JP3824906B2 - ネットワーク間接続方法、その装置およびその装置を用いたネットワーク間接続システム - Google Patents

ネットワーク間接続方法、その装置およびその装置を用いたネットワーク間接続システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冗長性を確保することができるマルチキャストとVRRP(Virtual Router Redundancy Protocol:RFC2338)を用いたネットワーク間接続方法、その装置およびその装置を用いたネットワーク間接続システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
VRRPは、デフォルトルータによるデフォルトルートの設定のみを頼りにして動作するホスト装置をサポートするために作られたプロトコルであり、同一ネットワーク上に設置されている複数台のネットワーク間接続装置(ルータ)を組み合わせ、ルータ同士の負荷分散およびバックアップ機能を実現するものである。すなわち、このVRRPは、グループ化された複数台のルータを、ネットワーク上に設置されたノード(例えばホスト装置や他のルータ)から一台の仮想ルータとして認識できるようにするものである。
【0003】
このVRRPを用いる方法は、ユニキャストのパケットの中継に対して、仮想ルータを使うことで冗長なシステムを実現するためのものであり、マルチキャストのパケットの中継の場合には、適切なものではない。
【0004】
そこで、マルチキャストルートの冗長機能を実現する方法として、PIM(Protocol Independent Multicast:RFC2362)と呼ばれるマルチキャストのルーティングプロトコルを用いて、マルチキャストの経路制御を行うものがある。このPIMでは、ユニキャストのルーティングプロトコルを利用し、2つのネットワーク間を複数台のルータで接続させマルチキャスト中継を行うものである。このPIMでは、どちらか片方のルータ(Designated Router:以下、「DR」という)がマルチキャストの中継を行っていた。これらルータのうち、どちらのルータが中継を行うかは、ルータ間のPIM Helloメッセージの送受信によって決めていた。
【0005】
これにより、DRは、伝送されてきたパケットを中継することができる。従って、この場合には、VRRPなしで、PIMだけ動作させて、パケット中継を行うものがあった。この場合、仮にDRが故障した場合には、DR以外のもう一方のルータがDRになってパケットの中継を継続していた。
【0006】
このように上述のシステムでは、この標準のプロトコルでルータの経路を換えることで、マルチキャストルートの冗長機能を実現させたが、マルチキャストルートの切り替えには、例えばDRのダウンを他のPIMルータが検知するまでの時間(Helloパケット受信のタイムアウト時間)、他のルータがDRになるまでの時間、さらに実際にマルチキャストルートを構築するまでの時間などが加わったかなりの時間がかかるという問題点があった。
【0007】
これらを解決するために、例えば図23、図24に示すように、VRRPとPIMを組み合わせたものがあった。図23は、ネットワークの最下流でVRRP環境を構築した場合のシステム構成を示す構成図である。図において、ネットワークの最下流には、受信者となるホスト装置10が接続され、このホスト装置10と仮想ルータ20間および仮想ルータ20と上流のルータ30間でVRRP環境を構築している。
【0008】
仮想ルータ20は、ルータ21,22とから構成され、動的ユニキャストルーティングプロトコルを動作させたときと同様に、一方のルータ、例えばルータ21がDRとなり、他方のルータ22がバックアップルータとなって、DR21がPIMを動作させてマルチキャストの中継を実施している。
【0009】
ホスト装置10と仮想ルータ20間は、IGMP(Internet Group Management Protocol)によるメッセージの送受信を行っている。このIGMPは、RFC2236で標準の方式となっており、ホスト装置10は、受信したいマルチキャストグループのアドレスをIGMPのパケットによって仮想ルータ20に通知し、仮想ルータ20は、このようなIGMPを受信したポートにだけ、図示しない送信者であるホスト装置から送信されるマルチキャストパケットのストリームをフォワードすることにより、必要なホスト装置10にだけマルチキャストパケットを中継していた。
【0010】
また、仮想ルータ20とルータ30間は、PIMのルーティングプロトコルを用いてHelloメッセージの送受信を行っている。これにより、DRは、伝送されてきたパケットを中継していた。
【0011】
図24は、ネットワークの中間でVRRP環境を構築した場合のシステム構成を示す構成である。図において、ネットワーク最下流のホスト装置10と仮想ルータ20との間に下流側ルータ40を接続させてVRRP環境を構築している。仮想ルータ20は、図23と同様の構成になっており、DRがPIMを動作させてマルチキャストの中継を実施している。
【0012】
ホスト装置10と下流側ルータ40間は、IGMPによるメッセージの送受信を行っており、下流側ルータ40と仮想ルータ20間は、PIMによるメッセージの送受信を行っている。このような構成において、ホスト装置10からIGMPレポートメッセージのパケットを受信した下流側ルータ40は、PIMのメッセージであるJoin/Pruneメッセージを送信するが、この場合に下流側ルータ40から見たPIM Neighborは、Helloメッセージを各ルータに割り当てられた実際のIPアドレス(以下、「実IPアドレス」という)で送信している。このため、下流側ルータ40は、PIM Neighborの存在を実IPアドレスで登録していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この図23のシステム構成では、障害発生時には、DR以外のもう一方のルータがDRになるが、バックアップルータは、DRに切り替わるまでパケットの中継を始めないため、切り替えに時間がかかるという問題点があった。
【0014】
また、この図24のシステム構成では、下流側ルータは、上述したごとく、PIMネイバーの存在を実IPアドレスで登録するが、デフォルトゲートウェイを仮想IPアドレスでスタティックに設定しているので、PIM Neighborを認識できない。このため、Join/Pruneメッセージが上流に転送されないので、仮想ルータでは、マルチキャストルートが作られず、マルチキャストの転送動作が不可能になるという問題点があった。
