JP3832001B2 - 排ガスボイラのマンホールブロックの拘束装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガスボイラのマンホールブロックの拘束装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図４は排ガスボイラの一例を示したもので、天然ガスや重油等を燃料として駆動される図示しないガスタービンからの排ガス１を導く排ガス流路２の経路上に、節炭器３、蒸発器４、過熱器５等からなる熱交換部６を備えて蒸気を発生するようにした排ガスボイラ７が設けられており、該排ガスボイラ７にて発生した蒸気は空調設備等の熱源として供給することが行われている。排ガスボイラ７により排熱が回収されて低温となった排ガス１は煙突８から外部に排出するようにしている。
【０００３】
前記排ガスボイラ７は、熱交換部６の上下部に、排ガス流路２の内側と外側とを区画するようにした区画壁９が備えられており、該区画壁９の外側には、前記節炭器３、蒸発器４、過熱器５等に対する水及び蒸気の供給と取出しを行うための各種のヘッダ１０が備えられたヘッダ囲い１１（メンテナンススペース）を形成するように外部ケーシング１２が設けられている。
【０００４】
また、上側の前記外部ケーシング１２の上部には蒸気ドラム１３が設けてあり、該蒸気ドラム１３には、節炭器３の最後段の給水加熱管３ａに区画壁９を貫通して接続されているヘッダ１０が、加熱水管１４を介して接続されている。更に、蒸気ドラム１３の底部には下方に延びる降水管１５の上端が接続されており、該降水管１５の下端は下側のヘッダ囲い１１内で水平に曲げられて該水平部１５ａが前記蒸発器４の蒸発管４ａの夫々にヘッダ１０を介して接続され、また、前記蒸発管４ａの夫々の上端に設けたヘッダ１０が蒸気戻り管１６を介して前記蒸気ドラム１３に接続されている。さらに、前記蒸気ドラム１３の上端部が蒸気供給管１７を介して前記過熱器５の過熱器管５ａに取り付けられたヘッダ１０に接続されている。図中１８は節炭器３に接続した給水管、１９は過熱器５に接続した蒸気管を示す。
【０００５】
上記した排ガスボイラ７では、所定の期間の運転を行った後に、熱交換部６の節炭器３、蒸発器４、過熱器５等を点検する点検作業を定期的に行っている。
【０００６】
前記節炭器３の給水加熱管３ａ、蒸発器４の蒸発管４ａ、及び過熱器５の過熱器管５ａは、夫々図５に示すように、排ガス１が流動する狭い間隔を有して多数並設されることにより広い熱交換面２０を形成するパネル状を有しており、このために熱交換部６の排ガス流路２内は、図５に示すような狭い通路空間２１が多数設けられた構造となっており、従ってヘッダ囲い１１内への作業員の出入りや機器の搬入出のために外部ケーシング１２に備えられた外部マンホール２２（図４参照）からヘッダ囲い１１内へ入った作業員が、前記狭い通路空間２１の夫々に通行できるように、夫々の通路空間２１ごとにマンホールブロック２３を備えるようにしている。
【０００７】
前記通路空間２１の床面となる区画壁９は、図５、図６に示す如く、複数の固定ブロック２４を多数設置することにより構成しており、区画壁９の途中に、固定ブロック２４を設けないことにより開口２５を形成し、この開口２５に、該開口２５を開閉できるようにした矩形のマンホールブロック２３を設けている。
【０００８】
マンホールブロック２３は、上面内側にマンホールブロック２３を持上げて開閉を行うための把持部２６が備えられており、更にマンホールブロック２３の幅方向上面には固定ブロック２４上に張り出させた係止板２７が備えられており、マンホールブロック２３を前記開口２５に嵌合させると係止板２７により固定ブロック２４に係止され、この時固定ブロック２４とマンホールブロック２３の上面とが平坦になるようにされている。
【０００９】
マンホールブロック２３は、図４の排ガスボイラ７が運転される際には開口２５を閉塞した状態となっているが、排ガスボイラ７内の排ガス１の圧力変動などによってマンホールブロック２３が浮き上がったり、或いは振動したりすることがあるために、拘束しておく必要がある。
【００１０】
