JP3824494B2 - 低融点合金射出成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は低融点合金射出成形方法に関し、特に、成形材料である低融点の合金をスクリュ式の低融点合金射出成形機のシリンダ内で溶融させ、スクリュにより成形金型内に射出して成形するとともに、ショットに対応して材料供給装置から適切な量の材料を供給し、シリンダ内の材料滞留量を適切に維持するように制御する低融点合金射出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、低融点合金の射出成形方法としては、ダイカスト法および金属射出成形法がある。ここでいう低融点とは、700℃程度までの温度を指し、具体的な使用材料としては、Al, Mg, Zn, Bi, Sn, Pb合金などがこれに該当する。金属射出成形法のようなインライン式スクリュによる低融点合金用射出成形機は、図1(a)に示すように、低融点合金の材料チップを供給するためのスクリュ式、ベルト式、あるいは、振動式などの材料供給装置16、供給された材料を搬送し溶解させるためのスクリュ11、シリンダ12、ヒータ13、溶融した材料を金型19の中に射出し噴出させるためのノズル14や高速射出装置17などから構成されている。
【0003】
上述の低融点合金射出成形機では、図1(b)に示されるように、インゴットを切削加工して得られるチップ状の材料を原料として使用する。低融点合金射出成形機において、材料供給装置16のホッパ内に貯留された材料は、材料供給装置16によってシリンダ12の中に供給される。供給された材料は、回転および往復運動が可能なようにシリンダ12の中に配置されたスクリュ11の回転により、シリンダ12の中を前方へと移送される。その材料は、移送される間に、シリンダ12の外周部に取り付けられたヒータ13(電熱あるいは誘導加熱ヒータなど)の加熱により、所定の溶融状態にされる。
【0004】
上述の加熱の際に、スクリュ11は、シリンダ12の中で回転しながら溶融状態の材料(軽金属溶湯)をスクリュ11の先端の貯留部15に溜めるとともに、一定の速度で材料供給装置側へと後退する。この後退量で貯留部15に溜まった溶融状態の材料が計量される。すなわち、スクリュ11が回転することによりスクリュ11が所定の後退ストロークに到達した時点で、スクリュ11の回転および後退運動を終了することにより、後退ストロークに応じた所定量の軽金属溶湯の計量が完了する。計量完了後の射出工程において、スクリュ11は、高速射出装置17によって高速に前進させられ、貯留部15に計量された軽金属溶湯は、シリンダ12の先端のノズル14を介して金型19の中に注湯される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような低融点合金射出成形機において、計量動作中にスクリュの回転負荷圧力が上昇し、スクリュ回転数が変動する場合がある。このような状態が生じると、次のショットにおいて射出される溶湯量にばらつきが生じることになる。この回転負荷圧力の上昇は、シリンダ内の材料滞留量と関連し、材料滞留量が上限値を超えた場合に発生することが経験的に分かっている。すなわち、材料滞留量は、ショット毎に、材料供給装置から供給される材料チップ量(材料供給量=Qin)と、射出工程によって金型内に排出される溶湯排出量(ショット重量=Qout)との両者の関係によって決定されるものであって、その両者の大小関係によって以下のような状態が発生する。
【0006】
(A)Qin>Qoutの場合:
ショット重量に対して材料供給量が多いために、ショット毎にΔQ(=Qin−Qout)だけシリンダ内の材料滞留量Qが増加する。その結果、成形の進行とともに、滞留量の増加分ΔQが累積され、材料滞留量Qが上限値Qmax以上になった場合にスクリュ回転に異常が発生する場合がある。
(B)Qin<Qoutの場合:
溶湯排出量に対して材料供給量が少ないために、ショット毎にΔQ(=Qout−Qin)だけ材料滞留量Qが減少する。その結果、成形の進行とともに、滞留量の減少分ΔQが累積され、材料滞留量Qが下限値Qmin以下になった場合にショートショットが発生する。
【0007】
上述したように、シリンダ内の材料滞留量は、低融点合金射出成形機の計量安定化に対して大きく影響を及ぼし、実際には、両者のバランスをとり、一定の材料滞留状態で成形するべく成形条件の調整を行うことになる。具体的な対策としては、回転負荷圧力の変化、あるいは、成形品の充填状況などを観察しながら、ショット重量に見合う材料を供給するために、材料供給装置の単位時間当たりの材料供給量qあるいは供給時間tsなどの設定値を経験に基づいて調節している。しかし、ショット重量のばらつきや材料供給装置による材料供給量のばらつき、あるいは、一時的な機械停止に伴うシリンダ内での材料溶融状態の変化などによって、材料滞留量を安定的に、かつ、連続的に維持することは困難であった。
【0008】
この発明は、上記の問題を解決するようになされたものであって、低融点合金の射出成形工程において、シリンダ内の材料滞留量の過不足をなくすために、シリンダ内の材料滞留量の上限値と下限値とを設定し、設定した上下限値の範囲内にシリンダ内の材料滞留量を自動的に維持できる低融点合金射出成形方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために、この発明は、成形材料である低融点の合金をスクリュ式の低融点合金射出成形機のシリンダ内で溶融させ、スクリュにより成形金型内に射出して成形するとともに、ショットに対応して材料供給装置から適切な量の材料を供給し、シリンダ内の材料滞留量を適切に維持するように制御する低融点合金射出成形方法において、単位増加量(ΔQ+)および単位減少量(ΔQ-)、材料滞留量の上限値(Qmax)および制御下限値(CQmin)を設定し、各ショット重量(Qout)に対して単位増加量(ΔQ+)だけ多い材料(Qin=Qout+ΔQ+)を供給して射出工程を実行し、単位増加量(ΔQ+)の累積によってシリンダ内の材料滞留量(Q)が上限値(Qmax)に到達したときは、材料供給量(Qin)をショット重量(Qout)よりも単位減少量(ΔQ-)だけ少ない材料(Qin=Qout−ΔQ-)の供給に変更し、
変更後、さらに射出工程を実行し、単位減少量(ΔQ-)の累積によってシリンダ内の材料滞留量(Q)が下限値(CQmin)に到達したときは、材料供給量(Qin)をショット重量(Qout)よりも単位増加量(ΔQ+)だけ多い材料の供給に戻してシリンダ内の材料滞留量(Q)を増加させることを自動的に繰り返し、シリンダ内の材料滞留量(Q)を最適に保つ。
【0010】
このような構成によれば、材料滞留量(Q)が上限値(Qmax)および制御下限値(CQmin)の間にあり、ショット毎に、ショット重量よりも単位増加量(ΔQ+)だけ多い材料(Qin=Qout+ΔQ+)の供給を受けると、単位増加量(ΔQ+)の累積によってシリンダ内の材料滞留量(Q)が上限値(Qmax)に到達する。そこで、材料供給量(Qin)をショット重量(Qout)よりも単位減少量(ΔQ-)だけ少ない材料(Qin=Qout−ΔQ-)の供給に変更する。したがって、射出工程が繰り返されると、単位減少量(ΔQ-)の累積によってシリンダ内の材料滞留量(Q)が制御下限値(CQmin)に到達する。そこで、材料供給量(Qin)をショット重量(Qout)よりも単位増加量(ΔQ+)だけ多い材料の供給に戻してシリンダ内の材料滞留量(Q)を増加させる。これらの材料供給量(Qin)の変更を自動的に繰り返すことにより、シリンダ内の材料滞留量(Q)は、上限値(Qmax)および制御下限値(CQmin)の範囲内に保たれ、スクリュ回転の異常やショートショットを防止することができる。なお、本発明においては、材料滞留量(Q)が前記上限値(Qmax)および制御下限値(CQmin)に到達したことを算出するために、ショット重量(Qout)を重量測定センサにより自動あるいは手動で計測するようにする。