【0015】
この発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、VRRPとPIMを協調動作させて、マルチキャストのパケット伝送を可能とするとともに、障害発生時のマルチキャストの転送の切り替えを迅速に行うことができるネットワーク間接続方法、その装置およびその装置を用いたネットワーク間接続システムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明では、同一のネットワーク内に接続された複数のネットワーク間接続装置が、実装するVRRPによってマスタとバックアップの関係に設定されて、仮想ネットワーク間接続装置を構築し、前記ネットワークまたは外部のネットワークから入力するパケットを、宛先のネットワークに送出するネットワーク間接続方法において、前記仮想ネットワーク間接続装置を構成するネットワーク間接続装置が前記VRRPとともにマルチキャストルーティングプロトコルを有し、該マルチキャストルーティングプロトコルによる動作で自装置のIPアドレスを使用する場合には、前記仮想ネットワーク間接続装置として割り当てられた仮想IPアドレスを使用する使用工程とを含むことを特徴とするネットワーク間接続方法が提供される。
【0017】
この発明によれば、複数のネットワーク間接続装置によって構築される仮想ネットワーク間接続装置に、VRRPとPIMのマルチキャストルーティングプロトコルを実装させるとともに、マルチキャストルーティングプロトコルが自装置のIPアドレスを使用する場合には、仮想IPアドレスを使用してVRRPとマルチキャストルーティングプロトコルを協調動作させて、マルチキャストのパケット伝送を可能とするとともに、障害発生時のマルチキャスト転送の切り替えを迅速に行う。
【0018】
この発明にかかる請求項2では、上記発明において、前記ネットワーク間接続装置パケットの判別を行う判別工程前記ネットワーク間接続装置が前記バックアップ状態の場合でも、前記判別工程で判別された前記マルチキャストルーティングプロトコルによるマルチキャストの制御パケットまたはIGMPのパケットの少なくとも一つを受信処理するパケット受信処理工程と
をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、マスタまたはバックアップの状態にかかわらず、マルチキャストルーティングプロトコルによるマルチキャストの制御パケットまたはIGMPのパケットの受信処理を行うことで、マルチキャストのパケット伝送を可能とするとともに、障害発生時のマルチキャストの転送の切り替えを迅速に行う。
【0020】
この発明にかかる請求項3では、上記発明において、前記ネットワーク間接続装置マルチキャスト転送のエントリ登録を行う登録工程と、前記ネットワーク間接続装置が前記マルチキャストのパケット中継を行う中継工程とをさらに含み、前記ネットワーク間接続装置が前記バックアップ状態の場合に、前記登録工程でエントリ登録がなされていても、前記中継工程では、前記マルチキャストのパケット中継を行わないことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、ネットワーク間接続装置は、制御パケットまたはIGMPのパケットの受信処理に応じて、マルチキャスト転送のエントリ登録を行い、自装置がバックアップ状態の場合には、マスタ状態のネットワーク間接続装置がマルチキャスト転送を行うので、パケット中継を行わないように設定される。
【0022】
この発明にかかる請求項4では、上記発明において、前記マルチキャストの制御パケットまたはIGMPのパケットマルチキャストの転送要求を示すパケットからなり、前記登録工程では、前記ネットワーク間接続装置が当該転送要求に応じてエントリ登録を行うことを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、マルチキャストの転送要求を示す制御パケットまたはIGMPのパケットが入力された場合には、転送要求に応じてエントリ登録が行われ、マルチキャストのパケット伝送を可能とする。
【0024】
この発明にかかる請求項5では、同一のネットワーク内に接続され、VRRPを用いてマスタとバックアップの関係が設定される複数のネットワーク間接続装置によって構築される仮想のネットワーク間接続装置において、前記各ネットワーク間接続装置は、前記VRRPとともにマルチキャストルーティングプロトコルを有し、該マルチキャストルーティングプロトコルのパケットを通信する場合には、仮想ネットワーク間接続装置として割り当てられた仮想IPアドレスを使用することを特徴とするネットワーク間接続装置が提供される。
【0025】
この発明によれば、仮想ネットワーク間接続装置を構築する各ネットワーク間接続装置に、VRRPとマルチキャストルーティングプロトコルを実装させ、マルチキャストルーティングプロトコルを用いたパケット通信を行う場合には、仮想IPアドレスを使用して通信を行うことで、マルチキャストのパケット伝送を可能とするとともに、障害発生時のマルチキャスト転送の切り替えを迅速に行う。
【0026】
この発明にかかる請求項6では、上記発明において、前記ネットワーク間接続装置は、受信したパケットの判別を行う判別手段と、前記判別されたVRRPメッセージを受信処理するVRRP処理手段と、前記判別されたマルチキャストルーティングプロトコルのメッセージを受信処理するマルチキャストルーティングプロトコル処理手段と、前記判別されたRIPメッセージを受信処理するRIP受信処理手段と、前記判別されたマルチキャストパケットを受信処理するマルチキャスト受信処理手段と、前記判別されたユニキャストパケットを受信処理するユニキャスト受信処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、複数のプロトコルを用いたパケット通信を行うために、VRRP、マルチキャストルーティングプロトコルなどの各プロトコルによる受信処理手段を備えることで、VRRPとマルチキャストルーティングプロトコルを協調動作させる。
【0028】
