JP3823130B2 - レーザ加工機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザにより三次元加工を行うことのできるレーザ加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ加工機の加工ヘッド先端に設けられたトーチからは、レーザ光とともにアシストガスを放出するようになっており、このようなトーチには、該トーチに対してアシストガスを供給するためのガス管が、加工ヘッド側から接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のレーザ加工機にはワークに対するトーチ先端の角度を三次元的に変化させることにより三次元加工を行うことのできるタイプのものがあり、このようなレーザ加工機では加工ヘッドとトーチとの間が回転自在になっている。従ってこのようなタイプでは、トーチの動きをできるだけ妨げることのないように、伸縮や屈曲が容易になったカールコード型のガス管が、加工ヘッドとトーチとの間を接続するアシストガス用のガス管として採用されていた。しかし、このようなカールコード型のガス管であっても、トーチの回転に伴って加工ヘッドやトーチ等に絡みつくことは避けられず、従ってトーチが回転できる度合いは、カールコード型のガス管が絡みつく量によって制限されている。また、繁雑なカールコード型のガス管をトーチに接続しているので、該トーチ付近が繁雑となり保守等に際して都合が悪い。
【0004】
そこで本発明は上記事情に鑑み、トーチ側の動きができるだけ制限されず、しかもトーチ付近が繁雑とならず都合のよいレーザ加工機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明のうち第1の発明は、加工ヘッド(11)を有し、前記加工ヘッドにヘッド本体をZ軸方向に移動自在に設け、前記ヘッド本体にトーチ取付部材(18)を、所定の軸心(CT1)を中心に前記加工ヘッド(11)に対して回転自在に設け、前記トーチ取付部材(18)に、先端にレーザ射出口(23a)及びアシストガス放出口(23a)が形成されたトーチ(23)を設け、前記トーチ(23)に、アシストガス(AG)を供給するようになっているレーザ加工機(1)において、前記トーチの先端付近に、該トーチの先端と、該先端前方のワークの位置との間の距離を検知して所定の電気信号を出力するセンサを設け、トーチ取付部とヘッド本体の間に、前記センサからの信号を伝送する、複数のスリップリングと複数のブラシからなるスリップリング機構を設け、前記スリップリングは、前記トーチ取付部に設けられ、前記ブラシは前記ヘッド本体に設けられ、前記スリップリング機構の上部のヘッド本体と前記トーチ取付部材(18)の間にガス保持空間(39)を、前記軸心(CT1)を中心とした円環状に形成し、前記スリップリング機構の上部のヘッド本体に第1ガス供給路(41)を、前記ガス保持空間(39)に対して開口したガス放出口(41a)を形成する形で設け、前記トーチ取付部材(18)に、前記ガス保持空間(39)に対して開口したガス受入口(42c)及び、前記トーチ(23)の近傍において該トーチ(23)にアシストガス(AG)を供給自在に開口したガス供給口(43a)を形成し、前記トーチ取付部材(18)に、前記ガス受入口(42c)と前記ガス供給口(43a)を接続する形で第2ガス供給路(45)を設け、前記トーチ取付部材は、前記軸心(CT1)を中心とした筒状に形成された壁体(15b)を有し、前記第2ガス供給路は、前記ガス受入口(42c)より前記壁体内を、前記スリップリング機構の内側を通過する形で、該壁体の伸延方向に穿設したガス輸送穴(42)を有し、前記第1ガス供給路(41)、前記ガス保持空間(39)、前記第2ガス供給路(45)を通ってアシストガス(AG)を供給するようにして構成される。
【0007】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明によるレーザ加工機の一例を示した全体斜視図、
図2は、図1のレーザ加工機におけるサドルを示した詳細正面(一部断面)図、
