JP3827100B2 - 水の循環濾過方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水の循環濾過方法及び装置の改良に係わり、浴湯やプール、温水プールの水、水棲動物の飼育槽の水などの中に含まれる老廃物質や排泄物を長期間にわたり安定的且つ確実に清浄化処理する新規な方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
公衆浴場やホテル・旅館等不特定多数が入浴する浴槽の管理には、浴湯の入れ替え、浴槽の洗浄、ストレーナーの清掃等が必須のこととして毎日行われている。更に、入浴者がある度に浴槽からオーバーフローする温湯は無為に放流され、その都度冷水を追加して適温になるまで加温される。これは、入浴者が持ち込む皮膚老廃物その他の汚物により浴湯が汚濁汚染されるのを防止するために必要避くべからざることであるが、これら入れ替えや放流による熱損失、労力消費は極めて大きなものである。
【0003】
そこで従来から、浴湯の汚染や汚濁を少しでも低減させて、追加水の削減をしたり、或いは連続使用する努力が続けられている。例えば、単純な濾材による濾過、吸着材を濾材に用いた濾過、濾材に微生物を着床させた生物濾過、更にはこれらとミネラル溶出濾材の併用等が各種提案され、また実用化されている。
【0004】
更に、近来では家庭用の小型濾過器が市場に出回り始めている。これには、ヒーターを内蔵して24時間入浴可能とするものや、バブルジエットと称して濾過水を空気とともに噴射する機能を内蔵したものなど各種のものが提供されている。
【0005】
尚、プールの水の場合も、浴湯と同様に人間の老廃物その他の汚濁物質により汚染されるので、浴湯と同様に水を循環濾過処理している。更に、次亜塩素酸ソーダ等の塩素剤による殺菌が行われている。しかし、殺菌剤の濃度が低いと殺菌効果が少なく、高くすると目や皮膚を傷める欠点があり、濃度管理が難しいし、排水を生物処理することも困難である。
【0006】
また、鑑賞魚や水族館における水棲動物の飼育槽の場合、魚等の排泄物や腐敗した残り餌によって飼育槽内の水は常時汚染されている。そのため槽内の水を循環し、その過程においてグラスウールによる濾過やゼオライト、活性炭による吸着濾過が行われている。しかし、水中の窒素分などの栄養分を完全に除去することは難しく、富栄養化によって植物性プランクトンが繁殖し、ガラス面等に付着する。そのために、残った餌の回収や月に数度のガラス面の清掃などかなり面倒な手入れを必要とする。しかも塩素剤による殺菌はできないので、魚が一匹でも病原性の黴やバクテリアに侵されると、またたくまに広がって水槽内の魚が全滅する現象も良く見られるところである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以下、主として浴湯の清浄化の場合を主として例にとって、本発明について説明する。浴湯を処理する従来の濾材の多くは、業務用(浴場用)、家庭用を問わず、雑菌類特に腐敗菌の繁殖が生じたり、生物濾過や生物活性化ミネラルによる有効化や温泉効果を主張しながら、何ら生物処理が行われず単なる物理濾過に止まっていた。甚だしくは、生物膜処理を標榜しながら有効な菌体の増殖が皆無なものや、悪性菌と呼ばれる各種の腐敗菌を増殖させているものもある。本発明者が濾材やフイルターに付着したバクテリアを培養実験をしたところ、濾材等に付着している栄養分を分解するバクテリアの存在は多くの場合殆どみとめられなかった。逆に、大腸菌や、球菌、ブドウ状球菌がかなりの例で存在していた。更に、生物処理を行ないながら紫外線殺菌(紫外線は、微生物組織を破壊するばかりでなく酸素をオゾン化する)やオゾン殺菌を併用する全く矛盾した装置も市販されている。従って、これらの器具や装置を用いた浴場の長期にわたる水質維持は困難で、少なくとも1〜2月に1回程度は器具、配管、濾材等の洗浄や解体洗浄(メンテナンス)が必要であり、設置者にとって大きな負担となっていた。
【0008】
他方機構上の問題として、浴槽内における汚物やバクテリアの死骸の沈降を防ぎ、目視的に浴槽水の清浄感を求めるところから過大な循環水量を求め、その結果として濾過器での流速は過大なものとなり、濾材接触時間、生物接触時間は極めて短いものであって、生物処理効果を求められない器具、装置となっていた。また、濾過水をジェット噴流(バブルジェット)として使用する場合も多く、そのためにも大量の循環水量が要求されている。しかも、この流量の確保は、多くの装置において濾材や生物膜と流湯が接触することなくパス(短絡)によって行われているのが実情である。
【0009】
上記したことは、以下に述べる現状調査からも明らかである。
(1)現状濾過筒内のバクテリア調査現在実動中の生物濾過筒(浴湯用)内に充填されていたセラミックボール、麦飯石、繊維フィルター等に付着しているバクテリアを調査するため、寒天培地にそれらの一定量を植えて32℃で7日間培養してみた。その結果、これらの濾材には1,7002,000個/mlもの球菌、300〜500個/mlものブドウ状球菌が付着していることが判明した。尚、老廃物(有機物)の分解除去に有効な有用細菌(以下に詳述)は、麦飯石にのみ僅か50個/ml程度付着しているに過ぎない。即ち、これらには生物処理に関わるべき有用細菌が殆どいないこと、そして大腸菌、球菌、ブドウ状球菌等が付着菌類の主体を占めていることが判明した。かかる事態は甚だしい危険を内包しており、速やかに改善せねばならない。尚、有用細菌の優先化により、それらは消滅する(以下に詳述)。従って、これらの濾材は物理的な濾過を行っているに過ぎないことも明らかとなった。但し、ミネラル溶出は行っている。
【0010】
(2)濾過筒内滞留時間業務用濾過筒の場合、濾過筒内滞留時間は1分前後のものが多い。これは、濾過筒通過水量(濾過水量)が極めて大きいことによる。例えば、図8に示すものはかなり優れた浄化能力を示す装置であるが、それでも濾過筒内滞留時間は1.2分程度である(濾過筒aの外筒容積600リットル、濾過筒通過水量500リットル/分)。しかも、濾材bは大きな通過水量を確保するために、図8のように3本の小さな濾材充填筒cに充填されたタイプのものが多い。従って濾材の抵抗を考えると、濾材充填筒の表面接触、それも極めて短い時間の通過であり、生物処理が充分に行われているとは考えられない。また家庭用小型濾過器の場合には、濾過筒内容積が小さいうえに業務用同様濾過水をバブルジェットにすることが多いため、濾過筒内滞留時間は極めて短く数十秒程度である。従って、業務用同様或いはそれ以上に生物処理は困難である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、まず濾材について研究を進めた。得られた結論として、浴湯の理想的な濾材、濾過システムは以下の要件を満たすものである。
(1)有用細菌芽胞を高濃度に濾材中に内包している濾材(有用細菌芽胞含有物)を用いること。
(2)濾過筒内で、生物処理を行なうのに必要な菌体(有用細菌)の増殖や再胞子化に必要なミネラル(シリカ及びマグネシウム)の供給を行ない、菌体の培養と維持を行なう濾材を用いること。
更に望ましくは、
(3)短い時間で汚染物質を吸着し、以後の生物栄養を供給する濾材を併用すること。
(4)ミネラルを供給したり菌体を着床して増殖させる他の接触濾材を併用すること。
(5)更に、着床より離脱したバクテリアの流失を防止するために、最終段階でフイルターを使用するとよい。
したがって、本発明は、槽内の水に含まれる老廃物質を清浄化処理して、前記水を循環使用をする水の循環濾過方法において、引き抜いた水又は吸い込んだ水を、有用細菌芽胞を内包し、かつ、シリカ源およびマグネシウム源となる方形石を充填した濾過装置を通過させる処理工程と、最終段階に着床より離脱したバクテリアの流失を防止するためのフイルターを通過させる工程を有し、前記方形石は、破砕品または粉末を121℃以下の温度で処理した造粒品であることを特徴とするものである。また、本発明は、下部に引抜き水導入口、上部に濾過水送出口を備えた筒型容器を通して槽内の老廃物質を清浄化処理し、水を循環使用をする水の循環濾過装置において、前記筒型容器には、有用細菌芽胞を内包し、かつ、シリカ源およびマグネシウム源となる方形石を充填した網容器と、ゼオライトを充填した網容器と、接触濾材を充填した網容器と、着床より離脱したバクテリアの流失を防止するためのフィルターとが前記引抜き水導入口側から濾過水送出口に向けて順番に収納されており、前記方形石は、破砕品または粉末を121℃以下の温度で処理した造粒品であることを特徴とするものである。
【0012】
尚、本発明で言う有用細菌とは、芽胞(胞子)を形成する好気性ないし通性嫌気性のグラム陽性桿菌(バチルス属)に属する、澱粉分解、蛋白質分解、脂肪分解に優れた能力を示す複数種のバクテリアのことである。
【0013】
これらのバクテリアは、以下のようにして得られた。枯草菌を代表とするバチルス属のバクテリアは、土壌、枯れ草など自然界に広く分布しており、一般の屎尿処理場の槽内にも低濃度ではあるが存在している。そこで、ある既設の屎尿処理場の消化槽において、硅酸イオン(SiO2 :シリカ成分)及びマグネシウムイオンの存在下で長期間(少なくとも6ケ月以上)にわたって好気処理し、生成した汚泥を抜き出し、平面寒天培地にこの汚泥を植菌し、32℃で6時間培養して菌株を単離した。得られた菌株は30余種であったが、その90%以上がバチルス属であり、そのうち澱粉を分解資化するもの、蛋白質(カゼイン)を分解資化するもの、その両者を分解資化するものがほぼ等分含まれていた。脂肪は殆どの菌株が分解資化した。また、アンモニアは半数以上の菌株が、硫化水素は全ての菌株が分解資化する能力を有している。
【0014】
更に、バクテリアの分解資化能力を増大させるために、以下の操作を行なった。まず、上記と同じ汚泥(MLSS5,400)の4リットルを5リットル瓶に採り、クリーンベンチ内で曝気を続ける。これに、生物試験用のジャガイモ澱粉、クックドミート、牛肉エキス、コーン油を1:1:1:1の割合で、初期は少量を加え、糸状体を形成しない範囲で徐々に増量し、70日経過後より総量40gとなるように添加量を増して与えつづけた。尚、モノマーシリカ20mg、マグネシウムイオン20mgを微酸性水溶液として毎日添加し、更に蒸発水分の補充は適時蒸留水を添加して調整した。この操作を6ケ月続けたのち、養分の投入を停止し更に曝気を5日続けて(胞子化のため)から汚泥を抜き出し、同様にして菌株毎の澱粉分解、蛋白質分解、脂肪分解挙動を調査した。
【0015】
その結果、表1に示すように、澱粉と蛋白質の両者を分解する菌株が増え、また分解能もそれぞれ増大しており、菌体の太さにも変化が見られ。即ち、菌の馴化或いは変成が生じたものと思われる。尚、菌体の太さが1.2μmを境に、それよりも太い菌体は澱粉を分解し、それよりも細い菌体は蛋白質を分解することが判る。また、1〜15の菌株(バチルス属)が全体の90%以上を占有しており、これらが有機物分解に関与している。グラム陰性桿菌や酵母には、直接栄養分解を行なう力がないことも明らかとなった。このように、適正範囲内で最大の負荷を細菌に与えることにより、細菌機能が向上したり、複合機能を有する菌株が増し、変成を示すことが明らかとなった。これらの変成菌は有機物分解能が高く、高負荷の処理に適した機能をもつものである。本発明では、上記汚泥由来の菌株、更に分解資化能力増強タイプの菌株の何れも使用できるが、後者の方が処理能力は優れている。更にこれらの汚泥を脱水後、共存する原生動物の死骸を分解資化するとともにバチルス属バクテリアをさらに増殖させるため、発酵処理を加えて完熟させることにより、芽胞濃度を1010個/mlから1011〜1012個/mlにまで高濃度化することができる。
【表1】
Figure 0003827100
【0016】
バチルス属のバクテリアは、発芽、増殖するために栄養分とともに酸素、シリカ、及びマグネシウムを必要とする。これらの条件が満たされれば、貪欲に栄養分を消費して優先化し、他のバクテリア例えば球菌やブドウ状球菌を消滅させる能力を有している。また、貧栄養状態になれば胞子化し、栄養分の供給で発芽する。シリカは、有用細菌の細胞液や細胞膜、胞子膜を構成する重要な物質であり、これが不足すると有用細菌の増殖ができなくなる。またマグネシウムは、この有用細菌の世代時間(増殖サイクル)を極端に短縮させる作用を有している。このシリカ及びマグネシウム働きは、本発明者らが初めて見いだしたものである。また一定範囲の温度にコントロールすると、増殖速度が早くなる。好ましい温度の上限は有用細菌の種類により異なり、62℃或いは45℃程度であるが、浴湯の場合40〜42℃であるので、特に問題はない。また酸素は浴槽内でバブルジェットにより供給される程度で十分である。但し、本発明の場合濾過筒内滞留時間を長くするために濾過筒通過水量を少なくするので、バブルジェットは別系統にすることが好ましい。
【0017】
そして、各種濾材について検討した結果、上記(1)と(2)については、方形石の破砕品または該粉末の造粒品を使用することが最も好ましいと結論された。即ち、方形石はクリストバライト形シリカを主成分(90%以上)とし、500Å〜数μmの空隙を全体に有する極めて高度な多孔質形態を持ち、嵩比重1.11.6(採取地により変動)のポーラスな鉱物である。しかも、その空隙には無数の有用細菌芽胞を天然的に内包しており(この現象は本発明者により初めて確認された)、水と加温により芽胞が活性化されて発芽直前の状態とすることができる。更に栄養分(人間の老廃物等)が供給されると、たちまち発芽して栄養分を分解し、その胞子化に必要なミネラル存在下で、貧栄養状態の出現とともに再び胞子化する性質を有している。従って、浴湯の浄化処理には欠かせない自然界で得られる生物濾材である。但し、方形石が高温に晒されると、内包している有用細菌の芽胞が死滅する(121℃の恒温箱内では死滅しなかった)。従って、破砕品の形で使用するか、加工する場合には121℃、好ましくは100℃程度以下の低温で処理する必要がある。尚、方形石の破砕品に有用細菌芽胞を植菌したり、方形石の粉末に有用細菌芽胞やこれを高濃度に含有する汚泥を混合して成型したものも、濾材として使用できる。
【0018】
或いは、(1)として有用細菌の芽胞を多数内包させた繊維製品を用いてもよい。これは例えば、有用細菌を液体培地で培養してその芽胞を単離したのち更に希液体培地で培養して胞子化した菌体を、糸、紐、ロープ等の繊維製品(好ましくは化学繊維)を繰り返し浸漬−引き上げ(水切り)して繊維空間に植え付けたのち、乾燥して得る。繊維としては、からみの多い繊維、例えばアクリル繊維等が適している。
【0019】
更に(1)として、シリカとマグネシウムに富んだ排水処理場等で本発明と同様に有用細菌を増殖処理して得られる有用細菌高濃度芽胞汚泥(活性汚泥:有用細菌の芽胞を少なくとも106 〜109 個/ml程度以上含んでいるものが好ましい)を、乾燥或いは発酵乾燥して成形したものも使用可能である。繊維製品や汚泥成形品の場合には、有用細菌の増殖や再胞子化に必要なミネラルが欠如している。この場合には、方形石や麦飯石その他ミネラルを含む鉱物を併用するとよい。尚、マグネシウム分に富むドロマイトを使用することも好ましい。
【0020】
次に(3)については、浴湯中の汚染物質の内、特に大きなウエートを占めるアンモニア性窒素の吸着力が強いゼオライト鉱物を用いる。特に、高品位の天然ゼオライト粉末を使用した造粒品が有効であるが、通常のゼオライト粉末の造粒品や破砕品も使用可能である。また(4)については、麦飯石や適度のミネラル溶出をする安山岩系鉱物や火山性軽石等が用いられる。これらは、従来浴用濾材とて用いられてきたもので、いずれも容易に入手することが可能であり、バクテリアの着床になるとともにミネラル(シリカ、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、鉄その他)を溶出する働きをする。更に(5)としては、ポリエステル綿やアクリル綿などの合成繊維製綿状のフィルターを用いるとよい。分厚い不織布状のものも使用できる。セルロース系のものは分解される可能性があるので、椰子繊維等強靱なものを除いては好ましくない。尚、本発明の濾材としては上記(1)及び(2)の要件が充足されれば、それだけでかなりの効果を発揮する。ただ、これにゼオライトを併用すれば、濾過筒内滞留時間が多少短くても浴湯中のアンモニア系老廃物の除去がより効果的に行なえる。高品位の天然ゼオライト粉末(粘土分を低減除去したもの)の造粒品は吸着速度や吸着容量が大きいため、その効果は更に増大する。これに更に麦飯石その他の濾材を併用すれば、濾過清浄化工程が長くなり、より優れた効果を発揮する。
【0021】
(実験例)
1.方形石中の有用細菌の確認
a 方形石を乳鉢で微粉砕し、その1gを液体培地(グルコース0.8%、ニュートロエレトクロース0.8%、食塩0.6%)10mlをシャーレに取り、その上に散布したのち、32℃で7日間培養した。その結果、無数に近い有用細菌の発芽と胞子化コロニーの出現を確認した。
b 更に、aより有用細菌芽胞を単離し、1/10に希釈した液体培地300mlに移植し、50mlの散気を行いながら32℃で3日間培養して増殖させたところ、この培地溶液中に極めて高い有用細菌のコロニーが出現し、有用細菌濃度=5×109 個/mlとなった。計測は、バイオ−プロッターにより行なった。
c 方形石表面を、電子顕微鏡走査像により観察したところ、その空隙に大量の有用細菌芽胞の存在を確認した。
【0022】
2.繊維製品中の有用細菌の確認
前述した有用細菌の芽胞を繊維空間に植え付けたアクリル製紐を、ステンレスドラム(60mmφ)の外周に巻付ける。1リットルビーカーに純水を1リットル採り32℃に加温しながらこのステンレスドラムを浸漬し、100ml/分×60分の散気を行い、顕微鏡観察したところ、各有用細菌芽胞は発芽寸前(桿菌を内包)の状態となっていた(活性化)。次いで、先の希釈液体培地に浸漬し、シリカ溶液1ml(シリカ10mg、MgO3mg相当)を加え、同様の散気と加温を行ったところ、一斉に発芽増殖し、1日後には栄養分解が完了して高濃度芽胞コロニーとなった。(稀液体培地はグルコース0.2%、ニュートロエレトクロース0.2%、食塩0.1%を用いた)。よって、本方法によっても、有用細菌の種菌を供与できることも明らかとなった。尚、一般に麦飯石、安山岩、セラミックボール(多孔質)等には、有用細菌芽胞を含んでおらず、浴湯中に進入してくる有用細菌が余りにも少ないため、既に述べてきた有用細菌の高濃度化は生起せず、種菌、特に高濃度化された芽胞を種として与えない限り、浴湯の生物処理は行えないと言える。
【0023】
3.活性汚泥成形品中の有用細菌の確認
有用細菌による処理を行っている屎尿処理場の引き抜き汚泥を脱水し、これにシリカ溶液の適量(50ml/Kg)を加えて混合し発酵処理後に、成形し自然乾燥して活性汚泥成形品とした。この活性汚泥成形品を粉砕し、その1gを分取して500mlの純水に溶解し、その適量を分取して予め準備してある寒天培地(可溶性澱粉、蛋白質含有)上に散布し、32℃で3日間培養し発芽させた。その結果、この汚泥中には5×1010〜1×1011個/gの有用細菌芽胞が存在したことが確認された。尚、その他酵母菌や球菌が僅かに存在したが、有用細菌の優先率は96%に達した。
【0024】
4.窒素吸着濾材の検討硫酸アンモニウム溶液(1.0w/w%)を作成し、各種濾材50gをコンデンサーに充填し、5ml/分で硫酸アンモニウム溶液を流下させ、その濾過液中のアンモニア性窒素をネスラー法により定量した。その結果を、表2に示す。
表 2
ゼオライト製品 残留アンモニア性窒素(ppm
天然ゼオライト破砕品5mm径 3.6
ゼオライト粉末造粒品(ペレット)3mmφ 2.1
ゼオライト粉末造粒品(球形)5mm径 1.3
高純度ゼオライト粉末造粒品(ペレット)4mmφ 0.6
表2から判るように、高純度ゼオライト造粒品が最も適していることが明らかとなった。また、これらゼオライト造粒品は、その多孔質性状により、有用細菌の担体となるとともに、シリカやマグネシウムを溶出して有用細菌の高濃度化に資することを考えると、大変有効と言える。
【0025】
5.有効ミネラル供給濾材の選択
各種濾材100gを秤取し、1リットルビーカーに採り、純水900mlを加えて超音波槽(50KHz)で30分間溶出させた結果は表3(その1)、(その2)の通りであり、材毎にその適量を決めて使用する。
【表3】
Figure 0003827100
上記より、また物理濾材効果も勘案して、濾材としては方形石、ゼオライト、麦飯石、セラミックボール(SiO2 ・Al2 3 )等が適しているが、特に限定されることはない。尚、表3中、方形石(クリストバル石)は5〜8mmの破砕品、他の石は5〜20mmの破砕品、セラミックボールと麦飯セラミックは5mmの球形品を使用した。
【0026】
(本発明処理方法のまとめ)
1.濾過筒内に有用細菌芽胞を持つ濾材(方形石)または種子を植えた糸、紐、ロープ等の繊維製品或いは活性汚泥成形品を内装又は別途生物処理層内に充填し、生物処理に関わる有用細菌を高濃度に保持して、流入する栄養分を高速度的に分解する。この場合、方形石、ロープ種菌或いは汚泥成形品を単独で採用してもよく、複合で採用してもよい。
2.栄養分の高速吸着による高濃度化と、その有用細菌による分解と言う全く新しい生物濾過方式を採用する。
3.有用細菌を活性化、高濃度化するために、ミネラル特にシリカ、マグネシウムの適量を溶出する濾材であって、物理濾過にも働く濾材を用いる。
4.水中の微生物と接触時間を長くとるように濾過水流量の圧縮と、パス(短絡)の起こらない、又は浴槽内水流を得るに必要な最低限のパス水量となるように工夫する。
5.従って、浴槽の場合のバブルジェットは濾過系とは別の経路で行なう。更に、生物処理の害になるオゾン曝気や紫外線照射は併用しない。
【0027】
(本発明装置のまとめ)
1.濾過流速を大幅に減速し、濾過筒内滞留時間を最低2〜3分以上とする。プールや魚の飼育槽等水温が低い場合は3〜10分以上対流させることが好ましい。
2.有用細菌を活性化するミネラル溶出を確保する。
3.着床より離脱したバクテリアの流出を防止する単純濾材又はミネラル溶出濾材を用いる。更に最終段階でフイルターを使用する。
4.更に、濾過筒に各種濾材を充填する関係から、メンテナンスが容易にできる機構で、充分な処理効果を発現できる機構を採用する。
5.オゾン発生器や紫外線照射を排除する。生物膜処理を行なう上で、水中にオゾンを吹き込んで溶解させることは、全く甚だしい矛盾であると言わざるを得ない。オゾンは、悪性細菌ばかりか良性細菌(有用細菌)までも殺菌するし、人間にとっても有害である。
6.有用細菌を優先化(90%以上)しておけば、腐敗菌等の悪性菌は消滅する。よって、その優先処理を講ずる。
7.浴槽の場合、ジエット水流システムについては、その吸水を循環濾過水を用いないで、浴槽から別途単独で導きだし、ポンプ圧送またはエア圧送を行いながら、アスピレーター効果によりジエット水流を浴槽内に造らせる方式を採用する。これにより、濾過筒内流速は、任意に設定できる。大型浴槽の場合、溜水抵抗が大きいため、複数設置することが望ましい。
8.浴槽よりオーバーフローした湯(表面水)は、回収して循環使用する。この場合、浴槽から引き抜いた湯と合流させて処理してもよいが、オーバーフロー水を受ける溝内において、方形石とゼオライトに接触させ、その後タンクに溜めてから引き抜いた湯と合流させるようにしてもよい。この場合、有用細菌はここで発芽して栄養分解と油分凝集を行わせるとともに、ゼオライト石によりアンモニア、硫化水素(ゼオライトは硫化水素は殆ど吸着せず)を吸着させ、二次的に方形石表面に発芽した有用細菌によりこれを分解させるようにしてもよい。
【0028】
(水棲動物の飼育槽の場合)
鑑賞魚の飼育槽や水族館の水槽の場合、浴湯に比べて水温が低いので、微生物の活性が低くなって処理速度が遅くなる。従って、濾過装置の大形化によって、装置内での水の滞留時間を少なくとも3〜10分以上と長くする必要がある。従来は、フイルターによる濾過とともに活性炭等によるアンモニア等の吸着が行なわれていたが、これだけでは病原菌を排除することは不可能であった。本発明の採用により、大腸菌、球菌、ブドウ状球菌等の病原菌を殺菌できるのみならず、定期的な活性炭の交換に要する手間を省くことができる。
【0029】
(プール、温水プールの場合)
プールや温水プールの場合、水中の汚れ物質は浴湯の場合と殆ど同じであり、本発明が適用できる。但し、温水プールの場合はまだしも冷水プールの場合は、水温が低いため、水棲動物の飼育槽の場合と同様の問題が生じる。更に、プールの場合は塩素消毒がされているので、引き抜いた水をそのまま本発明装置に通すと、有用細菌が死滅する。従って、本発明濾過装置を通す前に、活性炭等による脱塩素処理を行なう必要がある。尚、充分な処理能力を持った本発明装置で処理すれば、塩素滅菌は不要か或いは塩素濃度を著しく逓減しても、問題は生じない。
【0030】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例 1
図1は、家庭風呂用の恒温浄化装置等に組み込まれる小型濾過器の一例を示す。この小型濾過器1は、底部に引抜き水導入口2、蓋部に濾過水送出口3を備えた筒型容器4の内部に網容器5を収納し、この網容器5内に方形石、ゼオライト、セラミックボール、麦飯石及び不織布フイルターを順次下方から充填したものである。方形石の代わりに上記した有用細菌芽胞を含む繊維製品や汚泥成形品を使用してもよいし、セラミックボールや麦飯石の代わりに軽石その他の鉱物を使用してもよい。尚、網容器5は浴湯の短絡を防ぐために、筒型容器4の内部下方に設けた環状金具6で支持され、容器内壁に内接した状態で収納されている。網容器5と環状金具6の間にパンキングを介挿させてもよい。この筒型容器の内容量は3.1リットル、循環水量は1リットル/分である。従って、濾過筒内滞留時間は約3分である。
【0031】
この小型濾過器(循環濾過装置)を組み込んだ恒温浄化装置を、容量250リットル槽(家庭用2人用風呂)に設置して平成5年3月1日より連続運転テストを行った(平成6年8月末まで)ところ、浴湯の清浄度、透明度に変化もなく、悪臭の発生も全くなかった(もっとも、洗い湯分は追加した)。更に濾過器内部の点検を行ったところ、方形石表面は全て有用細菌及びその芽胞コロニーで覆われており、ゼオライト層にも有用細菌の付着が認められた。更に、その上部のセラミックボールや麦飯石濾材の凹凸部には有用細菌の着床が見られた。また、繊維フィルターには、担体を離脱したバクテリアが引っ掛かっており、生物処理が充分に行われたことを示した。これは、方形石、ゼオライトに付着した有用細菌及び同芽胞の高濃度化(1×1010個/ml)が認められ、それらによる処理効果が発現したものと考えられる。また、1年6ケ月使用後の浴湯水質は、表4(その1)、(その2)に示す通りの優れたものであった。
【表4】
Figure 0003827100
上記の通り、大変優れた水質、清澄度を有しており、特に有用細菌の活性化、高濃度化に必要なミネラル分を溶解していることは、大きな特徴であり、充分な生物処理効果を示した。また浴湯中のミネラル分は、SiO2 72.0ppm、MgO22.1ppm、CaO32.6ppmであった。尚、表4中の金属は全て酸化物である。
【0032】
比較例 1
実施例1に使用したものと略同様の筒型容器(内容量3.1リットル)に、周囲が透けた状態で網容器を挿入し、この網容器に実施例1と同様の麦飯石とセラミックボールを充填した。この小型濾過器を、循環水量が41リットル/分(濾過筒内滞留時間は約4.5秒)にした以外は実施例1と同様に使用し、1年6ケ月使用後の浴湯水質を分析した。その結果を表4に示す。尚、従来使用されている多くの濾過器は、比較例品と同様に濾過筒内滞留時間が極めて短いものである。
【0033】
実施例 2
図2は、業務用の浴湯循環濾過装置の一例を示す。この循環濾過装置7は、底部に引抜き水導入口8、蓋部に濾過水送出口9を備えた筒型容器10の内部に、下方から順に方形石と芽胞含有汚泥及びドロマイトを充填した網容器11、ゼオライトを充填した網容器12、セラミックボールと活性炭を充填した網容器13、麦飯石を充填した網容器14及び繊維質フイルター15を収納したものである。なお、各網容器は鉄板で枠組みし、その底面及び側面に金網を張設したもので、その下部が筒型容器10に内接するよう構成されている。筒型容器10の内面下部には網容器11を支える環状金具16が固設され、環状金具16の下方は湯溜まり用の空間になっている。また、図中符号17は該空間部分に設けられた拡散・減速板、符号18は洗浄水用ドレイン、符号19はフイルター押さえ用の金網、符号20は引抜き水導入用ポンプ、符号21は濾過水送出口用ポンプである。
【0034】
この循環濾過装置7は内容積が340リットルの筒型容器10に、50Kg(15〜30mm粒)の方形石と10Kgの芽胞含有汚泥と10Kgのドロマイト、95Kgの高純度ゼオライト造粒品、80Kg(SiO2 とAl2 3 、7mm粒)のセラミックボール、40Kgの造粒活性炭(3〜5mm)、120Kg(5〜15mm)の麦飯石粒をそれぞれ充填し、最上部にアクリル綿フイルター板を設置したものである。そして容量5m3 の浴槽に組み込み、濾過筒通過水量150リットル/分で1年以上の長期にわたって連続使用した。従って、この循環濾過装置7における濾過筒内滞留時間は約2.3分である。夜間は保温ヒータを使用して24時間運転を行なった。また、浴槽内ジェット水流を噴射し、エア70リットル/分の導入も併せて運転した。このテスト期間中に、濾材の洗浄を行なわず、浴湯の入れ替え、浴槽の洗浄も全く行なわず、体の洗い湯と蒸発による損水のみの補給を行なったに過ぎなかったが、テスト終了時点においても、表4に示すように濁度や透視度に優れしかも大腸菌が皆無な清浄な湯の状態であった。
【0035】
尚、オーバーフローした浴湯は、図5に一例を示すような浴湯回収処理槽33で生物処理して浴槽に戻すようにして、循環濾過装置7の負担を軽減するようにするとよい。この浴湯回収処理槽33は、被処理水(オーバーフロー浴湯)導入パイプ34と処理水が流出する越流パイプ35を備えた槽36内に、方形石濾材37を充填した網フィルター38を複数段設置したものである。方形石濾材37に加えて、循環濾過装置7に充填している他の濾材を充填すると、更に処理効率があがる。尚、負荷が小さい場合は、循環濾過装置7の代わりにこの浴湯回収処理槽33にオーバーフロー水とともに循環水を導入して処理するようにしてもよい。
【0036】
比較例 2
図8に示す業務用濾過筒(外筒容量600リットル、濾材は麦飯石及びセラミックボールで濾材容量は28.3リットル×3本)を実施例2と同様の条件で使用した。但し、濾過筒通過水量500リットル/分であるため、濾過筒内滞留時間は約1.2分である。その結果を表4に示す。
【0037】
表4から明らかなように、本発明(実施例)では長時間使用後の浴湯に病原菌が見られずBOD、CODも低く、清浄度の高い結果となった。尚、シリカ及びマグネシウム濃度が高いが、これは有用細菌が活性化されていることの査証となる。これに対し従来装置(比較例)は、病原菌や雑菌も多く、またBODやCODも高いし清浄性に欠けるものである。
【0038】
実施例 3
循環濾過装置22として、図2のものに代えて図3に示すように網容器23の外周に外筒24を設けて槽25とし、積み重ねた槽25の各外筒24により筒型容器26を構成するようにしてもよい。この場合、各外筒24は連結具27で水密に連結されるようになっており、濾材の手入れが簡単にできる利点がある。尚、図3の循環濾過装置22の濾材は、有用細菌及びミネラル供給槽25Aとして有用細菌芽胞を含む繊維製品と汚泥成形品、吸着槽25Bとしてゼオライト破砕品を充填しているが、必要に応じて槽の数を増やせばよい。他は、実施例2と同様である。
【0039】
実施例 4
図4の循環濾過装置28は、複数(図では3個)の筒型容器29にそれぞれ方形石30、ゼオライト31、麦飯石32を充填し、これを連結したものである。この装置は、設置面積は大きくなるが濾過材の手入れが容易に行なえる利点がある。尚、上記した各循環濾過装置は、浴湯以外にプールの水や水族館の飼育水の清浄化処理にそのまま使用できる。ただ、水温が低いために滞留時間を長くするため容量を大きくするとか、脱塩素処理装置を接続するなど、設計変更を加える必要がある。
【0040】
実施例 5
図6は、鑑賞魚用の水槽39の水を循環濾過する濾過装置40の一例を示す。この濾過装置40は、処理槽41を3枚の仕切り板42で4室に仕切り、中央の2つの濾過室43に有用細菌芽胞含有物やシリカ源、マグネシウム源等の濾材44を充填したものである。水槽の水はポンプPで引き抜かれ、被処理水導入パイプ45から曝気室46に送り込まれる。水は自然流下している間に処理され、越流パイプ47から放流室48へ越流してフィルター49を通して水槽39に戻される。符号50、51は散気具である。
【0041】
実施例 6
図7は、同じく鑑賞魚用の水槽の水を循環濾過する濾過装置の他の例を示す。この濾過装置52は水槽内に設置されるもので、透水構造の容器53の内部に、有用細菌芽胞含有物やシリカ源、マグネシウム源等の濾材54を充填し、処理水を容器外に吸引する吸引口55を設けている。吸引は、ポンプで行っても良いが、図のように散気による対流を利用してもよい。ここに透水構造とは、容器に多数のスリット孔や丸孔を設けたり、網で構成して水が容器内に入る構造のことを言う。容器の外周はスポンジ等で被覆してもよい。符号56は散気管、57は散気具である。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の水の循環濾過方法は、槽から引き抜いた水を有用細菌芽胞を内包し、かつ、シリカ源およびマグネシウム源となる方形石を用いた濾材、更にはゼオライトの層や麦飯石その他の濾材の層を時間をかけてゆっくり且つ確実に通過させるものである。また、従来広く行われている紫外線照射やオゾン添加、処理湯のバブルジェット化を排除するものである。従って、有用細菌の優先化が起こり、大腸菌その他の病原菌の繁殖が押さえられて極めて衛生的である。また有用細菌の活発な栄養活動により浴湯中の老廃物が完全に除去され、循環使用する浴湯の清浄化が、長期に渡って維持される。低温の水棲動物の飼育槽水の場合も、引抜きいた水を濾過装置内で充分な時間濾材と接触させれば、水中の排泄物や餌残渣が除去され、水の清浄化が十分に行なえる。冷水や温水プールの場合、塩素滅菌やオゾン殺菌を廃止し、十分な能力のある大形の濾過装置を使用すれば、浴湯の場合と同様に水中に含まれる老廃物その他の汚れ成分が完全に除去できる。温水プールの方が、水温が高い分だけ装置がより小型のもので済む。塩素滅菌やオゾン殺菌を行なっている場合は、本発明の濾過装置に掛ける前に、活性炭による塩素吸着や、特定波長の紫外線によるオゾンの消去等の前処理をおこなえばよい。
【0043】
また本発明の水の循環濾過装置は、濾過筒通過水量を抑えしかも短絡が生じないように濾材を収納した網容器が濾過筒に内接されている。従って、引き抜いた水が十分な浄化作用、ミネラル溶出作用を受けて循環する。しかも、濾材として有用細菌芽胞含有物とシリカ源、マグネシウム源、更にはゼオライト等を使用しているので、従来増殖がみられた病原菌が皆無になり、長期に渡って衛生的且つ安全に使用できるものである。尚、本発明においては濾過筒等浄化に関わる部分についてのみ説明したが、家庭風呂用の恒温浄化装置の場合、従来品同様ヒーターや浴湯温度調節機能を組み込んで使用できることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる家庭用の小型濾過器の一例を示す縦断面図である。
【図2】本発明に関わる業務用の循環濾過装置の一例を示す縦断面図である。
【図3】循環濾過装置の他の例を示す縦断面図である。
【図4】循環濾過装置の更に異なる他の例を示す一部断面した側面図である。
【図5】オーバーフロー水の処理槽の一例を示す断面図である。
【図6】鑑賞魚用の循環濾過装置の一例を示す断面図である。
【図7】鑑賞魚用の循環濾過装置の他の例を示す断面図である。
【図8】従来の業務用浴湯濾過筒の一例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 小型濾過器
2 引抜き水導入口
3 濾過水送出口
4 筒型容器
5 網容器
7 循環濾過装置
10 筒型容器
11〜15 網容器
20 引抜き水導入用ポンプ
21 濾過水送出用ポンプ
22 循環濾過装置
23 網容器
24 外筒
25 槽
28 循環濾過装置
29 筒型容器
33 浴湯回収処理槽
36 槽
38 網フィルター
39 鑑賞魚用の水槽
40 濾過装置
41 処理槽
52 濾過装置
53 透水構造の容器
54 濾材
55 吸引口

Claims (6)

  1. 槽内のに含まれる老廃物質を清浄化処理して、前記水を循環使用をする水の循環濾過方法において、
    引き抜いた水又は吸い込んだ水を、有用細菌芽胞を内包し、かつ、シリカ源およびマグネシウム源となる方形石を充填した濾過装置を通過させる処理工程と、最終段階に着床より離脱したバクテリアの流失を防止するためのフイルターを通過させる工程を有し、
    前記方形石は、破砕品または粉末を121℃以下の温度で処理した造粒品であることを特徴とする水の循環濾過方法。
  2. 前記濾過装置は、更にゼオライト、他の接触濾材の少なくとも一方を充填したものであることを特徴とする請求項1に記載の水の循環濾過方法。
  3. 前記濾過装置内における水の滞留時間を、2分以上にすることを特徴とする請求項1または2に記載の水の循環濾過方法。
  4. 前記濾過装置を通過させる処理工程とは別系統として、バブルジェットを行う処理工程を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水の循環濾過方法。
  5. 下部に引抜き水導入口、上部に濾過水送出口を備えた筒型容器を通して槽内の老廃物質を清浄化処理し、水を循環使用をする水の循環濾過装置において、
    前記筒型容器には、
    有用細菌芽胞を内包し、かつ、シリカ源およびマグネシウム源となる方形石を充填した網容器と、
    ゼオライトを充填した網容器と、
    接触濾材を充填した網容器と、
    着床より離脱したバクテリアの流失を防止するためのフィルターと、
    が前記引抜き水導入口側から濾過水送出口に向けて順番に収納されており、
    前記方形石は、破砕品または粉末を121℃以下の温度で処理した造粒品であることを特徴とする水の循環濾過装置。
  6. 網容器は、少なくともその一部が容器内壁に接した状態で収納されていることを特徴とする請求項5に記載の水の循環濾過装置。
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