着テープ5を貼付する。
【0052】
構造床面10上に複数の床用板状防振発泡体1等を敷き詰めることにより敷設体が形成され、その敷設体の周囲縁辺に連接し、壁面11に沿って、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4及び必要に応じて配置された立ち上がり部用防振弾性体が配設され、これによって防振床施工用組合せ型枠が完成する。この防振床施工用組合せ型枠は、前記敷設体と複数の立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4、必要に応じて立ち上がり部用防振弾性体とで、コンクリートを収容する容器のような状態が現出する。
【0053】
図2に示されるように、前記敷設体の上部に、コンクリート強化のためにワイヤーメッシュ6を張設する。次いで、容器のような状態に成っている防振床施工用組合せ型枠内に、コンクリート7を打設する。
【0054】
このように荷重に応じて選択される複数種類の床用板状防振発泡体1及び必要に応じて配置される床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dを構造床面10に配設し、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4を壁面11に沿って配設し、また必要に応じて立ち上がり部用防振弾性体を壁面11に配設することにより、簡単に防振床施工用組合せ型枠を形成することができるので、後は必要に応じて補強用の鉄筋等を設けコンクリート7を打設するだけで防振床が完成する。したがって、この防振床施工用組合せ型枠を採用すると、防振床施工用組合せ型枠自体の施工が簡単であり、その後の防振床の施工も簡単に行うことができる。
【0055】
また、この発明の型枠にて地下建造物の防振床を施工する場合には、湧水排出構造を付加することが、好ましい。この湧水排出構造としては、湧水排出路を設けるために、この発明に係る防振床施工用組合せ型枠における床用板状防振発泡体1、及び床用板状熱可塑性樹脂発泡体1dのいずれか又は全ての下面側、並びに/又は、立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4、立ち上がり部用防振発泡体4d、及び立ち上がり部用防振弾性体(図示せず。)のいずれか又は全ての外面側の少なくとも一部に湧水排出用の溝を設けてなる構造、防振床施工用組合せ型枠の一部を透水性のパネル及び不織布等の透水性材料で置換し、その透水性材料の上を補強用不透水性材料、例えば鉄板で覆蓋し、湧水排出路を確保してなる構造等を挙げることができる。
【0056】
この発明の防振床施工用組合せ型枠は、住宅の床、機器の基礎床、スタジオの床等の防振床、精密機器等振動を嫌う機器の基台のための防振床、鉄道、車両等の振動を遮断するための防振床、工事車両、機械の振動を吸収するための防振床等の防振床用の型枠として用いることができ、最終的には防振床の構成部材として防振材の機能を発揮する。特に、床面にかかる荷重が大きく、発生する騒音の内、振動による固体音対策が重要である機械式駐車場用防振床用の型枠として好適に用いることができる。
【0057】
【実施例】
この発明の防振床施工用組み合わせ型枠を用いて、防振床を作り、防振効果の確認を行った。
【0058】
図1に示す床用板状防振発泡体1等を用いて防振床施工用組合せ型枠を作成した。床用板状防振発泡体1及び立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4を構成する発泡体は、密度が36kg/m3である架橋低密度ポリエチレン樹脂の発泡粒子成形体を使用した。防振弾性体3a、3bは、ゴムの硬さが65度の防振ゴムを用いた。図1のタイプ0の板状熱可塑性樹脂発泡体1d、及びタイプ1〜3の板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cを構造床面10に敷設して敷設体を形成し、該発泡体1a〜1cの貫通孔2に防振弾性体3aを装填し、構造床面10の縁辺で立ち上がる壁面11には、貫通孔4cのない立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4と立ち上がり部用防振発泡体4dとを配設した。尚、立ち上がり部用防振発泡体4dが等間隔で配置されるように配設した。前記板状熱可塑性樹脂発泡体1d、及びタイプ1〜3の板状熱可塑性樹脂発泡体1a〜1cを構成している架橋低密度ポリエチレン樹脂の発泡粒子成形体は、その固有振動数(f0)が26Hzであり、動的弾性率が1.2×106N/m2であった。
【0059】
図2に示されるように、床用板状防振発泡体1、床用板状熱可塑性樹脂発泡体1d、貫通孔4eのない立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体4及び立ち上がり部用防振発泡体4dが他の部材と突き合う部位、及び防振弾性体3a,4e(4eについては図2に図示されず。)が装填された部位の目地には、粘着テープ5が張り付けられてその隙間が塞がれた。こうして完成した防振床施工用組合せ型枠内に、コンクリート7を深さが250mmとなるように打設し、30日間養生させて、防振床を完成させた。
