JP3822304B2 - プラズマ加工用電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ切断やプラズマ溶接等のプラズマ加工に用いるプラズマ加工用電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマトーチに設けた電極の周囲にガスを供給しつつ、電極とノズルの間或いは電極と被加工材の間に通電して供給されたガスをプラズマ化させて被加工材に向けて噴射し、噴射したプラズマアークによって被加工材を溶融させて切断或いは溶接等の加工を行う所謂プラズマ加工が実施されている。
【0003】
プラズマ加工を実施する場合、電極とノズルの間或いは被加工材との間に一定の電流で通電する電源装置と、電極の周囲に予め設定された流量のプラズマガスを供給するガス供給装置が必須である。このため、前記各装置を同一のフレームに組み込んだプラズマ加工用電源装置が市販され広く利用されている。
【0004】
プラズマ加工、特に、酸素プラズマ切断では、プラズマアークを発生させる時点及びプラズマアークを停止させる時点で電極に大きな消耗が発生するため、通電開始時及び通電停止時には電極の周囲に複数種のガスを供給(プリフロー,アフターフロー)し、これらのガスの供給,停止を微妙なタイミングで制御して可及的に電極の消耗を軽減させるように構成されるのが一般である。前記電源及びガスの供給,停止は、プラズマ加工用電源装置に組み込まれた制御部によって制御される。
【0005】
一般的に利用されているプラズマ加工用電源装置では、加工能力が小さいことから、常に最大電流で被加工材の加工を行っているため、ガスの流量調整パターンは単一である。従って、ガスの流量をニードル弁によって調整し得るように構成すると共に電磁弁によって開閉し得るように構成し、且つプラズマ加工用電源装置の制御は所謂シーケンス制御で充分である。このため、プラズマ加工用電源装置には、ガスの供給経路に設けた電磁弁の開閉信号を出力するリレーやタイマー等を組み合わせたシーケンス制御盤が設けられている。
【0006】
プラズマ加工に於いて、電流値と被加工材の厚さは比例する。またプラズマ加工では加工速度が早いため、より加工能力の高いプラズマ加工用電源装置の開発が要求されており、最近では電流値が400 Aに達するものが実用化されつつある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記電流値が大きいプラズマ加工用電源装置では加工能力が増大するため、最大電流値よりも小さい電流値で被加工材を加工する可能性がある。この場合、ガスの供給量及び供給,停止のタイミングを最大電流値の仕様に対応させて一義的に制御しても加工自体は可能であるが、小さい電流値で加工する際にガスの流量が過大になって、プラズマアーク、特にパイロットアークが円滑に形成されないという問題や、ガスが無駄に消費されるという問題が生じる。
【0008】
上記問題を解決しようとした場合、最大電流値よりも小さい電流値で加工する必要が発生する都度、ガス流量の調整やタイマー等の調整を行うことが必要となり、作業が煩雑で且つ設定ミス等が生じる虞がある。
【0009】
本発明の目的は、電流値の設定に対応させてガスの供給量や供給,停止のタイミングを変更することが出来るプラズマ加工用電源装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るプラズマ加工用電源装置は、プラズマ加工を実施するに際しプラズマトーチに単一又は複数のガスを供給する機能とパイロットアーク及びメインアークを形成するための電流を制御する機能を備えたプラズマ加工用電源装置であって、単一又は複数のガス毎に設けられプラズマトーチに対するガスの供給,停止を行う弁及び流量を調整する流量調整部を有するガス供給手段と、プラズマトーチの電極に付加する電流値を調整する電流調整部及び通電,停止を行う開閉部を有する通電手段と、プラズマトーチに供給する単一又は複数のガス毎に設定され経時的な流量変化の基準となるガス変化パターンとパイロットアーク形成用電流及びメインアーク形成用電流変化の基準となる電流変化パターンとを記憶するパターン記憶部と、前記単一又は複数のガス毎に設定されたガス変化パターンを規定する時間値及び流量値と電流変化パターンを規定する時間値及び電流値を予め設定した複数のメインアーク電流範囲の値に対応させて記憶するテーブル記憶部と、プラズマトーチを作動させるメインアーク電流値を入力する入力部と、入力されたメインアーク電流値に応じて前記ガス供給手段及び通電手段を制御する制御部を有する制御装置とを有して構成されるものである。
