JP3829865B1 - ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 - Google Patents
ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3829865B1 JP3829865B1 JP2005203305A JP2005203305A JP3829865B1 JP 3829865 B1 JP3829865 B1 JP 3829865B1 JP 2005203305 A JP2005203305 A JP 2005203305A JP 2005203305 A JP2005203305 A JP 2005203305A JP 3829865 B1 JP3829865 B1 JP 3829865B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyamide
- average
- laminated film
- based mixed
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明のフィルムロールは、MXD−6を主成分とする樹脂層と、ポリアミド系樹脂を主成分とする樹脂層とを積層してなるポリアミド系混合樹脂積層フィルムを巻き取ったものであり、フィルムの巻き終わりから2m以内に1番目の試料切り出し部を設け、フィルムの巻き始めから2m以内に最終の切り出し部を設けるとともに、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設けた場合、各切り出し部から切り出されたすべての試料について、沸水収縮率や厚み方向の屈折率等の物性が、所定の範囲の変動幅になるように調整されている。
【選択図】なし
Description
(1)前記ポリメタキシリレンアジパミドを主成分とする樹脂層中に、熱可塑性エラストマーが0.5重量%以上8.0重量%未満の混合比率となるように添加されている
(2)前記各切り出し部から切り出された各試料について、全方向の沸水収縮率のうちの最大値である最大沸水収縮率を測定したときに、それらの最大沸水収縮率の平均値である平均沸水収縮率が2%〜6%であるとともに、すべての試料の最大沸水収縮率の変動率が、前記平均沸水収縮率に対して±2%〜±20%の範囲内である
(3)前記各切り出し部から切り出された各試料について、長手方向に対し+45度方向の沸水収縮率と長手方向に対し−45度方向の沸水収縮率との差の絶対値である沸水収縮率方向差を求めたときに、それらの沸水収縮率方向差の平均値である平均沸水収縮率方向差が3.0%以下であるとともに、すべての試料の沸水収縮率方向差の変動率が、前記平均沸水収縮率方向差に対して±5%〜±30%の範囲内である
(4)巻取られたロールの長手方向全長に亘る厚みの変動率が、平均厚みに対して±2%〜±15%の範囲内である
(6)ヘイズを測定したときに、それらのヘイズの平均値である平均ヘイズが2.0〜7.0の範囲内であるとともに、すべての試料のヘイズの変動率が、前記平均ヘイズに対して±2%〜±15%の範囲内である
(a)前記フィルム化工程が、ポリメタキシリレンアジパミドを主成分とする樹脂層を形成するための樹脂の押出機へ供給する直前の水分率を、ポリアミドを主成分とする樹脂層を形成するための樹脂の押出機へ供給する直前の水分率に対して100ppm以上低く調整したものであること
(b)前記二軸延伸工程が、縦方向に2段階で延伸した後に横方向に延伸するものであるとともに、前記縦方向の二段階延伸における一段目の延伸倍率を二段目の延伸倍率より高くしたものであること
(c)前記フィルム化工程が、複数の押出機のうちの少なくとも一つ以上から、使用量の最も多い樹脂チップと、その樹脂チップとは異なる他の樹脂チップ1種類以上とを混合した後に溶融押し出しするものであるとともに、使用される各樹脂チップの形状が、長径および短径を有する楕円断面を有する楕円柱状とされており、かつ、使用量の最も多い樹脂チップ以外の樹脂チップが、使用量の最も多い樹脂チップの平均長径、平均短径および平均チップ長さに対し、それぞれ±20%以内の範囲に含まれる平均長径、平均短径および平均チップ長さを有するものに調整されていること
(d)前記フィルム化工程が、原料チップ供給部として漏斗状ホッパを供えた複数の押出機を用いて溶融押出しする工程を含んでいるとともに、前記漏斗状ホッパの傾斜角度がすべて65度以上に調整されており、かつ、前記漏斗状ホッパに供給する前の各樹脂チップの温度が80℃以上に調整されていること
(e)前記フィルム化工程が、積層された状態で溶融押し出しされた溶融樹脂を冷却ロールに巻き取ることにより冷却する工程を含んでいるとともに、その冷却工程においては、溶融樹脂と冷却ロールの表面に接触する部分が、溶融樹脂の全幅に亘って、吸引装置により巻き取り方向と反対方向に吸引されること
ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールの各切り出し部から切り出されたフィルムを正方形状に切り出し、23℃、65%RHの雰囲気で2時間以上放置する。この試料の中央を中心とする円(直径約20cm程度)を描き、縦方向(フィルム引出し方向)を0°として、15°間隔で時計回りに0〜165°方向に円の中心を通る直線を引き、各方向の直径を測定し、処理前の長さとする。次いで、切り出した試料を沸水中で30分間加熱処理した後、取り出して表面に付着した水分を拭き取り、風乾してから23℃、65%RHの雰囲気中で2時間以上放置し、上述したように各直径方向に引いた直線の長さを測定して処理後の長さとし、下式1〜5によって、BS(沸水収縮率)、BSx(最大沸水収縮率)、BSax(平均沸水収縮率)、BSd(沸水収縮率方向差)、BSad(平均沸水収縮率方向差)を算出する。
BS=[(処理前の長さ−処理後の長さ)/処理前の長さ]×100(%)・・・1
BSx=15°間隔で0〜165°方向に測定した中で最大の収縮率(%)・・・2
BSax=すべての試料のBSxの総和/試料の数・・・3
BSd=|(45°度方向のBS)−(135°度方向のBS)|・・・4
BSad=すべての試料のBSdの総和/試料の数・・・5
Nza=すべての試料のNzの総和/試料の数・・・6
(1)樹脂チップの形状の均一化
(2)ホッパへの樹脂供給時の温度保持
(3)ホッパ形状の適正化
(4)樹脂混合時における偏析防止剤の添加
(5)偏析防止剤添加による悪影響の除去
(6)延伸条件の適正化
(7)各層を形成する樹脂の溶融時の流動性の調整
以下、上記した各手段について順次説明する。
