JP3833167B2 - 油脂火災防止用ガス検知器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天ぷら油等の油脂の過熱による火災を防止するための油脂火災防止用ガス検知器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、天ぷら油等の油脂火災を検知する手段として、煙探知式や熱検知式の火災警報機が使用されている。このうち、煙検知式のものは、火災発生時の炎から生じる煙の光減衰作用を利用するものであるため、通常の調理時に発生する焼き魚などからの煙に対しても感度を有し、誤報が多い不利がある。一方、熱検知式のものでは、誤報可能性は低くなるものの、火災が進行した状況での温度上昇を検知するため、火災の発生を未然に防ぐ手段にはなり得なかった。
【0003】
一方で、火災の初期に発生する薫焼ガスを検知することによる火災検知器について、種々の技術が提案されている。一般火災の検知としては、下記の特許公報に、焦げ臭とアルコール臭に対する感度の相対比が異なる2つのセンサを用いた火災検知器の技術が開示され、センサ検知部について、脂肪族アルコールに応答しやすいセンサと、芳香族アルコールとアルデヒドを含む芳香族に応答しやすいセンサとを使用し、アセテート、木材、ガラスエポキシ樹脂、化粧合板などの加熱時の発生ガスを検知できることが記載されている(特許文献1参照)。
また、天ぷら油等の油脂火災の検知については、下記の特許公開公報に、焼き魚などからの煙による誤報を防止するために、従来の煙検知手段にガス検知手段を組み合せた排煙フードに関する技術が開示され、さらに、食用油脂を加熱する場合に大量のアセトアルデヒドが発生する点が記載されている(特許文献2参照)。また、別の特許公開公報に、たばこの喫煙時や食用油脂の加熱時に発生するアセトアルデヒドを検知するため、特にアセトアルデヒドとホルムアルデヒドに対して高感度を示す検知部の材料技術が開示されている(特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2890205号公報(第1−3頁、図1−図7)
【特許文献2】
特開平4−155132号公報(第2−4頁、図1−図7)
【特許文献3】
特開平8−170955号公報(第2−4頁、図1−図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発明者らが、種々の食用油脂の加熱時の発生ガスを分析した結果、食用油等の油脂の加熱時に発生する熱分解ガスの主成分は、油脂の種類によらず、炭素数2〜8のアルカン(炭素数5のペンタン、炭素数7のヘプタン、炭素数8のオクタンなど)、及び、炭素数3〜9のアルデヒド(炭素数3のプロピオンアルデヒド、炭素数4のブチルアルデヒド、炭素数5のペンタナール、炭素数6のヘキサナール、炭素数7のヘプテナールなど)からなるガス群であることが判明したが、これらのガス種に対する検知特性の点から、従来技術の油脂火災に対する適用性を検討してみると、以下の問題点があることが判明した。
【0006】
先ず、特許第2890205号に示されるガス種に対するセンサの組み合わせ、すなわち、脂肪族アルコールに応答しやすいセンサに、芳香族アルコールやアルデヒドを含む芳香族に応答しやすいセンサを組み合わせたものでは、天ぷら油等の油脂火災には対応できない。
また、特開平4−155132号公報に示される技術においても、油脂の加熱時に発生するガス検知についての信頼性が乏しく、焼き魚と同時に料理用酒を用いた調理がなされてアルコールが発生する状況では、誤検知の可能性があり、また、特開平8−170955号公報に示されるような低級のアルデヒド(アセトアルデヒド)を検知する技術では、リノレン酸含有率の低い、例えばオレイン酸リッチベニ花油のような食用油脂を使用したときには、ほとんど低級のアルデヒドは発生しないため、この種の油脂を使用した場合の火災については十分な感度が得られにくい。
【0007】
一方、上記炭素数2〜8のアルカン及び炭素数3〜9のアルデヒドからなるガス群中の特定のガス種に対して特異的な高感度を有したり、あるいは、これらのガス群のみに特異的な高感度を有する簡易なガス検出素子は存在しない。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、可燃性ガスに対する感度特性の異なるガス検出素子の組合せにより、油脂の種類によらず、油脂火災を発生前に信頼性高く検知することが可能な油脂火災防止用ガス検知器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンからなるガス群のうちの少なくとも1つのガス成分に対する主感度と、前記ガス群以外の可燃性ガスに対する副感度との感度比が異なる2つのガス検出素子を備え、前記主感度と前記副感度の比において前記2つのガス検出素子のうち、前記比が相対的に大なる主ガス検出素子と、前記比が相対的に小なる副ガス検出素子の出力において、所定の設定時間における、前記副ガス検出素子の出力の変化量に対する前記主ガス検出素子の出力の変化量の比が設定値を超えているときに、油脂が過熱状態にあることを判定する判定手段を備えている点にある。
【0010】
同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンからなるガス群のうちの少なくとも1つのガス成分に対する主感度と、前記ガス群以外の可燃性ガスに対する副感度との感度比が異なる2つのガス検出素子を備え、前記主感度と前記副感度の比において前記2つのガス検出素子のうち、前記比が相対的に大なる主ガス検出素子と、前記比が相対的に小なる副ガス検出素子の出力において、前記副ガス検出素子の出力に対する前記主ガス検出素子の出力の比が設定値を超えているときに、油脂が過熱状態にあることを判定する判定手段を備えている点にある。
【0011】
同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第一又は第二の特徴構成に加えて、前記判定手段は、前記副ガス検出素子の出力の変化量に対する前記主ガス検出素子の出力の変化量の比又は前記副ガス検出素子の出力に対する前記主ガス検出素子の出力の比が前記設定値を超えているのに加え、前記主ガス検出素子もしくは前記副ガス検出素子の出力のいずれかが設定値を超えているときに、前記油脂が過熱状態にあることを判定するように構成されている点にある。
