JP3830421B2 - 自己穿孔型リベットによるアルミニウム又はアルミニウム合金材の接合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出形材、圧延板及び鋳物材等のアルミニウム又はアルミニウム合金材(以下、総称してアルミニウム合金材という)を、自己穿孔型リベットを使用して接合する方法に関し、特に接合部に割れ欠陥が発生せず、接合部の強度が優れていると共にその外観が良好であるアルミニウム又はアルミニウム合金材の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭電化製品の筐体並びに自動車、鉄道及び船舶等の輸送機等は、アルミニウム合金材料の押出形材、圧延板又は鋳物材により製作されており、これら材料の接合には、抵抗スポット溶接に替わる技術として、本願発明者等は、自己穿孔型リベットにより接合するメカニカルファスナ方式による接合方法を提案した(社団法日本機械学会「第4回機械材料・材料加工技術講演会講演論文集」1996年11月1日発行)。そして、本発明者等は更に、特開平11−33664号公報に下記技術を提案した(以下、先行技術1という)。先ず、自己穿孔型リベットによりアルミニウム合金材を接合する方法として、図3に示すような打込み前における概略縦断面図の自己穿孔型リベット1を、図4に示すように、接合すべく重ねられたアルミニウム合金板2とアルミニウム合金板3との重ね体4に対して、その上面から下方向にポンチ6で打ち込む。図4中の自己穿孔型リベット101は、図3の自己穿孔型リベット1が重ね体4に打ち込まれて、その接合機能が発揮されている状態のものであり、図4はアルミニウム合金板2とアルミニウム合金板3とが自己穿孔型リベット101により接合された接合部の概略縦断面図の例である。
【0003】
上記において、先行技術1における自己穿孔型リベット1は、例えば軟鋼製であり、その打込み前の形状は、リベット頭部1aとリベット軸部1bとで構成されている。リベット頭部1aの形状は、頂面が平らであって逆円錐台形を呈し、一方、リベット軸部1bの形状は、その中心部が下端面から円柱状部がくり抜かれて円筒形状を呈している。そして、接合すべきアルミニウム合金板2とアルミニウム合金板3との重ね体4の下面にダイ5を配設しておき、重ね体4の上方からポンチ6によって自己穿孔型リベット1を打ち込み、ダイ5により自己穿孔型リベット1の軸部101bが、ダイ5の底部中心部に設けられた上向き突起部5aにより押し拡げられて拡開し、自己穿孔型リベット101はアルミニウム合金板2とアルミニウム合金板3とを係止する。この際、ダイ5側のアルミニウム合金板3はリベット1の打込み及び拡開に伴って塑性流動し、軸部101bの拡開につれてダイ5の内部に拡げられる。この自己穿孔型リベット1により接合された接合部は、その静的強度は抵抗スポット溶接による接合部と同等の強度を有している。
【0004】
先行技術1においては、被接合材であるアルミニウム合金材の成分系としてJIS6000系アルミニウム合金を使用し、そのアルミニウム合金材からなる被接合材を重ね、これを自己穿孔型リベットにより接合する。その際、自己穿孔型リベットが打ち込まれることに伴い、被接合材の特定部位において厳しい塑性流動を引き起こされ、その結果、当該部位に微細な割れが発生する。ここで、微細な割れ発生部位として、接合部のダイ側に向いた面部位を指摘しており、これは図4における符号3mで示した面部位に相当する。このような微細割れが発生している接合体が構造体として使用された場合、動的荷重の繰返し負荷による疲労荷重の環境下においては、その微細割れが亀裂に進展し、疲労寿命を短縮させることに着眼している。そして、上記微細な割れ発生を防止するために、自己穿孔型リベットの打込み前に被接合材に適切な熱処理を施してこれを軟化させると共に、自己穿孔型リベットの打込み後に、微細割れが発生し易い部位に適切な高強度化熱処理を施す。このようにして、接合体の特定部位における疲労寿命の劣化を改善している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先行技術1の方法により、自己穿孔型リベットを使用してアルミニウム合金材を接合しても、ある種類のアルミニウム合金材、例えばSi:1質量%、Cu:0.5質量%、Mn:0.5質量%及びMg:0.6質量%を含むような高強度6000系合金材、又は伸びの低いアルミニウム合金材等を接合した場合には、図5に示すように、ダイ側の凸部分7に割れ欠陥8が発生する(図4参照)ことがある。