JP3835778B2 - グランド蒸気発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電プラント等における蒸気タービンおよび主要弁類のグランド部にシール蒸気を供給するためのグランド蒸気発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば原子力発電プラントにおけるグランド蒸気発生装置は、図7の系統構成図に示すように、グランド蒸気発生器1は胴部2内に加熱管束3が設けられており、加熱蒸気配管4とドレン配管5が接続されている。
また、前記胴部2には発生蒸気配管6と復水供給配管7が接続されていて、胴部2に復水供給配管7により復水貯蔵槽から復水移送ポンプ8と復水調整弁9を介して復水が供給される。
【0003】
なお、胴部2内に復水が満たされて所定の水位に到達すると、胴部2に備えられた水位検出器10がこれを検知し、復水調整弁9により供給量の減少や供給停止をして適切な水位維持の制御を行う。
胴部2内で復水は、前記加熱蒸気配管4に接続されたタービン補助系配管11あるいは加熱蒸気止弁12を介挿したタービン抽気系配管13から供給される加熱蒸気により、前記加熱管束3における熱交換により加熱されて蒸気を発生する。
【0004】
この胴部2内で発生した蒸気は、発生蒸気配管6により蒸気タービンおよび主要弁類のグランド部に対してシール蒸気として供給されるが、グランド蒸気発生器1における復水は、外部にシール蒸気として供給されることから、胴部2内の復水の水位は低下する。
【0005】
しかし、この水位は前記と同様にして水位検出器10と復水調整弁9により、前記復水貯蔵槽から補給される復水により適切に維持される。なお、前記加熱管束3に供給された加熱蒸気は、復水との熱交換により温度が低下してドレン水となり、前記ドレン配管5を介してドレンタンクに流下する。
【0006】
このグランド蒸気発生器1に供給される加熱蒸気については、運転開始に際して前記タービン抽気系の蒸気が所定圧力になるまでは、タービン補助蒸気系からタービン補助系配管11を通じて供給する。
その後に、タービン抽気系配管13に設けられた加熱蒸気圧力検出器14にて、タービン抽気系における加熱蒸気が所定圧力に達したことを検出すると、前記加熱蒸気止弁12を全開させて、タービン抽気系よりタービン抽気系配管13および加熱蒸気配管4を通じて加熱蒸気を供給する。
【0007】
なお、この加熱蒸気止弁12が全開されてタービン抽気系からの加熱蒸気が所定圧力に達すると、タービン補助蒸気系の図示しない止弁を閉じ、グランド蒸気発生器1に対する加熱蒸気をタービン補助蒸気系からタービン抽気系に切り替えて、原子力発電プラントの定格運転においては、タービン抽気系からグランド蒸気発生器1に加熱蒸気を供給する。
【0008】
なお、従来技術として特開昭48− 46795号公報「原子力用タービンのグランドシール蒸気発生装置」に、加熱蒸気配管の途中に蒸気制御弁を設けることが開示されている。
しかし、加熱蒸気圧力の高いタービン補助蒸気と異なり、圧力の低いタービン抽気の場合は、配管途中に調節弁を設けると加熱蒸気圧力の低下により、グランドシール蒸気発生器における発生蒸気圧力の低下を招くために適当でなく、このために、従来はタービン抽気側には調節弁を設置していなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
グランド蒸気発生器1において機器の大きさは、その伝熱面積に依存しており、伝熱面積を小さくして機器の小型化を図ることは、コスト上はもとより配置上や耐震上も好ましいことである。
【0010】
従って、必要な発生蒸気量を確保すると共に、伝熱面積を縮小化するためには、加熱蒸気における加熱側温度と復水による被加熱側温度との温度差を大きくすればよい。
しかしながら、蒸気発生に際して限界熱流束の制約を受けるために、前記温度差の最大限が制限されて、伝熱面積の最小値はおのずと決まってしまう。
【0011】
グランド蒸気発生器1の場合には、被加熱側の復水温度は下げられないので、伝熱面積を小さくするためには、加熱側の加熱蒸気温度を上げることが必要になる。
しかし、加熱蒸気の温度が高すぎる場合には、限界熱流束の制限から伝熱面積の削減には限界があるために、伝熱面積はある程度大きくせざるを得ず、従って、結果的に被加熱側の圧力が高くなる。
【0012】
グランド蒸気発生器1の加熱蒸気に用いる抽気蒸気については、蒸気タービン側の設計により連続した圧力および温度にはならずに飛び飛びの値となる。
従って、グランド蒸気発生器1の小型化を図るために、従来使用していたタービン抽気蒸気より温度の高いタービン抽気から供給した場合に、加熱蒸気の温度が高すぎると、被加熱側である加熱された復水の圧力が必要以上に高くなる。
【0013】
このために、従来の復水移送ポンプ8の給水圧力では、グランド蒸気発生器1の胴部2に復水を補給することができなくなり、別途昇圧ポンプを必要とすることから、その配置場所の確保が必要となることや、コストが上昇する等の不具合があった。
【0014】
