JP3821417B2 - 残響付加装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、残響付加装置に関し、特に高密度の残響音を生成することができる残響付加装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より知られている残響付加装置は、例えば特公平1−57799号に記載されているように、初期反射音形成部とその後段の残響音形成部とから構成されている。初期反射音形成部は、振幅レベルおよび遅延時間がランダムに変化する初期反射音を形成する部分であり、例えば音源から発生した楽音が最初に部屋の壁で反射されることなどをシミュレートするものである。この初期反射音形成部に続く残響音形成部は、振幅レベルおよび遅延時間が規則的に変化する残響音を形成する部分であり、例えば部屋の壁で反射された楽音がさらに部屋の中を拡散する様子などをシミュレートするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような残響付加装置にインパルス(単一のパルス信号)を入力したとき、その出力として得られるインパルス応答は、インパルスが入力した時点から種々の遅延時間で種々の振幅レベルのパルスが分散したような形になる。このインパルス応答の密度は、できる限り高密度とするのが好ましい。残響音の密度を高くすることにつながり、質的に高品質の残響音が得られることになるからである。
【0004】
しかし、従来の残響付加装置で高密度の残響音を生成するには、オールパスフィルタや櫛形フィルタを多数用意してインパルス応答の密度を高くすることが必要となり、構成上複雑になるという問題点があった。
【0005】
この発明は、上述の従来技術における問題点に鑑み、簡単な構成で高密度の残響音を生成することができる残響付加装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1に係る発明は、入力信号に対し残響音成分信号を生成する残響付加装置であって、残響音成分信号を生成するために用いる係数乗算と信号遅延を含む所定のディジタルフィルタアルゴリズムに基づくオールパスフィルタで構成される第1のディジタルフィルタの信号路中に、前記所定のフィルタアルゴリズムに基づくオールパスフィルタで構成される第2のディジタルフィルタをn段(n≧1)介挿したフィルタ手段を備えるとともに、前記フィルタ手段が、前記第1のディジタルフィルタの出力側から取出した信号をフィルタリングして入力側に帰還するフィードバックフィルタを備えることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いてこの発明の実施の形態を説明する。
【0010】
図1は、この発明の実施の形態に係る残響付加装置の全体構成を示すブロック図である。この残響付加装置(REVERBERATION SYSTEM)100は、拡散音形成部(DIFFUSION BLOCK)101L,101R、タップディレイ部(TAPPED DELAY BLOCK)102L,102R、および残響音形成部(REVERBERATION BLOCK)103L,103Rを備えている。この残響付加装置100は、ステレオ構成であり、各ブロックは左側のチャンネルの処理を行なう101L,102L,103Lと、右側のチャンネルの処理を行なうブロック101R,102R,103Rとに分かれている。残響音形成部103L,103Rでは、互いの信号を授受するライン104を設け、左右の各チャンネル間での相互干渉をシミュレートしている。なお、拡散音形成部101L,101Rやタップディレイ部102L,102Rにおいても、左右の各チャンネル間の相互干渉を考慮して互いの信号を授受するラインを設けても良い。
【0011】
図2は、図1の拡散音形成部101L,101Rの構成を示す。拡散音形成部は、音源から周囲に放射される音響が拡散していく様子などをシミュレートするもので、基本的にはAPFまたはその集合体によって原音信号成分を時間的に散らす処理を行なうものである。拡散音形成部101Lと101Rとは同じ構成である。図2において、拡散音形成部101L,101Rは、オールパスフィルタ(APF)の構成(信号路)内にさらにAPFを埋め込んだ構成を持つ「APFin APF」201、複数段に接続したAPF202(APF1〜APFm)、乗算器203、APF204、乗算器205、加算器206、およびAPF207を備える。
【0012】