【0011】
また、この発明においては、前記上限値(Qmax)に達したことを検出するために、スクリュ回転中の回転負荷圧力、背圧、スクリュ回転時間のうちの少なくとも一つを用いる。このことにより、従来から配置された検出手段を用いて、この発明を実行することができる。
【0012】
また、この発明においては、前記材料供給量を変更する場合、単位増加量(ΔQ+)および単位減少量(ΔQ-)を段階的に変化させる。これは、シリンダ内材料の溶融状態が急激に変化し、品質異常を発生させないようにするためである。
【0013】
また、この発明においては、前記段階的に変化させる場合、規定時間内に適用される単位増加量(ΔQ+)および単位減少量(ΔQ-)そのものを変化させるか、適用される規定時間を変化させる。このことは、制御プログラムのプログラミングを容易にする。
【0014】
さらに、この発明は、前記成形材料として、Mg,Al,Zn,Sn,Pb,Biの合金チップを用いる。これらの材料によれば、入手が容易であり、性質的にもこの発明の実施に好適である。
【0015】
上述の説明の重要な点を取りまとめて、さらに説明すれば、回転負荷圧の上昇を生じさせること無く、計量を安定化させる低融点合金射出成形方法は、シリンダ内の材料滞留を直接的あるいは間接的に予測して、滞留量の上下限値の範囲内で制御することである。すなわち、ショット重量Qoutに対してΔQ+だけ多い材料Qin(=Qout+ΔQ+)を供給し、ΔQ+の累積によってシリンダ内の材料滞留量が上限値Qmaxに到達した場合には、材料供給量Qinをショット重量QoutよりもΔQ-だけ少ない量(=Qout−ΔQ-)に変更し、シリンダ内の材料滞留量を減少させる。他方、材料滞留量が減少傾向にある場合には、材料滞留量が予め実験的に求めた材料滞留量の下限値Qminよりも大きく設定された制御下限値CQminに到達した時点で、材料供給量Qinを再びショット重量QoutよりもΔQ+だけ大きな値に変更し、材料滞留量を増加させる。このように、シリンダ内の材料滞留量の減少または増加を上下限値の範囲内で繰り返しながら成形を行うことによって、安定的な計量を実現するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。図2は、この発明の低融点合金射出成形方法を図1の低融点合金射出成形機に適用した場合のショット数に対する材料滞留量、材料供給量、ショット重量、スクリュ回転中の背圧および回転負荷圧力の変化を示すタイムチャート、図3は、材料供給装置の材料供給時間と材料供給量との関係を説明するグラフ、図4は、この発明による制御動作の例を説明するフローチャート、図5は、この発明による制御動作の他の例を説明するフローチャートである。
【0017】
図2のタイムチャートにおいては、横軸の表示が時間の代わりに累計ショット数(SH1,SH2,〜)で示してある。シリンダ12の内部に材料が無い状態から成形機の運転を開始する場合、ショートショットの発生を防止するために、材料滞留量Qの下限値Qminから上限値Qmaxの範囲における任意の量Qiの材料を投入する(初期材料投入)。
【0018】
材料滞留量Qの下限値Qminおよび上限値Qmaxは、事前に実験的に求める必要がある。材料滞留量Qの上限値Qmaxを求める方法は、ショット重量QoutよりもΔQ+だけ多い量の材料(Qin=Qout+ΔQ+)を供給しながら成形を行い、その時のショット重量Qout、回転負荷圧力、背圧およびスクリュ回転時間を計測しながら材料滞留量Qを下式によって算出する。
【0019】
Q=Q´+Qin−Qout
Q´:前ショットの材料滞留量
【0020】
そして、回転負荷圧力および背圧の上昇あるいはスクリュ回転時間の短縮が確認された時点での材料滞留量Qを上限値Qmaxとする。さらに、上限値Qmaxが観察された後、材料供給量をショット重量QoutよりもΔQ´だけ少ない量(Qin=Qout−ΔQ´)に変更し、成形を継続する。そして、ショートショットが発生した時点での材料滞留量Qを下限値Qminとし、QmaxとQminとの中間に近い値を制御下限値CQminとする。この成形作業の間、測定したショット重量の平均値(ショートショットは除く)AQoutを算出しておく。