このため、従来のマンホールブロック２３は、図６に示すようなボルト締め式クランプ具２８を備えて固定ブロック２４に固定するようにしていた。
【００１１】
即ち、マンホールブロック２３及び固定ブロック２４は、夫々矩形の四辺の下側にフランジが突出された形状を有しており、隣接しているマンホールブロック２３の可動側フランジ２３ａと固定ブロック２４の固定側フランジ２４ａとを挟み込むようにしたＵ字金具２９と、該Ｕ字金具２９に取付けられて前記可動側フランジ２３ａと固定側フランジ２４ａとを締め付けるようにした締付ボルト３０とを備えた構成を有している。
【００１２】
従来において、区画壁９に備えられた開口２５をマンホールブロック２３により閉塞する際は、マンホールブロック２３を係止板２７が固定ブロック２４上に係止されるようにして開口２５に嵌合させ、その後隣接している可動側フランジ２３ａと固定側フランジ２４ａにＵ字金具２９を填め込んで締付ボルト３０を締め付けることによりマンホールブロック２３を固定ブロック２４に固定するようにしている。
【００１３】
また、点検作業時に前記マンホールブロック２３を開ける際は、前記締付ボルト３０を弛めてＵ字金具２９を可動側フランジ２３ａ及び固定側フランジ２４ａから取り外した後、マンホールブロック２３を把持部２６により持上げて開口させる。また、取り外したボルト締め式クランプ具２８は、所定の場所に保管するようにしている。
【００１４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来のボルト締め式クランプ具２８は、Ｕ字金具２９と、該Ｕ字金具２９に取付けた締付ボルト３０とを備えて、可動側フランジ２３ａと固定側フランジ２４ａとを締め付けることによりマンホールブロック２３を固定ブロック２４に固定するようにしているために、ヘッダ囲い１１内の狭い空間で上向きの窮屈な姿勢での締付ボルト３０の締付・弛め作業を行わねばならず、作業が煩雑で時間が掛かり、しかもマンホールブロック２３は多数設けられているためにボルト締め式クランプ具２８の着脱のために要する時間が長くなることにより点検作業の期間が延長されてしまうといった問題を有していた。
【００１５】
また、前記排ガスボイラ７が高温で運転される場合には、前記区画壁９も高温となり、このために前記したようなボルト締め式クランプ具２８では締付ボルト３０が焼付いてしまって取り外しができなくなることが生じていた。
【００１６】
本発明は、斯かる実情に鑑みてなしたもので、マンホールブロックの着脱操作を簡単且つ迅速に行うことができ、且つ焼付き等の問題を生じることがない排ガスボイラのマンホールブロックの拘束装置を提供することを目的としている。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明は、排ガスボイラの熱交換部が備えられる排ガス流路とヘッダ囲いとを区画している区画壁の固定ブロック間に形成された開口に備えられ、且つ固定ブロック上に張り出すようにした係止板により固定ブロックに支持されるマンホールブロックの拘束装置であって、マンホールブロックと固定ブロックの隣接する辺の下側に張り出させた可動側フランジと固定側フランジとを貫通する嵌合口と、該嵌合口に先端を抜き差しできるように固定ブロックの下側に設けたレバー支持具に支持され且つ後端が略直角に曲げられたクランプレバーと、該クランプレバーの先端を嵌合口に嵌合させて後端の曲り部を垂下させた時に曲り部が嵌合することによりクランプレバーの先端が嵌合口から抜き出るのを防止するＵ字溝を形成して固定ブロックの下方に配置した抜け止めストッパとを備えたことを特徴とする排ガスボイラのマンホールブロックの拘束装置、に係るものである。
【００１８】
請求項２に記載の発明は、レバー支持具が所要の間隔で備えられた２個の支持板から構成されており、且つ該支持板間におけるクランプレバーに凸部を備えており、該凸部が一方の支持板に当接することにより前記曲り部が抜け止めストッパに嵌合されるクランプレバー差込み位置となり、前記凸部が他方の支持板に当接することによりクランプレバーの脱落が防止されるクランプレバー引抜き位置となるよう構成したことを特徴とする請求項１に記載の排ガスボイラのマンホールブロックの拘束装置、に係るものである。
