JP3833713B2 - フリンジ・ディフレクトメトリ装置及びその方法 - Google Patents

フリンジ・ディフレクトメトリ装置及びその方法 Download PDF

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Description

本発明は、測定対象の光学的素子を、波面が既知の放射を用いて照射するための照射手段と、測定対象である前記光学的素子による前記放射の反射又は透過後における、前記放射のディフレクトメトリ手段と、基準光線を生成するための手段と、を備えているフリンジ・ディフレクトメトリ装置に関する。
本発明は、測定対象の光学的素子を、波形が既知の放射を用いて照射する工程と、ディフレクトメトリ手段において、前記光学的素子によって反射される又はこれを透過した放射によって生成される縞を分析する工程と、
を備えているフリンジ・ディフレクトメトリ方法にも関する。
さらに、本発明は、眼用レンズ、屈折率分布を有するレンズ、及び眼用レンズの成形の測定に関して、前記方法を応用することも網羅する。
本発明による方法は、例えば、微分干渉法、モアレパターンディフレクトメトリ、又はロンチ法によるディフレクトメトリ等の、位相基準が存在しないフリンジ・ディフレクトメトリ装置に適用される。
反射又は透過を利用するディフレクトメトリ装置は、当該出願人によるFR-A-2,710,162及びEP-A-0,644,411に開示されている。当該装置によれば、反射又は透過を用いて、光学的素子の幾何学的構造を測定することができる。
このような測定装置の原理は、波面が既知の放射を用いて測定対象の光学的素子を照射して、すなわち最も単純な場合には前記光学的素子を球面波で照射して、その後、測定対象である光学的素子における反射又は透過の後、波面の形状又は形態を測定する。反射又は透過後に波面を測定することによって、測定対象である光学的素子の幾何学的特徴を導き出すことができる。
本発明は、FR-A-2,747,912及びFR-A-2,647,913に記載されている装置にも適用される。
このような測定原理及びこのような測定を行い得る装置に関する詳細については、上記文献に明確に記載されている。
本発明は、透過及び反射を用いるフリンジ・ディフレクトメトリ装置に適用される。一般的に、本発明によれば、装置の光軸に対する波面の傾斜又は勾配を測定することができる。フリンジ・ディフレクトメトリ法では、このような傾斜によって、位相検出により測定される−πからπの間の位相と、位相検出法によって提供されない2π位相間隔の逓倍とを得ることができる。本発明によれば、位相検出に関する不確定性を解消することができる。
FR-A-2,710,162及びEP-A-0,644,411に記載されている装置が反射を用いて使用された場合、反射後に波面の傾斜を測定する必要はなく;表面上の一点において自動照準を行うことによって、位相基準を得ることができる。本発明によれば、この動作を省略することができる。
FR-A-2,710,162及びEP-A-0,644,411に記載されている装置が透過を用いて使用された場合、新しい技術的な問題が生じる。
この問題とは、構成素子の2つの面の間に配置されたプリズムを測定することである。上記文献の装置は、光軸を有する光学的素子に関して、実際には透過により動作する。但し、前記光軸の位置が常に既知であり、この場合、入射光線と光軸とを一致させ、偏向角(入射光線の方向と光軸方向のなす角)をゼロにすることを常に条件とする。このようにして、位相基準が提供される。
光軸が未知の場合、又は光学的素子が光軸を有していない場合であっても、必要であれば、測定対象である光学的素子の後方にプリズムゲージを配置することによってプリズムを測定することを想定しうる。この方法は、精度に問題があり、実現に時間がかかると共に、さらに光学的素子の第1面を整列させる工程を伴う。
要するに、透過を利用して既知の装置を使用する場合、既知の装置は、光学的素子の入射面と射出面との間に設けられたプリズムを容易に測定することができない。この新たな問題は、どのような光学的素子に対しても、特に、一定屈折率の屈折光学素子の測定、又は両面平行の屈折率勾配を有するプレートに関しても生じる。この問題の解決手段は、透過を使用するディフレクトメトリ装置において、ディフレクトメトリ分析手段の位相基準を提供することである。
本発明は、これらの技術的な問題点を解消するものである。
本発明は、測定対象の光学的素子を、波面が既知の放射を用いて照射するための照射手段と、測定対象である前記光学的素子による前記放射の反射又は透過後における、前記放射のディフレクトメトリ手段と、基準光線を生成するための手段と、を備えているフリンジ・ディフレクトメトリ装置において、前記基準光線が測定対象の前記光学素子によって反射又はこれを透過した後、前記基準光線の横収差を測定するための手段をさらに備えていることを特徴とするフリンジ・ディフレクトメトリ装置を提供する。
本発明の他の実施例では、前記基準光線の横収差を測定するための手段が、前記ディフレクトメトリ手段とは独立のチャネルに設けられている。
前記フリンジ・ディフレクトメトリ装置は、測定対象の前記光学的素子によって反射される又はこれを透過する放射を、まず前記ディフレクトメトリ手段の方向に向け、その後前記横収差測定手段の方向に向けるための半反射板を備えることができる。
本発明の一例によれば、前記横収差測定手段が、前記ディフレクトメトリ手段の面と、光学的共役面の関係となるように配置される。
前記横収差測定手段は、CCDカメラと、前記カメラの像におけるスポットの位置を得るための手段と、を備えることができる。
本発明の他の一例によれば、前記ディフレクトメトリ手段が、ロンチの回折格子と、当該回折格子によって生じる縞を分析するための手段と、を備えている。
前記基準光線を生成するための手段は、半反射板に対して前記照射手段と対称に配置されたレーザを備えることができる。
本発明の一例では、前記基準光線を生成するための手段が、近軸光線を生成する。
