JP3820306B2 - 摩耗試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は摩耗試験装置に関し、特に人工関節用材料等の生体材料の摩耗試験に良好に用いることができる摩耗試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体材料の摩耗試験に関しては、ピンと称する丸棒状試験片と一方向に回転するディスク状試験片との組み合わせからなるピンオンディスク方式の摩耗試験装置、前記ピンの代わりにリングを用いるリングオンディスク方式の摩耗試験装置、前記ピンの代わりにディスクを用いるディスクオンディスク方式の摩耗試験装置、ピンと往復線運動する板状試験片体との組み合わせからなるピンオンプレート方式の摩耗試験装置等が知られている。
そして前記各種の摩耗試験装置のうち、ポリエチレンのようなプラスチックス材料も対象となる人工股関節材料や人工膝関節材料等、人工関節材料としての生体材料の摩擦摩耗性能を評価する基礎的段階に用いられる試験装置としては、ピンオンディスク方式の摩耗試験装置とピンオンプレート方式の摩耗試験装置がある。
前記ピンオンディスク方式の摩耗試験装置とピンオンプレート方式の摩耗試験装置とを比較した場合、両方式での試験結果は被試験材料において必ずしも同様な傾向とはならず、信頼性に問題があった。
そして、どちらかと言えば、往復運動を伴うピンオンプレート方式の摩耗試験装置の方が生体の動きに近いということで信頼度が高いとされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記ピンオンプレート方式の摩耗試験装置は、潤滑液を入れた容器内において板状試験片を、該板状試験片だけを水平方向に往復運動させるか或いは板状試験片を容器と共に水平方向往復運動をさせる必要があり、装置が機械構造上において複雑となって安定性に不安が生じ、且つ高価になるという問題があった。一般に生体材料用の摩耗試験装置は1000ないし1500時間という長期連続運転が必要となる場合もあり、装置の安定性は非常に重要なことである。
また、人工関節材料等の摩耗試験における別の問題は、潤滑液対策である。即ち、人工関節材料の摩耗試験の場合、潤滑液として、人体の関節液と成分が類似している血清や、疑似体液としてのヒアルロン酸ナトリウム水溶液や、タンパク質を混入した溶液をはじめ各種の体液等を用い、これを人体の体温付近の温度にして、長時間の摩耗試験に用いる必要があるので、潤滑液を長期間にわたって一定の良好な状態に保持するために潤滑液を摩耗試験途中において交換したり、また水分の蒸発逃散を防いだり、或いはそのための管理作業をスムーズに行えるようにする必要がある。また潤滑液によって周辺部品が腐食したりする等の悪影響を防止する必要があり、さらに容器等から潤滑液への異物の溶出や混入等による悪影響等を考慮する必要がある。
【0004】
そこで、本発明は上記摩耗試験装置における問題点を解消し、構造が複雑となることなく、人工関節材料等の生体材料の摩耗の状況により即した状況での摩耗試験を行うことができ、また潤滑液の取り換え等の管理が作業性よく行え、また潤滑液の性状を良好に保持することができ、全体として作業性がよく且つ試験の信頼性を得ることができる摩耗試験装置の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の摩耗試験装置は、ディスク状試験片1aを着脱自在に固定させると共に潤滑液を充填することができるようにした容器本体10と、該容器本体10を着脱自在に固定する回転基盤20と、該回転基盤20の回転駆動手段30と、ピン状試験片1bを保持すると共に前記容器本体10に対して上方から侵入してピン状試験片1bを前記ディスク状試験片1a面に当接させるピン状試験片押し付け手段40と、該ピン状試験片押し付け手段40に対して一定の荷重を負荷する荷重負荷手段50と、前記回転駆動手段30による前記回転基盤20の回転を一定のタイミングで正逆回転させるコントローラ60とを少なくとも有する摩耗試験装置であって、前記ピン状試験片押し付け手段40は、ピン状試験片1bを着脱自在に差し入れて保持するピン状試験片保持具41と、該ピン状試験片保持具41を着脱自在に差し入れて保持する押し付け軸42とを有し、荷重負荷手段50とは着脱自在に結合されると共に、前記荷重負荷手段50は、レバー52の一端側に支点を、途中位置に荷重点を持ち、また他端側に錘53を調節自在に取り付け、且つ前記ピン状試験片押し付け手段40の押し付け軸42を、前記荷重負荷手段50のレバー52の荷重点において連結ピン45によってレバー52に連結すると共に固定台77に固定されたボールスプライン75によって上下垂直方向に姿勢を保持させてあることを第1の特徴としている。
