JP3828236B2 - ドリルの油溝形成方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術的分野】
本発明は、例えばボール盤等に装着されて穿孔作業に用いられるドリル(ツイストドリル)のランドに潤滑及び冷却用の油溝を形成する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、切削油をドリルの先端まで導く事に依り潤滑及び冷却を向上させて寿命を延伸させるものとしては、ドリルのランドに油溝を形成した油溝付きドリルや、ドリルのランドの内部に油穴を形成した油穴付きドリルや、ドリルのランドの内部に鋼管を埋めた油管付きドリルが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この様なものは、油溝や油穴や油管がドリルの製造時に形成された特殊な構造のものであるので、広く市販されて居らず、入手が極めて困難であった。
本発明は、叙上の問題点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その目的とする処は、通常のドリルから容易に油溝付きドリルを得る事ができるドリルの油溝形成方法及びその装置を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のドリルの油溝形成方法は、ねじれ溝が形成されたドリルをその長手方向軸廻りに回転可能且つ長手方向に移動可能に支持し、ドリルのねじれ溝に廻止案内体を挿入してドリルの長手方向の移動に依りドリルのねじれ溝に応じたドリルの回転が得られる様にし、廻止案内体の近傍に位置する研削具に依りドリルのランドに油溝を形成する事に特徴が存する。
【0005】
本発明のドリルの油溝形成装置は、本体と、本体の長手方向に移動可能に設けられた移動体と、移動体に長手方向軸廻りに回転可能に設けられてドリルが取付けられる主軸と、本体に設けられてドリルのねじれ溝に挿入されてドリルを廻止めする廻止案内体と、本体に設けられて廻止案内体の近傍に位置するドリルのランドに油溝を形成する研削具と、から構成した事に特徴が存する。
【0006】
ドリルを長手方向軸廻りに回転可能且つ長手方向に移動可能に支持すると共に、ドリルのねじれ溝に廻止案内体を挿入すると、ドリルの長手方向の移動に依りドリルのねじれ溝に応じたドリルの回転が得られる。つまり、ドリルのねじれ溝に応じたドリルの送りと回転が得られる。この為、廻止案内体の近傍に位置する研削具に依りドリルのランドに油溝を形成する事ができる。ドリルのランドは、隣接するねじれ溝に依り造形されているので、ねじれ溝に倣った油溝をランドに形成する事ができる。
【0007】
【発明の実態の態様】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のドリルの油溝形成装置を示す後方からの斜視図。図2は、前方からの斜視図。図3は、廻止案内体の付近を示す要部平面図。図4は、出発材料である通常のドリルを示す斜視図。図5は、油溝を形成した後のドリルを示す斜視図である。
【0008】
油溝形成装置1は、本体2、移動体3、主軸4、廻止案内体5、研削具6とからその主要部が構成されている。
【0009】
本体2は、油溝形成装置1の基本部分を為すもので、この例では、台板7と、これの下部に設けられた前後(図1に於て右上が前)の脚8と、台板7の上部の長手方向(前後方向)に設けられた単一のレール9とから成っている。
【0010】
移動体3は、本体2の長手方向に移動可能に設けられたもので、この例では、平板10と、これの前側下部に設けられて本体2のレール9に対して摺動可能なスライダ11と、平板10の後側下部に設けられてレール9に対して移動を阻止する為のロックレバー12と、平板10の上部に設けられた軸受13とから成っている。
【0011】
而して、本体2と移動体3との間には、移動体3を前後動させる為の送りレバー14と、移動体3を常時後側に移動すべく付勢する為の左右のスプリング(引張スプリング)15と、移動体3の後動を規制すると共にその規制位置を調整できるストッパ16とが設けられている。
【0012】
主軸4は、移動体3に長手方向軸廻りに回転可能に設けられてドリルAが取付けられるもので、この例では、移動体3の軸受13に長手方向軸廻りに回転可能に支持されて居り、前側には、ドリルAのシャンクBを掴持するチャック17が設けられている。
