JP3831365B2 - 引手部の角度調節が可能な搬送カート - Google Patents

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Description

本発明は、角度調節可能な引手部を備えた首振りタイプの搬送カートに関する。
従来より、ショッピングカートや旅行用トランク等において、底部に走行用の車輪を備え、上部に設けた引手部を引いて使用するものが知られている。
そのようなショッピングカート等においては、使用者が引手部を引いて歩行する際に、カート本体が足に当たる等して、歩行の邪魔になるという不都合がある。
なお、引手部を引いて使用するショッピングカートは広く一般的に知られているが、そのようなショッピングカートにおいて、カート本体が足にぶつかるのを避けるような機構を備えたもので文献公知のものを出願人は知らない。
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、引手部を引いて歩行する際に、カート本体が使用者から適度な距離をおいて走行するように構成された搬送カートを提供することを目的としている。
本発明の搬送カートは、底部に走行用の車輪を備えていて、引手部を引いて使用するものである。そして、引手部がカート本体に対して、角度調節可能に取り付けられていることを特徴としている。
なお、本発明における“搬送カート”は、代表的には、ショッピングカート、旅行カバン、トランク等を意味するものであるが、それに限定されるものではなく、これに荷物を収容した状態で引手部を引いて搬送する手段であればよい。
上記構成を有する搬送カートにおいては、カート本体に対する引手部の角度を適切に調節することで、引手部を引いて歩行するとき、使用者とカート本体との間に適度な距離を保つことができる。すなわち、カート本体は、使用者から適度な距離をおいた位置を走行し、したがって、カート本体が歩行中に足にぶつかるのを防止できる。
本発明の実施形態を添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
第1実施形態(図1〜図3)
(1)全体構成
図1は、本発明の第1実施形態に係るショッピングカート10の前方斜視図である。ショッピングカート10は、カート本体200の底部に走行用車輪201を備えていて、引手部100を引いて使用する。なお、図示は省略しているが実際には、カート本体200は、そのフレーム構造部に荷物を収容するバッグ等を取り付けて構成される。また、カート本体200は、旅行用カバンやトランク、その他の荷物搬送体であってもよい。
引手部100は、後述するように、カート本体200する角度調節が可能である。図1の斜視図では、引手部100は、カート本体200に対して鉛直方向から傾斜した角度位置で固定されている。一方、図2の後方斜視図においては、引手部100は、カート本体200に対してほぼ鉛直の角度位置で固定されている。後述するように、引手部100は他の角度位置に固定することも可能である。
図1に示したように、カート本体200に対して傾斜させた状態の引手部100を引いて歩行すると、使用者とカート本体200との間に適度な距離を保つことができる。すなわち、カート本体200は、使用者から側方に適度な距離をおいた位置を走行し、したがって、カート本体200が歩行中に足にぶつかるのを防止できる。一方、電車で移動する場合等には、図2のように引手部100を鉛直方向に固定して、ショッピングカート10を起立させておくのが好都合である。
(2)引手部の角度調節機構
図3は、引手部100の角度調節機構を説明する部分破断図である。引手部100は、「カート本体側に回動可能に連結された連結部材111」と「連結部材111に連結されていて、他端に持ち手112を備えたパイプ材110」と「パイプ材110内にスライド可能に収容されていて、ロック解除用フック122を備えた棒材120」とで構成されている。
連結部材111
カート本体側に設けた取付プレート202に、ボルト109を用いて軸受プレート101が固定されている。軸受プレート101は円柱状の軸受部102を保持していて、この円柱状軸受部102に対して、連結部材111がボルト103を用いて回動可能に連結されている。
円柱状軸受部102の周囲には、5つのロック凹部105が放射状に配置されている。
パイプ材110
パイプ材110は、固定ピン115を用いて連結部材111に固定されていて、連結部材111とともに回動可能である。一方、パイプ材110の他端には、持ち手112が固定されている。持ち手112は、その円筒状の基部113において、パイプ材110に固定されている。
持ち手112とパイプ材110とは、固定ピン116で連結された上で、ナット136で固定される。なお、固定ピン116は、パイプ材に外嵌された持ち手基部113のピン溝113a内に係合しているが、当該ピン溝113aは、持ち手基部113の円周方向に所定の角度範囲(例えば90°)で延在して形成されている。したがって、持ち手112は、パイプ材110を軸心として回動可能で、使用者が引手部100を引く場合に、持ち手112を持ち易い角度に適宜調節できる。
棒材120
パイプ材110の内部には、棒材120がスライド可能に収容されている。パイプ材110と連結部材111とを連結する固定ピン115、およびパイプ材110と持ち手112とを連結する固定ピン116は、いずれも、棒材120をも貫通しているが、棒材120は、当該貫通部に長孔125および126を設けることで、パイプ材110内におけるスライド移動を可能としている。なお、図示の例では、棒材120もパイプ状であるが、必ずしもパイプ状である必要はない。例えば、中実のロッド部材であって、固定ピン115および116を回避するようにパイプ材110内を湾曲して延在するものを、棒材120として採用してもよい。