本発明は、上記装置を実行するために特に考案されたフリンジ・ディフレクトメトリ方法であって、測定対象の光学的素子を、波形が既知の放射を用いて照射する工程と、ディフレクトメトリ手段において、前記光学的素子によって反射される又はこれを透過した放射によって生成される縞を分析する工程と、を備えているフリンジ・ディフレクトメトリ方法において、
前記光学的素子によって反射される又はこれを透過した光線に関して、前記ディフレクトメトリ手段において換算位相を測定する工程と、
前記光線の横収差を測定する工程と、
前記ディフレクトメトリ手段によって前記換算位相を測定して、前記光線の絶対位相を計算する工程と、
を備え、前記横収差の測定に関する不確定要素を排除するためのフリンジ・ディフレクトメトリ方法を提供する。
前記光線の横収差は、前記ディフレクトメトリ手段のチャネルとは異なる基準チャネルにおいて測定される。
一例によれば、当該方法は、前記光学的素子によって反射された光線又はこれを透過した光線の横収差と、前記ディフレクトメトリ手段による前記光線の勾配との間の関係を測定する校正工程を備えている。これは、ディフレクトメトリ方法がロンチの方法以外の場合に関連する事項である。
この場合、前記校正工程は、
可変プリズムから成る光学的素子を照射する工程と、
当該光学的素子を少なくとも2回移動させる工程と、
前記光学的素子の移動毎に、また一つの光線に対して、前記ディフレクトメトリ手段において換算位相及び横収差を測定する工程と、
前記光学的素子の各変位に対して、前記移動の間に前記ディフレクトメトリ手段を通過する縞の数を計数する工程と、
前記光学的素子の各移動に関して、前記測定・計数された縞数から、前記ディフレクトメトリ手段における前記光線の勾配を計算する工程と、
各移動に対して得られた、横収差及び勾配の値から前記関係を求める工程と、
を備えている。
択一的に、前記校正工程は、
既知のプリズムから成る光学的素子を照射する工程と、
一つの光線に対して、前記ディフレクトメトリ手段において換算位相及び光線の横収差を測定する工程と、
測定される値、及び前記光学的素子のプリズムの値から、前記ディフレクトメトリ手段において前記光線の勾配を計算する工程と、
からなる工程を少なくとも2回行い、且つ
前記関係が、横収差の値、及び得られた傾斜の値から求められる。
複数の光線を設け、移動を一回行うことと、既知のプリズムを有する単一の光学的素子を設けることとは等価である。
ある実施例においては、前記フリンジ・ディフレクトメトリ法としてロンチの方法を使用し、且つ当該フリンジ・ディフレクトメトリ法が、基準チャネルの光線の横収差と、前記ディフレクトメトリ手段における前記光線の横収差との関係を測定する校正工程を備えている。
この場合、前記校正工程は、
可変プリズムから成る光学的素子を照射する工程と、
当該光学的素子を少なくとも2回移動させる工程と、
前記光学的素子の移動毎に、また一つの光線に対して、前記基準チャネルの横収差、及びディフレクトメトリ手段において換算位相を測定する工程と、
前記光学的素子の各変位に対して、前記移動の間に前記ディフレクトメトリ手段を通過する縞の数を計数する工程と、
前記光学的素子の各移動に関して、前記測定・計数された縞数から、前記ディフレクトメトリ手段における前記光線の横収差を計算する工程と、
各移動によって得られる、前記基準チャネルの横収差に関する値、及び前記ディフレクトメトリ手段における前記光線の横収差の値から前記関係を求める工程と、
を備えている。
択一的に、前記校正工程は、
既知のプリズムから成る光学的素子を照射する工程と、
一つの光線に対して、前記ディフレクトメトリ手段において換算位相及び光線の横収差を測定する工程と、
測定される値、及び前記光学的素子のプリズムの値から、前記ディフレクトメトリ手段において前記光線の横収差を計算する工程と、
からなる工程を少なくとも2回行うことを特徴とし、且つ
前記関係が、前記基準チャネルの横収差に対して得られる値、及び前記前記ディフレクトメトリ手段の横収差に対して得られる値によって得られる。
移動を一回行い、複数の光線を提供することと、既知のプリズムの構成素子を設けることとは、等価である。
例によれば、前記関係は線形関数である。
この場合、前記光学的素子を少なくとも2回移動させることが好ましい。
最終的に、本発明は、当該方法を眼用レンズの測定に応用することにも関連する。
さらに、本発明の利点及び特徴は、添付図面を参照して、ある一例に関してのみ説明する以下の実施の形態からより一層明らかとなる。
図1は、透過を利用するディフレクトメトリを行う装置を示す図である。
図2は、平行平面で、屈折率勾配を有するプレートの測定に関して、図1の装置の一部を図式的に示す図である。
図3は、平行平面で、所定の屈折率勾配のプレートの測定に関して、図1の装置の一部を図式的に示す図である。
図4は、透過を利用して、本発明を実施するためのディフレクトメトリ装置の全体を図式的に示す図である。
図5は、本発明の装置の校正工程を示すフローチャートである。
図6は、本発明による測定工程を示すフローチャートである。
図7は、反射を利用してディフレクトメトリを行うための、図4と類似の図である。
角度又は位相に関する表現において、「換算角度又は位相(換算位相角)」とは、−πからπまでの範囲、すなわち基本単位2πの範囲で表現される位相角を示す。また、実際の位相角の値を示すために、「絶対位相角」という文言を用いる。例えば、7π/2の位相Φ(絶対位相角)は、7π/2−2π×2=−π/2の換算位相φに相当する。以下、画一的に記号φ(ギリシア文字phiの小文字)によって換算位相角を示し、記号Φ(ギリシア文字phiの大文字)によって絶対位相角を示す。絶対位相角Φに関連して2πの逓倍で表現される換算位相角φのみの知識では、不確実性、不明確性ないし不確定性が残る。