本発明の目的とするところは、グランド蒸気発生器の発生蒸気圧力から、高温で高圧の抽気蒸気による加熱蒸気を適切に調整して、復水の供給に昇圧ポンプを必要とせずにグランド蒸気発生器が小型化できるグランド蒸気発生装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明に係るグランド蒸気発生装置は、胴部に水位検出器を備えたグランド蒸気発生器とこのグランド蒸気発生器の胴部に復水移送ポンプおよび前記水位検出器により操作される復水調整弁を介挿した復水供給配管を接続すると共に前記グランド蒸気発生器の胴部内の加熱管束と接続した加熱蒸気配管にタービン補助系配管および加熱蒸気圧力検出器を設けたタービン抽気系配管を接続したグランド蒸気発生装置において、前記タービン抽気系配管に加熱蒸気圧力検出器の信号により操作される加熱蒸気止弁を介挿して、前記グランド蒸気発生器に発生蒸気圧力検出器を設けると共に、発生蒸気配管に給水加熱蒸気調整弁を介挿した給水加熱蒸気配管を接続して、前記発生蒸気圧力検出器の信号から前記給水加熱蒸気調整弁を操作してグランド蒸気発生器の発生蒸気圧力を制御する制御装置を設けたことを特徴とする。
【0023】
タービン抽気系における加熱蒸気の圧力が所定値に達すると、これを検知した加熱蒸気圧力検出器の信号により、制御装置は加熱蒸気止弁を開いてタービン抽気系から加熱蒸気をグランド蒸気発生器に供給する。
【0024】
また、この加熱蒸気で加熱されたグランド蒸気発生器の発生蒸気は、その圧力が発生蒸気圧力検出器で検知され、制御装置は前記発生蒸気圧力が復水移送ポンプにおける復水供給可能圧力以上にならず、所定圧力を維持するように給水加熱蒸気調整弁の開度を操作して発生蒸気の一部を給水加熱器に送ることにより制御する。
【0025】
請求項2記載の発明に係るグランド蒸気発生装置は、胴部に水位検出器を備えたグランド蒸気発生器とこのグランド蒸気発生器の胴部に復水移送ポンプおよび前記水位検出器により操作される復水調整弁を介挿した復水供給配管を接続すると共に前記グランド蒸気発生器の胴部内の加熱管束と接続した加熱蒸気配管にタービン補助系配管および加熱蒸気圧力検出器を設けたタービン抽気系配管を接続したグランド蒸気発生装置において、前記タービン抽気系配管に加熱蒸気圧力検出器の信号により操作される加熱蒸気止弁を介挿して、前記グランド蒸気発生器に発生蒸気圧力検出器を設けると共に、グランド蒸気発生器の胴部に給水加熱水調整弁を介挿した給水加熱水配管を接続して、前記発生蒸気圧力検出器の信号から前記給水加熱水調整弁を操作してグランド蒸気発生器の発生蒸気圧力を制御する制御装置とを設けたことを特徴とする。
【0026】
タービン抽気系における加熱蒸気の圧力が所定値に達すると、これを検知した加熱蒸気圧力検出器の信号により、制御装置は加熱蒸気止弁を開いてタービン抽気系から加熱蒸気をグランド蒸気発生器に供給する。
【0027】
また、この加熱蒸気で加熱されたグランド蒸気発生器の発生蒸気は、その圧力が発生蒸気圧力検出器で検知され、制御装置は前記発生蒸気圧力が復水移送ポンプにおける復水供給可能圧力以上にならず、所定圧力を維持するように給水加熱水調整弁の開度を操作して、加熱された復水の一部を給水加熱器に送ることにより制御する。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について原子力発電プラントを例に、図面を参照して説明する。なお、上記した従来技術と同じ構成部分については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
第1実施の形態のグランド蒸気発生装置については図1の系統構成図に示すように、グランド蒸気発生器1は胴部2内に熱交換のための加熱管束3が設けられており、この加熱管束3には加熱蒸気配管4とドレン配管5が接続されている。
【0031】
また前記胴部2には、図示しない蒸気タービンおよび主要弁類のグランド部に対して、このグランド蒸気発生器1が発生する蒸気のシール蒸気を供給する発生蒸気配管6と、前記胴部2内へ給水する復水供給配管7が接続されていて、この復水供給配管7には図示しない復水貯蔵槽から復水を供給する復水移送ポンプ8と復水調整弁9が介挿されている。
さらに前記胴部2には、胴部2内に満たされた復水の水位を検知するための水位検出器10が備えられている。
【0032】
なお前記加熱蒸気配管4には、図示しないタービン補助系から加熱蒸気を供給するタービン補助系配管11と、同じく図示しないタービン抽気系から加熱蒸気を供給する加熱蒸気調整弁15を介挿したタービン抽気系配管13が接続してあり、さらに、このタービン抽気系配管13には加熱蒸気圧力検出器14を設けている。
【0033】
また前記胴部2には、この胴部2内の発生蒸気圧力を検知する発生蒸気圧力検出器16が設けられており、この発生蒸気圧力検出器16の信号および前記加熱蒸気圧力検出器14の信号により前記加熱蒸気調整弁15を操作して、グランド蒸気発生器1で発生する蒸気の圧力を所定圧力に制御する制御装置17を設けた構成としている。
【0034】
なお、前記発生蒸気圧力検出器16は、グランド蒸気発生器1の発生蒸気圧力を検知するものであることから、その設置場所は前記グランド蒸気発生器1の胴部2に限らず、たとえば発生蒸気配管6に設けても良い。