本発明のフィルムロールの製造において、ブレンド方式を採用し、組成の異なる複数の原料樹脂チップをホッパや混合ミキサー内でブレンドした後、溶融混練し、押出機から押出して、フィルム化する。たとえば、原料となる樹脂が3種類ある場合、それらの各原料樹脂チップを3個のホッパに連続式あるいは間欠式に供給し、必要に応じて緩衝ホッパを介して、最終的には、押出機の直前あるいは直上のホッパ(以下、「最終ホッパ」という)で3種類の原料樹脂チップを再度混合しながら、押出量に合わせて定量的に押出機に供給してフィルムを形成する。
加熱乾燥して水分率を調整した後のチップを放置して常温(室温)まで温度を下げた後に各ホッパに供給した場合には、物性の均一なフィルムロールを得ることはできない。すなわち、本発明のフィルムロールを得るためには、ブレンダー等で加熱乾燥させたチップを高温に保持したまま、各ホッパに供給することが必要である。具体的には、ブレンダーで加熱乾燥させたチップは、80℃以上に保持したまま各ホッパに供給することが必要であり、90℃以上に保持したまま各ホッパに供給するとより好ましい。各ホッパに供給するチップの温度が80℃を下回ると、樹脂の噛み込みが悪くなり、縦方向の厚み斑や物性の変動やバラツキの原因となり、本発明のフィルムロールが得られなくなる。なお、ブレンダー等の装置により、チップを乾燥する際には、乾燥温度は、150℃以下に調整することが必要である。乾燥温度が150℃を上回ると、乾燥時に加水分解が起こる可能性があるので好ましくない。また、ブレンダーで加熱乾燥させたチップの温度が、80℃を下回った場合には、80℃以上になるように再度加温してホッパに供給することが必要である。
最終ホッパとして漏斗状ホッパを用い、その傾斜角を70゜以上にすることによって、大きいチップも小さいチップと同様に落とし易くすることができ、内容物の上端部が水平面を保ちつつ下降していくようになるため、原料偏析の低減に効果的である。より好ましい傾斜角は75゜以上である。なお、ホッパの傾斜角とは、漏斗状の斜辺と、水平な線分との間の角度である。最終ホッパの上流に複数のホッパを使用しても良く、この場合、いずれのホッパにおいても、傾斜角を70゜以上とする必要があり、より好ましくは75゜以上である。
さらに、各ホッパ内での原料偏析を低減する手段として、各ホッパ内でのポリアミド系樹脂とエラストマーとの混合において、昇華性の偏析防止剤を添加することも好ましい。かかる昇華性の偏析防止剤としては、低沸点のグリコールを用いることができ、その中でも、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールを好適に用いることができる。また、MXD−6の原料チップ、ポリアミド系樹脂の原料チップやエラストマーの原料チップに加える昇華性の偏析防止剤の量は、それらの樹脂の合計重量に対して0.02%〜2.00%の範囲内とするのが好ましい。0.02%未満とすると十分な偏析防止効果が得られなくなるので好ましくなく、反対に、2.00%以上となると完全に昇華し切らなくなる虞れが生じるので好ましくない。
チップを溶融押し出しして未延伸フィルムを得る際には、共押出法を利用して、各層を形成するための樹脂チップを、各押出機により、200〜300℃の温度で溶融させ、積層させた状態でTダイから押し出すことによってフィルム状(積層シート状)に成形(すなわち、キャスティング)した後、所定の温度に冷却した金属ロール等の冷却ロールに巻き付ける方法によって急冷する。なお、縦方向の厚み斑、物性の変動やバラツキの観点から、好ましい溶融押し出し温度は、240℃〜290度である。本発明のフィルムロールを得るためには、溶融した樹脂を金属ロールに巻き付ける場合に、エアーギャップ(すなわち、Tダイリップの出口からチルロール表面までの鉛直方向の距離)を20〜60mmに調整するとともに、幅広な吸引口を有するバキュームボックス(バキュームチャンバー)等の吸引装置を利用して、溶融樹脂と冷却ロールの表面に接触する部分を、溶融樹脂の全幅に亘って、巻き取り方向と反対方向に吸引することにより、溶融樹脂を強制的に金属ロールに密着させるのが好ましい。
未延伸フィルムを二軸延伸する方法としては、未延伸フィルムをロール式延伸機で縦方向に延伸しテンター式延伸機で横方向に延伸した後に熱固定処理および緩和処理を行う縦・横延伸方法等を採用する必要がある。さらに、本発明のフィルムロールを得るためには、二軸延伸する方法として、いわゆる縦−縦−横延伸方法を採用する必要がある。かかる縦−縦−横延伸方法とは、実質的に未配向のフィルムを縦延伸するにあたり、一段目の延伸を施し、Tg以下に冷却することなく、引続き二段目の延伸を行い、しかる後、3.0倍以上、好ましくは、3.5倍以上の倍率で横延伸し、さらに熱固定する方法である。そして、本発明のフィルムロールを得るためには、上記した縦−縦−横延伸を行う際に、一段目の縦延伸倍率を二段目の縦延伸倍率より高くすることが必要である。すなわち、そのように一段目の縦延伸倍率を二段目の縦延伸倍率より高くすることにより、沸水収縮率等の物性が良好な上、それらの物性のバラツキが少ないフィルムロールを得ることが可能となる。なお、縦−縦−横延伸を行う場合には、通常、一段目の縦延伸倍率を二段目の縦延伸倍率より低くした方が、一段目の延伸時にロールへの粘着を生ずることなく容易に延伸できるが、テフロン(登録商標)製ロール等の特殊なロールを使用することにより、一段目の縦延伸倍率を二段目の縦延伸倍率より高くしても、ロールへの粘着を起こすことなく容易に延伸することが可能となる。
上記の如く、チップを溶融押し出しして未延伸フィルムを得る際には、共押出法を利用して、各層を形成するための樹脂チップを、各押出機により、溶融させて積層させた状態でTダイから押し出すことによってフィルム状に成形される。従来、共押出法を利用して積層フィルムを製造する場合には、かかるキャスティング工程において、各層を形成する樹脂の流動性を統一するのが、積層フィルムの厚み斑を均一にする上で好ましいと考えられていた。
試料0.25gを96%硫酸25mlに溶解し、この溶液10mlを用い、オストワルド粘度管にて20℃で落下秒数を測定し、下式7より相対粘度を算出した。
RV=t/t(subscript: 0) ・・・7
ただし、t(subscript: 0):溶媒の落下秒数、t:試料溶液の落下秒数。
試料0.1gをフェノール/テトラクロロエタン(重量%比=60/40)の混合溶媒25mlに溶解させ、この溶液を用い、オストワルド粘度管にて30℃で落下秒数を測定し、下式8より還元粘度を算出した。