図3は、図2のサドルのうちトーチ付近を示した拡大断面(一部側面)図である。
【0009】
レーザ加工機1は図1に示すようにベース2を有しており、ベース2には、上面に水平なワーク設置面3aが形成されたテーブル3が、ボールねじ等の図示しない公知の移動駆動手段を介して水平方向である図の矢印A、B方向(X軸方向)に移動駆動自在に設けられている。ベース2には、前記テーブル3を、上述した矢印A、B方向とは直角な矢印C、D方向に跨ぐ形でコラム5が設けられており、コラム5には矢印A、B方向とは直角な水平方向である矢印C、D方向に伸延した形でサドル用レール5a、5aが設けられている。サドル用レール5a、5aにはサドル6が、該サドル用レール5a、5aに沿って移動自在に設けられており、更にサドル6は、ボールねじ等の図示しない公知の移動駆動手段を介して矢印C、D方向(Y軸方向)にサドル用レール5a、5aに沿って移動駆動自在になっている。また、コラム5には、前記サドル6よりも図1の矢印B側(即ち図1の紙面奥側)の位置において、図示しないレーザ発振器が設けられており、このレーザ発振器とサドル6の間はレーザ光路管7によって接続されている。即ちレーザ光路管7は、前記レーザ発振器に接続された光路管7a(図1で破線により一部のみ図示)及び、該光路管7aとサドル6の間を矢印A、B方向に接続した伸縮管7bからなっている。伸縮管7bは、サドル6と光路管7aとの間の動きに伴って伸縮する公知のテレスコーピック機構を有したものとなっている。従って、前記レーザ発振器により発振されたレーザ光は、レーザ光路管7の光路管7aの内部を通過し、更に伸縮管7bの内部を通過する形でサドル6に到達するようになっている。
【0010】
またサドル6は、サドル用レール5a、5aに移動自在設けられ、上述した図示しない公知の移動駆動手段により矢印C、D方向(Y軸方向)に移動駆動自在になったサドル本体9を有している。サドル本体9には、図2に示すように、ヘッド用レール10、10が、矢印A、B方向(X軸方向)及び矢印C、D方向(Y軸方向)に直角な、従って鉛直な矢印E、F方向(Z軸方向)に伸延した形で設けられており、ヘッド用レール10、10には加工ヘッド11が設けられている。即ち加工ヘッド11は、ヘッド用レール10、10に沿って矢印E、F方向(Z軸方向)に移動自在な形で、該ヘッド用レール10、10に設けられたヘッド本体12を有している。一方、サドル本体9には、ボールねじからなる移動駆動装置13が設けられており、前記ヘッド本体12は、この移動駆動装置13によりヘッド用レール10、10に沿って矢印E、F方向(Z軸方向)に移動駆動され得るようになっている。
【0011】
ヘッド本体12には、Z軸方向に伸延した円筒形の外スリーブ部材15が、Z軸に平行な軸心CT1を中心に矢印G、H方向(A軸方向)に回転自在に軸支されており、外スリーブ部材15内には、該外スリーブ部材15よりも小径で、かつZ軸方向に伸延した円筒形の内スリーブ部材16が、該外スリーブ部材15と同心状に互いに回転自在な形で配置されている。この内スリーブ部材16も、外スリーブ部材15によりヘッド本体12に対して、前記軸心CT1を中心に矢印G、H方向(A軸方向)に回転自在に軸支されているが、外スリーブ部材15と内スリーブ部材16相互間では回転が拘束されないようになっている。また、ヘッド本体12には、第1駆動歯車17aが回転駆動自在に設けられた第1モータ17及び、第2駆動歯車19aが回転駆動自在に設けられた第2モータ19が設けられている。その一方で、外スリーブ部材15の外周側には外スリーブ歯車15aが前記第1駆動歯車17aに噛合した形で形成されており、内スリーブ部材16の外周側には内スリーブ歯車16aが前記第2駆動歯車19aに噛合した形で形成されている。
【0012】