自己穿孔型リベットが打ち込まれ、その軸部が拡開したときに、塑性流動変形の大きい、被接合材の接合部ダイ側の凸部分7にこのような割れ欠陥8が存在すると、接合部の強度特性が損なわれるのは勿論のこと、接合部の外観、更にその気密性が損なわれるので好ましくない。また、この割れ欠陥のようなマクロ的な割れではなく、ミクロ的な微細な割れが発生したときには、疲労強度を劣化させる。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、アルミニウム又は種々の成分組成のアルミニウム合金材についてその接合部に割れ欠陥が発生しないように自己穿孔型リベットにより接合することができ、従来広く行われている抵抗スポット溶接に替わり得る接合技術として、接合部の接合強度が優れ、外観が良好である自己穿孔型リベットによるアルミニウム合金材の接合方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自己穿孔型リベットによるアルミニウム又はアルミニウム合金材の接合方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる複数の被接合材を重ね、その被接合部の背面に、耐力が150MPa以上、伸びが20%以上である裏当材を重ね、更にその背後にダイを配置した後、前記被接合材の表面に自己穿孔型リベットを打ち込み、前記ダイ側の前記被接合材の凸部を前記裏当材により保持することにより前記リベットが前記ダイ側の被接合材内に留まっていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る自己穿孔型リベットによるアルミニウム合金材の接合方法において、前記ダイは底面及び側面を有する箱形をなし、前記リベットはその先端が筒状をなし、前記ダイの底面には、前記リベットの筒内部に整合する位置に凸部が設けられていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付の図面を参照して説明する。図1及び2は、本発明に係る自己穿孔型リベットによるアルミニウム合金材の接合方法を示す図であって、図1は自己穿孔型リベットを被接合材に打ち込む前の状態を示し、そして図2はそれを被接合材に打ち込んだ後の状態を示すものである。
【0010】
図1に示すように、先ず、アルミニウム合金材201とアルミニウム合金材301とをクランプ方式等適切な手段により両者を重ね、予備締めを行って重ね体4に形成し、重ね体4を水平に保持する。そして、所定の金属製裏当材9を、重ね体4の下面に対する裏当材として配置する。一方、重ね体4の下面側にこの金属製裏当材9を介して所定のダイ5を配設する。このダイ5は底面及び側面を有する箱形をなしており、その内部底面中心部には、上向き突起部5aが形成されているものが好ましい。ここで、裏当材9を配置する方法は、例えばダイ5の上端面部に裏当材9を設置してもよいし、又は重ね体4の下面側に予め張り合わせておいてもよい。他方、重ね体4の上表面側には、この上表面に接して自己穿孔型リベット1の軸部1bを鉛直に立脚させ、この自己穿孔型リベットの頭部1aの頂面に接してポンチ6を配設する。ここで、ダイ5と自己穿孔型リベット1との配設位置関係を、それぞれの鉛直方向軸心どうしが一致するように調整する。次いで、ポンチ6に所定の加締め圧力を与えて、自己穿孔型リベット1を重ね体4に対して鉛直下向きに打ち込むと、自己穿孔型リベット1はその軸部1bから重ね体4の内部に進入して、アルミニウム合金材201とアルミニウム合金材301とを加締めて接合する。
【0011】
図2に、自己穿孔型リベット101によりアルミニウム合金材201とアルミニウム合金材301とが加締められて形成された接合体を示す。自己穿孔型リベット101が重ね体4の内部に打ち込まれるにつれて、図1に示した軸部1bが、ダイ5の底部中心部に設けられた上向き突起部5aにより押し拡げられて拡開し、自己穿孔型リベット101がアルミニウム合金材201とアルミニウム合金材301とを接合する。この際、ダイ5側のアルミニウム合金材301も自己穿孔型リベット101の軸部101bの拡開に伴って塑性流動してダイ5の内部に拡がる。この加締め・接合過程において裏当材9は常に、ダイ5側の被接合材であるアルミニウム合金材301を下側から保持しているので、接合時に最も厳しい成形条件下にあるアルミニウム合金材301のダイ側凸部7が、裏当材9によって保持されるので、この成形上厳しい部位であるアルミニウム合金材301のダイ側凸部7が強制的に大きく伸ばされずに済む、即ち伸びが緩和される。その結果、アルミニウム合金材301のダイ側凸部7には、図5に符号8で示したような割れ欠陥が発生することを防止することができる。