【００１９】
請求項１に記載の発明では、マンホールブロックと固定ブロックの隣接する辺の下側に張り出させた可動側フランジと固定側フランジとを貫通する嵌合口を形成し、該嵌合口に、先端を抜き差しできるようにしたクランプレバーを固定ブロックの下側に備えたので、クランプレバーの抜き差しによってマンホールブロックの拘束と解除とを容易に行うことができ、且つクランプレバーに形成した曲り部を垂下させた時に嵌合するＵ字溝を形成した抜け止めストッパを備えていることにより、マンホールブロックの閉塞時にクランプレバーの先端が嵌合口から抜き出るのを防止して確実に拘束することができ、且つ簡単な操作で迅速な拘束・解除を行える。
【００２０】
また、従来の締付ボルトを備えた方式のように、焼付きにより取り外しができなくなるというような問題を生じることがない。
【００２１】
請求項２に記載の発明によれば、レバー支持具に備えた２個の支持板の一方に凸部が当接することによりクランプレバー差込み位置が規制され、他方の支持板に凸部が当接することによりクランプレバーの脱落が防止されるようにしてあるので、マンホールブロックの開閉時における操作性を向上させて更に迅速な開閉作業を行い得る。
【００２２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【００２３】
図１〜図３は本発明の実施の形態例を示したものであり、図中図４〜図６と同一の符号を付したものは同一物を表わしている。
【００２４】
図１〜図３に示すように、区画壁９の固定ブロック２４間に形成される開口２５に嵌合し、且つ固定ブロック２４の上に張り出すようにした係止板２７により固定ブロック２４に支持されるようにしたマンホールブロック２３が備えられており、該マンホールブロック２３と前記固定ブロック２４の隣接している辺の下側に可動側フランジ２３ａと固定側フランジ２４ａを張り出させ、該可動側フランジ２３ａと固定側フランジ２４ａを貫通させるようした嵌合口３１を形成している。
【００２５】
また、固定ブロック２４の下側に所要間隔を有して固定した２枚の支持板３２，３３からなるレバー支持具３４に支持されて、先端が前記嵌合口３１に抜き差しできるようにしたクランプレバー３５が備えてあり、該クランプレバー３５の後端には略直角に曲げられた曲り部３６が形成されている。
【００２６】
更に、前記レバー支持具３４には、前記クランプレバー３５の先端を嵌合口３１に嵌合させて後端の曲り部３６を垂下させた時に、該曲り部３６が嵌合することによりクランプレバー３５の先端が嵌合口３１に差込まれた状態を保持して、嵌合口３１から抜き出るのを防止するためのＵ字溝３７ａを備えた抜け止めストッパ３７が設けられている。
【００２７】
前記支持板３２，３３間の位置におけるクランプレバー３５には凸部３８が設けてあり、該凸部３８が一方の支持板３２に当接することにより、前記曲り部３６が抜け止めストッパ３７のＵ字溝３７ａに嵌合され、これによりクランプレバー３５の先端が嵌合口３１に差込まれた状態を保持するクランプレバー差込み位置Ａとなり、また前記凸部３８が他方の支持板３３に当接することによりクランプレバー引抜き位置Ｂとなってクランプレバー３５が脱落するのを防止するようになっている。
【００２８】
次に上記実施の形態例の作用を説明する。
【００２９】
図１の区画壁９に形成された開口２５をマンホールブロック２３により閉塞する際は、図３に仮想線で示すように、クランプレバー引抜き位置Ｂに引抜いた状態において、マンホールブロック２３を係止板２７が固定ブロック２４上に係止されるようにして開口２５に嵌合させる。
【００３０】
続いて、図３に仮想線で示すように曲り部３６が水平方向になる状態でクランプレバー３５を押込むことにより、クランプレバー３５の先端を固定側フランジ２４ａと可動側フランジ２３ａの嵌合口３１に嵌合させる。
【００３１】
クランプレバー３５の先端が嵌合口３１に嵌合すると、凸部３８が支持板３２に当接することによりクランプレバー差込み位置Ａとなるので、この状態で曲り部３６を下方に回動させると、曲り部３６がストッパ３７のＵ字溝３７ａに嵌合されるようになる。
【００３２】