棒材120は、先端部121がロック凹部105内に進入可能なサイズとされていて、基端部120aには、ロック解除用のフック部122を備える。
ロック解除用フック部122は、そのステム部123に切ったネジ部において、棒材120の基端部120aにネジ固定されていて、持ち手112の内部に突出している。フック部122のステム部123には、コイルスプリング130が外挿されている。コイルスプリング130は、棒材の基端部120aと、持ち手112内に設けた肩部112aと、の間に圧縮状態で配置されていて、棒材120を図3(a)中下方側へと(すなわち、引手部100の回動をロックする方向へと)付勢している。
各構成部分の機能
図3(a)の状態では、スプリング130のスプリング力によって、棒材120は下方へ向かって付勢され、その結果、棒材の先端部121がロック溝105内に係合している。この状態では、引手部100はカート本体200に対して回動不可である。
持ち手112を持ちながら、スプリング130に抗して、指でフック部122を引き上げると、棒材先端部121がロック凹部105から外れてロックが解除される。この状態においては、引手部100は、回動部材111とともに、カート本体200に対して回動可能となる。
カート本体200に対する引手部100の回動位置を調節して、フック部122を離すと、スプリング130のスプリング力によって、棒材先端部121がいずれかのロック凹部105内に再度入り込み、その位置で引手部100の回動位置がロックされる。図示の例では、放射状に配列された5つのロック凹部105を示しているが、ロック凹部の数は任意であり、適宜変更することが可能である。なお、図3(a)中において鉛直下向きの第6番目のロック凹部105aを設けている。このロック凹部105aに棒材先端部121を係合させると、引手部110は鉛直下方を向いて固定されるが、これは、カートを未使用時に保管する場合に、コンパクトに収納するために利用できる。
第2実施形態(図4)
図4は、本発明の第2実施形態に係る搬送カートにおける、引手部の構造を示すもので、図3に対応している。第2実施形態は、搬送カートの全体的な構成において第1実施形態と同じであるが、引手部500の角度を調節するための具体的な構成が異なる。
(1)引手部の角度調節機構
カート本体側に設けた取付プレート501に、引手部500がピン材503を中心として回動可能に取り付けられている。また、ピン材503を中心とした引手部500の回動面に沿って延在する円弧状のロックフレーム520がカート本体側に固定されている。ロックフレーム520は、その外周縁に沿って複数の係合切欠き521を有している。
引手部500は、ピン材503によってカート本体側に連結された連結部511と、連結部511から上方に延在する直線部分510と、直線部分510に連なった湾曲した持ち手512と、を備えている。
引手部500の直線部分510には、ロックレバー535が回動可能に取り付けられている。ロックレバー535は、ピン材533を介して直線部分510に回動可能に連結されたロックピース530を有していて、ロックピース530の先端には、ロックフレーム520の係合切欠き521と係合する係合部531が形成されている。
ロックピース530は、不図示のコイルスプリングによって、図4(a)中矢印1とは逆方向に付勢されていて、この付勢力によって通常は、ロックピース530がロックフレーム520と係合し、この結果、引手部500はカート本体200に対して回動不可となる。
一方、ロックレバー535を矢印1方向に操作して、ロックピース530とロックフレーム520との係合を解くと、引手部500は、図4(b)矢印2方向に回動可能となる。
カート本体200に対する引手部500の回動位置を調節してロックレバー535を離すと、上記不図示のコイルスプリングのスプリング力によって、ロックピース530がいずれかの係合切欠き521と再度係合し、その位置で引手部500の回動位置がロックされる。図示の例では、ロックフレーム520は等間隔の6つの係合切欠き521を有するが、係合切欠きの数は任意であり、適宜変更することが可能である。
本発明の一実施形態に係るショッピングカートの前方斜視図である。 図1のショッピングカートの後方斜視図である。 図1のショッピングカートにおける引手部の構造を説明する部分破断図である。図3(a)および(b)は、互いに直交した方向から見た図である。 本発明の他の実施形態に係るショッピングカートにおける引手部の構造を説明する要部説明図である。図4(a)および(b)は、互いに直交した方向から見た図である。
符号の説明
10 ショッピングカート
100 引手部
101 軸受プレート
102 円柱状軸受
103 ボルト
105 ロック凹部
109 ボルト
110 パイプ材
111 連結部材
112 持ち手
112a 肩部
113 基部
113a ピン溝
115 固定ピン
116 固定ピン
120 棒材
120a 基端部
121 先端部
122 ロック解除用フック
123 ステム部
125 長孔
126 長孔
130 スプリング
136 ナット
200 カート本体
201 車輪
202 取付プレート
500 引手部
501 取付プレート
503 ピン材
510 直線部分
511 連結部
512 持ち手
520 ロックフレーム
521 係合切欠き
530 ロックピース
531 係合部
533 ピン材
535 ロックレバー