【0012】
同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、上記第一から第三のいずれかの特徴構成に加えて、前記判定手段が、前記2つのガス検出素子のうち少なくとも一方の出力が判定開始用の設定値を超えて変化した後、前記油脂が過熱状態にあるか否かの判定を行うように構成されている点にある。
【0013】
同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した如く、上記第一から第四のいずれかの特徴構成に加えて、前記ガス群以外の可燃性ガスが、エタノール及びメタンのいずれか、もしくはこれらの混合ガスである点にある。
【0014】
同第六の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した如く、上記第一から第五のいずれかの特徴構成に加えて、前記主ガス検出素子は、タングステン酸化物が感ガス体の内部、もしくは、感ガス体に接して形成された触媒層の内部のいずれかに含有された構成であることを特徴とする点にある。
【0015】
同第七の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した如く、上記第一から第六のいずれかの特徴構成に加えて、前記副ガス検出素子は、酸化錫を主成分とする感ガス体で構成されていることを特徴とする点にある。
【0016】
以下に作用並びに効果を説明する。
本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器の第一の特徴構成によれば、炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンからなるガス群のうちの少なくとも1つのガス成分に対する主感度と、前記ガス群以外の可燃性ガスに対する副感度との感度比が異なる2つのガス検出素子のうち、前記主感度と前記副感度の比が相対的に大なる主ガス検出素子と、前記比が相対的に小なる副ガス検出素子が検出作動し、判定手段が、所定の設定時間における、前記副ガス検出素子の出力の変化量に対する前記主ガス検出素子の出力の変化量の比が設定値を超えているときに、油脂が過熱状態にあることを判定する。
【0017】
すなわち、あるガスの濃度の増加に伴う、上記主ガス検出素子の出力変化量と副ガス検出素子の出力変化量との比(分母を副ガス検出素子の出力変化量とする)については、上記炭素数のアルデヒド及びアルカンからなるガス群のガス濃度が増加する場合の値は、上記ガス群以外の可燃性ガスのガス濃度が増加する場合の値よりも高い値をとる。そのため、所定の設定時間における、上記主ガス検出素子の出力変化量と副ガス検出素子の出力変化量との比について、上記ガス群のガス濃度が増加する場合の値と上記ガス群以外のガス濃度が増加する場合の値との間に設定値を設ければ、この設定値を超えるか否かの判定により、上記ガス群と上記ガス群以外の可燃性ガスとの識別が可能となる。
すなわち、上記ガス群のガス濃度が増加する環境下では、所定の設定時間における、上記主ガス検出素子の出力の変化量と副ガス検出素子の出力の変化量との比(分母を副ガス検出素子の出力変化量とする)が前記設定値を超えるため、油脂が過熱状態にあることを判定することができる。
さらに、上記ガス群以外の可燃性ガスが定常的に存在する状態においても、上記ガス群のガス濃度が増加している場合の、上記主ガス検出素子の出力変化量と副ガス検出素子の出力変化量の比は、上記ガス群以外の可燃性ガスが存在しない場合とほぼ同等の値をとるため、上記ガス群以外の可燃性ガスが定常的に存在する状態においても油脂が過熱状態にあることを判定することができる。
【0018】
ところで、調理において、天ぷら油等の食用油脂を加熱すると同時に、例えば調理用酒を使用していると、上記炭素数のアルデヒド及びアルカンからなる油脂の熱分解ガスと共に、加熱された調理用酒からエタノール等の可燃性ガスが発生するが、上述のように感度比が異なる2つのガス検出素子の両出力の所定の設定時間における変化量の比によって、油脂の熱分解ガスをアルコールと区別して検出することが可能となる。
さらに、上記のように、天ぷら油等の加熱に伴う熱分解ガスと、エタノール等の可燃性ガス蒸気との識別が可能となる一方、天ぷら油等の過熱状態と、通常の油炒め時とを識別することも可能となる。すなわち、天ぷら油加熱時と油炒め時に発生するガス種はほぼ同一であるが、油炒め時は熱分解ガスの発生濃度の経時変化が大きい半面、急激に減少する場合があり、ガス濃度の増加が所定時間以上継続しないため、副ガス検出素子の出力の変化量に対する主ガス検出素子の出力の変化量の比を求める際の所定の設定時間を適切に設定することにより、天ぷら油等の過熱状態と通常の油炒め時とが識別できる。
【0019】
なお、上記所定の設定時間における副ガス検出素子の出力の変化量に対する主ガス検出素子の出力の変化量の比が設定値を超えていることの判定については、その出力変化量の比が設定値を超えると直ちにその判定を行うようにする以外に、上記出力変化量の比が設定値を超える状態が所定時間継続することを条件として判定を行うようにしてもよい。これは、前述の油の過熱状態と同一成分ガスが発生する油炒めのような調理とを識別する場合の確度を向上させるためのものである。具体的には、副ガス検出素子の出力の変化量に対する主ガス検出素子の出力の変化量の比を求める際の所定の設定時間を短く設定するとともに、その出力変化量の比が設定値を超える状態が所定時間継続するかどうかで判定する。すなわち、前述のように、油炒め時に発生する急激な熱分解ガス濃度の上昇を検出し難くするためには、上記出力変化量の比を求める際の所定の設定時間を長く設定する必要があったのに対して、上記構成のように、より短い設定時間での出力変化量の比を求め、その出力変化量の比が設定値を超えた状態が所定時間継続したときに、出力変化量の比が設定値を超えていると判定することで、よりきめ細やかで、かつ早期に油の過熱状態を検知することが可能となる。
【0020】
従って、油脂が単独で加熱されたときに発生する熱分解ガス成分を検出して、油脂の過熱状態を的確に検知することができる一方、油脂の熱分解ガス成分以外の可燃性ガス、例えば調理用酒の加熱等によって発生するアルコール等によって、油脂の過熱状態を誤って検知することが回避され、油脂の熱分解ガスに対する検出選択性を確保することができる。