前記曲り部３６は重力で垂下された状態を保持しようとし、この時曲り部３６がストッパ３７のＵ字溝３７ａに嵌合されているので、前記クランプレバー３５の抜出しが防止され、よって図４の排ガスボイラ７が運転されて圧力の変動や振動等があっても、前記クランプレバー３５が嵌合口３１から抜け出すことを確実に防止することができる。
【００３３】
また、点検作業時に前記マンホールブロック２３を開ける際は、図３の実線状態の曲り部３６をストッパ３７のＵ字溝３７ａから抜出す方向に回動させた後、図３に仮想線で示すようにクランプレバー３５を嵌合口３１から引抜く。この時、凸部３８が支持板３３に当接することによりクランプレバー３５の脱落が防止される。
【００３４】
これにより、マンホールブロック２３の拘束が解除されるので、把持部２６によりマンホールブロック２３を持上げることにより、開口２５を開放することができる。
【００３５】
【発明の効果】
請求項１に記載の発明によれば、マンホールブロックと固定ブロックの隣接する辺の下側に張り出させた可動側フランジと固定側フランジとを貫通する嵌合口を形成し、該嵌合口に、先端を抜き差しできるようにしたクランプレバーを固定ブロックの下側に備えたので、クランプレバーの抜き差しによってマンホールブロックの拘束と解除とを容易に行うことができ、且つクランプレバーに形成した曲り部を垂下させた時に嵌合するＵ字溝を形成した抜け止めストッパを備えていることにより、マンホールブロックの閉塞時にクランプレバーの先端が嵌合口から抜き出るのを防止して確実に拘束することができ、且つ簡単な操作で迅速な拘束・解除を行える効果がある。
【００３６】
また、従来の締付ボルトを備えた方式のように、焼付きにより取り外しができなくなるというような問題を生じることがない。
【００３７】
請求項２に記載の発明によれば、レバー係止具に備えた２個の支持板の一方に凸部が当接することによりクランプレバー差込み位置が規制され、他方の支持板に凸部が当接することによりクランプレバーの脱落が防止されるようにしてあるので、マンホールブロックの開閉時における操作性を向上させて更に迅速な開閉作業を行い得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態例を示す切断正面図である。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ方向矢視図である。
【図３】図１の要部の斜視図である。
【図４】従来の排ガスボイラの一例を示す概略側面図である。
【図５】図４の熱交換部における通路空間の斜視図である。
【図６】従来のマンホールブロックの拘束装置の一例を示す切断正面図である。
【符号の説明】
２ 排ガス流路
６ 熱交換部
７ 排ガスボイラ
９ 区画壁
１１ ヘッダ囲い
２３ マンホールブロック
２３ａ 可動側フランジ
２４ 固定ブロック
２４ａ 固定側フランジ
２５ 開口
２７ 係止板
３１ 嵌合口
３２ 支持板
３３ 支持板
３４ レバー支持具
３５ クランプレバー
３６ 曲り部
３７ ストッパ
３７ａ Ｕ字溝
３８ 凸部
Ａ クランプレバー差込み位置
Ｂ クランプレバー引抜き位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガスボイラのマンホールブロックの拘束装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図４は排ガスボイラの一例を示したもので、天然ガスや重油等を燃料として駆動される図示しないガスタービンからの排ガス１を導く排ガス流路２の経路上に、節炭器３、蒸発器４、過熱器５等からなる熱交換部６を備えて蒸気を発生するようにした排ガスボイラ７が設けられており、該排ガスボイラ７にて発生した蒸気は空調設備等の熱源として供給することが行われている。排ガスボイラ７により排熱が回収されて低温となった排ガス１は煙突８から外部に排出するようにしている。
【０００３】
前記排ガスボイラ７は、熱交換部６の上下部に、排ガス流路２の内側と外側とを区画するようにした区画壁９が備えられており、該区画壁９の外側には、前記節炭器３、蒸発器４、過熱器５等に対する水及び蒸気の供給と取出しを行うための各種のヘッダ１０が備えられたヘッダ囲い１１（メンテナンススペース）を形成するように外部ケーシング１２が設けられている。