拡散音形成部101L,101Rに入力した楽音信号DIFFUSION INは、APF204で移相され、乗算器205で所定の係数DIFF1MIXと乗算され、加算器206に入力する。APF204から乗算器205を経て加算器206に至る系列は、音源から直接放射される楽音の処理部分に相当する。一方、音源から放射された楽音が音源を中心に広がっていく様子などをシミュレートするために、入力信号はAPF in APF201から多段のAPF202および乗算器203を経て加算器206に至る系列を有する。加算器206で、これら2系列の楽音信号を加算し、さらにAPF207で移相した後、拡散音形成部出力DIFFUSION OUTとして出力する。なお、APF in APFは、高密度の残響音を生成するためオールパスフィルタをネストさせた構成(入れ子構造)にしたもので、これについては後に詳しく説明する。
【0013】
図3は、図1のタップディレイ部102L,102Rの構成を示す。タップディレイ部102Lと102Rは同じ構成である。図3において、タップディレイ部102L,102Rは、前置遅延部(PREDLY)302、乗算器301,303,304,305、加算器306、後置遅延部(TAPDLY)308、乗算器307,309,310、加算器311、フィードバックフィルタ(FBFILTER)312、および乗算器313を備えている。タップディレイ部102L,102Rは、従来技術における初期反射音形成部にほぼ相当するものであり、ここでは前置部と後置部(加算器306の前後で前置部と後置部を分ける)の2段構成とし、帰還路を設けて、より反射音密度や音づくりの自由度を上げている。
【0014】
前置部に入力した入力信号INは、直接音に相当する楽音信号の処理のため、乗算器301で所定の係数を乗算した後、加算器306に入力する。また、入力信号INは前置遅延部302に入力する。前置遅延部302は、複数のディレイ回路を多段縦続接続(入力信号を所定時間遅延させて次段へ送る)したものである。前置遅延部302は、複数の所定の遅延値(遅延段数)の位置からそれぞれ遅延出力(タップ出力)が得られるようになっている。乗算器303は、前置遅延部302の最終段からの遅延出力を入力し、所定の乗算係数を乗算し、その結果を加算器306に出力する。乗算器304,305は、前置遅延部302のそれぞれ途中の遅延段数の位置から取り出したタップ出力を入力し、所定の係数をそれぞれ乗算し、乗算結果を加算器306に出力する。これらの乗算器301,303,304,305は、入力信号を任意に重みづけし、加算器306で重みづけ加算合成するためのものである。なお、図3では前置遅延部302から取り出すタップ出力を最終段も含めて3系列のみ図示したが、実際にはさらに多くの(その数は任意)タップ出力を取り出して係数を乗算して加算している。PREDMIX1〜jは、乗算器301,303,304,…,305の乗算係数を示す。加算器306は、乗算器301,303,304,305からの乗算結果、および後置遅延部308からフィードバックされた信号を加算し、その結果を後置部に入力する。
【0015】
加算器306から出力された楽音信号は、直接音に相当する楽音信号の処理のため、乗算器307で所定の係数を乗算した後、加算器311に入力する。また、加算器306から出力された楽音信号は、後置遅延部308に入力する。後置遅延部308は、前置遅延部302と同様、複数のディレイ回路を多段縦続接続したものである。後置遅延部308は、複数の所定の遅延値(遅延段数)の位置からそれぞれ遅延出力(タップ出力)が得られるようになっている。乗算器309,310は、後置遅延部308のそれぞれ途中の遅延段数の位置から取り出したタップ出力を入力し、所定の係数をそれぞれ乗算し、乗算結果を加算器311に出力する。これらの乗算器307,309,310は、入力信号を任意に重みづけし、加算器311で重みづけ加算合成するためのものである。後置遅延部308の最終段からの遅延出力は、フィードバックフィルタ312に入力してフィルタリングされた後、乗算器313で所定のフィードバック係数TPDFBGと乗算され、加算器306に入力する。
【0016】
なお、図3では後置遅延部308の途中段から取り出すタップ出力を2系列のみ図示したが、実際にはさらに多くの(その数は任意)タップ出力を取り出して係数を乗算して加算している。TPDMIX1〜gは、乗算器307,309,…,310の乗算係数を示す。加算器311は、乗算器307,309,…,310からの乗算結果を加算し、最終的な出力信号OUTを出力する。
【0017】
図4は、残響音形成部103L,103Rの構成を示す。残響音形成部103Lと103Rは同じ構成である。残響音形成部103L,103Rは、従来技術で説明した後部残響音形成部に相当するものであり、主としてAPFの多段縦続接続路とフィードバックによって高密度な後部残響音を形成するものである。図4において、残響音形成部103L,103Rは、乗算器401、加算器402、APF in APF403、多段縦続接続した複数のAPF404(APF1〜APFk)、乗算器405、加算器406、フィルタ部420、フィードバックディレイ回路416、フィードバックフィルタ417、および乗算器418を備えている。APF in APF403は、図2の拡散音形成部101L,101Rで用いたAPF in APF201と同様の回路であり、その構成については後に詳述する。フィルタ部420は、乗算器407,409,412,414,415、加算器408,410,413、およびディレイ回路411からなる。
