JP3833507B2 - 生物学的結合の光学的検出に使用する試験表面の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
発明の分野
生物学的に意味のある相互作用する種の反応の計量化において使用する薄膜検出法は、視覚的に判断する場合でも、機器を使って調べる場合でも、試験表面の十分に濃密で反応を受容する物質がないことに長く苦しんでいた。
【0002】
この発明は薄塗膜検出法のための試験表面の製造に関する。この発明はさらに、試験表面の表面特性を調べる方法にも関する。具体的に、この発明は、種々の分析物の検出のための様々な試験が安価に行われるような、非常に多様な受容物質を試験表面に確保させるような試験表面の製造方法に関する。光学的検出と組合わせて使う試験表面は、特定の分析物の検出に非常に感受性のある状態を形成する。
【0003】
この発明は、スライド、ウエファー、または平ら、円筒状、連続した、または他の形や構造をもつ他の台や物の表層を形成する固相基質上に固定された限定された表面部の薄い化学膜の形で製造される特に感受性の高い表面に関する。特定反応相は、大気または水質汚染測定、免疫分析または相互作用する種を含む他の固相発生のような検出または測定を含むがそれに限られない種々の機能を提供することができ、光学、音響学、電気、電気化学またはその他の型の直接薄塗膜測定法を使っている。
【0004】
この発明はさらに、装置の性能を最適にするために、特定の反応層を試験表面の基質に媒介的に結合する物質の層を作る方法に関する。具体的に、この発明は、表面に固定された反応物質の密度、安定性および生存度の調節ができる物質を最適化する検査の中間層を利用する方法に関わる。
【0005】
【従来の技術】
発明の背景
固体表面に固定された薄膜の様々な物理的化学的特性を調節する能力は、半導体から診断産業まで種々の産業に不可決であることがわかった。例えば、半導体においては、シリコン・ウエファー上の物質を絶縁、半導または伝導する薄膜の厚さおよび均一性が、ウエファーに埋め込まれた組み込み回路の性能を最適化するよう調節されねばならない。診断産業においては、固定された受容物質(または場合によっては酵素)の密度および安定性を分析試験表面または装置の性能を最適化するように調節されねばならない。
【0006】
開発および製造における一定の薄膜特性の調節が様々な製品や装置や全産業をも可能にする一方で、これらの特性の調節における限界と他の薄膜特性を調節する確立された技術がないことによって、多くの重要な科学技術の発達や市場化が遅れてきた。これらの科学技術の中には、インビトロでの診断、インビボでの測定、または他の用途に、固相上の受容物質に特異的に結合している分析物の量によって変わる濃度を、標識を使用せずに、直接測定する固相測定法を含むが、それだけに限られない。これらおよび他の潜在的または発現している科学技術は、それらが使用し得る薄い反応膜の巨視的および/または微視的表面部において、またこれらの膜との非特異的相互作用に対する耐性において厳しい予知できない限界をもっていることが多い。薄塗膜工学における最新技術は概して、前記で挙げたような科学技術に要求される感受性または反応性および特異性を確保するのに適した固定化および結合計画を提供するものではない。
【0007】
適切な1例は、直接固相測定のために半導体産業で用いられているような直接薄塗膜測定システムを適用することの難しさである。例えば楕円偏光法、多角反射法、干渉分光法、および様々な他の形態または旋光法、反射法、分光法、および分光測光法の組合せを含む多くの光学的薄膜測定技法が、半導体および集積回路産業で、研究開発、製品開発に、また、シリコンまたは他の物質から成るウエファーの表面に作られる薄膜層の厚みおよび均質性の品質管理に、広く適用されてきた。適切に選択された受容物質の表面でのこのアナライトの濃度依存固定化によってできた薄膜の厚み、密度、または質量における変化の検出または測定に、この技術を適用することに対する関心が高まってきた。このような薄膜分析技法は、それらがこの物質を直接検出するかまたは計量化するので、このアナライトの濃度依存固定化の質的量的指標として放射性、酵素性、蛍光性、発光性標識の間接測定または検出にそれらが依存する結果、要求される正確さまたは便利さを犠牲にすることがあまりに頻繁である従来の固相分析に代わるものとして有望である。薄膜分析技法の潜在的利点は評価されることが多いが、前記で示された種類の薄膜工作問題は、診断または他の分析市場に適した試験道具の開発を妨げてきた。1つの問題は、従来の固相分析に特徴的な微視的に回旋された表面に比べて薄膜分析で一般に使用される試験膜の非常に限定された巨視的および/または微視的表面部に関するものである。たいていの場合、基質を連続固相分析で均等に被覆する必要がある。たいていの場合、受容物質を反射基質の毒性効果から保護する物質の連続中間層で基質を被覆する必要がある。
【0008】
従来の固相分析において、配位子分子固定化に利用できるより大きな微視的表面部と結合した、微量滴定皿または管の被覆された内部表面に関するような、一般に使用されるより大きな試験表面は、かなりの数の配位子分子が、配位子被覆の希薄さ、その生存率の減少、その他の起こり得る受容物質の配向の欠失を補うために、固定化されるようにする。他方、直接薄膜分析においては、有効な試験表面部での厳しい制限のために、適切な感度が得られるならば、受容物質の密度、生存度、利用可能性、および安定性を最高、最適にするよう設計された特別な物質と方法の利用または開発が要求される。
【0009】
薄膜分析のもう1つの問題が、受容物質上に光学的制限のある楕円偏光法、干渉分析法、光散乱法、全内部反射法、または他の反射測定法などの光学的分析の特別な場合で起る。分析に使用する受容物質がこのような光学的基質に直接に付着している場合、基質は受容物質に毒性または半毒性の効果を与えることができる。このことは、基質が、それらの生存度を縮小するかまたは破壊する多くの配位子分子の立体配座または化学構造を変え得るということになる。配位子として使用されることの多い生物学的物質および他の高分子は特にこのような毒性効果を受け易い。これは、薄膜試験表面における表面部の制限という観点から重要な問題である。
【0010】
生物学的分子の保持のためにケイ素物質を適用する最初の作業の大部分がアフィニティークロマトグラフィーおよびシリカ(SiO2)ゲルおよびガラスなどのそれに関連する支持体に集中した。
【0011】
シリカの生体分子に対する最初の活性化は、シランによる処置によって達成された。シランを適用するのに使用される方法に関係なく、シラン化は、化学的方法によって生体分子を付着することができる官能基を導入することができる。シランによって導入された官能基に生体分子を付着するのに利用できる多種の化学がある。これらの技術は、バイオセンサーの製造に広く利用されてきた。従来の技術により一般的に使用されるシランの1つは、N−(2−アミノエチル−(3−アミノプロピル)−トリアルコキシシランである。
【0012】
