JP3819822B2 - 加入者線によるデータ通信の二次利用方法及びシステム装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加入者線を利用したIP網において、通信の一部を有償で別のユーザに解放して二次利用させる方法及びその実施に直接使用するシステム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ADSL技術や光ファイバ技術などの発展により、固定網加入者線を利用したIP網での通信速度は飛躍的に向上している。条件が整えば、その通信速度は毎秒10メガビットにも達し、一般家庭でのデータの送受信には十分な余裕を持つ。
【0003】
例えば、この通信回線を動画データのリアルタイム配送に利用する場合、現在広く利用されている動画圧縮方式MPEG2の符号化レートは毎秒平均6メガビット相当であるため、差し引き約4メガビットの余裕がある。このような観点から、余剰となった通信回線容量を他のユーザに有償で貸与するサービスがいろいろと検討されている。
【0004】
その典型例は「ホットスポット」と呼ばれる、IEEE802.1「シリーズなどの名称で国際的に規格化された無線LAN技術を用いた携帯端末によるネットワークサービスである(例えば、後記公知文献1参照)。
【0005】
実効的な通信速度は毎秒1〜5メガビットしか得られないが、電子メールやHTMLファイルの閲覧であれぱ十分実用的な速度であり、前述の通信回線容量の余剰ともほぼ一致する値である。喫茶店やホテルのロビーなどの場所でも、この「ホットスポット」を設置したネットワークサービスが始まっている。
【0006】
図2は、家庭内通信設備αを保有する一般家庭などで、加入者線Lに無線LANのアクセスポイント4を接続し、「ホットスポット」として運用する例を示す。ここでは、加入者線Lによる高速ネットワークアクセス利用者を加入者線ユーザX、「ホットスポット」を利用するユーザをホットスポットユーザYと呼称して弁別する。
【0007】
図2のデータ通信システム動作を説明する。加入者線ユーザXは、屋内端末3を用いて途中加入者線網LN、IP網IPNを介してISPサーバ(インターネット・サービス・プロバイダサーバ)9に対するネットワークサービス要求を実行する。ネットワークサービスとは、例えば、電子メールの取得、HTMLデータの閲覧などであ、屋内端末3はそれらのサービスを実行するサーバ9のグローバルIPアドレス又はドメインネーム及びTCP/IPポート番号を受信先として指定する。
【0008】
この結果、屋内端末3は、ルータ装置2に対し、WAN側に向けてIP通信を要求するパケットを発行する。ルータ装置2は屋内端末3のWAN側に対する通信要求パケットを検知し、ISPサーバ9とのセッションを確立する手順に入る。セッション確立形式はPPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet(登録商標))に準じる(例えば、後記公知文献2参照)。
【0009】
ルータ装置2は、まずPPPoEディスカバリステージとして、PADI(PPPoE Active Discovery Initiation)パケットを、変換装置1、加入者線Lから加入者線設備β内の加入者線網LN、変換装置6、集線装置7を経由して、加入者管理装置8へ送出する。加入者管理装置8は、PADIパケットヘの返信としてPADO(PPPoE Active Discovery Offer)パケットをルータ装置2に送出する。
【0010】
ルータ装置2は、PADOパケットヘの返信としてPADR(PPPoE Active Discovery Request)パケットを加入者管理装置8へ送出し、加入者管理装置8は、再度この返信として、PPPoEセッションを区別するセッションIDを責めたPADS(PPPoE Active Discovery Session−confirmation)パケットを送出し、ルータ装置2はセッションIDを入手する。
【0011】
以下、入手したセッションIDに従い、ルータ装置2は、予め記憶しておいた、ISPサーバ9を識別するグローバルIPアドレス又はドメインネーム、加入者線ユーザXのISPサーバ9に対するユーザIDとパスワードとを、CHAP/PAP手順で加入者管理装置8へ送出する。
【0012】
加入者管理装置8は、受け取ったグローバルIPアドレス又はドメインネームによってISPサーバ9を特定し、ISPサーバ9の認証サーバ10に対してユーザIDとパスワードを暗号化して送出する。ユーザIDとパスワードが正当であれば、認証サーバ10は接続を許可し、ISPサーバ9は、ルータ装置2に対し、WAN側端末としてのグローバルIPアドレスを付与する。
【0013】
ISPサーバ9からのグローバルIPアドレスを受領したルータ装置2は、ルータ装置2で持つNAT機能及びIPマスカレード機能によって、屋内端末3が発行したネットワークサービス要求を、ISPサーバ9及びそのサービス固有のTCP/IPポート番号に対して送受信し、サービスを享受する。
【0014】
PPPoEセッションの終了には3つの方法がある。
方法1:屋内端末3が、享受するサービスが完了し、屋内端末3とルータ装置2とのネットワーク接続が切られると、ルータ装置2は利用中のセッションIDを含めたPADT(PPPoE Active Discovery Terminate)パケットを加入者管理装置8へ送出し、加入者管理装置8及びISPサーバ9に対してセッションの終了を宣言する。
【0015】