また、油脂が加熱されるときに発生するガスを検知して過熱状態を判定するので、油脂火災が発生する前の時点で適切な火災検知を行うことができる。
よって、可燃性ガスに対する感度特性の異なるガス検出素子の組合せにより、油脂の種類によらず、油脂火災を発生前に信頼性高く検知することが可能な油脂火災防止用ガス検知器が提供される。
特に、油脂の熱分解ガス成分と共に上記アルコール等の妨害ガスが定常的に存在する環境下においても、油脂の過熱状態を的確に検知できる油脂火災防止用ガス検知器が提供される。
【0021】
同第二の特徴構成によれば、炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンからなるガス群のうちの少なくとも1つのガス成分に対する主感度と、前記ガス群以外の可燃性ガスに対する副感度との感度比が異なる2つのガス検出素子のうち、前記主感度と前記副感度の比が相対的に大なる主ガス検出素子と、前記比が相対的に小なる副ガス検出素子が検出作動し、判定手段が、前記副ガス検出素子の出力の変化量に対する前記主ガス検出素子の出力の変化量の比が設定値を超えているときに、油脂が過熱状態にあることを判定する。
【0022】
すなわち、上記主ガス検出素子の出力と副ガス検出素子の出力との比(分母を副ガス検出素子の出力とする)については、上記炭素数のアルデヒド及びアルカンからなるガス群が存在した場合の値は、上記ガス群以外の可燃性ガスが存在した場合の値よりも高い値をとる。また、この傾向はガスの濃度が増加したときも同様である。そのため、上記主ガス検出素子の出力と副ガス検出素子の出力との比について、上記ガス群が存在する場合の値と上記ガス群以外のガスが存在する場合の値との間に設定値を設ければ、この設定値を超えるか否かの判定により、上記ガス群と上記ガス群以外の可燃性ガスとの識別が可能となる。
【0023】
ところで、調理において、例えば調理用酒を使用していると、加熱された調理用酒からエタノール等の可燃性ガスが発生するが、上述のように感度比が異なる2つのガス検出素子の両出力の比によって、油脂の熱分解ガスではないことを的確に検出することが可能となる。
従って、油脂が単独で加熱されたときに発生する熱分解ガス成分を検出して、油脂の過熱状態を的確に検知することができる一方、油脂の熱分解ガス成分以外の可燃性ガス、例えば調理用酒の加熱等によって発生するアルコール等によって、油脂の過熱状態を誤って検知することが回避され、油脂の熱分解ガスに対する検出選択性を確保することができる。
また、油脂が加熱されるときに発生するガスを検知して過熱状態を判定するので、油脂火災が発生する前の時点で適切な火災検知を行うことができる。
よって、可燃性ガスに対する感度特性の異なるガス検出素子の組合せにより、油脂の種類によらず、油脂火災を発生前に信頼性高く検知することが可能な油脂火災防止用ガス検知器が提供される。
【0024】
同第三の特徴構成によれば、第一の特徴構成において、前記判定手段は、前記副ガス検出素子の出力の変化量に対する前記主ガス検出素子の出力の変化量の比が前記設定値を超え、かつ、前記主ガス検出素子もしくは前記副ガス検出素子の出力のいずれかが設定値を超えているときに、前記油脂が過熱状態にあることを判定し、第二の特徴構成において、前記判定手段は、前記副ガス検出素子の出力に対する前記主ガス検出素子の出力の比が前記設定値を超え、かつ、前記主ガス検出素子もしくは前記副ガス検出素子の出力のいずれかが設定値を超えているときに、前記油脂が過熱状態にあることを判定する。すなわち、第一の特徴構成又は第二の特徴構成のように両ガス検出素子の出力変化量の比又は出力の比だけを判断の対象として油脂の過熱状態を判定する場合には、過熱状態の程度を的確に判定することが難しいが、上記両ガス検出素子の出力変化量の比又は出力の比に加えて、主ガス検出素子もしくは副ガス検出素子の出力も判断の対象とすることにより、過熱状態の程度を判定することが可能となる。
【0025】
例えば、1つの形態として、両ガス検出素子の出力変化量の比又は出力の比が設定値を超えたときに油脂の過熱状態を一次判定して予備警報を発し、次に、過熱が進んで主ガス検出素子もしくは副ガス検出素子の出力が設定値を超えたときに過熱状態を二次判定して本警報を発するような形態が可能である。あるいは、別の形態として、主ガス検出素子もしくは副ガス検出素子の出力に対する上記設定値を小さめに設定して、主ガス検出素子もしくは副ガス検出素子の出力が小さい段階から油脂の過熱状態を判定できるようにしたり、逆に主ガス検出素子もしくは副ガス検出素子の出力に対する上記設定値を大きめに設定して、主ガス検出素子もしくは副ガス検出素子の出力が大きくなった段階で初めて過熱状態を判定するような形態が可能となる。
従って、油脂の過熱状態の程度を適切に検知することができ、過熱の程度に応じて警報を発して使用者に火災の危険の程度を認識させることが可能となる油脂火災防止用ガス検知器の好適な実施形態が得られる。
【0026】
同第四の特徴構成によれば、前記2つのガス検出素子のうち少なくとも一方の出力が判定開始用の設定値を超えて変化した後、判定手段が、油脂が過熱状態にあるか否かの判定を行う。
すなわち、油脂が加熱されて各ガス検出素子の出力が変化しても、熱分解ガスの発生量が少ないために、少なくとも一方のガス検出素子の出力が判定開始用の設定値を超えない場合は油脂の過熱についての判定は行わず、油脂の加熱が継続されて熱分解ガスの発生量が多くなり、上記一方のガス検出素子の出力が設定値を超えた後、油脂の過熱についての判定を行う。
従って、油脂が過熱状態になく、熱分解ガスの発生量が少ないときに、両ガス検出素子の出力の設定時間における変化量の比や出力の比が油脂過熱判定用の設定範囲内の値となった場合でも、油脂の過熱状態を誤検知する不都合を的確に回避することができ、油脂火災防止用ガス検知器の好適な実施形態が得られる。
【0027】
同第五の特徴構成によれば、判定手段が、エタノール及びメタンのいずれか、もしくはエタノールとメタンの混合ガスを前記ガス群以外の可燃性ガスとして、前記副感度を求める。
すなわち、エタノールは調理用酒が加熱されたときに発生するガス成分であり、メタンは都市ガスのガス成分であり、これらのガスが油脂の加熱時に発生するガス群に対する感度(主感度)の感度基準(副感度)の対象ガスとなる。