【0018】
残響音形成部103L,103Rに入力した入力信号REVBINは、直接音に相当する楽音信号の処理のため、乗算器401で所定の係数REVBINMIXと乗算され、乗算結果は加算器406に入力する。また、残響音形成部に入力した入力信号REVBINは、加算器402でフィードバックされてきた信号と加算され、加算結果は、APF in APF403および多段縦続接続されたAPF404によって信号成分を時間的に散らすとともに高密度な残響音を形成する。APF404の出力は、乗算器405で所定の係数REVBMIXと乗算され、乗算結果は加算器406に入力する。加算器406は、乗算器401,405の乗算結果、およびもう一つの残響音形成部(左右のチャンネルごとに図4の回路が設けられている)から出力されるCHOUTを入力信号CHINとして入力し、これらの入力信号を加算する。また、乗算器405の乗算結果を、CHOUTとして出力し、もう一つの残響音形成部への入力信号CHINとする。
【0019】
加算器406の出力はフィルタ部420に入力する。フィルタ部420への入力信号は、乗算器407で所定の係数OUTFdと乗算され、その乗算結果は加算器408に入力する。またフィルタ部420への入力信号は、乗算器409で所定の係数OUTFaと乗算され、その乗算結果は加算器410に入力する。加算器410は、乗算器409および415の出力を加算し、加算結果をディレイ回路(OUTFDLY)411に入力する。ディレイ回路411は、入力信号を所定の遅延時間だけ遅延させて出力するとともに、途中の位置からタップ出力を取り出せるものとする。ディレイ回路411の最終段の出力信号は、乗算器415で所定の係数OUTFbと乗算され、加算器410にフィードバックされる。また、ディレイ回路411の最終段の出力信号は、乗算器412で所定の係数OUTFcと乗算され、その乗算結果は加算器413に入力する。一方、ディレイ回路411の途中段から取り出したタップ出力は、乗算器414で所定の係数OUTFeと乗算され、その乗算結果は加算器413に入力する。加算器413は、乗算器412および414の出力を加算し、加算結果を加算器408に出力する。加算器408は、加算器413の加算結果と乗算器407からの出力とを加算する。加算器408の加算結果は、残響音形成部の最終出力REVBOUTとして出力される。
【0020】
加算器408の出力は、フィードバックのためにフィードバックディレイ回路(FBDLY)416に入力する。このディレイ回路416は、出力信号を所定の遅延時間だけ遅延させて出力する。ディレイ回路416の出力は、フィードバックフィルタ417でフィルタリングされた後、乗算器418で所定の係数FBLVLと乗算され、その乗算結果は加算器402にフィードバックされる。
【0021】
図2の拡散音形成部101L,101Rおよび図4の残響音形成部103L,103Rでは、APF in APF(図2の201、図4の403)を使用して信号の密度を稼いでいる。以下、本実施の形態で用いているAPFの構成例、およびそのAPFから作成したAPF in APFの構成例について説明する。
【0022】
図5(a)は、上述した各部で使用するAPFの基本的な構成例を示す。このAPFは、乗算器501,503,506,507、加算器502,504、およびディレイ回路505を備えている。このAPFへの入力信号inputは、乗算器501で所定の係数CAPFndと乗算され、乗算結果は加算器502に入力する。また、入力信号inputは、乗算器503で所定の係数CAPFnaと乗算され、乗算結果は加算器504に入力する。加算器504は、乗算器503および507の出力を加算し、加算結果をディレイ回路505に入力する。ディレイ回路505は、所定の遅延量APFDLYnだけ信号を遅延させ出力する。ディレイ回路505の出力は、乗算器507で所定の係数CAPFnbと乗算され、乗算結果は加算器504にフィードバックされる。またディレイ回路505の出力は、乗算器506で所定の係数CAPFncと乗算され、乗算結果は加算器502に入力する。加算器502は、乗算器501および506の出力を加算し、APFの最終出力outputとして出力する。
【0023】
図5(b)は、図5(a)のAPFをブロック表現したものである。なお、図5では、nはフィルタを識別する添え字とし、a〜dは係数を識別する添え字とする。APFnは、パラメータCAPFnを入力し動作する。パラメータCAPFnは、図5(a)で説明した、遅延量APFDLYnおよび各乗算器の乗算係数CAPFna〜ndである。