【0012】
本発明では、上記裏当材9として、耐力が150MPa以上であって、伸びが20%以上の機械的性質を有するものに限定する。ここで、耐力は0.2%永久伸び発生時における応力とする。裏当材9として耐力が150MPa以上の材料に限定する理由は、これ未満の耐力の材料を裏当材9に使用した場合には、被接合材を接合した時に、加締め・接合過程における相対的に小さな応力により裏当材9が過剰に変形してしまうので、被接合材のうちアルミニウム合金材301のダイ側凸部7が大きく伸ばされるのを効果的に緩和させることができない。その結果、この部位における割れ欠陥の発生を抑制することができないからである。更に、裏当材9として伸びを20%以上のものに限定する理由は、これ未満の伸びの材料を裏当材9に使用した場合には、被接合材の加締め過程において相対的に大きな応力が加わると、裏当材9自身が十分に変形する以前に破断してしまうので、被接合材の内アルミニウム合金材301のダイ側凸部7を裏当材9により保持することが全くできなくなる。その結果、やはりこの部位における割れ欠陥の発生を抑制することができないからである。
【0013】
本発明において使用する金属製裏当材9の板厚については、ダイ5側アルミニウム合金材301の厚さ(図1中、tで示す)、自己穿孔型リベット1の外径(同図中、Drで示す)及び全長(同図中、Lで示す)、並びにダイ5の内径(図1中、Ddで示す)及び深さ(図1中、dで示す)に応じて適切に選定することにより、自己穿孔型リベット1は、この軸部1bが重ね体4に打ち込まれたときに適度に押し拡げられて、好ましい接合機能を発揮する。自己穿孔型リベット1が重ね体4に打ち込まれたときに、これが接合機能を発揮するためには、図2からわかるように、ダイ5の内部に裏当材9、ダイ5側アルミニウム合金材301及び自己穿孔型リベット101の各一部が陥入することが必要条件である。従って、裏当材9が過度に厚い場合には、この裏当材9がダイ5の入口近傍を塞いでしまうので、自己穿孔型リベット1の軸部1bがダイ5の内部で全く押し拡げられなくなり、その接合機能が発揮されない。自己穿孔型リベット1が好ましい接合機能を発揮するのは、上記必要条件を満たし、しかも、例えば板厚2mmのアルミニウム合金材を2枚重ねて接合する場合に適切な裏当材9の板厚は、このとき使用される自己穿孔型リベット1の外径及び全長並びにダイ5の内径及び深さが適切に設定されている場合に、0.3〜1.3mmの範囲内にあるときである。
【0014】
上述した方法により形成された自己穿孔型リベットによるアルミニウム合金材の接合体は、被接合材が高強度6000系合金材又は伸びの低いアルミニウム合金材等であるために、接合時に割れが発生しやすい部位、即ち接合部の自己穿孔型リベットを打ち込むときにダイに面した側の被接合材の成形加工条件が通常厳しい部位に、割れ欠陥が発生することなく、接合部の強度が優れていると共にその外観が良好である。
【0015】
上記における本発明に係る自己穿孔型リベットによるアルミニウム合金材の接合方法の実施形態の説明においては、被接合材を2枚のアルミニウム合金材として扱ったが、本発明では被接合材はアルミニウム合金材2枚に制限されることなく、被接合材が複数のアルミニウム合金材の場合に対しても、上述した本発明の実施形態についての説明は準用される。
【0016】
【実施例】
次に、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。実施例においては、被接合材として、アルミニウム圧延材6N01−T5、アルミニウム押出形材6063−T5、及びアルミニウム鋳物材AC4CH−T5のうちから1種を選定した。これら各材の引張強度、耐力及び伸びを表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