ηsp/c(dl/g)={(t−t(subscript: 0))/t(subscript: 0)}/c・・・8
ただし、t(subscript: 0):溶媒の落下秒数、t:試料溶液の落下秒数、c:試料濃度(g/dl)
共押出法を利用して、3つの押出機(第一〜第三押出機)からポリアミド系混合樹脂を溶融押出し(ダイス内で積層して押出し)、17℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さが257μmで二種三層構成の未延伸フィルム(ポリアミド系混合樹脂積層シート)を得た。このときの未延伸フィルムの引取速度(金属ロールの回転速度)は、約30m/min.であった。未延伸フィルムの各層の形成方法(溶融押出までの工程)は、以下の通りである。なお、以下の説明においては、ポリアミド系混合樹脂積層シートの表層から順に、第一層、第二層、第三層という(すなわち、第三層の表面は、金属ロール接触面である)。
上記したチップA,B,Dを別々に、15klのブレンダー装置を用いて約8.0時間に亘って約100℃に加温しながら予備乾燥した。ブレンダー内から各チップを所定量採取して水分率を測定したところ、チップA,B,Dの水分率は、いずれも1000ppmであった。なお、水分率の測定は、カールフィッシャー水分計(KYOTO Electronics社製 MKC−210)を用い、試料重量1g、試料加熱温度230℃の条件下にて行った。
上記したチップE,C,Fを別々に、15klのブレンダー装置を用いて約8.0時間に亘って約130℃に加温しながら予備乾燥した。ブレンダー内から各チップを所定量採取して上記した方法により水分率を測定したところ、チップE,C,Fの水分率は、いずれも650ppmであった。
上記したチップA,B,Dを別々に、15klのブレンダー装置を用いて約8.0時間に亘って約100℃に加温しながら予備乾燥した。ブレンダー内から各チップを所定量採取して上記した方法により水分率を測定したところ、チップA,B,Dの水分率は、いずれも1000ppmであった。
片方のスリットロールの各切り出し部から切り出された二軸配向フィルム(試料フィルム)を一辺21cmの正方形状に切り出し、23℃、65%RHの雰囲気で2時間以上放置した。この試料の中央を中心とする直径20cmの円を描き、縦方向(フィルム引出し方向)を0°として、15°間隔で時計回りに0〜165°方向に円の中心を通る直線を引き、各方向の直径を測定し、処理前の長さとした。次いで、切り出した試料を沸水中で30分間加熱処理した後、取り出して表面に付着した水分を拭き取り、風乾してから23℃、65%RHの雰囲気中で2時間以上放置し、上述したように各直径方向に引いた直線の長さを測定して処理後の長さとし、上式1〜5によって、BS(沸水収縮率)、BSx(最大沸水収縮率)、BSax(平均沸水収縮率)、BSd(沸水収縮率方向差)、BSad(平均沸水収縮率方向差)を算出した。
片方のスリットロールの各切り出し部から切り出された二軸配向フィルム(試料フィルム)の表面について、触針式三次元表面粗さ計(株式会社小坂研究所社製、SE−3AK)を用いて、針の半径2μm、荷重30mg、針のスピード0.1mm/sの条件下で、フィルムの長手方向にカットオフ値0.25mmで、測定長1mmにわたって測定し、2μm間隔で500点に分割し、また、フィルムの幅方向に、前記と同様の条件で測定長0.3mmにわたって測定し、2μm間隔で150点に分割した。得られた分割点の各点の三次元方向の高さについて、三次元粗さ解析装置(株式会社小坂研究所社製、TDA−21)を用いて解析し、三次元平均表面粗さ(nm)を求めた。
スリットロールの各切り出し部から切り出した各二軸配向フィルムについて、JIS K7136に準拠し、ヘイズメータ(日本電色工業株式会社製、300A)を用いて測定した。なお、測定は2回行い、その平均値を求めた。
スリットロールを長手方向全長に亘って約3cm幅にスリットして厚み斑測定用のスリットロールを作製した。しかる後、アンリツ社製の厚み斑測定装置(広範囲高感度電子マイクロメーターK−313A)を用いて、長手方向全長に亘る平均厚み、最大厚み、最小厚みを求めた。そして、下式9により、それらの最大厚み・最小厚みの内の平均厚みとの差の大きい方と平均厚みとの差を算出し、その差の平均厚みに対する割合(%)を算出することによって、長手方向全長に亘る厚みの変動率を算出した。
厚みの変動率=|最大厚みあるいは最小厚み−平均厚み|/平均厚み・・・9
アタゴ社製の「アッベ屈折計4T型」を用いて、各試料切り出し部から切り出された各試料フィルムを23℃、65%RHの雰囲気中で2時間以上放置した後に、厚み方向の屈折率(Nz)を測定した。また、全試料フィルムの平均の平均屈折率を算出して、表6の如く、全試料中で最大あるいは最小のNzと平均屈折率との差を算出するとともに、その差の平均屈折率に対する割合を変動率として算出した。
各切り出し部から切り出された各試料フィルムを23℃、65%RHの雰囲気中で2時間以上放置した後、東洋精機製作所社製の「フィルムインパクトテスター TSS式」を使用し、直径12.7mmの半球型衝突子により破断強度を測定し、衝撃強度とした。また、全試料フィルムの平均の衝撃強度も算出した。
各切り出し部から切り出された各試料フィルムを、表面に対して垂直にかつ巻き取り方向に対して垂直に切断して超薄切片を作製し、超薄片法によりリンタングステン酸および酸化ルテニウムで染色して試料を調整した。しかる後、日本電子社製透過型電子顕微鏡(JEM2010)で倍率10000倍で観察して、電子顕微鏡写真(厚み方向約160mm×巻き取り方向約220mm)を撮影した。そして、日本電子社製画像処理装置(analySIS)を利用して、リンタングステン酸および酸化ルテニウムで染色されたエラストマー部分の面積の全体に占める割合を、エラストマー成分の含有率として算出した。
各切り出し部から切り出された各試料フィルムを、長さ150mm、幅15mmにサンプリングし、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で24時間調湿した。そして、温度23℃、相対湿度50%の条件下で、JIS K−7127に準拠し、島津株式会社製オートグラフAG−100E型を使用し、調湿したフィルムを100mmの距離を隔てたチャック間に掴み、引張速度200mm/分で引っ張り、引張比例限度内における引張応力とこれに対応するひずみの比を、引張弾性率として算出した。
各切り出し部から切り出したフィルムを、湿度65%RH、気温25℃の雰囲気下で、2日間に亘って酸素置換させた後に、JIS−K−7126(B法)に準拠して、酸素透過度測定装置(OX−TRAN 2/20:MOCOM社製)を用いて測定した。