また本発明の摩耗試験装置は、上記第1の特徴に加えて、容器本体10の動きに対して非従動の静止状態の蓋体80を配置し、これによって容器本体10の上面開口を蓋することを第2の特徴としている。
また本発明の摩耗試験装置は、上記第2の特徴に加えて、蓋体80はピン状試験片押し付け手段40によって着脱自在に支持されて、容器本体10の上面開口を蓋するように構成されていることを第3の特徴としている。
また本発明の摩耗試験装置は、上記第2の特徴に加えて、蓋体80は、容器本体10の外側に接することなく設けられた固定の支持体によって着脱自在に支持されて、容器本体10の上面開口を蓋するように構成されていることを第4の特徴としている。
【0006】
上記第1の特徴を有する摩耗試験装置においては、容器本体を着脱自在に回転基盤に固定し、ディスク状試験片を容器本体に着脱自在に固定した後、潤滑液を容器本体に適当な液位まで充填する。一方、ピン状試験片押し付け手段に前記ディスク状試験片と対をなすピン状試験片を保持させ、このピン状試験片押し付け手段でもってピン状試験片をディスク状試験片の面に当接させた状態とする。そして荷重負荷手段によりピン状試験片押し付け手段に一定の荷重負荷を継続負荷した状態とし、コントローラによって回転駆動手段を介して前記回転基盤を一定のタイミングで正逆回転させる。
コントローラによって回転基盤を、単純な一方向の回転ではなく、往復移動を含むような正逆2方向回転とすることで、ディスク状試験片とピン状試験片とによる往復摺動を含むような回転摺動となり、人工関節用生体材料の摩耗試験としては、従来のピンオンプレート方式における試験片同士の往復摺動的な要素、或いは関節における動き始めの影響が取り入れられた、より現実の生体の動きに近い状態での摩耗試験を行うことができる。
一方、摩耗試験装置としては、従来のピンオンプレート方式の装置のように往復直線運動させる必要がなく、往復回転運動を利用するので、駆動装置やその周辺の機構を単純で簡単なものとすることができる。
前記正逆回転は、正方向の回転と逆方向の回転を複数回転づつ行う仕方、正逆一回転づつ行う仕方、正逆を一回転未満づつ行う仕方等、試験が行われる材料が実際にどのような環境において使用されるのかという条件に応じて適当な正逆回転の仕方が選ばれることになる。勿論、正回転と逆回転の回転数を異ならしめて行うようにすることもできる。
また容器本体は回転基盤に対して着脱自在であるので、容易に取り外すことができ、潤滑液の交換や容器本体内の洗浄やその他、容器本体に対する作業上において便利である。
またディスク状試験片も容器本体に対して着脱自在であるので、作業が行い易い。
【0007】
また上記第1の特徴を有する摩耗試験装置においては、ピン状試験片押し付け手段は、ピン状試験片を着脱自在に差し入れて保持するピン状試験片保持具と、該ピン状試験片保持具を着脱自在に差し入れて保持する押し付け軸とを有することで、ピン状試験片の取り付け作業が容易になる。即ち、比較的小さい寸法であるピン状試験片はそれより多少大きい寸法としたピン状試験片保持具に先ず取り付け、このピン状試験片を取り付けた保持具をより寸法の大きな押し付け軸に取り付けることで、ピン状試験片をいきなり大寸法の押し付け軸に取り付けるよりも作業が随分容易となる。また種々の寸法のピン状試験片に対して色々なピン状試験片保持具を容易しておくことで、大寸法の押し付け軸を取り換えることなく、種々のピン状試験片を押し付け軸にセットすることができる。
たピン状試験片押し付け手段と荷重負荷手段とを着脱自在とすることで、両者のそれぞれの取り扱いを、他方の部材によって制限されることなく、行うことができる。