表1に示した各被接合材から厚さが2.0mmの板状試験片を切り出し、同一材料の板状試験片を2枚重ね、これに厚さが0.6mmで所定の機械的性質を有する裏当材を配置し、所定の自己穿孔型リベットを打ち込んで2枚の被接合材を接合した。ここで使用した自己穿孔型リベットの打込み装置は、HEROB社製のSelf pierce riveting system(自己穿孔型リベット装置)であり、リベットとして全長が6.5mm、外径が5.5mmの軟鋼製の自己穿孔型リベットを使用し、プリクランプ圧を8MPa、カシメ圧を18MPaに設定し、外径が11mm、深さが2.0mmのダイを使用して被接合材を接合した。その際、裏当材として、板厚0.6mmのチタン合金板(Ti−6Al−4V系合金)、ステンレス鋼板(SUS 304)、軟鋼板(SPCC)及びアルミニウム合金板(A 3004 P)のいずれかを使用し、全ての裏当材の場合について接合試験をした。
【0019】
一方、比較例においては、実施例の試験条件のうち、裏当材の耐力及び伸びのうち少なくとも一方が本発明の範囲外のものを使用したか、又は裏当材を使用しなかったかのいずれか以外は、実施例における試験条件と同じ条件で試験した。
【0020】
以下、被接合材の種類毎に、試験結果を説明する。試験結果の評価は、実施例及び比較例の各接合試験において得られたアルミニウム合金材の接合体について、ダイ側の被接合材の凸部に生じた割れの有無を目視で判定し、割れが認められなかったものを○印で表記し、そして割れが認められたものを×印で表記した。
【0021】
(1)被接合材がアルミニウム合金圧延材6N01−T5の場合
被接合材は、アルミニウム合金圧延材6N01にJISのT5熱処理を施したものである。T5熱処理は、170〜200℃に10分〜10時間加熱する処理であり、高温加工し冷却した後の人工時効硬化処理方法であり、積極的に冷間加工をしないで人工時効硬化処理したものであるから、被接合材は自己穿孔型リベットを打ち込まれて塑性流動の冷間加工を受けてもその効果は小さい。この場合の試験結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
上記表2に示すように、実施例No.1乃至5においては、接合体の接合部に割れ欠陥が発生することなく、接合部の外観が良好な接合体が得られた。
【0024】
これに対して、表2に示すように、比較例No.6においては、裏当材であるアルミニウム合金板のA 3004 Pの伸びが本発明の下限値未満であり、比較例No.7においては、裏当材であるアルミニウム合金板のA 3004 Pの耐力が本発明の下限値未満であり、比較例No.8においては、裏当材であるアルミニウム合金板のA 3004 Pの耐力及び伸びが本発明の下限値未満であり、そして比較例No.9においては、裏当材を使用しなかったので、いずれにおいても接合体の接合部に割れ欠陥が発生し、接合部の外観が良好な接合体は得られなかった。
【0025】
(2)被接合材がアルミニウム合金押出形材6063−T5の場合
被接合材は、アルミニウム合金押出形材6063にJISのT5熱処理を施したものである。T5熱処理は、170〜200℃に10分〜10時間加熱する処理であり、高温加工し冷却した後の人工時効硬化処理方法であり、積極的に冷間加工をしないで人工時効硬化処理したものであるから、被接合材は自己穿孔型リベットを打ち込まれて塑性流動の冷間加工を受けてもその効果は小さい。この場合の試験結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】
上記表3に示すように、実施例No.10乃至14においては、接合体の接合部に割れ欠陥が発生することなく、接合部の外観が良好な接合体が得られた。
【0028】
これに対して、表3に示すように、比較例No.15においては、裏当材であるアルミニウム合金板のA 3004 Pの伸びが本発明の下限値未満であり、比較例No.16においては、裏当材であるアルミニウム合金板のA 3004Pの耐力が本発明の下限値未満であり、比較例No.17においては、裏当材であるアルミニウム合金板のA 3004 Pの耐力及び伸びが本発明の下限値未満であり、そして比較例No.18においては、裏当材を使用しなかったので、いずれにおいても接合体の接合部に割れ欠陥が発生し、接合部の外観が良好な接合体は得られなかった。
