JP3830441B2 - 車両の冷暖房構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は乗用車や商用車、バスやトラック等の車両において冷暖房の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の冷暖房構造としては、特許文献1に開示されているように、車内に供給される空気をエンジンの冷却水を使用して加熱可能なヒーター、車内に供給される空気を加熱及び吸熱可能な熱交換器、ヒーター及び熱交換器から車内に供給される空気の温度を変更する温度変更手段とを備えて構成されたものがある。
【0003】
前述のような車両の冷暖房構造において、例えば冬の朝等のように車内の温度が低い状態での暖房時に、ヒーターに加えて熱交換器の加熱を作動させることにより、車内の温度を急速に上昇させるように構成したものがある。
この場合、車内に供給される空気の温度が充分に上昇すると、熱交換器の加熱を停止させて、ヒーターにより車内に供給される空気を加熱するように構成し、熱交換器の加熱を不必要に行わないようにしている。エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサーを備えて、水温センサーで検出されたエンジンの冷却水の温度に基づいて、前述のように熱交換器の加熱が自動的に停止されるように構成している。
【特許文献1】
実開平6−65024号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術に記載の構造によると、水温センサーで検出されたエンジンの冷却水の温度のみに基づいて、熱交換器の加熱が自動的に停止されるように構成しているので、暖房時にヒーターに加えて熱交換器の加熱を作動させて車内に供給される空気の温度を上昇させる場合、車内に供給される空気の温度が充分に上昇していないのに、熱交換器の加熱が自動的に停止されたり、車内に供給される空気の温度が充分に上昇しているのに、熱交換器の加熱が停止されずに行われると言うような状態の生じることが考えられる。
【0005】
本発明は車両の冷暖房構造において、暖房時にヒーターに加えて熱交換器の加熱を作動させて車内に供給される空気の温度を上昇させる場合、車内に供給される空気の温度が充分に上昇すると、熱交換器の加熱が自動的に精度良く停止されるように構成することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
[I]
請求項1の特徴によると、車内に供給される空気をエンジンの冷却水を使用して加熱可能なヒーター、車内に供給される空気を加熱及び吸熱可能な熱交換器を備えて、ヒーター及び熱交換器から車内に供給される空気の温度を変更する温度変更手段を備えた場合、
エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサー、熱交換器からの空気の温度を検出する空気温度センサーを備え、水温センサーで検出されたエンジンの冷却水の温度と、空気温度センサーで検出された熱交換器からの空気の温度とに基づいて、車内に供給される空気の温度を推定し、推定された車内に供給される空気の温度が設定温度よりも高いと、熱交換器の加熱を自動的に停止させる停止手段を備えている。
【0007】
これにより、請求項1の特徴によると、暖房時にヒーターに加えて熱交換器の加熱を作動させて車内に供給される空気の温度を上昇させる場合、水温センサーで検出されたエンジンの冷却水の温度に加えて、空気温度センサーで検出された熱交換器からの空気の温度も考慮に入れて、熱交換器の加熱を自動的に停止させるように構成しているので、水温センサーで検出されたエンジンの冷却水の温度のみに基づいて、熱交換器の加熱を自動的に停止させる構成に比べて、車内に供給される空気の温度が充分に上昇した際に、熱交換器の加熱を自動的に精度良く停止させることができるようになる。
【0008】
[II]
車内に供給される空気を加熱及び吸熱可能な熱交換器を備えた場合、熱交換器からの空気の温度を検出する空気温度センサーを事前に備えることが多い。これにより、冷房時において熱交換器の吸熱を行った場合、空気温度センサーにより熱交換器からの空気の温度を検出することによって、熱交換器からの空気の温度が下がり過ぎると、熱交換器の吸熱を一時停止させることにより、熱交換器への霜の付着を防止している。
【0009】
前述のような状態において、請求項1の特徴によると、既存の部材と言ってよい空気温度センサーを、前項[I]に記載のように熱交換器の加熱を自動的に停止させる為にも使用しているので、空気温度センサーを前項[I]に記載のように熱交換器の加熱を自動的に停止させる為の使用、及び熱交換器への霜の付着の防止の為の使用の両方に兼用することができる。
【0010】
[III]