【0035】
次に、上記構成による作用について説明する。グランド蒸気発生器1の胴部2内には、復水移送ポンプ8により復水供給配管7を経由して復水貯蔵槽から復水が供給され、この復水が所定水位に到達すると、水位検出器10の信号により復水調整弁9を操作して復水の供給を停止する。
また、水位検出器10は所定より水位の低下を検知すると、復水調整弁9の操作より復水を供給して所定水位を維持する。
【0036】
原子力発電プラントの運転開始当初で、タービン抽気系における蒸気が所定圧力に上昇するまでは、タービン補助系よりタービン補助系配管11と加熱蒸気配管4を経由し、加熱蒸気をグランド蒸気発生器1の加熱管束3に供給して、グランド蒸気発生器1の胴部2内における復水を加熱する。なお、このときに前記加熱蒸気調整弁15は閉じられている。
【0037】
胴部2内の復水は加熱されることにより、温度が上昇して蒸気を発生することから、この蒸気発生により胴部2内の圧力が上昇し、前記発生蒸気は発生蒸気配管6を経由して、蒸気タービンおよび主要弁類のグランド部に対し、シール蒸気として供給される。
【0038】
なお、グランド蒸気発生器1で蒸気となった復水は、外部にシール蒸気として供給されることから、胴部2内の復水の水位は低下するが、この水位低下は前記と同様に水位検出器10により検知され、その信号により操作された復水調整弁9により、前記復水貯蔵槽から補給される復水で所定水位が維持される。
なお、前記加熱管束3に供給された加熱蒸気は、復水との熱交換により温度が低下してドレン水となり、ドレン配管5を介してドレンタンクに流下する。
【0039】
このグランド蒸気発生器1の加熱管束3に供給される加熱蒸気については、原子力発電プラントの始動が終了すると、タービン抽気系における蒸気は、前記タービン補助蒸気系より高温で高圧の加熱蒸気となる。
また、この加熱蒸気圧力は、タービン抽気系配管13に設けられた加熱蒸気圧力検出器14が検知して、この信号は制御装置17に伝達される。
【0040】
加熱蒸気圧力検出器14の信号により制御装置17においては、タービン抽気系の加熱蒸気が所定圧力に達したことを確認すると、前記加熱蒸気調整弁15を操作して、タービン抽気系の加熱蒸気をタービン抽気系配管13と加熱蒸気配管4を経由してグランド蒸気発生器1に供給する。なお、このタービン抽気系の加熱蒸気は、前記タービン補助蒸気系より高温で高圧にされている。
【0041】
このタービン抽気系の加熱蒸気がグランド蒸気発生器1に供給されると、前記タービン補助蒸気系の図示しない止弁を閉じることにより、タービン補助蒸気系からの加熱蒸気の供給が停止され、加熱蒸気はタービン補助蒸気系からタービン抽気系に切り替えられる。
【0042】
グランド蒸気発生器1においては、加熱蒸気により加熱管束3を介して加熱された復水は温度上昇に伴い、蒸気を発生すると共に圧力も上昇し、この発生蒸気は発生蒸気配管6を経由して、蒸気タービンおよび主要弁類のグランド部にシール蒸気として供給される。
しかし、シール蒸気として供給される発生蒸気が、前記グランド部が必要とする供給量以上に発生したり、加熱蒸気量が必要以上に多いと復水が過剰に加熱されて、発生蒸気は温度と圧力が高くなる。
【0043】
この発生蒸気圧力は発生蒸気圧力検出器16により検知され、その信号が前記制御装置17に伝達される。制御装置17においては前記加熱蒸気調整弁15により、発生蒸気圧力が所定値を超えた場合には加熱蒸気量を減じ、発生蒸気圧力が所定値以下となった場合には、加熱蒸気量を増すように自動的に操作する。
【0044】
これにより、グランド蒸気発生器1における発生蒸気圧力が常に所定値範囲に制御されるので、グランド蒸気発生器1に対して、蒸気発生のために減少した復水を復水供給配管7から補給する際の給水圧力が、所定圧力より低く維持されることから、復水移送ポンプ8のみの給水圧力で十分な復水補給が行える。
【0045】
従って、加熱蒸気における加熱側温度と復水による被加熱側温度との温度差を大きくし、伝熱面積を縮小してグランド蒸気発生器1を小型化すると共に、タービン抽気系から供給される加熱蒸気の温度と圧力が必要以上に高い場合でも、別途復水を加圧するための昇圧ポンプを必要としないことから、グランド蒸気発生装置の耐震性が向上し、配置と設置場所の確保が容易でコスト的にも改善が行われる。
【0046】
第2実施の形態に関し、上記した第1実施の形態と同様の構成部分と作用および効果についての詳細説明は省略して、相違部分について説明する。
【0047】
グランド蒸気発生装置については図2の系統構成図に示すように、グランド蒸気発生器1の胴部2内に設けられた加熱管束3に、加熱蒸気配管4とドレン配管5が接続されている。
また前記胴部2には、発生蒸気配管6と復水移送ポンプ8および復水調整弁9を介挿した復水供給配管7が接続されており、さらに、胴部2内に満たされた水の水位を検知するための水位検出器10が備えられている。
【0048】
なお前記加熱蒸気配管4には、タービン補助系の加熱蒸気を供給するタービン補助系配管11と、タービン抽気系の加熱蒸気を供給する加熱蒸気止弁12および加熱蒸気の圧力を予め設定した所定圧力に減圧する減圧装置18を直列に介挿したタービン抽気系配管13が接続してあり、さらに、このタービン抽気系配管13には加熱蒸気圧力検出器14を設けた構成としている。