【0008】
また上記第の特徴を有する摩耗試験装置においては、荷重負荷手段をレバーで構成することで、簡単な構成で荷重を容易にピン状試験片押し付け手段に加えることができる。またピン状試験片押し付け手段との連結ピンを外し、レバーを上昇させることで、レバーに邪魔されることなく容易にピン状試験片押し付け手段を上下方向に上げ下げすることができ、よってピン状試験片押し付け手段の下端側を容易に容器本体から脱出させたり侵入させたりする作業ができると共に、ピン状試験片の取り付け、取り外し作業も容易に行うことができる。
【0009】
上記第2の特徴を有する摩耗試験装置においては、容器本体の動きに対して非従動の静止状態の蓋体を容器本体に対して配置することで、容器本体内に入れられている潤滑液が容器本体外へ飛び出たり、蒸発逃散するのを防止し、潤滑液の性状の安定性を図ることができる。また容器本体を蓋することで、潤滑液の温度の安定性を増すことができる。勿論、潤滑液が外部に飛び出たりするのを防止することができる他、外部から異物が容器内に入るのを防止することができる。
回転運動される容器本体に対して、蓋体を静止状態に保持するためには、勿論、蓋体を容器本体以外の構成物で支持する必要がある。即ち、蓋体の支持は容器本体以外のもので行い、且つその蓋体の機能としては容器本体の蓋としての役割をなすようにすればよい。そしてこの場合、蓋体に対して容器本体が接触して摺動するように蓋体を配置させるようにしてもよいし、また非接触で近接した状態に配置させてもよい。
【0010】
上記第3の特徴を有する摩耗試験装置においては、蓋体はピン状試験片押し付け手段を利用して、支持されるようになされている。このようにすれば、蓋体を支持するための他の特別な構成物は必要がなくなる。勿論、この場合には、試験運転中に多少の上下方向移動が予測されるピン状試験片押し付け手段に対して、上下方向に適当にスライドしたり伸縮するような状態で蓋体がピン状試験片押し付け手段に取り付けられる必要がある。
【0011】
上記第4の特徴を有する摩耗試験装置においては、容器本体の蓋として機能する蓋体は、その配置としては、容器本体の外方に別に構成された固定の支持体によって、容器本体の動きに従動されることなく確実に支持することができる。
前記固定の支持体は、例えば容器本体の周囲を囲むように設けられた固定壁や枠体であってもよい。また数本の固定の支持柱を立設してもよい。前記支持体を容器本体の周囲を完全に囲む固定周壁とする場合には、その固定周壁の蓋としても機能する蓋体を用意することで、容器本体内の潤滑液が容器本体から出ないようにすることができると共に、例えシール構造が不十分で容器本体から漏れ出たとしても、前記固定周壁から更に外へは漏れ出るのを確実に防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態である摩耗試験装置の全体を示す正面図、図2は摩耗試験装置の全体を示す平面図、図3は図1のA−A矢視図、図4は摩耗試験装置の容器本体付近の詳細図、図5は図1のB矢視図である。
【0013】
ディスク状試験片1aを取り付ける容器本体10は固定ピン11によって回転基盤20に対して着脱自在に固定され、該回転基盤20は回転駆動手段30によって回転がなされる。
一方、ピン状試験片1bはピン状試験片押し付け手段40に取り付けられ、このピン状試験片押し付け手段40は、荷重負荷手段50によって荷重が負荷される。装置全体の制御はコントローラ60によってなされる。
【0014】
前記容器本体10は、その内底上に固定ピン12によりディスク状試験片1aを着脱自在に固定させるようにしており、また容器本体10内には、潤滑液2を適当な液位まで充填することができるようになっている。
前記ディスク状試験片1a及びピン状試験片1bは、例えば人工関節用材料とすることができ、またより一般的には生体用材料とすることができる。さらに一般的には、種々の液体等の中で用いられる材料とすることができる。
前記潤滑液2は、試験片1a、1bが人工関節用材料や生体用材料の場合には、人体の関節液の成分やそれと類似している血清、また疑似体液としてのヒアルロン酸ナトリウム水溶液、タンパク質を混入した溶液、その他の体液成分やそれに近い液が用いられる。