【0011】
上記プラズマ加工用電源装置(以下、単に「電源装置」という)では、ガス供給手段がプラズマトーチに対するガスの供給,停止を行う弁と流量を調整する流量調整部材を有し、且つ通電手段が通電電流の値を調整する電流調整部と通電,停止を行う開閉部を有しているため、目的の加工に応じて電流値を調整することが出来、且つ電流値に応じたガス流量を調整することが出来る。
【0012】
電源装置を制御する制御装置は、プラズマトーチの起動及び停止信号を基点とする各ガス毎に設定された経時的な流量変化のガス変化パターンとパイロットアーク及びメインアーク用電流の電流変化パターンを記憶させたパターン記憶部と、メインアーク電流値に対応させたガス変化パターンを規定する時間値と流量値,電流変化パターンを規定する時間値と電流値を記憶させたテーブル記憶部と、所望の電流値を入力する入力部と、入力された電流値に応じてガス供給手段と通電手段を制御する制御部を有するため、入力されたメインアーク電流値に応じてプラズマトーチを最適に作動させるに必要なガスの流量値と時間値、及びパイロットアーク,メインアークの電流値と時間値によって制御することが出来る。
【0013】
上記電源装置に於いて、制御部が、入力部によってプラズマトーチを作動させるメインアーク電流値を入力したとき、テーブル記憶部から入力されたメインアーク電流値を含むメインアーク電流範囲のガス変化パターンを規定する時間値及び流量値と電流変化パターンを規定する時間値及び電流値を読み出すと共に読み出したデータを前記ガス供給手段及び通電手段に出力するものであることが好ましい。
【0014】
制御部を上記の如く構成することによって、入力部によってメインアーク電流値を入力したとき、該電流値を含むメインアーク電流範囲のガスの時間値,流量値、電流の時間値,電流値を読み出して夫々の信号をガス供給手段及び通電手段に出力することが出来る。即ち、プラズマ加工の開始に先立って入力部によって目的のメインアーク電流値を入力すると、制御部から前記メインアーク電流値に対応したガス変化パターンを読み出して該パターンを規定する時間値及び流量値の信号をガス供給手段に出力すると共に電流変化パターンを読み出して該パターンを規定する時間値及び電流値の信号を通電手段に出力することが出来る。従って、自動操作によってプラズマトーチを予め設定された目的の電流値に対応した最適な条件で駆動して、被加工材に対する切断或いは溶接等所望の加工を経済的に実行することが出来る。
【0015】
また上記電源装置に於いて、入力部がプラズマトーチを作動させるメインアーク電流値を入力すると共にプラズマガス又はメインアーク電流の変化パターンを規定する情報を入力するものであり、且つ制御部が入力されたプラズマガス又はメインアーク電流の変化パターンを規定する情報を基準としてテーブル記憶部に記憶されたメインアーク電流範囲のガス変化パターンを規定する時間値及び流量値と電流変化パターンを規定する時間値及び電流値を読み出して該読み出したデータを前記ガス供給手段及び通電手段に出力すると共にメインアーク電流を入力されたメインアーク電流値に設定するように制御するものであることが好ましい。
【0016】
上記電源装置では、入力部によってプラズマトーチを作動させるメインアーク電流値を入力すると共にプラズマガスの流量やメインアークの初期電流等のガス変化パターン或いは電流変化パターンを規定する情報を入力すると、制御部では、入力された情報を基準としてテーブル記憶部から前記情報に対応したメインアーク電流範囲のガス変化パターンを規定する時間値及び流量値と電流変化パターンを規定する時間値及び電流値を読み出して該読み出したデータを前記ガス供給手段及び通電手段に出力し、且つ指定されたメインアーク電流範囲に於けるメインアーク電流の値に関わらず、プラズマトーチのメインアーク電流値を設定することが出来る。即ち、目的の加工を実施するのに必要なメインアーク電流値と、ガスの流量値と時間値及びパイロットアークの電流値と時間値とを別個に設定することが出来る。従って、電源装置を手動操作することが出来る。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、上記電源装置の好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1はプラズマ加工装置の例としてのプラズマ切断装置の構成を説明する模式図、図2は電源装置の配管系を説明する図、図3は制御系のブロック図、図4はガス変化パターンと電流変化パターンの例を説明する図、図5はテーブル記憶部に記憶させるメインアーク電流範囲のテーブルの例を示す図である。
【0018】
