JP3834653B2 - 係留船舶の動揺低減方法、及び係留船舶動揺低減システム - Google Patents

係留船舶の動揺低減方法、及び係留船舶動揺低減システム Download PDF

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Description

本発明は、船舶の長手方向(以下、「船舶長手方向」という。)が岸壁の長手方向(以下、「岸壁長手方向」という。)に略平行となるように船舶を係留する場合に、船舶が船舶長手方向に振動するように動揺することを低減するための方法及びシステムに関するものである。
従来、岸壁に船舶を係留する場合には、船首部と岸壁との間を係留索でつなぎ止め、かつ、船尾部と岸壁との間を係留索でつなぎ止めていた。
コンテナ船、フェリー等の係留岸壁は、以前は、内湾の静穏な港湾に立地していたが、近年、船舶の大型化あるいは輸送時間の短縮化等の要請から、外洋性の港湾に係留岸壁を設けることも必要となってきている。
しかしながら、外洋性の港湾では、内湾の場合と異なり、波の周期(振動の1往復に要する時間)が長い長周期波の影響が大きくなる。このため、外洋性の港湾では、長周期波の影響により、係留船舶の長周期の動揺が顕著となり、バースの稼働率が低下する、という問題が生じている。
特開平11−129978号公報
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、長周期波による係留船舶の動揺を低減させることができる方法やシステムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る係留船舶の動揺低減方法は、
船首部に船首部係留索巻取装置を有し船尾部に船尾部係留索巻取装置を有する船舶の船舶長手方向が岸壁の岸壁長手方向に略平行となるように係留する場合に前記船舶が前記船舶長手方向に振動するように動揺することを低減する係留船舶の動揺低減方法であって、
前記岸壁の前記船首部に対応する箇所に配置される陸上船首側係留索巻取装置と、前記岸壁の前記船尾部に対応する箇所に配置される陸上船尾側係留索巻取装置を設け、第1合成繊維索を前記船首部係留索巻取装置から繰り出すとともに第1鋼ワイヤー索を前記陸上船首側係留索巻取装置から繰り出し両索を第1索結合手段で結合して船首係留索を構成し、第2合成繊維索を前記船尾部係留索巻取装置から繰り出すとともに第2鋼ワイヤー索を前記陸上船尾側係留索巻取装置から繰り出し両索を第2索結合手段で結合して船尾係留索を構成し、
前記岸壁付近の水面の波高を計測する波高計測装置と、
前記船舶の3次元の位置を計測する船舶位置計測装置と、
前記第1鋼ワイヤー索の繰り出された長さを計測する第1鋼ワイヤー索長計測装置と、
前記第1合成繊維索の繰り出された長さを計測する第1合成繊維索長計測装置と、
前記第2鋼ワイヤー索の繰り出された長さを計測する第2鋼ワイヤー索長計測装置と、
前記第2合成繊維索の繰り出された長さを計測する第2合成繊維索長計測装置を設け、
コンピュータからなる演算制御装置により、前記波高データから前記水面の波の周期のうちピークとなる水面波卓越周期を演算するとともに、前記船舶の3次元位置データから前記船舶の前記船舶長手方向の動揺の周期である船舶動揺周期を演算し、前記船舶動揺周期が前記水面波卓越周期と合致しないように、前記第1鋼ワイヤー索長及び前記第1合成繊維索長及び前記第2鋼ワイヤー索長及び前記第2合成繊維索長を監視しつつ前記陸上船首側係留索巻取装置及び前記陸上船尾側係留索巻取装置を電子制御して前記第1鋼ワイヤー索の繰り出し量及び前記第2鋼ワイヤー索の繰り出し量を個別に制御し、
前記船首係留索の張力を計測する船首係留索張力計測装置と、
前記船尾係留索の張力を計測する船尾係留索張力計測装置を設け、
前記船首係留索張力を監視しつつ前記船首部係留索巻取装置を手動操作し前記船首係留索張力を制御するとともに、前記船尾係留索張力を監視しつつ前記船尾部係留索巻取装置を手動操作し前記船尾係留索張力を制御すること
を特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る係留船舶の動揺低減方法は、
請求項1記載の係留船舶の動揺低減方法において、
前記船舶動揺周期を増大させる場合には、前記船首係留索の全体長さに対する前記第1鋼ワイヤー索長の比率を小さくするように前記陸上船首側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船首部係留索巻取装置を手動操作し、かつ、前記船尾係留索の全体長さに対する前記第2鋼ワイヤー索長の比率を小さくするように前記陸上船尾側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船尾部係留索巻取装置を手動操作し、