内スリーブ部材16の内部にはレーザ光RZが通過できるレーザ通過空間KR1が形成されており、内スリーブ部材16は、外スリーブ部材15の上端よりも更に上方に伸延しており、内スリーブ部材16の上端はジョイント部16bとなっている。一方、サドル本体9には、上述したレーザ光路管7の伸縮管7bの先端が接続されたレーザ受入部材20が、ヘッド本体12の矢印E、F方向の動きに対して追従しない形で設けられており、レーザ受入部材20内には図示しない反射鏡等が設けられ、レーザ光路管7の伸縮管7bを介して受け入れたレーザ光RZが、該レーザ受入部材20のレーザ供給部20aからZ軸に平行な方向(矢印F方向)に送り出されるようになっている。このレーザ供給部20aは、前記内スリーブ部材16のジョイント部16bと図の矢印E、F方向に向き合った形で配置されており、これらレーザ供給部20aとジョイント部16bの間は公知のテレスコーピック機構を有した図の矢印E、F方向に伸縮自在なジョイント光路管21(二点鎖線で図示)により接続されている。
【0013】
外スリーブ部材15の下端付近には、図2及び図3に示すように、該外スリーブ部材15の側部に配置された形で回転先端部材22が設けられており、回転先端部材22のうち図3左端側は、前記軸心CT1と直角な軸心CT2を中心とした基本的に円筒形に形成された回転部材99となっている。回転先端部材22は外スリーブ部材15に対して軸心CT2を中心に図の矢印J、K方向(B軸方向)に回転自在に軸支されている。回転先端部材22の側部にはトーチ23が設けられており、該トーチ23は、前記軸心CT2に直角な方向である図の矢印M方向に突出した形になっている。回転先端部材22のうち前記回転部材99は外スリーブ部材15内に嵌入しており、その端部には傘歯車22aが設けられている。上述した内スリーブ部材16の下端(外スリーブ部材15の内部に存在)にも傘歯車16cが設けられており、回転部材99の傘歯車22aと内スリーブ部材16の傘歯車16cは互いに噛合している。なお、上述した外スリーブ部材15及び内スリーブ部材16及び回転先端部材22はトーチ取付部材18を構成している。
【0014】
回転先端部材22の内部にはレーザ光RZが通過し得るレーザ通過空間KR2が形成されており、レーザ通過空間KR2は回転先端部材22の端部(図の紙面左側端部)から軸心CT2に沿った方向に外スリーブ部材15内に開口している。一方、内スリーブ部材16のレーザ通過空間KR1はその下端において、下方、即ち外スリーブ部材15内に開口しており、外スリーブ部材15内には、これらレーザ通過空間KR1の下方及び、レーザ通過空間KR2の左方に対応した形で反射鏡25が設けられている。更に、回転先端部材22の内部にも反射鏡26が、軸心CT2方向に入射して来たレーザ光RZをトーチ23に向けて、従って矢印M方向に反射し得る形で設けられている。回転部材99内には所定の集光レンズ70が設けられており、トーチ23の先端にはレーザ光射出用の射出口23aが図の矢印M方向に向けて形成されている。トーチ23の先端付近には、該トーチ23の先端と、該先端前方のワークの位置との間の図の矢印M方向の距離を検知して所定の電気信号を出力するセンサ27が設けられており、トーチ23には、該センサ27からの電気信号を伝送するための電気送信路50が、前記トーチ取付部材18及び加工ヘッド11を経由した形で接続されている。即ち、電気送信路50は、センサ27に接続された形の、可撓性をもつ第1ケーブル29を有している。第1ケーブル29は、トーチ23の外部、回転先端部材22の外部、外スリーブ部材15の外部を通って外スリーブ部材15の外周部に設けられた回路ケーシング30に接続されている。回路ケーシング30内には、上述した電気送信路50の一部をなす図示しない演算回路が内蔵されている。
【0015】