【0049】
次に、上記構成による作用について説明する。グランド蒸気発生器1の胴部2内には、復水移送ポンプ8により復水供給配管7を経由して復水が供給され、この復水が所定水位に到達すると、水位検出器10が検知して復水調整弁9により復水の供給を停止する。
また、水位が低下した場合には、復水調整弁9が操作されて復水を補給することにより所定水位が維持される。
【0050】
原子力発電プラントの運転開始当初で、タービン抽気系の蒸気が所定圧力になるまでは、前記タービン抽気系配管13の加熱蒸気止弁12が閉じられており、タービン補助系配管11と加熱蒸気配管4を経由してタービン補助系から、加熱蒸気をグランド蒸気発生器1に供給して胴部2内の復水を加熱する。
胴部2内の復水は温度上昇により蒸気を発生するが、この発生蒸気は発生蒸気配管6を経由して、蒸気タービンおよび主要弁類のグランド部に対し、シール蒸気として供給される。
【0051】
原子力発電プラントの始動が終了すると、タービン抽気系の蒸気が所定圧力に上昇し、前記タービン補助蒸気系の加熱蒸気より高温で高圧な加熱蒸気となり、この圧力は加熱蒸気圧力検出器14で検知されて、この信号は加熱蒸気止弁 12に伝達される。
【0052】
加熱蒸気止弁 12においては、タービン抽気系の加熱蒸気が所定圧力に到達したことを確認し、前記加熱蒸気弁12を全開させるので、タービン抽気系の加熱蒸気がタービン抽気系配管13の減圧装置18で所定圧力に減圧され、加熱蒸気配管4を経由してグランド蒸気発生器1に供給される。
【0053】
なお、このタービン抽気系からの加熱蒸気がグランド蒸気発生器1に供給されると、前記タービン補助蒸気系の図示しない止弁を閉じることにより、タービン補助蒸気系からの加熱蒸気の供給が停止され、加熱蒸気はタービン補助蒸気系からタービン抽気系に切り替えられる。
グランド蒸気発生器1においては、前記加熱蒸気により加熱された復水は温度上昇に伴い、蒸気を発生すると共に圧力も上昇する。また、加熱蒸気量が必要以上に多いと過剰に加熱されて、発生蒸気は温度と圧力が大きく上昇する。
【0054】
しかしながら、前記タービン抽気系からグランド蒸気発生器1に供給される高温で高圧の加熱蒸気は、前記減圧装置18にて所定圧力に減圧されるので、グランド蒸気発生器1における発生蒸気は所定圧力に維持される。
これにより、簡易な構成でグランド蒸気発生器1に対して、蒸気発生のために減少した復水を復水供給配管7から補給する際の給水圧力が低く維持できるので、復水移送ポンプ8のみで十分に復水補給をすることができる。
【0055】
従って、加熱蒸気における加熱側温度と復水による被加熱側温度との温度差を大きくして、伝熱面積を縮小してグランド蒸気発生器1を小型化すると共に、タービン抽気系からの加熱蒸気の温度と圧力が必要以上に高い場合でも、別途復水を加圧するための昇圧ポンプを必要とせず、グランド蒸気発生装置の耐震性が向上して、配置と設置場所の確保が容易でコスト的にも改善される。
【0056】
第3実施の形態に関し、上記した第1実施の形態と同様の構成部分と作用および効果についての詳細説明は省略して、相違部分について説明する。
グランド蒸気発生装置については図3の系統構成図に示すように、グランド蒸
気発生器1の胴部2内に設けられた加熱管束3に、加熱蒸気配管4とドレン配管
5が接続されている。
【0057】
また前記胴部2には、発生蒸気配管6と復水移送ポンプ8および復水調整弁9を介挿した復水供給配管7が接続されており、さらに、胴部2内に満たされた水の水位を検知するための水位検出器10が備えられている。
なお、前記加熱蒸気配管4には、タービン補助系の加熱蒸気を供給するタービン補助系配管11と、タービン抽気系の加熱蒸気を供給する加熱蒸気止弁12および加熱蒸気を予め設定した所定圧力に減圧する減圧装置18を直列に介挿したタービン抽気系配管13を接続している。
【0058】
また、このタービン抽気系配管13には、前記加熱蒸気止弁12を操作する加熱蒸気圧力検出器14を設けると共に、直列にした加熱蒸気止弁12および減圧装置18と並列に、バイパス蒸気調整弁19を介挿したバイパス蒸気配管20を接続する。
さらに前記胴部2には、発生蒸気圧力検出器16が設けてあり、この発生蒸気圧力検出器16の信号により前記バイパス蒸気調整弁19を操作して、グランド蒸気発生器1の発生蒸気を所定圧力に制御する制御装置21を設けた構成としている。
【0059】
次に、上記構成による作用について説明する。グランド蒸気発生器1の胴部2内には、復水移送ポンプ8により復水供給配管7を経由して復水が供給され、この復水が所定の水位に到達すると、水位検出器10および復水調整弁9により復水の供給を停止することで所定水位とする。
また、水位が低下した場合には復水調整弁9を操作して、復水を補給することにより所定水位に維持される。
【0060】
原子力発電プラントの運転開始当初で、タービン抽気系の蒸気が所定圧力になるまでは、前記加熱蒸気止弁12が閉じており、タービン補助系配管11と加熱蒸気配管4を経由してタービン補助系から、加熱蒸気をグランド蒸気発生器1に供給して胴部2内の復水を加熱する。