【0024】
図5のAPFは、任意遅延量APFDLYを内包する1次フィルタ構造にしてある。各係数値の与え方によって、APFのみならず、LPF(ローパスフィルタ)、HPF(ハイパスフィルタ)、および櫛形フィルタなどの特性を持たせることもできるし、振幅係数を乗算するのみとすることもできる。遅延量APFDLYnを内包する1次APFとする場合は、
CAPFna×CAPFnc−CAPFnb×CAPFnd=1かつ
CAPFd=−CAPFnb
の条件を満たすように係数を設定する必要がある。
【0025】
図6は、図2の201や図4の403で用いたAPF in APFの構成例を示す。このAPF in APFは、APFに内包されるディレイ回路の部分に縦続する形でAPFが入れ子構造になっているものである。すなわち、図6のAPF in APFにおいて、入れ子になったAPF620(APF2)を取り去れば、図5(a)のAPFと全く同じ構造となる。図5の500番台の番号が示す部分と図6のAPF1の600番台の番号が示す部分とは、番号の下二桁が一致するもの同士が対応している。入れ子になっているAPF2(620)も、その構造は図5(a)と同じである。図5の500番台の番号が示す部分と図6のAPF2の620番台の番号が示す部分とは、番号の下二桁が一致するもの同士が対応している。
【0026】
図7は、図6のディレイ回路605と入れ子のAPF2(620)を一般化したものである。図6の600番台の番号が示す部分と図7の700番台の番号が示す部分とは、番号の下二桁が一致するもの同士が対応している。図7で、nは入れ子の深さを示す添え字である。ディレイ回路705に、番号720のAPF(n+1)が縦続されている。さらに、このAPF(n+1)内のディレイ回路725の部分に図7と同じ回路を入れ子にしていき(図7の添え字nはn+1にする)、これを任意の回数繰り返すことにより、任意の深さでAPFを入れ子にしたAPF in APFが得られる。
【0027】
図9〜図13のグラフは、図8(a)〜(d)に示す各構成におけるインパルス応答の例を示す。各グラフにおいて、横軸は時間軸で、その値はサンプル点番号に相当する。各グラフは、150ポイント目の時刻に振幅1の単位インパルスを入力した場合のインパルス応答を示す。各構成で用いたAPFは、伝達関数をT=[z(-D)−a]/[1−az(-D)]とした1次APFで、D=25、a=-0.9とし、フィードバックディレイは100サンプル遅れとした。
【0028】
図9は、図8(a)のように2つのAPF811,812を単純に縦続接続した場合のインパルス応答を示す。各APF811,812の構成は、図5で説明したとおりのものである。インパルス応答は、密度も高くなく、比較的単調な応答になっている。
【0029】
図10は、図8(b)のようにAPFを1つ入れ子にしたAPF in APF821のインパルス応答を示す。APF in APF821の構成は、図6で説明したとおりのものであり、APF1にAPF2を入れ子にしたものである。インパルス応答は、図9の場合より密度が上がっている。複数の山鳴りのインパルス応答が時間差をもって重畳している。
【0030】
図11は、図8(c)の回路におけるインパルス応答を示す。図8(c)では、入力信号を加算器831に入力し、加算器831で乗算器834からのフィードバック出力と加算し、加算結果をAPF in APF832(図8(b)の821と同じ構成のもの)に入力し、APF in APF832の出力をディレイ回路833で遅延し、乗算器834で所定の係数を乗算し、加算器831にフィードバックした回路としている。インパルス応答は、密度がそれほど高くない。
【0031】
図12は、図8(d)の回路におけるインパルス応答を示す。図8(d)では、図8(c)と同様に帰還路を設けているが、帰還路にはフィードバックフィルタ(1次LPF)850を設けている。入力信号は加算器841に入力し、加算器841でフィードバックフィルタ850からのフィードバック出力と加算し、加算結果をAPF in APF842(図8(b)の821と同じ構成のもの)に入力し、APF in APF842の出力をフィードバックフィルタ850に入力する。フィードバックフィルタ850では、APF in APF842の出力に乗算器843で所定の係数を乗算し、乗算結果を加算器844に入力する。加算器844は、乗算器843と846の出力を加算し、加算結果を加算器841とディレイ回路845に出力する。ディレイ回路845は入力信号を所定の遅延時間だけ遅延して乗算器846に出力する。乗算器846は、遅延出力に所定の係数乗算し、乗算結果を加算器844に入力する。