ところで、外スリーブ部材15の外周部には、該外スリーブ部材15から前記軸心CT1に対して略直角な方向に、つば状に張出したプレート31が形成されており、プレート31の上面には複数のスリップリング32(本実施例では5つ)が相互に絶縁された形で設置されている。各スリップリング32は軸心CT1を中心にした円環状になっており、従って複数のスリップリング32は所定の間隔で位置した同心円状に配置されている。これらスリップリング32と回路ケーシング30内の前記演算回路との間は、上述した電気送信路50の一部をなす第2ケーブル33で接続されている(即ち、本実施例では第2ケーブル33は5本のリード線の束となっている)。一方、ヘッド本体12にはプレート31の上方に、該プレート31に対向した形でブラシ装着部35が形成されており、ブラシ装着部35には複数のブラシ36(本実施例では5つ)が相互に絶縁された形で設けられている。これらブラシ36は上述した複数のスリップリング32に対応した形で配置されており、各ブラシ36の先端は、各スリップリング32に摺動自在に電気的に接触している。また、これらブラシ36には上述した電気送信路50の一部をなす第3ケーブル37が接続されており(即ち、本実施例では第3ケーブル37は5本のリード線の束となっている)、該第3ケーブル37の先は図示しない制御装置に接続されている。なお、上述したスリップリング32及びブラシ36はともに前記電気送信路50の一部をなすものである。
【0016】
更に、ヘッド本体12と外スリーブ部材15との間にはガス保持空間39が、該外スリーブ部材15の周囲に円環状に形成されており、ガス保持空間39は、ヘッド本体12と外スリーブ部材15の間に挾まれ、またこれらヘッド本体12と外スリーブ部材15との隙間に設置されたリング状のシール部材40、40(なお、これらシール部材40、40はヘッド本体12側に嵌着固定されており、外スリーブ部材15に対して摺動自在になっている)により上下から挾まれた形で基本的に気密になっている。ところで、前記コラム5にはアシストガスを供給自在なガスボンベ等からなる図示しない公知のアシストガス供給手段が設けられており、このアシストガス供給手段には、該アシストガス供給手段から供給されるアシストガスを輸送するガス管等からなる図示しないガス輸送供給手段が接続されている。このガス輸送供給手段の先はヘッド本体12に接続されており、ヘッド本体12には、前記ガス輸送供給手段に接続した形でガス流通孔41が設けられている。このガス流通孔41はヘッド本体12内を貫通して前記ガス保持空間39に放出口41aを介して開口している。また、外スリーブ部材15を形成している筒状の壁体15b内にはガス輸送穴42が、該壁体15bの伸延方向である図の矢印E、F方向に主として伸延した形で穿設されている。ガス輸送穴42の一端42bは受入口42cを介して前記ガス保持空間39に開口しており、該受入口42cは、ガス保持空間39に対して外スリーブ部材15の軸心CT1を中心とした回転に応じて回転するが、常にガス保持空間39との連通は維持することができる。ガス輸送穴42の他端は壁体15b内を貫通してガス保持空間39とは別の部位の外スリーブ部材15の外周面側に開口部42aを介して開口している。開口部42aには可撓性をもつガス輸送管43が接続されており、該ガス輸送管43は、外スリーブ部材15の外部及び回転先端部材22の外部を通って回転先端部材22に接続されている。回転先端部材22内のレーザ通過空間KR2に面した該回転先端部材22の内壁面22bには、前記ガス輸送管43からのアシストガスAGを回転先端部材22内のレーザ通過空間KR2に放出し得る形で放出穴43aが開口している。なお、上述したガス輸送穴42とガス輸送管43によりガス供給路45が構成されている。
【0017】
レーザ加工機1は上述したように構成されているので、該レーザ加工機1により三次元立体的なワーク60を加工するには以下のように行う。即ち、図1に示すようにテーブル3のワーク設置面3aにワーク60を設置しておき、テーブル3を上述した図示しない移動駆動手段を介して矢印A、B方向(X軸方向)に移動駆動させ、またサドル6を上述した図示しない移動駆動手段を介して矢印C、D方向(Y軸方向)に移動駆動させ、また加工ヘッド11を移動駆動装置13を介して矢印E、F方向(Z軸方向)に移動駆動させ、更にヘッド本体12に対して外スリーブ部材15を矢印G、H方向(A軸方向)に回転駆動させ、また外スリーブ部材15に対して回転先端部材22を矢印J、K方向(B軸方向)に回転駆動させることにより、トーチ23の先端とワーク60との相対位置をX軸、Y軸、Z軸による三次元座標上で三次元的に変化させると共に、ワーク60に対するトーチ23の先端の角度を三次元的に変化させるようにする。