前記船舶動揺周期を減少させる場合には、前記船首係留索の全体長さに対する前記第1鋼ワイヤー索長の比率を大きくするように前記陸上船首側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船首部係留索巻取装置を手動操作し、かつ、前記船尾係留索の全体長さに対する前記第2鋼ワイヤー索長の比率を大きくするように前記陸上船尾側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船尾部係留索巻取装置を手動操作すること
を特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る係留船舶動揺低減システムは、
船首部に船首部係留索巻取装置を有し船尾部に船尾部係留索巻取装置を有する船舶の船舶長手方向が岸壁の岸壁長手方向に略平行となるように係留する場合に前記船舶が前記船舶長手方向に振動するように動揺することを低減する係留船舶動揺低減システムであって、
前記岸壁の前記船首部に対応する箇所に配置される陸上船首側係留索巻取装置と、前記岸壁の前記船尾部に対応する箇所に配置される陸上船尾側係留索巻取装置を設け、第1合成繊維索を前記船首部係留索巻取装置から繰り出すとともに第1鋼ワイヤー索を前記陸上船首側係留索巻取装置から繰り出し両索を第1索結合手段で結合して船首係留索を構成し、第2合成繊維索を前記船尾部係留索巻取装置から繰り出すとともに第2鋼ワイヤー索を前記陸上船尾側係留索巻取装置から繰り出し両索を第2索結合手段で結合して船尾係留索を構成し、
前記岸壁付近の水面の波高を計測する波高計測装置と、
前記船舶の3次元の位置を計測する船舶位置計測装置と、
前記第1鋼ワイヤー索の繰り出された長さを計測する第1鋼ワイヤー索長計測装置と、
前記第1合成繊維索の繰り出された長さを計測する第1合成繊維索長計測装置と、
前記第2鋼ワイヤー索の繰り出された長さを計測する第2鋼ワイヤー索長計測装置と、
前記第2合成繊維索の繰り出された長さを計測する第2合成繊維索長計測装置と、
前記船首係留索の張力を計測する船首係留索張力計測装置と、
前記船尾係留索の張力を計測する船尾係留索張力計測装置と、
コンピュータからなる演算制御装置を設け、
前記演算制御装置により、前記波高データから前記水面の波の周期のうちピークとなる水面波卓越周期を演算するとともに、前記船舶の3次元位置データから前記船舶の前記船舶長手方向の動揺の周期である船舶動揺周期を演算し、前記船舶動揺周期が前記水面波卓越周期と合致しないように、前記第1鋼ワイヤー索長及び前記第1合成繊維索長及び前記第2鋼ワイヤー索長及び前記第2合成繊維索長を監視しつつ前記陸上船首側係留索巻取装置及び前記陸上船尾側係留索巻取装置を電子制御して前記第1鋼ワイヤー索の繰り出し量及び前記第2鋼ワイヤー索の繰り出し量を個別に制御し、かつ、前記船首係留索張力を監視しつつ前記船首部係留索巻取装置を電子制御し前記船首係留索張力を制御するとともに、前記船尾係留索張力を監視しつつ前記船尾部係留索巻取装置を電子制御し前記船尾係留索張力を制御すること
を特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る係留船舶動揺低減システムは、
請求項3記載の係留船舶動揺低減システムにおいて、
前記船舶動揺周期を増大させる場合には、前記船首係留索の全体長さに対する前記第1鋼ワイヤー索長の比率を小さくするように前記陸上船首側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船首部係留索巻取装置を電子制御し、かつ、前記船尾係留索の全体長さに対する前記第2鋼ワイヤー索長の比率を小さくするように前記陸上船尾側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船尾部係留索巻取装置を電子制御し、
前記船舶動揺周期を減少させる場合には、前記船首係留索の全体長さに対する前記第1鋼ワイヤー索長の比率を大きくするように前記陸上船首側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船首部係留索巻取装置を電子制御し、かつ、前記船尾係留索の全体長さに対する前記第2鋼ワイヤー索長の比率を大きくするように前記陸上船尾側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船尾部係留索巻取装置を電子制御すること
を特徴とする。