上記した沸水収縮率、縦方向厚み斑、屈折率、衝撃強度を測定したスリットロールとは別のスリットロール(同一のミルロールから得られたもの)を用い、そのスリットロールを構成する二軸配向フィルムにウレタン系AC剤(東洋モートン社製「EL443」)を塗布した後、その上に、モダンマシナリー社製のシングルテストラミネーター装置を用いて厚さ15μmのLDPE(低密度ポリエチレン)フィルムを315℃で押し出し、さらに、その上に厚さ40μmのLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)フィルムを連続的にラミネートし、ポリアミド系混合樹脂/LDPE/LLDPEよりなる3層積層構造のラミネートフィルムロールを得た。また、ラミネートフィルムロールを製造する際の加工性を下記の3段階で評価した。
○:ロールに皺が発生せず、条件調整も不要
△:条件調整によりロールの皺が解消
×:どのように条件調整を行っても、ロールに皺が発生
また、そのラミネートフィルムロールから切り出したラミネートフィルムを、幅15mm、長さ200mmに切り出して試験片とし、東洋ボールドウイン社製の「テンシロンUMT−II−500型」を用いて、温度23℃、相対湿度65%の条件下でポリアミド系混合樹脂積層フィルム層とLDPE層間の剥離強度を測定した。なお、引張速度は10cm/分、剥離角度は180度とし、剥離部分に水を付けて測定した。また、ラミネート強度の測定は、ラミネートフィルムロールの巻き終わりから2m以内において1番目の試料片を切り出し、1番目の試料片の切り出し部分から約100m毎において2番目から20番目の試料片を切り出し、フィルムの巻き始めから2m以内において21番目の試料片を切り出し、それらの1番目から21番目までの各試料片について測定した。また、それらの測定値の平均も算出した。
上記の如くラミネートフィルムロールとして巻き取られたラミネートフィルムを、西部機械社製のテストシーラーを用いて巻き長さ方向に平行に2つに折り畳みつつ縦方向に各両端20mmずつを150℃で連続的に熱シールし、それに垂直方向に10mmを150mm間隔で断続的に熱シールして幅200mmの半製品を得た。これを巻き長さ方向に、両縁部をシール部分が10mmとなるように裁断した後、これと垂直方向にシール部分の境界で切断し、3方シール袋(シール幅:10mm)を作製した。それらの3方シール袋の中から、ラミネートフィルムロールの巻き終わりから2m以内の部分から作製された3方シール袋を1番目のサンプルとして選択し、その1番目のサンプルの作製部分から約100,200,・・・1800,1900m離れた部分から作製された3方シール袋を、それぞれ、2番目〜20番目のサンプルとして選択し、ラミネートフィルムロールの巻き始めから2m以内の部分から作製された3方シール袋を21番目のサンプルとして選択した。そして、それらの21枚の3方シール袋を沸騰水中で30分間熱処理した後、23℃、65%RHの雰囲気で一昼夜保持し、さらに、それらの21枚の3方シール袋を重ねて上から袋全面に1kgの荷重をかけ、一昼夜保持した後に荷重を取り去って袋の反り返り(S字カール)の度合いを以下のようにして評価した。
◎ :全く反り返りがない
○ :わずかに反り返りが見られる
× :明らかに反り返りが見られる
××:反り返りが著しい
第一層および第三層の形成において、原料チップA,B,Dの予備乾燥条件を、約8.0時間に亘って約120℃に加温する方法に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。なお、予備乾燥後に、ブレンダー内から各チップを所定量採取して水分率を測定したところ、チップA,B,Dの水分率は、いずれも800ppmであり、ホッパに供給する直前のチップA,B,Dの温度は、いずれも約91℃であった。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。
第二層の形成において、溶融樹脂の押出温度を274℃に変更した以外は実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。
第一〜第三押出機から溶融押出された各溶融樹脂シートを積層する際に、第一層/第二層/第三層の厚み比が、5/5/5となるように第一〜第三押出機の吐出量を調整するとともに、第三層の形成用の原料として原料チップDの代わりに、原料チップEを用い、第三層の形成において、各ブレンダー内のチップA,B,Eを、混合ミキサーに供給する際に、チップAの供給量を44.5重量%とし、チップBの供給量を0.5重量%とし、チップEの供給量を55.0重量%とした。それ以外は実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。得られた二軸延伸後の積層フィルムを、厚み方向に薄くスライスして電子顕微鏡にて観察したところ、第一層、第二層、第三層の厚みは、それぞれ、約5.0μm、約5.0μm、約5.0μmであった。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。なお、実施例4の第三押出機においても、使用量の最も多い樹脂チップ(チップE)以外の樹脂チップ(チップA,B)の平均長径、平均短径、平均チップ長さは、使用量の最も多い樹脂チップ(チップE)の平均長径、平均短径、平均チップ長さに対し、それぞれ±20%以内の範囲に含まれている。
実施例1と同様にして得られた未延伸フィルムを、テフロン(登録商標)製ロールによって延伸温度約93℃で約2.04倍に縦延伸(第1縦延伸)した後、セラミック製ロールによって延伸温度約80℃で約1.7倍に縦延伸(第2縦延伸)した。さらに、縦延伸されたシートを、実施例1と同様に、連続的にステンターに導き、約130℃で4.2倍に横延伸し、約210℃で熱固定して5.0%の横弛緩処理を施した後に冷却し、両縁部を裁断除去することによって、約15μmの二軸延伸フィルムを2000m以上に亘って連続的に製膜した。なお、フィルムを連続製造したときのフィルム表面温度の変動幅は、実施例1と同様であった。得られたフィルムを、実施例1と同様にスリットして巻き取ることによって、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。
