JP3824395B2 - プレス金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばラムで上型の上面を叩いてプレス加工を行うプレス金型の衝撃音等を減少させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばコイル材からブランク材を打抜くようなブランキング用のプレス金型として、クランク機構等によって直接上型を上下動させることなく、上型上のラムを上下駆動し、上型の上面を叩いて上型を降下させ、打抜き加工を行った後、上型をスプリング等で復元させるようなプレス金型が知られており、このような方式の金型は、ラムが上型の上面を叩く際、金属同士が面当たりするため非常に大きな衝撃音等を発している。
【0003】
一方、プレス金型から発生する騒音を防止するような技術として、例えば実開平6−595号のような技術が知られており、この技術では、プレス機械の周囲を防音ケースで覆い、コイル材が通過する開口部に集音器と発音器を配設するとともに、集音器で集音した受音データに基づいて、周波数特性が逆の周波数の発音データを作成し、これを発音器から出力することで、騒音を打ち消すようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような技術は、プレス機の周囲を防音ケースで覆うため、設備が大型化してスペースを要し、また集音器、発音器、発音信号生成手段等の装置構成が複雑で費用も嵩む等の問題がある。
【0005】
そこで本発明は、ラムによって上型を叩くようなプレス金型から発生する騒音をより簡素な構成で減少させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、請求項1において、上型と下型の間にワークをセットし、上型の上面に向けてラムを降下させ上型の上面を叩いてプレス加工を行った後、復元機構によって上型を元の位置に戻すようにしたプレス金型において、上型の上面であって少なくともラムが当接する部分に、衝撃音の発生を防止する所定厚みの防音シートを貼着するようにした。
【0007】
このように、少なくともラムに当接する上型の上面に防音シートを貼着することで、ラムが上型上面を叩く時の衝撃音の発生を防止する。
【0008】
ここで、防音シートの素材は、材料の内部摩擦が大きくて、弾性エネルギーを熱に変換して散逸させる能力が大きく、振動を速やかに減衰させる機能の高い軟質素材、例えばゴム、樹脂、発泡材、フェルト、不織布、織布、またはこれらを積層した材料等、衝撃吸収特性に優れた素材が適用出来る。
因みに、上型上面に凹部空間部を設けている場合には、空間部内で共鳴する共鳴音を外部に漏洩させないため、衝撃吸収特性のみならず吸音特性に優れた素材にすることが好ましい。
【0009】
また、防音シートの厚みは、ラムの衝撃圧を上型に対して均等に及ばさせるため、あまり厚くすることは好ましくなく、例えば5mm程度以下にする。
すなわち、これ以上厚くなると、ラムが上型上面を均等に押圧することが出来ず、金型が歪む原因となる。
【0010】
また請求項2では、防音シートを、繊維集合体シート、又は連続気泡を有する発泡体シート、又は繊維集合体或いは連続気泡を有する発泡体の少なくとも一方が積層される積層シートにて構成するようにした。
【0011】
すなわち、このような繊維集合体又は連続気泡を有する発泡体は、衝撃吸収特性に優れるとともに、空気が繊維の微小な隙間、又は微小な気泡を通して流通する時、空気粘性によって音が吸収される吸音特性に優れた素材であり、例えば上型の上面に凹部空間部が形成されているような場合に、内部で共鳴する共鳴音を吸収して外部に逃がさないような時に特に有効である。
ここで、繊維集合体とは、例えばフェルト、不織布、織布、その他の繊維を集合させた製品であり、この場合、繊維としては天然繊維、化学繊維を問わない。また連続気泡を有する発泡体とは、気泡が連続する発泡樹脂、発泡ゴム等である。
【0012】