本発明に係る係留船舶の動揺低減方法は、船首係留索を第1合成繊維索と第1鋼ワイヤー索と両索を結合する第1索結合手段により構成し、船尾係留索を第2合成繊維索と第2鋼ワイヤー索と両索を結合する第2索結合手段により構成し、かつ、陸上船首側係留索巻取装置と陸上船尾側係留索巻取装置をコンピュータからなる演算制御装置により電子制御して第1鋼ワイヤー索の繰り出し量と第2鋼ワイヤー索の繰り出し量を個別に制御するようにしたので、各鋼ワイヤー索の繰り出し長さに応じて船首係留索のバネ定数と船尾係留索のバネ定数とをおのおの制御することができる。これにより、変形性能を小さく(バネ定数を大きく)して係留索を硬くし、係留船舶の動揺周期を減少させることが可能であるとともに、変形性能を大きく(バネ定数を小さく)して係留索を柔らかくし、係留船舶の動揺周期を増大させることも可能である。また、別途、岸壁付近の水域の波高と、船舶の3次元位置を計測するように構成したので、波高データから水面の波の周期のうちピークとなる水面波卓越周期を演算し、船舶の3次元位置データから船舶の船舶長手方向の動揺の周期である船舶動揺周期を演算し、船舶動揺周期が水面波卓越周期と合致しないように制御することができる。したがって、船舶動揺周期が水面波卓越周期と合致して共振状態となることを容易かつ確実に防止することができる、という利点を有している。
また、本発明に係る係留船舶動揺低減システムによれば、本発明に係る係留船舶の動揺低減方法における上記した効果に加え、本発明に係る係留船舶の動揺低減方法では手動操作であった船舶上の船首部係留索巻取装置と船尾部係留索巻取装置を、コンピュータからなる演算制御装置により電子制御することができるように構成したので、船首係留索張力と船尾係留索張力を監視しつつ船首部係留索巻取装置と船尾部係留索巻取装置を電子制御し、船首係留索張力と船尾係留索張力を容易かつ正確に制御することができる、という利点を有している。
以下に説明する実施例は、船舶を係留する索を、合成繊維索と鋼ワイヤー索を結合して形成した「ハイブリッド型」とし、係留索の繰り出し長さ(又は巻き取り長さ)の調整のみによって、合成繊維部分と鋼ワイヤー部分の比率を適宜に変更可能とし、係留索全体のバネ定数(硬さ)を自在に設定可能として、船舶動揺周期を機械的に制御するようにしたものであり、岸壁上の係留索巻取装置の設置と、船上の係留索巻取装置の改造に、若干のセンサ及び配線とコンピュータを付加するのみで足り、大幅な設備の変更を伴わずに実現でき、本発明を実現するための構成として最良の形態である。
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施例である係留船舶動揺低減システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、この係留船舶動揺低減システム100は、船舶200が、船舶長手方向D1が岸壁300の岸壁長手方向D2に略平行となるように係留される場合に、船舶長手方向D1に振動するように動揺することを低減するシステムである。
係留される船舶200には、船首部200Aに船首ウィンチ21が設けられ、船尾部200Bに船尾ウィンチ22が設けられている。ここに、船首ウィンチ21は、特許請求の範囲における船首部係留索巻取装置に相当している。また、船尾ウィンチ22は、特許請求の範囲における船尾部係留索巻取装置に相当している。
また、陸上には、岸壁300の船首部200Aに対応する箇所に、陸上船首側ウィンチ31が設けられ、岸壁300の船尾部200Bに対応する箇所には、陸上船尾側ウィンチ32が設けられている。ここに、陸上船首側ウィンチ31は、特許請求の範囲における陸上船首側係留索巻取装置に相当している。また、陸上船尾側ウィンチ32は、特許請求の範囲における陸上船尾側係留索巻取装置に相当している。
上記したウィンチ21、22、31、32は、図示はしていないが、円柱状又は円筒状の巻き取り用胴体にロープ、ワイヤー、索等を巻き付け、胴体を電動モーター等によって回転駆動し、ロープ、ワイヤー、索等をさらに巻き取ったり、繰り出したりする装置である。
また、船首ウィンチ21と陸上船首側ウィンチ31には、船首係留索12が装着されている。また、船尾ウィンチ22と陸上船尾側ウィンチ32には、船尾係留索13が装着されている。
また、この係留船舶動揺低減システム100には、波高計測装置15と、ワイヤー索長センサ18及び19と、係留索張力センサ26及び27が設けられており、コンピュータ10に電気的に接続されている。また、コンピュータ10は、陸上側のウィンチ31及び32に電気的に接続され、これらを駆動制御することができる構成となっている。また、岸壁300には、陸上側通信装置28が設けられており、コンピュータ10に電気的に接続されている。また、船舶200には、船舶側通信装置29が設けられている。陸上側通信装置28と船舶側通信装置29は、電波等によりデータや制御信号等を無線で送信又は受信可能となっている。また、船舶200には、船舶位置計測装置16と、合成繊維索長センサ23及び24が設けられており、これらは船舶側通信装置29に電気的に接続されている。
コンピュータ10のハードウェア的な構成は、図2に示されている。すなわち、コンピュータ10は、CPU41と、ROM42と、RAM43と、入出力インタフェイス部11を備えて構成されている。
