JP3827871B2 - 浴室暖房乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室内の湿気の排気および、浴室内に吊り下げられた洗濯物等の被乾燥物の乾燥を行うとともに、入浴者にドラフト感を与えないように浴室内を暖房できる浴室暖房乾燥機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般家庭における浴室の設置が多くなるに伴い浴室を利用して洗濯物を乾燥させる乾燥機が普及されており、さらに冬季などの低温時に入浴者にドラフト感を与えないように暖房できる浴室暖房機能の要求が高まっている。
【0003】
従来、この種の浴室暖房装置の一例として実開平6−59716号公報に記載されたものが知られていた。
【0004】
以下、その構成について図9および図10を参照しながら説明する。
図に示すように、浴室101内から空気を吸引して加熱し、この加熱した温風を浴室101に吹き出して浴室暖房を行う暖房機102において、その吹出口103に自動可変ルーバー104を取り付けたこと、前記暖房機102に人体及びこの浴室101内における人体の位置を検出するための人体検出センサー105を取り付けたこと、前記人体検出センサー105で検出される人体の位置方向に温風の吹き出し方向が向かないように、前記自動可変ルーバー104の向きを自動制御する制御器106を取り付けたこと、を特徴とする浴室暖房装置であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の浴室暖房装置によれば、温風を浴室101内に送風して暖房を行うものであるので、入浴者に温風が接触して不快感を与えることのないように、入浴者の位置に温風の吹き出し方向が向かないように自動可変ルーバー104により温風の吹き出し方向を制御する必要があるという課題があった。
【0006】
また、通常浴室に設置されている浴室乾燥機も温風を利用して乾燥を行っているため、気温が低いときには被乾燥物の衣類の表面温度が上昇しにくく乾燥に長時間を要するという課題があった。
【0007】
また、冬季など気温の低いときは、浴室に入ると肌寒く、浴室全体が暖房されないと、肌に暖かさを得られないという課題があった。
【0008】
本発明は上記課題を解決するもので、ドラフト感のない快適感を得る暖房ができ、また浴室入室時にごく短時間で暖かさを得られることができ、また乾燥時間を短縮することができ、また照明器を兼用して省エネを図ることのできる浴室暖房乾燥機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の浴室暖房乾燥機においては、浴室内の空気を屋外に排気する換気用ファンと、浴室内の空気を循環する循環用ファンと、この循環用ファンの吐き出し側流路にヒータとを設け、浴室の天井等に設置される本体を備え、前記ヒータにハロゲンヒータを使用して、浴室内に向かい熱放射するハロゲンヒータの輻射熱により暖房をする構成とした浴室暖房乾燥機であって、前記ハロゲンヒータは洗い場に向かい熱放射する構成にし、前記ハロゲンヒータにより、循環風を加熱した対流熱と、直接放射される輻射熱とにより被乾燥物を乾燥させる構成としたものである。この本発明によれば、ドラフト感のない快適感を得る暖房ができ、また、浴室入室時、ごく短時間で暖かさを得ることができ、また乾燥時間を短縮することができる浴室暖房乾燥機を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、浴室内の空気を屋外に排気する換気用ファンと、浴室内の空気を循環する循環用ファンと、この循環用ファンの吐き出し側流路にヒータとを設け、浴室の天井等に設置される本体を備え、前記ヒータにハロゲンヒータを使用して、浴室内に向かい熱放射する前記ハロゲンヒータの輻射熱により暖房をする構成とした浴室暖房乾燥機であって、前記ハロゲンヒータは洗い場に向かい熱放射する構成にし、前記ハロゲンヒータにより、循環風を加熱した対流熱と、直接放射される輻射熱とにより被乾燥物を乾燥させる構成としたので、ハロゲンヒータの熱放射方向が、入浴者が浴槽内で湯につかっているとき以外に存在する洗い場等に向かうように設置することにより、入浴者が浴槽から出て洗い場にいるとき、輻射熱を受け、寒気を感じることがなくなるとともに、浴室入室時の身体が冷えているときにも、洗い場において輻射熱を受けてごく短時間で暖かさを得られるので、入浴者の移動に伴いハロゲンヒータの輻射方向を変換する必要もなく、快適な入浴ができ、また、洗濯物等の被乾燥物を浴室内に吊り下げ、浴室暖房乾燥機を運転すると、ハロゲンヒータの輻射熱により被乾燥物の表面温度が速やかに上昇し乾燥されるとともに、ハロゲンヒータにより加熱された循環用ファンの循環風による対流熱が被乾燥物に接触して被乾燥物が乾燥され、浴室内の湿気は換気用ファンにより排気されるという作用を有する。