従って、前記ガス群以外の可燃性ガスとして、エタノールを選定することで、調理酒の加熱時に発生するアルコールによる油脂火災の誤検知を排除することができ、メタンを選定することで、都市ガスの漏れによる油脂火災の誤検知を排除することができ、エタノールとメタンの混合ガスを選定することで、調理酒の加熱時に発生するアルコール及び都市ガスの漏れによる油脂火災の誤検知を排除することができ、油脂火災防止用ガス検知器の好適な実施形態が得られる。
【0028】
同第六の特徴構成によれば、前記主ガス検出素子は、タングステン酸化物が感ガス体の内部、もしくは、感ガス体に接して形成された触媒層の内部のいずれかに含有されることを特徴とし、この構成の主ガス検出素子は、アルコールに比較して炭素数6〜9のアルデヒドに対して特に高感度な特性をもたせることができるため、センサ出力の比において、アルコールに比べて食用油脂の熱分解ガス成分に対し大きな感度を得ることができる。
従って、主ガス検出素子を実現するための好適な具体構成を備えた油脂火災防止用ガス検知器の実施形態が得られる。
【0029】
同第七の特徴構成によれば、前記副ガス検出素子は、酸化錫を主成分とする感ガス体で構成されていることを特徴とし、この構成の副ガス検出素子は、炭素数6〜9のアルデヒドに比較して、アルコールに対して特に高感度な特性であるため、これらのガスに対するセンサ出力の比において、食用油脂の熱分解ガス成分とアルコール等の調理酒由来成分との間に明確な差を得ることができる。
従って、副ガス検出素子を実現するための好適な具体構成を備えた油脂火災防止用ガス検知器の実施形態が得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0031】
〔第1実施形態〕
先ず、本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器(以下、ガスセンサという)1の基本構成について説明する。図1(イ)に示すように、本発明に係るガスセンサ1には、基盤10に支持されるとともにハウジング8で囲われ、異なる検出特性を有する半導体式の2つのガス検出素子3A,3Bが備えられている。図中、9はハウジング8の上部側のガス取入口に設けた防塵用の金網9である。
【0032】
上記2つのガス検出素子3A,3Bは、炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンのうちの少なくとも1つのガス成分に対する主感度と、前記ガス群以外の可燃性ガスに対する副感度との感度比が異なっている。すなわち、前記主感度と前記副感度の比において前記2つのガス検出素子のうち、前記比が相対的に大なる主ガス検出素子と、前記比が相対的に小なる副ガス検出素子を備えている。具体的には、主感度が副感度よりも大きい主ガス検出素子3Aと、主感度が副感度と同等である副ガス検出素子3Bとからなる。特に、アルデヒドではペンタン(炭素数5)、アルカンではヘキサナール(炭素数6)などが食用油脂の熱分解ガスの主要成分であるので、上記主ガス検出素子3Aは、これらに対して顕著な感度(主感度)を有することが望ましい。
【0033】
図4に、2種の食用油脂(通常のサラダ油とオレイン酸リッチベニハナ油)の250℃における熱分解ガスの組成の一例を示している。尚、図中、ガス濃度の単位は任意単位である。図より、アセトアルデヒド(炭素数2)は食用油脂の種類によって約2倍(濃度比0.56)の濃度の差異があるのに対して、ヘキサナール(炭素数6)では油脂の種類による濃度の差異は小さく、また、炭素数3〜9のアルデヒドの総和においても濃度の差異が小さい。一方、アルカンについては、食用油脂の種類によらずメタン(炭素数2)の発生濃度は低く、また、食用油脂の種類によって、ペンタン(炭素数5)では濃度比で0.7倍程度、炭素数2〜8のアルカンの総和においても濃度比で1.3倍程度の変化しかない。
以上のことから、炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンが、食用油脂の熱分解ガスについての検知対象として適していることが分かる。
【0034】
前記各ガス検出素子3A,3Bは、具体的には、アルミナ製の基板4上に、酸化物半導体を主成分とする感ガス層5,7を備えた構造からなる。基板4の下面には加熱用のヒータ6が付設されている。各ガス検出素子3A,3Bからは、ヒータ6の通電用、及び、感ガス層5,7の両端に形成した各一対の信号電極5c,7aからの信号取出し用として、計4本のリード線が取出され、これらは基盤10の底面から取出されたリードピンと接続されている。そして、図2に示すように、上記各ガス検出素子3A,3Bは前記リード線によって、マイコン等からなる制御部2に接続されている。尚、感ガス層5,7は検出作動時に400〜550℃の温度範囲に加熱される。
【0035】
前記主ガス検出素子3Aは、タングステン酸化物が感ガス体に接して形成された触媒層の内部に含有された構成である。具体的には、主ガス検出素子3Aの感ガス層5は、図1(ロ)に示すように、酸化インジウム薄膜5a(n型半導体膜)をガス感応膜とし、さらにこの酸化インジウム薄膜5aの上に接触し被覆するように、W、Moなどの金属をAlに担持したW/Alよりなる触媒層5bを形成している。この構造において、酸化インジウム薄膜5aが感ガス体に対応し、触媒層5bが感ガス体に接して形成された触媒層に対応する。
【0036】
一方、副ガス検出素子3Bは、酸化錫を主成分とする感ガス体で構成されている。具体的には、前記感ガス層7が感ガス体に対応し、副ガス検出素子3Bの感ガス層7は、図1(ハ)に示すように、酸化スズ薄膜(n型半導体膜)の表面にMgOを添加し、塩基性に表面改質を行った素子構造である。
【0037】