方法2:加入者管理装置8が、ルータ装置2からのセッションの活性状態を確認するパケットを一定時間、例えば5分間受信できなかった場合、加入者管理装置8はルータ装置2へPADTパケットを送出してルータ装置2及びISPサーバ9に対してセッションの終了を宣言する。
【0016】
方法3:ルータ装置2が、加入者管理装置8からのセッションの活性状態を確認するパケットを一定時間、例えば3分間受信できなかった場合、ルータ装置2は加入者管理装置8へPADTパケットを送出し、加入者管理装置8及びISPサーバ9に対してセッションの終了を宣言する。
【0017】
ここで、一つの加入者線Lによるデータ通信を加入者線ユーザX以外に有償貸与する場合に課題となるのは、1加入者線LについてPPPoEを同時に1セッションしか認めていない場合、加入者管理装置8はセッションIDによってセッションの発生から終了までを監視できるが、そのセッションを利用しているのがどのユーザかを把握していない点である。
【0018】
加入者管理装置8は、ルータ装置2とのみ通信しているように判断していて、ルータ装置2の下で2人のユーザX,Yがそれぞれ異なる端末3,5を利用している図2のような状態を認識していない。すなわち加入者線Lに対して使用料は徴収できるが、その加入者線Lに繋がったユーザX,Y毎に個別に貸与課金する判断材料がない。
【0019】
また、加入者線ユーザXがISPサーバ9との通信セッションを実行中に、ホットスポットユーザYがISPサーバ11と接続したい場合は、一旦通信セッションを終了した上で、改めてルータ装置2とISPサーバ11とのセッションを確立しなければならず、効率的にも不便である。
【0020】
これに対して、1加入者線LについてPPPoEの複数セッションを認める加入者線も存在する。(例えば、後記公知文献2参照)。この場合は、ルータ装置2においても、同時に複数のセッションを構成しそれぞれ個別のサービスを受けられるマルチNATという機能を持つルータを適用できる。図2の例で言えば、加入者線ユーザXが、屋内端末3を用いてISPサーバ9と接続し、同時にホットスポットユーザYが、携帯端末5を用いてISPサーバ11と接続できる状態が構成できる。
【0021】
しかし、この場合でも、加入者管理装置8は、セッションIDによって複数のセッションの発生から終了までを監視できるが、どのユーザがそれぞれのセッションをどの程度利用しているのかは把握していない。この場合、各ユーザのIDと接続先であるISPサーバ9及び11の情報が加入者管理装置8まで届いているので、問題は加入者管理装置8がその情報を蓄積していない点にある。
【0022】
なお、公知文献1とは、日本アイ・ビー・エム株式会社、“ホットスポット スターターキット”平成14年3月18日、[online]、平成14年8月22日検索、インターネット<URL:http://www-6.ibm.com/jp/pc/service/hotspot/buy/index.html>である。
【0023】
又、公知文献2とは、東日本電信電話株式会社サービス開発部ネットワークサービス部門、“IP通信網サービスのインタフェース −フレッツシリーズ− 第5版”、平成14年6月26日、[Online]、平成14年8月22日検索、インターネット<URL:http://www.ntt-east.co.jp/flets/pdf/flets-tech.pdf>である。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、この問題の根源は、図2のルータ装置2よりもLAN側に何人ものユーザが通信を利用していたとしても、ルータ装置2から加入者線L(WAN)側に関しては、WAN側にあるサーバ等は、一つの加入者線Lに接続された一つの端末、すなわちルータ装置2とだけ通信している前提で、セッション毎の通信時間あるいは通信パケット量と言った情報を廃棄している点である。
【0025】
課題の解決のためには、WAN側、すなわち図2の加入者管理装置8において、この加入者線Lで発生した通信セッション毎に、どのユーザが、どの時間に利用開始及び終了していたかの把握が必要である。
【0026】
1つのルータを複数のセッションで共有する場合、WFQ(Weighted Fair Queueing)という技術によって、セッション毎の通信量の割り当て制御も可能であるが、それらのセッション間でのパケット量の調整がないルータも多く、本来複数セッション間で均等に利用すべき通信容量を特定のセッションだけが占有して他のセッションを排他する場合もある。
【0027】
ここにおいて、本発明の解決すべき主要な目的は、次の通りである。
即ち、本発明の第1の目的は、加入者線を利用したIP網において、通信の一部を有償で別のユーザに解放して二次利用を可能とする加入者線によるデータ通信の二次利用方法及びシステム装置を提供せんとするものである。
【0028】
本発明の第2の目的は、加入者線ではセッション毎の時間課金制御が可能とする加入者線によるデータ通信の二次利用方法及びシステム装置を提供せんとするものである。
【0029】
本発明の第3の目的は、更に必要に応じて、通信セッション毎に送受信したパケット数をカウントしておけば、通信量に応じた従量課金も可能とする加入者線によるデータ通信の二次利用方法及びシステム装置を提供せんとするものである。
【0030】
本発明のその他の目的は、明細書、図面、特に特許請求の範囲の各請求項の記載から自ずと明らかとなろう。
【0031】
【発明を解決するための手段】