【0032】
図12は、図8(d)の回路でフィードバックフィルタ850の内包遅延(すなわちディレイ回路845の遅延時間)を1サンプルとした場合のインパルス応答である。信号密度が非常に高くなっている。
【0033】
図13は、図8(d)の回路でフィードバックフィルタ850の内包遅延を30サンプルとした場合のインパルス応答である。信号密度が非常に高くなっているとともに、振幅値も分散されている。
【0034】
以上より、図2の拡散音形成部101L,101Rおよび図4の残響音形成部103L,103RでAPF in APF201や403を用いることにより、高密度の出力信号を得ることができるようになり、高品質の残響音を生成することができる。また、構成上、APFや櫛形フィルタを従来ほど多数用意する必要もない。
【0035】
なお、上記実施の形態では、図5の構成のAPFおよび図6,7の構成のAPF in APFを用いたが、これに限らず、別の構成のAPFおよびAPF in APFを用いてもよい。また、APFの入れ子の数は、目的や使用に応じて決めればよい。上記実施の形態の残響付加装置のAPFなどの各部は、専用ハードウェアによってもよいし、DSP(ディジタルシグナルプロセッサ)やMPU(マイクロプロセッサユニット:パソコンなどMPU応用機器も含む)とその処理プログラム(ソフトウェア)による構成としてもよい。ソフトウェア化した場合は、ソフトウェア音源と組み合わせて使ってもよい。
【0036】
また、上記実施の形態のAPF in APFは、図5のような構成のフィルタのディレイ回路APFDLYn505を含む信号路にさらにAPFを介挿するようにしたが、係数乗算器CAPFna〜CAPFndを含む信号路の何れかにAPFを介挿するような構成にしてもよい。また、介挿するAPFの個数(段数)を複数としてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、残響付加装置の残響音形成部や拡散音形成部などで用いられているディジタルフィルタにおいて、その信号路中に該ディジタルフィルタアルゴリズムによって構成される第2のディジタルフィルタを介挿しているので、簡単な構成で、高密度の出力信号を得ることができるようになり、高品質の残響音を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る残響付加装置の全体構成を示すブロック図
【図2】拡散音形成部の構成を示すブロック図
【図3】タップディレイ部の構成を示すブロック図
【図4】残響音形成部の構成を示すブロック図
【図5】APFの基本的な構成例を示す図
【図6】APF in APFの構成例を示す図
【図7】ディレイ回路と入れ子のAPFを一般化した構成例を示す図
【図8】インパルス応答を求めた構成例を示す図
【図9】APF単純2段縦続接続の回路のインパルス応答を示す図
【図10】1つのAPF in APFのインパルス応答を示す図
【図11】遅延フィードバックを伴うAPF in APFのインパルス応答を示す図
【図12】遅延フィードバックフィルタ(内包遅延1サンプル)を伴うAPF in APFのインパルス応答を示す図
【図13】遅延フィードバックフィルタ(内包遅延30サンプル)を伴うAPF in APFのインパルス応答を示す図
【符号の説明】
100…残響付加装置、101L,101R…拡散音形成部、102L,102R…タップディレイ部、103L,103R…残響音形成部、201…APFin APF、202…複数段に接続したAPF、203,205…乗算器、204,207…APF、206…加算器、302…前置遅延部、301,303,304,305…乗算器、311…加算器、312…フィードバックフィルタ、313…乗算器、401…乗算器、402…加算器、403…APF inAPF、404…多段縦続接続した複数のAPF、405…乗算器、406…加算器、420…フィルタ部、416…フィードバックディレイ回路、417…フィードバックフィルタ、418…乗算器。

Claims (1)

  1. 入力信号に対し残響音成分信号を生成する残響付加装置であって、
    残響音成分信号を生成するために用いる係数乗算と信号遅延を含む所定のディジタルフィルタアルゴリズムに基づくオールパスフィルタで構成される第1のディジタルフィルタの信号路中に、前記所定のフィルタアルゴリズムに基づくオールパスフィルタで構成される第2のディジタルフィルタをn段(n≧1)介挿したフィルタ手段を備えるとともに、
    前記フィルタ手段が、前記第1のディジタルフィルタの出力側から取出した信号をフィルタリングして入力側に帰還するフィードバックフィルタを備える
    ことを特徴とする残響付加装置。
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