次に、各ガス検出素子3A,3Bの出力を検出する回路を図3に示す。図3において、Rsは各ガス検出素子3A,3Bの感ガス部5,7の抵抗であり、この感ガス部5,7の抵抗Rsに直列に固定抵抗Roを接続し、この感ガス部5,7の抵抗Rsと固定抵抗Roの直列配置に対して電圧Vtを印加したときの固定抵抗Roの両端電圧Voを測定する。そして、油脂の熱分解ガスが存在しない清浄な空気だけの状態(エアレベル)での上記電圧Voを基準として、このエアレベル電圧からの電圧Voの増分をセンサの出力として取出している。尚、上記固定抵抗Roの抵抗値は、検知対象の油脂を所定温度に保持したときの感ガス部5,7の抵抗値Rsとほぼ同等の値に選定する。具体的には、主ガス検出素子3Aと、副ガス検出素子3Bの夫々について、食用油脂が300℃を超えて加熱されている状態で測定される各抵抗値Rsと同等の抵抗値を選定する。尚、このように選定することで、後述のように、主ガス検出素子3Aの出力を縦軸に、副ガス検出素子3Bの出力を横軸にしたグラフにおいて、食用油脂の加熱とともに、観測点が原点から直線的な軌跡をたどって移動する状態が得られる。
【0038】
次に、本ガスセンサ1による計測について説明する。
先ず、主感度の計測は、図5に示す表1の濃度比率で混合されたガスについて行う。表1において、各ガス種の比率は、ペンタンの濃度を基準(値1)として表記している。具体的には、上記混合ガスは、常温時に気体のエタンを除いて、蒸発時に上記表記の含有率になるよう各ガス種の液体を秤量し(総重量1.8mg)、内容積30Lのチャンバー内に設置したホットプレート上で蒸発させ、総濃度3000ppmの混合ガスを発生させた。エタンについては、シリンジにより、一定容積(16cc)を注入した。
また、上記と同様に、副感度の計測のために、前記ガス群以外の可燃性ガスとして、エタノールを秤量し(総重量0.18g)、チャンバー内に設置したホットプレート上で蒸発させて、総濃度3000ppmのガスを発生させた。
【0039】
図6の表2に、主ガス検出素子3Aと副ガス検出素子3Bについて、上記表1の混合ガス及びエタノール(同一のガス濃度3000ppm)を検出させたときの出力値を示す。表2より、主ガス検出素子3Aでは、主感度(表1の混合ガスに対する出力値)が副感度(エタノールに対する出力値)よりも大きく(出力比で5.12)、副ガス検出素子3Bでは、主感度が副感度と同等(出力比で0.99)であり、両ガス検出素子3A,3Bの上記各ガス検出に対する感度特性が顕著に異なることが分かる。
【0040】
尚、上記両ガス検出素子3A,3Bの主感度を測定するとき、表1に含まれるガス種のうち、明らかに感度が低いガス種が分かっている場合には、表1に含まれるガス種のうちその感度が低いガス種を除いた一部のガス種を検出対象としてもよい。ただし、食用油脂の種類によらず、熱分解ガスとして主要成分を占めるペンタンとヘキサナールについては、少なくとも、これらの単独のガスか、あるいは、これらの混合ガスに対する感度を測定する必要がある。
【0041】
そして、図2に示すように、前記制御部2内に、前記主ガス検出素子と前記副ガス検出素子の出力において、所定の設定時間における、前記副ガス検出素子の出力の変化量に対する前記主ガス検出素子の出力の変化量の比が設定値を超えているときに、油脂が過熱状態にあることを判定する判定手段101を備えている。
尚、判定手段101は、前記2つのガス検出素子3A,3Bのうち少なくとも一方の出力が判定開始用の設定値を超えて変化した後、前記油脂が過熱状態にあるか否かの判定を行うように構成されている。具体的には、主ガス検出素子3Aの出力が判定開始用の設定値を超えて変化した後、前記油脂が過熱状態にあるか否かの判定を行う。
【0042】
次に、上記判定手段101による油脂の過熱判定について説明する。
図示しない二口コンロの上方1.5mの位置にガスセンサ1を設置して、コンロ上では天ぷら用鍋により、食用油脂であるサラダ油だけを加熱したとき、及び、サラダ油と調理用酒とを同時に加熱しときに得られる前記主ガス検出素子3Aの出力(V2)を縦軸に、副ガス検出素子3Bの出力(V1)を横軸にとったグラフを図7に示す。図より、調理用酒の同時加熱によりエタノールが定常的に存在する環境下の検出パターンは、サラダ油だけを加熱したときの検出パターンを横軸方向に平行移動させたパターンになり、グラフの傾きは同じであることが分かる。
【0043】
そこで、判定開始用の設定値を1.0Vとして、主ガス検出素子3Aの出力(V2)が設定値1.0Vになったときの副ガス検出素子3Bの出力(V1)を測定するとともに、主ガス検出素子3Aの出力(V2)が設定値1.0Vを超えた時点から、設定時間である4分が経過した後に、両ガス検出素子3A,3Bの出力(V1,V2)を測定する。そして、その測定結果に基づいて、副ガス検出素子3Bの出力(V2)の設定時間における変化量ΔV2に対する主ガス検出素子3Aの出力(V1)の設定時間における変化量ΔV1の比β=ΔV2/ΔV1が設定値0.8を超えているときに、油脂が過熱状態にあると判定する。尚、上記設定値0.8は、食用油脂の加熱温度(例えば天ぷら油の温度)が250℃付近にあるときに計測される上記変化量の比β=ΔV2/ΔV1の値よりも所定値だけ小さい値を設定する。
上記のように判定することで、エタノールのような油脂分解ガスの検出に妨害となる可燃性ガスが定常的に存在する環境下においても、食用油脂の過熱状態を的確に検知でき、誤報の可能性を低減させることができた。
【0044】
図2に示すように、前記判定手段101にて油脂の過熱状態が判定されたときに警報作動する警報手段11を備え、その警報手段11が作動可能又は作動不能のいずれかの状態に変更設定自在に構成されている。具体的には、警報手段11は制御部2に接続された警報音発生用のブザーや、音声で警報するスピーカー、あるいは光の点滅等を表示するランプで構成される。そして、制御部2に接続した手動スイッチ12をオン又はオフに切り替えることで、警報手段11を作動可能状態と作動不能状態とに変更設定できるようになっている。
【0045】
本ガスセンサ1の設置場所としては、油脂からの熱分解ガスが発生する種々の場所が可能であるが、例えば台所においては、油脂が過熱して発生した熱分解ガスは換気扇で集められて外部に排気されるので、換気扇のフード内、又は、排気通路内などが本ガスセンサ1の設置場所として好適である。
【0046】
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器の第2実施形態について説明するが、この第2実施形態では、前記判定手段101の具体構成が異なる。以下、相違点について説明する。
すなわち、前記判定手段101が、前記主ガス検出素子と前記副ガス検出素子の出力において、前記副ガス検出素子の出力に対する前記主ガス検出素子の出力の比が設定値を超えているときに、油脂が過熱状態にあることを判定する。
【0047】
