JP3821215B2 - 耐震性管更生工法に於ける管接続装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設の管路を更生する目的で既設の管体内に新たな補強管を装着する耐震性管更生工法に於ける管接続装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地中に埋設されている管路の更生方法として新たな補強管を装着することが行われているが、工法や材質によって、新たに形成される管路断面積が著しく縮少されたものとなる。例えば、従来から一般的に行われているパイプインパイプ工法では、巻き込み鋼管の拡径時の力が既設の管体に悪影響を与えないためと、鋼管溶接に伴う外面塗装を補完する目的から、既設の管体と補強管との間には所要の間隙を設け、その間隙にセメントミルク等を注入するという方法が取られている。そのため更生された管では必然的に送水断面積が縮少され、計画された水量が流れなくなるという問題が発生した。
【0003】
また従来の管路の更生方法は、継ぎ手を有する老朽管路に対して有効でない場合が多い。何故なら、老朽管自体は不撓性のPC管(プレストレスを導入したコンクリート管)であり、新たな補強管は撓性管であったとしても隣接補強管の端部同士を溶接により継いでいる場合には、地震或いは地盤の不等沈下等の際に、新たな補強管に曲げ、引っ張り、或いは圧縮応力の集中が起こり、継ぎ手位置で折れ曲がるという欠点が生じているからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は既設の管路に予定されている送水断面積を縮少する度合いが少なく、当初の送水能力を実質的に保持可能とするとともに耐震性を具備する耐震性管更生工法に於ける管接続装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため本発明は、既設の管路を更生する目的で既設の管体内に新たに補強管を装着するに当たり、既設の管体の内側に、鋼板を巻き込むことにより形成した補強管を配置し、各補強管の端部を接続する管更生工法において、
マンホールのように小規模の搬入口から搬入可能とするために、鋼板を弾性変形曲げ加工のみによりロール状に巻き込むとともに紐類を用いて結束加工した鋼板を有し、既設の管体内に搬入後結束を解き、既設の管体の内面にほぼ密着するように鋼板の弾性変形を復原拡径し、拡径したものの管軸方向に沿う端辺を溶接することにより円筒状、かつ、1個の既設の管体と同じ長さの補強管を形成し、これによって補強管と既設の管体とが一体に形成された更生管と、
この更生管の端部同士を可撓的、水密的かつ伸縮可能に接続するために、弾性材料より成り、外面に全周にわたって設けられる複数の止水突条と、環状体内面に全周にわたって設けられる応力集中突条とを具備し、固定バンドの拡径締め付けにより、止水突条に対して応力集中をなすとともに、上記拡径締め付けにより、止水突条が圧縮されるのに併せて、環状体の管体内の流れ方向の両端部も圧縮されるようにし、さらに相対的に肉厚とする環状体中央部の剛性の高まりを緩和するため環状体中央部外面に全周にわたって複数の肉抜き部を設けた環状体と、
環状体を内面に固定することにより、更生管同士を接続するために、更生管の内面に固定され、環状体に対する拡径締め付けによる均等な拡張作用によって環状体の材厚が薄くなり、かつ環状体のはみ出しを最小とし水流の抵抗を極少とした固定部材とから構成されることを特徴とする耐震性管更生工法に於ける管接続装置。
環状体を内面に固定することにより、更生管同士を接続するために、更生管の内面に固定され、環状体に対する拡径締め付けによる均等な拡張作用によって環状体の材厚が薄くなり、かつ環状体のはみ出しを最小とし水流の抵抗を極少とした固定部材とから構成される
という手段を講じたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係る耐震性管更生工法は、地中に埋設されている、既設の管路を周囲を掘り起こすことなく修復し、更生する目的で実行される。対象となる埋設管体は、施工後長年月を経過して老朽化したいわゆるPC管の類であり、掘り起こすことなく修復するために必要な補強管の材料、工具等はマンホール或いはその他の搬入口から管体内に搬入可能とする。補強管は、内水圧に対抗可能で施工性、耐久性に優れ、現状の送水能力低下を最少限度に留める条件を満足する手段として、例えばSUS304鋼板を使用することが望ましい。