そして、このような衝撃吸収特性と吸音特性の優れた繊維集合体シート、又は連続気泡の発泡体シート、又はこれらを積層した積層シートを使用することで、衝撃音のみならず、共鳴音を減少させ防音効果を一層高めるようにする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本プレス金型が適用されるブランキング金型の説明図、図2は金型の上型上面に凹部空間部を形成している場合の斜視図、図3は上型上面の全域に防音シートを貼着した実施例の部分断面図である。
【0014】
本発明に係るプレス金型は、例えば図1に示すようなブランキング金型1において、ブランク材を打抜き加工する際発生する衝撃音、共鳴音のような騒音を減少させることが出来るようにされ、このブランキング金型1は、いわゆるタタキ型として構成されている。
【0015】
すなわち、このブランキング金型1は、機台2上の下型3と、この下型3の四隅に配設される複数のガイドバー4、…及び復元バネ5、…によって支持される上型6と、この上型6の上方で上下駆動されるラム7を備え、アンコイラ8から巻き出されるコイル材10を下型3と上型6の間に通してセットし、ラム7を降下させることで、上型6の上面を叩き、上型6と下型3によってブランク材を打抜き加工するようにしている。
【0016】
このため、ラム7が上型6を叩く時に非常に大きな騒音となり、本発明では、上型6の上面のうち少なくともラム7に当接する部分に、衝撃音の発生を防止する防音シートを貼着するようにしている。
【0017】
ここで、ラム7が上型6を叩く時の衝撃音を小さくするための防音シートとしては、例えば材料の内部摩擦が大きく、また弾性エネルギーを散逸させて振動を減衰させる機能の高い材料が好ましく、例えばゴム、樹脂、発泡材、フェルト、不織布、織布、又はこれらを任意の組合わせで積層した積層体等の材料が適用出来る。
【0018】
一方、上型6の上面に、軽量化のため局所的に凹部空間部が形成されている場合は、衝撃音が凹部空間部で共鳴し更に大きな騒音となるため、衝撃音の発生を抑制するだけでなく、吸音特性も兼ね備えた材料が好ましい。
このため、この場合の防音シートとしては、空気の通る微小な隙間を多数有し、これら隙間を通る空気の粘性によって音を吸収する吸音作用の高い材料が好ましい。
【0019】
ここで、凹部空間部が形成されている場合の防音シートの貼着は、上型6の上面全域に貼着することが吸音効果を高めるのに有効であるが、凹部空間部を除くラム当接面に貼着するだけでも効果がある。
【0020】
また、防音シートの厚みは、あまり厚くするとラム7の衝撃力を上型6上面に均等に伝えることが出来ず、上型6が歪む原因になるため、例えば5mm以下の厚みにする。
【0021】
また、前記のような吸音作用の高い材料として、フェルト、不織布、敷布等の繊維集合体とか、連続気泡を有する発泡体等が適用出来る。そして繊維集合体の繊維の場合は、天然繊維であっても化学繊維であっても良い。
【0022】
また連続気泡を有する発泡体の防音シート一例として、例えば独立気泡発泡体からなる下面層と、連続気泡発泡体からなる中間層と、独立気泡発泡体からなる上面層の3層積層シート等が適用出来る。
【0023】
この場合、下面層の発泡体としては、例えば1,2ポリブタジエン70重量部に対して、粘弾性体としての天然ゴムが30重量部、アスファルト50重量部、無機フィラー(マイカ)300重量部、可塑剤40重量部、硫黄30重量部、発泡剤としてのDPT(ジニトロソペンタメチレンテトラミン)10重量部、発泡助剤としての尿素化合物10重量部等とされ、発泡率が2倍で独立気泡が形成されたものとする。
【0024】
また中間層の発泡体は、1,2ポリブタジエン50重量部に対して、天然ゴム50重量部、無機フィラー(マイカ)300重量部、可塑剤100重量部、ADCA(アゾジカルボンアミド)とDPT(ジニトロソペンタメチレンテトラミン)の混合物からなる発泡剤20重量部等とされ、発泡率が5倍で連続気泡が形成されたものとする。
【0025】
また上面層の発泡体は、1,2ポリブタジエン50重量部に対して、天然ゴムを50重量部、無機フィラー(マイカ)300重量部、可塑剤100重量部、DPT(ジニトロソペンタメチレンテトラミン)10重量部、尿素化合物10重量部等からなるものであり、発泡率が3倍で独立気泡が形成されたものとする。