これらの構成要素のうち、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)41は、各種演算、あるいはこの係留船舶動揺低減システム100全体の制御を行う部分であり、CPU41の内部での電流(信号)の授受を行うための信号線である内部バス(図示せず)を有しており、この内部バスに、演算部(図示せず)と、レジスタ(図示せず)と、クロック生成部(図示せず)と、命令処理部(図示せず)等が接続されている。
CPU41内の演算部は、レジスタに記憶されている各種データに対して、四則演算(加算、減算、乗算、及び除算)を行い、又は論理演算(論理積、論理和、否定、排他的論理和など)を行い、又はデータ比較、若しくはデータシフトなどの処理を実行する部分である。処理の結果は、レジスタ等に格納される。クロック生成部は、CPU41の各部分の時間の同期をとるための刻時用の電子パルス信号(クロック信号)を生成する。CPU41は、このクロック信号に基づいて動作する。命令処理部は、演算部等が実行すべき命令の取り出し、その解読、及びその実行などを制御し処理する。また、CPU41は、クロック信号をもとに、送られてくるデータ又は演算した結果とその時刻をリアルタイムで検出し、RAM43等に一時記憶させる。
ROM(Read Only Memory:読出し専用メモリ)42は、CPU41を制御するための制御プログラムや、CPUが用いる各種データ等を格納している。ROM42としては、半導体チップにより構成されるものと、ハードディスク装置等が用いられる。CPU41の制御プログラムには、OS(Operating System)等のCPU41の基本ソフトウェアのほか、各種の処理や分析演算等をCPU41に実行させるための命令等の処理手順が含まれる。
また、RAM(Random Access Memory:随時書込み読出しメモリ)43は、CPU41により演算された途中のデータ等の情報を一時記憶する。RAM43は、例えば半導体チップ等により構成される。
CPU41によって生成されたディジタル電気信号、又はCPU41へ入力されるディジタル電気信号は、入出力インタフェイス部11を経て外部と授受される。入出力インタフェイス部11内には、ディジタル信号とアナログ信号の変換系であるA/Dコンバータ、D/Aコンバータ等(図示せず)が設けられている。
また、コンピュータ10は、図示はしていないが、入力装置を有しており、この入力装置は、キーボードやポインティング・デバイス等を有しており、コンピュータ10の操作指令やデータの入力等が行われる。ポインティング・デバイスとは、画像表示装置(図示せず)の画面上に、矢印状の図形(ポインタ)が表示され、操作によってポインタを移動することができ、かつ画面の任意の位置をクリック等によって選択可能な装置であり、マウスのほか、パッド状のもの、回転可能なボール状のものなどがある。入力装置に入力された操作指令やデータは、入出力インタフェイス部11を経て、コンピュータ10内のCPU41へ送られる。
また、コンピュータ10は、図示はしていないが、画像表示装置を有しており、画像表示装置は、ブラウン管や液晶表示器等からなり、コンピュータ10内のCPU41から入出力インタフェイス部11を経て出力されたデータは、画像や文字・数字等として画面に表示される。なお、出力されたデータは、さらにプリンタ(図示せず)により紙に印刷されて出力されることも可能となっている。
また、コンピュータ10は、図示はしていないが、出力装置を有しており、出力装置は、コンピュータ10内のCPU41から入出力インタフェイス部11を経て出力されたデータを外部へ出力する装置である。出力装置としては、出力端子、送信装置、媒体記録装置が含まれる。媒体記録装置としては、磁気又は光等によりディスクやカード等の記録媒体にデータを記録する装置等が挙げられる。
上記したCPU41の制御あるいは処理は、ROM42とRAM43と共同しながら実行するソフトウェア・プログラムによって実現される。上記のコンピュータ10は、特許請求の範囲における演算制御装置に相当している。
図3は、図1に示す係留船舶動揺低減システムにおける船首係留索及び船尾係留索のさらに詳細な構成を示す図である。ここに、カッコの付かない符号は、船首係留索12の構成要素を示し、カッコ内の符号は、船尾係留索13の構成要素を示している。
図3に示すように、船首係留索12は、第1合成繊維索51と、第1鋼ワイヤー索53と、第1索結合部55を有している。第1合成繊維索51は、船首ウィンチ21から繰り出される。また、第1鋼ワイヤー索53は、陸上船首側ウィンチ31から繰り出される。また、第1合成繊維索51の他端と第1鋼ワイヤー索53の他端は、第1索結合部55で結合されている。ここに、第1索結合部55は、特許請求の範囲における第1索結合手段に相当している。
