JP3829275B2 - 車両用ブレーキスイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は車両用ブレーキスイッチに関するものであり、車両に設置されてブレーキランプをON・OFFさせるためのものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両用ブレーキスイッチWは、図6に示すように、ケーシング10とこのケーシング10に連設されたボルト状支持筒Bとこのボルト状支持筒Bに進退可能に嵌挿している進退杆70とから構成されている。そして、前記ボルト状支持筒Bを介して、車両Cに固定された(ダブルナット構造)状態で、常時、その進退杆70を車両BのブレーキレバーRによって押し込みOFF状態を維持し、ブレーキレバーRを弾性に抗して踏み込んだときにON状態として、ブレーキランプを点灯させている。
【0003】
このため、前記ボルト状支持筒Bには所定の強度が要求されるため、従来にあっては、(1) アルミダイキャストによって成形され前記ケーシングに連設したり、(2) 鉄材を切削加工やヘッダー加工することにより作成し、前記ケーシング (鉄板をプレスしたもの) に加締めていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の車両用ブレーキスイッチにあっては、上記したように、(1) 前記ボルト状支持筒がアルミダイキャストによって成形されていたり、(2) 鉄材を切削加工やヘッダー加工することにより作成し、前記ケーシング (鉄板をプレスしたもの) に加締めていたため、製造するにあたって手間がかかるとともに製造コストが高額化せざるを得ないという不都合を有した。
【0005】
この発明の課題はこれらの不都合を解消することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車両用ブレーキスイッチにおいては、ケーシングとこのケーシングに立設されたボルト状支持筒とを備え、前記ボルト状支持筒に進退杆を進退可能に嵌挿し、この進退杆を弾性手段によって前記進退筒から押し出す方向に付勢し、押し出したときにスイッチON,押し込んだときにスイッチOFFになり、前記ボルト状支持筒を、前記ケーシングに一体形成された軸筒の外周囲に有底筒状のボルト状カバー体を外嵌め固定することによって構成した車両用ブレーキスイッチにおいて、
前記軸筒の側面に軸心に沿って凸条を設けるとともに前記ボルト状カバー体の側面に軸方向に沿って対称的に一対の主スリットを形成し、この主スリットを前記凸状に外嵌めした状態で前記ボルト状カバー体を前記軸筒に外嵌め固定したため、
前記ボルト状カバー体60にナットを締め付ける際に必要とされる強度上充分な廻り止めの機能を確保したボルト状支持筒を製造するにあたって、従来に比し、手間がかからないものである。
【0007】
なお、前記ボルト状カバー体は、螺合されるナットの螺子山に対して、一山おきに螺子山形状を設け、且つ、前記主スリットで分割された両部分はそれぞれ一山づつずらして螺子山形状を設ければ、ナットとの嵌合も問題のないボルト状カバー体を製造しやすいものである。
【0008】
【実施例】
図1はこの発明に係る車両用ブレーキスイッチの正面図、図2は図1における断面図、図3は左側面図、図4は図2におけるV−V断面図、図5は図2におけるVI−VI断面図である。
【0009】
図1〜図5において、Sはこの発明に係る車両用ブレーキスイッチ、10はそのケーシングである。このケーシング10は合成樹脂製であり、基箱部20と連結部30とから構成されている。31は前記連結部30の基板であり、中心部に透孔32を有している。33は連結筒であり、前記基板31の周縁に一体成形されている。34,34 は係止窓であり、前記連結筒33に形成されている。この係止窓34,34 に前記基箱部20の係止突起21,21 を弾性的に係止することによって、前記基箱部20からの前記連結部30の抜け落ちを図っている。
【0010】
50は合成樹脂製の軸筒であり、前記基板 (連結部30の)31 における前記透孔32の周囲に立設された状態で一体成形されている。この軸筒50の根幹には係止溝51が形成されている(図2を参照のこと)。この係止溝51は一個のみ図示されているが、少なくとも一対は存在している。
【0011】
60はボルト状カバー体であり、前記軸筒50に外嵌めされた状態で、その一対の係止突起61,61 を前記軸筒50の係止溝51に嵌着している(片方のみ図示)。このボルト状カバー体60はアルミニウムを有底筒状にプレス成形したものであり、側面に一対の主スリット62,62 が対称的に形成されている(図1を参照のこと)。この主スリット62,62 は前記ボルト状カバー体60、即ち、前記軸筒50の軸心にそって延びている。また、前記ボルト状カバー体60の底面と側面との間に補助スリット63,63,…が形成され、前記主スリット62に連設している。
【0012】
このように主スリット62および補助スリット63が形成されていると、前記ボルト状カバー体60をプレスで作成しやすい展開可能な形状を確保することができ、また、主スリット62が、図4に示すように、軸筒50の側面に軸心に沿って延びている凸条59,59 に外嵌めされているため、前記ボルト状カバー体60にナットを締め付ける際に必要とされる強度上充分な廻り止めの機能を確保することができる。更に、前記主スリット62および補助スリット63が形成されていると、前記ボルト状カバー体60を広げることができ、前記軸筒50に外嵌めしやすくなる。