本発明方法は、前記課題を解決するに当り、加入者線を利用したIP網において、通信の一部を有償で別のユーザに解放して二次利用させるため、そのユーザの認証と使用時間あるいは送受信したパケット数の把握を行い、そのユーザの利用時間あるいは情報量に応じた対価を、ユーザから徴収し、加入者線を運営する通信業者から加入者線ユーザに支払うことで、ネットワーク設備を共用しつつ、多数のユーザに対する、加入者線を利用したIP網の利用促進を計るようにした特徴的構成手法を講じる。
【0032】
本発明装置は、前記課題の解決に当り、非対象ディジタル加入者線や光ファイバーなどの加入者線を利用したデータ通信によって、家庭内通信設備と、加入者線設備を経由したインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)サーバとが通信するシステムを構築した装置において、前記家庭内通信設備は、前記加入者線からイーサネット(登録商標)信号を取り出す変換装置と、予め記憶しておいた複数の接続先と複数のユーザの識別ID及びパスワードを用いて複数のサーバと同時に通信するルータ装置と、有線あるいは無線によってルータ装置と接続する端末とで構成され、前記加入者線設備は、前記加入者線からイーサネット(登録商標)信号を取り出す変換装置と、イーサネット(登録商標)信号を束ねる集線装置と、ISPサーバとの接続を申請する前記ユーザの識別IDとパスワードとを暗号化して前記ISPサーバの認証サーバに問い合わせ、その結果を元に接続を承認する加入者管理装置と、接続したユーザの識別IDとその際に使用した前記加入者線の識別IDとを記憶しておく記憶装置と、当該記憶装置にそれぞれ記録したユーザ毎の預金情報とユーザ毎の接続履歴とを元に、前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザヘの加入者線の貸与対価を決済する決済サーバと、で構成されるようにした特徴的構成手段を講じる。
【0033】
更に、具体的詳細に述べると、当該課題の解決では、本発明が次に列挙するそれぞれの新規な特徴的構成手法又は手段を採用することにより、前記目的を達成するように為される。
【0034】
即ち、本発明方法の第1の特徴は、同時に複数の通信を確立する家庭内通信設備であるルータ手段を利用し、ユーザ利用端末が前記ルータ手段、加入者線、加入者線設備を通して接続したIP網を経てインターネット・サービス・プロバイダー(以下、ISP)サーバ手段と通信する場合の、前記加入者線設備が処理する方法であって、前記ルータ手段を介したユーザ利用端末からのISPサーバ手段との接続要求に対し、まず、前記加入者線からイーサネット(登録商標)信号を変換手段にて取り出し、当該イーサネット(登録商標)信号を受信した加入者管理手段にて、前記ルータ手段から送られるユーザの識別IDとパスワードを受け取り、前記ISPサーバ手段との接続を申請する前記ユーザの識別IDとパスワードとを暗号化して当該ISPサーバ手段と連携する認証サーバ手段に問い合わせ、その結果を元に接続を認証すると共に認証されたユーザ毎の接続を検出し、当該接続したユーザの識別IDとその際に使用した前記加入者線の識別IDとをその接続履歴ともども記憶手段にて記憶し、当該記憶手段にそれぞれ記録したユーザ毎の接続履歴を元に、前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザへの当該加入者線の貸与対価を算出してなる、加入者線によるデータ通信の二次利用方法の構成採用にある。
【0035】
本発明方法の第2の特徴は、上記本発明方法の第1の特徴における前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザへの貸与対価の算出が、前記ISPサーバ手段への接続時間の累計値による時間従量に基づく算出である、加入者線によるデータ通信の二次利用方法の構成採用にある。
【0036】
本発明方法の第3の特徴は、上記本発明方法の第1の特徴における前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザへの貸与対価の算出が、前記ISPサーバ手段と送受信したパケット数の累積値によるパケット従量に基づく算出である、加入者線によるデータ通信の二次利用方法の構成採用にある。
【0037】
本発明装置の第1の特徴は、同時に複数の通信を確立する家庭内通信設備であるルータ装置を利用し、ユーザ利用端末が前記ルータ装置、加入者線、加入者線設備を通して接続したIP網を経てインターネット・サービス・プロバイダー(以下、ISP)サーバと通信する場合の、前記加入者線設備が処理するシステムを構築した装置において、前記加入者線設備は、前記加入者線からイーサネット(登録商標)信号を取り出す変換装置と、イーサネット(登録商標)信号を束ねる集線装置と、前記ルータ装置から送られるユーザの識別IDとパスワードを受け取り、前記ISPサーバとの接続を申請する前記ユーザの識別IDとパスワードとを暗号化して当該ISPサーバと連携する認証サーバに問い合わせ、その結果を元に接続を承認するとともに承認されたユーザ毎の接続を検出し、さらにユーザ毎の接続履歴を元に、前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザへの当該加入者線の貸与対価を算出する加入者管理装置と、当該接続したユーザの識別IDとその際に使用した前記加入者線の識別IDとをその接続履歴ともども記憶しておく記憶装置で構成されてなる、加入者線によるデータ通信の二次利用システム装置の構成採用にある。
【0038】