それに続く生体付着の支持体または基質としてシリコンがシリカに代わる場合、従来のシラン化過程は、目的の特性を与えるのに不適切である。シランは、表面に付着するためにシラノール残基の存在を必要とする。シラノールの密度が固定化反応に必要な官能基の水準を生むのに不十分であるとき、不十分な受容物質が試験表面に付着されるであろう。シリカおよび多くのガラスは本質的に高いシラノール含有量を持つかまたは与えるように処置され得る。これはシリコンの場合には適用されない。シリコンもまた、生体分子に有毒なまたは有害なシリカまたはガラスで見られない表面効果を導入する。従来のシラン化過程はまた、廃棄を必要とする有害な廃棄物質を生み出し、多くの場合、その過程はチェックしたり調節したりするのに長くかかり困難である。
【0013】
バイオアッセイ試験表面の製造によって起るシラン化とそれに続く化学過程を避けるために色々な方法が取り入れられてきた。例えば、米国特許第4169138号は、抗体官能性、即ち支持体または基質を抗体密度(質量)を改善する生体高分子で被覆することによって反応密度を改善することを試みているが、それは明かに分析性能を改善することができる。この技法は、試験表面の製造において非常に限られた有用性をもつ。
【0014】
アビジンおよびビオチンの使用を含む様々なスペーシングおよび/または連結法が、表面に関する抗体の分離および/または部位特異的結合によって抗体配位子の利用可能性を増進することが知られている。(例えば、ジャーナル・オブ・イムノロジカル・メソズ、71巻(1984年)、133−140頁、ジャーナル・オブ・イムノアッセイ、6号、1&2巻(1985年)、67−77頁、ジャーナル・オブ・イムノロジカル・メソズ、82巻(1985年)、215−224頁、バイオクロマトグラフィー、3、4巻(1988年)、156−160頁、に書かれているようなものである。)
【0015】
高分子での固体基質の被覆はまた、配位子または受容物質のそれに続く付着にも利用されてきた。この方法において最も強調されることは、生体分子をプラスチックまたはガラスと共有的に結合することのできる表面を製造することであった。代表的な従来の技術は、米国特許第4354884号、米国特許第4357142号、米国特許4444879号、米国特許4415665号、米国特許4623629号、米国特許4724207号、または米国特許4363634号を含む。これらの高分子は、生物学的または合成的由来である。代表的な物質にはコポリマー、光活性化高分子、タンパク質、多糖類、ポリアミドが含まれる。米国特許第4591550号および米国特許4849330号は、ドープ処理したシリコン基質を、後の電気化学またはインピーダンス酵素低下検出法における生体分子の共有固定化のために脂質二重層で被覆することを記載している。
【0016】
これらの方法のいずれもが分析物の直接光学的検出に適合する試験表面または表面の製造を適切に述べていなかった。直接光学的検出は、光学的干渉効果(反射測光により視覚的に調べられるかまたは測定される。)、楕円偏光法、干渉分光法、プロフィロメトリー、吸着、または透過測定法などの薄塗膜測定法、および表面プラスモン共鳴方法を含む。
【0017】
理想的には、光学的検出方法には表面活性技術が、安定性のために表面の共有結合修飾を与え、基質の表面に非常に濃密で均一または調和した膜をもたらす。場合によっては共有付着のない強力に吸着した立体配座の膜が適切であり得る。シリコンなどの適当な基質、巨視的な平面、均一な光学ガラス、金属ガラスおよびプラスチック、または光学的な層で被覆されているまたはいないプラスチック(即ち、SiO、SiO2、SiN、など)は、共有付着に利用できる反応基の欠点を共有する。一度適用された表面修飾層または中間層は、濃密で機能的で安定した生体分子層の共有または吸収付着を支える環境を提供する。中間層として作られたこの表面修飾層または障壁は基質の毒性効果から生体分子層を隔絶するのに十分な厚みまたは密度をもたねばならない。配位子または受容物質は、抗原/抗体、酵素/基質、オリゴヌクレオチド/DNA、キレーター/金属、酵素/阻害剤、細菌/受容体、ウイルス/受容体、ホルモン/受容体、DNA/RNA、またはRNA/RNAを含み得るがそれに限られない相互作用する種の基の1つおよびこれらの種のいずれかと別の種との結合および他の非生物学的種の相互作用として定義される。
【0018】
3つの新規な型の物質をこの試験表面の製造に使用することができる。非線形分枝高分子シロキサンは基質の共有付着の要求を満たし、濃密で反応性のある、安定した膜に受容物質を付着させる。これらの高分子は、典型的に、多くの異なる機能性を提供し得る2−3の分枝点を含む。その中にはアミノアルキル、カルボキシプロピル、クロロプロピル、メルカプトプロピル、フェネチル、フェネチルスルフォナート、ビニル、およびメタクリルオキシプロピルが含まれている。これらの物質の代表的な適用は、織物の防水処置、ナイロン製造のための内部かび除外剤、皮仕上げ、洗剤耐性研磨製剤、コンタクトレンズ製造(米国特許第4208506号)、ポリウレタンフォーム製造製剤(米国特許再3530159号)、および用具の剥離塗料(米国特許第4369268号)を含む。シランの複合もまた、線形シラン上に分枝点を作るのに使用され得る。しかし、このような多くの段階方法は製造にとってあまり魅力をもつものではない。シランが、1つの方法中で分枝点を生み出すのに使用され得ることは考えられることである。これらの物質は受容物質の共有または受動付着に使用され得る。
【0019】
これらの試験表面の製造に有用性を示す第二群の物質は、一般にスチレン/ポリブタジエン混合物から成るコポリマー、相似または表面活性剤粒子である。これらの製品は粒子の形であるが、溶液では大規模な架橋の不足が表面または乾燥時のそれらの微粒子の性質の保持を妨げる。これらの膜形成粒子は、接着剤および塗料の製造に広く使用されてきた。代表的な従来の技術は、米国特許第3836337号、米国特許第4693772号、米国特許第4835211号、米国特許第4683269号、米国特許4391928号、米国特許4925893号、米国特許4902733号、米国特許4683260号、米国特許3962167号、米国特許4806451号、米国特許4781948号、米国特許4652603号、米国特許4636437号、米国特許4537926号、米国特許4510204号、米国特許4361669号、米国特許4268549号、および米国特許4156664号である。
【0020】
この型の表面の製造に使用できることがわかった別の部類の化合物は、デンドリマー、または星型ポリマー、または分子自己集合ポリマーである。これらのポリマーは、解乳化剤、湿潤剤、電子顕微鏡の分析標準、プロトン捕捉剤として、および塗料の粘着性を変調させるのに多くの有用性をもってきた。代表的なこれまでの技術は、米国特許第4435548号、米国特許第4507466号、米国特許第4558120号、米国特許第4568737号、米国特許第4587329号を含む。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
発明の要約
この発明の目的の1つは、直接薄膜検出法における用途の広い試験表面を提供することである。
【0022】
この発明の別の目的は、受容物質の結合に都合のよい環境を提供する一方で光相互作用物質から形成され得る試験表面を提供することである。
【0023】
この発明の別の目的は、受容物質の濃密で生存可能な層で容易に有効に組み立てられ得る試験表面を提供することである。
【0024】