この発明にかかる請求項7では、上記発明において、前記ネットワーク間接続装置は、IGMPを受信処理するIGMP受信処理手段と、マルチキャストのエントリ登録を行う登録手段とをさらに備え、前記バックアップ状態の場合にも、前記マルチキャストルーティングプロトコル受信処理手段による前記入力されるマルチキャストの制御パケットの受信処理、または前記IGMP受信処理手段によるIGMPパケットの受信処理の少なくとも一つを行い、前記登録手段は、前記受信処理されたパケットに基づいて前記エントリ登録を行うことを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、マスタおよびバックアップのネットワーク間接続装置は、ともにマルチキャストルーティングプロトコルの受信処理またはIGMPの受信処理を行うことで、マルチキャストのパケット伝送を可能とするとともに、障害発生時のマルチキャスト転送の切り替えを迅速に行う。
【0030】
この発明にかかる請求項8では、上記発明において、前記ネットワーク間接続装置は、前記マルチキャストのパケット中継を行う中継手段とをさらに含み、前記バックアップ状態の場合に、前記登録手段でエントリ登録がなされても、前記中継手段では、前記マルチキャストのパケット中継を行わないことを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、自装置がバックアップ状態の場合には、登録手段が制御パケットまたはIGMPのパケットの受信処理に応じて、マルチキャスト転送のエントリ登録を行うが、マルチキャスト転送はマスタ状態のネットワーク間接続装置が行うので、中継手段はパケット中継を行わないことで、重複したマルチキャスト転送を防止している。
【0032】
この発明にかかる請求項9では、複数の受信者ホスト装置と、該受信者ホスト装置と伝送路を介して接続されるネットワーク間接続装置とから構築されるネットワーク間接続システムにおいて、前記ネットワーク間接続装置は、請求項5〜8のいずれか一つに記載のネットワーク間接続装置からなり、前記受信者ホスト装置との間でIGMPのパケット通信によってマルチキャストの転送要求とエントリ登録を行うことを特徴とするネットワーク間接続システムが提供される。
【0033】
この発明によれば、仮想ネットワーク間接続装置を構築するネットワーク間接続装置と受信者ホスト装置との間では、仮想ネットワーク間接続装置に割り当てられた仮想IPアドレスを用いて直接IGMPのパケット通信を行って、マルチキャストの転送要求を行うことで、登録手段によるエントリ登録を行い、エントリ登録されたグループのアドレスが付与されたマルチキャストのパケットが入力されると、このパケットを該当する受信者ホスト装置に転送することを可能にする。
【0034】
この発明にかかる請求項10では、複数の受信者ホスト装置と、該受信者ホスト装置と伝送路を介して接続されるネットワーク間接続装置と、前記受信者ホスト装置とネットワーク間接続装置との間に介在する中継装置とから構築されるネットワーク間接続システムにおいて、前記ネットワーク間接続装置は、請求項5〜8のいずれか一つに記載のネットワーク間接続装置からなり、前記受信者ホスト装置と前記中継装置との間では、IGMPのパケット通信を行うことによってマルチキャストの転送要求を行い、前記中継装置と前記ネットワーク間接続装置との間では、前記マルチキャストルーティングプロトコルによるマルチキャストの制御パケット通信によってマルチキャストの転送要求とエントリ登録を行うことを特徴とするネットワーク間接続システムが提供される。
【0035】
この発明によれば、受信者ホスト装置からIGMPのパケットが伝送されると、中継装置は、それに基づいてマルチキャストルーティングプロトコルのHelloメッセージを仮想ネットワーク間接続装置の仮想IPアドレスで送信することによって、マルチキャストの転送要求を行うことで、登録手段によるエントリ登録を行い、エントリ登録されたグループのIPアドレスが付与されたマルチキャストのパケットが入力されると、このパケットを該当する受信者ホスト装置に転送することを可能にする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるネットワーク間接続方法、その装置およびその装置を用いたネットワーク間接続システムの好適な実施の形態を説明する。この発明の特徴は、PIMを動作させて仮想ネットワーク間接続装置(以下、「仮想ルータ」という)のIPアドレスを使用する場合には、予め仮想ルータに割り当てられた仮想IPアドレスによってパケットの送受信などを行う点と、マルチキャストでフォワードする時には、VRRPの状態でパケットの送出の有無を判断して、VRRPとPIMを協調動作させる点である。
【0037】
(実施例1)
図1は、この発明にかかるネットワーク間接続システムの実施例1の構成を示す構成図であり、ネットワークの中間でVRRP環境を構築した場合のシステム構成を示す構成図である。なお、図1のシステム構成は、図24のシステム構成と同様の構成であるので、各構成部分に関しては説明の都合上、同一符号を付記する。
【0038】
図1において、仮想ルータ20を構成するルータ21,22と、仮想ルータ20より下流側の中継装置であるルータ40は、VRRPとともにPIMのプロトコルを実装しており、ルータ21,22は、自装置のVRRP上の状態がマスタ、バックアップに拘わりなく、PIMのプロトコルによって動作する通常のPIMルータとしての機能を有している。
【0039】
これらルータ21,22は同一の構成になっており、その一例を図2に示す。図2において、これらルータ21,22は、下流のルータ40とポートを介して接続されるLANインターフェース50と、LANインターフェース50で取り込まれたパケットを受信し、パケットの種類を判別して振り分けるパケット受信部51と、パケット受信部51で振り分けられたVRRPメッセージパケットの制御処理を行うVRRP制御部52と、パケット受信部51で振り分けられたPIMメッセージパケットの制御処理を行うマルチキャストルーティングプロトコル制御部(以下、「PIM制御部」という)53と、パケット受信部51で振り分けられたRIP(Routing Information Protocol)メッセージパケットの制御処理を行うユニキャストルーティングプロトコル制御部(以下、「RIP制御部」という)54と、パケット受信部51で振り分けられたマルチキャストパケットの制御処理を行うマルチキャストフォワーディング制御部(以下、「マルチ制御部」という)55と、パケット受信部51で振り分けられたユニキャストパケットの制御処理を行うユニキャストフォワーディング制御部(以下、「ユニ制御部」という)56と、マスタ、バックアップのVRRPの状態を管理するための情報が格納するVRRP状態テーブル57と、マルチキャストパケットをフォワーディングするためのルート情報を格納するマルチキャストフォワーディングテーブル58と、ユニキャストパケットをフォワーディングするためのルート情報を格納するユニキャストフォワーディングテーブル59と、各制御部52〜56で処理されたパケットを送信するパケット送信部60とから構成されている。