請求項1の特徴によると、水温センサーで検出されたエンジンの冷却水の温度と、空気温度センサーで検出された熱交換器からの空気の温度とに基づいて、車内に供給される空気の温度を推定し、推定された車内に供給される空気の温度が設定温度よりも高いと、熱交換器の加熱を自動的に停止させるように構成している。
【0011】
このように請求項1の特徴によると、水温センサーで検出されたエンジンの冷却水の温度と、空気温度センサーで検出された熱交換器からの空気の温度とに基づいて、車内に供給される空気の温度を推定し、推定された車内に供給される空気の温度と設定温度とを比較すると言う比較的単純な処理を行っており、前述の処理に使用されるメモリー容量等が比較的小さなものとなっている。
【0012】
[IV]
請求項2(請求項3)の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[I][II][III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
車内に供給される空気をエンジンの冷却水を使用して加熱可能なヒーターは、エンジンにより駆動されるポンプからエンジンの冷却水が供給されるように構成されているので、エンジンの回転数が低くなるとポンプの回転数も低くなって、ヒーターに供給されるエンジンの冷却水の量も少なくなる。これにより、水温センサーで検出されたエンジンの冷却水の温度が高くても、ヒーターに供給されるエンジンの冷却水の量が少なくなれば、ヒーターの加熱性能が低下することが考えられる。
【0013】
請求項2(請求項3)の特徴によると、エンジンの回転数を検出する回転数センサーを備えて、回転数センサーで検出されたエンジンの回転数が低くなると、推定された車内に供給される空気の温度が低温側に修正されるように構成している(設定温度が高温側に修正されるように構成している)。
これにより、請求項2(請求項3)の特徴によれば、暖房時にヒーターに加えて熱交換器の加熱を作動させて車内に供給される空気の温度を上昇させる場合、回転数センサーで検出されたエンジンの回転数が低くなると、推定された車内に供給される空気の温度が低温側に修正(設定温度が高温側に修正)されて、熱交換器の加熱が停止される時期が遅れることになる(ヒーターに加えて熱交換器の加熱を作動させて車内に供給される空気の温度を上昇させる状態が、長く行われる)。
【0014】
従って、請求項2(請求項3)の特徴によると、ヒーターに供給されるエンジンの冷却水の量が少なくなった場合に、熱交換器の加熱が停止される時期が遅れることにより(ヒーターに加えて熱交換器の加熱を作動させて車内に供給される空気の温度を上昇させる状態が、長く行われることにより)、ヒーターの加熱性能が低下する状態を補うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
[1]
図1は乗用車における冷暖房構造の概要を示しており、エンジン1、ラジエター2及び冷却ファン3、ポンプ4が備えられて、エンジン1、ラジエター2及びポンプ4が、流路5,6を介して接続されている。これにより、ポンプ4の作用によって、エンジン1の冷却水(高温)がエンジン1から流路5を通りラジエター2に供給され、エンジン1の冷却水(低温)がラジエター2から流路6を通り、ポンプ4からエンジン1に供給される。
【0016】
図1に示すように、ヒーター7が備えられて、エンジン1とヒーター7とが流路8により接続され、流路6とヒーター7とが流路9により接続されている。これにより、ポンプ4の作用によって、エンジン1の冷却水(高温)が流路8を通りヒーター7に供給され、エンジン1の冷却水(低温)が、ヒーター7から流路9及び流路6を通り、ポンプ4からエンジン1に供給される。
【0017】
図1に示すように、空調ケース10が備えられて、空調ケース10の上手側部分に、車外の空気を空調ケース10に供給する外気導入口11、及び車内の空気を空調ケース10に供給する内気循環口12が備えられている。外気導入口11及び内気循環口12の位置に切換板13が備えられており、外気導入口11を開けて内気循環口12を閉じる外気導入位置、及び外気導入口11を閉じて内気循環口12を開ける内気循環位置に、切換板13が操作される。
【0018】
図1に示すように、空調ケース10において、外気導入口11及び内気循環口12の下手側部分にファン14が備えられ、ファン14の下手側部分に熱交換器15が備えられており、熱交換器15の下手側部分にヒーター7が備えられている。以上の構造により、外気導入口11又は内気循環口12からの空気が、ファン14の作用により、熱交換器15からヒーター7を通り車内に供給される。
【0019】
図1に示すように、コンプレッサー16、コンデンサー17及び切換弁18が備えられており、熱交換器15、コンプレッサー16、コンデンサー17及び切換弁18が、流路19,20,21,22,23により接続されている。