この発明の別の目的は、受容物質が様々な固定化化学物質によって試験表面に受動的に吸着されるかまたは共有的に付着されるようにすることである。
【0025】
この発明の別の目的は、試験表面の製造をより容易により費用効率的にすることである。
【0026】
この発明の1つの目的は、光学的に測定され得る低水準のアナライトに高い感受性をもつ試験表面を作ることである。
【0027】
この発明のさらに別の目的は、受容物質の機能性および安定性を改善することである。
【0028】
この発明のさらに別の目的は、薄膜検出または測定技術の光学的またはその他の発見を用いる相互作用種分析での使用のために受容物質の試験表面への仲介結合の全般的な方法を教えることである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
前記の目的は、この分析物と相互作用し、その際質量の変化が検出可能な信号になる、受容物質がそれに固着している付着中間層を含む多層を支持する光反射基質を含む薄膜可視検出装置の形のこの発明の具体例によって満たされる。別の具体例において、この発明は、免疫学的活性物質の付着層を支えるプラナー反射物質の基質を含む免疫分析装置の形をとり、この付着層は様々な水準の相互作用活性をもつ。
【0030】
基質はプラナー反射物質から成り得、付着層とともに反射により楕円偏光法的に放射を分極することができる。
相互作用活性の水準は変化し得る。
【0031】
この発明の別の具体例において、その上の第二の層への親和力をもつ第一の層を支える光反射基質を含む、楕円偏光法で分極された光を反射することができる薄膜分析装置が提供されているが、この第二の層は、この分析物と相互作用することができる物質から成り、この第二の層の相対的な厚みは、この第一の層の厚みより少ない。
【0032】
記載された分析装置は楕円偏光計および前記の装置を含む楕円偏光免疫分析法で使用され得ることは理解されるだろう。
【0033】
この発明のさらに別の目的は、この第二の層の相互作用のあとの相対的な厚みが第一の層の厚みより少ないようなこのアナライトと反応することができる物質を含む第二の層に親和力をもつ第一の層を支える光反射基質をもつ薄膜検出法を提供する段階を含む、培地中のこのアナライトを検出する方法に関する。
【0034】
この発明は、同定化、計量化、または分離のための、血清または他の体液、水、空気、土壌などを含む様々な組成物の固体、液体または気体の試料からのアナライトの、どんな機構によるのであれ、直接選択結合、または付着のための新規組成物、新規方法、物を含む。この発明は、広義に、中間層で被覆された基質および、その中でそれに付着した高水準の生存可能な受容物質をもつ分析装置が形成されている中間層に固着している受容物質を利用している。受容物質は、従来の技術で既知の標識の使用なしに薄膜変化がもたらされている試料からのアナライトと直接相互作用するように適用されている。薄膜または光学的厚み(質量)における変化は、分析の感受性を増す光学的検出法によって検出され得る。
【0035】
この発明は、基質から成る装置または視覚的検出装置である。この基質は光反射物質から形成されねばならない。基質は、受容物質を基質にとって好ましくない環境から分離し、その上に受容物質が付着され得る好環境を形成するように機能する物質の層で被覆されている。受容物質はこの層の表面に、多種の固定化化学物質または層の組成物の機能としての受動付着によって、固定化され得る。この中間層によってもたらされた好環境によって受容物質は反応性、安定性、および相互作用活性を増進した。受容物質は、高度の特異性をもつ試料における特異的アナライトと相互作用するよう選択される。
【0036】
試験表面を形成するために、所望により抗反射物質で被覆されていてもよい基質(視覚的試験表面の場合)、物質の中間層、および受容物質が選択されなければならない。機器分析において、使用される検出法の型が、基質が反射、透過、または吸着性であるかどうかを決定する。好ましい具体例において、機器検出法は、楕円偏光計、干渉計、または他の薄膜測定法を用いる。これらの機器は基質が反射性であることを要求する。適切な基質物質が選択された後、基質を中間物質の層および受容物質の層で被覆する。中間層は基質に、選択された受容物質の生存率と定着に好適なミクロ環境を与える。
【0037】
物質の中間層の表面に固着された受容物質は対象とする被検体に対して選択的に相互作用する能力により特徴付られる。受容物質として使用され得る物質の種類は、二番目のパートナーと選択的に相互作用するであろう物質の型によってのみ限定される。受容物質の全部類に含まれ得る物質のサブクラスは、毒素、抗体、抗原、ホルモン受容体、寄生体、細胞、ハプテン、代謝物、アレルゲン、核酸、核物質、自己抗体、血液タンパク質、細胞破片、酵素、組織タンパク質、酵素基質、補酵素、および神経伝達物質、ウイルス、ウイルス粒子、微生物、金属、および様々な化学品を含む。このリストは、中間層被覆基質表面の上に被覆して薄膜検定系を生成することが出来る多種の物質の1部のみを含んでいる。この発明の選択されたアナライトが何であれ、受容物質はこの発明のアナライトと特異的に相互作用するように作られる。この発明のアナライトのマトリックスは、それが液体、固体、または気体、粘液、唾液、尿、排泄物などの体液、組織、骨髄、大脳液、または汗であっても、受容物質が試料内のこの特異なアナライトとのみ相互作用し、残りの試料マトリックスは試験表面から分離されるので、この発明の有用性を制限しない。受容物質を付着した物質の中間層で被覆された基質から形成される試験表面は、この発明のアナライトを含むと思われる試料と接触する。試料が表面と接触した後、機器をアナライトの相互作用を検出するのに使用することができる。使用され得る1つのこのような機器はサガックス楕円偏光計である(米国特許第4332476号、米国特許第4655595号、4647207号および4558012号であるが、この開示は、この明細書に全部含まれており、この明細書の1部を成す)。
【0038】
この発明は薄膜測定法、主に光学的検出法中で使用される試験表面の製造に焦点を合わせている。この発明は、このような試験表面を製造するのに使用される物質および製造方法を記載している。
【0039】
図の簡単な説明
図1は製造された試験表面を表わし、基質、中間層、および受容物質を示す。
図2はアナライトと反応させた、製造された試験表面を表わす。
図3は、抗反射物質で被覆された試験表面および受容物質の添加の前の物質の中間層を表わす。
図4は、アナライトの反応部分および未反応部分を示す製造された試験表面の反応した部分を表わす。
図5は、アナライトが二番目の要素に結合した反応していない部分を含む製造された試験表面の反応部分の2つの視点を表わす。
図6は図5の最高視点である。
【0040】
【発明の実施の形態】
発明の詳細な説明
下記は、予備被覆された装置60を形成するための中間層物質20および受容物質50で基質10を被覆する方法を含むこの発明の説明である。試料中にみられるアナライト70を分析する方法、および試験表面60に結合したアナライトの量を検出し測定する方法も示している。(また、高い感受性をもった正確な結果を与えるよう変形され改善された機器も示されている。)装置を製造する方法は、提示された例の中で選択された特異的な物質に限られていない。装置の要素のそれぞれに挙げられる特異的な規準に合うものであればどんな化合物でも、この明細書で次に記す方法を少し修正することによって利用することができる。