実施例1と同様にして得られた未延伸フィルムを、実施例1と同様に二段階に縦延伸した。しかる後、縦延伸されたシートを、連続的にステンターに導き、約130℃で3.8倍に横延伸し、実施例1と同様に約212℃で熱固定して3.0%の横弛緩処理を施した後に冷却し、両縁部を裁断除去することによって、約15μmの二軸延伸フィルムを2000m以上に亘って連続的に製膜した。なお、フィルムを連続製造したときのフィルム表面温度の変動幅は、実施例1と同様であった。得られたフィルムを、実施例1と同様にスリットして巻き取ることによって、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。
第一〜第三層の形成において、ブレンダーあるいは混合ミキサー内の原料チップを各押出機(第一〜第三押出機)の直上のホッパに供給する際に、各ホッパの傾斜角を65゜に変更した以外は実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。
第二層の形成において、各ブレンダー内のチップE,C,Fを、混合ミキサーに供給する際に、チップEの供給量を75.0重量%とし、チップCの供給量を20.0重量%とし、チップFの供給量を5.0重量%とした。それ以外は実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。
第二層の形成用の原料として原料チップFの代わりに、原料チップGを用い、第二層の形成において、各ブレンダー内のチップE,C,Gを、混合ミキサーに供給する際に、チップEの供給量を75.0重量%とし、チップCの供給量を20.0重量%とし、チップGの供給量を5.0重量%とした。それ以外は実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。なお、実施例9の第二押出機においても、使用量の最も多い樹脂チップ(チップE)以外の樹脂チップ(チップC,G)の平均長径、平均短径、平均チップ長さは、使用量の最も多い樹脂チップ(チップE)の平均長径、平均短径、平均チップ長さに対し、それぞれ±20%以内の範囲に含まれている。
第二層の形成用の原料として原料チップFの代わりに、原料チップHを用いた以外は実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。なお、実施例10の第二押出機においても、使用量の最も多い樹脂チップ(チップE)以外の樹脂チップ(チップC,H)の平均長径、平均短径、平均チップ長さは、使用量の最も多い樹脂チップ(チップE)の平均長径、平均短径、平均チップ長さに対し、それぞれ±20%以内の範囲に含まれている。
第二層の形成用の原料として原料チップFの代わりに、原料チップIを用いた以外は実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。なお、実施例11の第二押出機においても、使用量の最も多い樹脂チップ(チップE)以外の樹脂チップ(チップC,I)の平均長径、平均短径、平均チップ長さは、使用量の最も多い樹脂チップ(チップE)の平均長径、平均短径、平均チップ長さに対し、それぞれ±20%以内の範囲に含まれている。
第二層の形成用の原料として原料チップFの代わりに、原料チップJを用いた以外は実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。なお、実施例12の第二押出機においても、使用量の最も多い樹脂チップ(チップE)以外の樹脂チップ(チップC,J)の平均長径、平均短径、平均チップ長さは、使用量の最も多い樹脂チップ(チップE)の平均長径、平均短径、平均チップ長さに対し、それぞれ±20%以内の範囲に含まれている。
未延伸の樹脂シートを形成する際に、第一層および第三層を形成することなく第二層のみの単層構造とした以外は実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た(第二層形成用樹脂の組成、形成条件等は実施例1と同様である)。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。
第一層および第三層の形成において、原料チップA,B,Dの予備乾燥条件を、約8.0時間に亘って約125℃に加温する方法に変更するとともに、第二層の形成において、原料チップE,C,Fの予備乾燥条件を、約8.0時間に亘って約100℃に加温する方法に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。なお、予備乾燥後のチップA,B,Dをブレンダー内から所定量採取して水分率を測定したところ、チップA,B,Dの水分率は、いずれも700ppmであり、ホッパに供給する直前のチップA,B,Dの温度は、いずれも約91℃であった。一方、予備乾燥後のチップE,C,Fをブレンダー内から所定量採取して水分率を測定したところ、チップE,C,Fの水分率は、いずれも1000ppmであり、ホッパに供給する直前のチップE,C,Fの温度は、いずれも約91℃であった。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。
第二層の形成用の原料として原料チップEの代わりに、相対粘度の低い原料チップD(RV=2.1)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。なお、比較例3の第二押出機においても、使用量の最も多い樹脂チップ(チップD)以外の樹脂チップ(チップC,F)の平均長径、平均短径、平均チップ長さは、使用量の最も多い樹脂チップ(チップD)の平均長径、平均短径、平均チップ長さに対し、それぞれ±20%以内の範囲に含まれている。
第二層の形成用の原料として原料チップFの代わりに、原料チップKを用いた以外は実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。なお、比較例5の第二押出機においては、使用量の最も多い樹脂チップ(チップE)以外の樹脂チップ(チップK)の平均長径、平均チップ長さは、使用量の最も多い樹脂チップ(チップE)の平均長径、平均チップ長さに対し、それぞれ±20%以内の範囲に含まれていない。
第一〜第三層の形成において、ブレンダーあるいは混合ミキサー内の原料チップを各押出機(第一〜第三押出機)の直上のホッパに供給する際に、各ホッパの傾斜角を45゜に変更した以外は実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。