熱交換器15の加熱を行う場合、流路20,23を接続し流路20,21を遮断する加熱位置に切換弁18を操作する。これにより、コンプレッサー16で圧縮された熱媒が、流路20、切換弁18、流路23,22を通り熱交換器15に供給されて、ファン14からの空気が熱交換器15により加熱されるのであり、熱媒が熱交換器15から流路19を通りコンプレッサー16に供給される。
【0020】
図1に示すように、熱交換器15の吸熱を行う場合、流路20,21を接続し流路20,23を遮断する吸熱位置に切換弁18を操作する。これにより、コンプレッサー16で圧縮された熱媒が、流路20、切換弁18及び流路21を通りコンデンサー17に供給されて冷却され、コンデンサーからの熱媒が流路22を通り熱交換器15に供給されて、ファン14からの空気が熱交換器15により吸熱されるのであり、熱媒が熱交換器15から流路19を通りコンプレッサー16に供給される。
これにより、熱交換器15の加熱及び吸熱を同時に作動させることは不可能であり、熱交換器15の加熱を作動させた状態(熱交換器15の吸熱を停止させた状態)、熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)、及び熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態の3つの状態が設定可能である。
【0021】
図1に示すように、ヒーター7の上手側部分に、角度変更自在なダンパー24が備えられている。これにより、熱交換器15の加熱又は吸熱を作動させた状態や、熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態で、ダンパー24の角度を変更して、熱交換器15からの空気のうちヒーター7に供給される空気を量を変更することにより(熱交換器15からの空気が全てヒーター7に供給される第1角度、熱交換器15からの空気が全くヒーター7に供給されずに通過する第2角度、第1及び第2角度の間の中間角度)、車内に供給される空気の温度を制御することができる。
【0022】
[2]
図2に示すように、インストルメントパネル25の上部に上部吹き出し口26が備えられて、運転席及び助手席に着座した乗員の足元付近に下部吹き出し口27が備えられており、フロントガラス29の内面下部の近傍に前部吹き出し口28が備えられている。車内に供給される空気が空調ケース10から選択機構30を介して、上部吹き出し口26、下部吹き出し口27及び前部吹き出し口28に供給される。
【0023】
選択機構30に対して、車内に供給される空気を上部吹き出し口26から車内に供給する上部供給モード、下部吹き出し口27から車内に供給する下部供給モード、前部吹き出し口28から車内に供給するデフロスタ供給モード、上部及び下部吹き出し口26,27から車内に供給する上部及び下部供給モード、下部及び前部吹き出し口27,28から車内に供給する下部及びデフロスタ供給モードが設定されている。
【0024】
図2に示すようにインストルメントパネル25のセンタークラスタ(図示せず)に、オートスイッチ31、オフスイッチ32、温度設定スイッチ33、外気導入スイッチ34、内気循環スイッチ35、デフロスタスイッチ36、吹き出し口設定スイッチ37、風量設定スイッチ38、エアコンスイッチ39が備えられ、これらを乗員が操作するのであり、これらからの信号が制御装置40に入力される。制御装置40は後述する[3]〜[6]に記載のように選択機構30、切換板13、ダンパー24、コンプレッサー16、切換弁18、ファン14を駆動するモーター41を操作する。
【0025】
図1及び図2に示すように、車外の空気の温度を検出する外気温度センサー42、エンジン1の冷却水の温度を検出する水温センサー43、熱交換器15からの空気の温度を検出する空気温度センサー44、車内の温度を検出する車内温度センサー45、及びエンジン1の回転数を検出する回転数センサー46が備えられており、これらからの信号が制御装置40に入力される。
【0026】
[3]
次に、オートスイッチ31をON操作したフルオートモードでの制御の流れの前半について、図5及び図6に基づいて説明する。
オートスイッチ31をON操作すると(ステップS1)、フルオートモードが設定されて(ステップS2)、ファン14が駆動される(ステップS3)。デフロスタスイッチ36をON操作すると(ステップS4)、ファン14が駆動される(ステップS3)。
【0027】
フルオートモードとは、後述するようにファン14の駆動(ステップS3)、外気導入モード又は内気循環モードの自動設定(ステップS10)、車内に供給される空気の温度の自動設定(ステップS15)、ファン14の回転数の自動設定(ステップS16)、ダンパー24の角度の自動設定(ステップS17)、上部供給モード、上部及び下部供給モード、下部供給モードのうちのいずれか一つの自動設定(ステップS18)、熱交換器15の加熱を作動させた状態(熱交換器15の吸熱を停止させた状態)、熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)、及び熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態の3つの状態の自動設定(ステップS28,S29,S30,S31)等が行われる状態である。