【0041】
基質10および受容物質50の間の中間層物質20の使用は試料と反応し得る新規の高い感受性をもつ分析試験表面をもたらす。試料アナライト濃度は薄膜機器によってまたは視覚的に検出することができる。楕円偏光計、干渉計、反射計、比色計、旋光計、などにより試験表面を使用することによって、微量の結合アナライト70を検出することができる。中間層物質20の試験表面60への添加により、試験表面実施が改良される。中間層物質20によってもたらされた特異的利点は、生存可能な受容物質の高密度の被覆、相互作用活性の増大、受容物質とアナライト間の反応性の増進および受容物質の安定性の増大である。
【0042】
基質物質、中間層物質および受容物質の無数の組合せを、多くのアナライトに対する試験表面を作るのに使用することができる。各アナライト特異的試験表面は、多くの別のマトリックス依存分析法に使用することができる。基質と中間層の間に抗反射層を組み込むことによって、試験表面を直接視覚検出の干渉色法に合わせることができる。この発明の機器を使用しない好ましい具体例において、サガックス・インターフィアレンス・スライド米国特許第4558012号を、色干渉試験に利用することができる。調整された抗反射層の必要性なしに、試験表面は、様々に異なる光学機器とともに、定性、半定量または定量的分析装置の基本を与えることができる。好ましいこの発明の機器の具体例において、試験表面はサガックス楕円偏光計で読み取られる。
【0043】
下記は、中間層物質20と受容物質50で被覆された試験表面60を形成するためのパラメーターおよび必要な情報である。話を簡単にするために、被覆されていない支持体を基質10と呼ぶ。中間層物質20で被覆された基質10をL−被覆基質40と呼ぶ。受容物質50が付着したL−被覆基質40をR−被覆基質60または試験表面60と呼ぶ。
【0044】
この発明は多様な基質型を提供する。基質は、末端使用者が求める分析の性質に依って、固体の支持体、可撓性または半可撓性支持体、薄膜またはゲルであり得る。さらに、ガラスまたはプラスチックなどの支持体物質に基質物質を被覆することによって、分析試験表面を製造するコストを減らし得る。基質は、それが適当な反射特性をもつために光学的属性と、適当な中間層20で被覆される可能性とで選択される。視覚的に読まれた薄塗膜干渉効果は、基質が反射的であることを要求し、抗反射中間層物質20で被覆されたものは、障壁付着として働くので従来の技術より有利である。薄塗膜金属用に十分反射する表面をもつ多くの基質は、鉄、ステインレススチール、ニッケル、コバルト、亜鉛、金、銅、アルミニウム、銀、チタニウム、ビスマス、およびその合金を含むがこれらに限られない。非金属の例は、シリコン、ゲルマニウム、亜ヒ酸塩、炭素、ケイ酸塩、アルミン酸塩などである。これらの型の物質は、受容物質、特に抗体、抗原、酵素などの生物学的受容物質に毒性のある表面環境をもつことが多い。
【0045】
これらの例はシリコンウエファー基質として使用するが、様々な他の基質物質を使用することができるものと理解されてよい。例中の基質は、ウエファーを作るようダイアモンド裁断され、次にKOH中でA帯エッチングに処された後より滑らかな表面を作るためにI帯エッチングされる、シリコン結晶から形成される。ウエファーの1表面は、正反射表面をもつ滑らかな鏡のような仕上がりになるよう磨かれる。逆表面は、高さ200−300nmのわずかな凸凹があり、それが散乱する反射表面を作っている。ウエファーは、滑らかな反射面の側の方が機器での検出には好まれるが、どちらの側も使用することができる。半導体産業には拒まれるシリコンウエファーが、この発明において使用され得、それによって分析製造コストを減らすことができる。シリコンウエファー中のドパントの水準と型はこの発明には無関係である。
【0046】
基質物質は、それが機器が検出するシグナルを生み出すのに十分反射的で均一であるか、また高分子受容物質を支持することができるかによって選択される。透過基質が様々な型の機器で使用され得ることは予期される。さらに、エッチングされたグリッド線をもつ基質を光分散系で使用することができる。いくつかの基質それ自体が高分子物質から形成され得る場合があることが注目されてきた。これらの高分子物質は、選択された機器中でシグナルを作るのに十分に反射的なかなり均一の表面をもたねばならない。
【0047】
図1に示されているように、基質10は、別の物質を支持するのに適用される上部表面15をもつ。この上部表面15は、シグナルの製造に必要な光学的特徴をもつ。上部表面15は、金属および合金またはシリコンなどによって生まれる光反射表面を持たねばならない。上部表面15に固着されるのは中間層物質20である。中間層物質20は、受容物質にとって都合のよいミクロ環境をもたらし、受容物質の濃密な効果的な層を作らせる物質であればどんな物質も使用できるが、通常高分子物質である。
【0048】
中間層20を前記の3部類の物質の1つ以上を適用することによって製造することができる。即ち、分枝シロキサン、デンドリマー、または膜形成コポリマー(表面活性剤)である。これらの物質の各々は、様々な機構によって基質10に付着する。シロキサンは、共有的に基質10を修飾するが、他の物質は表面に簡単に付着するのみであるけれども、剥離することなく、大部分の機械操作に対して安定している。高分子を基質に被覆する方法は、半導体の技術者にはよく知られている。しかし、診断ビジネスではあまり知られていない。実施例中に示されている高分子被覆法は、実証のために提示されているのであって、発明の範囲を制限するものではない。高分子物質はスピン被覆、エーロゾル吹付、浸漬、などによって付着され得る。被覆の方法は、使用される中間層物質20の型に合わせることができる。
【0049】
必要ではないが、好ましい属性を付与するため、付加的物質をL−被覆基質40に固着させることができる。この層は、抗体を定位させるのにプロテインAまたはプロテインGを使用する場合のように、受容物質50定位を改良することができる。使用され得る他の物質は、アビジン−ビオチン、合成または組み替えプロテインA/プロテインGフラグメントまたはペプチドまたは結合A/Gペプチドなどを含む。
【0050】
好ましい具体例において、中間物質は同じ方法でスピン被覆されるかまたはエーロゾル吹付される。様々な中間物質が、5オングストロームから500オングストロームの間の厚みで基質に被覆されるとき(より厚い量も使用できる)、分析試験表面に先に挙げた利点を与える。層は下記の機能をもち、下記の特性をもつ物質で形成され得る。即ち、受容物質に好適な環境を作る、受容物質を費用効果的な方法によって作用部分に密接に結合させる、低い非特異的相互作用を示す、基質10に共有的または緊密に付着する、および基質に均一ではあるが必ずしも連続的ではなく被覆され得る、というものである。中間層物質20を型で基質上におくことができる。型取りは光散乱検出法で使用され得るかまたは、プラス/マイナスシグナルを作るのにもちいられ得るかまたは、情報を与えるバーコードなどとして作られ得る。基質を高分子物質で型取る方法は半導体分野の技術者に知られている。
【0051】