以下、ロンチ(Ronchi)の方法を実現するための装置に本発明の原理を適用するための説明を詳細に行う。この場合、ディフレクトメトリ(Deflectometry:光の偏向を用いる測定方法)回折格子面における光線の横収差(transverse aberration)を測定するのが有利である。本発明は、フリンジ(fringe)・ディフレクトメトリと称する他の方法を用いても実現することができる。但し、この場合には、横収差の代わりに、光線の勾配が測定される。この場合、例えばモアレパターン法(Moire Pattern Method)が使用される。いずれにしても、横収差を測定することと、光線の勾配を測定することとは等価である。その理由は、光線の勾配が、測定される素子とディフレクトメトリ手段との間に配置された対物レンズの焦点距離fと、横収差との比に等しいからである。
図1は、透過を用いてのディフレクトメトリを実施するための装置を略図的に示す図である。図1の装置は、点放射源を生成するための手段を備えている。シャッタ2とともに構成される波面測定レーザ1は、レーザビームをミラー3に供給する。ミラー3は、当該レーザビームを回転すりガラスディスク4の方向に向ける。当該回転すりガラスディスク4から射出される放射は、顕微鏡対物レンズ5に入射する。当該放射は、前記顕微鏡対物レンズ5を射出後、ピンホール6を通過する。
波面測定レーザ1、シャッタ2、ミラー3、回転すりガラスディスク4、顕微鏡対物レンズ5、及びピンホール6は、高品位の単一波長点光源を構成する。
ピンホール6を射出する放射は、半反射板7によって、第1レンズ8に向けられる。第1レンズ8の光軸は図1の測定装置の光軸10と一致し、レンズ8の焦点は前記放射の点光源と一致している。このように構成することによって、レンズ8から射出された波面は、装置の光軸10に対して垂直な面となる。レンズ8の代わりに、射出時の波面の特性が既知である対物レンズを使用することができる。
ホルダ11は、測定対象の光素子を受け入れ、それを光軸10上の所定位置に保持する。以下、光軸10、前記垂直な面内で光軸10に直交する軸、及び標準直交系を形成する第3の軸にそれぞれ対応する3軸を(x,y,z)によって示す。ホルダ11は、光軸10(x軸)に沿って、また当該光軸10に垂直な平面(y軸及びz軸)内を自由に移動する。
更に、光軸10に沿って、第2レンズ12を配置する。半反射板13は、前記第2レンズ12から射出された放射を、光軸上且つ前記第2レンズ12の焦点に配置された回折格子14から成るディフレクトメトリックチャネルの方向に向ける。この半反射板13は、当該放射を、図4に示す基準チャネルの方向にも向ける。
回折格子14は、交互に黒のラインと透明なラインとが配置されているセットから成る。波面測定カメラ15、例えばCCDカメラは、回折格子から射出され、すりガラススクリーン又は対物レンズ(図示せず)に形成される画像を撮像する。このCDD面は、測定対象である素子の射出面と光学的に共役関係にある。
図1の構成の装置によって、図2を用いて説明するように、ホルダ11内に挿入される光学素子における透過を用いてディフレクトメトリック分析を行うことができる。
図2は、屈折率勾配を有する両面平行プレート20を測定する場合の、図1の装置の一部を示す概略図である。図2は、光軸10、第2レンズ12、平面13、及び回折格子14を示す。
上記のように、平坦な波面が第1レンズの射出時に形成させる。ホルダ内に素子が存在しない場合、又は屈折率が一定であるプレートを固定した場合、第2レンズ12は、平坦な波面を受け、回折格子14上の一点に集束する球形波面を生成する。集束する点が、回折格子の黒ライン上に位置しているか否かによって、球形波面は阻止又は透過される。カメラ15の画像は、均一で平坦な陰から成る。この状況は、図2において点線で示される。
可変屈折率プレート20、または、より一般的に何らかの光学的素子がホルダ内に固定されると、素子を透過した後の波面はもはや平坦ではなく、第2レンズ12を射出する放射は、もはや前記回折格子上において一点で集束しない。この状態は、図2において実線で示される。この場合には、幾つかの縞を有する画像がカメラ内に観察される。上記引用された特許出願に記載されているような方法を用いてこれらの縞を分析することによって、色々な光線の勾配、及び第2レンズから射出される波面の形状、最終的には、分析される素子から射出される際の光線の勾配及び波面の形状を計算することができる。上記引用された書類に記載されているように、この分析は、回折格子をシステムの光軸回りに回転させている間に、回折格子を順次にy軸に沿って移動させ、その後、当該回折格子をz軸に沿って順次に移動させ、2方向へのそれぞれの移動に対する縞の規則性の変化を分析する。
図3は、所定の屈折率勾配を有する両面平行プレートを測定する場合の、図1の装置の一部を示す概略図である。図2において使用したものと同一の素子を図3においても使用した。但し、分析されるべき素子21は、所定の屈折率勾配を有する両面平行プレートである。この場合、素子21を透過後の波面は平坦であるが、装置の光軸に対して所定の角度をなす。この角度は、屈折率勾配の所定の関数である。第2レンズ12は、平坦な波面を受け、回折格子14上の一点に集束する球形波面を生成する。また、カメラ15の画像は、平坦で均一な陰である。この場合、外側の光線は、図3において実線で示されている。
図3では、図2と同様に、光学的素子がホルダに取り付けられていない場合と同様に、プレートの屈折率が一定である場合の光線を示している。ここで留意すべきことは、屈折率が一定であるプレートを設けた場合の球形波面の集束点が、光学素子を設けない場合と比較して、回折格子上で推移することである。所定の屈折率を有し、完全な角柱をなす光学的素子に関しても同様である。
回折格子上のある点、例えばその中心において、換算位相角を正確に測定することができる。但し、図1に示すような装置の場合、回折格子14の2つの連続するラインを区別することはできない。位相に関しては、換算位相のみを測定することができ、回折格子ラインの総数に相当する2πの逓倍であるといった不確実性が伴う。
換言すれば、光学的素子を設けない場合の回折格子上に集束点(図3の破線)と、完全な角状素子を用いた場合の集束点(図3の実線)とを識別するために、回折格子ラインの総数を測定することは不可能である。