【0028】
外気温度センサー42により車外の空気の温度が検出され(ステップS9)、車外の空気の温度に基づいて外気導入モード(切換板13が外気導入口11を開けて内気循環口12を閉じる外気導入位置に操作される状態)、又は内気循環モード(切換板13が外気導入口11を閉じて内気循環口12を開ける内気循環位置に操作される状態)が自動的に設定される(ステップS10)。
【0029】
ステップS10において図4の実線に示すように、車外の空気の温度が第1温度T1(例えば30℃)よりも低い状態では、外気導入モードが自動的に設定され、車外の空気の温度が低い状態から第1温度T1よりも高い状態になると、内気循環モードが自動的に設定される。前述のように内気循環モードが自動的に設定されると、図4の一点鎖線に示すように、車外の空気の温度が第1温度T1よりも低い状態になっても内気循環モードが維持され、車外の空気の温度が第2温度T2(第1温度T1よりも低い)よりも低い状態になると、外気導入モードが自動的に設定される。これにより、第1及び第2温度T1,T2の付近で外気導入モート及び内気循環モードが頻繁に繰り返されて設定されるような状態を避けることができる。
【0030】
温度設定スイッチ33(乗員が温度設定スイッチ33を操作して所望の設定温度を設定する)の信号(ステップS13)、車内温度センサー45の信号(車内の温度)(ステップS14)が制御装置40に入力される。
これにより、温度設定スイッチ33で設定された設定温度、外気温度センサー42で検出された車外の空気の温度、車内温度センサー45で検出された車内の温度、外気導入モード又は内気循環モード等に基づいて、車内に供給される空気の温度が自動的に設定される(ステップS15)。車内に供給される空気の温度に基づいて、ファン14の回転数が自動的に設定され(ステップS16)、ダンパー24の角度が自動的に設定されるのであり(ステップS17)、上部供給モード、上部及び下部供給モード、下部供給モードのうちのいずれか一つが自動的に設定される(ステップS18)。
【0031】
[4]
次に、オートスイッチ31をON操作したフルオートモードでの制御の流れの後半について、図6に基づいて説明する。
図3に示すように、熱交換器15の加熱を作動させた状態(熱交換器15の吸熱を停止させた状態)、熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)、及び熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態の3つの状態が、どのような条件で設定されるかが設定されている。
【0032】
前項[1]に記載のように、熱交換器15の加熱を作動させた状態(熱交換器15の吸熱を停止させた状態)とは、図1に示す流路20,23を接続し流路20,21を遮断する加熱位置に切換弁18を操作し、コンプレッサー16を作動させた状態であり、熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)とは、図1に示す流路20,21を接続し流路20,23を遮断する吸熱位置に切換弁18を操作し、コンプレッサー16を作動させた状態である。熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態とは、図1に示すコンプレッサー16を停止させた状態である。
【0033】
図3に示すように、外気温度センサー42で検出された車外の空気の温度として、設定温度(例えば10℃)、及び設定温度よりも低い低温側設定温度(例えば0℃)が設定されている。
内気循環モードでは、車外の空気の温度、上部供給モード、上部及び下部供給モード、下部供給モード、下部及びデフロスタ供給モード、デフロスタ供給モードに関係なく、熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)が設定される。
【0034】
図3に示すように、外気導入モードで車外の空気の温度が低温側設定温度以下の状態では、上部供給モード、上部及び下部供給モード、下部供給モード、下部及びデフロスタ供給モード、デフロスタ供給モードに関係なく、熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態(又は熱交換器15の加熱を作動させた状態(熱交換器15の吸熱を停止させた状態))が設定される。
【0035】
