JP3824039B2 - バッテリーパック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯型の電子機器、例えば携帯電話、ノートパソコン、カムコーダ、及びCDプレイヤ等に用いられる充放電可能なバッテリーパックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バッテリーパックは、複数の二次電池が直列又は並列に接続した状態でケース内に収納されている。最近では、電池を横に密着した状態でケース内に収納することで、バッテリーパックも小型化が図られている。また、二次電池としては、作動電圧が高いこと、エネルギ密度が高いこと、出力電流が大きいこと、サイクル寿命が長いこと、メモリ効果がないこと、短時間での充電が可能なこと等から、リチウムイオン電池が多用されている。
【0003】
ところで、リチウムイオン電池等の二次電池では、充放電時に多少発熱する。二次電池同士が密着していると、その部分では熱の逃げ場がないため、蓄熱されることになる。この蓄熱が発生すると、充放電特性が変化し、安定した充放電を行うことができなくなる。また、一方の二次電池に充放電の異常が発生して温度が上がると、この熱が他方の二次電池に伝わり、この正常な二次電池に対して充放電の異常を招く恐れがある。
【0004】
ケース内に収納した二次電池が振動等によって動いて、プリント基板との溶接が外れたり、電極が電気部品に接触したりすることを防止するために、隣接する二次電池との間に、仕切り板を配置することが知られている(特開平5−290821号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
二次電池同士を密着させて配置する場合と比較して、仕切り板を用いた方が熱的な影響を小さくすることはできる。しかし、仕切り板に熱が蓄積されるため、この仕切り板を介して熱が伝わるから、充分な熱的絶縁を図ることができない。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するために鑑みなされたもので、隣接した電池同士の間の熱的な絶縁を充分に確保することができるバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明のバッテリーパックでは、電気的絶縁性を有する材料で作った、前記二次電池の軸方向の長さとほぼ同じ長さを有するスペーサーを、電池同士が接触しないようにするために隣接する2個の二次電池のうちの側面同士が向かい合う間に配置し、このスペーサーの両側面を、二次電池の外周の一部が入り込む凹面にするとともに、該電池の軸方向の中央に対向し、且つ、両端部を除いた部分に両側面を貫通する開口及び上面と下面を貫通する開口を形成し、両端部を4本の連結辺で連結した形状にしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
バッテリーパック10は、図2に示すように、上ケース11と下ケース12とから構成されるケース本体に、リチウムイオン電池13〜16や充放電制御回路17を取り付けた基板18が収納されている。基板18には、プラス端子19、マイナス端子20、及び接続検出端子21が設けられており、これらは下ケース12に設けた各開口22〜24からそれぞれ外部に露呈される。プラス端子19及びマイナス端子20は、電子機器や充電器との間で充放電するためのものである。接続検出端子21は、電子機器や充電器にバッテリーパック10が正しく装着されたことを検知するためのものである。
【0010】
充放電制御回路17は、周知のように、放電用スイッチと充電用スイッチとを備え、接続検出端子21からの信号で、バッテリーパック10が電子機器又は充電器に正しく接続されているときに、2つのスイッチをONにしてリチウムイオン電池13〜16の充放電を許容する。また、充放電制御回路17は、サーミスタや電圧測定回路を備え、バッテリーパック10内の温度が異常に高くなったとき、又は各リチウムイオン電池の電圧が規定の電圧範囲を外れたときに、放電用スイッチ又は充電用スイッチをOFFして、充電又は放電を停止させる。
【0011】
リチウムイオン電池13と14とがスペーサー43を介して隣接されている。また、リチウムイオン電池15と16もスペーサー43を介して隣接され、且つ、リチウムイオン電池13、14と直交する向きで回路基板18上に取り付けられている。各電池13〜16の電極には、基板18の配線パターンに半田付けされた電池接続板44がスポット溶接されている。
【0012】
図1、図3、及び図4に示すように、スペーサー43の両側面46,47は、電池15、16の各中心を通る直線Aを中心とする上下の周面の長さBの範囲に対応した凹面が形成されている。両側面46,47の凹面は、中心が最も凹んでいるから、2個の電池の間に介在させるだけで、これらの間から抜け落ちることはない。なお、凹面の代わりに、両側面46,47を板状にしてもよい。
【0013】