本発明によれば、回折格子上のある点における絶対的位相を測定可能であると共に、回折格子上の全ての点における不確実性を取り除くことができる。
このことは、波面の傾斜又は傾きの測定にも応用することができ、完全な柱状光学的素子から成るプリズム、いずれかの均一的な光学的素子から成るプリズムを測定することができるとともに、平坦な平行面から成るプレートの屈折率勾配の値を測定することができる。
図4は、本発明を具現化するための、透過を使用するディフレクトメトリ装置を示す全体図である。図4において、図1において使用した種々の構成要素を使用している。さらに図4に示す装置では、収差を測定するためのレーザ25と、シャッタ26とを示している。これらは、半反射板7に対して点光源生成手段と対称的である。収差測定レーザ25とシャッタ26とは、第1レンズ8に対して、基準ビームを送出するように設計されている。
図4の装置において、当該基準ビームは、光軸10に沿って送出される。以下に説明するように、この基準ビームは、前記光軸と一致せずに、当該光軸に対して平行にも供給される。収差を測定するためのレーザ及びシャッタを用いる代わりに、基準ビームを生成するための好適な装置を使用することもできる。例えば、測定対象の光学的素子の前後に配置された単なるピンホールを使用することができる。
図4の装置は、回折格子14とは対称的に、収差を測定するためのカメラ27を備えている基準チャネルを有している。収差測定カメラは、半反射板13を介して、第2レンズ12から射出された放射を受けるように設計されている。カメラ27は、例えば、カメラ15と同一タイプのCCDカメラを使用することができる。カメラ27を、光軸に対して鉛直に配置することが好ましく、必要に応じて、これを当該光軸上の任意の場所に配置することができる。カメラ27を、前記ディフレクトメトリ手段の平面と共役関係を構成するように配置することに留意する。
波面測定用レーザのシャッタ2が閉じており、且つ収差測定用レーザのシャッタ26が開いている場合、収差測定カメラ27によって、収差測定レーザ25によって送出される基準ビームに対応するスポットの像を提供する。図4の装置において、ホルダ11内に光学的素子が存在しない場合、このビームは当該装置の光軸10を構成する。ホルダ11に光学的素子が取り付けられている場合、前記基準光線によって生成される近軸光線の横収差は、収差測定用カメラ27によって視覚的に確認することができる。
図4の装置は、回折格子面で換算位相を測定することが可能な位相測定装置(図示せず)をさらに備えている。図4の装置の場合、市場で入手可能なCCDカメラとともに、既知の光学的素子を使用することができる。
本発明によれば、ディフレクトメトリ手段のある点において、絶対位相を計算することによって、プリズム又は光学的素子の勾配を測定することができる。
先ず初めに、本発明による、図4に示すタイプの装置の校正に関して説明する。校正に関して、本発明では、半反射板13によって2つの光線に分離される装置内の所定の光線において、収差測定カメラ27における横収差と、回折格子14における横収差との間に所定の関係が存在するという原理に着目している。さらに一般的に、本発明では、任意の光線に関して、収差測定手段によって測定される横収差と、ディフレクトメトリ手段の平面における光線の勾配との間に所定の関係が存在するという原理に着目している。校正は、この関係を確立することによって行う。
以下に説明する実施例では、本発明により、収差測定手段27によって測定される横収差と、回折格子14の面における横収差とを関連つける線形関数の形式で、前記関係が確立される。上記のように、ロンチの方法の場合に特に有利であるが、測定される横収差と、回折格子14の面における光線の勾配との関係も明確に確立することができる。
本発明によれば、回転対称の光学的素子をホルダ内に保持し、その光学的中心が装置の軸と整列するように配置し、その後、前記光軸に対して垂直、且つ回折格子の様々な点において回折格子ラインに対して垂直な方向に、当該光学的素子を数回移動させることによって当該装置を校正することができる。さらに正確には、本発明においては、回折格子ラインがz軸に対して平行な場合、まず回転対称の光学素子をy軸に沿って移動させ、その後、回折格子ラインをy軸に対して平行に配置してから、前記光学素子をz軸に沿って移動させる。
各移動毎に、換算位相の測定値を使用して、移動の間に縞の数を一つ一つ計数することによって位相の不確定要素を排除して、回折格子14の面における横収差の変化を計算する。さらに、各移動毎に、収差測定用カメラ27の面における横収差の変化を測定する。求めようとする関係は、これらの測定値から得られる。
収差測定用カメラ27の像に関してピクセル座標系を(l,m)によって表示する場合、この座標系の軸は、カメラ27のCCDマトリックスの軸である。この座標系は、カメラ27の実状を考慮すると、必ずしも等方的である必要はない。回折格子14上のミリメートル単位の標準座標系を(p,q)によって示し、この標準座標系の一軸を回折格子ラインに平行にする。
これら2つの座標系の各原点(0,0)は、ホルダ内に光学的素子を設けない場合の、収差測定用レーザ25が送出する基準光線の、カメラ27及び回折格子14上における各位置にそれぞれ対応している。
本発明の一例によれば、ある光線に関して、収差測定用カメラ27における横収差(l,m)と、回折格子14における横収差(p,q)との関係を行列の関係:
(p,q)=A・t(l,m)
で求めることができる。ここで、Aは4つの係数a,b,c,dを有する2×2の正方行列であり、展開すると、
p=a・l+b・m
q=c・l+d・m
となる。
この行列は、カメラ27が光軸に沿って移動できること、当該カメラ軸が必ずしも等方的でないこと、及び軸(p,q)と軸(l,m)とが必ずしも正確に整列していないことを考慮すると、単なる同一の行列ではない。以下に説明するように、関係、基準点又は原点には他の選択も可能である。
図5は、本発明による装置の校正の工程を示すフローチャートである。当該装置は、回転対称の光学素子を用いて、行列Aの係数を決定することによって校正する。