Claims (3)

  1. 底部に走行用の車輪を備えていて、引手部を引いて使用する搬送カートであって、
    車輪の進行方向に対して横方向におけるカート本体と引手部との間隔を変更できるように、引手部がカート本体に対して、角度調節可能に取り付けられていることを特徴とする、搬送カート。

  2. 上記引手部がカート本体側に設けた円柱状軸受を中心として回動することで上記角度調節を行なう請求項1記載の搬送カートであって、
    円柱状軸受は、周囲に放射状に配置した複数のロック凹部を有し、
    引手部は、円柱状軸受に回動可能に取り付けたパイプ材と、当該パイプ材内にスライド可能に収容された棒材と、を備え、
    棒材は、ロック凹部に離脱可能に嵌入する先端部と、ロック解除用フック部を有する基端部と、を有するとともに、スプリング手段によって、先端部がロック凹部内に嵌入する方向に付勢されていて、
    先端部がロック凹部内に嵌入している間は、引手部はカート本体に対して回動不可となるが、ロック解除用フック部を引いて、棒材の先端部をロック凹部から引き抜くことで、引手部はカート本体に対して回動可能となることを特徴とする、搬送カート。
  3. 上記引手部がカート本体側に設けた回動軸を中心として回動することで上記角度調節を行なう請求項1記載の搬送カートであって、
    カート本体側には、回動軸を中心とした引手部の回動面に沿って円弧状のロックフレームが設けられており、ロックフレームの外周縁に沿って複数の係合切欠きが形成されていて、
    引手部は、スプリング手段によって、円弧状フレームの係合切欠きと係合する方向に付勢された、回動可能なロックレバーを備え、
    ロックレバーが係合切欠きと係合している間は、引手部はカート本体に対して回動不可となるが、ロックレバーを引いて、係合切欠きから離脱させることで、引手部はカート本体に対して回動可能となることを特徴とする、搬送カート。
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