次に、上記判定手段101による油脂の過熱判定について説明する。
図示しないコンロの上方1.5mの位置に前記ガスセンサ1を設置して、コンロ上では天ぷら用鍋により、食用油脂であるサラダ油を異なる温度で加熱したとき、及び、調理用酒を量を徐々に増加させて加熱したときに得られる前記主ガス検出素子3Aの出力(V2)を縦軸に、副ガス検出素子3Bの出力(V1)を横軸にとったグラフを図8に示す。図より、サラダ油を加熱したときのグラフの傾きの方が、調理用酒の加熱時のグラフの傾きよりも大きいことが分かる。そこで、主ガス検出素子3Aの出力(V2)が判定開始用の設定値1.3V(油温250℃に相当)を超えた時点で油脂過熱の判定モードに入り、主ガス検出素子3Aの出力(V2)と副ガス検出素子3Bの出力(V1)の比α=V2/V1が設定値0.9を超えている場合に、油脂が過熱状態にあると判定する。尚、この設定値0.9は、食用油脂の加熱温度(例えば天ぷら油の温度)が250℃付近にあるときに計測される上記出力比α=V2/V1の値よりも所定値だけ小さい値を設定する。
【0048】
上記のような判定により、食用油脂の加熱温度(例えば天ぷら油の温度)が250℃を超えた場合に判定モードに入り、最終的に警報手段11で警報を発することができた。一方、調理用酒の加熱時には、発生するアルコールの蒸発量を増加させると、判定モードには入るが、上記出力比(α=V2/V1)が設定値0.9を超えないため、油脂加熱時の発生ガスとは無関係のアルコールの検知による警報(誤報)が発生することはなかった。
【0049】
〔第3実施形態〕
次に、本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、前記主ガス検出素子3A及び副ガス検出素子3Bの具体構成が異なる。また、前記判定手段101についても一部構成が異なる。以下、相違点について説明する。
【0050】
先ず、主ガス検出素子3Aは、タングステン酸化物が感ガス体の内部に含有された構成である。即ち、図10に示すように、基板4上に形成した単層の感ガス層13の材料を、タングステン酸化物を主成分として、Pt,Pd,Rh,Ruより選ばれる少なくとも1種以上の貴金属を含有する構造とすることができる。感ガス層13の両端には信号電極13aが形成されている。この構造において、感ガス層13が感ガス体に対応する。具体的には、RuをW(タングステン)に対して、2.1at%の比で混合した材料よりなる素子を使用している。
一方、副ガス検出素子3Bは、前記酸化スズ薄膜を主成分とした感ガス層7(図1(ハ)参照)の中に、Ba,Ca,Mgなどの添加物を含有させるか、もしくは、酸化活性を高めるためにPt,Pdを添加した構造としている。具体的には、Pdをスズ(Sn)に対して、3.3at%の比率で添加した素子を使用している。
【0051】
各ガス検出素子3A,3Bの出力は、各感ガス層7,13のガス中での抵抗値Rs、エアレベル状態での基準値Rsoから、V=−Log(Rs/Rso)なる式で電圧出力(V)できるように検出回路を構成した(図3参照)。図11の表3に、表1中のガス成分であるヘキサナール(10ppm)及びエタノール(10ppm)に対する各ガス検出素子3A,3Bの出力を示している。表3より、主ガス検出素子3Aでは、主感度(ヘキサナールに対する出力)が副感度(エタノールに対する出力)よりも大きく、副ガス検出素子3Bでは、副感度(エタノールに対する出力)が主感度(ヘキサナールに対する出力)よりも大きいことが分かる。
【0052】
そして、前記判定手段101が、上記各ガス検出素子3A,3Bの出力を30秒おきに計測し、各30秒間における副ガス検出素子3Bの出力変化幅ΔV1に対する主ガス検出素子3Aの出力変化幅ΔV2の比率β=ΔV2/ΔV1を求めるように構成した。従って、この場合には、各ガス検出素子3A,3Bの出力変化幅を計測する30秒間が、所定の設定時間に対応する。
【0053】
上記のように構成したガスセンサ1を、ガスコンロにおける加熱箇所の直上83cmの地点に設置し、コンロにかけた鍋において、サラダ油(天ぷら油)の過熱時(208℃〜243℃)と、麻婆豆腐煮込み時(このとき、調理酒を使用)での前記比率β=ΔV2/ΔV1の経時的な変化を図12に示す。この図12から明らかなように、調理酒を使用した麻婆豆腐煮込み時と、サラダ油の過熱状態とを、設定値を例えば2.3に設定したときのβ=ΔV2/ΔV1の値により、明確に識別することが可能となる。
【0054】
上記β=ΔV2/ΔV1による判定では、出力変化幅を計測する時間幅(上の例では30秒)が短くなるに従い、食用油脂を用いた正常な調理の実施中に、油脂の過熱状態でなくてもβの値が大きくなることがある。これは、調理により食用油脂の過熱状態時と同一の熱分解ガス群が発生していることや、熱分解ガスの濃度が低くて、油温が低い状況では、上昇気流が強くないために、周囲外気との気流の影響が大きくなり、副ガス検出素子3Bの出力が一時的に小さくなってβの値が大きくなることに起因する。これを回避するための1つの手段として、βの値が設定値を超えた状態がどれくらい継続するかで判定する。
【0055】
例えば、図13に、食用油脂に関する調理として、メンチカツを適温(170℃〜180℃)で揚げているとき、厚揚げを炒めているとき、天ぷら鍋におけるサラダ油の過熱時(208℃〜243℃)に前記判定手段101により計測されるβの値が特異的に高くなった場合の事例を示している。図13から明らかなように、βの値は食用油の加熱を行う調理により増加しうるが、メンチカツを適温(170℃〜180℃)で揚げているときや、厚揚げを炒めているときでは、ある設定値を超える状態は継続しないことが分かる。すなわち、βの値が設定値2.3を超え、かつ、その状態が、例えば2分間継続した場合に警報を発するように判定手段101を構成すれば、正常な調理時における誤報を回避し、食用油が220℃程度に加熱された時点で警報を発することが可能となる。
【0056】
また、食用油脂の熱分解ガスによる誤報を抑制する他の手段としては、主ガス検出素子3Aもしくは副ガス検出素子3Bの出力が判定開始用の設定値s1を超えて変化したことを条件としてβの値の計測を開始するようにすることが有効である。このようにすることで、天ぷら油加熱時に正常な温度域で調理を行っているときの誤報をなくすことができる。図14に、図13で示した調理を実施しているときの主ガス検出素子3Aの出力V2の変化を示している。図14より、主ガス検出素子3Aの出力V2が例えば設定値s1=0.6を超えたことを条件として、上記βの判定を行えば、油脂の過熱状態のみを正確に判定することが可能となる。