【0007】
SUS304鋼板を弾性変形曲げ加工により例えば直径50cmのドラム状に巻き取り、紐類を用いて結束するとマンホールから埋設管体内に搬入可能な巻き込み管は製作される。紐類にはロープ、ワイヤー、チェーン、ベルトなどを含む。弾性変形巻き込み管は管体内に搬入後、既設の管体内面に沿うように拡径する。この拡径は、結束を解くことにより自力で弾性変形により復原する作用として行われ、その後は、固定バンドの両端部より弧長約90度を筋交いで結合し、この固定バンドの両端部にジャッキを挿入し管体内面にほぼ密着するように拡径するものとする。この拡開工法を本発明において筋交い拡径工法と称する。
【0008】
上記のように拡径がなされたものの管軸方向に沿う端辺を溶接することにより円筒状の補強管を形成する。この補強管は前記の筋交い拡径工法などによって材料を管体内面に強力に加圧した条件の下に製作されており、管体内面にほぼ密着、即ち密着しているか或いは密着に近い状態にあるので管体と補強管との間には間隙の生ずる余地がなく、従って本発明の工法により補強更生した管路断面積は補強管材の厚味相当分減少するだけである。さらに環状体は厚味を薄くされ、両端部をベルマウス形状とし、SUS304鋼板により、水流の抵抗を最小限とすることで、実質的な送水能力はそのまま変わらず保持されると考えて良い。
【0009】
補強管は、既設の管路の搬入口の規模により長さが決定されるところ、搬入口がマンホールのように小規模の場合、補強管の構成材料として、既設の管体の数分の1の長さの補強短管を接続して形成するものとし、これにより管体内搬入及び管体内作業が容易化される。この場合、1個の管体内における最初及び最後の補強短管の端部は管体の前後両端部に一致するように設けられる。数個の補強短管の最初のものを管体内に固定したのち、当該補強短管の端部に、次の補強短管を端部に重ねて形成するとともに、重ねられている端部を溶接することを繰り返して、数個の補強短管が溶接により一体化された、補強管が形成される。補強管と既設の管体とは同じ長さで、構造的にも外圧を既設の管体が受け持ち、内圧は補強管が受け持って一体の更生管となる。
【0010】
従って、更生管が形成されると、既設の管路は補強された管体の列となり、個々の管体同士の接続は補強されない状態にとどまる。そこで更生管の端部同士を接続するために弾性材料より成る環状体を両更生管にわたって内面に固定するものとする。これによって可撓的、水密的、かつ伸縮可能に更生管同士を接続し、管軸方向の曲げ応力が補強管に及ばないようになる。
【0011】
更生管路における水密性と耐震性及び水流の抵抗を少なくする目的で、環状体を前記した筋交い工法により均等な拡張力をもって拡径し、その後に固定バンドの端部1箇所を締結する。環状体の固定バンドを押し広げ止水する従来工法では(実公平1−17757号)、固定バンドを小口径管では2分割、大口径管では3分割し、固定バンドの分割部を接線方向にジャッキ等で押し広げた後に、分割部を固定金具で締め付ける工法のため、軸力に対抗するバンドの部材厚を必要とし、分割部の固定金具が環状体の内側断面からはみ出し、水流の抵抗を受けることを避け得なかった。
【0012】
本発明の手段、方法により、均等な拡張力をもって固定バンドを押さえた後に、1箇所の固定バンド分割部の固定金具を締め付け固定する工法が可能となり、固定バンドの部材厚が薄くなった分、環状体の厚みも薄くなり、固定バンドの分割部は1箇所を除き予め蝶番等で接合すること、或いはロール状の板バネを拡径した固定バンドとすることが可能となる。かくして固定金具が環状体の内側断面からはみ出し、水流の抵抗を受けるのも1箇所のみとなり、水流の抵抗を軽減するとともに、施工費軽減に寄与することとなる。
【0013】
【実施例】
以下に図示の実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。各図において、10は地中に設置されている埋設管の管体であり、一定長さのプレキャストコンクリート製のものを継ぎ足して管路を形成しているもので、適当な個所に人孔、所謂るマンホール11を有する。マンホール11の直径は通常60cm以上であり、このマンホール11から資材を搬入可能な大きさに資材を加工することは、経済的かつ緊急的な管更生工法として重要な要素である。