【０００４】
また、上側の前記外部ケーシング１２の上部には蒸気ドラム１３が設けてあり、該蒸気ドラム１３には、節炭器３の最後段の給水加熱管３ａに区画壁９を貫通して接続されているヘッダ１０が、加熱水管１４を介して接続されている。更に、蒸気ドラム１３の底部には下方に延びる降水管１５の上端が接続されており、該降水管１５の下端は下側のヘッダ囲い１１内で水平に曲げられて該水平部１５ａが前記蒸発器４の蒸発管４ａの夫々にヘッダ１０を介して接続され、また、前記蒸発管４ａの夫々の上端に設けたヘッダ１０が蒸気戻り管１６を介して前記蒸気ドラム１３に接続されている。さらに、前記蒸気ドラム１３の上端部が蒸気供給管１７を介して前記過熱器５の過熱器管５ａに取り付けられたヘッダ１０に接続されている。図中１８は節炭器３に接続した給水管、１９は過熱器５に接続した蒸気管を示す。
【０００５】
上記した排ガスボイラ７では、所定の期間の運転を行った後に、熱交換部６の節炭器３、蒸発器４、過熱器５等を点検する点検作業を定期的に行っている。
【０００６】
前記節炭器３の給水加熱管３ａ、蒸発器４の蒸発管４ａ、及び過熱器５の過熱器管５ａは、夫々図５に示すように、排ガス１が流動する狭い間隔を有して多数並設されることにより広い熱交換面２０を形成するパネル状を有しており、このために熱交換部６の排ガス流路２内は、図５に示すような狭い通路空間２１が多数設けられた構造となっており、従ってヘッダ囲い１１内への作業員の出入りや機器の搬入出のために外部ケーシング１２に備えられた外部マンホール２２（図４参照）からヘッダ囲い１１内へ入った作業員が、前記狭い通路空間２１の夫々に通行できるように、夫々の通路空間２１ごとにマンホールブロック２３を備えるようにしている。
【０００７】
前記通路空間２１の床面となる区画壁９は、図５、図６に示す如く、複数の固定ブロック２４を多数設置することにより構成しており、区画壁９の途中に、固定ブロック２４を設けないことにより開口２５を形成し、この開口２５に、該開口２５を開閉できるようにした矩形のマンホールブロック２３を設けている。
【０００８】
マンホールブロック２３は、上面内側にマンホールブロック２３を持上げて開閉を行うための把持部２６が備えられており、更にマンホールブロック２３の幅方向上面には固定ブロック２４上に張り出させた係止板２７が備えられており、マンホールブロック２３を前記開口２５に嵌合させると係止板２７により固定ブロック２４に係止され、この時固定ブロック２４とマンホールブロック２３の上面とが平坦になるようにされている。
【０００９】
マンホールブロック２３は、図４の排ガスボイラ７が運転される際には開口２５を閉塞した状態となっているが、排ガスボイラ７内の排ガス１の圧力変動などによってマンホールブロック２３が浮き上がったり、或いは振動したりすることがあるために、拘束しておく必要がある。
【００１０】
このため、従来のマンホールブロック２３は、図６に示すようなボルト締め式クランプ具２８を備えて固定ブロック２４に固定するようにしていた。
【００１１】
即ち、マンホールブロック２３及び固定ブロック２４は、夫々矩形の四辺の下側にフランジが突出された形状を有しており、隣接しているマンホールブロック２３の可動側フランジ２３ａと固定ブロック２４の固定側フランジ２４ａとを挟み込むようにしたＵ字金具２９と、該Ｕ字金具２９に取付けられて前記可動側フランジ２３ａと固定側フランジ２４ａとを締め付けるようにした締付ボルト３０とを備えた構成を有している。
【００１２】
従来において、区画壁９に備えられた開口２５をマンホールブロック２３により閉塞する際は、マンホールブロック２３を係止板２７が固定ブロック２４上に係止されるようにして開口２５に嵌合させ、その後隣接している可動側フランジ２３ａと固定側フランジ２４ａにＵ字金具２９を填め込んで締付ボルト３０を締め付けることによりマンホールブロック２３を固定ブロック２４に固定するようにしている。
【００１３】