本発明装置の第2の特徴は、上記本発明装置の第1の特徴における前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザヘ貸与対価の算出をする前記加入者線設備が、前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザヘ貸与対価の算出をする前記加入者線設備は、前記記憶装置にそれぞれ記録した前記ユーザ毎の前記ISPサーバへの接続時間の累計値による時間従量に基づく算出を行う前記加入者管理装置を具備されてなる、加入者線によるデータ通信の二次利用システム装置の構成採用にある。
【0039】
本発明装置の第3の特徴は、上記本発明装置の第1の特徴における前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザヘ貸与対価の算出をする前記加入者線設備が、前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザヘ貸与対価の算出をする前記加入者線設備は、前記記憶装置にそれぞれ記録した前記ユーザ毎の前記ISPサーバ手段と送受信したパケット数の累積値によるパケット従量に基づいて算出を行う前記加入者管理装置を具備されてなる、加入者線によるデータ通信の二次利用システム装置の構成採用にある。
【0040】
本発明の方法又は装置は、前記のように構成するから、加入者線を利用したユーザからの加入者線を所有するユーザヘ貸与対価の算出の場合に、接続したユーザの識別ID毎にISPサーバ又は手段ヘの接続時間を加入者管理手段又は装置で検出して、記憶手段又は装置で記憶して累計し、累計した接続時間に時間単価を乗じて貸与対価を算出し、決済サーバ又は手段にてそれぞれのユーザの預金額から決済する。
【0041】
あるいは、接続したユーザの識別ID毎にISPサーバ又は手段と送受信したパケット数を加入者管理手段又は装置で検出して、記憶装置で記憶して累計し、累計したパケット数にパケット単価を乗じて貸与対価を算出し、決済サーバ又は手段にてそれぞれのユーザの預金額から決済する。
【0042】
要するに、加入者線及び加入者管理手段又は装置は、1つの回線で複数の通信セッションを同時に確立でき、また加入者線に接続するルータ手段又は装置もマルチNAT機能によって複数のグローバルIPアドレスを持った複数の通信セッションが同時に確立できる。
【0043】
ルータ手段又は装置から加入者線を経由して複数の通信セッションを確立すると、加入者管理手段又は装置はそれぞれのセッションについてそのセッションを利用するユーザ情報、利用開始及び終了時間、送受信したパケット数などの通信セッションにかかわる情報を取得し、記憶手段又は装置に蓄積する。
【0044】
結果、ある一定の使用期間で、ユーザ毎に、累積利用時間、累積パケット数が累計できるので、記憶手段又は装置から累計結果を得た決済サーバ又は手段が、累計結果に課金量を乗算して貸与金額を算出し、加入者線を利用したユーザの口座から、加入者線を所有するユーザの口座へ、所定の貸与金額を決済できる。
【0045】
【発明の実施の形態】
(装置例)
図1は、本発明装置の実施態様例を示すシステム装置の構築ブロック図である。
図1の本装置例のシステム構築を説明する。
同図中、αは家庭内通信設備、β′は加入者線設備をそれぞれ示す。なお、図1の従来例と同一物は同一符号を付した。
【0046】
LAN側について、変換装置1は、加入者線Lからのディジタル信号をイーサネット(登録商標)用のディジタル信号に変換する装置で、非対象ディジタル加入者線(ADSL)ではADSLスプリッタ及びADSLモデムと呼称される装置、光加入者線(FTTH)ではFTTH用メディアコンバータ等と呼称される装置である。
【0047】
ルータ装置2は、変換装置1と送受信し、加入者線L(WAN側)と送受信するイーサネット(登録商標)信号をルータ装置2に接続した屋内端末3やアクセスポイント4等のLAN側に分配(ルーティング)する装置である。
【0048】
ルータ装置2は、一般にブロードバンドルータと呼ばれる装置であり、加入者管理装置8に対するユーザ認証接続機能を持つと共に、マルチNAT(Network Address Translator)機能を有し、WAN側におけるIP網IPNのグローバルIPアドレス空間と、LAN側におけるプライベートアドレス空間とそれぞれ異なるアドレスにマッピングして、WAN側のISPサーバ9又は11と、LAN側の屋内端末3、アクセスポイント4及び携帯端末5とを同時にそれぞれ接続可能である。
【0049】
また、ルータ装置2は、屋内端末3及び携帯端末5の接続に対してユーザ認証を実行した上でWAN側との接続を行う機能を有する。屋内端末3は、イーサネット(登録商標)で接続する通信装置であり、例えばパーソナルコンピュータである。アクセスポイント4は、無線ディジタル信号によって他の携帯端末5とデータ通信する無線LAN接続装置で、例えば、IEEE802.11a,b,g,hなどの規格に準拠した無線通信装置である。
【0050】
アクセスポイント4は、携帯端末5のMACアドレスを記憶するMACアドレスフィルタリング機能によって、携帯端末5以外のMACアドレスの異なる端末との接続は拒否できる。携帯端末5は、アクセスポイント4と同様の通信規格に基づく無線通信装置を内蔵した端末で、例えば携帯パーソナルコンピュータやパーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)と呼ばれる通信装置である。
【0051】