【0013】
廻止案内体5は、本体2に設けられてドリルAのねじれ溝Cに挿入されてドリルAを廻止めするもので、この例では、左右一対のものにしてあり、本体2の台板7の前側上部に設けられてドリルAの先部の左右両側に位置して居り、夫々、支柱18と、これの上部に取付けられるホルダ19と、これにその先端がドリルAのねじれ溝Cに挿入されるべく突出可能に設けられたピン20と、ホルダ19内に設けられてピン20を常時突出すべく付勢するスプリング(圧縮スプリング)21とから成っている。而して、右側のホルダ19は、支柱18に固定されている。左側のホルダ19は、締付レバー22に依り支柱18に対して任意の旋動位置に固定できる様に設けられている。
【0014】
研削具6は、本体2に設けられて廻止案内体5の近傍に位置するドリルAのランドDに油溝Eを形成するもので、この例では、ドリルAの一方のランドDに油溝Eを形成する単一のものにしてあり、左側の廻止案内体5の支柱18の前側に設けられて居り、支持台23と、これに三次元的に位置調整が可能な自在取付具24を介して設けられた空気回転駆動機(エアモータ)25と、これの回転軸26に着脱可能に取付けられる砥石車27とから成っている。空気回転駆動機25は、回転調整部28を備え、空気配管(ホース)29を介して空気供給源(図示せず)に接続されている。
【0015】
次に、この様な構成に基づいてその作用を述解する。
ドリルAのシャンクBは、主軸4のチャック17に掴持される。ドリルAの先部は、左右の廻止案内体5のピン20が二つのねじれ溝Cに挿入される事に依り挾持される。この挾持は、廻止案内体5のピン20がスプリング21に依り常時突出状態に付勢されているので、弾力的なものになる。研削具6の砥石車27は、自在取付具24に依りドリルAのランドDに於ける廻止案内体5の近傍、つまりドリルAのランドDの先端の上方に位置され、ドリルAのランドDに応じた傾斜状態及び油溝Eが研削できる切込状態にされる。
【0016】
この様な状態から、研削具6の空気回転駆動機25が作動されて砥石車27が回転される。そして、送りレバー14が前傾されると、移動体3がスプリング15の弾力に抗して前進される。移動体3が前進されると、ドリルAが前進されつつねじれ溝Cに応じて回転される。つまり、ドリルAには、ねじれ溝Cに応じた送りと回転が与えられる。ドリルAにねじれ溝Cに応じた送りと回転が与えられると、廻止案内体5の近傍に位置する研削具6の砥石車27に依りドリルAのランドCの先端から後端に亘って油溝Eが研削される。
【0017】
一方のランドCに油溝Eを形成したならば、他方のランドCに油溝Eを形成する。この場合、ストッパ16を操作する事に依り移動体3を後退させてドリルAのねじれ溝Cの先部を左右の廻止案内体5のピン20間から抜き、ドリルAを180度だけ回転させ、再びストッパ16を操作する事に依り移動体3を前進させてドリルAのねじれ溝Cの先部を左右の廻止案内体5のピン20間に挿入する様にすれば、他方のランドCが上を向くので、ここに油溝Eを形成する事ができる。
【0018】
勿論、締付レバー22を緩めて左側のホルダ19を旋動させると共に、ドリルAをチャック17から外した後、他方のランドCが上を向く様にして上述とは逆の手順に依り再度ドリルAをセットしても良い。
【0019】
油溝Eの幅や深さや断面形状等は、研削具6を別のものに代えたり、取付位置を異ならせる事に依り変える事ができる。
【0020】
尚、移動体3は、先の例では、手動に依り移動させる様にしたが、これに限らず、例えば流体圧シリンダや電動シリンダ等のアクチュエータに依り移動させる様にしても良い。
研削具6は、先の例では、回転される砥石車27を用いたが、これに限らず、往復移動される砥石や砥石以外のものを用いても良い。
研削具6は、先の例では、空気回転駆動機25を用いたが、これに限らず、例えば液圧回転駆動機や電動機を用いても良い。
研削具6は、先の例では、単一であったが、これに限らず、例えばドリルAのランドDに応じた数(通常二つ)だけ設けても良い。この様にすれば、全て(二つ)の油溝Eを同時に形成できて作業能率を向上させる事ができる。
ドリルAの油溝Eは、先の例では、ランドDの先端から後端に向けて形成する様にしたが、これに限らず、例えば逆に、ランドDの後端から先端に向けて形成する様にしても良い。