【0040】
VRRP状態テーブル57は、図3に示すように、LANインターフェース50のポート番号と、このポートに接続されている仮想ルータのID(識別子)と、その仮想ルータの状態がマスタかバックアップかを示す状態情報とが格納されている。このVRRP状態テーブル57は、VRRP制御部52がパケット受信部51から入力するVRRPの状態内容に基づいてその内容を変更しており、このVRRP状態テーブル57の内容(状態)をマルチ制御部55とユニ制御部56が参照することによって、受信したパケットの中継や破棄などを決定している。
【0041】
マルチキャストフォワーディングテーブル58は、図4に示すように、例えば配信されるコンテンツを示すマルチキャストグループのグループIPアドレスと、当該マルチキャストグループに参加を希望する各ホスト装置が接続されるインターフェースの受信者ポート番号のリストが格納されている。
【0042】
ユニキャストフォワーディングテーブル59は、図5に示すように、ユニキャストパケットの宛先の受信者ホスト装置を示すあて先IPアドレスと、それに続くサブネットマスクのデータと、この受信者ホスト装置に至る次の下流側のルータを示すNext HopルータIPアドレスと、この下流側のルータが接続されているLANインターフェースの出力ポート番号とが格納されている。
【0043】
このシステムで送受信されるパケットには、VRRPパケットやPIMメッセージのパケットがある。これらパケットのフレームは、図6、図7に示すような構成になっている。ここで、図6は、VRRPパケットのフレーム構成を示す図である。図において、VRRPパケットは、MACヘッダと、IPヘッダと、VRRPフィールドとから構成されており、MACヘッダは、MACアドレスからなるあて先と送信元のアドレスからなり、IPヘッダは、IPアドレスからなるあて先と送信元のアドレス、生存時間(TTL)、プロトコルフィールドのデータからなり、VRRPフィールドは、バージョンやタイプやバーチャルルータIDなどのデータからなっている。なお、このIPヘッダ内のあて先IPアドレスには、VRRP専用のマルチキャストアドレスが格納され、プロトコルフィールドには、VRRPを示すデータが格納されている。
【0044】
パケット受信部51は、IPヘッダ内のプロトコルフィールドを検索して、その値が“112”であればVRRPメッセージパケットであると判別して、VRRP制御部52に出力する。
【0045】
図7は、PIMメッセージパケットのフレーム構成を示す図である。図において、PIMメッセージパケットは、MACヘッダと、IPヘッダと、PIMメッセージのフィールドから構成されており、MACヘッダは、MACアドレスからなるあて先と送信元のアドレスなどからなる。IPヘッダは、図8に示すように、バージョン、ヘッダ長(HLEN)、サービスタイプ、バケット長(Total Length)、識別子、フラグ、フラグメントオフセット値、生存時間、プロトコルフィールド、ヘッダチェックサム、送信元IPアドレス、あて先IPアドレス、データ部などのデータから構成されている。なお、このIPヘッダ内のプロトコルフィールドには、PIMを示すデータが格納されている。また、送信元IPアドレスには、通常実IPアドレスが格納されているが、この発明では、VRRPを併用するには、予め仮想ルータに割り当てられた仮想IPアドレスが格納されることとなる。
【0046】
パケット受信部51は、IPヘッダ内のプロトコルフィールドを検索して、その値が“103”であれば、PIMのメッセージパケットであると判別して、PIM制御部53に出力する。
【0047】
また、図7に示したPIMメッセージのフィールドは、図9に示すように、PIMのバージョン、PIMの特定のコントロールメッセージを示すタイプ、リザーブ、チェックサム、オプションタイプ、オプション長、オプション値などから構成されている。なお、このPIMのタイプには、Hello、Register、Register−Stop、Join/Prune、Bootstrap、Assertなどがある。
【0048】
この実施例では、下流側ルータ40から仮想ルータ20には、Join/Pruneメッセージが用いられ、仮想ルータ20から下流側のルータ40には、PIMのHelloメッセージが用いられている。すなわち、VRRPによって動作するルータは、自装置のVRRP状態がマスタであるか、バックアップであるかに拘わりなく、PIMルータとして動作する。下流側ルータ40からJoin/Pruneメッセージが送信されると、このときのJoin/Pruneメッセージ内に設定されているPIM Neighborのアドレス(あて先IPアドレス)は、仮想IPアドレス(これは仮想ルータ20がPIMのHelloメッセージを仮想IPアドレスで送信している)なので、マスタ、バックアップの双方のルータ21,22でこのJoin/Pruneメッセージを受信する。
【0049】
これにより、この実施例では、双方のルータ21,22で、同じ内容のマルチキャストルーティングテーブルが保持できることとなり、例えばVRRPの状態切り替えが発生した場合でも、すばやくマルチキャストトラフィックの転送が可能となる。この動作では、下流側のルータ40は、マスタ、バックアップ双方のルータ21,22からPIMのHelloメッセージを受け取るが、ルータ21,22は同一の仮想IPアドレスを持つため、下流側ルータ40は、同じ相手からメッセージを受信したことになるので問題は生じない。下流側ルータ40は、受け取ったHelloメッセージの送信元IPアドレスをNeighborのアドレスとして自装置内のテーブル上に登録しておく。
【0050】
また、下流側ルータからのJoin/Pruneメッセージを受信したマスタ、バックアップ双方のルータ21,22は、上流側の図示しないルータなどにJoin/Pruneメッセージを送信する。
【0051】