また、図3のカッコ内の符号で示すように、船尾係留索13は、第2合成繊維索52と、第2鋼ワイヤー索54と、第2索結合部56を有している。第2合成繊維索52は、船尾ウィンチ22から繰り出される。また、第2鋼ワイヤー索54は、陸上船尾側ウィンチ32から繰り出される。また、第2合成繊維索52の他端と第2鋼ワイヤー索54の他端は、第2索結合部56で結合されている。ここに、第2索結合部56は、特許請求の範囲における第2索結合手段に相当している。
図4は、図3に示す船首係留索における第1索結合部のさらに詳細な構成を示す図である。すなわち、第1索結合部55は、シャックル61及び62と、シャックルボルト63及び64を有している。また、第1合成繊維索51の端部は、環状に曲げられ、固定環65によりカシメ固定されている。また、第1鋼ワイヤー索53の端部は、環状に曲げられ、固定環66によりカシメ固定されている。
シャックル61及び62は、鋼等からなり、略U字状に形成された部材である。シャックル61の端部には、ボルト挿通孔61aと、雌ネジ孔61bが形成されており、シャックルボルト63を第1合成繊維索51の端部の環状部に挿通させた状態でシャックル61のボルト挿通孔61aに挿通し、シャックルボルト63の端部に形成された雄ネジ部63aを雌ネジ孔61bにねじ込んで固定させることができる。
また、シャックル62の端部には、ボルト挿通孔62aと、雌ネジ孔62bが形成されており、シャックル62の略U字状の部分を、シャックル61の略U字状の部分に係合させ、かつ、シャックルボルト64を第1鋼ワイヤー索53の端部の環状部に挿通させた状態で、シャックルボルト64をボルト挿通孔62aに挿通し、シャックルボルト64の端部に形成された雄ネジ部64aを雌ネジ孔62bにねじ込んで固定させることができる。このようにして、図4のような第1索結合部55を構成することができる。第2索結合部56についても、図示はしていないが、第1索結合部55と全く同様な構成を有している。
次に、この実施例の係留船舶動揺低減システム100の作用について説明する。
波高計測装置15は、岸壁300付近の水域に設置され、水面の波高を計測する。波高計測装置15としては、波高計が用いられる。波高計には、超音波式波高計、水圧式波高計などが使用可能である。波高計測装置15の計測した波高データは、アナログデータであり、データ線によりコンピュータ10に入力され、入出力インタフェイス部11でディジタルデータ化され、CPU41に送られる。
CPU41は、送られてくる波高データを解析し、水面の波の周期を演算する。また、CPU41は、波高スペクトルと、水面波周期の関係を解析し、図5(B)に示すような関係を検出する。図5(B)のグラフG3は、横軸が波周期で、縦軸が波高のスペクトルを示している。図5(B)に示すように、波高スペクトルがピークとなるとき、例えば、図5(B)におけるP2における波周期T1は、水面波の卓越周期を表している。CPU41は、この水面波卓越周期をリアルタイムで演算し、RAM43等に一時記憶させる。
船舶位置計測装置16は、船舶200の3次元の位置を計測する装置である。船舶位置計測装置16は、図示はしていないが、GPS受信装置を有している。GPS受信装置は、地球を周回する複数の人工衛星(以下、「GPS衛星」という。)から送信されてくるGPS信号を受信する。GPS信号には、そのGPS衛星の軌道情報(送信元のGPS衛星の3次元位置座標と時間等に関する情報を含む)などが含まれている。船舶位置計測装置16は、複数のGPS衛星からのGPS信号に基づき、船舶200の3次元の位置座標を演算してディジタルデータとして出力する。船舶200の3次元位置座標データは、電波により陸上側通信装置28に無線送信され、陸上側通信装置28によって受信されたのち、データ線によりコンピュータ10のCPU41に入力される。
CPU41は、送られてくる船舶200の3次元位置座標データを解析し、船舶200の3次元座標位置の変化(船舶長手方向D1への振動)を演算する。また、CPU41は、船舶振動波形のスペクトルと、船舶動揺周期の関係を解析し、図5(A)に示すような関係を検出する。図5(A)のグラフG1は、横軸が船舶動揺周期で、縦軸が船舶振動波形のスペクトルを示している。図5(A)に示すように、この場合には、船舶動揺周期がT1のとき、船舶振動波形スペクトルがピークとなっている。
このような場合には、波と船舶動揺が共振状態となり、船舶の動揺が過大となるおそれがある。このため、CPU41は、図5(A)におけるピークP1の周期T1を減少させてT2に移動させるように制御を行う。これにより、水面波の卓越周期と船舶動揺周期は、合致しなくなり、共振状態からははずれ、船舶の動揺は減少することになる。以下に、船舶動揺周期の制御方法を説明する。
図3に示すように、船首係留索12は、合成繊維からなる第1合成繊維索51と、鋼ワイヤーからなる第1鋼ワイヤー索53が、直列に結合して構成されている。第1鋼ワイヤー索53は、鋼ワイヤーからなり、縦弾性係数E1と断面積A1と長さ(第1鋼ワイヤー索長)L1を有している。この場合、第1鋼ワイヤー索53のバネ定数K1は、下式(1)で表される。