図1−3に示されているように、中間層物質20は上部基質表面15に付着された下部表面18をもつ。下部表面18は基質10と適合するよう変えられる。高分子物質20もまた、受容物質50に付着するよう適用される上部高分子表面35をもつ。基質10上に被覆された層物質20は、L−被覆試験表面40を形成する。L−被覆試験表面40は通常安定性があり、受容物質50で被覆する前に貯蔵され得る。
【0052】
中間層物質が、L−被覆基質を形成する基質に被覆された後で、硬化期間を要する。選択された受容物質の適用の前に硬化する期間が与えられた場合、T−高分子シロキサンは最もよく働くということが注目された。受容物質は相互作用する種の中の1パートナーである。先に述べたように、相互作用する種は、2つの化学官能基、抗原−抗体、ホルモン−受容体、毒素−受容体、酵素−基質、DNA−DNA、ウイルス−受容体、RNA−RNA、DNA−RNAなどである。
【0053】
受容物質を層物質に付着する固定化化学はL−被覆基質および受容物質の両方の属性をもとに選択される。受容物質は共有的にまたは受動的に中間層物質に付着され得る。中間層物質を共有付着に特異的に適用するとき、固定化の1段階は活性化化学によって中間層物質を活性化することである。様々な活性化および連結方法を使用することができる。しかし、通常、受容物質を受動的にL−被覆試験表面に吸着するには十分であり、固定化化学法の時間と費用を避けることになる。受容物質が受動的にまたは共有的に中間層物質に付着されるかどうかには関係なく、受容物質の厚みは通常中間層物質の厚みより少ない。
【0054】
パートナーと相互作用する受容物質の能力(即ちその相互作用活性)は、通常、受容物質が、基質それ自体に付着するかわりにL−被覆基質に付着したときに増す。動的範囲における増加は、試験表面上により多くの受容物質結合部位をもつことによってもたらされる。
【0055】
いくつかの分析試験表面において、受容物質が結合された後、R−被覆試験表面が完成する。しかし、遮断法を行なうことが望ましい。遮断法は2つの機能を助ける。即ち、R−被覆試験表面の安定性を増大し、非特異的相互作用を減少させる。二番目の特徴は、R−被覆試験表面を遮断する主な理由である。カゼイン、ポルチンまたはウシまたはヒト血清アルブミン、ミルク、減成ゼラチン等の当技術の熟練者に知られた様々な遮断剤が非特異的相互作用を妨げるのに使用される。遮断剤は、通常遮断剤を選択するときに言われる様々な他の要因とともに、使用される受容物質および試料マトリックスに基づいて選択される。
【0056】
R被覆試験表面は遮断された後、アナライト検出試験キットで使用され得る。試験キットはR被覆試験表面、検量計、正負の対照(定量キットのための)必要な機器の検量説明書、および(所望により)試料調剤および/または希釈液を含む。最も薄い膜の分析を行なうためのプロトコルは、RIAまたはEIAなどの従来の固相分析のそれよりずっと簡単である。マトリックス、血液、尿、血漿、血清、水溶液、大脳液、髄液、粘液などの中の試料を試験表面との接触のために(必要ならば)製造する。この製造段階は、細胞分離のような方法、第二の試薬の添加、試料希釈剤の添加などであり得る。次に製造または非製造試料を試験表面と接触させる。
【0057】
図1−5の受容物質50およびアナライト70の大きさは測っていない。これら2つの要素は、この説明を分かりやすくするために拡大している。実際の大きさでは、受容物質およびアナライト質の厚みは、通常被覆20より薄い。アナライト70と反応する試験表面60の部分は前景100と呼ばれ、試料と接触しない試験表面の部分は背景と呼ばれる。図2は、前景100のみを描いている。試験表面に確保された受容物質50は相互作用種の1部分である。相互作用種の他の部分、アナライト70は、図4で示される試料中にあると思われる。試料を、R被覆試験表面60と接触させ、アナライト70を受容物質50上の活性部分に相互作用する。相互作用は、R被覆試験表面60の表面の質量中に変化を起こす。この光学的質量変化は光干渉効果によって視覚的に検出されるかまたは機器によって測定される。表面の質量変化を増大するために増幅技法を用いる。図5では、試験表面の反応部分を図示している。アナライト70は、第二の試薬80と結合している。これは試験表面60上の光学的質量変化を増大する。試験表面60は、基質20から成り、それに付着する抗反射物質によって視覚的検出(図5には示されていない)のためにのみ必要である。中間層物質20は、L被覆試験表面40を形成する基質10に付着している。L被覆試験表面40は、R被覆試験表面60を形成する受容物質50の受動的に吸着するかまたは共有的に付着した層をもつ。図5に描かれている試験表面60の部分は前景100または反応部分である。受容物質50はこのアナライト70を結合した。試料溶液が製造されたとき、アナライト70は第二試薬80と結合した。したがって、より大きな質量変化がアナライト70および第二試薬80によって試験表面60上に生ずる。使用される増幅物質は受容物質50およびアナライト70の間の相互作用に逆に影響してはならないし、検出可能なシグナルを生み出すのに十分に表面の質量変化を増加させねばならない。
【0058】
必要な製造の後、試料を試験表面の表面と接触させ、アナライトの試験表面上の受容物質への相互作用をさせる短いインキュベーション期間を与える。試料をすすいで未結合粒子を除去し、圧縮空気または窒素のような気体流の下で(所望により)乾燥する。すすぎ、乾燥する段階は手、または試験表面装置ホルダーまたはこれらの機能をはたすために適用された機器の一部により行なわれ得る。
【0059】
【実施例】
実施例1 L−被覆基質の製造
種々の中間層の材料についてここに与えられた名称を本明細書全体にわたり使用する。
【0060】
中間層材料:
#1:PEI − (トリメトキシシリルプロピル)ポリエチレンイミン
#2:PEI/DMDCS − 上記物質+ジメチルジクロロシラン
#3:ポリスチレン
#4:MSA − スターバースト;第5世代
#5:T−ポリマー − アミノアルキル T−構造分枝点ポリジメチルシロキサン
#6:TC7A
#7:DMDPS − ジメチルジフェニル シロキサン共重合体
#8:メルカプト − メルカプトプロピルメチルジメチル−シロキサン共重合体
#9:BAS − N−(2−アミノエチル−3−アミノプロピル)−トリメトキシシラン
#10:PBD − トリエトキシシリル修飾ポリブタジエン
#11:PAPDS − (メチルフェニル)メチルドデシル−メチル−アミノプロピル−メチル シロキサン
【0061】
基質への中間層材料の適用:
#1:PEI(ペトラーク;ブリストル、PA)
メタノール中保存シランの1:500希釈。当業者には自動化されたエアロゾルまたは噴霧デリバリー系が知られているが、この溶液300μlの試料をマイクロピペットにより100mmの清浄な被験シリコンウェーハー上に置き、このウェーハーをフォトレジスト回転被覆機上で7000rpmで回転させた。半導体産業において広く利用されているこの回転被覆機は、極めて均一な等角の膜を作り出す。これは多数の基質を迅速に処理でき、容易に自動化される。本明細書中、回転被覆を詳細に説明するが、本発明をこのL−被覆基質の製造の型に限定する意図はない。代わりとなる、溶媒を基礎とする沈澱(溶液または真空)は、当業者により容易に設計することができるであろう。さらに、本明細書に記載されるクラスの材料は、受容材料の基質からの保護を行なうが、本発明は、各クラスに列挙される個々の材料にまたはクラス自体によって限定されることは意図していない。むしろ、薄膜検出系に利用される試験表面の設計のための製造要件を述べることがその意図するところである。PEI被覆基質を0.1mmHgの下で100℃で60分間硬化させた。常套的偏光解析法により測定された80オングストロームの最終的中間層が一般に好ましいが、他の厚さも使用することができた。