【0057】
図15は、サラダ油(天ぷら油)の過熱状態(208℃〜243℃)と、麻婆豆腐を煮込んでいるとき(このとき、調理酒を使用)、および、厚揚げを炒めているときについて、副ガス検出素子3Bの出力に対する主ガス検出素子3Aの出力の比(V2/V1)の経時変化を示している。図15から分かるように、(V1/V2)の値が設定値(例えば、2.3)を超えるか否かで、サラダ油の過熱状態と、正常調理時(麻婆豆腐煮込み時、厚揚げ炒め時)との識別が可能であることが分かる。また、この手法を主ガス検出素子3Aの出力値が判定開始用の設定値s1(例えば0.6)を超えて変化した場合に開始するようにすれば、正常調理時の誤報可能性をより低減することができる。
このように信頼性の高い領域でのみ、β値による判定、V2/V1による判定の開始を行うための上記判定開始用の設定値s1としては、油の温度が200〜240℃相当の主ガス検出素子3Aもしくは副ガス検出素子3Bの出力の出力に設定することが望ましい。
【0058】
本発明のガス検知器は、油脂の過熱状態を識別するものであるが、その場合に過熱状態の程度を識別し、その過熱状態の程度に応じて、例えばブザー音やメロディを変えた異なる警報を発するように構成してもよい。即ち、前記判定手段101は、副ガス検出素子3Bの出力の変化量ΔV1に対する主ガス検出素子3Aの出力の変化量ΔV2の比β(ΔV2/ΔV1)、又は副ガス検出素子3Bの出力V1に対する主ガス検出素子3Aの出力V2の比(V2/V1)が前記設定値(これを一次判定用の設定値とする。図14、図15に示す例では、β及びV2/V1に対して、共に2.3である)を超えているのに加え、主ガス検出素子3Aもしくは副ガス検出素子3Bの出力のいずれかが設定値s2(これを二次判定用の設定値とする。)を超えているときに、油脂が過熱状態にあることを判定することができる。
【0059】
上記二次判定用の設定値s2としては、例えば、前記判定開始用の設定値s1(図14参照、0.6)よりも大なる値、具体的には過熱状態の検知対象となる油について、油の温度が240〜300℃の範囲内のある温度相当の主ガス検出素子3Aもしくは副ガス検出素子3Bの出力の出力に設定することが望ましい。そして、βもしくはV2/V1が前記一次判定用の設定値(2.3)を超えたときに、先ず一次過熱判定の警報(例えば、軽いブザー音)を出力し、さらに、主ガス検出素子3A又は副ガス検出素子3Bの出力が前記二次判定用の設定値s2を超えたときに、二次過熱判定の警報(例えば、激しいブザー音)を出力する。このようにすることで、過熱の度合いを推定し、使用者に対して危険の度合いを認識させることが可能となる。なお、上記設定値s2は、1個でもよいが、危険度に応じた複数種の警報を出力可能なように、複数個設定してもよい。
【0060】
〔別実施形態〕
以下に別実施形態を説明する。
上記実施形態では、炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンからなるガス群以外の可燃性ガスをエタノールにして、調理用酒の加熱時に発生するアルコールによる誤報を排除する場合について説明したが、上記ガス群以外の可燃性ガスがエタノールではなくメタンであって、都市ガスの漏れによる誤報を排除したり、あるいは、エタノールとメタンの混合ガスであって、上記2つの場合の誤報を排除するようにしてもよい。
【0061】
上記実施形態では、各ガス検出素子3A,3Bの出力を電圧V1,V2として取り出して、両ガス検出素子3A,3Bの出力電圧V1,V2を2次元的に描いたパターン(図7、図8参照)で油脂の過熱判定を行うようにしたが、各ガス検出素子3A,3Bの出力電圧V1,V2から各ガス検出素子3A,3Bの感ガス部5,7,13の抵抗値Rsもしくは抵抗値Rsに対応する量Rs/Rsoを算出して、その抵抗値Rsもしくは抵抗値Rsに対応する量を対数変換した値Log(Rs/Rso)を、図9に示すように、2次元的に描いたパターンで判定するようにしてもよい。因みに、図9では、各ガス検出素子3A,3Bについて、各感ガス部5,7,13の抵抗値Rsをエアレベル状態での感ガス部5,7,13の抵抗値Rsoで割った量Rs/Rsoを算出し、その対数変換値Log(Rs/Rso)を座標軸としている。また、ガス濃度の増加により、感ガス部5,7,13の抵抗値Rsは減少するので、Log(Rs/Rso)は0からマイナスの範囲の値になる。
【0062】
上記のように各ガス検出素子3A,3Bの感ガス部5,7,13の抵抗値Rsもしくは抵抗値Rsに対応する量Rs/Rsoの対数変換値Log(Rs/Rso)を座標軸とすることにより、上記出力電圧V1,V2を2次元的に描いたパターンに比べて、グラフの軌跡がより直線的になり、良好な判定を行うことができる。図9には、両ガス検出素子3A,3Bの上記対数変換値Log(Rs/Rso)の比αが、油脂の加熱時の方が調理用酒の加熱時の場合よりも大きい(但し、絶対値で)ことで、油脂の過熱状態の判定ができることを示す。
【0063】
上記実施形態では、前記主感度と前記副感度との感度比が異なる2つのガス検出素子3A,3Bを、前記主感度が前記副感度よりも大きい主ガス検出素子3Aと、前記主感度が前記副感度と同等な副ガス検出素子3Bとで構成したが、前記主感度が前記副感度よりも大きい主ガス検出素子3Aと、前記主感度が前記副感度よりも小さい副ガス検出素子3Bとで構成してもよい。因みに、この場合、主ガス検出素子3Aは、検出対象ガス(油脂の熱分解ガス成分)に対応する炭素数3〜9のアルデヒド及び炭素数2〜8のアルカンからなるガス群を検出するものであるからこのガス群に対して高感度であることが望ましく、一方、副ガス検出素子3Bは、上記主ガス検出素子3Aによるアルデヒド及びアルカンからなるガス群の検出感度の比較基準となるものであるから、上記ガス群に対して高感度でなければよいのである。