1=E1×A1/L1 ……(1)
また、第1合成繊維索51は、合成繊維、例えばポリアミド樹脂繊維などからなり、縦弾性係数E2と断面積A2と長さ(第1合成繊維索長)L2を有している。この場合、第1合成繊維索51のバネ定数K2は、下式(2)で表される。

2=E2×A2/L2 ……(2)
また、第1鋼ワイヤー索53と第1合成繊維索51が直列に結合した船首係留索12の全体としてのバネ定数Kは、下式(3)で表される。

K=K1×K2/(K1+K2) ……(3)

船尾係留索13についても、まったく同様である。
一般に、鋼ワイヤー索は、変形しにくく、バネ定数(例えばK1)の値は大きい。また、合成繊維索は、変形が大きく、バネ定数(例えばK2)の値は小さい。したがって、船首係留索12のうち、鋼ワイヤー索53の部分が長くなれば、船首係留索12全体のバネ定数は大きくなり、硬い(変形しにくい)索となっていく。逆に、船首係留索12のうち、鋼ワイヤー索53の部分が短く(第1合成繊維索51の部分が長く)なれば、船首係留索12全体のバネ定数は小さくなり、柔らかい(変形しやすい)索となっていく。また、係留索が硬く変形しにくければ、係留されている船舶の動揺の周期は短くなる。逆に、係留索が柔らかく変形しやすければ、係留されている船舶の動揺の周期は長くなる。
以上のことを利用すれば、第1鋼ワイヤー索53の繰り出し長さと、第1合成繊維索51の繰り出し長さを、ワイヤー索長センサ18と、合成繊維索長センサ23によってコンピュータ10が監視しつつ制御すれば、船首係留索12のバネ定数を制御することができる。ここに、ワイヤー索長センサ18は、特許請求の範囲における第1鋼ワイヤー索長計測装置に相当している。また、合成繊維索長センサ23は、特許請求の範囲における第1合成繊維索長計測装置に相当している。各索長センサ18、23は、公知の変位センサ、例えばポテンショメータなどが使用可能である。
また、第2鋼ワイヤー索54の繰り出し長さと、第2合成繊維索52の繰り出し長さを、ワイヤー索長センサ19と、合成繊維索長センサ24によってコンピュータ10が監視しつつ制御すれば、船尾係留索13のバネ定数を制御することができる。ここに、ワイヤー索長センサ19は、特許請求の範囲における第2鋼ワイヤー索長計測装置に相当している。また、合成繊維索長センサ24は、特許請求の範囲における第2合成繊維索長計測装置に相当している。各索長センサ19、24は、公知の変位センサ、例えばポテンショメータなどが使用可能である。
また、係留索は、たるまないように、所定の張力で引っ張っておく必要がある。このため、陸上側のウィンチ31、32から鋼ワイヤー索を繰り出すのと同時に、船舶側のウィンチ21、22においては合成繊維索を巻き取る必要がある。逆に、陸上側のウィンチ31、32で鋼ワイヤー索を巻き取るのと同時に、船舶側のウィンチ21、22においては合成繊維索を繰り出す必要がある。このような制御は、係留索張力センサ26及び27からの係留索張力データをコンピュータ10が監視しつつ、船首ウィンチ21と船尾ウィンチ22を通信装置28及び29を介して行うことになる。ここに、係留索張力センサ26は、特許請求の範囲における船首係留索張力計測装置に相当している。また、係留索張力センサ27は、特許請求の範囲における船尾係留索張力計測装置に相当している。また、係留索張力センサ26、27としては、公知の力センサ、例えばロードセルなどが使用可能である。
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではない。上記実施例は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、本発明は、海域だけでなく、河川、湖沼等においても使用可能である。また、船舶位置計測装置は、船上でなく、陸上側に設けてもよい。また、船首係留索は、2本使用してもよい。この場合、船上ウィンチは2台、陸上ウィンチも2台必要となる。また、船尾係留索は、2本使用してもよい。この場合、船上ウィンチは2台、陸上ウィンチも2台必要となる。
また、上記した実施例においては、通信装置28及び29と、制御線45と索長センサ23によって、コンピュータ10が第1合成繊維索長さを監視しつつ船首ウィンチ21を制御し、通信装置28及び29と、制御線46と索長センサ24によって、コンピュータ10が第2合成繊維索長さを監視しつつ船尾ウィンチ22を制御する例について説明したが、これは他の制御方法であってもよい。例えば、制御線45と索長センサ23、及び制御線46と索長センサ24を設けず、船首ウィンチ21を手動操作とするとともに、船尾ウィンチ22を手動操作とするような構成としてもよい。