WAN側について、変換装置6は、変換装置1と同様に加入者線Lからのディジタル信号をイーサネット(登録商標)用のディジタル信号に変換する装置、集線装置7は、変換装置6で送受信する多数のチャンネルのイーサネット(登録商標)信号を多重化する装置、加入者管理装置8は、加入者線ユーザX及びホットスポットユーザYのユーザIDとパスワードを受信して暗号化し認証サーバ10あるいは12に問い合わせてユーザ認証を実行するサーバ装置である。
【0052】
ISPサーバ9及びISPサーバ11は、それぞれ加入者線ユーザX及びホットスポットユーザYが契約を締結しIP網IPN上でサービスを提供するインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)サーバ9,11、認証サーバ10及び12は、加入者線ユーザX及びホットスポットユーザYのユーザIDとパスワードを記憶したサーバであり、一般にRADIUS(Remote Authentication Dial-In User Service)サーバと呼ばれる。
【0053】
記憶装置13は、加入者線Lを所有する利用者の預金情報のほか、加入者線ユーザX或はホットスポットユーザYと言った、加入者線Lを利用可能なユーザのユーザIDと、そのユーザIDを持つ利用者の預金情報を組み合わせて保管している記憶装置であり、また加入者線ユーザX或はホットスポットユーザYの加入者線Lの利用に対して、利用した加入者線番号、利用したISPサーバ9又は11を識別するグローバルIPアドレス又はドメインネーム、ユーザID、利用時間の各情報を組として、利用の発生毎に記録し蓄積する。
【0054】
決済サーバ14は、預金情報サーバX15及び預金情報サーバY16と課金決済情報を送受信するサーバ、預金情報サーバX15及び預金情報サーバY16は、それぞれ加入者線ユーザXとホットスポットユーザYとが預金を持つ口座のサーバである。預金情報サーバX15及び預金情報サーバY16は、例えば、銀行の預金口座を管理するサーバであるが、また、例えば、プリペイド方式で利用料金を蓄積するサーバであっても良い。
【0055】
(方法例)
前記装置例に適用する本発明の実施形態例を示す方法例を説明する。
説明上、加入者線ユーザXは、ISPサーバ9の登録ユーザで、ホットスポットユーザYは、ISP11の登録ユーザで、それぞれユーザIDとパスワードが認証サーバ10及び12に格納されている前提とする。
【0056】
加入者線Lは、例えば、非対象ディジタル加入者線(ADSL)あるいは光加入者線(FTTH)のどららでも共通の処理を実施するが、ここではFTTHの場合を想定する。加入者線L及び変換装置1及び6の働きによって、集線装置7とルータ装置2とは、いわゆるポイント・ツー・ポイントの形で常時接続されている。
【0057】
ルータ装置2は、加入者線ユーザX及びホットスポットユーザYに関して、予めそれぞれのユーザに対しての情報を記憶しておく。
すなわち、例えば、加入者線ユーザXに対しては、屋内端末3のMACアドレス、LAN接続した際のローカルIPアドレス、ISPサーバ9を識別するグローバルIPアドレス又はドメインネーム、ISPサーバ9に登録してあるユーザIDとパスワードである。
【0058】
ホットスポットユーザYに対しては、携帯端末5のMACアドレス、LAN接続した際のローカルIPアドレス、ISPサーバ11を識別するグローバルIPアドレス又はドメインネーム、ISPサーバ11に登録してあるユーザIDとパスワードが該当する。
【0059】
加入者線ユーザXが、ISPサーバ9に対してセッションを確立する実施手順は次の通りである。
加入者線ユーザXは、屋内端末3を用いてISPサーバ9に対するネットワークサービス要求を実行する。ネットワークサービスとは、例えば、電子メールの取得、HTMLデータの閲覧などであり、屋内端末3は、それらのサービスを実行するISPサーバ9のグローパルIPアドレス又はドメインネーム及びTCP/IPポート番号を受信先として指定する。
【0060】
この結果、屋内端末3は、ルータ装置2に対し、WAN側に向けたTCP/IP通信あるいはUDP通信を要求するパケットを発行する。このとき、ルータ装置2には予め屋内端末3のローカルIPアドレスが登録されているため、屋内端末3のWAN側に対する通信要求パケットを検知し、ISPサーバ9との通信セッションを確立する実施手順に入る。
【0061】
セッション確立形式は、PPPoE(Point−to−Point Protocol over Ethernet(登録商標))に準じる。ルータ装置2は、PADI(PPPoE Active Discovery Initiation)パケットを、変換装置1、加入者線L、加入者線網LN、変換装置6、集線装置7を経由して、加入者管理装置8へ送出する。
【0062】
加入者管理装置8は、PADIパケットヘの返信としてPADO(PPPoE Active Discovery Offer)パケットをルータ装置2に送出し、ルータ装置2はPADOパケットヘの返信としてPADR(PPPoE Active Discovery Request)パケットを加入者管理装置8へ送出し、加入者管理装置8は、再度この返信として、PPPoEセッションを区別するセッションIDを含めたPADS(PPPoE Active Discovery Session−confirmation)パケットを送出し、ルータ装置2は、セッションIDを入手する。
【0063】