【0014】
補強管20は、内水圧に対抗する目的で、SUS304鋼板を弾性曲げ加工した巻き込み鋼管で、通常の60cmマンホール11から搬入可能とするために、直径50cmのドラム25とガイドローラー26を有する弾性曲げ巻き込み管製造機27に、SUS304鋼板を固定し巻き付け結束24とし、補強管材21としたものから成る。弾性曲げ巻き込み管製造機27は軽量で可搬可能であり、現地で製管することにより経済効果を発揮することが可能になる。この弾性曲げ巻き込み管製造機27は、埋設管の施工条件により大口径の長尺管も製作可能であり、より経済効果を発揮する。
【0015】
通常の直径60cmのマンホール11から搬入可能な寸法に塑性変形加工をした場合、拡径に労力を要し効率的でないので、弾性変形加工としロール状に巻き込んだ鋼板を補強管材21として結束24し、埋設管の管体10内で結束24を解けば自力で拡径する、効率的な補強管材21の製造方法を用いている。かくして埋設管の管体10と補強管20との間には間隙が生じないので、セメントミルク等の注入も不要で経済的であり、なにより送水断面積の縮小を最小限度とし、SUS304鋼板の平滑面により水流の抵抗を減少し、送水能力を維持するという効果を発揮する。
【0016】
補強管材21が拡径されると、補強管材21の管軸方向に沿う端辺22は重なり合うので、管軸方向を重ね溶接し補強短管28を製作し、更に補強短管28の端部に次の補強管材21を重ねて拡径し、重ねた端部23を溶接することを繰り返し、管体10と同じ長さの補強管20を完成させる。埋設管の管体10は補強管20と一体化して更生管30となる。更生管30同士の接合位置は管体10の継手と同じ位置とする。接合技術には流水に対する抵抗を大幅に減少させた環状体31を補強管20の継ぎ手部に装着する。この接合方法は、埋設管の管体10が1本単位でも連続でも更生可能であり、可撓性と伸縮性を有する接合方法により、耐震性を有する管更生工法となる。
【0017】
この補強管20を埋設管の管体10と同じ継ぎ手位置とし、伸縮可撓性を有する環状体31で接合することにより応力が解放され、内圧対応の薄い管厚で良く、しかも経済的で耐震性を有するものとなる。
【0018】
更生管30の接合を環状体31で行うに当たり、接合箇所が多くなると環状体31の水流抵抗により送水量の低下が顕在化し、実用上不都合が生じるので、低損失水頭型の環状体31が必要となる。環状体31について、種々の形状で水理実験をし損失水頭を計測した結果、低損失水頭型の環状体31の要件として、環状体の厚みを出来るだけ薄くし、環状体の管体内の流れ方向の両端部における角の形状は曲面就中ベルマウス形状32が最も望ましいこと、また環状体31への固定バンド40装着時に環状体31の内径を同一とし凸凹を無くすことが、最も水流に及ぼす抵抗が少ない環状体の形状となることが確認された。そのためには、固定バンド40の埋め込み溝38の深さは、応力集中突条35の圧縮による変化量と固定バンド40の埋め込み溝38の深さは、応力集中突条35の圧縮による変化量と固定バンド40の厚みとを厳密に管理し、環状体31の内面の平滑性を確保する必要がある。
【0019】
環状体31の止水効果を確実とする形状として、本体外周の全周にわたって設けられる複数の止水突条34に、相対する本体内周の全周に亘って応力集中突条35を設けるもとのし、このことにより、固定バンド40の締め付け応力の集中がなされ、止水効果が確実となる。環状体31の形状として、固定バンド40の締め付けにより、止水突条34が圧縮されるのに併せて、環状体31両端のベルマウス形状32の先端33も圧縮される外径を有するものとする。このことにより、止水効果と環状体両端のベルマウス形状32が流水により振動及び剥離を防止する機能を発揮する(図7参照)。
【0020】
さらに、環状体31は固定バンド40装着時の内径を同一とし、水流の及ぼす抵抗が少ない環状体31の形状としたことにより、環状体31の中央部37が分厚くなり、水圧による変形に対抗する効果は向上したが、剛性の高まりにより環状体31装着時の施工性が低下する可能性がある。一般に埋設管の継ぎ手の多くは直線でなく偏角を有しており、地震時或いは地盤の不等沈下には継ぎ手偏角の増加が予想され、それに伴い環状体31の中央部37が管軸周りに捻れて止水効果の低下を生じると危惧されるので、これを防止する機能として環状体31の中央部37の外周の全周わたって複数の切り込み溝36を設け、可撓性を確保し、施工性の向上と地震時或いは地盤の不等沈下時の水密性を図る。
