JP3819514B2 - 誘導結合プラズマ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波誘導結合を用いてアークプラズマを発生させる誘導結合プラズマ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導結合プラズマ装置は、電気絶縁管に同軸に高周波誘導コイルを巻装し、高周波誘導コイルに高周波電流を通電して電気絶縁管内部に導入したガスをプラズマ化し、得られたプラズマを熱源として溶解処理などに用いる装置である。
図10は、従来より用いられている誘導結合プラズマ装置の基本構成を示す部分断面図である。図において、1は、石英を用いて形成された円筒状の電気絶縁管である。電気絶縁管1は内筒1aと外筒1bとの二重構造となっており、隙間に図示しない冷媒を通し冷却して用いられる。2は、電気絶縁管1の外側に同軸状に巻かれた高周波誘導コイルで、通常3〜4ターン巻装して構成されている。また、3は高周波電源である。電気絶縁管1の上部には、絶縁管周方向に吹き出すノズルと絶縁管径方向に吹き出すノズルを備えたガス導入部4、および接地電極5が配置されている。ガス流量調節弁7の操作により選定された種類と流量のガスがガス供給管6を通してガス導入部4より電気絶縁管1の内部へと供給される。接地電極5は水冷式で、アース側に接地して高周波誘導コイル2と容量結合されている。
【0003】
図11は、図10の誘導結合プラズマ装置のガス導入部4の詳細構造を示す断面図である。接地電極5の周辺を取り囲んで配されたガス導入部4には、径方向ガス導入口4a、ならびに周方向ガス導入口4bが備えられている。径方向ガス導入口4aは、電気絶縁管1の内部へと径方向に開口するノズル穴を周面上に分配配置してなる径方向リング状ガス吹出ノズル4cに連通しており、また、周方向ガス導入口4bは、気絶縁管1の内部へと周方向に近い斜め方向に開口するノズル穴を周面上に分配配置してなる周方向リング状ガス吹出ノズル4dに連通している。すなわち、ガス供給管6を通じて送られたガスは、径方向ガス導入口4aおよび周方向ガス導入口4bを通じて電気絶縁管1の内部へと導入され、径方向リング状ガス吹出ノズル4cおよび周方向リング状ガス吹出ノズル4dより径方向および周方向に供給される。なお、これらの二つのガス導入口より導入するガスの流量は、分岐配管に組み込まれたガス流量調節弁11によって個別に調整できるように構成されている。また、導入するガスの種類やガスの混合比は、図11に示したごとくガスの供給装置に接続されたガス流量調節弁7の操作により選択、調整される。
【0004】
本構成の誘導結合プラズマ装置における大気圧アークプラズマの生成は、以下の手順により行われる。まず、電気絶縁管1の上端に設けられたガス導入口4より、点火用ガスとしてヘリウムガスを導入し、高周波電源3の出力電圧を高周波誘導コイル2に印加する。電気絶縁管1に導入されたヘリウムガスは、高周波誘導コイル2と接地電極5の間に形成される容量結合電界により放電する。つづいて、電気絶縁管1の内部にアルゴンなどのプラズマガスを導入して放電を維持させ、次いで、徐々にヘリウムガスの導入を停止して電気絶縁管1内のアルゴンガス濃度を高めてアークプラズマに移行させる。アークプラズマに移行後は、高周波誘導コイル2により発生する高周波誘導電界により、プラズマへのエネルギー供給を行う。この状態にあるプラズマが一般に誘導結合型プラズマと呼ばれており、得られるプラズマは、電界の強さと形状、並びにガスの流れに依存する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高周波誘導結合プラズマを熱源として溶解処理などに用いる場合、プラズマ発生源(以下プラズマトーチと呼ぶ)より噴き出すプラズマフレームを被処理物に照射する方法が最も一般的である。
プラズマトーチより噴き出すプラズマフレームの熱量は、プラズマへの投入電力に依存するばかりでなく、ガスの流れに対しても強い依存性を持っている。径方向リング状ガス吹出ノズル4cより径方向に供給されるガス(以下rガスと略記)と周方向リング状ガス吹出ノズル4dより周方向に供給されるガス(以下θガスと略記)との流量比(以下r/ θ流量比と略記)が大きいほどプラズマフレームの熱量が大きくなる。これは、rガスの軸方向の指向性が強いためであり、プラズマフレームの熱出力を大きくするためには、r/ θ流量比の大きい条件で運転することが必要である。
【0006】
しかしながら、r/ θ流量比はプラズマの安定性にも大きく影響している。これはプラズマに注入されるパワーが、プラズマ生成領域の導電率に依存しているためであり、この生成空間の導電率の安定性が損なわれるようなガス流条件ではプラズマが維持できない。したがって、無制限にrガスの流量を大きくすることはできない。
【0007】
また、投入電力を大きくするとプラズマは安定し、フレーム出力も大きくなるが、プラズマの温度が上昇するため、電気絶縁管壁への熱伝導による損失が大きくなり、全体の熱収支としてのプラズマフレームの熱量の割合は小さくなる。