【0026】
そしてこのように連続気泡を有する中間層の発泡体を、独立気泡の上面層、下面層でサンドイッチ状に積層することで、衝撃音の発生防止と共鳴音の吸音による防音効果を得るようにする。
【0027】
以下、具体的な実施例について説明する。
(実施例)
図2に示すように、上面に軽量化のための凹部空間部Cが形成されている上型6に対し、図3に示すように、上面全域に防音シート11を貼着した。ここで防音シート11として、ポリプロピレン製繊維の不織布にポリ塩化ビニル製の裏材を裏張りした繊維成形体主体のシートを使用し、上型6の凹部空間部C以外のラム接触面に両面テープ12にて貼着した。この際、ポリ塩化ビニル製の裏材側を上型6側に向けて接着能力を高めるようにし、またシートの厚みは3.2mmとした。
この結果、防音シート11を貼着することにより、約12db程度の騒音防止が図られ、極めて有効であることが確認された。
【0028】
尚、上記裏材の裏面側に更に発泡剤層を形成した防音シート11を使用しても良い。
この場合、発泡剤として、例えばDPT(ジニトロソペンタメチレンテトラミン)、ADCA(アゾジカルボンアミド)、TSH(p−トルエンスルフォニルヒドラジド)、OBSH(4,4´−オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド)等が使用出来、例えばDPTの場合、ポリマー成分100重量部に対し、1〜5重量部とし、助剤として尿素及びその誘導体等を使用することが出来る。
【0029】
また、この実施例では、ラム7に叩かれる上型6に歪み等の不具合は発生せず、また加工性も良好なため、ラム7による衝撃荷重は上型6に均等に分散しているものと考えられる。
【0030】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一に構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば防音シート11の材料は実施形態以外にフェルト、或いは織布等を利用するようにしても良く、また貼着方法等も任意である。
またブランキング金型1以外のプレス型に適用することも可能であり、更に、上型6上面に凹部空間部Cが形成されていない場合にも適用出来る。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るプレス金型は、請求項1のように、ラムによって上型の上面を叩いてプレス加工を行うようなプレス金型において、上型の上面のうち少なくともラムが当接する部分に、衝撃音を吸収する所定厚みの防音シートを貼着するようにしたため、ラムが上型上面を叩く時の衝撃音を減少させることが出来る。
また請求項2のように、防音シートを、繊維集合体シート、又は連続気泡を有する発泡体シート、又は繊維集合体か連続気泡を有する発泡体の少なくとも一方が積層される積層シートにて構成すれば、特に上型の上面に凹部空間部が形成されているような場合に、凹部空間部内で共鳴する共鳴音を吸収するため一層防音効果を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本プレス金型が適用されるブランキング金型の説明図
【図2】金型の上型上面に凹部空間部を形成している場合の斜視図
【図3】上型上面の全域に防音シートを貼着した実施例の部分断面図
【符号の説明】
1…ブランキング金型、3…下型、4…ガイドバー、5…復元バネ、6…上型、7…ラム、11…防音シート。
Claims (1)
- 上型と下型の間にワークをセットし、上型の上面に向けてラムを降下させ上型の上面を叩いてプレス加工を行った後、復元機構によって上型を元の位置に戻すようにしたプレス金型であって、前記上型の上面のうち少なくとも前記ラムが当接する部分には、衝撃音の発生を防止する防音シートが貼着され、この防音シートは、独立気泡発泡体からなる下面層と連続気泡発泡体からなる中間層と独立気泡発泡体からなる上面層の3層積層シートから構成されることを特徴とするプレス金型。
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