JP3829306B2 - 舗装体 - Google Patents
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Description
廃材を用いた骨材と当該骨材どうしを接着させる接着剤とを混合して第1透水率にし、路床上または路盤上に敷くために板状に形成した本体部3と、
前記廃材と同種または異種の廃材を用いた骨材と前記接着剤とを混合して第2透水率(ただし第2透水率≧第1透水率)にし、前記本体部3とほぼ同位置から地下方向に延ばして埋めるために柱状に形成するとともに、前記本体部3に設けた孔5または切欠き4と嵌合する構造としたドレーン部6とを有する。
なお、下地処理として砕石基礎を施せば、さらに多くの水が捌けて透水効果が増大する。また、より多くの水を地中に浸透させれば、側溝や河川に流れる水の量を減少でき、地中の保水力や地下水を増大させることができ、地表面の温暖化防止に寄与し得る。
なお、硬化後にほぼ透明(あるいは半透明)となる接着剤を用いた場合には、骨材として用いた素材そのものの特性(例えば色合いや木目等)をそのまま生かすことができる。また、接着剤としてエステル系高分子ポリマーとメタノール溶液との混合物を用いた場合 には、植物の生育にほとんど障害を与えず、自然環境を保全することができる。
また、端部7,8どうしの凹凸を面接触可能に構成すれば、二以上のドレーン部6を直列方向(軸方向)に重ねることができる。図1に示す例では、ドレーン部6aとドレーン部6bとを直列して重ねている。本例では二つのドレーン部6を直列に重ねたが、三以上のドレーン部6を直列に重ねることも可能である。こうして直列させた二以上のドレーン部6を埋めることができる程度の穴をドリル等で掘り、その穴にドレーン部6を直列に埋めれば、路面上の水を浸透させることができる深度を増大させることができる。なお、端部7,8どうしを面接触可能に構成するだけでなく、さらに連結可能に構成すれば、予め二以上のドレーン部6を直列に重ねておくことができるので、穴に埋め易くなる。
廃材を用いた骨材と当該骨材どうしを接着させる接着剤とを混合して第1透水率にし、路床上または路盤上に敷くために板状に形成した本体部3と、
前記廃材と同種または異種の廃材を用いた骨材と前記接着剤とを混合して第2透水率(ただし第2透水率≧第1透水率)にし、前記本体部3とほぼ同位置から地下方向に延ばして埋めるために柱状に形成し、さらに地上に突出させる一方側の端部7を凹状にするとともに、地下に向かう他方側の端部8を凸状に形成したドレーン部6とを有する。
廃材を用いた骨材と当該骨材どうしを接着させる接着剤とを混合して第1透水率にし、路床上または路盤上に敷くために板状に形成した本体部3と、
前記廃材と同種または異種の廃材を用いた骨材と前記接着剤とを混合して第2透水率(ただし第2透水率≧第1透水率)にし、前記本体部3とほぼ同位置から地下方向に延ばして埋めるために柱状に形成したドレーン部6とを有し、
骨材の素材と透水率との関係および骨材の粒径と透水率との関係の一方または双方に基づいて、目的の透水率で構成した舗装体1。
廃材を用いた骨材と当該骨材どうしを接着させる接着剤とを混合して第1透水率にし、路床上または路盤上に敷くために板状に形成するとともに、硬い材質の廃材を用いて形成した上層部と、当該上層部よりも軟らかい材質の廃材を用いて形成した下層部とを有する本体部3と、
前記廃材と同種または異種の廃材を用いた骨材と前記接着剤とを混合して第2透水率(ただし第2透水率≧第1透水率)にし、前記本体部3とほぼ同位置から地下方向に延ばして埋めるために柱状に形成したドレーン部6とを有する。
廃材を用いた骨材と当該骨材どうしを接着させる接着剤とを混合して第1透水率にし、 路床上または路盤上に敷くために板状にそれぞれ形成した複数の本体部3と、
前記廃材と同種または異種の廃材を用いた骨材と前記接着剤とを混合して第2透水率(ただし第2透水率≧第1透水率)にし、前記本体部3とほぼ同位置から地下方向に延ばして埋めるために柱状に形成した一のドレーン部6とを有し、
透水率の高い上層部と透水率の低い下層部とによって前記本体部3を構成し、前記上層部を伝って前記一のドレーン部6に向けて水を導く構成とした。