両側面46、47には、両端部51、52を除いた部分に、放熱用の貫通開口48が形成されている。また、スペーサー43の上下面を貫通するように、貫通開口49が形成されている。これら貫通開口48、49により、スペーサー43は、両端部51、52とが4本の連接片53で連結された形状をしている。
【0014】
スペーサー43の長さは、リチウムイオン電池13〜16の軸方向の長さとほぼ同じ長さである。このリチウムイオン電池13〜16の発熱は、主として両端部51、52を除いた中央部で発生する。このため、貫通開口48、49は、電池13〜16の中央部に形成されている。このようなスペーサー43の素材としは、プラスチック材料が用いられるが、絶縁性、及び熱伝達率等の点からPP樹脂(ポリプロピレン)等が望ましい。
【0015】
次に上記実施形態の作用について説明する。バッテリーパック10の組立に際して、回路基板18に充放電制御回路17を実装する。また、サイズの小さい電子部品は2つの電池の間のスペースにも配置される。次に、電池接続板44を回路基板18に半田付けする。一対の電池接続板44の間に、スペーサー43を挟装させたリチウムイオン電池13〜16を挿入する。その後に、電池接続板44をリチウムイオン電池13〜16の電極にスポット溶接する。組み立てられた回路基板18は、電池13〜16を下に向けた姿勢でケース本体12に挿入され、上からケース蓋11を嵌めることでバッテリーパック10が完成する。ケース蓋11には、接着剤が塗ってあるため、ケース本体12に固着される。
【0016】
この状態では、リチウムイオン電池13〜16がスペーサー43の両側面46、47に密着して固定されている。スペーサー43の両側面46、47の間の最小厚みは、強度等を考慮してできるだけ薄くしてあるから、2個の電池同士の間隔を狭くでき、コンパクト化を図ることができる。
【0017】
バッテリーパック10は、充電器で充電してから電子機器に接続され、電子機器に電力を給電する。この充放電中に、各リチウムイオン電池13〜16が発熱する。電池同士の間に熱及び電気的な絶縁部材であるスペーサー43を介在させているから、一方の電池の熱が他方の電池に伝わることがなく、したがって、相乗効果により増大することがない。しかも、スペーサー43に設けた貫通開口48により電池間に一定の空間が形成され、この空間により充分な放熱が行われる。また、上下方向に開口した貫通開口49によって、熱の対流が発生するから、放熱の効果も大きい。さらに、リチウムイオン電池13〜16の放熱により、回路基板18に設けた温度センサー、例えばサーミスタに熱影響を及ぼすことがない。
【0018】
上記実施例では、横方向の貫通開口48と上下方向の貫通開口49とを設けているが、上下方向の貫通開口49を省略してもよい。また、二次電池としては、リチウムイオン電池の他に、ニッカド電池等でもよい。また、二次電池を3本以上横に並べ、これらの間にスペーサーを配置してもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のバッテリーパックは、電池間にスペーサーを挟装させ、このスペーサーの両側面を、二次電池の外周の一部が入り込む凹面にするとともに、電池の軸方向の中央に対向し、且つ、両端部を除いた部分に両側面を貫通する開口及び上面と下面を貫通する開口を形成し、両端部を4本の連結辺で連結した形状にしたから、電池間に一定の空間が形成され、この空間により電池の熱を充分に放熱させることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスペーサーを示した斜視図である。
【図2】バッテリーパックの分解斜視図である。
【図3】バッテリーパックの内部に収納された電池の要部を示す斜視図である。
【図4】電池に挟まれた状態のスペーサーを示した断面図である。
【符号の説明】
10 バッテリーパック
13〜16 リチウムイオン電池
43 スペーサー
46、47 周面
48、49 貫通開口
51、52 端部
53 連結棒

Claims (3)

  1. 少なくとも2個の円柱形状をした二次電池を横に並べた状態でケース内に収納したバッテリーパックにおいて、
    電気的絶縁性を有する材料で作った、前記二次電池の軸方向の長さとほぼ同じ長さを有するスペーサーを、電池同士が接触しないようにするために隣接する2個の二次電池のうちの側面同士が向かい合う間に配置し、前記スペーサーの両側面を、前記二次電池の外周の一部が入り込む凹面にするとともに、該電池の軸方向の中央に対向し、且つ、両端部を除いた部分に両側面を貫通する開口及び上面と下面を貫通する開口を形成し、両端部を4本の連結辺で連結した形状にしたことを特徴とするバッテリーパック。
  2. 前記ケースには充放電制御回路を取り付けた基板が収納されており、前記基板には前記電池の両端電極に接続される電池接続板が設けられていることを特徴とする請求項記載のバッテリーパック。
  3. 前記電池は、両端電極が前記電池接続板に溶接されていることを特徴とする請求項1又は2記載のバッテリーパック。
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