なお、ヘッド本体12に対する外スリーブ部材15の矢印G、H方向(A軸方向)における回転駆動は、第1モータ17により第1駆動歯車17aを回転駆動し、これによって第1駆動歯車17aに噛合した外スリーブ歯車15aを回転駆動させるようにして行う。また、外スリーブ部材15に対する回転先端部材22の矢印J、K方向(B軸方向)における回転駆動は、第2モータ19により第2駆動歯車19aを回転駆動し、これによって第2駆動歯車19aに噛合した内スリーブ歯車16aを回転駆動させて内スリーブ部材16を回転駆動させ、更に該内スリーブ部材16の傘歯車16cの回転により、該傘歯車16cに噛合した回転先端部材22の傘歯車22aを回転駆動させるようにして行う。
【0018】
上述したように、トーチ23の先端とワーク60との相対位置を三次元的に変化させると共に、ワーク60に対するトーチ23の先端の角度を三次元的に変化させながら、トーチ23の先端からレーザ光RZを射出するようにしてワーク60への加工が施される。レーザ光RZは、上述した図示しないレーザ発振器からレーザ光路管7の光路管7a及び伸縮管7bを介してサドル6のレーザ受入部材20に到達し、更に該レーザ受入部材20からジョイント光路管21内を通過して内スリーブ部材16のレーザ通過空間KR1にZ軸に平行な方向(矢印F方向)に送られるようになっている。レーザ通過空間KR1に送られたレーザ光RZは、図3に示すように、該レーザ通過空間KR1を通過して外スリーブ部材15内の反射鏡25により軸心CT2に平行な方向(矢印D方向)に反射されて、回転部材99内に設けられた集光レンズ70を通過して回転先端部材22のレーザ通過空間KR2に送られ、更に該レーザ通過空間KR2内で反射鏡26により軸心CT2に直角な方向(矢印M方向)に反射されてトーチ23に送られるようになっている。トーチ23に送られたレーザ光RZは先端の射出口23aから矢印M方向に射出される。
【0019】
また、ワーク60に向けてレーザ光RZを射出する際には、アシストガスAGも同時にワーク60に向けて放出される。このアシストガスAGは、上述した図示しないアシストガス供給手段から図示しないガス輸送供給手段に輸送されてヘッド本体12のガス流通孔41に供給され、該ガス流通孔41から放出口41aを介してガス保持空間39に送られるようになっている。次いで、ガス保持空間39に送られたアシストガスAGは、受入口42cを介して外スリーブ部材15のガス輸送穴42に流入し、該ガス輸送穴42を通って開口部42aに到達し、更に該開口部42aよりガス輸送管43を通って回転先端部材22の放出穴43aを介して該回転先端部材22内のレーザ通過空間KR2に放出される。レーザ通過空間KR2に放出されたアシストガスAGはトーチ23内を通ってレーザ光RZと共通の射出口23aからワーク60に向けて外部に矢印M方向に放出される(なお本実施例では、トーチにおけるレーザ射出口及びアシストガス放出口は共通の射出口23aとなっているが、別の実施例として、レーザ射出口及びアシストガス放出口を別々に形成してもよい)。
【0020】
このように、ヘッド本体12側のガス流通孔41と、外スリーブ部材15側のガス輸送穴42の間はガス保持空間39により連通接続されているので、外スリーブ部材15とヘッド本体12の間の相対的な動きが妨げられずにガス流通孔41とガス輸送穴42との間のアシストガスの流通が維持される。従って、例えば従来のようにカールコード型のガス管を採用した場合のようにコードの巻きつきが生じるようなことがないので、ヘッド本体12に対する外スリーブ部材15の回転、即ちトーチ23のA軸方向の回転は無制限に可能となり好都合である。また繁雑なカールコード型のガス管を採用しないで済むので、加工ヘッド11付近がシンプルになりメンテナンス等においても有利である。特に、本実施例で示すようにトーチ23の先端の位置がヘッド本体12に対して三次元的に変化するようなタイプのものは、トーチの先端の位置がヘッド本体(又は軸心CT1)に対して一定である(或いはZ軸方向のみに変化する)ような従来よくあるタイプに比べて、構造上、ヘッド本体12に対する外スリーブ部材15側の回転量(A軸方向の回転量)が大きくなるといった特徴をもつ。従って、本実施例で示すような、ガス流通孔41、ガス保持空間39、ガス輸送穴42等からなるアシストガスの供給路を適用することで、トーチの動きがよりスムーズとなる優れたレーザ加工機が提供される。