【0021】
環状体31を補強管20に圧接し止水する方法は、従来、固定バンド40をジャッキ等により、接線方向に順次拡張し環状体31を締め付ける方法で実施しているが、この方法の欠点である一カ所からの拡径力の作用による不均等な締め付けが生じないように、順次反復し拡径する労力を解消するために、前記した筋交い拡径工法を開発し、実行したものである。
【0022】
筋交い拡径工法の構成の1例として、油圧シリンダージャッキで示された駆動手段50と反力受金具42とを組み合わせた例を示す。圧力受金具42は接続板43に設けた差込穴44とバンド部材41の端部に溶接接合されたナット45とを咬み合わせ、ボルト46を用いてそれぞれ締め付け、油圧シリンダージャッキで示された駆動手段50を用いて連結ピン47で回転可能に連結する。
【0023】
さらに、油圧ジャッキ50から円周方向左右ほぼ90度の位置に、接線方向の斜交部材48、48を介して連結金具54、54を配置し、連結金具54の接続板49に設けた差込穴51とバンド部材41に溶接接合されたナット52とを咬み合わせ、ボルト64を用いそれぞれ締め付け、左右対称形に固定する(図4参照)。斜交部材48、48と連結金具54、54も連結ピン47で連結する。バンド部材41にナット52を溶接接合することは、水流の抵抗を僅かに増加させるが、バンド部材41にボルト46接合用のネジを削孔することによる強度の低下を防止することができる。
【0024】
固定バンド40に内接接合された駆動手段50の拡張力は、斜交部材48、48とバンド部材41の結合により支配されている駆動手段50側の約180度と、アーチ構造の約180度に区分され作用する。このように区分され作用する場合、連結金具54で固定バンド40を分割し、駆動手段50を2カ所装着し、固定バンド40を同時に拡張するのとほぼ同様の作用が確認されている。
【0025】
固定バンド40は2分割若しくは3分割して埋設管の管体10に搬入されるバンド部材41より成り、その接合は上記筋交い拡径工法70の均等な拡張作用により、固定バンド40の拡張点を一箇所とすることを可能にする。鋼製のバンド部材41には蝶番としてリング55をそれぞれ溶接し、拡径締め付け前に蝶番のリング55にシャフト56を挿入することにより蝶番接合が可能となる。
【0026】
管体10の内径は公称内径に対し許容公差を有しており、弾性体である環状体31は圧縮及び伸びにより許容公差に対応可能であるが、固定バンド40は、最終接合部の機能として、許容公差に対応可能な長さの調節機能と、環状体31を均等に圧縮し止水性を保持する機能とが要求される。
【0027】
長さの調節機能は、拡径後の固定バンド40の両端を連結板61にボルト64を挿通し固定する方法であり、連結板61はバンド部材41と合致する曲率とする。連結板61に設ける調節長孔62は締め付けボルト64が仮に緩んでも、環状体31の止水性が低下しない構造とするため、ボルト穴を重ね合わせて連続することで、長さの調節機能と緩み防止機能を確保する。環状体31の止水性から、直径上の圧縮変化量を2mm程度許容すれば、ボルト穴の重ね合わせ間隔は、円周換算で7mm以下とする必要があり、ボルト64の直径は12mm程度とし、ボルト穴は出来るだけボルト64の直径と近くすることが効果的である。更に連結板61の他の一方の微調節長孔63として、ボルト穴の重ね合わせ間隔だけ調節可能な長さとすることで、許容公差内の調節が無段階に可能となり、ボルト64の緩みによる環状体31の緩みを最小として止水性の低下を防止することができる。
【0028】
固定バンド40の長さ調節により環状体31から外れるバンド部材41の空白部の止水性を確保する。このために空白部にバンド部材41と同じ厚みと曲率を有する補足材65を、環状体31の応力集中突条35が圧縮されるように挟み込み保持する。これによりバンド部材41の両端と連結板61とをボルト64で固定し止水性が確保される。66はめねじ部、67は油圧配管を夫々示す。