胴部2内の復水は温度上昇により蒸気を発生するが、この発生蒸気は発生蒸気配管6を経由し、蒸気タービンおよび主要弁類のグランド部に対してシール蒸気として供給される。
【0061】
原子力発電プラントの始動が終了すると、タービン抽気系の蒸気が所定圧力に上昇し、前記タービン補助蒸気系の加熱蒸気より高温で高圧となる。この加熱蒸気圧力は加熱蒸気圧力検出器14で検知され、この信号は前記加熱蒸気止弁12に伝達される。
この信号により加熱蒸気止弁12は全開されるので、タービン抽気系の加熱蒸気がタービン抽気系配管13と加熱蒸気配管4を経由してグランド蒸気発生器1に供給される。
【0062】
なお、このタービン抽気系の加熱蒸気がグランド蒸気発生器1に供給されると、前記タービン補助蒸気系の図示しない止弁を閉じることにより、タービン補助蒸気系からの加熱蒸気の供給が停止され、加熱蒸気はタービン補助蒸気系からタービン抽気系に切り替えられる。
【0063】
グランド蒸気発生器1においては、前記加熱蒸気により加熱された復水は温度上昇に伴い、蒸気を発生すると共に圧力も上昇する。また、加熱蒸気量が必要以上に多いと復水が過剰に加熱されて、発生蒸気は温度と共に圧力が大きく上昇する。
しかしながら、前記タービン抽気系からグランド蒸気発生器1に供給される高温で高圧の加熱蒸気は、タービン抽気系配管13に介挿された減圧装置18で予め設定した所定圧力に減圧される。
【0064】
これにより、グランド蒸気発生器1における発生蒸気圧力は常に所定圧力に維持されるので、グランド蒸気発生器1に対して、蒸気発生のために減少した復水を復水供給配管7から補給する際の給水圧力が低く維持されるので、復水移送ポンプ8のみで十分に復水補給が行える。
【0065】
なお、前記蒸気タービンおよび主要弁類のグランド部に対するシール蒸気として必要な蒸気量は、前記各グランド部において経年的に変化することから、それに伴いグランド蒸気発生器1において必要とされる加熱蒸気量も変化し、一般に増加していくことが考えられる。
【0066】
グランド蒸気発生器1においては、シール蒸気として必要な加熱蒸気量が不足した場合には発生蒸気圧力が低下し、必要な加熱蒸気量が過剰となる場合には発生蒸気圧力が上昇するように変化することから、この発生蒸気圧力の変化は前記発生蒸気圧力検出器16で検知される。
【0067】
前記発生蒸気圧力の変化は、前記発生蒸気圧力検出器16の信号として制御装置21に伝達されるので、この信号により制御装置21は前記バイパス蒸気調整弁19を操作し、前記減圧装置18を経由してグランド蒸気発生器1に供給される所定圧力の加熱蒸気に加えて、バイパス蒸気配管20を経由してグランド蒸気発生器1への加熱蒸気量を制御する。
【0068】
これにより、前記各グランド部がシール蒸気として必要とする発生蒸気の経年的な変化に対し、前記減圧装置18では容易に対応できないが、制御装置21とバイパス蒸気調整弁19により、必要とする加熱蒸気量の増加に対して、精度良く自動的に補給することができる。
このために、グランド蒸気発生装置においては、前記必要な発生蒸気量を精度良く自動的に制御することから、グランド蒸気発生器1における発生蒸気圧力は、常に適切な所定圧力に維持される。
【0069】
従って、加熱蒸気における加熱側温度と復水による被加熱側温度との温度差を大きくして、伝熱面積を縮小してグランド蒸気発生器1を小型化すると共に、タービン抽気系から供給を受ける加熱蒸気の温度と圧力が必要以上に高い場合でも、別途復水を加圧するための昇圧ポンプを必要とせず、グランド蒸気発生装置の耐震性が向上し、配置と設置場所の確保が容易でコスト的にも改善される。
【0070】
第4実施の形態は請求項1に関し、上記した第1実施の形態と同様の構成部分と作用および効果についての詳細説明は省略して、相違部分について説明する。
グランド蒸気発生装置については図4の系統構成図に示すように、グランド蒸気発生器1の胴部2内に設けられた加熱管束3に、加熱蒸気配管4とドレン配管5が接続されている。
【0071】
また前記胴部2には、発生蒸気配管6と復水移送ポンプ8および復水調整弁9を介挿した復水供給配管7が接続されており、さらに、胴部2内に満たされた水の水位を検知するための水位検出器10が備えられている。
なお、前記加熱蒸気配管4には、タービン補助系から加熱蒸気を供給するタービン補助系配管11と、タービン抽気系から加熱蒸気を供給する加熱蒸気止弁12を介挿したタービン抽気系配管13を接続している。
【0072】
また前記発生蒸気配管6には、図示しない給水加熱器に接続する給水加熱蒸気調整弁22を介挿した給水加熱蒸気配管22を接続すると共に、前記胴部2に発生蒸気圧力検出器16を設けて、この発生蒸気圧力検出器16の信号により前記給水加熱蒸気調整弁22を操作して、グランド蒸気発生器1で発生する蒸気を所定圧力に制御する制御装置24を設けた構成としている。
【0073】
次に、上記構成による作用について説明する。グランド蒸気発生器1の胴部2内には、復水移送ポンプ8により復水供給配管7を経由して復水が供給され、この復水が所定水位に到達すると、水位検出器10と復水調整弁9により復水の供給を停止し、また、水位が低下すると復水調整弁9は復水の補給をして所定水位を維持する。