また潤滑液2は、試験片1a、1bが人工関節用材料や生体用材料の場合には、人体の体温やその他用いられる生体の環境の温度で用いられる。この場合の潤滑液2の温度調節は、容器本体10内に電気ヒータ71を含めた温度調節機構を設備することで行うことができる。潤滑液2の温度は温度センサ72で検出することができる。検出された値はコントローラ60に入力せられ、所定の潤滑液2温度となるように電気ヒータ71が制御せられる。
前記容器本体10は、特に人工関節用材料や生体用材料の試験を行う場合等において、潤滑液2への金属イオンの溶け込みによる、摩耗試験の環境への悪影響や試験片1a、1bへの悪影響を予防するため、容器本体10の材料を、例えばガラス繊維強化樹脂やポリアセタール樹脂等の強度の高いプラスチックスやその他の金属イオンの溶出の少ないプラスチックスとすることができる。またアルミナ等のファインセラミックスで製作することができる。
【0015】
前記回転駆動手段30は、駆動モータ31と、該駆動モータ31による回転駆動を伝達する一対のプーリ32、33及びベルト34と、従動軸35と、軸受け機構36等からなり、駆動モータ31の回転を適当に減速して或いはせずに従動軸35に伝えて、回転させる。従動軸35の回転速度はコントローラ60によって調節できるようにすることができる。
前記従動軸35に対して前記回転基盤20が一体に取り付けられ、或いは一体成形せられている。これによって回転基盤20は所定の速度で回転を行う。
73は基台で、該基台73は不動状態で且つ堅固に構成されており、前記軸受け機構36を保持すると共に、上面に非接触で前記回転基盤20を配置せしめている。
【0016】
前記ピン状試験片押し付け手段40は、ピン状試験片1bをディスク状試験片1aの上面に当接状態にセットするための手段で、ピン状試験片保持具41と、押し付け軸42とを有する。
前記ピン状試験片保持具41は、ピン状試験片1bよりも多少大きい形状ないし寸法に構成することで、作業者による取り扱いを容易にしており、下端にピン状試験片1bを差し込んで保持するための差し込み穴41a を形成している。ピン状試験片1bは、必要に応じて金属等の硬度のあるスペーサ74を介して、差し込み穴41a に差し込まれ、保持される。
前記ピン状試験片保持具41は、ピン状試験片1bの外径寸法や長さ等に応じて差し込み穴41a の寸法を異ならしめてなる複数種類を予め用意しておくことができる。このようにすることで、ピン状試験片1bの寸法に応じたピン状試験片保持具41を選ぶことができ、その選んだピン状試験片保持具41を押し付け軸42に差し込んで、保持させることができる。
前記押し付け軸42には、その下端に前記ピン状試験片保持具41の頭部を差し込むための差し込み穴42a が設けられている。押し付け軸42の差し込み穴42a の形状寸法は一種類とし、前記必要に応じて複数個用意されるピン状試験片保持具41において共通の寸法を有する差し込み頭部41b を受け入れる。
前記押し付け軸42は前記ピン状試験片保持具41を保持すると共に自身も垂直方向に保持されて、前記ピン状試験片1bを前記容器本体10内に取り付けられたディスク状試験片1aの上面に垂直方向に当接させる垂直軸としての役割をなす。
また押し付け軸42の上端には荷重計43が連結されており、さらに荷重計43の上端で、二股連結具44を介して連結ピン45により着脱自在に荷重負荷手段50のレバー52に連結されている。これによって荷重負荷手段50による荷重が二股連結具44、荷重計43を介して押し付け軸42に負荷され、さらにピン状試験片保持具41を介してピン状試験片1bに負荷される。前記荷重計43によって加わる荷重が測定される。
前記押し付け軸42は、ボールスプライン75によって上下垂直方向に姿勢を保持されて摺動することができるようになされている。ボールスプライン75は、立設せられた複数の固定柱76によって固定された固定台77に固定されている。
【0017】
前記荷重負荷手段50は、前記固定台77によって固定された支点ブロック51と、該支点ブロック51によって上下方向に回動自在に支持されるレバー52を有し、該レバー52の先端側に錘53が吊り下げられると共にレバー52の基端側にはバランサー54が設けられている。