【0013】
64はボルト部であり、前記ボルト状カバー体60の側面に形成されている。前記車両用ブレーキスイッチSを車両に固定するときに、このボルト部64には、一対のナット(図示せず)が螺挿される(ダブルナット構造)。前記ボルト部64においては、本来(通常のボルト、即ち、このボルト部64に螺合するナットの)の螺子山に対して、一山おきに螺子山形状65,66 を設け、且つ、前記主スリット62で分割された両側部においてはそれぞれ一山づつずらしている。このように構成すると、車両Bに設置する際にナットとの嵌合においても問題のないボルト状カバー体60 製造しやすい。
【0014】
なお、前記軸筒50に前記ボルト状カバー体60を外嵌め固定することによって、この発明の「ボルト状支持筒P」が構成される。
【0015】
70は進退杆であり、前記軸筒50に進退可能に嵌挿されている。71は抜け止めフランジであり、前記進退杆70の根幹部に一体成形されている(図2を参照のこと)。この抜け止めフランジ71によって、前記進退杆70は前記軸筒50からの抜け出しを防止している。72は前記進退杆70の軸孔である(図2を参照のこと)。この軸孔72と前記基箱部20との間には圧縮ばね73が介在している。このため、前記進退杆70は、常態では先端方向に付勢されている。
【0016】
図2および図5において、81は第一接点プレート(金属製)であり、82は第二接点プレート(金属製)であり、いずれも前記ケーシング10内に設置されている。第一接点プレート81はコネクタ83に、第二接点プレート82はコネクタ84にそれぞれ電気的に繋がっている。また、85は移動プレート(金属製)であり、その透孔86を介して前記進退杆70の根幹部に嵌挿している。この移動プレート85と前記前記基箱部20との間には圧縮ばね87が介在している。このため、前記移動プレート85は常態では先端方向(図2において左方向)に付勢され、前記第一接点プレート81と前記第一接点プレート82とを電気的に繋げている。すなわち、この車両用ブレーキスイッチSは常態ではONの常態となっている。
【0017】
【発明の効果】
この発明に係る車両用ブレーキスイッチは、ケーシングとこのケーシングに立設されたボルト状支持筒とを備え、前記ボルト状支持筒に進退杆を進退可能に嵌挿し、この進退杆を弾性手段によって前記進退筒から押し出す方向に付勢し、押し出したときにスイッチON,押し込んだときにスイッチOFFになり、前記ボルト状支持筒を、前記ケーシングに一体形成された軸筒の外周囲に有底筒状のボルト状カバー体を外嵌め固定することによって構成した車両用ブレーキスイッチにおいて、
前記軸筒の側面に軸心に沿って凸条を設けるとともに前記ボルト状カバー体の側面に軸方向に沿って対称的に一対の主スリットを形成し、この主スリットを前記凸状に外嵌めした状態で前記ボルト状カバー体を前記軸筒に外嵌め固定したため、
前記ボルト状カバー体60にナットを締め付ける際に必要とされる強度上充分な廻り止めの機能を確保したボルト状支持筒を製造するにあたって、従来に比し、手間がかからないものである。
【0018】
よって、この車両用ブレーキスイッチは、従来に比し、生産するにあたって、その能率を向上させることができるとともにそのコストを低額化させることができるものである。
【0019】
なお、前記ボルト状カバー体は、螺合されるナットの螺子山に対して、一山おきに螺子山形状を設け、且つ、前記主スリットで分割された両部分はそれぞれ一山づつずらして螺子山形状を設ければ、ナットとの嵌合も問題のないボルト状カバー体を製造しやすいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る車両用ブレーキスイッチの正面図である。
【図2】 図1における断面図である。
【図3】 左側面図である。
【図4】 図2におけるVI−VI断面図である。
【図5】 図2におけるV−V断面図である。
【図6】 従来例の使用状態である。
【符号の説明】
S … 車両用ブレーキスイッチ
P … ボルト状支持筒
10 … ケーシング
50 … 軸筒
59 … 凸条
60 … ボルト状カバー体
62 … 主スリット
63 … 補助スリット
64 … ボルト部
70 … 進退杆

Claims (2)

  1. ケーシングとこのケーシングに立設されたボルト状支持筒とを備え、前記ボルト状支持筒に進退杆を進退可能に嵌挿し、この進退杆を弾性手段によって前記進退筒から押し出す方向に付勢し、押し出したときにスイッチON,押し込んだときにスイッチOFFになり、前記ボルト状支持筒を、前記ケーシングに一体形成された軸筒の外周囲に有底筒状のボルト状カバー体を外嵌め固定することによって構成した車両用ブレーキスイッチにおいて、
    前記軸筒の側面に軸心に沿って凸条を設けるとともに前記ボルト状カバー体の側面に軸方向に沿って対称的に一対の主スリットを形成し、この主スリットを前記凸状に外嵌めした状態で前記ボルト状カバー体を前記軸筒に外嵌め固定することを特徴とする車両用ブレーキスイッチ。
  2. 請求項1の車両用ブレーキスイッチにおいて、前記ボルト状カバー体は、螺合されるナットの螺子山に対して、一山おきに螺子山形状を設け、且つ、前記主スリットで分割された両部分はそれぞれ一山づつずらして螺子山形状を設けたことを特徴とする車両用ブレーキスイッチ。
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