【0062】
#2:PEI/DMDCS;DMDCS(シグマ・ケミカル・Co.、セントルイス、MO)
PEI被覆基質をDMDCSを用いる処理によってさらに加工することができる。これにより線状PEI鎖に沿って分枝点が作り出され、よりいっそうT−ポリマーとして挙動する表面がもたらされる。1,1,1−トリクロロメタン中2%のDMDCS保存溶液(v/v)100mlを調製する。PEI被覆基質を25℃で60分間この溶液中に浸漬する。基質をこのDMDCS被覆用溶液から取り出し95%エタノールですすぎ、最後に窒素気流の下で乾燥させる。常套的偏光解析法により測定される200オングストロームの最終的中間層が一般に好ましいが、他の厚さもまた可能である。
【0063】
#3:ポリスチレン(ベクトン・ディッキンソン、オクスナード、CA)
ポリスチレンのファルコンペトリ皿およそ0.05gをトルエン2mlに溶解した。この溶液は前記の回転被覆技術により適用した。使用に先立ち基質を25℃で60分間硬化した。200オングストロームの最終的中間層が一般に好ましいが、他の厚さもまた可能である。
【0064】
#4:MSA−スターバーストポリマー(ポリサイエンシズ、ワーリングトン、PA)
第5世代スターバースト(0.5%固体)の1:4希釈物をメタノール中で作成した。この溶液200μlの試料を回転速度3500rpmの回転被覆法を用いて基質に適用した。L−被覆基質を25℃で120分間硬化した。40オングストロームの最終的中間層が一般に好ましいが、他の厚さもまた可能である。
【0065】
#5:T−ポリマー−(ペトラーク、ブリストル、PA)
T−ポリマーの1:300(v/v)希釈物を2−メチル−2−ブタノール中で作成した。この中間層を回転被覆法により基質に適用した。使用前にL−被覆基質を140℃で120分間硬化した。160オングストロームの最終的中間層が一般に好ましい。
【0066】
#6:TC7A(セラディン、インディアナポリス、IN)
30%保存溶液をメタノール中0.5%固形物に希釈した。試料300μlを回転被覆技術を用いて基質に適用した。使用前にL−被覆基質を37℃で120分間硬化した。この材料の最終的厚さは240オングストロームであることが好ましい。
【0067】
#7:DMDPS(ペトラーク)
トルエン中シロキサンの1:100(v/v)保存溶液を作成し、T−ポリマーについて述べた回転被覆技術及び硬化プロトコルを用いて適用した。好ましい最終的厚さは200オングストロームである。
【0068】
#8:メルカプト(ペトラーク)
シロキサンの1:300(v/v)保存溶液をトルエン中で作成した。被覆及び硬化プロトコルはPEIについて記載した通りとした。好ましい最終的厚さは200オングストロームである。
【0069】
#9:BAS(ペトラーク)
シランの1:100(v/v)溶液をトルエン中で作成した。試料200μlを回転被覆プロトコルに使用した。このウェーハーを0.1mmHgの下で140℃で2時間硬化する。好ましい最終的厚さは30オングストロームである。
【0070】
#10:PBD(ペトラーク)
シラン保存溶液27.5μl容をトルエン3275μlと混合した。回転被覆容量はこの混合液300μlであり、ウェーハーは120℃で60分間硬化した。好ましい最終的厚さは100オングストロームである。
【0071】
#11:PAPDS(ペトラーク)
1:100(v/v)のトルエン中シロキサン200μlの回転被覆容量を使用し、ウェーハーは使用前に100℃で120分間硬化した。好ましい最終的厚さは200オングストロームである。
【0072】
これらの実施例の全体にわたり記載されている濃度、容量、重量、回転被覆の速さ、緩衝剤、インキュベーション時間及び条件、並びに他の全ての試薬または工程は、好ましい態様の記載のみを意図している。本発明はこれら詳細な態様に限定されることを意図するものではない。
【0073】
実施例2 稠密な反応性受容層の生成における中間層材料の有用性の比較;抗原捕捉の測定
受容材料としての抗体をシリコン基質に結合させる中間層材料の効率の分析のための系を設計した。抗体の稠密な反応性の層の達成は、より厳しい方向性が必要であるために他の型の受容材料よりずっと困難であることが先行文献で証明されている。ELISA系がこの評価のために設計されたが、この系では、モノクローナル抗西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を被験受容材料としてのL−被覆基質に結合させ、次いで異なったレベルの西洋ワサビペルオキシダーゼ(HR))を表面に施し標準曲線を作成した。L−被覆基質と同じ条件下で微量定量用ウェルを抗体被覆した。L−被覆基質または微量定量用ウェルをモノクローナル抗HRP(シグマ・ケミカル・Co.、セントルイス、MO)20mg/mlを含有する0.05mPBS、pH=7.4を用いて25℃で146時間抗体被覆した。L−被覆基質は被覆用溶液に浸漬した。ペルオキシダーゼ(シグマ・ケミカル・Co.、セントルイス、MO)濃厚液をR−被覆基質または微量定量用ウェルと37℃で30分間反応させ、脱イオン水ですすぐことにより僅かな非結合ペルオキシダーゼを除去した。次に、反応したR−被覆基質または微量定量用ウェルにTMB(カークガード・アンド・ペリー)基質を加え、発色のために25℃で2分間反応させた。被験表面上の各場所からの流体を停止試薬を入れた非被覆微量定量用ウェルに移し、450nmにおける光学密度を記録した。比較板の微量定量用ウェルに停止試薬を直接加え、これを同様に読み取った。
【0074】
この研究の結果を以下の表に示す。表面は感度(負の対照に比較した低濃度の分割)及び動的範囲の点で評価した。対照の目的のため、各々のL−被覆基質をウサギlgGでも被覆し、しかる後ペルオキシダーゼ検定で評価した。ペルオキシダーゼと全てのウサギlgG被覆L−被覆基質との有意でない相互作用が観察された。未処理のシリコン基質もまた同様の条件の下で調べたが、表面に結合している活性な受容材料が殆ど無いことを示していることがわかった。データは450nmにおいて測定された光学密度として報告した。
【0075】
【表1】
a T−ポリマーを最終的な厚さが240オングストロームとなるよう基質に適用した。
b T−ポリマーを最終的な厚さが55オングストロームとなるよう基質に適用した。
c TC7Aを最終的な厚さが246オングストロームとなるよう適用した。
d これらの材料は先行文献において詳細に論じられている。
* L−被覆光学基質との比較のためにこれら供給者からの微量定量用ウェルを使用した。
【0076】