前記支点ブロック51はその上半部に溝51a が構成されており、その溝51a にレバー52が嵌まり込んだ形で、支軸51b により回動自在にピン止めされている。この支軸51b がレバー52の回動の支点となる。
前記支点ブロック51に構成した溝51a の深さは、連結ピン45を外してレバー52とピン状試験片押し付け手段40とを分離した際に、レバー52を十分上方へ退避させてピン状試験片押し付け手段40の上方への移動距離を十分に確保できるように十分な切れ込み深さとしている(図5参照)。
前記レバー52は、その途中位置において、ピン状試験片押し付け手段40の二股連結具44と連結ピン45で着脱自在に連結され、荷重点を構成している。
レバー52は錘53によってその荷重をピン状試験片押し付け手段40に負荷し、ピン状試験片1bをディスク状試験片1a上に押し付ける。
一方、前記連結ピン45を外すことでレバー52を上方に退避させ、これによってピン状試験片押し付け手段40を障害物なしに十分引き上げて、ピン状試験片1bやピン状試験片保持具41の容器本体10外での取り付け、取り外し作業を容易ならしめる。
【0018】
前記容器本体10に対しては、その上面開口を蓋するための蓋体80を設ける。該蓋体80は、その機能としては、容器本体10の上面開口から潤滑液2が飛び出たり漏れたりしないように、また潤滑液2の揮発放散を抑制し、或いは潤滑液2の放熱を抑制する等、潤滑液2の状態を安定的に長時間保持する役割を果たすためのものである。その一方、蓋体80の機械的な構成としては、容器本体10の回転動作に従動することなく、静止状態で保持されるものである。即ち、蓋体80は回転状態の容器本体10に対し接触状態で静止するようにするか或いは非接触で近接した状態とすることで、上記機能を保有させる。
蓋体80の支持の仕方は、例えば、図に示すように、該蓋体80を容器本体10に対してフリーであるピン状試験片押し付け手段40によって支持することができる。この場合は、蓋体80に対してピン状試験片押し付け手段40の押し付け軸42を貫通させた状態とすると共に蓋体80の一部でもって押し付け軸42に対して着脱自在に取り付けることで支持を達成できる。押し付け軸42への蓋体80の取り付けは、蓋体80が容器本体10に対して摺動状態となるか或いは容器本体10から若干浮いた状態になるように取り付ける。勿論、蓋体80は押し付け軸42に対して上下移動が可能となるように取り付けることができる。この場合には、作業者によって手動的に蓋体80の位置を調節し、或いは蓋体80が容器本体10に当接することで自動的に押されて位置調整がなされるようにすることができる。
他方、蓋体80を別に構成した固定の支持体によって支持するようにしてもよい。前記固定の支持体は、例えば、基台73上に容器本体10とは非接触にその周囲を囲むように固定周壁や固定の枠体を構成し、これらで蓋体80を支持するようにすることもできる。前記支持体を容器本体10の周囲を完全に囲む固定周壁とする場合には、蓋体80でその固定周壁をも蓋するように構成することで、容器本体10内の潤滑液2が該容器本体10から出ないようにすることができると共に、例えシール構造が不十分で容器本体10から漏れ出たとしても、固定周壁から外へは漏れ出ないようにすることができる。
【0019】
前記蓋体80を容器本体10に対して非従動で静止状態とすることで、該蓋体80を貫通させて、電気ヒータ71の配線や温度センサ72の配線を容易に設備することができる。また摩耗試験中において蓋体80を外して、容器本体10内の様子を見たり、また液の取り換え等も容易に行うことができる。
蓋体80の材質は、人工関節材料等の生体材料としての試験片1a、1bに悪影響を及ぼすような金属イオンの溶出を防止するためには、例えば硬質ポリ塩化ビニール等のプラスチックスとすることができる。
【0020】
尚、本装置には温度センサ72等の他に、試験片1a、1bの摩擦係数を測定する装置を付設することができる。
【0021】