第一〜第三層の形成において、原料チップA,B,Dおよび原料チップE,C,Fを、予備乾燥した後に直接にあるいは混合ミキサーを介して各押出機の直上のホッパに供給する前に、各ブレンダー内で約5時間に亘って放置した以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。なお、予備乾燥後のチップA,B,Dをブレンダー内から所定量採取して水分率を測定したところ、チップA,B,Dの水分率は、いずれも1000ppmであり、ホッパに供給する直前のチップA,B,Dの温度は、いずれも約30℃であった。一方、予備乾燥後のチップE,C,Fをブレンダー内から所定量採取して水分率を測定したところ、チップE,C,Fの水分率は、いずれも650ppmであり、ホッパに供給する直前のチップE,C,Fの温度は、いずれも約30℃であった。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。
実施例1と同様にして得られた未延伸フィルムを、テフロン(登録商標)製ロールによって延伸温度約93℃で約1.5倍に縦延伸(第1縦延伸)した後、セラミック製ロールによって延伸温度約80℃で約2.3倍に縦延伸(第2縦延伸)した。さらに、縦延伸されたシートを、連続的にステンターに導き、実施例1と同様に横延伸し、熱固定して横弛緩処理を施した後に冷却し、両縁部を裁断除去することによって、約15μmの二軸延伸フィルムを2000m以上に亘って連続的に製膜した。なお、フィルムを連続製造したときのフィルム表面温度の変動幅は、実施例1と同様であった。しかる後、得られたフィルムを、実施例1と同様にスリットして巻き取ることによって、ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを得た。そして、得られたフィルムロールの特性を実施例1と同様の方法によって評価した。評価結果を表5〜8に示す。
表5〜8から、実施例のフィルムロールは、いずれも、ロール全体に亘る縦方向の厚み斑が非常に小さく、沸水収縮率、屈折率、引張弾性率、酸素透過度、透明性等の物性の変動が小さいことが分かる。また、そのように沸水収縮率や屈折率等の物性の変動が小さい実施例のフィルムロールは、いずれも、S字カール現象が起こらず、ラミネート加工性が良好であることが分かる。その上、実施例のフィルムロールを構成するフィルムは、酸素透過度が低く、衝撃強度(強靱性)、透明性が良好であり、ラミネート強度が高いことが分かる。これに対して、比較例のフィルムロールは、ロール全体に亘る縦方向の厚み斑や、沸水収縮率、屈折率、引張弾性率、酸素透過度、耐ピンホール性、透明性等の物性の変動が大きくなっており、S字カール現象が見られたり、ラミネート加工性、 衝撃強度や透明性が不良であったりすることが分かる。
Claims (21)
- ポリメタキシリレンアジパミドを主成分とする樹脂層と、ポリアミド系樹脂を主成分とする樹脂層とを積層してなるポリアミド系混合樹脂積層フィルムを、幅が0.2m以上3.0m以下で長さが300m以上30000m以下となるように巻き取ってなるポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールであって、
前記ポリアミド系樹脂の主原料がナイロン6であるとともに、
フィルムの巻き終わりから2m以内に1番目の試料切り出し部を、また、フィルムの巻き始めから2m以内に最終の切り出し部を設けるとともに、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設けたとき、
下記要件(1)〜(4)を満たすことを特徴とするポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
(1)前記ポリメタキシリレンアジパミドを主成分とする樹脂層中に、熱可塑性エラストマーが0.5重量%以上8.0重量%未満の混合比率となるように添加されている
(2)前記各切り出し部から切り出された各試料について、全方向の沸水収縮率のうちの最大値である最大沸水収縮率を測定したときに、それらの最大沸水収縮率の平均値である平均沸水収縮率が2%〜6%であるとともに、すべての試料の最大沸水収縮率の変動率が、前記平均沸水収縮率に対して±2%〜±20%の範囲内である
(3)前記各切り出し部から切り出された各試料について、長手方向に対し+45度方向の沸水収縮率と長手方向に対し−45度方向の沸水収縮率との差の絶対値である沸水収縮率方向差を求めたときに、それらの沸水収縮率方向差の平均値である平均沸水収縮率方向差が3.0%以下であるとともに、すべての試料の沸水収縮率方向差の変動率が、前記平均沸水収縮率方向差に対して±5%〜±30%の範囲内である
(4)巻取られたロールの長手方向全長に亘る厚みの変動率が、平均厚みに対して±2%〜±15%の範囲内である - 前記各切り出し部から切り出された各試料について、酸素透過度を求めたときに、それらの酸素透過度の平均値である平均酸素透過度が140ml/m2 ・MPa・day以下であるとともに、すべての試料の酸素透過度の変動率が、前記平均酸素透過度に対して±2%〜±20%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 前記各切り出し部から切り出された各試料が、下記要件(6)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
(6)ヘイズを測定したときに、それらのヘイズの平均値である平均ヘイズが2.0〜7.0の範囲内であるとともに、すべての試料のヘイズの変動率が、前記平均ヘイズに対して±2%〜±15%の範囲内である - 前記各切り出し部から切り出された各試料について、熱可塑性エラストマー成分の含有量を測定し、それらの含有率の平均値である平均含有率を算出したときに、すべての試料の熱可塑性エラストマー成分の含有量の変動率が、平均含有率に対して±10%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 前記各切り出し部から切り出された各試料について、フィルムの巻き取り方向の引張弾性率を測定したときに、それらの引張弾性率の平均値である平均引張弾性率が2.2GPa以上3.3GPa未満であるとともに、すべての試料の引張弾性率の変動率が、前記平均引張弾性率に対して±10%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 各切り出し部から切り出された各試料について、厚み方向の屈折率を測定したときに、それらの屈折率の平均値である平均屈折率が1.500以上1.520以下であるとともに、すべての試料の屈折率の変動率が、前記平均屈折率に対して±2%以内の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 