ただし、前記主感度と前記副感度との感度比が異なる2つのガス検出素子の選定については上記実施形態に記載のものに限られず、主感度と副感度の比が相対的に大なる主ガス検出素子3Aと、前記比が相対的に小なる副ガス検出素子3Bの条件で自由に選定することが可能である。すなわち、主ガス検出素子3Aと副ガス検出素子3Bの2つのガス検出素子の上記感度比の相違により、油脂の熱分解ガスを検出したとき等において、2つのガス検出素子の出力、もしくは、所定の設定時間における出力の変化量の差が生じて、その出力の比もしくは所定の設定時間における出力の変化量の比が設定値を超えることで、油脂の過熱状態の判定ができればよいのである。
【0064】
上記実施形態では、各ガス検出素子3A,3Bの抵抗Rsに直列に固定抵抗Roを接続して、固定抵抗Roの両端電圧Voのエアレベル電圧からの増分を各素子3A,3Bの出力として取り出したが(図3参照)、逆に各ガス検出素子3A,3Bの抵抗Rsの両端電圧のエアレベル電圧からの減少分を取り出すようにしてもよい。従って、この別実施形態では、油脂及び調理酒の温度の上昇とともに上記抵抗Rsの両端電圧が減少するので、この減少分を出力として、上記両ガス検出素子3A,3Bの出力の変化量の比、あるいは、両ガス検出素子3A,3Bの出力の変化量の比が設定値を超えているか否かを判断して、油脂の過熱状態を判定する。さらに、各ガス検出素子3A,3Bの抵抗Rsに直列に固定抵抗Roを接続する代わりに、周知のブリッジ回路を構成して、そのブリッジ回路における電圧値又は電流値を出力として取り出すようにしてもよい。
【0065】
上記実施形態では、各ガス検出素子3A,3Bを構成する感ガス層5,7の主成分である酸化物半導体をn型半導体で構成したが、p型半導体で構成してもよい。
【0066】
上記実施形態では、判定手段101を備えた油脂火災防止用ガス検知器(ガスセンサ1)について説明したが、上記主感度と副感度との感度比が異なる2つのガス検出素子3A,3Bを用いて、上記第1及び第2実施形態での判定内容と同様な内容で油脂の過熱判定を行うようにすることも可能である。具体的には、前記両ガス検出素子3A,3Bの出力を外部の計測装置に入力し、その計測装置によって両ガス検出素子3A,3Bの出力信号を解析して、油脂が過熱状態にあるか否かを判定する。この場合、使用者が、ガス検出素子3A,3Bの出力信号を解析する解析内容について、検知対象の油脂の条件等を考慮して、設定値や設定時間等を自由に設定することができるメリットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器の構造を示す側面断面図
【図2】本発明に係る油脂火災防止用ガス検知器のブロック図
【図3】ガス検知部の等価回路を示す図
【図4】油脂の過熱時に発生するガスの特性を示す図
【図5】主感度計測用の混合ガスの組成を示す図
【図6】各ガス検出素子の感度を示す図
【図7】第1実施形態に係るガス検知特性を示すグラフ
【図8】第2実施形態に係るガス検知特性を示すグラフ
【図9】別実施形態に係るガス検知特性を示すグラフ
【図10】第3実施形態に係る主ガス検出素子の構造を示す側面断面図
【図11】第3実施形態に係る各ガス検出素子の感度を示す図
【図12】第3実施形態に係るガス検知特性を示すグラフ
【図13】第3実施形態に係るガス検知特性を示すグラフ
【図14】第3実施形態に係るガス検知特性を示すグラフ
【図15】第3実施形態に係るガス検知特性を示すグラフ
【符号の説明】
3A 主ガス検出素子
3B 副ガス検出素子
5a 感ガス体
5b 触媒層
7 感ガス体
13 感ガス体
101 判定手段

Claims (7)

  1. 炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンからなるガス群のうちの少なくとも1つのガス成分に対する主感度と、前記ガス群以外の可燃性ガスに対する副感度との感度比が異なる2つのガス検出素子を備え、
    前記主感度と前記副感度の比において前記2つのガス検出素子のうち、前記比が相対的に大なる主ガス検出素子と、前記比が相対的に小なる副ガス検出素子の出力において、所定の設定時間における、前記副ガス検出素子の出力の変化量に対する前記主ガス検出素子の出力の変化量の比が設定値を超えているときに、油脂が過熱状態にあることを判定する判定手段を備えている油脂火災防止用ガス検知器。
  2. 炭素数3〜9のアルデヒド、及び、炭素数2〜8のアルカンからなるガス群のうちの少なくとも1つのガス成分に対する主感度と、前記ガス群以外の可燃性ガスに対する副感度との感度比が異なる2つのガス検出素子を備え、
    前記主感度と前記副感度の比において前記2つのガス検出素子のうち、前記比が相対的に大なる主ガス検出素子と、前記比が相対的に小なる副ガス検出素子の出力において、前記副ガス検出素子の出力に対する前記主ガス検出素子の出力の比が設定値を超えているときに、油脂が過熱状態にあることを判定する判定手段を備えている油脂火災防止用ガス検知器。
  3. 前記判定手段は、前記副ガス検出素子の出力の変化量に対する前記主ガス検出素子の出力の変化量の比又は前記副ガス検出素子の出力に対する前記主ガス検出素子の出力の比が前記設定値を超えているのに加え、前記主ガス検出素子もしくは前記副ガス検出素子の出力のいずれかが設定値を超えているときに、前記油脂が過熱状態にあることを判定するように構成されている請求項1又は2記載の油脂火災防止用ガス検知器。
  4. 前記判定手段が、前記2つのガス検出素子のうち少なくとも一方の出力が判定開始用の設定値を超えて変化した後、前記油脂が過熱状態にあるか否かの判定を行うように構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の油脂火災防止用ガス検知器。
  5. 前記ガス群以外の可燃性ガスが、エタノール及びメタンのいずれか、もしくはこれらの混合ガスである請求項1〜4のいずれかに記載の油脂火災防止用ガス検知器。
  6. 前記主ガス検出素子は、タングステン酸化物が感ガス体の内部、もしくは、感ガス体に接して形成された触媒層の内部のいずれかに含有された構成であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の油脂火災防止用ガス検知器。
  7. 前記副ガス検出素子は、酸化錫を主成分とする感ガス体で構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の油脂火災防止用ガス検知器。
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