【0021】
なお上述した実施例では、外スリーブ部材15と回転先端部材22との間のアシストガスの供給路が可撓性をもつガス輸送管43を介して行われているが、別の実施例として、回転先端部材22と外スリーブ部材15との間のアシストガスの供給路も、ヘッド本体12と外スリーブ部材15との間のアシストガスの供給路と同様な構造にしてもよい。例えば、外スリーブ部材15と回転先端部材22との間に前記ガス保持空間39と同様なガス保持空間を軸心CT2を中心とした円環状に形成し、外スリーブ部材15に設けられているガス輸送穴42を上述した実施例で示したものよりも壁体15b内を更に回転先端部材22側に延長させると共に、前記外スリーブ部材15と回転先端部材22との間のガス保持空間に対してガス放出口等を形成する形で開口させる。更に、回転先端部材22には、前記外スリーブ部材15と回転先端部材22との間のガス保持空間に対して開口したガス受入口を形成すると共に、該ガス受入口と放出穴43aを回転先端部材22内を通る形で接続するガス供給路を設けるようにする。これにより、外スリーブ部材15に対する回転先端部材22の動きによるガス輸送管43等のチューブのからみが解消され、トーチの動きが更にスムーズとなる優れたレーザ加工機が提供される。
【0022】
また、レーザ光による加工実行時には、トーチ23の先端とワーク60における加工位置との間の距離は所定の大きさに維持しておく必要がある。従って、トーチ23の先端と、該先端前方におけるワーク60の位置、即ち加工位置との間の距離を逐次検知検出し、検出された該距離に基づいて、トーチ23の先端の三次元座標上での移動駆動及び位置決めを制御するようになっている。即ち、トーチ23に設けられたセンサ27により、トーチ23の先端と、該先端前方のワーク60の位置(即ち加工位置)との間の距離が検知され、所定の電気信号が第1ケーブル29を介して回路ケーシング30内の図示しない演算回路に順次出力される。この演算回路ではセンサ27からの電気信号に基づいて、トーチ23の先端と、該先端前方のワーク60の位置(即ち加工位置)との間の距離を演算検出し、演算検出した値を電気信号として第2ケーブル33を介して順次出力する。第2ケーブル33を介して出力された電気信号はプレート31の複数のスリップリング32に伝送され、更にこれらスリップリング32に接触しているするブラシ36に伝送される。このように、各ブラシ36が対応するスリップリング32に対して摺動する形で接触しているので、外スリーブ部材15とヘッド本体12の間の相対的な動きが妨げられずにブラシ36とスリップリング32の間の導通が維持される。従って、例えば従来のようにカールコードを採用した場合のようにコードの巻きつきが生じるようなことがないので、ヘッド本体12に対する外スリーブ部材15の回転、即ちトーチ23のA軸方向の回転は無制限に可能となり好都合である。また繁雑なカールコードを採用しないで済むので、加工ヘッド11付近がシンプルになりメンテナンス等においても有利である。
【0023】
更に、上述したブラシ36に伝送された電気信号は第3ケーブル37を介して図示しない制御装置に伝送される。この制御装置では、伝送された電気信号が示す値、即ちトーチ23の先端と、該先端前方のワーク60の位置(即ち加工位置)との間の距離を、加工に適切な所定の距離(既知の値)と比較し、該比較結果に基づいて、トーチ23の先端をワーク60の加工位置に対して更に接近させたり、或いは遠ざけるように、移動駆動装置13やその他の各移動駆動手段等を制御するといった形で公知の制御を行うようになっている。
【0024】
【発明の効果】