ステップ50において、原点が、座標系(p,q)及び(l,m)に固定される。このようにするために、ホルダ11内に光学的素子を配置せず、シャッタ2を閉じ、シャッタ26を開いておく。回折格子14は、基準光線が回折格子ライン上に当たらないように、すなわち、レーザビーム25に相当するスポットによってカメラ15内に白い像が現れるように、配置される。カメラ27及び15において、前記スポットの位置をピクセルで手動的に又は自動的に捕捉することができる。その後、これらの位置は、十字形又はその他の好適な方法によって表示される。この後、シャッタ26を閉じ、シャッタ2を開く。位相測定装置を使用して、座標系(p,q)において方向p及びqにおける原点での換算位相を測定する。これは、カメラ15のCCD行列において十字形によって示される点に相当する。位相測定装置は、基準光線の衝突する点において、換算位相がゼロとなる位置に回折格子を移動させることによって校正される。
ステップ51において、回転対称体である光学的素子又はゲージが、ホルダ11内に固定される。
ステップ52において、シャッタ2を閉じ、シャッタ26を開く。レーザビーム25は、カメラ27にスポットを形成する。このスポットは、ステップ50において決定される原点に対して、推移する。ホルダ11は、y軸及びz軸に沿って線形的に移動して、座標系(l,m)の原点を示す十字形に前記スポットを戻す。このようにして、光ゲージの光学的中心が、基準光線上に位置決めされる。図4に示す装置の場合、前記基準光線が光軸10と一致する。小さな調整誤差の範囲内で、基準光線はゲージの光学的中心を通過して、回折格子14における座標系(p,q)の原点に到達する。
ステップ53において、シャッタ26を閉じ、シャッタ2を開く。この場合には、一連の縞がカメラ15に現れる。ホルダ11は軸yに沿って線形的に移動して、カメラ15のCCD行列において、座標系(p,q)の原点を示す十字形を、縞の総数nに亘って移動させる。この総数は、記憶される。この総数は、相対的整数であり、その符号は、カメラ27上を移動するスポットの方向によって決定される。軸(p,q)及び軸(l,m)がほぼ整列していることを考慮すると、回転対称の素子が移動する時、通常、縞は一方向にのみ移動する。
その後、カメラ15における十字形によって示される点に相当する、座標系(p,q)における原点において、p及びq方向に、換算位相φp及びφqが測定される。
回転対称体である光ゲージの光学的中心を透過する光線が到達する座標系(p,q)における点において、絶対位相はゼロである。このようにして、ステップ53において、視界を交差した回折格子の縞の総数を得ることによって、ステップ53の後、以下の式:
Φp=φp+2π・n
Φq=φq
を用いて、座標系(p,q)における原点において、p及びqの方向に、絶対位相Φp及びΦqが測定される。
ロンチの方法の特性を考慮して、以下の式:
P=Φp・R/2π
Q=Φq・R/2π
を用いて、回折格子面上においてミリメートル単位で、基準光線の到達点のp軸及びq軸における座標P及びQを測定することができる。ここで、Rは回折格子のピッチ(ミリメートル単位)である。
このようにして、ステップ53における移動の後、回折格子面における基準ビームの位置の変化を決定することができる。
ステップ54において、シャッタ2を閉じ、シャッタ26を開く。レーザ25のビームは、カメラ27にスポットを形成する。当該スポットは、原点に対してオフセットしている。スポットのピクセル座標(L,M)が測定される。このようにして、ステップ53の移動の後に、カメラ27の画面における、基準光線の位置のピクセルにおける変化を得ることができる。
ステップ54の後、座標系(l,m)における基準光線の到達点の位置(L,M)の変化が、座標系(p,q)における基準光線の到達点の対応する変化(P,Q)を伴うステップ53において行われる移動によって得られる。明らかに、関係式:
(P,Q)=A・t(L,M)
が得られる。この関係式によって、4つの係数a,b,c及びdが未知である2つの方程式が得られる。
得られるP,Q,L及びMの値は記憶される。
ステップ55において、回折格子14は、90度回転する。
ステップ56〜58は、ステップ52〜54に対応している。但し、回折格子の回転を考慮して、座標軸を互いに交換する。換言すれば、ステップ52〜54の対応する詳細な説明として、先ず第1に、PとQとを互いに交換し、第2に、LとMとを交換する。
ステップ52〜54を、その都度得られる値Pi,Qi,Li及びMiを記憶することによってi回繰り返すこと、又はステップ56〜58を、その都度得られる値Pj,Qj,Lj及びMjを記憶することによってj回繰り返すことができる。
ステップ59において、4つの係数a,b,c及びdが未知である2×(i+j)個の方程式が得られる。これらの方程式は、例えば慣用の最小二乗法、又はi=j=1の場合には単なるマトリックス・インバージョンを用いて解くことができる。また、最小二乗法が使用される場合、既知の評価方法を使用して、方程式の解の有効性を判断することもできる。
ここで、行列Aに関して、係数a、b、c及びdの値を得ることができる。
得られた係数の有効性は、a×b+c×dの値、√[(a2+c2)/(b2+d2)]の値、及びarctan(c/a)の値を計算することによって判断される。装置が光軸回りに回転対称であることを鑑みると、a×b+c×dの値はゼロになるはずである。√[(a2+c2)/(b2+d2)]の値は、カメラ27の軸に沿っての振幅比に相当し、arctan(c/a)の値は、回折格子ラインに対するカメラ27のCCD行列軸の傾斜角に対応する。
校正後、収差測定用カメラによって測定される所定の横収差に関して、ミリメートル単位で、回折格子平面における横収差を計算できる方法を用いることができる。当該分野における当業者にとって明らかなように、これら種々のステップは、必要条件の関数として、多かれ少なかれ自動化することができる。