図3に示すように、外気導入モードで車外の空気の温度が低温側設定温度から設定温度の間の状態では、上部供給モード、上部及び下部供給モード、デフロスタ供給モードにおいて、熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)が設定される。下部供給モード、下部及びデフロスタ供給モードにおいて、熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態(又は熱交換器15の加熱を作動させた状態(熱交換器15の吸熱を停止させた状態))が設定される。
【0036】
図3に示すように、外気導入モードで車外の空気の温度が設定温度以上の状態では、上部供給モード、上部及び下部供給モード、下部供給モード、下部及びデフロスタ供給モード、デフロスタ供給モードに関係なく、熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)が設定される。前述のような熱交換器15の加熱を作動させた状態(熱交換器15の吸熱を停止させた状態)は、ステップS17において熱交換器15からの空気が全てヒーター7に供給される第1角度に、ダンパー24の角度が設定された場合に設定される。
【0037】
これにより、内気循環モードが設定されていると(ステップS26)、熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)が設定される(ステップS28)。外気導入モードが設定されていると、図3に基づいて(ステップS26,S27)、熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)(ステップS28)、又は熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態が設定されるのであり(ステップS29,S30)、熱交換器15からの空気が全てヒーター7に供給される第1角度にダンパー24の角度が設定されていると(ステップS29)、熱交換器15の加熱を作動させた状態(熱交換器15の吸熱を停止させた状態)が設定される(ステップS31)。
【0038】
以上のようにオートスイッチ31をON操作したフルオートモードにおいて、前項[3][4]に記載のように車内に供給される空気の温度が自動的に制御される。この場合、デフロスタスイッチ36がON操作された状態では(ステップS4,S21)、デフロスタ供給モードが設定されて(ステップS22)、ステップS26〜S31に移行する。
【0039】
[5]
次に、前項[3][4]に記載のようにオートスイッチ31をON操作したフルオートモードにおいて部分的なマニュアルモードについて図5及び図6に基づいて説明する。
フルオートモードにおいて、図2に示すオフスイッチ32を操作すると(ステップS5)、ファン14が停止されて(ステップS32)、ステップS30に移行して熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態が設定される。図2に示すエアコンスイッチ39をOFF操作すると(ステップS6)、ステップS30に移行して熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態が設定される。
【0040】
図2に示す外気導入スイッチ34をON操作すると(ステップS7)、外気導入モードが設定され(ステップS11)、内気循環スイッチ35をON操作すると(ステップS8)、内気循環モードが設定される(ステップS12)。図2に示す吹き出し口設定スイッチ37を操作することにより(ステップS19)、上部供給モード、上部及び下部供給モード、下部供給モード、下部及びデフロスタ供給モードのうちのいずれか一つを設定することができる(ステップS20)。図2に示す風量設定スイッチ38を操作することにより(ステップS23)、ファン14の回転数を所望の回転数に設定することができる(ステップS24)。図2に示すエアコンスイッチ39をOFF操作することにより(ステップS25)、ステップS30に移行して熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態が設定される。
【0041】
前述のような部分的なマニュアルモードの場合、部分的なマニュアルモードの操作を行った部分だけにおいて前述の操作が行われるのであり、これ以外の部分はフルオートモードの状態を維持する。前述のような部分的なマニュアルモードの操作を行った後、オートスイッチ31をもう一度ON操作すれば、全ての部分がフルオートモードの状態に戻る(ステップS1,S2)。
【0042】
オートスイッチ31をOFF操作し、デフロスタスイッチ36をOFF操作すると、マニュアルモードとなる。マニュアルモードにおいては乗員が図2に示す温度設定スイッチ33を操作することにより、ダンパー24の角度を任意に設定して、外気導入スイッチ34又は内気循環スイッチ35のON操作、吹き出し口設定スイッチ37の操作及び風量設定スイッチ38の操作(風量設定スイッチ38を操作するとファン14が駆動される)、エアコンスイッチ39のON及びOFF操作を行う。