【0021】
なお、初期材料投入の際には、スクリュ11は、最前進位置で回転動作のみを行わせ、材料供給装置16から材料を供給しながら、連続あるいは2〜5回に分けた間欠動作で材料滞留量Qが所定量Qiになるまで材料供給を行う。
【0022】
初期材料投入の後に行わせる計量動作においては、スクリュ11を回転させながら、ショット重量Qoutに見合う所定のストロークまでスクリュを一定速度で回転させて後退させる。計量動作中において、材料供給装置16からは、予想されるショット重量Qoutよりも単位増加量ΔQ+だけ多い量の材料(Qin=Qout+ΔQ+)を、スクリュ回転の開始および終了と連動した形式で、あるいは、スクリュ回転時間より短く設定された材料供給時間tsの間に均等に供給する。このように、材料供給量Qinをショット重量QoutよりもΔQ+だけ多く供給しながら成形した場合、シリンダ12の中の材料滞留量Qは直線的に増加し、例えばショット数SH1になるころには上限値Qmaxに到達することになる。
【0023】
上述の場合に、上限値Qmaxに到達したか否かを判定するのには、以下に述べるような2つの方法がある。すなわち、
(a)ショット重量Qoutをショット毎に測定し、ショット重量Qoutと材料供給量Qinとの差(ΔQ+=Qin−Qout)を累積し、材料滞留量Qを直接的に把握する。または、
(b)材料滞留量Qが上限値Qmaxに到達すると、図2に示されるように、スクリュ回転中の背圧や回転負荷圧力が上昇し、あるいは、スクリュ回転時間が短くなるために、その変化を捉えて間接的に材料滞留量Qを把握する。
【0024】
上述のような方法(a),(b)で材料滞留量Qが上限値Qmaxに到達したことを検知した場合には、材料供給量Qinをショット重量QoutよりもΔQ-だけ少ない量で供給するように変更する。このように、材料供給量Qinをショット重量QoutよりもΔQ-だけ少ない条件で供給しながら成形して行くと、シリンダ12の中の材料滞留量Qは、直線的に減少することになる(例えば、ショット数SH1〜SH2)。この場合、材料滞留量Qが下限値Qminよりも少なくならないようにするために、下記にのべるような2つの方法で材料滞留量Qを予測する。すなわち、
(c)ショット重量Qoutをショット毎に測定し、ショット重量Qoutと材料供給量Qinとの差(ΔQ-=Qout−Qin)を累積し、材料滞留量Qを直接的に把握する。または、
(d)材料供給量Qinを変更してからのショット数m(m=SH2−SH1)とショット毎の滞留量の減少分ΔQ-とを用いて、材料滞留量Q=Qmax−m・ΔQ-を予測する。
【0025】
上述のような方法(c),(d)で予測される材料滞留量Qが制御下限値CQminに到達した時点で、再び材料供給量Qinをショット重量QoutよりもΔQ+だけ多い量に変更する。なお、材料供給量Qinを増加させる場合には、シリンダ内材料の溶融状態が急激に変化しないようにするために、段階的に増加させてもよい(減少させる場合も同様である)。ここで、材料供給量Qinは、材料供給装置からの材料供給量のばらつきを考慮して決定する。すなわち、材料供給量は、材料の粒度分布あるいは大きさなどにより、±1〜±5%程度のばらつきが内在している。
【0026】
上述したような事実を考慮し、材料供給量のばらつきを±c%とした場合、図3に示す材料供給時間tsと材料供給量Qinとの間の関係から、材料供給時間tsを下記の式に従って調整することによって、材料供給量Qinを変更する。すなわち、材料滞留量を増加させる場合:
smax≦ts≦tR
但し、tsmax=(1+c/100)・Qout/S
材料滞留量を減少させる場合:
S≦tsmin
但し、tsmin=(1−c/100)・Qout/S
ここで、tRはスクリュ回転時間、Sは材料供給時間tsが上記関係を満足する単位時間当たりの材料供給量である。