【0074】
原子力発電プラントの運転開始当初で、タービン抽気系の蒸気が所定圧力になるまでは前記加熱蒸気止弁12が閉じており、タービン補助系配管11と加熱蒸気配管4を経由してタービン補助系から加熱蒸気をグランド蒸気発生器1に供給して胴部2内の復水を加熱する。
胴部2内の復水は温度上昇により蒸気を発生するが、この発生蒸気は発生蒸気配管6を経由して、蒸気タービンおよび主要弁類のグランド部に対し、シール蒸気として供給される。
【0075】
原子力発電プラントの始動が終了すると、タービン抽気系の蒸気が所定圧力に上昇し、前記タービン補助蒸気系からの加熱蒸気より高温で高圧となり、この圧力は加熱蒸気圧力検出器14で検知されて、この加熱蒸気圧力検出器14の信号は前記加熱蒸気止弁12に伝達される。
この信号により加熱蒸気止弁12は全開されるので、タービン抽気系からの加熱蒸気がタービン抽気系配管13と加熱蒸気配管4を経由してグランド蒸気発生器1に供給される。
【0076】
なお、このタービン抽気系からの加熱蒸気がグランド蒸気発生器1に供給されると、前記タービン補助蒸気系の図示しない止弁を閉じることにより、タービン補助蒸気系からの加熱蒸気の供給が停止され、加熱蒸気はタービン補助蒸気系からタービン抽気系に切り替えられる。
グランド蒸気発生器1においては、前記加熱蒸気により加熱された復水は温度上昇に伴い、蒸気を発生すると共に圧力も上昇する。また、加熱蒸気量が必要以上に多いと過剰に加熱されて、発生蒸気は温度と圧力が大きく上昇する。
【0077】
しかしながら、グランド蒸気発生器1における発生蒸気圧力は、発生蒸気圧力検出器16で検知されており、この信号により制御装置24は前記給水加熱蒸気調整弁22を操作して、グランド蒸気発生器1における発生蒸気の一部を図示しない給水加熱器に供給する。
【0078】
このために、グランド蒸気発生器1における発生蒸気圧力が低下して所定圧力に維持されると共に、グランド蒸気発生器1に対して、蒸気発生のために減少した復水を復水供給配管7から補給する際の給水圧力を低く維持されるので、復水移送ポンプ8のみで十分に復水補給が行える。
また、前記給水加熱器に供給したグランド蒸気発生器1における発生蒸気の一部は、シール蒸気としては余剰のものであるが、給水加熱器にて給水加熱源に加えられて熱回収されることから、熱効率を低下させることがない。
【0079】
従って、加熱蒸気における加熱側温度と復水による被加熱側温度との温度差を大きくして、伝熱面積を縮小してグランド蒸気発生器1を小型化すると共に、タービン抽気系から供給を受ける加熱蒸気の温度と圧力が必要以上に高い場合でも、別途復水を加圧するための昇圧ポンプを必要としないことから、グランド蒸気発生装置の耐震性が向上し、配置と設置場所の確保が容易でコスト的にも改善される。
【0080】
第5実施の形態は請求項2に関し、上記した第1実施の形態と同様の構成部分と作用および効果についての詳細説明は省略して、相違部分について説明する。
グランド蒸気発生装置については図5の系統構成図に示すように、グランド蒸気発生器1の胴部2内に設けられた加熱管束3に、加熱蒸気配管4とドレン配管5が接続されている。
【0081】
また前記胴部2には、発生蒸気配管6と復水移送ポンプ8および復水調整弁9を介挿した復水供給配管7が接続されており、さらに、胴部2内に満たされた水の水位を検知するための水位検出器10が備えられている。
なお、前記加熱蒸気配管4には、タービン補助系から加熱蒸気を供給するタービン補助系配管11と、タービン抽気系から加熱蒸気を供給する加熱蒸気止弁12を介挿したタービン抽気系配管13を接続している。
【0082】
さらに前記胴部2には、図示しない給水加熱器に接続する給水加熱水調整弁25を介挿した給水加熱水配管26を接続すると共に、発生蒸気圧力検出器16を設けて、この発生蒸気圧力検出器16の信号により前記給水加熱水調整弁25を操作して、グランド蒸気発生器1で発生する蒸気を所定圧力に制御する制御装置27を設けた構成としている。
【0083】
次に、上記構成による作用について説明する。グランド蒸気発生器1の胴部2内には、復水移送ポンプ8により復水供給配管7を経由して復水が供給され、この復水が所定の水位に到達すると、水位検出器10と復水調整弁9により復水の供給を停止し、また、水位が低下すると復水調整弁9は復水の補給をして所定水位を維持する。
【0084】
原子力発電プラントの運転開始当初で、タービン抽気系の蒸気が所定圧力になるまでは、前記加熱蒸気止弁12は閉じられており、タービン補助系配管11と加熱蒸気配管4を経由してタービン補助系から、加熱蒸気をグランド蒸気発生器1に供給して胴部2内の復水を加熱する。
胴部2内の復水は温度上昇により蒸気を発生するが、この発生蒸気は発生蒸気配管6を経由して、蒸気タービンおよび主要弁類のグランド部に対し、シール蒸気として供給される。
【0085】
原子力発電プラントの始動が終了すると、タービン抽気系の蒸気が所定圧力に上昇し、前記タービン補助蒸気系からの加熱蒸気より高温で高圧となり、この圧力は加熱蒸気圧力検出器14で検知されて、この加熱蒸気圧力検出器14の信号は前記加熱蒸気止弁12に伝達される。