前記コントローラ60は装置全体の制御を行うと共に駆動モータ31の正逆回転のタイミングを制御する。このコントローラ60による駆動モータ31の正逆回転の制御は、正方向の回転と逆方向の回転の程度を、回転数或いはサイクル時間によって予め設定できるようにし、また1回転未満の回転における正方向と逆方向の回転角度を予め設定できるようにし、これによって駆動モータ31を正逆複数回転づつ、正逆一回転づつ、正逆一回転未満づつ等、正逆数回転のタイミングを自由に設定できるようにすることができる。これによって、試験される材料の条件に応じて適当な摩耗試験を行うことができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上の構成及び作用からなり、請求項1に記載の摩耗試験機によれば、ディスク状試験片を着脱自在に固定させると共に潤滑液を充填することができるようにした容器本体と、該容器本体を着脱自在に固定する回転基盤と、該回転基盤の回転駆動手段と、ピン状試験片を保持すると共に前記容器本体に対して上方から侵入してピン状試験片を前記ディスク状試験片面に当接させるピン状試験片押し付け手段と、該ピン状試験片押し付け手段に対して一定の荷重を負荷する荷重負荷手段と、前記回転駆動手段による前記回転基盤の回転を一定のタイミングで正逆回転させるコントローラとを少なくとも有することにより、
摩耗試験の試験片同士の相対的な動きを、単純な回転摺動ではなく、ディスク状試験片とピン状試験片とによる往復摺動を含むような回転摺動とすることができる。よってまた人工関節用生体材料の摩耗試験としては、従来のピンオンプレート方式における試験片同士の往復摺動的な要素、或いは関節における動き始めの影響が取り入れられた、より現実の生体の動きに近い状態での摩耗試験を行うことができる。
しかも摩耗試験装置としては、従来のピンオンプレート方式の装置のように往復直線運動させる必要がなく、往復回転運動を利用するので、駆動装置やその周辺の機構を単純で簡単なものとすることができる。
またディスク状試験片を取り付けたり潤滑液を充填する容器本体を、回転基盤に対して着脱自在としたので、容器本体を容易に取り外して、試験片の取り換えや潤滑液の交換、容器本体内の洗浄、その他容器本体に対する作業を容易に且つ速やかに行うことができる。
また請求項に記載の摩耗試験装置によれば、ピン状試験片押し付け手段は、ピン状試験片を着脱自在に差し入れて保持するピン状試験片保持具と、該ピン状試験片保持具を着脱自在に差し入れて保持する押し付け軸とを有し、荷重負荷手段とは着脱自在に結合されているので、
ピン状試験片を先ずピン状試験片保持具に取り付け、これをさらに押し付け軸に取り付けることができるので、ピン状試験片をいきなり大寸法の押し付け軸に取り付ける場合に較べて、ピン状試験片の取り付け作業を容易にすることができる。
また複数種類のピン状試験片保持具を用意しておくことで、大寸法の押し付け軸を取り換えることなく、種々のピン状試験片に対してその取り付けを容易に行うことができる。
たピン状試験片押し付け手段と荷重負荷手段とが着脱自在であるので、互いに取り外すことで、それら各手段の取り扱いを、他方の手段によって制限されることなく、容易に行うことができる。
また請求項に記載の摩耗試験装置によれば、荷重負荷手段は、レバーの一端側に支点を、途中位置に荷重点を持ち、また他端側に錘を調節自在に取り付けているので、
荷重負荷手段をレバーで構成することで、簡単な構成で荷重を容易にピン状試験片押し付け手段に加えることができる。
またピン状試験片押し付け手段の押し付け軸を、前記荷重負荷手段のレバーの荷重点において連結ピンによってレバーに連結すると共に固定台に固定されたボールスプラインによって上下垂直方向に姿勢を保持させてあるので、
連結ピンとボールスプラインとによって押し付け軸を確実に上下垂直方向に姿勢保持させることができる。
またピン状試験片押し付け手段との連結ピンを外し、レバーを上昇させることで、レバーに邪魔されることなく容易にピン状試験片押し付け手段を上下方向に上げ下げすることができる。よってまたピン状試験片押し付け手段の下端側を容易に容器本体から脱出させたり侵入させたりする作業ができると共に、ピン状試験片の取り付け、取り外し作業も容易に行うことができる。