【0027】
上述の調整を行う場合、実際には、上記の(a)と(c)との組み合わせ、あるいは、(b)と(d)との組み合わせなどにより、材料滞留量を直接的あるいは間接的に予測し、その結果を成形機の制御系にフィードバックすることによって、材料供給量は自動的に調整されることとなる。このように、材料供給量の増加および減少を繰り返しながら、材料滞留量を上下限値の範囲内で制御すれば、スクリュ回転負荷圧力の上昇などの無い安定的な計量を実現できる。
【0028】
上述の例として方法(a)と方法(c)との組み合わせによる制御動作について図4を参照して説明する。先ず、射出を行った後、そのショットのショット重量Qoutを測定するとともに、材料供給時間と単位時間当たりの材料供給量とから材料供給量Qinを算出する(ステップS11)。ショット重量Qoutと材料供給量Qinとから両者の差(ΔQ+=Qin−Qout)を算出し、前回のショット時における材料滞留量(Q´)にこの差を加算(Q=Q´+(Qin−Qout))し、材料滞留量Qを求める(ステップS12)。ここで、ショット重量Qoutの測定は、成形品の取り出し機に重量測定センサを取り付けることにより自動的に計測することも可能である。
【0029】
そして、求めた材料滞留量Qが下式(イ),(ロ),(ハ)、すなわち、
(イ)制御下限値CQmin<材料滞留量Q<上限値Qmax
(ロ)材料滞留量Q≦制御下限値CQmin
(ハ)材料滞留量Q≧上限値Qmax
のいずれを満足するのかを判定する(ステップS13)。
【0030】
ステップS13の判定の結果、式(イ)を満足していると判定された場合には、現状の材料供給動作(材料滞留量Qをショット毎に、単位増加量(ΔQ+)または単位減少量(ΔQ-)だけ変化させる現状の動作)を維持し、ステップS17に移行する(ステップS14)。ステップS13の判定の結果、式(ロ)を満足していると判定された場合には、それまで材料供給量を単位減少量(ΔQ-)だけ変化させていた場合にも材料供給量を、単位増加量(ΔQ+)だけ変化させるQin=Qout+ΔQ+の動作に切り換えステップS17に移行する(ステップS15)。ステップS13の判定の結果、式(ハ)を満足していると判定された場合には、それまで単位増加量(ΔQ+)だけ変化させていた材料供給量を、単位減少量(ΔQ-)だけ変化させるQin=Qout−ΔQ-の動作に切り換えステップS17に移行する(ステップS16)。ステップ17では、射出成形作業が終了か否かを判定し、終了でなければ、ステップS11に戻り、ステップS14,S15,S16でそれぞれ決定した動作に基づいて動作を継続する。
【0031】
上述の他の例として方法(b)と方法(d)との組み合わせによる制御動作について図5および図8を参照して説明する。この方法では、材料滞留量Qが上限値Qmaxに到達したことを回転負荷圧力および背圧の上昇あるいはスクリュ回転時間の短縮により感知することになり、上限値の設定を必要としない。また、ショット重量Qoutも金型形状より算出される重量あるいは事前に実験的に求めた平均ショット重量AQoutを使用することになり、毎ショットのショット重量測定を行う必要もない。なお、図8においては、31が回転負荷圧力測定箇所、32が背圧測定箇所、33がスクリュ回転時間測定箇所を示している。射出動作可能になって、通常の射出動作が開始されると、スクリュ回転中の背圧、回転負荷圧、回転時間を計測する(ステップS21)。背圧、回転負荷圧、回転時間のそれぞれに対して、それらが異常であるか否かの判定用の閾値として設定された各判別設定値と、ステップS21における計測の結果を比較し、下記の条件(ニ),(ホ),(ヘ)が生じているか否かを判定する(ステップS22)。すなわち、
(ニ)背圧測定値≧背圧判別設定値
(ホ)回転負荷圧≧回転負荷圧判別設定値
(ヘ)回転時間≦回転時間判別設定値
【0032】