本発明に係る電源装置は、最大電流値以下の電流値を設定してプラズマトーチを稼働させると共に、該設定された電流値に於いてプラズマトーチを効率良く稼働させるように該トーチの起動時及び停止時に流すガスの流量や時間を適当な条件で設定し得るように構成したものである。
【0019】
図によりプラズマ加工装置の例としてのプラズマ切断装置の構成について概略的に説明し、合わせて本実施例に係る電源装置Aの構成について説明する。
【0020】
図1に示すプラズマ切断装置は、電源装置Aと切断トーチBとを有して構成されている。本実施例に於いて、切断トーチBは移行式プラズマトーチとして構成されており、またプラズマガスの周囲に一次シールドガスと二次シールドガスを流通させるように構成されている。即ち、切断トーチBは中心に電極材1aを埋設した電極1を有しており、この電極1の周囲にノズル2,一次シールドノズル3,二次シールドノズル4が夫々同一軸心上に設けられている。
【0021】
上記電極1及び各ノズル2〜4は夫々トーチ本体5に装着されており、トーチ本体5には、電極1に通電する通電部材6,ノズル2に通電する通電部材7,電極1とノズル2の間に形成されたプラズマガス通路8aにスタートガス及びプラズマガスを流通させるプラズマガス流通路8,ノズル2と一次シールドノズル3の間に形成された一次シールドガス通路9aに一次シールドガスを流通させる一次シールドガス流通路9,一次シールドノズル3と二次シールドノズル4の間に形成された二次シールドガス通路10aに二次シールドガスを流通させる二次シールドガス流通路10が夫々形成されている。
【0022】
トーチ本体5に形成された通電部材6,7はキャップタイヤを介して電源装置Aと接続されており、各ガスの流通路8〜10はホースを介して電源装置Aと接続されている。また被加工材Cと電源装置Aはキャップタイヤ11を介して接続されている。
【0023】
電源装置Aにはキャップタイヤ12を介して一次電源が接続されると共に、ホース13を介して酸素ガス供給装置14が接続され、更にホース15を介して窒素ガスや空気等のスタートガス供給装置16が接続されている。酸素ガス供給装置14はボンベ或いは工場配管等の供給部14aと圧力調整器14bとによって構成されており、スタートガス供給装置16は、該スタートガスが空気の場合エアコンプレッサー,窒素ガスの場合ボンベ等の供給部16aと圧力調整器16bとによって構成されている。
【0024】
次に、図2により電源装置Aに於ける各ガスの供給配管系と通電系の構成について説明する。
【0025】
同図(a)に示すように、酸素ガスを供給するホース13と接続された配管はプラズマガス流通路8,一次シールドガス流通路9,二次シールドガス流通路10の3系統の配管8b〜10bに分割され、夫々の配管8b〜10bには、制御信号に応じた流量を設定すると共に流通するガスの質量を検出して該ガスの流量を調整する機能を有するマスフローメーター等の流量調整器8c〜10c、及び各配管8b〜10bを開閉する電磁弁8d〜10dが設けられている。またスタートガスを供給するホース15と接続された配管15bはマスフローメーター等の流量調整器15c及び配管15bを開閉する電磁弁15dを介してプラズマガス流通路8と接続されている。
【0026】
尚、本実施例では、切断トーチBに一次シールドガスと二次シールドガスを個別に供給し、夫々のシールドガスとして夫々酸素ガスを利用している。しかし本発明は、このシールドガスの構成に限定するものではない。
【0027】
即ち、本発明はシールドガスを用いることのないトーチに適用することが可能であり、シールドガスが必須ではない。またシールドガスを利用するトーチに適用する場合であっても、必ずしも複数次のシールドガスを必須とするものではなく、一次シールドガスのみを用いても良く、三次以上のシールドガスを用いても良い。更に、各シールドガスに於いて一次シールドガスとしては酸素ガスを利用するのが一般的であるが二次以上のシールドガスとしては酸素ガス以外のガス、例えば空気であっても良い。またトーチにシールドガスとして単一のガスを供給し、このガスをトーチ内部で複数の通路に分割させて複数次のシールドガスとしても良い。
【0028】
また同図(b)に示すように、キャップタイヤ12を介して一次側電源と接続され且つ制御信号に応じた電流を設定する電流設定部材17が設けられており、この電流設定部材17に通電部材6,7及びキャップタイヤ11が接続されている。特にノズル2に接続された通電部材7には高周波回路18が設けられている。尚、19は電極1とノズル2の間に通電してパイロットアークを形成した後、電極1と被加工材Cの間に通電させてメインアークを形成するように切り換える切換部材である。