本発明は、船舶を用いた水上運輸業(海運業や、河川での水運業)で実施可能であり、これらの産業で利用可能である。また、コンピュータを用いたシステムとする場合は、各装置等を、機械、電気機器、電子機器の製造業において製造することができ、これらの産業で利用可能である。
本発明の一実施例である係留船舶動揺低減システムの全体構成を示す図である。 図1に示す係留船舶動揺低減システムにおけるコンピュータのさらに詳細な構成を示す図である。 図1に示す係留船舶動揺低減システムにおける船首係留索及び船尾係留索のさらに詳細な構成を示す図である。 図3に示す船首係留索における第1索結合部のさらに詳細な構成を示す図である。 図1に示す係留船舶動揺低減システムの作用を説明するグラフ図である。
符号の説明
10 コンピュータ(演算制御装置)
11 入出力インタフェイス部
12 船首係留索
13 船尾係留索
15 波高計測装置
16 船舶位置計測装置
18 ワイヤー索長センサ(第1鋼ワイヤー索長計測装置)
19 ワイヤー索長センサ(第2鋼ワイヤー索長計測装置)
21 船首ウィンチ(船首部係留索巻取装置)
22 船尾ウィンチ(船尾部係留索巻取装置)
23 合成繊維索長センサ(第1合成繊維索長計測装置)
24 合成繊維索長センサ(第2合成繊維索長計測装置)
26 係留索張力センサ(船首係留索張力計測装置)
27 係留索張力センサ(船尾係留索張力計測装置)
28 陸上側通信装置
29 船舶側通信装置
31 陸上船首側ウィンチ(陸上船首側係留索巻取装置)
32 陸上船尾側ウィンチ(陸上船尾側係留索巻取装置)
41 CPU
42 ROM
43 RAM
45、46 制御線
51 第1合成繊維索
52 第2合成繊維索
53 第1鋼ワイヤー索
54 第2鋼ワイヤー索
55 第1索結合部(第1索結合手段)
56 第2索結合部(第2索結合手段)
61、62 シャックル
63、64 シャックルボルト
63a、64a 雄ネジ部
65、66 固定環
100 係留船舶動揺低減システム
200 船舶
200A 船首部
200B 船尾部
300 岸壁
D1 船舶長手方向
D2 岸壁長手方向

Claims (4)

  1. 船首部に船首部係留索巻取装置を有し船尾部に船尾部係留索巻取装置を有する船舶の船舶長手方向が岸壁の岸壁長手方向に略平行となるように係留する場合に前記船舶が前記船舶長手方向に振動するように動揺することを低減する係留船舶の動揺低減方法であって、
    前記岸壁の前記船首部に対応する箇所に配置される陸上船首側係留索巻取装置と、前記岸壁の前記船尾部に対応する箇所に配置される陸上船尾側係留索巻取装置を設け、第1合成繊維索を前記船首部係留索巻取装置から繰り出すとともに第1鋼ワイヤー索を前記陸上船首側係留索巻取装置から繰り出し両索を第1索結合手段で結合して船首係留索を構成し、第2合成繊維索を前記船尾部係留索巻取装置から繰り出すとともに第2鋼ワイヤー索を前記陸上船尾側係留索巻取装置から繰り出し両索を第2索結合手段で結合して船尾係留索を構成し、
    前記岸壁付近の水面の波高を計測する波高計測装置と、
    前記船舶の3次元の位置を計測する船舶位置計測装置と、
    前記第1鋼ワイヤー索の繰り出された長さを計測する第1鋼ワイヤー索長計測装置と、
    前記第1合成繊維索の繰り出された長さを計測する第1合成繊維索長計測装置と、
    前記第2鋼ワイヤー索の繰り出された長さを計測する第2鋼ワイヤー索長計測装置と、
    前記第2合成繊維索の繰り出された長さを計測する第2合成繊維索長計測装置を設け、
    コンピュータからなる演算制御装置により、前記波高データから前記水面の波の周期のうちピークとなる水面波卓越周期を演算するとともに、前記船舶の3次元位置データから前記船舶の前記船舶長手方向の動揺の周期である船舶動揺周期を演算し、前記船舶動揺周期が前記水面波卓越周期と合致しないように、前記第1鋼ワイヤー索長及び前記第1合成繊維索長及び前記第2鋼ワイヤー索長及び前記第2合成繊維索長を監視しつつ前記陸上船首側係留索巻取装置及び前記陸上船尾側係留索巻取装置を電子制御して前記第1鋼ワイヤー索の繰り出し量及び前記第2鋼ワイヤー索の繰り出し量を個別に制御し、
    前記船首係留索の張力を計測する船首係留索張力計測装置と、
    前記船尾係留索の張力を計測する船尾係留索張力計測装置を設け、
    前記船首係留索張力を監視しつつ前記船首部係留索巻取装置を手動操作し前記船首係留索張力を制御するとともに、前記船尾係留索張力を監視しつつ前記船尾部係留索巻取装置を手動操作し前記船尾係留索張力を制御すること
    を特徴とする係留船舶の動揺低減方法。
  2. 請求項1記載の係留船舶の動揺低減方法において、