この研究は、薄膜基質をPEIまたはBASで処理する先行技術と比較した場合の係る基質上への中間層としてのシロキサンの有用性を明白に立証している。さらに、個々のシロキサン類の有用性は異なっており、これはそのシロキサンの官能基が受容材料の反応性に影響を及ぼし得ることを示唆している。分子自己集合ポリマーもまたBASと比較して中間層としての優れた挙動を示すが、シロキサン材料ほど有用ではない。TC7A表面活性剤はこの検定系においては劣った挙動をするが、次の実施例においては著しい有用性を有する。この研究はさらに、抗体が受容材料であり抗原が捕捉される被験表面の構造におけるこれら中間材料の有用性を立証するために計画された。
【0077】
実施例3 稠密な反応性受容層の生成における中間層材料の有用性の比較;抗体捕捉の測定
この分析のために、0.05M PBS、pH=7.4中のウサギlgG(シグマ・ケミカル・Co.、セントルイス、MO)20mg/mlの溶液に25℃で16時間浸漬することにより、相異なるL−被覆基質を被覆した。異なったレベルのHRP標識ヤギ抗−(そして分子)ウサギlgG抗体(シグマ・ケミカル・Co.、セントルイス、MO)をR−被覆基質と37℃で15分間インキュベートした。結合していない材料を脱イオン水ですすぐことにより除去した。TMB基質溶液を表面に適用し、25℃で2分間反応させ、次いでこの溶液を停止溶液の入った非被覆微量定量用ウェルに移した。これらの試料の光学密度を450nmで測定した。下に示されるデータは450nmにおける光学密度によるものである。
【0078】
【表2】
a T−ポリマーを最終的な厚さが53オングストロームとなるよう基質に被覆した。
b 未処理シリコンは基質材料10である。
【0079】
この研究において、抗体捕捉検定の検出における系の有用性を立証するため、様々な被験表面を使用した。この場合、シロキサン中間層及び分子自己集合性中間層は共に良好に挙動した。中間層の添加されなかった基質は殆ど利用性が無いかまたは反応性受容材料であることが立証され、この事は中間層材料の使用が必要であることを支持している。
【0080】
実施例4 連鎖球菌A群抗原に対する目視検出検定における中間材料の評価
単結晶シリコン塊からダイヤモンドで挽き切ったウェーハーに、当業者に研磨(ラッピング)として知られる一連の処理を行なうことにより、シリコン基質を調製した。挽き切ったウェーハーを研磨剤で研磨し、酸またはカセイ溶液で腐食してより均一な表面輪郭とし、次いでさらに研磨して徐々に表面のざらざらをより滑らかな面とした。これは、最終的な所望の表面が高度に磨き上げられた二次元表面である、当業者にとっての慣行ではない。しかしながらこれに適用するため、15ミクロンの平均サイズを有する12−21ミクロンの酸化アルミニウム粒子の研磨剤を用いて拡散性反射基質が生成された。記載のように研磨された修飾シリコンウェーハーはコスト上の著しい有利さという面でも有用である。特にこの研究のためには、上記のように調製された基質は窒化珪素で最終的な厚さが550オングストロームとなるよう被覆した。これは記載された材料の組合せであるが、この発明の範囲内で種々の厚さの任意の抗反射材料を使用することができる。次いで実施例1に記載の幾つかの中間層材料でこの干渉スライド基質を処理してL−被覆基質を生成させた。
【0081】
これらのL−被覆基質を、0.1m HEPES、pH=6.0中のウサギ抗−連鎖球菌A群(Strep A)抗体(メディックス・バイオテク、フォスターシティー、CA)20mg/mlの溶液中で25℃で60分間被覆した。Strep A抗原を含むまたは含まない対照溶液10μlのスポットをR−被覆基質上に置き、室温で2分間インキュベートすることによりR−被覆基質を反応させた。次いで被験表面を脱イオン水ですすぎ、窒素気流下で乾燥した。
【0082】
2M NaNO21部を2m酢酸1部と混合し、0.66N NaOHで中和することにより、負の対照を調製した。正の対照である、市販の培養StrepA細胞から抽出された抗原の緩衝剤を基礎とする製剤(メディックス・バイオテク、フォスターシティー、CA)を、使用前に抽出媒質中に希釈した。被験表面に適用する前に試料を第二の試薬と1:2で混合した。負の対照と異なっていることが目視できる最も高希釈の正の対照として第3表に結果を報告する。
【0083】
【0084】
この研究は、結果が目に見える信号である抗原捕捉検定において中間材料の有用性を立証するために計画された。この場合、先行文献中の物質であるBAS及びPEIは、目視検定系において使用される受容材料を基質から隔離する能力は示さない。シロキサン類は受容材料の所望の反応性を提供する極めて可変的な能力を示すが、最も良好な検定の達成はT−ポリマーシロキサンで得られる。分子自己集合中間層及び表面活性剤TC7Aの両者はこの検定系において幾らかの有用性を示す。
【0085】
実施例5 連鎖球菌群A抗原検出用の機器検定系における中間材料の評価
この実施例で使用されるシリコン基質は、磨き上げられたウェーハー表面である。ドパントレベル及び型はこの型の光学的検出計画に影響を及ぼさない。L−被覆基質を実施例1の通りに適用し、抗体を実施例4の通りに適用した。この検定は実施例4に記載のように実施した。使用される正の対照にはStrepA群抗原の希釈液を入れた。乾燥後、反応した被験表面をサガックス・コンパリスン・エリプソメーターで調べ、反射光強度の光度的分析をミリボルトの読みで記録した。
【0086】
【0087】
この研究は、機器検出系及び抗原捕捉検定における中間層の有用性の指標を提供するために計画された。機器検定については、目標は、正の対照に対しては最大の信号の生成を、そして負の対照に対しては最小信号の非特異結合を提供する被験表面を得ることであった。この場合、先行文献中の材料であるPEIは充分な反応性を示すが、最高レベルの非特異結合を導入する。先行文献中やはり頻繁に使用されるPBDはこの検定系では有用性を示さない。最良の総合的性能はT−ポリマーシロキサンまたはMSAポリマー類で得られる。
【0088】
実施例6 酵素的分解検定による中間材料の評価:コラゲナーゼ活性
TC7A被験表面を実施例1に従って作成した。この被験表面を、ヒトコラーゲンタイプ1(シグマ・ケミカル・Co.、セントルイス、MO)4.9ug/mlを含有する0.1MトリスHCl、pH=9.0の溶液中に浸漬した。この被験表面を25℃で60分間被覆した。被験表面は使用前に脱イオン水ですすぎ、窒素気流の下で乾燥した。143オングストロームの固定されたコラーゲン層が生成された。相異なる活性のコラゲナーゼ希釈液(ベーリング−マンハイム、インディアナポリス、IN)を0.005MCaCl2及び0.1Mトリス−HCl、pH=7.6を含有する緩衝液中に希釈した。5μlの異なった濃度のコラゲナーゼのスポットをR−被覆表面に適用し、室温で5分間インキュベートした。反応した表面を脱イオン水ですすぎ、窒素気流下で乾燥した。反応した表面をサガックス・コンパリスン・エリプソメーターで調べ、反射光強度を記録した。この実施例において受容材料層は適用された相互作用を行なう種により分解し、受容材料に生成した穴はコラゲナーゼの増加する活性または濃度の関数として徐々により陰性となる信号を与える。コラゲナーゼ活性は単位x103/mlで報告する。活性は光の強度としてミリボルトで測定した。
【0089】
【表3】
【0090】
この研究は酵素活性の検出のための被験表面の生成を証明するために計画された。この場合、証明された活性は減衰してゆくが、酵素活性を合成活性によって測定する系を作り出すことを構想することもできる。この場合、この表面活性剤はT−ポリマーシロキサンに対し受容材料の受け入れにおいてほぼ3倍の増加を示した。