PIM制御部53は、PIMメッセージフィールド内のタイプを検索して、その値が“0”であれば、Helloメッセージであると判別し、その値が“3”であれば、Join/Pruneメッセージであると判別している。
【0052】
このような構成からなる仮想ルータによるパケットの判別動作と制御処理動作を、図10〜図15のフローチャートに基づいて説明する。図10は、パケット受信部51によるパケットの判別動作を説明するためのフローチャートである。図において、パケット受信部51は、まずLANインターフェース50から受信したパケットを取り込むと(ステップ101)、このパケットのIPヘッダ内のプロトコルフィールドを検索して、このパケットがVRRPメッセージかどうか判断し(ステップ102)、このパケットがVRRPの場合にはVRRP制御部52にこのパケットを出力し、VRRP制御部52による制御処理フローに遷移する(ステップ103)。
【0053】
また、VRRPメッセージではない場合には、IPヘッダ内のプロトコルフィールドを検索して、このパケットがPIMのメッセージかどうか判断し(ステップ104)、このパケットがPIMのメッセージの場合には、PIM制御部53にこのパケットを出力し、PIM制御部53による制御処理フローチャートに遷移する(ステップ105)。
【0054】
同様に、パケット受信部51は、受信したパケットがRIPメッセージかどうか(ステップ106)、マルチキャストパケットかどうか(ステップ108)、ユニキャストパケットかどうか判断し(ステップ110)、RIPメッセージの場合には、RIP制御部54に、マルチキャストパケットの場合には、マルチ制御部55に、ユニキャストパケットの場合には、ユニ制御部56に、このパケットを出力し、これら制御部54〜56による制御処理フローチャートに遷移する(ステップ107,109,111)。
【0055】
また、上述したいずれのパケットでもない場合は、このルータでの制御処理対象となるパケットではないと判断して、パケット受信部51は、このパケットを廃棄する(ステップ112)。
【0056】
VRRP制御部52では、図11のフローチャートに示すように、VRRPパケットを受信すると(ステップ201)、その状態に応じて所定の処理動作を行い、必要であればVRRP状態テーブル57を更新する(ステップ202)。
【0057】
すなわち、VRRPにおいては、仮想ルータ20のうちのマスタルータ(例えばルータ21)からは、定期的に広告(Advertisement)パケットをネットワーク上に送信することによって、正常に動作していることをバックアップルータ(例えばルータ22)に通知している。
【0058】
バックアップルータは、この広告パケットを受信することによって、マスタルータが動作していることを確認し、この確認ができている間はスタンバイ状態を維持する。また、バックアップルータは、一定時間に広告パケットを受信できなかった場合には、マスタルータや回線などに異常が生じ、経路上に障害が発生したと判断して、マスタルータに遷移してVRRP状態テーブル57を更新してパケットの中継処理を行う。VRRPにおける所定の処理としては、このような処理が行われる。
【0059】
また、PIM制御部53では、図12のフローチャートに示すように、受信したPIMメッセージの内容を確認し(ステップ301)、このメッセージがHelloメッセージかどうか判断する(ステップ302)。
【0060】
ここで、このPIMメッセージがHelloメッセージではない場合には、このメッセージの内容に応じた処理を行い(ステップ303)、またHelloメッセージの場合には、このメッセージの送信元アドレスをNeighborとして登録する(ステップ304)。なお、ここで、VRRPを起動させている場合には、Helloメッセージの送信元アドレスを仮想IPアドレスにする必要がある。
【0061】
次に、PIM制御部53は、受信者(ホスト装置)が下流にいるかどうか判断し(ステップ305)、もし受信者が下流にいない場合には、受信者を待ち(ステップ306)、受信者がいる場合には、上流側にJoin/Pruneメッセージを送信するために、ユニキャストフォワーディングテーブル59を検索する(ステップ307)。なお、ここでは、VRRPを起動させている場合には、仮想IPアドレスが検索されることとなる。
【0062】
そして、検索したNext Hopのルータが、ステップ304で登録されたPIMのNeighborと同じかどうか判断する(ステップ308)。ここで、両者が同じ場合には、上流に対してJoin/Pruneメッセージを送信し(ステップ309)、同じでない場合には、PIMのNeighborがないので、Join/Pruneメッセージを送信しない(ステップ310)、つまりこの状態では、マルチキャストの中継ができないこととなる。
【0063】
また、RIP制御部54では、図13のフローチャートに示すように、受信したRIPメッセージの内容を確認し(ステップ401)、必要な処理を行い、ユニキャストフォワーディングテーブル59の更新を行う(ステップ402)。
【0064】
すなわち、このRIP制御部54は、必要な処理としてこのメッセージから経路情報の取り出しを行い、新たな経路の追加や既存の経路の変更や不要経路の消去などによるユニキャストフォワーディングテーブル59の変更を行うこととなる。
【0065】
また、マルチ制御部55では、図14のフローチャートに示すように、受信したマルチキャストパケットのあて先IPアドレス(グループIPアドレス)を検出して、このあて先IPアドレスによってマルチキャストフォワーディングテーブル58を検索する(ステップ501)。そして、マルチキャストグループに参加している受信者がいるかどうか判断する(ステップ502)。
【0066】
ここで、このあて先IPアドレスが、マルチキャストフォワーディングテーブル58のグループアドレスにヒットしない場合には、マルチキャストグループに参加している受信者がいないと判断して、このマルチキャストパケットを廃棄する(ステップ503)。また、このあて先IPアドレスが、マルチキャストフォワーディングテーブル58のグループアドレスにヒットした場合には、マルチキャストグループに参加している受信者が下流に存在すると判断して、受信者のいるポートをマルチキャストフォワーディングテーブル58から検索し、この検索したポートへのマルチキャストパケットのフォワードを決定する(ステップ504)。
【0067】