このように構成することによって、本発明により、以下に説明するように、回折格子上の一点における絶対位相を測定することによって、位相に関する不確定な要素を排除することができる。
図6は、本発明による測定方法を示すフローチャートである。
フリンジ・ディフレクトメトリ法において本質的な問題である位相に関する不確定な要素を排除するために、本発明では、回折格子上の一点における絶対位相を測定する。このため、座標系(p,q)の原点における換算位相を回折格子14上で測定する。
次に、得られた校正情報を用いて、基準ビームの回折格子上における照射点の座標が得られる。回折格子のピッチを知ることによって、座標系(p,q)の原点と、基準光線の照射点との間の回折格子ライン数を測定することは容易である。このようにすることによって、座標系(p,q)の原点における絶対位相を計算することができる。
本発明によれば、装置を高精度で校正する必要がなく、基準光線の照射点の位置は、絶対位相に関する不確定要素を排除する役割のみを果たすが、測定精度は、座標系(p,q)の原点における換算位相の測定と関連している。換言すれば、回折格子ピッチの2分の1の校正精度で十分である。このことは、1ピクセルの精度で、基準光線の位置をカメラ27に位置決めすれば十分であることの理由となる。
図6を参照して、本発明による種々の測定工程を説明する。
ステップ60において、測定対象である光学素子をホルダ内に固定する。
ステップ61において、シャッタ2を閉じ、シャッタ26を開く。レーザ25のビームは、カメラ27にスポットを形成する。当該スポットは、光学的素子がプリズム状の範囲において、原点からオフセットしている。ピクセルにおいて、スポットの座標(L0,M0)が測定される。これによって、カメラ27の平面内において、ピクセルによって、基準光線の位置が与えられる。
ステップ62において、装置が校正される際に行列Aが得られ、回折格子14上の基準ビームの照射点の位置(P0,Q0)が、方程式:
(P0,Q0)=A・t(L0,M0
を用いて、座標系(p,q)において計算される。
0及びQ0をR/2πによって割ることによって(2πで割り算された回折格子ピッチ)、座標系(p,q)の原点における、p方向及びq方向の絶対位相に関して概略的な値:P0・2π/R及びQ0・2π/Rが得られる。
ステップ63において、シャッタ26を閉じ、シャッタ2を開く。位相測定装置を使用して、座標系(p,q)の原点における、p方向及びq方向の換算位相φp及びφqを測定する。
ステップ64において、値Np及びNqを計算し、量:
φp+2π・Np−P0・2π/R
φq+2π・Nq−Q0・2π/R
Np及びNqを計算することによって、座標系(p,q)における、p方向及びq方向における絶対位相:
Φp=φp+2π・Np
Φq=φq+2π・Nq
を計算することができる。
上記のように、また上記方程式が示すように、絶対位相の精度が、P0及びQ0に対して得られる精度ではなく、相対位相測定の精度で提供される。整数Np及びNqを0.5の精度で求めれば十分である。
ステップ65において、慣用のロンチ法を用いて、波面勾配のマップを作成することができる。本発明によって得られる座標軸(p,q)の原点における絶対位相を得ることによって、波面勾配マップを統合して完全なものとし、測定対象の光学的素子の幾何学的又は光学的構造を測定する。このようにして、光学的素子のプリズムの計算、又は測定対象の光学的素子が反射若しくは透過する波面の傾斜の計算をすることができる。
このことは、本願の一部として引用されている、本願出願人名義の上記引用特許に説明されているように行われる。このようにして、測定対象の光学的素子の構造、すなわち両面平行プレートの屈折率勾配、すなわち屈折光学素子の未知の表面など、に関して情報が提供される。
図7は、図4と同様の図であるが、反射を用いるディフレクトメトリを示している。図7における構成素子1、2、3、4、5、6、7、10、13、14、15、25、26、27は、図4のものと同様のものとし、同一の参照番号を付す。
図4の装置と図7の装置との相違点は、以下の通りである。すなわち、プレート7からの放射は、軸10に対して45度の角度で、反射プレート28に到達する。プレート28は、この放射をレンズ(すなわち対物レンズ)29の方向に向ける。レンズ29から射出される放射は、測定対象の素子30で反射される。この反射された放射は、再びレンズ29及びプレート28を通過して、半反射板13に到達する。
図7の装置によって、反射ディフレクトメトリに関して本発明を用いることができ、従来技術においては必要不可欠であった自動照準工程を省略することができる。透過及び反射による測定を、共通のパーツ及び取り外し可能なパーツを使用することにより、共通の装置を使用して行うことができる。
本発明が、図面を参照して説明した好適実施例に限定されないことは明らかである。
レーザ、すりガラスディスク及び顕微鏡対物レンズ以外の構成素子を、高品位単一波長放射源を生成するのに使用することができる。既知の波面の放射を用いて構成素子を照射する手段を、単一波長放射源及び対物レンズ以外の手段によって構成することができる。
平坦な波面でない既知の波面を用いて、分析対象の光学的素子を完全に照射することができる。例えば、モアレの方法又は他のフリンジ・ディフレクトメトリ法を使用する場合、ロンチの回折格子以外のディフレクトメトリ手段を用いることができる。このような場合、回折格子上の少なくとも一点において絶対位相を測定する必要がある。
図4の装置の場合、近軸光線以外の光線によって基準光線を生成することもできる。このように構成したとしても、ディフレクトメトリ手段の平面における位相基準を変更するのみである。他の光線を生成するには、例えば、点光源ピンホール6に近接してレーザを配置、又は上記のように単なる穴を設けることで十分である。上記の測定手段(CCDカメラ)は、十分な精度を保証しつつシンプルである点において有利である。他の手段を用いることもできる。収差測定用カメラを、単なる位置検出器に置き換えることができる。