なお、連結部2を取り外し可能な構造に形成すれば、本体部3の移動や取り替えが容易になる。また、連結部2とドレーン部6とを一体化すれば、上述した本体部3の連結機能と、地中に水を浸透させる機能との双方を持たせることができる。
まず、舗装部材48を構成する各部材の製造工程(製造方法)について、図2を参照しながら説明する。当該図2には、製造工程の一例をフローチャートで表す。なお、構成部材としての舗装ブロック32,舗装ドレーン40,連結部材44等は、透水率をほぼ同一とするか相違させるかの点で異なるものの、いずれも同一の製造工程によって製造できる。よって特に明示しない限り、舗装ブロック32の製造工程について説明する。
実験例としては、試料となる骨材を箱に投入し、箱の上側から一定容量(ミリリットル)の水を注ぐ。そして、骨材の上面から水が無くなるまでに要する浸透時間(秒)を複数回計測し、その計測結果の平均値から流量(ミリリットル/秒)や浸透速度(センチメートル/秒)を算出する。すなわち、算術式〔流量=(注いだ水の容量)/(浸透時間),浸透速度=(流量)/(箱の断面積)〕に基づいて求める。こうして求めた浸透速度は透水率に相当する。例えば、骨材として籾殻,木屑,ウッドチップ,砂利等の素材を用いた場合の試験結果を表1に示す。
これに対して、籾殻と木屑とでは粒径は異なるものの、近い透水率になっている。砂利との違いは素材の弾力性であることから、籾殻は粒径が小さくてもある程度の隙間を確保することで透水率を高めていると考えられる。
なお、本例では舗装ブロック32の製造について説明したが、柱状の舗装ドレーン40や平板状の連結部材44等の製造についても同様の工程で行えばよい。したがって、舗装ドレーン40や連結部材44等についてそれぞれ必要数量を製造することができる。
舗装部材48の製造装置は、骨材を一時的に貯留するホッパー20や、当該ホッパー20から送り込まれた骨材を所定粒径に粉砕する粉砕機22、接着剤を注入する注入機24、粉砕機22から送られた骨材と注入機24から注入された接着剤とを混合する混合機26、混合機26から送られた混合物を型枠に入れて加圧形成する加圧成形機28、これらの機器の作動を個別に制御する製造制御装置10などを有する。
まず図4に示すように、ドリル等の工具を用いて路床G2に穴30を掘る。当該穴30は、舗装ドレーン40を埋められるだけの大きさ(径や深さ)が必要である。穴30に舗装ドレーン40の下端部42から埋め、図5に示すように上端部38を路床G2から露出させる。下端部42は端部8に相当し、上端部38は端部7に相当する。そして、当該上端部38と舗装ブロック32の孔34とを嵌め合わせるため、上方から矢印D2のようにして舗装ブロック32を下ろす。こうして嵌合させた状態を図6に示す。さらに図7に示す縦断面図や図8に示す斜視図のように、舗装ドレーン40と嵌合させた舗装ブロック32aに隣接して他の舗装ブロック32bを敷き詰め、二つの舗装ブロック32相互間を連結部材44で連結する。図7の例では、双方の舗装ブロック32に備えた切欠き36bに対して、連結部材44を矢印D4のように嵌め込む様子を示す。また、図8の例では連結後の状態を示す。
なお、路床G2や法面G4に舗装ブロック32を敷き詰めると、植物の活着を阻害するので、除草手間を省くことができるようになる。
なお、二点鎖線で囲む部位について下地処理として砕石基礎56を施せば、さらに多くの水が捌けて透水効果が増大する。また、より多くの水を地中に浸透させれば、側溝や河川に流す水の量を減少させるとともに、地中の保水力や地下水を増大させることができ、地表面の温暖化防止に寄与し得る。
その他に二層構造にする例としては、上層部58と下層部60とで異なる硬度(材質)の廃材を用いて構成してもよい。例えば上層部58には硬い材質の廃材(例えばコンクリート片やプラスチック片等)を用いて形成し、下層部60には当該上層部58よりも軟らかい材質の廃材(例えば籾殻,ゴムチップ等)を用いて形成する。こうすれば、上層部58の硬さによって、車や人が通行しても変形しにくくなる。また、下層部60のクッション機能によって、路床G2や法面G4の表面の凹凸を吸収して路面をほぼ平坦にすることができる。
なお、上述したような二層構造に限らず、必要であれば透水率および硬度のうちで一方または双方を変えて三層構造以上の多層構造としてもよい。いずれの場合でも水を効率よく伝えて、地中に浸透させたり、排水したりすることができる。