【0060】
防振床の絶縁効果の確認は以下のように行った。
【0061】
上記防振床上に建設転圧装置であるランバーを用いて振動を発生させ、防振床上と防振床下に振動計を備えて、周波数1〜250Hzにおける振動レベルを計測した。尚、防振床下とは、建設床のことである。
【0062】
図3に横方向と縦方向の振動レベル結果を示した。機械式駐車場等の機械が発生する振動を原因とする騒音は、周波数帯は40〜250Hz、特に125〜250Hzであるが、125〜250Hzにおいては、防音床上で発生した振動が、防振床下では観測されなかった。また40〜125Hzの範囲においても、防音床上で発生した振動が、防振床下では約20dB以上減衰し、振動絶縁効果があることが確認された。
【0063】
【発明の効果】
この発明の防振床施工用組合せ型枠は、貫通孔の数の異なる複数種の床用板状防振発泡体と立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体とを、構造床上にかかる荷重の程度に応じて選択的に組合せ、また必要に応じて無貫通孔の床用板状熱可塑性樹脂発泡体を使用して防振床施工用組合せ型枠を形成するので、振動発生源に近く、耐荷重が必要とされる部分に選択的に防振弾性体の数を多く含む床用板状防振発泡体を配置させることができることになり、偏荷重が生じず、しかも充分な防振効果が得られる防振床を形成することができる。
【0064】
また、耐荷重が必要とされない部分には、防振弾性体のない床用板状熱可塑性樹脂発泡体を配設し、又は防振弾性体の数の少ない床用板状防振発泡体を配設するので、防振床の施工コストを低く押さえることができる。
【0065】
また、この発明の防振床施工用組合せ型枠により防振設計が容易になり、簡単な作業及び工程により防振床を形成することができる。
【0066】
さらに、この発明の防振床施工用組合せ型枠は、壁面に立ち上がり部用防振発泡体及び/又は立ち上がり部用防振弾性体を配設すると、耐震性のある防振床を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、この発明の一実施例である防振床施工用組合せ型枠を構成する部材を示した図である。
【図2】 図2は、この発明の一実施例である防振床施工用組合せ型枠を用いた防振床の断面図である。
【図3】 図3は、この発明の実施例である防振床施工用組合せ型枠を用いた防振床における振動絶縁効果を示す図である。
【図4】 図4は、床用板状防振発泡体の変形例を示す斜視図である。
【図5】 図5は、動的弾性率を測定する装置を示す原理図である。
【符号の説明】
1・・・床用板状防振発泡体、
1a〜1c,1e・・・板状熱可塑性樹脂発泡体、
1d・・・床用板状熱可塑性樹脂発泡体、
1f・・・円筒状熱可塑性樹脂発泡体、
1g・・・複合床用板状熱可塑性樹脂発泡体、
2・・・貫通孔、
3a・・・防振弾性体、
4・・・立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体、
4a・・・底部、
4b・・・立ち上がり部、
4c・・・貫通孔、
4d・・・立ち上がり部用防振発泡体、
4e・・・防振弾性体、
5・・・粘着テープ、
6・・・ワイヤーメッシュ、
7・・・コンクリート、
10・・・コンクリートスラブ、
11・・・壁面
Claims (3)
- 貫通孔を有する板状熱可塑性樹脂発泡体の該貫通孔に防振弾性体を装填してなり、建造物の床面に敷かれる床用板状防振発泡体と、前記床用板状防振発泡体、及び必要に応じて床用板状熱可塑性樹脂発泡体を建造物の床面に複数枚敷き詰めてなる敷設体の縁辺に連接し、且つ建造物の壁面に接して立ち上がり部を形成する立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体とを有し、該敷設体が、貫通孔数の異なる複数種類の床用板状防振発泡体の中から選択された少なくとも2種類以上を組み合わせてなり、該立ち上がり部用熱可塑性樹脂発泡体が、貫通孔を有する熱可塑性樹脂発泡体の該貫通孔に防振弾性体を装填してなる立ち上がり部用防振発泡体を有することを特徴とする防振床施工用組合せ型枠。
- 該敷設体の縁辺に連接し、且つ建造物の壁面に接して立ち上がり部を形成する立ち上がり部用防振弾性体をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の防振床施工用組合せ型枠。
- 熱可塑性樹脂発泡体が、小さくとも密度が30kg/m3である架橋ポリエチレン系樹脂発泡体であることを特徴とする請求項1または2に記載の防振床施工用組合せ型枠。
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