巻き取られたポリアミド系混合樹脂積層フィルムに含まれるポリアミドの主成分がナイロン6であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 巻き取られたポリアミド系混合樹脂積層フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムとラミネートされるものであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 溶融させた原料樹脂をTダイから押し出し、金属ロールに接触させて冷却することによって得られた未配向のシート状物を二軸に延伸したポリアミド系混合樹脂積層フィルムを巻き取ったものであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- テンター延伸法により延伸したポリアミド系混合樹脂積層フィルムを巻き取ったものであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 逐次二軸延伸したポリアミド系混合樹脂積層フィルムを巻き取ったものであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 縦方向と横方向との二軸に延伸したポリアミド系混合樹脂積層フィルムを巻き取ったものであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 実質的に未配向の樹脂からなるシート状物を、前記樹脂のガラス転移温度+20℃よりも高温で3倍以上の倍率となるように少なくとも2段階で縦方向に延伸を施した後に、3倍以上の倍率となるように横方向に延伸を施したポリアミド系混合樹脂積層フィルムを巻き取ったものであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 最終的な延伸処理を施した後に熱固定したポリアミド系混合樹脂積層フィルムを巻き取ったものであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 熱固定後に弛緩処理を施したポリアミド系混合樹脂積層フィルムを巻き取ったものであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 巻き取られたポリアミド系混合樹脂積層フィルム中に、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤のうちの少なくとも1種が添加されていることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 巻き取られたポリアミド系混合樹脂積層フィルム中に、無機粒子が添加されていることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 無機粒子が、平均粒径0.5〜5.0μmのシリカ粒子であることを特徴とする請求項17に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 巻き取られたポリアミド系混合樹脂積層フィルム中に、高級脂肪酸が添加されていることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール。
- 請求項1に記載されたポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールを製造するための製造方法であって、
共押出法により複数の押出機から原料樹脂を溶融押し出しすることにより、ポリメタキシリレンアジパミドを主成分とする樹脂層と、ポリアミド系樹脂を主成分とする樹脂層とを積層した未延伸積層シートを形成するフィルム化工程と、
そのフィルム化工程で得られる未延伸積層シートを縦方向および横方向に二軸延伸する二軸延伸工程とを含んでおり、
下記要件(a)〜(e)を満たすことを特徴とするポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールの製造方法。
(a)前記フィルム化工程が、ポリメタキシリレンアジパミドを主成分とする樹脂層を形成するための樹脂の押出機へ供給する直前の水分率を、ポリアミドを主成分とする樹脂層を形成するための樹脂の押出機へ供給する直前の水分率に対して100ppm以上低く調整したものであること
(b)前記二軸延伸工程が、縦方向に2段階で延伸した後に横方向に延伸するものであるとともに、前記縦方向の二段階延伸における一段目の延伸倍率を二段目の延伸倍率より高くしたものであること
(c)前記フィルム化工程が、複数の押出機のうちの少なくとも一つ以上から、使用量の最も多い樹脂チップと、その樹脂チップとは異なる他の樹脂チップ1種類以上とを混合した後に溶融押し出しするものであるとともに、使用される各樹脂チップの形状が、長径および短径を有する楕円断面を有する楕円柱状とされており、かつ、使用量の最も多い樹脂チップ以外の樹脂チップが、使用量の最も多い樹脂チップの平均長径、平均短径および平均チップ長さに対し、それぞれ±20%以内の範囲に含まれる平均長径、平均短径および平均チップ長さを有するものに調整されていること
(d)前記フィルム化工程が、原料チップ供給部として漏斗状ホッパを供えた複数の押出機を用いて溶融押出しする工程を含んでいるとともに、前記漏斗状ホッパの傾斜角度がすべて65度以上に調整されており、かつ、前記漏斗状ホッパに供給する前の各樹脂チップの温度が80℃以上に調整されていること
(e)前記フィルム化工程が、積層された状態で溶融押し出しされた溶融樹脂を冷却ロールに巻き取ることにより冷却する工程を含んでいるとともに、その冷却工程においては、溶融樹脂と冷却ロールの表面に接触する部分が、溶融樹脂の全幅に亘って、吸引装置により巻き取り方向と反対方向に吸引されること - 縦延伸工程の前に実行される予備加熱工程と、縦延伸工程の後に実行される熱処理工程とを含んでおり、
それらの縦延伸工程と予備加熱工程と熱処理工程とにおける任意ポイントでのフィルムの表面温度の変動幅が、フィルム全長に亘って平均温度±1℃の範囲内に調整されていることを特徴とする請求項20に記載のポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005203305A JP3829865B1 (ja) | 2005-07-01 | 2005-07-12 | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005194227 | 2005-07-01 | ||