(1)図7,図8を参照すると、舗装部材48は舗装ブロック32と舗装ドレーン40とによって構成した。舗装ブロック32は第1透水率にし、路床上または路盤上に敷くために板状に形成した。舗装ドレーン40は第2透水率にし、舗装ブロック32とほぼ同位置から地下方向に延ばして埋めるために柱状に形成した。このように舗装ブロック32と舗装ドレーン40とは、形状が異なる点を除けば、双方とも骨材と接着剤とを混合して形成した。骨材として用いたのは廃材(自然廃材や産業廃材等)であるので、リサイクルに有効活用できる。
舗装ドレーン40の透水率(第2透水率)は舗装ブロック32の透水率(第1透水率)よりも同じか高くし、かつ舗装ブロック32とほぼ同位置(すなわち路面付近)から地下方向に延ばして埋めるので、水は地中に浸透し易くなる。すなわち路面上の水は舗装ブロック32を通じて路床等にも浸透させるとともに、舗装ドレーン40を通じて地中にも浸透させることができるので、より多くの水を捌いて水溜まりの発生を少なく抑えることができる。路床G2等の土質に応じて舗装部材48の透水率を変えてゆけば、その土質に合わせて路面全体でほぼ均等に水捌けができるようになる。
舗装ブロック32は路床G2上に敷くだけであるので、取り替えが容易に行える。すなわち長年の使用によって目詰まりが発生して透水効果が低下したときは、水洗い等により目詰まりの原因となった物を取り除くことができる。よって舗装ブロック32の再利用ができ、しかも簡単で素早く透水効果を回復させることができる。硬化後にほぼ透明(あるいは半透明)となる接着剤を用いた場合には、骨材として用いた素材そのものの特性(例えば色合いや木目等)をそのまま生かすことができる。
なお、路床G2が土間コンクリート等のときは、当該コンクリート表面と舗装ブロック32とを接着剤で貼り付けたり、舗装ブロック32どうしを接着剤で接着してもよい。この場合、コンクリートにあけた穴30を通して舗装ドレーン40を埋めることになる。こうすれば簡単な作業で舗装部材48を路床G2上に敷き詰めることができ、水平方向へのズレも確実に防止できる。また施工費用も安く抑えることができる。
2 連結部
3(3a,3b) 本体部
4 切欠き
5 孔
6(6a,6b) ドレーン部
7,8 端部
10 製造制御装置
12 CPU
14 ROM
16 RAM
20 ホッパー
22 粉砕機
24 注入機
26 混合機
28 加圧成形機
30 穴
32(32a,32b) 舗装ブロック(本体部)
34 孔
36 切欠き
38 上端部(端部)
40(40a,40b) 舗装ドレーン(ドレーン部)
42 下端部(端部)
44 連結部材(連結部)
46 端片部材
48 舗装部材
50 排水部材(本体部)
52 排水孔
54 土台
56 砕石基礎
58 上層部
60 下層部
G2 路床
G4 法面
Claims (16)
- 路床上または路盤上に敷き詰めて舗装を行うために用いる舗装体であって、
廃材を用いた骨材と当該骨材どうしを接着させる接着剤とを混合して第1透水率にし、路床上または路盤上に敷くために板状に形成した本体部と、
前記廃材と同種または異種の廃材を用いた骨材と前記接着剤とを混合して第2透水率(ただし第2透水率≧第1透水率)にし、前記本体部とほぼ同位置から地下方向に延ばして埋めるために柱状に形成するとともに、前記本体部に設けた孔または切欠きと嵌合する構造としたドレーン部とを有する舗装体。 - 請求項1に記載した舗装体であって、
ドレーン部は、地上に突出させる一方側の端部を凹状にするとともに、地下に向かう他方側の端部を凸状に形成した舗装体。 - 請求項1または2に記載した舗装体であって、
骨材の素材と透水率との関係および骨材の粒径と透水率との関係の一方または双方に基づいて、目的の透水率で構成した舗装体。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載した舗装体であって、
本体部は、硬い材質の廃材を用いて形成した上層部と、当該上層部よりも軟らかい材質の廃材を用いて形成した下層部とを有する舗装体。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載した舗装体であって、
複数の本体部に対して一のドレーン部を備える場合には、