即ち本発明のうち第1の発明は、加工ヘッド11等の加工ヘッドを有し、 前記加工ヘッドにヘッド本体をZ軸方向に移動自在に設け、前記ヘッド本体にトーチ取付部材18等のトーチ取付部材を、軸心CT1等の所定の軸心を中心に前記加工ヘッドに対して回転自在に設け、前記トーチ取付部材に、先端に射出口23a等のレーザ射出口及び射出口23a等のアシストガス放出口が形成されたトーチ23等のトーチを設け、前記トーチに、アシストガスAG等のアシストガスを供給するようになっているレーザ加工機において、前記トーチの先端付近に、該トーチの先端と、該先端前方のワークの位置との間の距離を検知して所定の電気信号を出力するセンサを設け、トーチ取付部とヘッド本体の間に、前記センサからの信号を伝送する、複数のスリップリングと複数のブラシからなるスリップリング機構を設け、前記スリップリングは、前記トーチ取付部に設けられ、前記ブラシは前記ヘッド本体に設けられ、前記スリップリング機構の上部のヘッド本体と前記トーチ取付部材の間にガス保持空間39等のガス保持空間を、前記軸心を中心とした円環状に形成し、前記スリップリング機構の上部のヘッド本体にガス流通孔41等の第1ガス供給路を、前記ガス保持空間に対して開口した放出口41a等のガス放出口を形成する形で設け、前記トーチ取付部材に、前記ガス保持空間に対して開口した受入口42c等のガス受入口及び、前記トーチの近傍において該トーチにアシストガスを供給自在に開口した放出穴43a等のガス供給口を形成し、前記トーチ取付部材に、前記ガス受入口と前記ガス供給口を接続する形でガス供給路45等の第2ガス供給路を設け、前記トーチ取付部材は、前記軸心を中心とした筒状に形成された壁体を有し、前記第2ガス供給路は、前記ガス受入口より前記壁体内を、前記スリップリング機構の内側を通過する形で、該壁体の伸延方向に穿設したガス輸送穴を有し、前記第1ガス供給路、前記ガス保持空間、前記第2ガス供給路を通ってアシストガスを供給するようにして構成される。即ち、加工ヘッド側の第1ガス供給路と、トーチ取付部材側の第2ガス供給路の間はガス保持空間により連通接続されており、第2ガス供給路はトーチ取付部材に設けられているので、アシストガスの各供給路が、トーチ取付部材と加工ヘッドの間の相対的な動きを妨げる要素にはならず、またトーチ取付部材と加工ヘッドの間の相対的な動きに関係無く、第1ガス供給路と第2ガス供給路の間のアシストガスの流通がガス保持空間を介する形で維持される。従って、例えば従来のようにカールコード型のガス管を採用した場合のようにコードの巻きつきが生じるようなことがないので、加工ヘッドに対するトーチ取付部材の回転、即ち加工ヘッドに対するトーチの回転は無制限に可能となり好都合である。また繁雑なカールコード型のガス管を採用しないで済むので、加工ヘッドやトーチ付近がシンプルになりメンテナンス等においても有利である。更に、コイルチューブ(カールコード型のガス管)を採用しないで済むので、コイルチューブの引掛かり、切断、折れの問題がない。従って、コイルチューブの切断等によるガス漏れがなくなり、火災防止の点でも優れている。また、コイルチューブによる回転角度の制限がなくなると共に、コイルチューブのスパッタ対策の必要性もなくなり好都合である。
【0025】
また、前記トーチ取付部材は、前記軸心を中心とした筒状に形成された壁体15b等の壁体を有し、前記第2ガス供給路は、前記ガス受入口より前記壁体内を該壁体の伸延方向に穿設したガス輸送穴42等のガス輸送穴を有している。ガス輸送穴が壁体内を通っているので、このガス輸送穴に相当する部分には、トーチ取付部材の外部などに出たガス管等を用いなくて済み、その分、加工ヘッドやトーチ付近がシンプルになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によるレーザ加工機の一例を示した全体斜視図である。
【図2】図2は、図1のレーザ加工機におけるサドルを示した詳細正面(一部断面)図である。
【図3】図3は、図2のサドルのうちトーチ付近を示した拡大断面(一部側面)図である。
【符号の説明】
1……レーザ加工機
11……加工ヘッド
15b……壁体
18……トーチ取付部材
23……トーチ
23a……レーザ射出口、アシストガス放出口(射出口)
39……ガス保持空間
42……ガス輸送穴