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図8を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1〜図3に示すように、浴室1の天井面に設置される箱状で側面に屋外に連通する排気口2を有し、下面には換気用吸込口3と循環用吸込口4および吹出口5が設けられた本体6を設け、本体6の換気用吸込口3と排気口2を連通した空気流路内に換気用ファン7を設け、循環用吸込口4と吹き出し口5を連通した空気流路内に循環用ファン8を設け、吹き出し口5には浴室1の浴槽9に隣接する洗い場10に向かい熱放射するハロゲンヒータ11を設け構成する。
【0012】
上記構成において、ハロゲンヒータ11は熱容量の小さいフィラメントを熱源としているため、スイッチのオン/オフとほぼ同時にエネルギーの立ち上がり、立ち下がりを行わせることができ、石英管ヒータおよびセラミックヒータに比較して立ち上がり性能が良いので、浴室入室時の入浴者の身体が冷えているときに浴室暖房乾燥機を運転すると速やかにハロゲンヒータ11の放熱温度が上昇し、入浴者にハロゲンヒータ11からの輻射熱が放熱され、ごく短時間で暖かさを感じ、暖房が行われることとなる。
【0013】
そして、入浴者が浴槽9内で湯につかっているときには、入浴者に向かいハロゲンヒータ11の輻射熱が放熱されることがなくなるが、入浴者は湯につかることにより身体は暖められてハロゲンヒータ11の輻射熱を受ける必要がなくなるので、ハロゲンヒータ11の放熱方向を入浴者の移動に伴い可変する必要もなくなる。
【0014】
このように本発明の実施の形態1の浴室暖房乾燥機によれば、浴室1内に向かい熱放射するハロゲンヒータ11を設けた本体6を浴室1の天井等に設置し、ハロゲンヒータ11の輻射熱により暖房をする構成としたので入浴者にドラフト感を与えることなく暖房をすることができ、入浴者が即暖感を得ることができ、入浴者が快適感を得ることができるとともに、入浴者の移動に伴い放熱方向を変換する変換手段等を設ける必要がなくなる。
【0015】
また、浴室1内に洗濯物等を吊下げて乾燥をすることもできるものである。
(実施の形態2)
図4に示すように、ハロゲンヒータ11Aのヒータ管11aの表面にセラミック12を塗布し遠赤外線を発生する構成とする。
【0016】
上記構成において、ヒータ管11aの表面にセラミック12をコーティングしたことにより、可視光(波長0.3μm〜0.7μm)の出力のほぼ100%、近・中赤外線(波長0.7μm〜3.0μm)の出力の70%〜80%を、遠赤外線(波長3.0μm〜100μm)に変換することができ、通常のハロゲンヒータに比べて遠赤外線の放射が2〜3倍になる。
【0017】
そして、赤外線が人体に照射されると、皮膚面で一部は反射し、残りは皮膚組織内で透過、吸収され、皮膚の赤外線反射率は近赤外線領域では比較的高いが、遠赤外線領域では低く一定となり、皮膚の赤外線透過率も近赤外線領域では比較的高いが、遠赤外線領域では低くなる。
【0018】
すなわち、近赤外線に対して皮膚は高い反射率を持つが、透過率も高く、照射された近赤外線の一部は比較的深部まで達することが予想されるのに対し、遠赤外線は皮膚の反射率が低いため、照射された大部分が皮膚組織内に入るが、透過率も低く比較的浅い部分で吸収されることとなる。
【0019】
また、人体の内部に入射された赤外線は皮膚組織に吸収され熱エネルギーに変わり、その部位の温度が上昇され、皮膚には温度上昇を検知する温度容器が存在し暖かさを感ずる。このとき、近赤外線に比べ遠赤外線が皮膚に強い温熱感を与え、遠赤外線は照射された大部分が皮膚で熱に変わり、その部位にある温度容器を強く刺激することとなる。
【0020】
このように本発明の実施の形態2の浴室暖房乾燥機によれば、ハロゲンヒータ11Aのヒータ管11aの表面にセラミック12を塗布し遠赤外線を発生する構成としたので、ハロゲンヒータ11Aの輻射熱により、入浴者の身体の暖房を効率良く行うことができる。
【0021】
(実施の形態3)