また、点検作業時に前記マンホールブロック２３を開ける際は、前記締付ボルト３０を弛めてＵ字金具２９を可動側フランジ２３ａ及び固定側フランジ２４ａから取り外した後、マンホールブロック２３を把持部２６により持上げて開口させる。また、取り外したボルト締め式クランプ具２８は、所定の場所に保管するようにしている。
【００１４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来のボルト締め式クランプ具２８は、Ｕ字金具２９と、該Ｕ字金具２９に取付けた締付ボルト３０とを備えて、可動側フランジ２３ａと固定側フランジ２４ａとを締め付けることによりマンホールブロック２３を固定ブロック２４に固定するようにしているために、ヘッダ囲い１１内の狭い空間で上向きの窮屈な姿勢での締付ボルト３０の締付・弛め作業を行わねばならず、作業が煩雑で時間が掛かり、しかもマンホールブロック２３は多数設けられているためにボルト締め式クランプ具２８の着脱のために要する時間が長くなることにより点検作業の期間が延長されてしまうといった問題を有していた。
【００１５】
また、前記排ガスボイラ７が高温で運転される場合には、前記区画壁９も高温となり、このために前記したようなボルト締め式クランプ具２８では締付ボルト３０が焼付いてしまって取り外しができなくなることが生じていた。
【００１６】
本発明は、斯かる実情に鑑みてなしたもので、マンホールブロックの着脱操作を簡単且つ迅速に行うことができ、且つ焼付き等の問題を生じることがない排ガスボイラのマンホールブロックの拘束装置を提供することを目的としている。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明は、排ガスボイラの熱交換部が備えられる排ガス流路とヘッダ囲いとを区画している区画壁の固定ブロック間に形成された開口に備えられ、且つ固定ブロック上に張り出すようにした係止板により固定ブロックに支持されるマンホールブロックの拘束装置であって、マンホールブロックと固定ブロックの隣接する辺の下側に張り出させた可動側フランジと固定側フランジとを貫通する嵌合口と、該嵌合口に先端を抜き差しできるように固定ブロックの下側に設けたレバー支持具に支持され且つ後端が略直角に曲げられたクランプレバーと、該クランプレバーの先端を嵌合口に嵌合させて後端の曲り部を垂下させた時に曲り部が嵌合することによりクランプレバーの先端が嵌合口から抜き出るのを防止するＵ字溝を形成して固定ブロックの下方に配置した抜け止めストッパとを備えたことを特徴とする排ガスボイラのマンホールブロックの拘束装置、に係るものである。
【００１８】
請求項２に記載の発明は、レバー支持具が所要の間隔で備えられた２個の支持板から構成されており、且つ該支持板間におけるクランプレバーに凸部を備えており、該凸部が一方の支持板に当接することにより前記曲り部が抜け止めストッパに嵌合されるクランプレバー差込み位置となり、前記凸部が他方の支持板に当接することによりクランプレバーの脱落が防止されるクランプレバー引抜き位置となるよう構成したことを特徴とする請求項１に記載の排ガスボイラのマンホールブロックの拘束装置、に係るものである。
【００１９】
請求項１に記載の発明では、マンホールブロックと固定ブロックの隣接する辺の下側に張り出させた可動側フランジと固定側フランジとを貫通する嵌合口を形成し、該嵌合口に、先端を抜き差しできるようにしたクランプレバーを固定ブロックの下側に備えたので、クランプレバーの抜き差しによってマンホールブロックの拘束と解除とを容易に行うことができ、且つクランプレバーに形成した曲り部を垂下させた時に嵌合するＵ字溝を形成した抜け止めストッパを備えていることにより、マンホールブロックの閉塞時にクランプレバーの先端が嵌合口から抜き出るのを防止して確実に拘束することができ、且つ簡単な操作で迅速な拘束・解除を行える。
【００２０】
また、従来の締付ボルトを備えた方式のように、焼付きにより取り外しができなくなるというような問題を生じることがない。
【００２１】
請求項２に記載の発明によれば、レバー支持具に備えた２個の支持板の一方に凸部が当接することによりクランプレバー差込み位置が規制され、他方の支持板に凸部が当接することによりクランプレバーの脱落が防止されるようにしてあるので、マンホールブロックの開閉時における操作性を向上させて更に迅速な開閉作業を行い得る。