ステップS22の判定の結果、条件(ニ),(ホ),(ヘ)の少なくとも一つが生じている場合には、材料供給時間を減少させて、材料供給動作がQin=AQout−ΔQ-の動作を実行するようにさせ同時にショットカウントmをm=0とする(ステップS29)。ステップS22の判定の結果、いずれの条件(ニ),(ホ),(ヘ)も生じていないと判定された場合には、現状の材料供給量から材料滞留量の増減判別を行う(ステップS23)。ステップS23において、材料滞留量の増加過程すなわちQin>QAoutである場合にはステップS28に移り現状のQinを維持した状況でステップS30へ移行する。他方ステップS23において材料滞留量の減少過程すなわちQin≦AQoutである場合には、ショットカウントmをm=m´+1(m´は前ショットのカウント数)としてステップS25へ移行し、材料滞留量の判定をQ=Qmax−mΔQ-より行う。求めた材料滞留量Qが下式(イ),(ロ)、すなわち、
(イ)制御下限値CQmin<材料滞留量Q
(ロ)材料滞留量Q≦制御下限値CQmin
を満足するか否かを判定する(ステップS25)。
【0033】
ステップS25の判定の結果、式(イ)を満足していると判定された場合には、現状の材料供給動作(材料滞留量Qをショット毎に、単位減少量(ΔQ-)だけ変化させる現状の動作)を維持し、ステップS30に移行する(ステップS26)。ステップS25の判定の結果、式(ロ)を満足していると判定された場合には、それまでショット量Qoutに対して単位減少量(ΔQ-)だけ少なくなるように変化させていた場合にも材料供給量を、単位増加量(ΔQ+)だけ増加するように変化させるQin=Qout+ΔQ+の動作に切り換えステップS30に移行する(ステップS27)。ステップS30では、射出成形作業が終了か否かを判定し、終了でなければ、ステップS21に戻り、ステップS26,S27,S28,S29でそれぞれ決定した動作に基づいて動作を継続する。
【0034】
次に、同一の金型を使用して成形する際に、従来の方法に従う場合と、本発明の方法に従う場合の比較例について、図6および図7を参照して説明する。型締め力650Tonの低融点合金射出成形機を使用して、Mg合金(AZ91D)のショット重量が約300gを有するノート型パソコンケースを、従来までのように材料滞留量が一定となるように材料供給量を調整しながら成形したところ、約数時間程度成形したところでスクリュ回転負荷圧力が上昇する傾向があった(図6)。 そこで、本発明の計量方法、すなわち、材料滞留量が上下限値の範囲内となるように、ΔQ+=25g、ΔQ-=20gとして材料供給量を制御しながら同一の金型を使用して成形したところ、約12時間の連続成形を行っても、スクリュ回転負荷圧力は、一定の低い値を維持することができたし、ショット重量も標準偏差0.91で約800ショット成形することができた(図7)。
【0035】
なお、この場合の予め実験で求めた材料滞留量の上限値は約6000gであり、下限値は約2500gであった。また、材料滞留量の制御は、上述の(b)および(d)の方法で材料供給を調節しながら実行した。そのときのしきい値(上限到達は背圧を採用して検出し、制御下限値はショット数と材料供給量より予測している)は下記のごとくであった。
《上限値到達の条件》
背圧=0.1MPa→0.3MPa
《制御下限値到達の条件》
Figure 0003824494
【0036】
【発明の効果】
この発明の低融点合金射出成形方法は、以上において説明したように構成されているので、次のような効果を奏する。低融点合金射出成形機の計量不安定問題に対して、その原因の一つとなるシリンダ内の材料滞留量を直接的間接的に予測して制御することにより、スクリュ回転負荷圧力の異常上昇やスクリュ回転不能などといった計量不安定問題を解決することできる。さらに、この材料滞留量を毎ショットのショット重量を測定して予測する方法、あるいは、スクリュ回転中の背圧、回転負荷圧力、回転時間の変化に基づき予測する方法で把握することにより、成形機の制御系にフィードバックすることが可能となり、今まで経験的に作業者が実施していた条件調整を自動化することができる。ひいては、成形機の計量不安定によるダウンタイムを減少することができるとともに、条件調整のための人員が不要となりコスト削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、低融点合金射出成形機を示す構成図である。