図5に示すように、ハロゲンヒータ11Bのヒータ管11bの表面には浴室(図示せず)から発生した臭気ガスなどの臭気成分を脱臭するための触媒13を蒸着などにより塗布して構成する。
【0022】
そして、触媒13としては白金系、白金系−パラジウム系、ニッケル系などの酸化触媒を用いる。
【0023】
上記構成において、浴室から発生した臭気ガスはハロゲンヒータ11Bにより加熱された温風が浴室内を循環する間に触媒13に接触し、酸化反応により臭気ガスが脱臭されることとなる。
【0024】
このように本発明の実施の形態3の浴室暖房乾燥機によれば、ハロゲンヒータ11Bのヒータ管11bの表面に触媒を塗布したので、浴室内で発生した臭気ガスが暖房または乾燥運転時に温風が循環することにより臭気ガスが触媒に接触して脱臭され、浴室に出入する人に不快感を与えることが防止できる。
【0025】
(実施の形態4)
図6に示すように、ハロゲンヒータ11Cで循環用ファン8により浴室1内に循環される循環風を加熱するように設け、ハロゲンヒータ11Cの輻射熱と、加熱された循環風の対流熱により、浴室1内に吊り下げられた洗濯物等の被乾燥物14を乾燥するように構成する。
【0026】
上記構成において、被乾燥物14を乾燥するため、被乾燥物14を浴室1内に吊り下げ、浴室暖房乾燥機を運転すると、ハロゲンヒータ11Cの輻射熱により被乾燥物14の表面温度が速やかに上昇し乾燥されるとともに、ハロゲンヒータ11Cにより加熱された循環用ファン8の循環風による対流熱が被乾燥物14に接触して被乾燥物14が乾燥され、浴室1内の湿気は換気用ファン7により排気されることとなる。
【0027】
このように本発明の実施の形態4の浴室暖房乾燥機によれば、ハロゲンヒータ11Cにより循環風を加熱するように設け、ハロゲンヒータ11Cから直接放射される輻射熱とハロゲンヒータ11Cにより加熱された循環風の対流熱により被乾燥物14が乾燥されるので、浴室1内の気温が低温であっても、被乾燥物14の表面温度を速やかに上昇させ、短時間で被乾燥物14を乾燥させることができる。
【0028】
また、遠赤外線を発生することができる実施の形態2のハロゲンヒータ11A(図示せず)を用いた場合には、空気などの熱媒体を介さず、直接被乾燥物14を加熱することとなり、温度上昇が速く、熱媒体からの熱損失が少ないため省エネルギーとなり、さらに熱源と非接触のため焦げたりすることもなく、水は遠赤外線を吸収しやすい性質を持っているため、洗濯時の水分を含む衣類等の被乾燥物14の乾燥には有利である。
【0029】
(実施の形態5)
図7に示すように、ハロゲンヒータ11Dの可視光が浴室1内に向かい反射されるように反射板15を設け、照明器を兼用するように構成する。
【0030】
上記構成において、ハロゲンヒータ11D内に設けられたフィラメント16から放射される光は、反射板15に反射されて利用される光とハロゲンヒータ11Dから直接に照射される光による有効領域において可視光(約7%)を照明器として兼用できることとなる。
【0031】
このように本発明の実施の形態5の浴室暖房乾燥機によれば、輻射熱を利用して暖房および乾燥を行うハロゲンヒータ11Dのフィラメント16から放射光を浴室1内に向かい反射するように反射板15を設けたので、ハロゲンヒータ11Dから直接放射される光と反射板15により反射される光とを総合した光を照明器として兼用して光の有効利用を図ることができ、照明器を不要とすることも可能となる。
【0032】
(実施の形態6)
図8に示すように、浴室1の壁面等に設けられる照明器17の照度を調節する電圧調整器18と、本体6に設けたハロゲンヒータ11Dが使用され、照明器として兼用されたときに、電圧調整器18の電圧を可変して既設の照明器17の調光をする調光装置19とを設けた構成とする。
【0033】
上記構成において、浴室暖房乾燥機を運転して暖房または乾燥を行うときにハロゲンヒータ11Dに通電されると、ハロゲンヒータ11Dの輻射熱とともに、ハロゲンヒータ11Dから直接放射される光と、反射板15により反射される光とを総合した光が照明器となって照射される。
【0034】
このとき、ハロゲンヒータ11Dによる照明分だけ既設の照明器17の照光を調光することができ、調光装置19により電圧調整器18を介して既設の照明器17の調光をするように設定しておくことにより、ハロゲンヒータ11Dの通電に連動して既設の照明器17が調光されることとなる。
【0035】