この信号により加熱蒸気止弁12は全開されるので、タービン抽気系の加熱蒸気がタービン抽気系配管13と加熱蒸気配管4を経由してグランド蒸気発生器1に供給される。
【0086】
なお、このタービン抽気系の加熱蒸気がグランド蒸気発生器1に供給されると、前記タービン補助蒸気系の図示しない止弁を閉じることにより、タービン補助蒸気系からの加熱蒸気の供給が停止され、加熱蒸気はタービン補助蒸気系からタービン抽気系に切り替えられる。
グランド蒸気発生器1においては、前記加熱蒸気により加熱された復水は温度上昇に伴い、蒸気を発生すると共に圧力も上昇する。また、加熱蒸気量が必要以上に多いと過剰に加熱されて、発生蒸気は温度と共に圧力が大きく上昇する。
【0087】
しかしながら、グランド蒸気発生器1における発生蒸気圧力は、発生蒸気圧力検出器16で検知され、この信号により制御装置27は前記給水加熱水調整弁25を操作し、グランド蒸気発生器1の胴部2において蒸気を発生させている加熱された復水の一部を図示しない給水加熱器に供給する。
従って、グランド蒸気発生器1における復水の水位が低下し、これを検知した水位検出器10の信号により復水調整弁9が操作されて、復水供給配管7を経由して復水が補給されることから所定の水位に維持される。
【0088】
この際に、グランド蒸気発生器1内の復水温度は低下するので、発生蒸気圧力が低下して所定圧力に維持される。
これにより、グランド蒸気発生器1に対して、蒸気発生のために減少した復水を復水供給配管7から補給する際の給水圧力を低く維持されるので、復水移送ポンプ8のみで十分に復水補給をすることができる。
【0089】
また、前記給水加熱器に供給したグランド蒸気発生器1における加熱された復水の一部は、シール蒸気である発生蒸気のための加熱復水としては余剰のものであるが、給水加熱器にて給水加熱源に加えられて熱回収されることから、熱効率を低下させることがない。
【0090】
従って、加熱蒸気における加熱側温度と復水による被加熱側温度との温度差を大きくして、伝熱面積を縮小してグランド蒸気発生器1を小型化すると共に、タービン抽気系から供給を受ける加熱蒸気の温度と圧力が必要以上に高い場合でも、別途復水を加圧するための昇圧ポンプを必要としないことから、グランド蒸気発生装置の耐震性が向上し、配置と設置場所の確保が容易でコスト的にも改善される。
【0091】
第6実施の形態に関し、上記した第1実施の形態と同様の構成部分と作用および効果についての詳細説明は省略して、相違部分について説明する。
グランド蒸気発生装置については図6の系統構成図に示すように、グランド蒸気発生器1の胴部2内に設けられた加熱管束3に、加熱蒸気配管4とドレン配管5が接続されている。
【0092】
また前記胴部2には、発生蒸気配管6と復水移送ポンプ8および復水調整弁9を介挿した復水供給配管7が接続されており、さらに、胴部2内に満たされた水の水位を検知するための水位検出器10が備えられている。
なお、前記加熱蒸気配管4には、タービン補助系から加熱蒸気を供給するタービン補助系配管11と、タービン抽気系から加熱蒸気を供給する加熱蒸気止弁12および加熱蒸気調整弁15を直列にして介挿したタービン抽気系配管13が接続してあり、さらに、このタービン抽気系配管13には加熱蒸気圧力検出器14を設ける。
【0093】
また前記胴部2には、この胴部2内で発生する蒸気の圧力を検知する発生蒸気圧力検出器16が設けられており、この発生蒸気圧力検出器16の信号および前記加熱蒸気圧力検出器14との信号により前記加熱蒸気止弁12および加熱蒸気調整弁15を操作して、グランド蒸気発生器1で発生する蒸気を所定圧力に制御する制御装置28を設けた構成としている。
【0094】
次に、上記構成による作用について説明する。グランド蒸気発生器1の胴部2内には、復水移送ポンプ8により復水供給配管7を経由して復水が供給され、この復水が所定の水位に到達すると、水位検出器10と復水調整弁9により復水の供給を停止し、また、水位が低下すると復水調整弁9は復水の補給をして所定水位を維持する。
【0095】
原子力発電プラントの運転開始当初で、タービン抽気系の蒸気が所定圧力になるまでは、前記加熱蒸気止弁12は閉じられており、タービン補助系配管11と加熱蒸気配管4を経由してタービン補助系から、加熱蒸気をグランド蒸気発生器1に供給して胴部2内の復水を加熱する。
胴部2内の復水は温度上昇により蒸気を発生するが、この発生蒸気は発生蒸気配管6を経由して、蒸気タービンおよび主要弁類のグランド部に対し、シール蒸気として供給される。
【0096】
原子力発電プラントの始動が終了すると、タービン抽気系の蒸気が所定圧力に上昇し、前記タービン補助蒸気系からの加熱蒸気より高温で高圧となり、この圧力は加熱蒸気圧力検出器14で検知されて、この加熱蒸気圧力検出器14の信号は制御装置28から加熱蒸気止弁12に伝達される。
これにより加熱蒸気止弁12は全開されるので、タービン抽気系の加熱蒸気がタービン抽気系配管13と加熱蒸気配管4を経由してグランド蒸気発生器1に供給される。
【0097】