収差測定用CCDカメラは、回折格子の共役面内に必ずしも存在する必要はない。測定対象である構成素子の関数としてシステム力学を変更するためには、カメラを光軸に沿って移動させる。これによる効果は、校正関数のパラメータを変更するのみである。
基準光線に対する横収差の測定には、上記以外の手段を使用することができる。図4及び図7の装置の場合、半反射板13を用いて、基準チャネル及びディフレクトメトリチャネルを生成する。このプレートは、反射又は透過した放射を一方のチャネルから他方のチャネルへ方向づけることが可能な装置によって置き換えることができる。他の実施例において、横収差測定用のカメラ15を用いて、光学的素子における反射又は透過後に2つのチャネルを使用する必要性をなくすことができる。収差を測定したい場合に回折格子14を放射外に配置できるように、例えば回折格子14を回転できるように構成できれば十分である。CCD平面が測定対象の光学的素子の射出面と光学的共役関係にある限り、偏向された光線を観察するためには、CCDカメラを移動させる必要がある。
ここに説明され、特許請求されている方法は、校正及び測定、又はその一方を完全に自動化するには、コンピュータプログラムによって動作する制御手段を用いて有利に具現化することができる。また、この選択は、状況による制約に依存する。
収差測定手段によって供給される横収差と、光線の勾配との関係、又は前記ディフレクトメトリ手段の平面における横収差との関係を選択して、行列積以外の形式で、又は異なる座標系及び係数を用いて記載することができる。例えば、直交座標系の2つの軸のそれぞれの大きさに対応する(r,θ)の座標系、又はこれらの座標系間のオフセット角に相当する係数(u,v,θ)で構成される行列を用いることができる。これらの変更のためには、本発明の教示の範囲を逸脱することなく、計算に使用される式を単に変更するのみである。また、非線形の関係、例えば、所望の次数の多項式関数によって設計される関係を選択することができる。このためには、校正の間に必要な測定回数と、これらの測定に基づき必要な計算の回数とを変更するのみで、前記関係を求めることができる。
校正の間に回転対称の光学的素子が移動する際の基準位置を、光軸から離隔する位置に設定することができる。また、このためには、基準位相を変更するのみである。
いかなる所望の光学素子も、校正及び標準プリズムゲージに使用することができる。前記光学素子が円環面(トーラス:torus)を有する場合、当該円環面の軸を、ロンチの回折格子の軸と整列させる。
最終的に、基準光線、及び校正の間の数回の移動又は基準プリズムゲージを使用する代わりに、数個の光線、及び一回のみの移動又は1個のプリズムのみを使用することができる。
換算位相の測定点は、ディフレクトメトリ手段の面に固定されると有利であり、上記例の場合、基準光線が近軸光線を生成するので、装置の光軸との交点に対応している。他の点又は測定方法を選択することもできる。
これら全ての実施例は、組み合わが可能であり、またフリンジ・ディフレクトメトリによる分析対象物に関する制約には依存しない。
図面の説明
図5
ステップ50: 光学的素子を配置せずに原点を校正
ステップ51: 回転対象の光学的素子を配置
ステップ52: 光学的素子の光学的中心を基準光線上に配置
ステップ53: 光学的素子を移動させ、縞数を計数相対的位相を測定回折格子面14における基準光線の横収差を計算
ステップ54: カメラ面27における基準光線の横収差を計算
ステップ55: 回折格子を90度回転
ステップ56: ステップ52と同様
ステップ57: ステップ53と同様
ステップ58: ステップ54と同様
ステップ59: カメラ面27における基準光線の横収差から回折格子14の面における横収差を求める行列を計算
図6
ステップ60: 測定対象の光学的素子を配置
ステップ61: カメラ27の面における基準光線の横収差を測定
ステップ62: 回折格子14の面における基準光線の横収差を計算
ステップ63: 回折格子14の面における光軸に沿っての換算位相を測定
ステップ64: 回折格子14の面における光軸に沿っての絶対位相の計算
ステップ65: 勾配マップの測定及び統合

Claims (16)

  1. 測定対象の光学的素子を、波面が既知の放射を用いて照射するための照射手段(1,2,3,4,5,6,7,8)と、
    測定対象である前記光学的素子による前記放射の反射又は透過後における、前記放射のディフレクトメトリ手段(14)と、
    基準光線を生成するための手段(25,26)と、
    を備えているフリンジ・ディフレクトメトリ装置において、
    前記基準光線が測定対象の前記光学素子によって反射又はこれを透過した後、前記基準光線の横収差を測定するための手段(27)をさらに備え、
    前記基準光線の横収差を測定するための手段(27)が、前記ディフレクトメトリ手段(14)とは独立のチャネルに設けられていることを特徴とするフリンジ・ディフレクトメトリ装置。
  2. 測定対象の前記光学的素子によって反射される又はこれを透過する放射を、まず前記ディフレクトメトリ手段(14)の方向に向け、その後前記横収差測定手段(27)の方向に向けるための半反射板(13)を備えていることを特徴とする請求項1に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ装置。
  3. 前記横収差測定手段(27)が、前記ディフレクトメトリ手段(14)の面と、光学的共役面の関係となるように配置されることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のフリンジ・ディフレクトメトリ装置。
  4. 前記横収差測定手段が、CCDカメラと、前記カメラの像におけるスポットの位置を得るための手段と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ装置。
  5. 前記ディフレクトメトリ手段が、ロンチの回折格子(14)と、当該回折格子によって生じる縞を分析するための手段と、を備えていることを特徴する請求項1乃至のいずれか一項に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ装置。