次に、マルチ制御部55は、受信者がいるポートにこのパケットを送出する時に、そのポートのVRRPの状態を、VRRP状態テーブル57から検索して確認し(ステップ505)、そのポートの状態がマスタ状態であるかどうか判断する(ステップ506)。
【0068】
ここで、ポートの状態がバックアップ状態の場合には、二重にパケット送信されないように、このパケットを廃棄し(ステップ507)、またポート状態がマスタ状態の場合には、パケット送信部60からLANインターフェース50にこのマルチキャストパケットを送信して、マルチキャストのパケット中継を行う(ステップ508)。
【0069】
また、ユニ制御部56では、図15のフローチャートに示すように、受信したユニキャストパケットのあて先IPアドレスを検出して、このあて先IPアドレスによってユニキャストフォワーディングテーブル59を検索する(ステップ601)。そして、ステップ602において、このあて先IPアドレスが、ユニキャストフォワーディングテーブル59の宛先アドレスにヒットせず、Next Hopルータが検索できない場合には、パケットのフォワードが不可能と判断して、このパケットを廃棄する(ステップ603)。
【0070】
また、このあて先IPアドレスが、ユニキャストフォワーディングテーブル59の宛先アドレスにヒットし、Next Hopルータが検索できた場合には、このルータが接続されている出力ポートへのユニキャストパケットのフォワードを決定する(ステップ604)。
【0071】
次に、ユニ制御部56は、Next Hopルータがいるポートにこのパケットを送出する時に、その出力ポートのVRRPの状態を、VRRP状態テーブル57から検索して確認し(ステップ605)、そのポートの状態がマスタ状態であるかどうか判断する(ステップ606)。
【0072】
ここで、ポートの状態がバックアップ状態の場合には、二重にパケット送信されないように、このパケットを廃棄し(ステップ607)、またポート状態がマスタ状態の場合には、パケット送信部60からLANインターフェース50にこのユニキャストパケットを送信して、ユニキャストのパケット中継を行う(ステップ608)。
【0073】
このように、この実施例では、複数のルータによって構築される仮想ルータに、VRRPとPIMのプロトコルを実装させるとともに、PIMが自装置のIPアドレスを使用する場合には、仮想IPアドレスを使用することで、VRRPとPIMを協調動作させて、マルチキャストのパケット伝送を可能とするとともに、障害発生時のマルチキャスト転送の切り替えを迅速に行うことができる。
【0074】
また、この実施例では、マスタまたはバックアップの状態にかかわらず、仮想ルータを構築するそれぞれのルータが、PIMによるマルチキャストの制御パケットの受信処理を行って、マルチキャスト転送のエントリの共有化を図ることで、仮想ルータを構築するいずれのルータによってもマルチキャストのパケット伝送を可能とするとともに、障害発生時のマルチキャスト転送の切り替えを迅速に行うことができる。
【0075】
マルチキャストフォワーディングテーブルにマルチキャスト転送のエントリが登録されていても、自装置の状態がバックアップ状態の場合には、ホスト装置へのパケット中継を行わないように設定することで、マスタ状態のルータが行うマルチキャスト転送と重複しないようにすることで、マルチキャストパケットの効率的なパケット伝送を可能とする。
【0076】
(実施例2)
図16は、この発明にかかるネットワーク間接続システムの実施例2の構成を示す構成図であり、ネットワークの最下流でVRRP環境を構築した場合のシステム構成を示す構成図である。なお、図16のシステム構成は、図23のシステム構成と同様の構成であるので、各構成部分は説明の都合上、同一符号を付記する。
【0077】
図16において、仮想ルータ20を構成するルータ21,22は、VRRPとともに、IGMPのプロトコルを実装しており、ルータ21,22は、自装置のVRRP上の状態がマスタ、バックアップに拘わりなく、IGMPのプロトコルによって動作する機能を有している。
【0078】
これらルータ21,22は同一の構成になっており、その一例としては、図2に示した構成にIGMP制御部61と、受信者を管理するための受信者テーブル62とが加わった構成となり、パケット受信部51は、IGMPメンバーシップレポート(以下、「IGMPレポート」という)のメッセージパケットにおけるIGMPメッセージのタイプがIGMPを示すデータかどうか判断することでIGMPレポートのメッセージを判別している。
【0079】
受信者テーブル62は、図18に示すように、グループアドレスと、受信者IPアドレスと、受信者のポート番号と、送信者のポート番号とが格納されている。この受信者テーブル62は、IGMP制御部61がパケット受信部51から入力するIGMPのメッセージパケットも内容に基づいて各エントリの内容を変更している。
【0080】
このシステムで送受信されるIGMPのメッセージパケットは、図19、図20に示すような構成になっている。ここで、図19は、IGMPメッセージパケットのフレーム構成を示す図である。図において、IGMPメッセージパケットは、MACアドレスと、IPアドレスと、IGMPメッセージのフィールドから構成されている。なお、このIPヘッダ内の送信元IPアドレスには、予め仮想ルータに割り当てられた仮想IPアドレスが格納されることとなる。
【0081】
IGMPメッセージのフィールドは、図20に示したように、IGMPメッセージのタイプを示すTypeと、最大の応答時間を示すMax Resp Timeと、IGMPメッセージのチェックサム値を示すChecksumと、受信者が参加したいグループのIPアドレス(マルチキャストアドレス)とから構成されている。
【0082】
パケット受信部51は、IGMPメッセージ内のタイプフィールドを検索して、その値が“0x16”であれば、IGMPメンバーシップレポートであると判別して、IGMP制御部61に出力する。
【0083】
このような構成からなる仮想ルータによるパケットの判別動作と制御処理動作を、図21、図22のフローチャートに基づいて説明する。図21は、パケット受信部51によるパケットの判別動作を説明するためのフローチャートで、このフローチャートと図10のフローチャートは、RIPメッセージの判別(図10ではステップ106、図21ではステップ706)の後に、IGMPのメッセージパケットかどうかの判断が加わり(ステップ708)、IGMPのメッセージパケットの場合には、IGMP処理部61による制御処理フローに遷移する(ステップ709)点が異なる。また、IGMPのメッセージパケットでない場合には、図10と同様にマルチキャストパケットかどうかの判別を行う(ステップ710)。