【0021】
【発明の効果】
以上、既述した如く、本発明に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができる。
(1) ねじれ溝が形成されたドリルをその長手方向軸廻りに回転可能且つ長手方向に移動可能に支持し、ドリルのねじれ溝に廻止案内体を挿入してドリルの長手方向の移動に依りドリルのねじれ溝に応じたドリルの回転が得られる様にし、廻止案内体の近傍に位置する研削具に依りドリルのランドに油溝を形成する様にしたので、通常のドリルから容易に油溝付ドリルを得る事ができる。その結果、穿孔作業に応じた油溝を適宜に形成する事ができ、作業能率を大幅に向上する事ができる。
(2) ドリルのねじれ溝を基準にしてドリルの長手方向の移動に対するドリルの長手方向軸廻りの回転が得られる様にしたので、例えば鍛造や押出し等の塑性加工に依り作製されたドリルの様に、ドリルのねじれ溝及びランドのピッチが一定でない場合でも、ドリルのランドに油溝を正確且つ精度良く形成できる。
(3) 廻止案内体の近傍のドリルのランドを研削具に依り研削して油溝を形成する様にしたので、廻止案内体がドリルの保持部材となって適正な研削を行なう事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドリルの油溝形成装置を示す後方からの斜視図。
【図2】前方からの斜視図。
【図3】廻止案内体の付近を示す要部平面図。
【図4】出発材料である通常のドリルを示す斜視図。
【図5】油溝を形成した後のドリルを示す斜視図。
【符号の説明】
1…油溝形成装置、2…本体、3…移動体、4…主軸、5…廻止案内体、6…研削具、7…台板、8…脚、9…レール10…平板、11…スライダ、12…ロックレバー、13…軸受、14…送りレバー、15…スプリング、16…ストッパ、17…チャック、18…支柱、19…ホルダ、20…ピン、21…スプリング、22…締付レバー、23…支持台、24…自在取付具、25…空気回転駆動機、26…回転軸、27…砥石車、28…回転調整部、29…空気配管、A…ドリル、B…シャンク、C…ねじれ溝、D…ランド、E…油溝。
Claims (2)
- 二つのねじれ溝が形成されたドリルをその長手方向軸廻りに回転可能且つ長手方向に移動可能に支持し、ドリルの二つのねじれ溝に左右一対の廻止案内体を挿入してドリルの長手方向の移動に依りドリルのねじれ溝に応じたドリルの回転が得られる様にし、廻止案内体の近傍に位置する研削具に依りドリルのランドに油溝を形成する事を特徴とするドリルの油溝形成方法。
- 本体と、本体の長手方向に移動可能に設けられた移動体と、移動体に長手方向軸廻りに回転可能に設けられてドリルが取付けられる主軸と、本体に設けられてドリルの二つのねじれ溝に挿入されてドリルを廻止めする左右一対の廻止案内体と、本体に設けられて廻止案内体の近傍に位置するドリルのランドに油溝を形成する研削具と、から構成した事を特徴とするドリルの油溝形成装置。
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JP10318697A JP3828236B2 (ja) | 1997-04-21 | 1997-04-21 | ドリルの油溝形成方法及びその装置 |
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Publications (2)
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JPH10291112A JPH10291112A (ja) | 1998-11-04 |
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CN103182671B (zh) * | 2013-02-05 | 2015-04-22 | 江苏丰裕工具有限公司 | 麻花钻沟槽抛光设备 |
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1997
- 1997-04-21 JP JP10318697A patent/JP3828236B2/ja not_active Expired - Fee Related
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