このように本発明の実施の形態6の浴室暖房乾燥機によれば、ハロゲンヒータ11Dを照明器としたときに、既設の照明器17が連動して調光されるように調光装置19を設けたので、既設の照明器の消費電力を少なくすることができ、省エネ効果をもたらすことができる。
【0036】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、浴室内の空気を屋外に排気する換気用ファンと、浴室内の空気を循環する循環用ファンと、この循環用ファンの吐き出し側流路にヒータとを設け、浴室の天井等に設けられる本体を備え、前記ヒータにハロゲンヒータを使用して、浴室内に向かい熱放射する前記ハロゲンヒータの輻射熱により暖房をする構成とした浴室暖房乾燥機であって、前記ハロゲンヒータは洗い場に向かい熱放射する構成にし、前記ハロゲンヒータにより、循環風を加熱した対流熱と、直接放射される輻射熱とにより被乾燥物を乾燥させる構成としたので、ドラフト感のない快適感が得られる暖房ができ、また浴室入室時、ごく短時間で暖かさを得ることができ、また、気温が低くても洗濯物等の被乾燥物の表面温度を速やかに上昇させることが可能で、乾燥時間の短縮を図ることができる浴室暖房乾燥機を提供できる。
【0037】
また、ハロゲンヒータのヒータ管の表面にセラミックを塗布し、遠赤外線を発生する構成としたので、遠赤外線によって、より暖かさ感を得るとともに、まぶしさ感を減らすことができる。
【0038】
また、ハロゲンヒータのヒータ管の表面に触媒を塗布し、臭気を除去する構成としたので浴室の臭気が除去され、入浴者に不快感を与えることが防止できる。
【0040】
また、ハロゲンヒータの可視光が浴室内に向かい反射されるように反射板を設け、照明器を兼用する構成としたので、浴室に照明器を設けなくても照明を得ることができる。
【0041】
また、ハロゲンヒータを照明器としたときに、既設の照明器が連動して調光されるように調光装置を設けたので、照明器における省エネを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の浴室暖房乾燥機の一部破断した下面図
【図2】同浴室暖房乾燥機を浴室の天井に設置した状態を示す概略図
【図3】同浴室暖房乾燥機を浴室の天井に設置した状態を示す断面図
【図4】本発明の実施の形態2の浴室暖房乾燥機のハロゲンヒータの構成を示す断面図
【図5】本発明の実施の形態3の浴室暖房乾燥機のハロゲンヒータの構成を示す断面図
【図6】本発明の実施の形態4の浴室暖房乾燥機の被乾燥物の乾燥時の状態を示す概略図
【図7】本発明の実施の形態5の浴室暖房乾燥機の構成を示す断面図
【図8】本発明の実施の形態6の浴室暖房乾燥機の構成を示す概略断面図
【図9】従来の浴室暖房装置の説明図
【図10】同浴室暖房装置の作用の説明図
【符号の説明】
1 浴室
6 本体
7 換気用ファン
8 循環用ファン
11 ハロゲンヒータ
11A ハロゲンヒータ
11B ハロゲンヒータ
11C ハロゲンヒータ
11D ハロゲンヒータ
11a ヒータ管
11b ヒータ管
12 セラミック
13 触媒
14 被乾燥物
15 反射板
17 照明器
19 調光装置
Claims (5)
- 浴室内の空気を屋外に排気する換気用ファンと、浴室内の空気を循環する循環用ファンと、この循環用ファンの吐き出し側流路にヒータとを設け、浴室の天井等に設置される本体を備え、前記ヒータにハロゲンヒータを使用して、浴室内に向かい熱放射する前記ハロゲンヒータの輻射熱により暖房をする構成とした浴室暖房乾燥機であって、前記ハロゲンヒータは洗い場に向かい熱放射する構成にし、前記ハロゲンヒータにより、循環風を加熱した対流熱と、直接放射される輻射熱とにより被乾燥物を乾燥させる構成とした浴室暖房乾燥機。
- ハロゲンヒータのヒータ管の表面にセラミックを塗布し遠赤外線を発生する構成とした請求項1記載の浴室暖房乾燥機。
- ハロゲンヒータのヒータ管の表面に触媒を塗布し、臭気を除去する構成とした請求項1記載の浴室暖房乾燥機。
- ハロゲンヒータの可視光が浴室内に向かい反射されるように反射板を設け、照明器を兼用する構成とした請求項1〜3のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機。
- ハロゲンヒータを照明器としたときに、既設の照明器が連動して調光されるように調光装置を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機。
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