【0084】
IGMP制御部61では、図22のフローチャートに示しように、受信したIGMPメッセージパケットの内容を確認し(ステップ801)、このメッセージがメンバーシップメッセージであるかどうか判断する(ステップ802)。
【0085】
ここで、このIGMPメッセージがメンバーシップメッセージの場合には、受信者テーブル62に受信者情報を追加し(ステップ803)、またメンバーシップメッセージでない場合には、Leaveメッセージかどうか判断する(ステップ804)。
【0086】
ここで、このメッセージがLeaveメッセージの場合には、該当する受信者情報が不要になったと判断して受信者テーブルからこの受信者情報を削除し(ステップ805)、またLeaveメッセージではない場合には、パケットを廃棄して(ステップ806)、上記動作を終了する。
【0087】
このように、この実施例では、IGMPレポートのメッセージパケットの制御処理を行うIGMP制御部が設けられ、ルータがマスタまたはバックアップの状態にかかわらず、IGMPのパケットの受信処理を行って、マルチキャスト転送するためのエントリの共有化を図ることで、実施例1と同様に、いずれのルータによってもマルチキャストのパケット伝送を可能とするとともに、障害発生時のマルチキャスト転送の切り替えを迅速に行うことができる。
【0088】
この発明は、これら実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。例えばバックアップ状態の場合に、自装置の受信処理を行わないように各制御部を設定することも可能である。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明では、仮想ネットワーク間接続装置は、VRRPとともにマルチキャストルーティングプロトコルを有し、該マルチキャストルーティングプロトコルによる動作で自装置のIPアドレスを使用する場合には、VRRPとマルチキャストルーティングプロトコルを協調動作させて、マルチキャストのパケット伝送を可能とするとともに、障害発生時のマルチキャスト転送の切り替えを迅速に行うことができる。
【0090】
また、この発明では、仮想ネットワーク間接続装置を構築するネットワーク間接続装置の状態がマスタまたはバックアップにかかわらず、マルチキャストルーティングプロトコルによるマルチキャストの制御パケットまたはIGMPのパケットの受信処理を行うことで、マルチキャスト転送のエントリの共有化を図ることで、いずれのネットワーク間接続装置においてもマルチキャストのパケット伝送を可能とするとともに、障害発生時のマルチキャスト転送の切り替えを迅速に行う。
【0091】
また、この発明では、ネットワーク間接続装置は、制御パケットまたはIGMPのパケットの受信処理に応じて、マルチキャスト転送のエントリ登録を行い、自装置がバックアップ状態の場合には、マスタ状態のネットワーク間接続装置がマルチキャスト転送を行うので、パケット中継を行わないように設定されることで、重複したマルチキャスト転送を防止することで、マルチキャストパケットの効率的なパケット伝送を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】ネットワークの中間でVRRP環境を構築した場合のこの発明にかかるネットワーク間接続システムのシステム構成を示す構成図である。
【図2】図1に示した仮想ルータの構成の一例を示す構成ブロック図である。
【図3】図2に示したVRRP状態テーブルの構成内容の一例を示すテーブル構成図である。
【図4】図2に示したマルチキャストフォワーディングテーブルの構成内容の一例を示すテーブル構成図である。
【図5】図2に示したユニキャストフォワーディングテーブルの構成内容の一例を示すテーブル構成図である。
【図6】図1のシステムで送受信されるVRRPパケットのフレーム構成を示す図である。
【図7】同じく、図1のシステムで送受信されるPIMメッセージパケットのフレーム構成を示す図である。
【図8】図7に示したIPヘッダのフレーム構成を示す図である。
【図9】同じく、図7に示したPIMメッセージのフレーム構成を示す図である。
【図10】図2に示したパケット受信部によるパケットの判別動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】同じく、VRRP制御部によるパケットの処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】同じく、マルチキャストルーティングプロトコル制御部によるパケットの処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】同じく、ユニキャストルーティングプロトコル制御部によるパケットの処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】同じく、マルチキャストフォワーディング制御部によるパケットの処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】同じく、ユニキャストフォワーディング制御部によるパケットの処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】ネットワークの最下流でVRRP環境を構築した場合のこの発明にかかるネットワーク間接続システムの構成を示す構成図である。
【図17】図16に示した仮想ルータの構成の一例を示す構成ブロック図である。
【図18】図17に示した受信者テーブルの構成内容の一例を示すテーブル構成図である。
【図19】図16のシステムで送受信されるIGMPパケットのフレーム構成を示す図である。
【図20】図19に示したIGMPメッセージのフレーム構成を示す図である。
【図21】図17に示したパケット受信部によるパケットの判別動作を説明するためのフローチャートである。
【図22】同じく、IGMP処理部によるパケットの処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図23】ネットワークの最下流でVRRP環境を構築した場合のシステム構成を示す構成図である。
【図24】ネットワークの中間でVRRP環境を構築した場合のシステム構成を示す構成である。