以下、入手したセッションIDに従い、ルータ装置2は、予め記憶しておいた、ISPサーバ9を識別するグローバルIPアドレス又はドメインネーム、加入者線ユーザXのISPサーバ9に対するユーザIDとパスワードとを、CHAP/PAP実施手順で加入者管理装置8へ送出する。加入者管理装置8は、受け取ったグローバルIPアドレス又はドメインネームによってISPサーバ9を特定しIP網IPNを通し、ISPサーバ9の認証サーバ10に対してユーザIDとパスワードを暗号化して送出する。
【0064】
ユーザIDとパスワードが、正当であれば、認証サーバ10は接続を許可し、ISPサーバ9は、ルータ装置2に対し、WAN側端末としてのグローバルIPアドレスを付与する。ISPサーバ9から途中IP網IPN、加入者線網LN、加入者線Lを経てグローバルIPアドレスを受領したルータ装置2は、ルータ装置2で持つマルチNAT機能によって、屋内端末3が発行したネットワークサービス要求を、ISPサーバ9及びそのサービス固有のTCP/IPポート番号に対して送受信し、サービスを享受する。
【0065】
サービスの途中で、加入者管理装置8乃至ルータ装置2は、セッションの活性状態を確認する。この確認方法は、例えばLCP(Link Control Protocol)のエコー・リクエスト・パケットを加入者管理装置8ないしルータ装置2から送信して、受信したルータ装置2ないし加入者管理装置8がエコー・リプライ・パケットを返信すればセッションか活性状態である、等のように判定する。
【0066】
セッションの切断には3つの方法がある。屋内端末3が享受するサービスが完了し、屋内端末3とルータ装置2とのネットワーク接続が切られると、ルータ装置2は利用中のセッションIDを含めたPADT(PPPoE Active Discovery Terminate)パケットを加入者管理装置8へ送出し、加入者管理装置8及びISPサーバ9に対してPPPoEセッションの切断を実行する。
【0067】
また、加入者管理装置8が、ルータ装置2からの、セッションの活性状態を確認するパケットを一定時間、例えば5分間受信できなかった場合、加入者管理装置8は、ルータ装置2へ利用中のセッションIDを含めたPADTパケットを送出してルータ装置2及びISPサーバ9に対してPPPoEセッションの切断を実行する。
【0068】
あるいは、ルータ装置2が、加入者管理装置8からのセッションの活性状態を確認するパケットを一定時間、例えば3分間受信できなかった場合、ルータ装置2は利用中のセッションIDを含めたPADTパケットを加入者管理装置8へ送出し、加入者管理装置8及びISPサーバ9に対してPPPoEセッションの切断を実行する。
【0069】
ここで、加入者管理装置8がセッションIDを含めたPADSパケットを発行してから、加入者管理装置8がセッション終了を意味するPADTパケット受信乃至発信するまでが、加入者線ユーザXが、加入者線Lによるデータ通信を実行した時間と見なせる。また、この時間内にルータ装置2とISPサーバ9とで送受信したパケット数も加入者管理装置8で把握できる。
【0070】
加入者管理装置8は、この時間情報とパケット送受信量をそれぞれ取得し、加入者線ユーザXの加入者線番号、ISPサーバ9を識別するグローバルIPアドレス又はドメインネーム、加入者線ユーザXのISPサーバ9に対するユーザIDと共に、記憶装置13に記録する。
【0071】
一方、携帯端末5を所有するホットスポットユーザYが、ISPl1に対してセッションを確立する実施手順は次の通りである。
ホットスポットユーザYは、アクセスポイント4を介し、携帯端末5を用いてルータ装置2へ接続する。ルータ装置2への接続にあたり、アクセスポイント4は、MACアドレスフィルタリングによって携帯端末5だけの接続を許可し、ホットスポットユーザY以外の接続を排除する。
【0072】
また、アクセスポイント4が、IEEE802.11bのような無線規格に準拠していれば、携帯端末5とアクセスポイント4との間でESS−IDやWEPキーと言った相互取り決めを要する認証方式の搭載によって、接続の可否をより強固にできる。
【0073】
携帯端末5は、ISPサーバ11に対し、電子メールの取得、HTMLデータの閲覧などのネットワークサービス要求を、それらのサービスを実行するISPサーバ11のグローバルIPアドレス又はドメインネーム及びTCP/IPポート番号を宛先として実行する。この結果、携帯端末5は、ルータ装置2に対し、WAN側に向けたTCP/IP通信あるいはUDP通信を要求するパケットを発行する。
【0074】
このとき、ルータ装置2には予め携帯端末5のローカルIPアドレスが登録されているため、携帯端末5のWAN側に対する通信要求パケットを検知し、ISPサーバ11とのセッションを確立する実施手順に入る。
セッション確立形式は前述の加入者線ユーザXの場合と同様に、PPPoEに準じる。ルータ装置2は、PADパケットを、変換装置1、加入者線L、加入者線網LN、変換装置6、集線装置7を経由して、加入者管理装置8へ送出する。
【0075】
加入者管理装置8は、PADパケットヘの返信としてPADOパケットをルータ装置2に送出し、ルータ装置2はPADOパケットヘの返信としてPADRパケットを加入者管理装置8へ送出し、加入者管理装置8は、再度この返信としてPPPoEセッションを区別するセッションIDを含めたPADSパケットを送出し、ルータ装置2は、セッションIDを入手する。
【0076】
以下、入手したセッションIDに従い、ルータ装置2は、予め記憶しておいた、ISPサーバ11を識別するグローバルIPアドレス又はドメインネーム、ホットスポットユーザYのISPサーバ11に対するユーザIDとパスワードとを、CHAP/PAP手順で加入者管理装置8へ送出する。加入者管理装置8は、受け取ったグローバルIPアドレス又はドメインネームによってISPサーバ11を特定し、ISPサーバ11の認証サーバ12に対してユーザIDとパスワードを暗号化して送出する。