【0029】
次に、電源装置Aの制御系について図3により説明する。図に於いて、21は制御装置であり、制御部となるマイクロプロセッサー21aと、図4に示す切断トーチBの起動信号及び停止信号に基づく各ガスの供給パターン、及び電流の通電パターンを記憶したパターン記憶部21bと、設定された電流値に対応した各ガスの流量値や噴射タイミング,時間等のガス制御データ,ノズルに対する通電時間やノズルから被加工材への切り換えのタイミング等のデータをテーブルとして記憶したテーブル記憶部21cとによって構成されている。
【0030】
22は入力装置であり、インターフェース23を介して制御装置21に接続され、切断トーチBによって被加工材Cの切断を行うに際し、被加工材Cの厚さに応じて最適な電流値を入力し、或いはテーブル記憶部21cに記憶されたテーブルを指定するためのプラズマガスの流量やメインアークの初期電流等の情報を入力するものである。また24は切断トーチBの起動及び停止を指示するスイッチである。
【0031】
上記制御装置21では、自動運転モードと手動運転モードが設定されており、図示しないスイッチの切り換えによって所望のモードを選択し得るように構成されている。自動運転モードは、入力装置22によって切断トーチBを作動させるためのメインアーク電流値を入力すると、予めテーブル記憶部21cに記憶されたテーブルの中から入力されたメインアーク電流値を含むメインアーク電流範囲のデータを読み出して各ガス供給装置14,16及び電流設定部17を自動制御する。
【0032】
また手動運転モードでは、入力装置22によって切断トーチBを作動させるためのメインアーク電流値を入力すると共に、テーブル記憶部21cに記憶されたメインアーク電流範囲を指定するためにプラズマガスの流量値或いはメインアークの初期電流値等の情報を入力すると、入力された情報に対応するメインアーク電流範囲のデータを読み出して各ガス供給装置14,16及び電流設定部17を制御する。従って、切断トーチBを作動させるメインアーク電流値と指定されたメインアーク電流範囲が異なる場合であっても稼働する。
【0033】
上記電源装置Aは、一つのフレームに電磁弁8d〜10d及び流量調整器8c〜10cを含む各ガスの配管8b〜10bと、電流設定部材17,高周波回路18及び切換部材19を含む電源部と、制御装置21を配置して組み立てると共にカバーで覆って構成されている。しかし、必ずしも前記構成に限定するものではなく、各ガスの配管8b〜10bと電源部及び制御装置21を異なるフレームに配置して構成しても良い。
【0034】
次に、上記の如く構成された電源装置Aと切断トーチBによって被加工材Cを切断する際の各ガス及び電流の制御パターンについて図4により説明する。
【0035】
図に於いて、スイッチ24からON信号が発生すると、この信号と同時にスタートガスの電磁弁15dが開放し、流量VR1のプリフロー(T1)が実行される。このプリフロー時間はプラズマガス流通路8の長さや直径等を考慮して設定される。即ち、電磁弁15dが開放した後、スタートガスが電極1とノズル2の間に形成されたプラズマガス通路8aに到達する時間を考慮して設定される。
【0036】
スタートガスのプリフロー時間T1が経過したとき、高周波回路18が一定時間作動し、この時間経過と同時に電極1とノズル2の間にVR5のパイロットアーク電流が開始してスタートガスをプラズマ化したパイロットアークが形成される。高周波回路18の起動から一定時間Tc経過した後の制御は、この時間、即ち、切断トーチBのON信号からT1+Tcを起点として行われる。
【0037】
Tcを起点として一次シールドガス及び二次シールドガスの電磁弁9d,10dが開放し、夫々流量VR3の一次シールドガス流路9a,流量VR4の二次シールドガス流路10aにシールドガスが供給され、同時に電極1と被加工材Cの間にメインアーク初期電流VR6が通電される。これにより、パイロットアークが切断トーチBの二次シールドノズル4から噴出し、被加工材Cとの間に初期メインアークが形成される。
【0038】
またTcを起点として時間T3経過したときプラズマガスの電磁弁8dが開放し、スタートガスの中に流量VR2の酸素ガスが含まれたプラズマアークが形成される。プラズマガスの供給と略同時(時間T6経過した後)に電極1とノズル2の間の通電を停止する。次いで、時間T2経過した後、電磁弁15dを閉鎖してスタートガスを停止する。これにより、電極1とノズル2の間に形成されたプラズマガス通路8aには酸素ガスが供給され、酸素ガスをプラズマ化したメインアークが形成される。
【0039】