【0029】
(3)被接合材がアルミニウム合金鋳物材AC4CH−T5の場合
被接合材は、アルミニウム合金鋳物材AC4CHにJISのT5熱処理を施したものである。T5熱処理は、170〜200℃に10分〜10時間加熱する処理であり、高温加工し冷却した後の人工時効硬化処理方法であり、積極的に冷間加工をしないで人工時効硬化処理したものであるから、被接合材は自己穿孔型リベットを打ち込まれて塑性流動の冷間加工を受けてもその効果は小さい。この場合の試験結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】
上記表4に示すように、実施例No.19乃至23においては、接合体の接合部に割れ欠陥が発生することなく、接合部の外観が良好な接合体が得られた。
【0032】
これに対して、表4に示すように、比較例No.24においては、裏当材であるアルミニウム合金板のA 3004 Pの伸びが本発明の下限値未満であり、比較例No.25においては、裏当材であるアルミニウム合金板のA 3004Pの耐力が本発明の下限値未満であり、比較例No.26においては、裏当材であるアルミニウム合金板のA 3004 Pの耐力及び伸びが本発明の下限値未満であり、そして比較例No.27においては、裏当材を使用しなかったので、いずれにおいても接合体の接合部に割れ欠陥が発生し、接合部の外観が良好な接合体は得られなかった。
【0033】
以上の通り、被接合材がアルミニウム圧延材6N01−T5、アルミニウム押出形材6063−T5、及びアルミニウム鋳物材AC4CH−T5のうちのいずれであっても、実施例においては接合体の接合部に割れ欠陥が発生することなく、接合部の外観が良好な接合体が得られた。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、自己穿孔型リベットを使用して各種アルミニウム合金材を、接合部に割れ欠陥を発生させずに接合することができる。また、接合部の外観が良好であり、接合部の強度が優れている。従って、従来行われている抵抗スポット溶接に替わり得る接合技術として、接合部の接合強度が優れ、外観が良好である自己穿孔型リベットによるアルミニウム合金材の接合方法を提供することができ、工業上極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルミニウム合金材の接合方法において、自己穿孔型リベットを被接合材に打ち込む前の状態を説明する概略縦断面図である。
【図2】本発明に係るアルミニウム合金材の接合方法において、自己穿孔型リベットを被接合材に打ち込んだ後の状態を説明する概略縦断面図である。
【図3】自己穿孔型リベットの形態を説明する概略縦断面図である。
【図4】自己穿孔型リベットを使用した従来技術による接合方法を説明する概略縦断面図である。
【図5】自己穿孔型リベットを使用した従来技術による接合体に発生する割れ欠陥の発生部位を説明する概略縦断面図である。
【符号の説明】
1;自己穿孔型リベット
101;使用状態にある自己穿孔型リベット
1a;リベット頭部
1b;リベット軸部
101b;拡開したリベット軸部
2、3;アルミニウム合金板
201、301;アルミニウム合金材
3m;接合部のダイ側の面部位
4;重ね体
5;ダイ
5a;突起部
6;ポンチ
7;ダイ側凸部
8;割れ欠陥
9;金属製裏当材
Claims (2)
- アルミニウム又はアルミニウム合金からなる複数の被接合材を重ね、その被接合部の背面に、耐力が150MPa以上、伸びが20%以上である裏当材を重ね、更にその背後にダイを配置した後、前記被接合材の表面に自己穿孔型リベットを打ち込み、前記ダイ側の前記被接合材の凸部を前記裏当材により保持することにより前記リベットが前記ダイ側の被接合材内に留まっていることを特徴とする自己穿孔型リベットによるアルミニウム又はアルミニウム合金材の接合方法。
- 前記ダイは底面及び側面を有する箱形をなし、前記リベットはその先端が筒状をなし、前記ダイの底面には、前記リベットの筒内部に整合する位置に凸部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自己穿孔型リベットによるアルミニウム又はアルミニウム合金材の接合方法。
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