  6. 前記基準光線を生成するための手段が、半反射板(7)に対して前記照射手段と対称に配置されたレーザ(25)を備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ装置。
  7. 前記基準光線を生成するための手段が、近軸光線を生成することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ装置。
  8. 測定対象の光学的素子を、波形が既知の放射を用いて照射する工程と、
    ディフレクトメトリ手段において、前記光学的素子によって反射される又はこれを透過した放射によって生成される縞を分析する工程と、
    を備えているフリンジ・ディフレクトメトリ方法において、
    前記光学的素子によって反射される又はこれを透過した光線に関して、前記ディフレクトメトリ手段において換算位相を測定する工程と、
    前記光線の横収差を測定する工程と、
    前記ディフレクトメトリ手段によって前記換算位相を測定して、前記光線の絶対位相を計算する工程と、
    を備え、前記横収差の測定に関する不確定要素を排除し、前記光線の横収差が、前記ディフレクトメトリ手段のチャネルとは異なる基準チャネルにおいて測定され、前記フリンジ・ディフレクトメトリ法としてロンチの方法を使用し、且つ当該フリンジ・ディフレクトメトリ法が、基準チャネルの光線の横収差と、前記ディフレクトメトリ手段における前記光線の横収差との関係を測定する校正工程を備えていることを特徴とするフリンジ・ディフレクトメトリ方法。
  9. 前記光学的素子によって反射された光線又はこれを透過した光線の横収差と、前記ディフレクトメトリ手段による前記光線の勾配との間の関係を測定する校正工程を備えていることを特徴とする請求項8に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ方法。
  10. 前記校正工程が、
    可変プリズムから成る光学的素子を照射する工程と、
    当該光学的素子を少なくとも2回移動させる工程と、
    前記光学的素子の移動毎に、また一つの光線に対して、前記ディフレクトメトリ手段において換算位相及び横収差を測定する工程と、
    前記光学的素子の各変位に対して、前記移動の間に前記ディフレクトメトリ手段を通過する縞の数を計数する工程と、
    前記光学的素子の各移動に関して、前記測定・計数された縞数から、前記ディフレクトメトリ手段における前記光線の勾配を計算する工程と、
    各移動に対して得られた、横収差及び勾配の値から前記関係を求める工程と、
    を備えていることを特徴とする請求項に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ方法。
  11. 前記校正工程が、
    既知のプリズムから成る光学的素子を照射する工程と、
    一つの光線に対して、前記ディフレクトメトリ手段において換算位相及び光線の横収差を測定する工程と、
    測定される値、及び前記光学的素子のプリズムの値から、前記ディフレクトメトリ手段において前記光線の勾配を計算する工程と、からなる工程を少なくとも2回行うことを特徴とし、且つ
    前記関係が、横収差の値、及び得られた傾斜の値から求められることを特徴とする請求項に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ方法。
  12. 前記校正工程が、
    可変プリズムから成る光学的素子を照射する工程と、
    当該光学的素子を少なくとも2回移動させる工程と、
    前記光学的素子の移動毎に、また一つの光線に対して、前記基準チャネルの横収差、及びディフレクトメトリ手段において換算位相を測定する工程と、
    前記光学的素子の各変位に対して、前記移動の間に前記ディフレクトメトリ手段を通過する縞の数を計数する工程と、
    前記光学的素子の各移動に関して、前記測定・計数された縞数から、前記ディフレクトメトリ手段における前記光線の横収差を計算する工程と、
    各移動によって得られる、前記基準チャネルの横収差に関する値、及び前記ディフレクトメトリ手段における前記光線の横収差の値から前記関係を求める工程と、
    を備えていることを特徴とする請求項に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ方法。
  13. 前記校正工程が、
    既知のプリズムから成る光学的素子を照射する工程と、
    一つの光線に対して、前記ディフレクトメトリ手段において換算位相及び光線の横収差を測定する工程と、
    測定される値、及び前記光学的素子のプリズムの値から、前記ディフレクトメトリ手段において前記光線の横収差を計算する工程と、
    からなる工程を少なくとも2回行うことを特徴とし、且つ
    前記関係が、前記基準チャネルの横収差に対して得られる値、及び前記前記ディフレクトメトリ手段の横収差に対して得られる値によって得られることを特徴とする請求項に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ方法。
  14. 前記関係が線形関数であることを特徴とする請求項に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ方法。
  15. 前記光学的素子を少なくとも2回移動させることを特徴とする請求項14に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ方法。
  16. 眼用レンズ、屈折率分布型レンズ、及び眼用レンズの成形に応用される請求項乃至15のいずれか一項に記載のフリンジ・ディフレクトメトリ方法。
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