Tcを起点として時間T7経過した後、メインアークの電流を初期電流から設定電流値まで時間T8かけて上昇させることで、安定したメインアークが形成される。
【0040】
またスイッチ24から切断トーチBのOFF信号が発生したとき、メインアーク電流の通電が停止し、この信号を起点として各ガスによるアフターフローが実行される。即ち、OFF信号から時間T4が経過したとき電磁弁8dを閉鎖してプラズマガスを停止し、更に、時間T5経過したとき電磁弁9d,10dを閉鎖して一次シールドガス及び二次シールドガスを停止する。
【0041】
上記プリフロー操作及びアフターフロー操作は、プラズマガスとして酸素ガスを用いる切断トーチBの電極1の消耗を軽減させるための操作として広く実施されている。
【0042】
上記の如く、各ガス流量の変化パターンと電流の変化パターンとを予め設定してパターン記憶部21bに記憶しておき、各パターンを規定する時間T1〜T8と流量VR1〜VR4及び電流VR5,VR6を設定することで、所望の制御を実行することが可能である。
【0043】
次に、図5によりメインアーク電流を複数の範囲として分割したテーブルの例について説明する。
【0044】
本実施例では、電源装置Aは最大電流が400 Aの能力を有しており、この電流値を最大電流値から最小電流値の間で100 A毎の4段階の範囲に分割し、各段階に対応したメインアーク電流範囲毎に、最適な時間T1〜T8と流量VR1〜VR4及び電流VR5,VR6が設定されている。
【0045】
上記テーブルをテーブル記憶部21cに記憶させておき、目的の被加工材Cの厚さ等の仕様に応じて最適なメインアーク電流値を入力装置22から制御装置21に入力すると、自動運転モードの場合は、制御部21aは入力されたメインアーク電流値を含むテーブルの情報を読み出してデータを夫々出力し、また手動運転モードの場合は、入力装置22によってメインアーク電流値を入力すると共にテーブルを指定することで、制御部21aは指定されたテーブルを読み出してデータを出力する。
【0046】
そしてスイッチ24からのON信号,OFF信号をトリガとして切断トーチBに供給するスタートガス,プラズマガス,一次シールドガス,二次シールドガス及びパイロットアーク電流,メインアーク電流を夫々に設定されたパターンに従って制御することが可能である。
【0047】
尚、各ガスの流量を調整する制御は、各ガスに対応して設けられた流量調整器8c〜10c,15cの制御部に対し制御装置21からガス流量に対応して制御信号が伝達され、この信号に応じて流量が設定される。また本実施例に於けるテーブルは電源装置Aの最大電流Aを4つの範囲に分割しているが、この分割数に限定するものではなく、50A毎の8段階に分割しても良く、4つの範囲よりも少なく分割しても良い。
【0048】
上記の如く設定された電源装置A,切断トーチBを用いて被加工材Cを切断する手順について説明する。切断の開始に先立って入力装置22によって目的の加工を実施するのに必要なメインアークを形成し得る設定電流値を入力すると、制御装置21では入力された設定電流値が含まれる範囲を求め、テーブル記憶部21cから求めた範囲に対応したテーブルを読み出すと共にパターン記憶部21bから各ガス毎の変化パターン及び電流の変化パターンを読み出し、テーブルに設定された時間T1〜T8と流量VR1〜VR4及び電流VR5,VR6を各パターンに適用する。
【0049】
読み出された流量VR1〜VR4及び電流VR5,VR6に応じた制御信号は対向する流量調整器8c〜10c,15c及び電流調整部17に伝達され、各流量調整器8c〜10c,15c及び電流調整部17は制御信号に応じて流量,電流を調整する。
【0050】
その後、スイッチ24を操作してON信号を発生すると、各ガスの供給,停止を実行する電磁弁8c〜10c,15cはON信号を起点とする時間T1、更に時間Tc経過したT1+Tcを起点として各ガス毎の変化パターンに従って制御される。同時に電流も時間T1及び時間T1にTcを加えた時間を起点として各電流毎の変化パターンに従って制御される。
【0051】
従って、切断トーチBに対する各ガス及び電流が制御される過程で該トーチBを所望の方向に移動させることで、被加工材Cを切断することが可能である。そして切断が終了して切断トーチBのOFF信号が発生したとき、メインアーク電流は通電が停止し、その後、各ガスの供給が停止する。