JP2005194227 | 2005-07-01 | ||
JP2005203305A JP3829865B1 (ja) | 2005-07-01 | 2005-07-12 | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3829865B1 true JP3829865B1 (ja) | 2006-10-04 |
JP2007038408A JP2007038408A (ja) | 2007-02-15 |
Family
ID=37214334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005203305A Active JP3829865B1 (ja) | 2005-07-01 | 2005-07-12 | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3829865B1 (ja) |
-
2005
- 2005-07-12 JP JP2005203305A patent/JP3829865B1/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007038408A (ja) | 2007-02-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4432848B2 (ja) | ポリアミド系樹脂積層フィルムロールの製造方法 | |
US20070259164A1 (en) | Polyamide Resin Film Roll, and Production Method Therefor | |
JP4001156B2 (ja) | ポリアミド系混合樹脂フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP3829864B1 (ja) | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP4618228B2 (ja) | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP4449822B2 (ja) | 蒸着ポリアミド系樹脂フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP2007021773A (ja) | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP3829863B1 (ja) | ポリアミド系樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP4386001B2 (ja) | ポリアミド系樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP4475191B2 (ja) | ポリアミド系樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP4449843B2 (ja) | 蒸着ポリアミド系樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP2008087376A (ja) | 蒸着ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP2008087350A (ja) | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールの製造方法 | |
JP2007015304A (ja) | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールの製造方法 | |
JP4962108B2 (ja) | ポリアミド系混合樹脂フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP3829866B1 (ja) | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP3829865B1 (ja) | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP2008087377A (ja) | 蒸着ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP2008087379A (ja) | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP2008087378A (ja) | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP2007015353A (ja) | 蒸着ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP2007015299A (ja) | 蒸着ポリアミド系混合樹脂フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP2007015303A (ja) | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロールの製造方法 | |
JP2007015354A (ja) | ポリアミド系混合樹脂積層フィルムロール、およびその製造方法 | |
JP2007015188A (ja) | ポリアミド系混合樹脂フィルムロールの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060703 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 3829865 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090721 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110721 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120721 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130721 Year of fee payment: 7 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |