JP3826986B2 - ころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法及び該プレス成形保持器を組み込んだころ軸受 - Google Patents

ころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法及び該プレス成形保持器を組み込んだころ軸受 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ころ軸受に用いられる保持器の柱を、ころの食いつき現象を抑制し、耐摩耗性を向上させる形状にプレス加工により形成するころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法及び該プレス成形保持器を組み込んだころ軸受に関し、特に柱の厚みを一定に保ち、柱の側面形状をころ径に応じた曲面形状に成形する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7(a)に示すように、円筒ころ軸受用の保持器15は、円筒ころ50を脱落させることなく保持するために、内側の柱52の中心径が円筒ころ50のピッチ円径PCDより内側に入るように段差を設け、外側の柱51と内側の柱52で円筒ころ50を保持している。即ち、円筒ころ50は、内側の柱52と面52aで摺接し、外側の柱51と面51aで摺接することで保持器15のポケット内に保持されている。
【0003】
円筒ころを保持するためには、図7に示すように、ころピッチ円径PCDの内側にころ軸心に沿った柱部を形成するので、段差を大きく取る必要がある。このため、保持器をプレス加工により一体成形することは実現されていなかった。一般に円筒ころ軸受用の保持器は、外側押さえ部と内側押さえ部とを溶接したプレス保持器や、もみぬき保持器と呼ばれるころを挿入する部分を機械加工した砲金製の保持器が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ころ柱中央部の厚みt0が殆ど変わらないように、柱をころピッチ径PCDより内側になるように加工するには、図13(a)に示すように、柱の段差である柱中央部の変形量xの増加に伴い、保持器の幅y0はy1まで小さくなる必要がある。このためには、ころ柱中央部の曲げ加工時に、ブランク120の図中の折れ曲がり点121で、ブランク120が型122の凹部に入り込み、折れ曲がり点121が型122の角部123の位置まで移動させる工夫が必要となるが、図13(a)における上下方向と左右方向の動作を連動させる適切な機構がなかった。
したがって、図13(b)に示すように、型を押し付けただけでは角部123の位置でブランク120の変形が拘束されるので、加工前後で保持器の幅y0とy2との差が殆ど生じることなく、変形量xaを大きく設定することが困難となる。また、加工後に加工部分の厚さt1が非加工部分の厚さt0より薄くなってしまうという虞れがある。このため、例えば外側押さえ部と内側押さえ部とを別体で作製し、これらを溶接により一体化する方法が用いられている。
【0005】
一方、このような円筒ころ軸受に対して、ころの直径Daが5mm以下で、ころの長さlrが3≦lr/Da≦10となる形状のニードル軸受がある。
このニードル軸受においては、図13(c)に示すように柱の段差、即ち中央部の変形量xbが小さく、且つ加工幅wbが図13(a)の加工幅waと比較して大きいので、厚さt0とt2との差が無視できる程度に小さくすることができる。ただし、この場合も柱側面のころ転動面との接触部はプレス打ち抜きのままであり、保持器の柱に局部摩耗が生じることになる。
【0006】
このように、ころ軸受用の保持器はニードル軸受用の保持器と比較すると深い段差を有しており、プレスにより一体成形することが難しい形状となっている。そのためころ軸受用の保持器を安価に製造することは困難であった。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、簡単なプレス加工によってころ軸受用の保持器を、柱の厚みが均一になるように、且つ柱の側面形状をころの径に応じた曲面形状にすることにより、ころの食いつき現象を抑制し、耐摩耗性に優れたころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法及び該プレス成形保持器を組み込んだ円筒ころ軸受を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明に係るころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法は、ころが収容される複数のポケットを画成する柱を保持器外周に形成すると共に、前記柱の中央部を保持器の径方向にころのピッチ円径より内側に突出させて形成したころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法において、ダイスを保持器外側から前記柱の中央部に当接させる一方、軸方向に2分割され、且つ、前記ダイスに押し込まれた前記柱を受け入れて前記柱の軸方向側面に亙ってころの外周面の曲率に対応した凹面形状を形成する第1及び第2の型を、保持器の内側からそれぞれ前記柱に当接させて配置し、配置し、前記第1及び第2の型の少なくともいずれか一方を軸方向に所定量接近動作させると共に、前記ダイスが前記柱の軸方向高さの中心位置を維持した状態で、前記ダイスを前記保持器の内側に移動させながら前記保持器内側に前記柱の中央部を突出させることを特徴とする。
【0009】
このころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法では、第1及び第2の型の少なくともいずれか一方を軸方向に所定量接近動作させると共に前記ダイスが前記柱の軸方向高さの中心位置を維持した状態で、ダイスを前記保持器の内側に移動させながら保持器内側に突出させることで、柱の軸方向側面に亙ってころの外周面の曲率に対応する凹面が転写され、柱の中央部が保持器の内側方向に突出される。この際に、ダイスは、柱が保持器内側に突出するとき、軸方向位置を変化させて刻々の保持器幅の中央を維持しているため、柱の厚みが突出部で薄くなることが防止され、柱の段差が深い場合であっても略一定の厚みを保持することができる。また、柱の側面をプレス加工によりころの外周面の曲率に対応した凹面にすることで、ころと保持器との接触による局部摩耗が軽減され、食いつき現象が抑制され、耐摩耗性が向上できるプレス成形保持器を安価に製造することが可能となる。
また、本発明に係るころ軸受は、請求項1記載のころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法により製造されたプレス成形保持器が組み込まれていることを特徴とする。
このころ軸受では、ころと保持器との接触による局部摩擦が軽減され、食いつき現象が抑制され、耐摩耗性が向上できるプレス成形保持器を備えたころ軸受とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法及び該プレス成形保持器を組み込んだころ軸受を図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1を用いて本発明に係るプレス成形保持器の基本的なプレス加工手順を説明する。まず、図1(a)においては、プレス加工開始前の状態であり、上型(第1の型)11の点a、下型(第2の型)12の点b、ダイス13の点c、dは、いずれもブランク材14表面に接している。このプレス加工開始前の状態では、ダイス13は、ブランク材14の高さ(全長)2L1の中点に位置している。
次に、プレス加工途中の状態である図1(b)においては、下型12を固定して上型11が降下させると共に、ダイス13がブランクの高さ2L2の中央位置を維持しつつ、即ち、ダイス13の中心高さL1から下降しつつダイス13をブランク材14側に押し込む。このとき、点a、b、c、dのブランク材14に対する相対的移動はない。このように上型11及びダイス13をブランク材14の高さ変化に追従して移動させ、ブランク材14を変形させる。
【0011】
そして、加工完了状態である図1(c)においては、加工開始前のブランク材14の高さ2L1と加工完了時の高さ2L3との差Hの1/2だけダイス13が下降しており、ブランク材14の柱は単純に曲げ加工される。この場合の厚み変化は、初期の厚みをt0、加工後の厚みをtとすると、加工前後の厚みは殆ど変化せずt≒t0である。そして、このプレス加工の間中、点a、b、c、dは、ブランク材14に対する相対移動がない状態で維持されている。したがって、ブランク材14は上下対称に精度良く曲げ加工される。
図2は、このような加工を行うためのブランク材に対するダイスの動作を示したものである。上型11の下降量Hの1/2だけダイス13を降下させる機構と、上型11の降下に合わせてダイス押圧用傾斜ブロック35が、その傾斜角θ0に対応してダイス13を半径方向に押し込む機構を併せ持つプレス加工法により、ブランク材の高さ変化分だけ柱中央部が半径方向に押し込まれる。
【0012】
次に、上記プレス成形手順及び加工法に基づいて作製されるプレス成形保持器の具体的な製造方法を詳細に説明する。
図3はプレス加工開始前におけるブランク材14としての保持器20の形状を示す斜視図で、図4はプレス加工完了後の保持器20の形状を示す斜視図である。
本発明は、図3に示すようなポケット25を開口させて形成した保持器の柱26を、図4に示すようにプレス加工によって保持器20の内側方向に突出させると共に、柱26の側面26aをころの摺動面曲率に応じた凹面に形成する一体型加工方法を提供するものである。
【0013】
まず、保持器の柱26を内側方向に突出させる工程を図5及び図6を用いて詳細に説明する。図5はプレス装置の上型を除去した状態の平面図で、図6はプレス装置の片側断面のみ示す概略構成図である。
図5に示すように、このプレス装置30は転がり軸受のころの数が12個、即ち保持器の柱が12本である一例としての構成であり、等間隔で配置された合計12個のダイスを備えている。プレス装置30の図示しない上型が降下すると、保持器20の柱位置のダイスが全て同時に保持器内側方向に移動してプレス加工を完了する。このように、全ての柱のプレス加工が1回の上型降下動作で完了する。
なお、ころの数が異なる場合は、その数に応じて全周を等分し、等分されたそれぞれの位置に加工部(上型11、下型12、ダイス13)を設けることにより、同様にして全ての柱を同時加工することができる。
【0014】
このプレス装置30の具体的な構成を図6に示した。図6(a)はプレス加工開始前の状態を示しており、図6(b)はプレス加工完了時の状態を示している。
図6に示すように、可動側の上型11と固定側の下型12にそれぞれ形成されたワーク保持部31に、ポケットが形成された環状のブランク材14(プレス加工前の保持器)を配設し、ダイス13の先端部をブランク材14の外周面に当接させている。このダイス13はダイスガイド32に支持され、水平方向に付勢するスプリング33につば部13aを係止させると共に、後端部をダイス押圧用傾斜ブロック35に当接させている。また、ダイス押圧用傾斜ブロック35の傾斜面は、固定側傾斜ブロック36の傾斜面と摺動可能に当接している。これにより、上型11の下降動作に伴って、上型11、下型12に形成された凹部37側にダイス13は移動する。また、ダイスガイド32の下方には垂直方向に付勢するスプリング38が配設されている。
【0015】
さらに、ダイス13は連結部材39と接続されており、この連結部材39はダイス13側とは反対側の端部にリンク機構が形成されている。具体的には、連結部材39の端部には長孔41が形成され、この長孔41にはピン42が嵌挿されている。ピン42は、上型11と連動する部材側を支点43として揺動可能なアーム44と、固定側を支点45として揺動可能なアーム46によって支持されている。これらの長さが略等しいアーム44、46は二等辺三角形のリンク機構を形成し、各アーム44、46の揺動によってピン42が長孔41内を移動する。また同時に、連結部材39とこれに接続されたダイス13を上型11の降下量Hの半分H/2だけ降下させている。
【0016】
このプレス装置30では、上型11を長さHだけ下降させることで、リンク機構によりダイス13を長さH/2だけ下降させると共に、カム機構によりブランク材14を長さZだけ押し込むように動作する。このため、ダイス押圧用傾斜ブロック35と固定側傾斜ブロック36の傾斜面(カム面)の角度θは、
tanθ=Z/H
を満足するように与えられる。ここで、Hは上型11の降下量で、ワークの高さ減少分に相当する。なお、このダイス13の動作はリンク機構のみならず、ギヤ又はカム機構によっても実現することができる。
【0017】
上記の上型11及びダイス13の下降量と、ダイス13の押し込み量との関係は、加工の間中、常に保たれるため、図1同様に点a、b、c、dがブランク材14に対して相対移動することはなく、対称性の良い曲げ加工が可能になる。これにより、柱の厚みが突出部で薄くなることが防止され、柱の段差が深い場合であっても柱の厚みを略一定に保持することができる。
【0018】
次に、保持器の柱26の側面を凹面形状にする工程を説明する。まず、本実施形態のプレス成形保持器により、ころ軸受のころを保持する構造を図7〜図10を用いて説明する。
図7は保持器15のポケットに収容されたころ50を示している。ころ50は、ころのピッチ円径PCDの外側に位置する保持器の柱51の側面51aと、PCDの内側に位置する柱52の中間部における側面52aにそれぞれ形成された凹面で保持される。
このような凹面を有する柱は、前述のプレス装置30によるダイス13の押し込み動作と同時に形成される。以下に柱の側面を凹面形状にする過程を説明する。
【0019】
図8は、保持器の柱26と下型12(上型11も同様)の断面形状を示した図であって、保持器の中心Sところの中心O1とを結ぶST方向に孔あけして形成されたブランク材の柱26に対して、ダイスによる押圧によって柱26をプレス加工する様子を示している。図中には、柱26の高さ方向中央の断面をf1−e1−e2−f2で表し、下型12の外側形状をM1−E1−E2−M2で表している。ただし、実際の型の外側は図中太線で示すように形成され、ブランク材を挿入できるように除去されている。弧M1−E1と弧M2−E2は組み込むころの曲率半径RよりΔRだけ大きな曲率半径R+ΔRを有している。これら2つの弧M1−E1、M2−E2と、ころのPCDより内側となる弧M1−E1の中心O1から弧M2−E2の中心O2まで連結した線とによって下型12の外側形状が決定される。
【0020】
そして、ダイスを保持器の内側方向に押し込むことで、e1−e2−f2−f1で示される柱の中央部は、E1−E2−F2−F1で示される位置に移動して下型12に押し当てられる。このとき、下型12の弧M1−E1、M2−E2の間は徐々に狭まっているため、図9に一部拡大して示すように、保持器の柱側面は弧E1−Fa1、弧E2−Fa2(曲率半径R+ΔR)に沿って凹面形状に成形される。即ち、押し当て前のe1−e2間の寸法は押し当て後のE1−E2間の寸法と略同じとなり、f1−f2間の寸法は下型12によりFa1−Fa2に押圧されて柱側面は弧E1−M1、E2−M2に沿った凹面形状となる。
【0021】
また、この柱のプレス加工においては、柱を距離Zだけ保持器の内側方向に押し込んだときに、下型12(上型11)の2つの円筒形状の間に柱が押し込まれることになるが、内径側がO1−O2線より内側には達しないように設定されている。したがって、柱が押し込まれると、柱はより幅の狭い型の間に移動して、弧O1−O2の位置でプレス加工が完了することになる。このとき、柱の側面は型から押圧力を受け、曲率半径R+ΔRの型の曲面が柱の側面に転写される。
【0022】
上記動作は、図10に概略的に示すように、保持器の柱位置に配置されたダイス13を保持器の内側方向に押し込むことにより行われる。これにより、保持器の軸方向に対して対称形状となる大きな段差を形成すると共に、保持器の柱側面を、下型12(上型11)の曲率半径R+ΔRに対応した凹面に形成することを1回のプレス加工により行うことが可能となる。
【0023】
次に、このようにして保持器の柱側面に凹面を形成したことによる、ころの保持形態を図11、12を用いて説明する。
上述した柱のプレス加工により、下記のパチン代が柱側面に形成された保持器が得られる。ころを保持するためのパチン代mは、図11の領域Pの拡大図である図12に示すように、ころ中心O1で直線S−Tと直交する直線Kがころ外周と交わる点をk1とすると、点k1における接線Uと、内側の柱52の側面端部との距離(ただし本実施形態の場合は、面取り分αだけ接線Uと点E1との間の距離から短くなっている)で表される。一般的には、パチン代mは次式により得られる。
m={(R+ΔR)cosφ−R}
ここで、Rはころの半径、ΔRは保持器ところのクリアランスであって、(R+ΔR)は下型の曲率半径を表している。また、φは図11に示す∠TSVである。
【0024】
また、保持器のポケットの窓幅δは次式で表される。
δ=ころ直径−2(m+α)
つまり、窓幅δはころ径よりパチン代m(面取りされている場合は面取り分αとの和)の2倍だけ小さい。したがって、ころを保持器に組み付ける際に、ころを保持器内側から外側に向けて挿入すると、一旦Q1−Q2断面を通過したころは、内側に抜け落ちることがなくなる。そのため、ころは、外側の柱51と内側の柱52との間で、且つ内側の柱52の側面に形成された凹面によって安定して支持される。これにより、ころと保持器だけをころ軸受から取り出しても、ころがばれることはない。
【0025】
このように、内側の柱52の側面の曲率半径は、下型12(上型11)の曲率半径によって決定されるため、下型12(上型11)の曲率半径を適切に設定することにより、柱の側面を最適形状にすることができる。
また、外側の柱51及び内側の柱52の加工順序はどちらからでもよく、外側の柱51と内側の柱52の側面に形成する凹面の曲率半径は、同じであってもよく、異なる値としてもよい。曲率半径の異なる場合は、内側の柱の曲率半径を外側の柱の曲率半径より大きくしてもよく、その逆にしてもよい。上記柱の側面における曲率半径は、保持器の使用条件に応じて適宜最適な値に設定される。
【0026】
以上説明してきたように、本実施形態のころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法においては、プレス装置30の上型11がHだけ降下すると、ダイス13は、二等辺三角形を形成するリンク機構により、その半分のH/2だけ降下しながら保持器の径方向に距離Zだけ押し込まれる。このような柱のプレス加工によって、柱の高さ方向中央部が保持器の内側方向に押し込まれると同時に、柱側面に凹面が転写される。これにより、柱の側面がころの摺動面曲率に応じた凹面に形成されるため、ころと保持器との接触による局部摩耗が軽減され、食いつき現象が抑制され、耐摩耗性を向上させることができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明に係るころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法では、第1及び第2の型の少なくともいずれか一方を軸方向に所定量接近動作させると共に、前記ダイスが前記柱の軸方向高さの中心位置を維持した状態で、ダイスを前記保持器の内側に移動させながら保持器内側に突出させることで、柱の両側面にころの外周面の曲率に応じた凹面が転写され、柱の中央部が保持器の内側方向に突出される。これにより、柱の厚みが突出部で薄くなることが防止され、柱の段差が深い場合であっても略一定の厚みを保持することができる。また、柱の軸方向側面に亙ってころの外周面の曲率に応じた凹面形成されるため、ころと保持器との接触による局部摩耗が軽減され、食いつき現象が抑制され、耐摩耗性を向上させることができる。
本発明に係るころ軸受では、上記プレス成形保持器を組み込んだころ軸受とすることで、ころと保持器との接触による局部摩擦が軽減され、食いつき現象が抑制され、耐摩耗性が向上できるプレス成形保持器を備えたころ軸受とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るころ軸受用のプレス成形保持器の基本的なプレス加工手順を説明する図である。
【図2】プレス成形のダイスを動作させる概略図である。
【図3】プレス加工開始前におけるブランク材としての保持器の形状を示す斜視図である。
【図4】プレス加工完了後の保持器の形状を示す斜視図である。
【図5】プレス装置の上型を除去した状態の平面図である。
【図6】プレス装置の片側断面のみ示す概略構成図である。
【図7】保持器のポケットに収容されたころの状態を示す図である。
【図8】保持器の柱と下型の断面形状を示した図である。
【図9】保持器の柱の側面に形成される凹面を示す拡大断面図である。
【図10】保持器の柱を保持器内側方向に突出させて形成する様子を示す断面図である。
【図11】保持器の柱側面に形成した凹面にころを保持した状態を示す図である。
【図12】図11のP部拡大図である。
【図13】従来の保持器の製造方法を説明する図である。
【符号の説明】
11 上型
12 下型
13 ダイス
14 ブランク材
20 保持器
25 ポケット
26 柱
26a 側面
30 プレス装置
50 ころ

Claims (2)

  1. ころが収容される複数のポケットを画成する柱を保持器外周に形成すると共に、前記柱の中央部を保持器の径方向にころのピッチ円径より内側に突出させて形成したころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法において、
    ダイスを保持器外側から前記柱の中央部に当接させる一方、軸方向に2分割され、且つ、前記ダイスに押し込まれた前記柱を受け入れて前記柱の軸方向側面に亙ってころの外周面の曲率に対応した凹面形状を形成する第1及び第2の型を、保持器の内側からそれぞれ前記柱に当接させて配置し、
    前記第1及び第2の型の少なくともいずれか一方を軸方向に所定量接近動作させると共に、前記ダイスが前記柱の軸方向高さの中心位置を維持した状態で、前記ダイスを前記保持器の内側に移動させながら前記保持器内側に前記柱の中央部を突出させることを特徴とするころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法。
  2. 請求項1記載のころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法により製造されたプレス成形保持器が組み込まれていることを特徴とするころ軸受。
JP14519699A 1999-05-25 1999-05-25 ころ軸受用のプレス成形保持器の製造方法及び該プレス成形保持器を組み込んだころ軸受 Expired - Fee Related JP3826986B2 (ja)

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