【００２２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【００２３】
図１〜図３は本発明の実施の形態例を示したものであり、図中図４〜図６と同一の符号を付したものは同一物を表わしている。
【００２４】
図１〜図３に示すように、区画壁９の固定ブロック２４間に形成される開口２５に嵌合し、且つ固定ブロック２４の上に張り出すようにした係止板２７により固定ブロック２４に支持されるようにしたマンホールブロック２３が備えられており、該マンホールブロック２３と前記固定ブロック２４の隣接している辺の下側に可動側フランジ２３ａと固定側フランジ２４ａを張り出させ、該可動側フランジ２３ａと固定側フランジ２４ａを貫通させるようした嵌合口３１を形成している。
【００２５】
また、固定ブロック２４の下側に所要間隔を有して固定した２枚の支持板３２，３３からなるレバー支持具３４に支持されて、先端が前記嵌合口３１に抜き差しできるようにしたクランプレバー３５が備えてあり、該クランプレバー３５の後端には略直角に曲げられた曲り部３６が形成されている。
【００２６】
更に、前記レバー支持具３４には、前記クランプレバー３５の先端を嵌合口３１に嵌合させて後端の曲り部３６を垂下させた時に、該曲り部３６が嵌合することによりクランプレバー３５の先端が嵌合口３１に差込まれた状態を保持して、嵌合口３１から抜き出るのを防止するためのＵ字溝３７ａを備えた抜け止めストッパ３７が設けられている。
【００２７】
前記支持板３２，３３間の位置におけるクランプレバー３５には凸部３８が設けてあり、該凸部３８が一方の支持板３２に当接することにより、前記曲り部３６が抜け止めストッパ３７のＵ字溝３７ａに嵌合され、これによりクランプレバー３５の先端が嵌合口３１に差込まれた状態を保持するクランプレバー差込み位置Ａとなり、また前記凸部３８が他方の支持板３３に当接することによりクランプレバー引抜き位置Ｂとなってクランプレバー３５が脱落するのを防止するようになっている。
【００２８】
次に上記実施の形態例の作用を説明する。
【００２９】
図１の区画壁９に形成された開口２５をマンホールブロック２３により閉塞する際は、図３に仮想線で示すように、クランプレバー引抜き位置Ｂに引抜いた状態において、マンホールブロック２３を係止板２７が固定ブロック２４上に係止されるようにして開口２５に嵌合させる。
【００３０】
続いて、図３に仮想線で示すように曲り部３６が水平方向になる状態でクランプレバー３５を押込むことにより、クランプレバー３５の先端を固定側フランジ２４ａと可動側フランジ２３ａの嵌合口３１に嵌合させる。
【００３１】
クランプレバー３５の先端が嵌合口３１に嵌合すると、凸部３８が支持板３２に当接することによりクランプレバー差込み位置Ａとなるので、この状態で曲り部３６を下方に回動させると、曲り部３６がストッパ３７のＵ字溝３７ａに嵌合されるようになる。
【００３２】
前記曲り部３６は重力で垂下された状態を保持しようとし、この時曲り部３６がストッパ３７のＵ字溝３７ａに嵌合されているので、前記クランプレバー３５の抜出しが防止され、よって図４の排ガスボイラ７が運転されて圧力の変動や振動等があっても、前記クランプレバー３５が嵌合口３１から抜け出すことを確実に防止することができる。
【００３３】
また、点検作業時に前記マンホールブロック２３を開ける際は、図３の実線状態の曲り部３６をストッパ３７のＵ字溝３７ａから抜出す方向に回動させた後、図３に仮想線で示すようにクランプレバー３５を嵌合口３１から引抜く。この時、凸部３８が支持板３３に当接することによりクランプレバー３５の脱落が防止される。
【００３４】
これにより、マンホールブロック２３の拘束が解除されるので、把持部２６によりマンホールブロック２３を持上げることにより、開口２５を開放することができる。
【００３５】
【発明の効果】