    前記船舶動揺周期を増大させる場合には、前記船首係留索の全体長さに対する前記第1鋼ワイヤー索長の比率を小さくするように前記陸上船首側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船首部係留索巻取装置を手動操作し、かつ、前記船尾係留索の全体長さに対する前記第2鋼ワイヤー索長の比率を小さくするように前記陸上船尾側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船尾部係留索巻取装置を手動操作し、
    前記船舶動揺周期を減少させる場合には、前記船首係留索の全体長さに対する前記第1鋼ワイヤー索長の比率を大きくするように前記陸上船首側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船首部係留索巻取装置を手動操作し、かつ、前記船尾係留索の全体長さに対する前記第2鋼ワイヤー索長の比率を大きくするように前記陸上船尾側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船尾部係留索巻取装置を手動操作すること
    を特徴とする係留船舶の動揺低減方法。
  3. 船首部に船首部係留索巻取装置を有し船尾部に船尾部係留索巻取装置を有する船舶の船舶長手方向が岸壁の岸壁長手方向に略平行となるように係留する場合に前記船舶が前記船舶長手方向に振動するように動揺することを低減する係留船舶動揺低減システムであって、
    前記岸壁の前記船首部に対応する箇所に配置される陸上船首側係留索巻取装置と、前記岸壁の前記船尾部に対応する箇所に配置される陸上船尾側係留索巻取装置を設け、第1合成繊維索を前記船首部係留索巻取装置から繰り出すとともに第1鋼ワイヤー索を前記陸上船首側係留索巻取装置から繰り出し両索を第1索結合手段で結合して船首係留索を構成し、第2合成繊維索を前記船尾部係留索巻取装置から繰り出すとともに第2鋼ワイヤー索を前記陸上船尾側係留索巻取装置から繰り出し両索を第2索結合手段で結合して船尾係留索を構成し、
    前記岸壁付近の水面の波高を計測する波高計測装置と、
    前記船舶の3次元の位置を計測する船舶位置計測装置と、
    前記第1鋼ワイヤー索の繰り出された長さを計測する第1鋼ワイヤー索長計測装置と、
    前記第1合成繊維索の繰り出された長さを計測する第1合成繊維索長計測装置と、
    前記第2鋼ワイヤー索の繰り出された長さを計測する第2鋼ワイヤー索長計測装置と、
    前記第2合成繊維索の繰り出された長さを計測する第2合成繊維索長計測装置と、
    前記船首係留索の張力を計測する船首係留索張力計測装置と、
    前記船尾係留索の張力を計測する船尾係留索張力計測装置と、
    コンピュータからなる演算制御装置を設け、
    前記演算制御装置により、前記波高データから前記水面の波の周期のうちピークとなる水面波卓越周期を演算するとともに、前記船舶の3次元位置データから前記船舶の前記船舶長手方向の動揺の周期である船舶動揺周期を演算し、前記船舶動揺周期が前記水面波卓越周期と合致しないように、前記第1鋼ワイヤー索長及び前記第1合成繊維索長及び前記第2鋼ワイヤー索長及び前記第2合成繊維索長を監視しつつ前記陸上船首側係留索巻取装置及び前記陸上船尾側係留索巻取装置を電子制御して前記第1鋼ワイヤー索の繰り出し量及び前記第2鋼ワイヤー索の繰り出し量を個別に制御し、かつ、前記船首係留索張力を監視しつつ前記船首部係留索巻取装置を電子制御し前記船首係留索張力を制御するとともに、前記船尾係留索張力を監視しつつ前記船尾部係留索巻取装置を電子制御し前記船尾係留索張力を制御すること
    を特徴とする係留船舶動揺低減システム。
  4. 請求項3記載の係留船舶動揺低減システムにおいて、
    前記船舶動揺周期を増大させる場合には、前記船首係留索の全体長さに対する前記第1鋼ワイヤー索長の比率を小さくするように前記陸上船首側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船首部係留索巻取装置を電子制御し、かつ、前記船尾係留索の全体長さに対する前記第2鋼ワイヤー索長の比率を小さくするように前記陸上船尾側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船尾部係留索巻取装置を電子制御し、
    前記船舶動揺周期を減少させる場合には、前記船首係留索の全体長さに対する前記第1鋼ワイヤー索長の比率を大きくするように前記陸上船首側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船首部係留索巻取装置を電子制御し、かつ、前記船尾係留索の全体長さに対する前記第2鋼ワイヤー索長の比率を大きくするように前記陸上船尾側係留索巻取装置を前記演算制御装置により電子制御するとともに前記船尾部係留索巻取装置を電子制御すること
    を特徴とする係留船舶動揺低減システム。
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