【0091】
前記実施例は、基質、中間材料(複数もあり)、及び、被検体(複数もあり)の付着の尺度としての被験表面上の巨視的変化を生み出す受容材料で構成される装置を用いて種々の被検体を検出するこの技術の有効性および有用性を例示する役割を有する。
【0092】
前記実施例で使用される基質の構成または材料に対する敷衍として、ポリマー材料をそれらの表面に結合させることのできる機能的に等価な代替物である、基質構成および基質材料の種々の組合せを使用することが可能である。
【0093】
中間材料(複数もあり)は、受容材料をいかなる機作にせよ装置に結合または付着させるよう活性化し得る層(複数もあり)を提供する。この発明に使用される中間材料は様々な手法で被覆される。中間層の材料組成物は、選択された受容材料および基質材料並びに受容材料を付着させる方法を基に選択する。
【0094】
基質は、様々な形、即ち試験管、ウェーハー、ガラス被験表面、マイクロウェル等、及び構成、即ち固体担体、可撓性担体、ゲル、薄膜、のいずれであってもよく、そして様々な好適な物質、即ちガラス、シリコン、プラスチック等でできていてよく、そして非鏡面または鏡面反射性、透過性、または吸収性材料でできていてよく、これを前述の技術により処理して、被検体の検出のための多くの有用な手段を提供することができる。反応した装置はエリプソメーターにより、またはなんらかの機作により被検体の相互作用を検出できる他の任意の機器により、定性的または定量的に分析することができる。
【0095】
本明細書に記載される発明の概念は異なった態様を有し得ることが予期され、付記されている請求項は先行技術により限定される範囲を除き本発明のこれら全ての択一的態様を包含するものと解釈されることを意図している。
【0096】
その最も一般的な態様において本発明は、特別に設計された中間層材料を使用することにより、機器を使用もしくは使用しない、または光学的もしくは非光学的であるとに拘らず、被検表面、ウェーハー、または台を、薄膜検定における使用のための被検体の固定、密度生存性、安定性、方向、及び特異性に関して最適なものとする一般的方法を教示するものである。上に概説した本発明の好ましいまたは好ましくない、機器を使用するまたは使用しない具体的態様に付随する中間層に関する全ての考察は、本発明の一般的態様に等しく適用され、これは上記に個別的に考察されていない非光学的並びに光学的薄膜検出もしくは測定系、または光学的な機器的もしくは非機器的検出もしくは測定系を使用することができる。
【0097】
【発明の効果】
上記したところから明らかなように、本発明は、光学薄膜アッセイに使用するデバイスにおいて、基質と受容物質層の間に、当該基質表面の光学薄膜アッセイに適した光学的特性を損なうことのないよう、当該受容物質の結合部位を増加させた中間層を設けた点に特徴を有するものであり、そのような中間層を設けることにより、基質に起因する毒性に影響されることのない、感度の高いデバイスを提供することに成功したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 製造された試験表面を表わし、基質、中間層、および受容物質を示す。
【図2】 アナライトと反応させた、製造された試験表面を表わす。
【図3】 抗反射物質で被覆された試験表面および受容物質の添加の前の物質の中間層を表わす。
【図4】 アナライトと反応させたものと反応させていない試験表面の部分を示す製造された試験表面の反応した部分を表わす。
【図5】 アナライトが二番目の要素に結合した反応していない部分を含む製造された試験表面の反応部分の2つの視点を表わす。
【図6】 図5の最高視点である。
【符号の説明】
10.基質、15.上部表面、18.下部表面、20.中間層物質、35.上部高分子表面、40.L−被覆試験表面、50.受容物質、60.R−被覆試験表面、70.アナライト、80.第2の試薬、100.前景。
Claims (17)
- 目的とする被検体の存在または量を検出するための薄膜デバイスであって、
(a) 光学的薄膜アッセイに適合する光学的特性を与える、平らな、滑らかなかつ均一な表面を有する基質;
(b) 平らな、滑らかなかつ均一な表面により支持される中間層であって、核となる化合物と少なくとも2世代の樹枝状分岐と外側の末端官能基とを含むスターポリマー、ポリマー性シロキサン、直鎖状シラン上に分岐点を形成するシラン、およびスチレン/ブタジエンコポリマーを含む膜形成性ラテックスからなる群より選択される化学物質を前記基質表面にスピンコーティングすることにより形成される中間層;および
(c) 中間層に固定され、前記被検体に結合しうる受容物質であって、前記被検体が前記受容物質に結合したときに、その結果として薄膜または光学的厚みの変化から検出前記被検体の存在または量が検出できるように十分な密度で中間層に固定されている受容物質を含むデバイス。 - 平らな、滑らかなかつ均一な表面が、目的とする前記被検体の光干渉または偏光解析検出に適合する光学的特性を与える、請求項1に記載のデバイス。
- 平らな、滑らかなかつ均一な表面が、目的とする前記被検体の可視的な、機械を用いない検出に適合する光学的特性を与える、請求項1に記載のデバイス。
- 基質と中間層との間に抗反射層が設けられている、請求項1−3のいずれかに記載のデバイス。
- 基質が、単結晶性シリコン、ガラス、金属、セラミック、多結晶性シリコンおよびそれらの複合物からなる群より選択される材料から形成される、請求項1−4のいずれかに記載のデバイス。
- 平らな、滑らかなかつ均一な表面が鏡面反射表面を与える、請求項1−5のいずれかに記載のデバイス。
- 抗反射層が窒化シリコンを含む、請求項4−6のいずれかに記載のデバイス。
- 中間層が、アミノアルキル−T−構造分枝状シロキサンを含む、請求項1−7のいずれかに記載のデバイス。
- 中間層が、ポリマー性シランおよびジクロロジメチルシランを順次適用して形成される、請求項1−8のいずれかに記載のデバイス。
- 中間層が5−500Åの厚さを有する、請求項1−9のいずれかに記載のデバイス。
- 受容物質が、抗原、抗体、オリゴヌクレオチド、キレーター、酵素、酵素基質、酵素阻害剤、補酵素、微生物、細菌、寄生虫、毒素、細胞、核酸、核物質、細胞破片、血液蛋白質、組織蛋白質、アレルゲン、代謝物、神経伝達物質、金属、ウイルス、ウイルス粒子、ホルモンおよび前記物質のレセプターからなる群より選択される、請求項1−10のいずれかに記載のデバイス。
- 受容物質が抗体である、請求項11に記載のデバイス。
- 受容物質がオリゴヌクレオチドである、請求項11に記載のデバイス。
- 受容物質が中間層にスピンコーティングされたものである、請求項1−13のいずれかに記載のデバイス。
- 被検体が、抗体、抗原、酵素、ホルモン、医薬および核酸からなる群より選択される、請求項1−14のいずれかに記載のデバイス。
- 被検体がStrepグループA抗原である、請求項15に記載のデバイス。
- 被検体が、気体、粘液、唾液、尿、糞便抽出物、組織抽出物、骨髄、脳脊髄液、汗、血液、血漿および血清からなる群より選択される試料に含まれる、請求項1−16のいずれかに記載のデバイス。
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