41……第1ガス供給路(ガス流通孔)
41a……ガス放出口(放出口)
42c……ガス受入口(受入口)
43a……ガス供給口(放出穴)
45……第2ガス供給路(ガス供給路)
AG……アシストガス
CT1……軸心
Claims (2)
- 加工ヘッドを有し、
前記加工ヘッドにヘッド本体をZ軸方向に移動自在に設け、
前記ヘッド本体にトーチ取付部材を、所定の軸心を中心に前記加工ヘッドに対して回転自在に設け、
前記トーチ取付部材に、先端にレーザ射出口及びアシストガス放出口が形成されたトーチを設け、
前記トーチに、アシストガスを供給するようになっているレーザ加工機において、
前記トーチの先端付近に、該トーチの先端と、該先端前方のワークの位置との間の距離を検知して所定の電気信号を出力するセンサを設け、
トーチ取付部とヘッド本体の間に、前記センサからの信号を伝送する、複数のスリップリングと複数のブラシからなるスリップリング機構を設け、
前記スリップリングは、前記トーチ取付部に設けられ、前記ブラシは前記ヘッド本体に設けられ、
前記スリップリング機構の上部のヘッド本体と前記トーチ取付部材の間にガス保持空間を、前記軸心を中心とした円環状に形成し、
前記スリップリング機構の上部のヘッド本体に第1ガス供給路を、前記ガス保持空間に対して開口したガス放出口を形成する形で設け、
前記トーチ取付部材に、前記ガス保持空間に対して開口したガス受入口及び、前記トーチの近傍において該トーチにアシストガスを供給自在に開口したガス供給口を形成し、
前記トーチ取付部材に、前記ガス受入口と前記ガス供給口を接続する形で第2ガス供給路を設け、
前記トーチ取付部材は、前記軸心を中心とした筒状に形成された壁体を有し、前記第2ガス供給路は、前記ガス受入口より前記壁体内を、前記スリップリング機構の内側を通過する形で、該壁体の伸延方向に穿設したガス輸送穴を有し、
前記第1ガス供給路、前記ガス保持空間、前記第2ガス供給路を通ってアシストガスを供給するようにして構成したレーザ加工機。 - 前記トーチ取付部材は、前記軸心を中心とした筒状に形成された壁体を有し、
前記第2ガス供給路は、前記ガス受入口より前記壁体内を該壁体の伸延方向に穿設したガス輸送穴を有していることを特徴とした請求項1記載のレーザ加工機。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP31269497A JP3823130B2 (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | レーザ加工機 |
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JPH11129089A JPH11129089A (ja) | 1999-05-18 |
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Family
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Family Applications (1)
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JP31269497A Expired - Fee Related JP3823130B2 (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | レーザ加工機 |
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JP (1) | JP3823130B2 (ja) |
-
1997
- 1997-10-29 JP JP31269497A patent/JP3823130B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11129089A (ja) | 1999-05-18 |
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