【符号の説明】
10 ホスト装置
20 仮想ネットワーク間接続装置(仮想ルータ)
21,22,30,40 ネットワーク間接続装置(ルータ)
50 LANインターフェース
51 パケット受信部
52 VRRP制御部
53 マルチキャストルーティングプロトコル制御部(PIM制御部)
54 ユニキャストルーティングプロトコル制御部(RIP制御部)
55 マルチキャスト(Multicast)フォワーディング制御部(マルチ制御部)
56 ユニキャスト(Unicast)フォワーディング制御部(ユニ制御部)
57 VRRP状態テーブル
58 マルチキャストフォワーディングテーブル
59 ユニキャストフォワーディングテーブル
60 パケット送信部
61 IGMP制御部
62 受信者テーブル

Claims (10)

  1. 同一のネットワーク内に接続された複数のネットワーク間接続装置が、実装するVRRPによってマスタとバックアップの関係に設定されて、仮想ネットワーク間接続装置を構築し、前記ネットワークまたは外部のネットワークから入力するパケットを、宛先のネットワークに送出するネットワーク間接続方法において、
    前記仮想ネットワーク間接続装置を構成するネットワーク間接続装置が前記VRRPとともにマルチキャストルーティングプロトコルを有し、該マルチキャストルーティングプロトコルによる動作で自装置のIPアドレスを使用する場合には、前記仮想ネットワーク間接続装置として割り当てられた仮想IPアドレスを使用する使用工程とを含むことを特徴とするネットワーク間接続方法。
  2. 前記ネットワーク間接続装置パケットの判別を行う判別工程
    前記ネットワーク間接続装置が前記バックアップ状態の場合でも、前記判別工程で判別された前記マルチキャストルーティングプロトコルによるマルチキャストの制御パケットまたはIGMPのパケットの少なくとも一つを受信処理するパケット受信処理工程と
    をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク間接続方法。
  3. 前記ネットワーク間接続装置マルチキャスト転送のエントリ登録を行う登録工程と、
    前記ネットワーク間接続装置が前記マルチキャストのパケット中継を行う中継工程と
    をさらに含み、前記ネットワーク間接続装置が前記バックアップ状態の場合に、前記登録工程でエントリ登録がなされていても、前記中継工程では、前記マルチキャストのパケット中継を行わないことを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク間接続方法。
  4. 前記マルチキャストの制御パケットまたはIGMPのパケットマルチキャストの転送要求を示すパケットからなり、前記登録工程では、前記ネットワーク間接続装置が当該転送要求に応じてエントリ登録を行うことを特徴とする請求項3に記載のネットワーク間接続方法。
  5. 同一のネットワーク内に接続され、VRRPを用いてマスタとバックアップの関係が設定される複数のネットワーク間接続装置によって構築される仮想のネットワーク間接続装置において、
    前記各ネットワーク間接続装置は、前記VRRPとともにマルチキャストルーティングプロトコルを有し、
    該マルチキャストルーティングプロトコルのパケットを通信する場合には、仮想ネットワーク間接続装置として割り当てられた仮想IPアドレスを使用することを特徴とするネットワーク間接続装置。
  6. 前記ネットワーク間接続装置は、受信したパケットの判別を行う判別手段と、
    前記判別されたVRRPメッセージを受信処理するVRRP処理手段と、
    前記判別されたマルチキャストルーティングプロトコルのメッセージを受信処理するマルチキャストルーティングプロトコル処理手段と、
    前記判別されたRIPメッセージを受信処理するRIP受信処理手段と、
    前記判別されたマルチキャストパケットを受信処理するマルチキャスト受信処理手段と、
    前記判別されたユニキャストパケットを受信処理するユニキャスト受信処理手段とを備えたことを特徴とする請求項5に記載のネットワーク間接続装置。
  7. 前記ネットワーク間接続装置は、IGMPを受信処理するIGMP受信処理手段と、
    マルチキャストのエントリ登録を行う登録手段とをさらに備え、
    前記バックアップ状態の場合にも、前記マルチキャストルーティングプロトコル受信処理手段による前記入力されるマルチキャストの制御パケットの受信処理、または前記IGMP受信処理手段によるIGMPパケットの受信処理の少なくとも一つを行い、前記登録手段は、前記受信処理に基づいて前記エントリ登録を行うことを特徴とする請求項5に記載のネットワーク間接続装置。
  8. 前記ネットワーク間接続装置は、前記マルチキャストのパケット中継を行う中継手段とをさらに含み、
    前記バックアップ状態の場合に、前記登録手段でエントリ登録がなされていても、前記中継手段では、前記マルチキャストのパケット中継を行わないことを特徴とする請求項7に記載のネットワーク間接続装置。
  9. 複数の受信者ホスト装置と、該受信者ホスト装置と伝送路を介して接続されるネットワーク間接続装置とから構築されるネットワーク間接続システムにおいて、
    前記ネットワーク間接続装置は、請求項5〜8のいずれか一つに記載のネットワーク間接続装置からなり、前記受信者ホスト装置との間でIGMPのパケット通信によってマルチキャストの転送要求とエントリ登録を行うことを特徴とするネットワーク間接続システム。
  10. 複数の受信者ホスト装置と、該受信者ホスト装置と伝送路を介して接続されるネットワーク間接続装置と、前記受信者ホスト装置とネットワーク間接続装置との間に介在する中継装置とから構築されるネットワーク間接続システムにおいて、
    前記ネットワーク間接続装置は、請求項5〜8のいずれか一つに記載のネットワーク間接続装置からなり、
    前記受信者ホスト装置と前記中継装置との間では、IGMPのパケット通信によってマルチキャストの転送要求を行い、前記中継装置と前記ネットワーク間接続装置との間では、前記マルチキャストルーティングプロトコルによるマルチキャストの制御パケット通信によってマルチキャストの転送要求とエントリ登録を行うことを特徴とするネットワーク間接続システム。
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