【0077】
ユーザIDとパスワードが、正当であれば、認証サーバ12は、接続を許可し、ISPサーバ11は、ルータ装置2に対し、WAN側端末としてのグローバルIPアドレスを付与する。このとき、前述のようにISPサーバ9との接続確立によってルータ装置2にISPサーバ9が付与したグローバルIPアドレスが存在していれば、ルータ装置2は、ISPサーバ11の付与したグローバルIPアドレスと合わせて2つのグローバルIPアドレスを持つことになるが、これはルータ装置2のマルチNAT機能で衝突を回避する。
【0078】
ISPサーバ11からのグローバルIPアドレスを受領したルータ装置2は、ルータ装置2で持つNAT機能及びIPマスカレード機能によって、携帯端末5が発行したネットワークサービス要求を、ISPサーバ11及びそのサービス固有のTCP/IPポート番号に対して送受信し、サービスを享受する。セッションの活性状態を確認する方法は、前述の加入者線ユーザXがISPサーバ9を利用する場合と同一である。
【0079】
セッションの切断には3つの方法がある。携帯端末5が享受するサービスが完了し、携帯端末5とルータ装置2とのネットワーク接続が切られると、ルータ装置2は利用中のセッションIDを含めたPADTパケットを加入者管理装置8へ送出し、加入者管理装置8及びISPサーバ11に対してPPPoEセッションの切断を実行する。
【0080】
また、加入者管理装置8が、ルータ装置2からの、セッションの活性状態を確認するパケットを一定時間、例えば、5分間受信できなかった場合、加入者管理装置8は、ルータ装置2へ利用中のセッションIDを含めたPADTパケットを送出してルータ装置2及びISPサーバ11に対してPPPoEセッションの切断を実行する。
【0081】
あるいは、ルータ装置2が、加入者管理装置8からのセッションの活性状態を確認するパケットを一定時間、例えば、3分間受信できなかった場合、ルータ装置2はセッションIDを含めたPADTパケッ卜を加入者管理装置8へ送出し、加入者管理装置8及びISPサーバ11に対してPPPoEセッションの切断を実行する。
【0082】
ここで、加入者管理装置8が、セッションIDを含めたPADSパケットを発行してから、加入者管理装置8が、セッション終了を意味するPADTパケット受信ないし発信するまでが、ホットスポットユーザYが、加入者線ユーザXの加入者線Lを利用してデータを実行した時間と見なせる。
【0083】
また、この時間内にルータ装置2とISPサーバ11とで送受信したパケット数も加入者管理装置8で把握できる。加入者管理装置8は、この時間情報とパケット送受信量をそれぞれ取得し、加入者線ユーザXの加入者線番号、ISPサーバ11を識別するグローバルIPアドレス又はドメインネーム、ホットスポットユーザYのISPサーバ11に対するユーザIDと共に、記憶装置13に記録する。
【0084】
上記のような利用方法の結果、記憶装置13では、加入者線ユーザXの加入者線番号毎に、加入者線ユーザXがISPサーバ9を利用した利用時間及び送受信したパケット数の記録、ホットスポットユーザYがISPサーバ11を利用した利用時間及び送受信したパケット数の記録が蓄積されている。記憶装置13ではこれを一定期間、例えば月単位で、何時間何分何秒の利用で、送受信したパケット数が何パケットというように集計する。
【0085】
加入者線Lを運営する電気通信事業者は、ISPサーバ9及びISPサーバ11をルータ装置2と接続したインターネット・サービスを実現するための、加入者線L、加入者線網LN、変換装置6、集線装置7は、加入者管理装置8、記憶装置13、決済サーバ14の運営費用として、例えば、月単位で、加入者線ユーザXの預金から加入者線使用料を決済する。決済処理は、決済サーバ14から預金情報サーバ15に対して課金情報を送受信して実行する。
【0086】
同時に、加入者線ユーザXあるいはホットスポットユーザYから、加入者線Lを貸与した加入者線ユーザXに対する貸借決済を実行する。貸借金額は、例えば、1ヶ月間の利用に対する使用時間に対する従量課金で、例えば、1分間(1分未満切上げ)につき5円の課金とする、あるいは、1パケット0.1円として送受信したパケットの数に乗じて課金とする、あるいは1ヶ月間の使用時間やパケット数にかかわらず定額とする、などの方法がある。
【0087】
ここで、記憶装置13を参照すれば、ユーザID毎の利用者情報と加入者線Lの所有者情報は突合できるため、加入者線ユーザXから加入者線ユーザX自身への貸借決済は加入者線ユーザXの金銭の増減が発生しないため実行しない。ホットスポットユーザYの貸借金額は、ホットスポットユーザYが口座を持つ預金情報サーバY16から決済サーバ14を介して加入者線ユーザXが口座を持つ預金情報サーバX15へ送られ、貸借決済を完了する。
【0088】
以上のように、1加入者線Lにおけるデータ通信を、加入者線ユーザXの利用だけでなく、予め加入者線ユーザXの承認を受けた別のホットスポットユーザYヘの有償貸与を実現する場合、ホットスポットユーザY毎の利用区分をPPPoEセッションで管理し、そのセッションを利用したホットスポットユーザYと利用時間あるいは通信量の情報を加入者線L側の加入者管理装置8によって把握し蓄積すれば、使用時間や通信量による従量課金や、月額定額のような形で決済が可能となる。
【0089】