なお、このタービン抽気系からの加熱蒸気がグランド蒸気発生器1に供給されると、前記タービン補助蒸気系の図示しない止弁を閉じることにより、タービン補助蒸気系からの加熱蒸気の供給が停止され、加熱蒸気はタービン補助蒸気系からタービン抽気系に切り替えられる。
【0098】
グランド蒸気発生器1においては、前記加熱蒸気により加熱された復水は温度上昇に伴い、蒸気を発生すると共に圧力も上昇する。また、加熱蒸気量が必要以上に多いと過剰に加熱されて、発生蒸気は温度と圧力が大きく上昇する。
しかしながら、グランド蒸気発生器1における発生蒸気圧力は、発生蒸気圧力検出器16で検知され、この信号により制御装置28は前記加熱蒸気調整弁15を操作して、発生蒸気圧力が所定値を超えた場合には、加熱蒸気量を減じ、発生蒸気圧力が所定値以下となった場合には、加熱蒸気量を増すように制御する。
【0099】
なお、もしも前記加熱蒸気調整弁15により所定圧力まで減圧することができない場合等には、制御装置28はさらに加熱蒸気止弁12を適宜開閉操作して、グランド蒸気発生器1に供給される加熱蒸気圧力を所定圧力に維持する。
これにより、グランド蒸気発生器1における発生蒸気圧力が常に精度高く自動的に所定圧力に維持されるので、グランド蒸気発生器1に対して、蒸気発生のために減少した復水を復水供給配管7から補給する際の給水圧力が低く維持されることから、復水移送ポンプ8のみで十分に復水補給をすることができる。
【0100】
従って、加熱蒸気における加熱側温度と復水による被加熱側温度との温度差を大きくして、伝熱面積を縮小してグランド蒸気発生器1を小型化すると共に、タービン抽気系から供給を受ける加熱蒸気の温度と圧力が必要以上に高い場合でも、別途復水を加圧するための昇圧ポンプを必要としないことから、グランド蒸気発生装置の耐震性が向上し、配置と設置場所の確保が容易でコスト的にも改善される。
【0101】
【発明の効果】
以上本発明によれば、グランド蒸気発生器を小型化に伴い、蒸気発生のための加熱蒸気を所要発生蒸気量が得られる圧力より高くした場合でも、グランド蒸気発生器の内部圧力を低減して、給水圧力を昇圧するポンプを必要とせずに、復水等の移送ポンプのみで容易に給水補給をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施の形態のグランド蒸気発生装置の系統構成図。
【図2】本発明に係る第2実施の形態のグランド蒸気発生装置の系統構成図。
【図3】本発明に係る第3実施の形態のグランド蒸気発生装置の系統構成図。
【図4】本発明に係る第4実施の形態のグランド蒸気発生装置の系統構成図。
【図5】本発明に係る第5実施の形態のグランド蒸気発生装置の系統構成図。
【図6】本発明に係る第6実施の形態のグランド蒸気発生装置の系統構成図。
【図7】従来のグランド蒸気発生装置の系統構成図。
【符号の説明】
1…グランド蒸気発生器、2…胴部、3…加熱管束、4…加熱蒸気配管、5…ドレン配管、6…発生蒸気配管、7…復水供給配管、8…復水移送ポンプ、9…復水調整弁、10…水位検出器、11…タービン補助系配管、12…加熱蒸気止弁、13…タービン抽気系配管、14…加熱蒸気圧力検出器、15…加熱蒸気調整弁、16…発生蒸気圧力検出器、17,21,24,27,28…制御装置、18…減圧装置、19…バイパス蒸気調整弁、20…バイパス蒸気配管、22…給水加熱蒸気調整弁、23…給水加熱蒸気配管、25…給水加熱水調整弁、26…給水加熱水配管。
Claims (2)
- 胴部に水位検出器を備えたグランド蒸気発生器とこのグランド蒸気発生器の胴部に復水移送ポンプおよび前記水位検出器により操作される復水調整弁を介挿した復水供給配管を接続すると共に前記グランド蒸気発生器の胴部内の加熱管束と接続した加熱蒸気配管にタービン補助系配管および加熱蒸気圧力検出器を設けたタービン抽気系配管を接続したグランド蒸気発生装置において、前記タービン抽気系配管に加熱蒸気圧力検出器の信号により操作される加熱蒸気止弁を介挿して、前記グランド蒸気発生器に発生蒸気圧力検出器を設けると共に、発生蒸気配管に給水加熱蒸気調整弁を介挿した給水加熱蒸気配管を接続して、前記発生蒸気圧力検出器の信号から前記給水加熱蒸気調整弁を操作してグランド蒸気発生器の発生蒸気圧力を制御する制御装置を設けたことを特徴とするグランド蒸気発生装置。
- 胴部に水位検出器を備えたグランド蒸気発生器とこのグランド蒸気発生器の胴部に復水移送ポンプおよび前記水位検出器により操作される復水調整弁を介挿した復水供給配管を接続すると共に前記グランド蒸気発生器の胴部内の加熱管束と接続した加熱蒸気配管にタービン補助系配管および加熱蒸気圧力検出器を設けたタービン抽気系配管を接続したグランド蒸気発生装置において、前記タービン抽気系配管に加熱蒸気圧力検出器の信号により操作される加熱蒸気止弁を介挿して、前記グランド蒸気発生器に発生蒸気圧力検出器を設けると共に、グランド蒸気発生器の胴部に給水加熱水調整弁を介挿した給水加熱水配管を接続して、前記発生蒸気圧力検出器の信号から前記給水加熱水調整弁を操作してグランド蒸気発生器の発生蒸気圧力を制御する制御装置とを設けたことを特徴とするグランド蒸気発生装置。
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