また請求項に記載の摩耗試験装置によれば、請求項1に記載の構成による効果に加えて、容器本体の動きに対して非従動の静止状態の蓋体を配置し、これによって容器本体の上面開口を蓋することとしたので、
容器本体内の潤滑液が容器本体外へ飛び出たり、蒸発逃散するのを防止し、潤滑液の性状の安定性を図ることができる。また外部から異物が容器本体内に入るのを防止することができる。
また請求項に記載の摩耗試験装置によれば、請求項2に記載の構成による効果を加えて、蓋体はピン状試験片押し付け手段によって着脱自在に支持されて、容器本体の上面開口を蓋するように構成されているので、
蓋体を支持するための他の特別な支持構成物を設ける必要がなくなる。
また請求項に記載の摩耗試験装置によれば、請求項に記載の構成による効果に加えて、蓋体は、容器本体の外側に接することなく設けられた固定の支持体によって着脱自在に支持されて、容器本体の上面開口を蓋するように構成されているので、
蓋体を容器本体の動きに従動されることなく確実に支持することができる。固定の支持体を容器本体の周囲を完全に囲む固定周壁とする場合には、容器本体内の潤滑液が容器本体から出ないようにすることができると共に、例えシール構造が不十分で容器本体から漏れ出たとしても、前記固定周壁から更に外へは漏れ出るのを確実に防止することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である摩耗試験装置の全体を示す正面図である。
【図2】実施の形態である摩耗試験装置の全体を示す平面図である。
【図3】図1のA−A矢視図である。
【図4】摩耗試験装置の容器本体付近の詳細図である。
【図5】図1のB矢視図である。
【符号の説明】
1a ディスク状試験片
1b ピン状試験片
2 潤滑液
10 容器本体
20 回転基盤
30 回転駆動手段
40 ピン状試験片押し付け手段
41 ピン状試験片保持具
42 押し付け軸
45 連結ピン
50 荷重負荷手段
52 レバー
53 錘
60 コントローラ
80 蓋体

Claims (4)

  1. ディスク状試験片1aを着脱自在に固定させると共に潤滑液を充填することができるようにした容器本体10と、該容器本体10を着脱自在に固定する回転基盤20と、該回転基盤20の回転駆動手段30と、ピン状試験片1bを保持すると共に前記容器本体10に対して上方から侵入してピン状試験片1bを前記ディスク状試験片1a面に当接させるピン状試験片押し付け手段40と、該ピン状試験片押し付け手段40に対して一定の荷重を負荷する荷重負荷手段50と、前記回転駆動手段30による前記回転基盤20の回転を一定のタイミングで正逆回転させるコントローラ60とを少なくとも有する摩耗試験装置であって、前記ピン状試験片押し付け手段40は、ピン状試験片1bを着脱自在に差し入れて保持するピン状試験片保持具41と、該ピン状試験片保持具41を着脱自在に差し入れて保持する押し付け軸42とを有し、荷重負荷手段50とは着脱自在に結合されると共に、前記荷重負荷手段50は、レバー52の一端側に支点を、途中位置に荷重点を持ち、また他端側に錘53を調節自在に取り付け、且つ前記ピン状試験片押し付け手段40の押し付け軸42を、前記荷重負荷手段50のレバー52の荷重点において連結ピン45によってレバー52に連結すると共に固定台77に固定されたボールスプライン75によって上下垂直方向に姿勢を保持させてあることを特徴とする摩耗試験装置。
  2. 容器本体10の動きに対して非従動の静止状態の蓋体80を配置し、これによって容器本体10の上面開口を蓋することを特徴とする請求項1に記載の摩耗試験装置。
  3. 蓋体80はピン状試験片押し付け手段40によって着脱自在に支持されて、容器本体10の上面開口を蓋するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の摩耗試験装置。
  4. 蓋体80は、容器本体10の外側に接することなく設けられた固定の支持体によって着脱自在に支持されて、容器本体10の上面開口を蓋するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の摩耗試験装置。
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