【0052】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係るプラズマ加工用電源装置では、プラズマトーチに供給するガス流量の変化パターンや電流の変化パターンを記憶すると共に、メインアーク電流を変化させたときの各パターンを規定する時間値,流量値,電流値をテーブル化して記憶し、実際の加工に対応したメインアーク電流を設定し、各ガスと電流の変化パターンを読み出すと共に設定電流を含むメインアーク電流範囲のテーブル、或いは指定されたテーブルを読み出して変化パターンに適用することで、プラズマトーチに供給する各ガス及び電流を制御することが出来る。
【0053】
このため、プラズマ加工用電源装置を最大電流値よりも小さい電流値で稼働させたとき、各ガスの流量を設定された電流値に対し最適に制御することが出来る。従って、経済性に優れたプラズマ加工を実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ加工装置の例としてのプラズマ切断装置の構成を説明する模式図である。
【図2】電源装置の配管系を説明する図である。
【図3】制御系のブロック図である。
【図4】ガス変化パターンと電流変化パターンの例を説明する図である。
【図5】テーブル記憶部に記憶させるメインアーク電流範囲のテーブルの例を示す図である。
【符号の説明】
A 電源装置
B 切断トーチ
C 被加工材
1 電極
2 ノズル
3 一次シールドノズル
4 二次シールドノズル
5 トーチ本体
6,7 通電部材
8 プラズマガス流通路
9 一次シールドガス流通路
10 二次シールドガス流通路
11,12 キャップタイヤ
13,15 ホース
14 酸素ガス供給装置
16 スタートガス供給装置
8c〜10c,15c 流量調整器
8d〜10d.15d 電磁弁
17 電流設定部
18 高周波回路
19 切換部材
21 制御装置
21a マイクロプロセッサー
21b パターン記憶部
21c テーブル記憶部
22 入力装置
23 インターフェース
24 スイッチ

Claims (3)

  1. プラズマ加工を実施するに際しプラズマトーチに単一又は複数のガスを供給する機能とパイロットアーク及びメインアークを形成するための電流を制御する機能を備えたプラズマ加工用電源装置であって、
    単一又は複数のガス毎に設けられプラズマトーチに対するガスの供給,停止を行う弁及び流量を調整する流量調整部を有するガス供給手段と、
    プラズマトーチの電極に付加する電流値を調整する電流調整部及び通電,停止を行う開閉部を有する通電手段と、
    プラズマトーチに供給する単一又は複数のガス毎に設定され経時的な流量変化の基準となるガス変化パターンとパイロットアーク形成用電流及びメインアーク形成用電流変化の基準となる電流変化パターンとを記憶するパターン記憶部と、前記単一又は複数のガス毎に設定されたガス変化パターンを規定する時間値及び流量値と電流変化パターンを規定する時間値及び電流値を予め設定した複数のメインアーク電流範囲の値に対応させて記憶するテーブル記憶部と、プラズマトーチを作動させるメインアーク電流値を入力する入力部と、入力されたメインアーク電流値に応じて前記ガス供給手段及び通電手段を制御する制御部を有する制御装置と
    を有することを特徴とするプラズマ加工用電源装置。
  2. 前記制御部が、入力部によってプラズマトーチを作動させるメインアーク電流値を入力したとき、テーブル記憶部から入力されたメインアーク電流値を含むメインアーク電流範囲のガス変化パターンを規定する時間値及び流量値と電流変化パターンを規定する時間値及び電流値を読み出すと共に読み出したデータを前記ガス供給手段及び通電手段に出力するものであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ加工用電源装置。
  3. 前記入力部がプラズマトーチを作動させるメインアーク電流値を入力すると共にプラズマガス又はメインアーク電流の変化パターンを規定する情報を入力するものであり、且つ制御部が入力されたプラズマガス又はメインアーク電流の変化パターンを規定する情報を基準としてテーブル記憶部に記憶されたメインアーク電流範囲のガス変化パターンを規定する時間値及び流量値と電流変化パターンを規定する時間値及び電流値を読み出して該読み出したデータを前記ガス供給手段及び通電手段に出力すると共にメインアーク電流を入力されたメインアーク電流値に設定するように制御するものであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ加工用電源装置。
JP04518197A 1997-02-28 1997-02-28 プラズマ加工用電源装置 Expired - Lifetime JP3822304B2 (ja)

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