以上、本発明の代表的な装置例、方法例について説明したが、本発明は必ずしも当該装置例の手段及び当該方法例の手法等だけに限定されるものではない。本発明の目的を達成し、後述する効果を有する範囲内において適宜変更して実施することが出来るものである。
【0090】
【発明の効果】
本発明では、加入者線を利用したIP網において、データ通信の一部を別のユーザに有償貸与する場合に、そのユーザ情報、使用時間、あるいは送受信パケット数を把握して、そのユーザの利用時間あるいは送受信したパケット量に応じた対価を算出し、その対価を利用ユーザから加入者線を所有するユーザヘ支払うことで、結果として加入者線の増加によらず多数のユーザで共用可能なIP網サービスを提供できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態例を示すシステム装置の構築ブロック図である。
【図2】従来の加入者線によるデータ通信のシステム構築例である。
【符号の説明】
1,6…変換装置
2…ルータ装置
3…屋内端末
4…アクセスポイント
5…携帯端末
7…集線装置
8…加入者管理装置
9,11…ISPサーバ
10,12…認証サーバ
13…記憶装置
14…決済サーバ
15,16…預金情報サーバ
α…家庭内通信設備
β,β′…加入者線設備
L…加入者線
LN…加入者線網
IPN…IP網
Claims (6)
- 同時に複数の通信を確立する家庭内通信設備であるルータ手段を利用し、ユーザ利用端末が前記ルータ手段、加入者線、加入者線設備を通して接続したIP網を経てインターネット・サービス・プロバイダー(以下、ISP)サーバ手段と通信する場合の、前記加入者線設備が処理する方法であって、
前記ルータ手段を介したユーザ利用端末からのISPサーバ手段との接続要求に対し、
まず、前記加入者線からイーサネット(登録商標)信号を変換手段にて取り出し、
当該イーサネット(登録商標)信号を受信した加入者管理手段にて、前記ルータ手段から送られるユーザの識別IDとパスワードを受け取り、前記ISPサーバ手段との接続を申請する前記ユーザの識別IDとパスワードとを暗号化して当該ISPサーバ手段と連携する認証サーバ手段に問い合わせ、その結果を元に接続を認証すると共に認証されたユーザ毎の接続を検出し、
当該接続したユーザの識別IDとその際に使用した前記加入者線の識別IDとをその接続履歴ともども記憶手段にて記憶し、
当該記憶手段にそれぞれ記録したユーザ毎の接続履歴を元に、前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザへの当該加入者線の貸与対価を算出する、
ことを特徴とする加入者線によるデータ通信の二次利用方法。 - 前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザへの貸与対価の算出は、
前記ISPサーバ手段への接続時間の累計値による時間従量に基づく算出である、
ことを特徴とする請求項1に記載の加入者線によるデータ通信の二次利用方法。 - 前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザへの貸与対価の算出は、
前記ISPサーバ手段と送受信したパケット数の累積値によるパケット従量に基づく算出である、
ことを特徴とする請求項1に記載の加入者線によるデータ通信の二次利用方法。 - 同時に複数の通信を確立する家庭内通信設備であるルータ装置を利用し、ユーザ利用端末が前記ルータ装置、加入者線、加入者線設備を通して接続したIP網を経てインターネット・サービス・プロバイダー(以下、ISP)サーバと通信する場合の、前記加入者線設備が処理するシステムを構築した装置において、
前記加入者線設備は、
前記加入者線からイーサネット(登録商標)信号を取り出す変換装置と、イーサネット(登録商標)信号を束ねる集線装置と、前記ルータ装置から送られるユーザの識別IDとパスワードを受け取り、前記ISPサーバとの接続を申請する前記ユーザの識別IDとパスワードとを暗号化して当該ISPサーバと連携する認証サーバに問い合わせ、その結果を元に接続を承認するとともに承認されたユーザ毎の接続を検出し、さらにユーザ毎の接続履歴を元に、前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザへの当該加入者線の貸与対価を算出する加入者管理装置と、当該接続したユーザの識別IDとその際に使用した前記加入者線の識別IDとをその接続履歴ともども記憶しておく記憶装置で構成される、
ことを特徴とする加入者線によるデータ通信の二次利用システム装置。 - 前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザヘ貸与対価の算出をする前記加入者線設備は、
前記記憶装置にそれぞれ記録した前記ユーザ毎の前記ISPサーバへの接続時間の累計値による時間従量に基づく算出を行う前記加入者管理装置を具備する、
ことを特徴とする請求項4に記載の加入者線によるデータ通信の二次利用システム装置。 - 前記加入者線の利用ユーザから当該加入者線を所有するユーザヘ貸与対価の算出をする前記加入者線設備は、
前記記憶装置にそれぞれ記録した前記ユーザ毎の前記ISPサーバ手段と送受信したパケット数の累積値によるパケット従量に基づいて算出を行う前記加入者管理装置を具備する、
ことを特徴とする請求項4に記載の加入者線によるデータ通信の二次利用システム装置。
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