【0029】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成され作用するものであるから、老朽管の補強資材をマンホールから搬入可能とすることで、地域住民への影響が少なく、短期間で工事が完了し、送水能力も低下させず、耐震性と耐食性機能を付加し、より高規格の埋設管路として構成されるという効果を奏する。この効果によって特徴付けられる本発明は、弾性変形曲げ加工の薄板SUS304鋼板を用いた低損失水頭型の環状体及び固定バンドを、筋交い拡径工法を適用して既設の埋設管を補強するという、総合的な新工法の開発によりもたらされた成果である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に係る埋設管の性能向上が可能な耐震性管更生工法に於ける管接続装置の実施例に関する説明のための断面図。
(b)弾性曲げ巻き込み管製造機の説明図。
【図2】同上の装置に使用する部材等の説明のための分解斜視図。
【図3】(a)固定バンド最終接続部の平面図。
(b)同じく側面図。
(c)同じく横断図。
【図4】同上の装置に適用する筋交い工法を説明するための断面図。
【図5】同上の装置に使用する連結金具の断面図。
【図6】同上の装置に使用する部材と駆動手段との関係を示す断面図。
【図7】同じく環状体の説明のための拡大断面図。
Claims (3)
- 既設の管路を更生する目的で既設の管体内に新たに補強管を装着するに当たり、既設の管体の内側に、鋼板を巻き込むことにより形成した補強管を配置し、各補強管の端部を接続する管更生工法において、
マンホールのように小規模の搬入口から搬入可能とするために、鋼板を弾性変形曲げ加工のみによりロール状に巻き込むとともに紐類を用いて結束加工した鋼板を有し、既設の管体内に搬入後結束を解き、既設の管体の内面にほぼ密着するように鋼板の弾性変形を復原拡径し、拡径したものの管軸方向に沿う端辺を溶接することにより円筒状、かつ、1個の既設の管体と同じ長さの補強管を形成し、これによって補強管と既設の管体とが一体に形成された更生管と、
この更生管の端部同士を可撓的、水密的かつ伸縮可能に接続するために、弾性材料より成り、外面に全周にわたって設けられる複数の止水突条と、環状体内面に全周にわたって設けられる応力集中突条とを具備し、固定部材の拡径締め付けにより、止水突条に対して応力集中をなすとともに、上記拡径締め付けにより、止水突条が圧縮されるのに併せて、環状体の管体内の流れ方向の両端部も圧縮されるようにし、さらに相対的に肉厚とする環状体中央部の剛性の高まりを緩和するため環状体中央部外面に全周にわたって複数の肉抜き部を設けた環状体と、
環状体を内面に固定することにより、更生管同士を接続するために、更生管の内面に固定され、環状体に対する拡径締め付けによる均等な拡張作用によって環状体の材厚が薄くなり、かつ環状体のはみ出しを最小とし水流の抵抗を極少とした固定部材とから構成されることを特徴とする耐震性管更生工法に於ける管接続装置。 - 管体内径は公称内径に対し許容公差を有しており、弾性体である環状体は圧縮及び伸びにより許容公差に対応可能であるが、固定バンドは、最終接合部の機能として、許容公差に対応可能な長さの調節機能と、環状体を均等に圧縮し止水性を保持する機能とを有しており、長さの調節機能は、拡径後の固定バンドの両端を連結板にボルトを挿通して固定する方法とし、連結板は固定バンドと合致する曲率とし、調節長孔は締め付けボルトが仮に緩んでも、環状体の止水性が低下しない構造とするため、ボルト穴を重ね合わせて連続することで、長さの調節機能と緩み防止機能を確保し、連結板の一方の微調節長孔は、ボルト穴の重ね合わせ間隔だけ調節可能な長さとすることで、許容公差内の調節が無段階に可能とし、ボルトの緩みによる環状体の緩みを最小とし止水性の低下を防止するとともに、固定バンドの長さ調節により環状体から外れるバンド部材の長さ方向の端部間の空白部の止水性を確保するために、バンド部材と同じ厚みと曲率を有する補足材により、空白部を形成しているバンド部材を、環状体の応力集中突条が圧縮されるように左右両側から挟み込み保持するようにした請求項1記載の耐震性管更生工法に於ける管接続装置。
- 狭い管体内での人力施工を可能にするため、固定バンドの拡径により環状体に均等な圧縮力を加えるために、固定バンドの両端部より弧長約90度を筋交いで結合し、この固定バンドの両端部にジャッキを挿入し、口径に拘らず1箇所で拡径するようにした請求項2記載の耐震性管更生工法に於ける管接続装置。
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