請求項１に記載の発明によれば、マンホールブロックと固定ブロックの隣接する辺の下側に張り出させた可動側フランジと固定側フランジとを貫通する嵌合口を形成し、該嵌合口に、先端を抜き差しできるようにしたクランプレバーを固定ブロックの下側に備えたので、クランプレバーの抜き差しによってマンホールブロックの拘束と解除とを容易に行うことができ、且つクランプレバーに形成した曲り部を垂下させた時に嵌合するＵ字溝を形成した抜け止めストッパを備えていることにより、マンホールブロックの閉塞時にクランプレバーの先端が嵌合口から抜き出るのを防止して確実に拘束することができ、且つ簡単な操作で迅速な拘束・解除を行える効果がある。
【００３６】
また、従来の締付ボルトを備えた方式のように、焼付きにより取り外しができなくなるというような問題を生じることがない。
【００３７】
請求項２に記載の発明によれば、レバー係止具に備えた２個の支持板の一方に凸部が当接することによりクランプレバー差込み位置が規制され、他方の支持板に凸部が当接することによりクランプレバーの脱落が防止されるようにしてあるので、マンホールブロックの開閉時における操作性を向上させて更に迅速な開閉作業を行い得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態例を示す切断正面図である。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ方向矢視図である。
【図３】図１の要部の斜視図である。
【図４】従来の排ガスボイラの一例を示す概略側面図である。
【図５】図４の熱交換部における通路空間の斜視図である。
【図６】従来のマンホールブロックの拘束装置の一例を示す切断正面図である。
【符号の説明】
２ 排ガス流路
６ 熱交換部
７ 排ガスボイラ
９ 区画壁
１１ ヘッダ囲い
２３ マンホールブロック
２３ａ 可動側フランジ
２４ 固定ブロック
２４ａ 固定側フランジ
２５ 開口
２７ 係止板
３１ 嵌合口
３２ 支持板
３３ 支持板
３４ レバー支持具
３５ クランプレバー
３６ 曲り部
３７ ストッパ
３７ａ Ｕ字溝
３８ 凸部
Ａ クランプレバー差込み位置
Ｂ クランプレバー引抜き位置
Claims (2)
- 排ガスボイラの熱交換部が備えられる排ガス流路とヘッダ囲いとを区画している区画壁の固定ブロック間に形成された開口に備えられ、且つ固定ブロック上に張り出すようにした係止板により固定ブロックに支持されるマンホールブロックの拘束装置であって、マンホールブロックと固定ブロックの隣接する辺の下側に張り出させた可動側フランジと固定側フランジとを貫通する嵌合口と、該嵌合口に先端を抜き差しできるように固定ブロックの下側に設けたレバー支持具に支持され且つ後端が略直角に曲げられたクランプレバーと、該クランプレバーの先端を嵌合口に嵌合させて後端の曲り部を垂下させた時に曲り部が嵌合することによりクランプレバーの先端が嵌合口から抜き出るのを防止するＵ字溝を形成して固定ブロックの下方に配置した抜け止めストッパとを備えたことを特徴とする排ガスボイラのマンホールブロックの拘束装置。
- レバー支持具が所要の間隔で備えられた２個の支持板から構成されており、且つ該支持板間におけるクランプレバーに凸部を備えており、該凸部が一方の支持板に当接することにより前記曲り部が抜け止めストッパに嵌合されるクランプレバー差込み位置となり、前記凸部が他方の支持板に当接することによりクランプレバーの脱落が防止されるクランプレバー引抜き位置となるよう構成したことを特徴とする請求項１に記載の排ガスボイラのマンホールブロックの拘束装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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| JP33960096A JP3832001B2 (ja) | 1996-12-19 | 1996-12-19 | 排ガスボイラのマンホールブロックの拘束装置 |
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- 1996-12-19 JP JP33960096A patent/JP3832001B2/ja not_active Expired - Fee Related
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