(b)は、(a)において用いられるチップ形状の材料を説明する図である。
【図2】この発明の低融点合金射出成形方法を図1の低融点合金射出成形機に適用した場合のショット数に対する材料滞留量、材料供給量、ショット重量、スクリュ回転中の背圧および回転負荷圧力の変化を示すタイムチャートである。
【図3】材料供給装置の材料供給時間と材料供給量との関係を説明するグラフである。
【図4】この発明による制御動作の例を説明するフローチャートである。
【図5】この発明による制御動作の他の例を説明するフローチャートである。
【図6】比較例において従来方法に従った場合の回転負荷圧力、ショット重量、材料供給量、材料滞留量の変化を示すタイムチャートである。
【図7】比較例においてこの発明に従った場合の回転負荷圧力、背圧、ショット重量、材料供給量、材料滞留量の変化を示すタイムチャートである。
【図8】背圧、回転負荷圧、回転時間の検出箇所を示す図である。
【符号の説明】
11 スクリュ
12 シリンダ
13 ヒータ
14 ノズル
15 貯留部
16 材料供給装置
17 高速射出装置
19 金型
Q 材料滞留量
max 上限値
min 下限値
CQmin 制御下限値
in 材料供給量
out ショット重量
ΔQ+ 単位増加量
ΔQ- 単位減少量
SH1,SH2,〜 累計ショット数
S11〜S28 ステップ

Claims (5)

  1. 成形材料である低融点の合金をスクリュ式の低融点合金射出成形機のシリンダ内で溶融させ、スクリュにより成形金型内に射出して成形するとともに、ショットに対応して材料供給装置から適切な量の材料を供給し、シリンダ内の材料滞留量を適切に維持するように制御する低融点合金射出成形方法において、
    単位増加量(ΔQ+)および単位減少量(ΔQ-)、材料滞留量の上限値(Qmax)および制御下限値(CQmin)を設定し、
    各ショット重量(Qout)に対して単位増加量(ΔQ+)だけ多い材料(Qin=Qout+ΔQ+)を供給して射出工程を実行し、単位増加量(ΔQ+)の累積によってシリンダ内の材料滞留量(Q)が上限値(Qmax)に到達したときは、材料供給量(Qin)をショット重量(Qout)よりも単位減少量(ΔQ-)だけ少ない材料(Qin=Qout−ΔQ-)の供給に変更し、
    変更後、さらに射出工程を実行し、単位減少量(ΔQ-)の累積によってシリンダ内の材料滞留量(Q)が制御下限値(CQmin)に到達したときは、材料供給量(Qin)をショット重量(Qout)よりも単位増加量(ΔQ+)だけ多い材料の供給に戻してシリンダ内の材料滞留量(Q)を増加させることを自動的に繰り返し、シリンダ内の材料滞留量(Q)を最適に保つことを特徴とする低融点合金射出成形方法。
  2. 材料滞留量(Q)が前記上限値(Qmax)および制御下限値(CQmin)に到達したことを算出するために、ショット重量(Qout)を重量測定センサにより自動あるいは手動で計測することを特徴とする請求項1記載の低融点合金射出成形方法。
  3. 前記材料供給量を変更する場合、単位増加量(ΔQ+)および単位減少量(ΔQ-)を段階的に変化させる請求項1又は2に記載の低融点合金射出成形方法。
  4. 前記段階的に変化させる場合、規定時間内に適用される単位増加量(ΔQ+)および単位減少量(ΔQ-)そのものを変化させるか、適用される規定時間を変化させる請求項記載の低融点合金射出成形方法。
  5. 前記成形材料として、Mg,Al,Zn,Sn,Pb,Biの合金チップを用いることを特徴とする低融点合金射出成形方法。
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