透水率の高い上層部と透水率の低い下層部とによって本体部を構成し、前記上層部を伝って前記一のドレーン部に向けて水を導く構成とした舗装体。 - 路床上または路盤上に敷き詰めて舗装を行うために用いる舗装体であって、
廃材を用いた骨材と当該骨材どうしを接着させる接着剤とを混合して第1透水率にし、路床上または路盤上に敷くために板状に形成した本体部と、
前記廃材と同種または異種の廃材を用いた骨材と前記接着剤とを混合して第2透水率(ただし第2透水率≧第1透水率)にし、前記本体部とほぼ同位置から地下方向に延ばして埋めるために柱状に形成し、さらに地上に突出させる一方側の端部を凹状にするとともに、地下に向かう他方側の端部を凸状に形成したドレーン部とを有する舗装体。 - 請求項6に記載した舗装体であって、
骨材の素材と透水率との関係および骨材の粒径と透水率との関係の一方または双方に基づいて、目的の透水率で構成した舗装体。 - 請求項6または7に記載した舗装体であって、
本体部は、硬い材質の廃材を用いて形成した上層部と、当該上層部よりも軟らかい材質の廃材を用いて形成した下層部とを有する舗装体。 - 請求項6から8のいずれか一項に記載した舗装体であって、
複数の本体部に対して一のドレーン部を備える場合には、
透水率の高い上層部と透水率の低い下層部とによって本体部を構成し、前記上層部を伝って前記一のドレーン部に向けて水を導く構成とした舗装体。 - 路床上または路盤上に敷き詰めて舗装を行うために用いる舗装体であって、
廃材を用いた骨材と当該骨材どうしを接着させる接着剤とを混合して第1透水率にし、路床上または路盤上に敷くために板状に形成した本体部と、
前記廃材と同種または異種の廃材を用いた骨材と前記接着剤とを混合して第2透水率(ただし第2透水率≧第1透水率)にし、前記本体部とほぼ同位置から地下方向に延ばして埋めるために柱状に形成したドレーン部とを有し、
骨材の素材と透水率との関係および骨材の粒径と透水率との関係の一方または双方に基づいて、目的の透水率で構成した舗装体。 - 請求項10に記載した舗装体であって、
本体部は、硬い材質の廃材を用いて形成した上層部と、当該上層部よりも軟らかい材質の廃材を用いて形成した下層部とを有する舗装体。 - 請求項10または11に記載した舗装体であって、
複数の本体部に対して一のドレーン部を備える場合には、
透水率の高い上層部と透水率の低い下層部とによって本体部を構成し、前記上層部を伝って前記一のドレーン部に向けて水を導く構成とした舗装体。 - 路床上または路盤上に敷き詰めて舗装を行うために用いる舗装体であって、
廃材を用いた骨材と当該骨材どうしを接着させる接着剤とを混合して第1透水率にし、路床上または路盤上に敷くために板状に形成するとともに、硬い材質の廃材を用いて形成 した上層部と、当該上層部よりも軟らかい材質の廃材を用いて形成した下層部とを有する本体部と、
前記廃材と同種または異種の廃材を用いた骨材と前記接着剤とを混合して第2透水率(ただし第2透水率≧第1透水率)にし、前記本体部とほぼ同位置から地下方向に延ばして埋めるために柱状に形成したドレーン部とを有する舗装体。 - 請求項13に記載した舗装体であって、
複数の本体部に対して一のドレーン部を備える場合には、
透水率の高い上層部と透水率の低い下層部とによって本体部を構成し、前記上層部を伝って前記一のドレーン部に向けて水を導く構成とした舗装体。 - 路床上または路盤上に敷き詰めて舗装を行うために用いる舗装体であって、
廃材を用いた骨材と当該骨材どうしを接着させる接着剤とを混合して第1透水率にし、路床上または路盤上に敷くために板状にそれぞれ形成した複数の本体部と、
前記廃材と同種または異種の廃材を用いた骨材と前記接着剤とを混合して第2透水率(ただし第2透水率≧第1透水率)にし、前記本体部とほぼ同位置から地下方向に延ばして埋めるために柱状に形成した一のドレーン部とを有し、
透水率の高い上層部と透水率の低い下層部とによって前記本体部を構成し、前記上層部を伝って前記一のドレーン部に向けて水を導く構成とした舗装体。 - 請求項1から15のいずれか一項に記載した舗装体であって、
本体部と同様にして板状に形成し、路床上または路盤上に敷く本体部どうしを連結する連結部を有する舗装体。
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