【0043】
この場合、エアコンスイッチ39をON操作すると、熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)が設定される。エアコンスイッチ39をOFF操作すると、熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態が設定されるのであり、熱交換器15からの空気が全てヒーター7に供給される第1角度にダンパー24の角度が設定されると、熱交換器15の加熱を作動させた状態(熱交換器15の吸熱を停止させた状態)が設定される。
【0044】
[6]
次に、前項[3][4]に記載のフルオートモード及び前項[5]に記載のマニュアルモードにおいて、熱交換器15の加熱を作動させた状態(熱交換器15の吸熱を停止させた状態)、及び熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)の自動的な停止の制御の流れについて、図6及び図7に基づいて説明する。
【0045】
熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)が設定された状態において(ステップS28)、熱交換器15からの空気の温度を検出する空気温度センサー44からの信号が、制御装置40に入力されている(ステップS33)。
【0046】
これにより、熱交換器15からの空気の温度が設定温度よりも高いと(ステップS34)、熱交換器15の吸熱を作動させた状態(熱交換器15の加熱を停止させた状態)がそのまま設定されるのであり、熱交換器15からの空気の温度が設定温度よりも低くなると(ステップS34)、熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態が設定される(ステップS35)。従って、熱交換器15からの空気の温度が低くなり過ぎることによる熱交換器15への霜の付着が防止される。
【0047】
熱交換器15の加熱を作動させた状態(熱交換器15の吸熱を停止させた状態)が設定された状態において(ステップS31)、エンジン1の冷却水の温度を検出する水温センサー43、熱交換器15からの空気の温度を検出する空気温度センサー44、エンジン1の回転数を検出する回転数センサー46からの信号が制御装置40に入力されている(ステップS36,S37,S38)。
【0048】
これにより、車内に供給される空気の温度(実際の温度TB)が、下記の演算式に基づいて推定される(ステップS39)。
TB=A1×TE+A2×TN+A3×R1+A4
TE:エンジン1の冷却水の温度
TN:熱交換器15からの空気の温度
R1:エンジン1の回転数
A1,A2,A3,A4:定数
【0049】
従って、車内に供給される空気の温度(実際の温度TB)が設定温度よりも低いと(ステップS40)、熱交換器15の加熱を作動させた状態(熱交換器15の吸熱を停止させた状態)がそのまま設定されるのであり、車内に供給される空気の温度(実際の温度TB)が設定温度よりも高くなると(ステップS40)、熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態が設定される(ステップS35)。
【0050】
この場合、エンジン1の回転数に応じて定数のA1,A2,A3,A4が変更されるように構成されており、エンジン1の回転数が低くなると定数のA1,A2,A3,A4が変更されて、エンジン1の回転数が高い状態に比べて、車内に供給される空気の温度(実際の温度TB)が低い値となる(低温側に修正される)。従って、エンジン1の冷却水の温度及び熱交換器15からの空気の温度が同じであっても、エンジン1の回転数が低くなると、車内に供給される空気の温度(実際の温度TB)が低い値となって、熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態が設定され難くなる(ステップS40からステップS35に移行し難くなる)。
【0051】
[発明の実施の別形態]
前述の[発明の実施の形態]の[6]において、エンジン1の回転数に応じて定数のA1,A2,A3,A4を変更するのではなく、エンジン1の回転数が低くなると、図7のステップS40の設定温度が高温側に修正されるように構成してもよい。これにより、エンジン1の冷却水の温度及び熱交換器15からの空気の温度が同じであっても、エンジン1の回転数が低くなると、図7のステップS40の設定温度が高温側に修正されるので、熱交換器15の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態が設定され難くなる(ステップS40からステップS35に移行し難くなる)。
前述の[発明の実施の形態]の[6]において車内に供給される空気の温度を推定する演算式は、前述の[発明の実施の形態]の[6]に記載のような1次式ばかりではなく、2次式や3次式等の各種の演算式が車両の車種等により設定されることが考えられる。
【0052】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、車両の冷暖房構造において暖房時にヒーターに加えて熱交換器の加熱を作動させて車内に供給される空気の温度を上昇させる場合、車内に供給される空気の温度が充分に上昇すると、熱交換器の加熱が自動的に精度良く停止されるように構成することができた。これにより、車内に供給される空気の温度が充分に上昇していないのに、熱交換器の加熱が自動的に停止されることによる暖房性能の低下や、車内に供給される空気の温度が充分に上昇しているのに、熱交換器の加熱が停止されずに行われることによる動力の無駄な消費を避けることができるようになった。
【0053】
請求項1の特徴によると、既存の部材と言ってよい空気温度センサーを、熱交換器の加熱を自動的に停止させる為にも使用しており、空気温度センサーを熱交換器の加熱を自動的に停止させる為の使用、及び熱交換器への霜の付着の防止の為の使用の両方に兼用することができるようになって、生産コストの低減の面で有利なものとなった。
【0054】
請求項1の特徴によると、水温センサーで検出されたエンジンの冷却水の温度と、空気温度センサーで検出された熱交換器からの空気の温度とに基づいて、車内に供給される空気の温度を推定し、推定された車内に供給される空気の温度と設定温度とを比較すると言う比較的単純な処理を行っており、前述の処理に使用されるメモリー容量等が比較的小さなものでよいので、生産コストの低減の面で有利なものとなった。
【0055】
請求項2(請求項3)の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項2の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項2(請求項3)の特徴によると、暖房時にヒーターに加えて熱交換器の加熱を作動させて車内に供給される空気の温度を上昇させる場合、回転数センサーで検出されたエンジンの回転数が低くなると、推定された車内に供給される空気の温度が低温側に修正(設定温度が高温側に修正)されるように構成することにより、ヒーターの加熱性能が低下する状態を補うことができるようになって、暖房性能を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 冷暖房構造の概要を示す図
【図2】 制御装置と各部との連係の概要を示す図
【図3】 熱交換器の加熱を作動させた状態(熱交換器の吸熱を停止させた状態)、熱交換器の吸熱を作動させた状態(熱交換器の加熱を停止させた状態)、及び熱交換器の加熱及び吸熱の両方を停止させた状態の3つの状態が、どのような条件で設定されるを示す図
【図4】 車外の空気の温度に基づいて外気導入モード及び内気循環モードが設定される状態を示す図
【図5】 フルオートモード及びマニュアルモードの制御の流れの前半を示す図
【図6】 フルオートモード及びマニュアルモードの制御の流れの後半を示す図
【図7】 フルオートモード及びマニュアルモードにおいて、熱交換器の加熱を作動させた状態(熱交換器の吸熱を停止させた状態)及び熱交換器の吸熱を作動させた状態(熱交換器の加熱を停止させた状態)の自動的な停止の制御の流れを示す図
【符号の説明】
1 エンジン
7 ヒーター
15 熱交換器
43 水温センサー
44 空気温度センサー
46 回転数センサー
Claims (3)
- 車内に供給される空気をエンジンの冷却水を使用して加熱可能なヒーターと、車内に供給される空気を加熱及び吸熱可能な熱交換器とを備えて、
前記ヒーター及び熱交換器から車内に供給される空気の温度を変更する温度変更手段を備えると共に、
エンジンの冷却水の温度を検出する水温センサーと、前記熱交換器からの空気の温度を検出する空気温度センサーとを備え、
前記水温センサーで検出されたエンジンの冷却水の温度と、前記空気温度センサーで検出された熱交換器からの空気の温度とに基づいて、車内に供給される空気の温度を推定し、推定された車内に供給される空気の温度が設定温度よりも高いと、前記熱交換器の加熱を自動的に停止させる停止手段を備えてある車両の冷暖房構造。 - エンジンの回転数を検出する回転数センサーを備えて、前記回転数センサーで検出されたエンジンの回転数が低くなると、前記推定された車内に供給される空気の温度が低温側に修正されるように、前記停止手段を構成してある請求項1に記載の車両の冷暖房構造。
- エンジンの回転数を検出する回転数センサーを備えて、前記回転数センサーで検出されたエンジンの回転数が低くなると、前記設定温度が高温側に修正されるように、前記停止手段を構成してある請求項1に記載の車両の冷暖房構造。
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