プラズマを熱源として利用する場合、ランニングコストを低減させるためにはエネルギー効率が高いことが要求されるが、我々の測定では、プラズマ投入電力のうち半分以上がトーチ部での損失となっている。プラズマトーチは構成部品の熱保護のため冷却されており、熱損失の発生は避けられないが、できるだけ損失量を低減することが望まれる。
【0008】
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決して、安定性に優れ、かつ高効率で大出力のプラズマフレーム出力が得られる誘導結合プラズマ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明においては、電気絶縁管、電気絶縁管に巻装された高周波誘導コイル、電気絶縁管の内部にガスを周方向に導入する第1のノズルと径方向に導入する第2のノズルを有して電気絶縁管の一端に配されたガス導入部、ガス導入部側の端部より電気絶縁管の内部へと高周波誘導コイルと同軸に配置された接地電極を備えてなり、絶縁管内部にプラズマガスを導入し高周波誘導コイルに高周波電流を流してガスをプラズマ化して用いる誘導結合プラズマ装置において、
(1)接地電極の絶縁管内部側の軸方向端面にプラズマガスを絶縁管内部の中心軸上の軸方向へ導入する第3のノズルを備えることとする。
【0010】
(2)さらに、(1)の誘導結合プラズマ装置において、接地電極の絶縁管内部側の軸方向端面に、第3のノズルに隣接して、プラズマガスを軸方向に対して傾斜させて導入する第4のノズルを少なくとも1個備えることとする。
(3)あるいは、(1)の誘導結合プラズマ装置において、第3のノズルの接地電極の内部のプラズマガス導入経路にガス整流板を備えることとする。
【0011】
(4)また、上記の(1)〜(3)の誘導結合プラズマ装置において、接地電極の電気絶縁管の内部に対向する軸方向端面に、高周波誘導コイルと同軸に、薄肉円筒部を配することとする。
上記(1)のごとく第3のノズルを備えることとすると、電気絶縁管内部に形成されたプラズマの中心軸方向にガスが導入されることとなり、このガスは軸方向に強い指向性を持っているため、プラズマ化されたガスの軸方向速度成分が増し、プラズマトーチより吹き出すプラズマフレームの吹出量が大きくなる。すなわち、熱出力の大きなプラズマフレームが得られることとなる。
【0012】
また、このような中心軸方向のガス流に対するプラズマの安定性は極めて良好である。すなわち、電界強度をE〔V/m〕、プラズマ導電率をσ〔 mho/m〕とすると、プラズマへのパワー注入量P〔W/m3]は、
【0013】
【数1】
P = σE2 (1)
で与えられるが、誘導結合プラズマの発生原理から中心軸上においては誘導電界E(θ)は0であるので、パワー注入量Pも0である。したがって、中心軸上に低温のガスが導入され、中心軸近傍のプラズマの導電率が変動あるいは不安定になったとしても、プラズマの形成維持に係る電気絶縁管壁近傍には大きな影響がなく、プラズマは安定である。
【0014】
すなわち、上記(1)のごとき第3のノズルを備えれば、プラズマフレームの熱出力が大きく安定なプラズマを得ることができる。
また、プラズマ化したガスの粘性は室温時のガスの粘性に比べ、およそ5倍となる。このため、軸方向に導入されたガスはプラズマに進入した後もほとんど広がることなく、ほぼノズル口径程度の拡がりをもつ気流としてプラズマの中心を通過することとなる。前述のように中心軸上に導入したガス自体にはパワーが注入されず、加熱されないので、軸方向に導入されたガスの加熱はプラズマからの熱伝達に依存する。したがって、軸方向に導入されたガスの気流径が大きいほどプラズマとの接触面積が増し、熱伝達量が増加する。また、径方向の広がりが大きくなると誘導電界によるパワーの注入も増加し、加熱量も増大する。この結果、軸方向に流れるガスの加熱が促進され、プラズマフレーム熱出力は増大する。一方、軸方向に導入するガスのノズルを大口径とすると、プラズマの粘性係数は上述のごとく大きいので、径の大きな軸方向気流がプラズマにぶつかって偏流を起こし、プラズマの姿勢を崩して不安定となる。すなわち、軸方向に導入するガスの流れは適量の拡がりを持つものであることが必要である。
【0015】
したがって、上記(2)のごとく第3のノズルに隣接して、プラズマガスを軸方向に対して傾斜させて導入する第4のノズルを設けたり、あるいは(3)のごとくプラズマガス導入経路にガス整流板を備えることとすれば、接地電極の端面から導入される軸方向のガスの流れの広がり、ならびに指向性を調整することができるので、プラズマの安定性を損なうことなく、効果的に加熱されるプラズマが得られることとなる。
【0016】
また、上記(4)のごとく軸方向端面に薄肉円筒部を配して構成することとすれば、軸方向にガスを導入するノズルと生成されたプラズマとの間の距離が、薄肉円筒部の長さに対応してより隔たることとなるので、ガス流の制御がより容易となる。また、プラズマに接触する電極表面積が小さくなるので、接地電極への熱損失が低減され、より効率の高い誘導結合プラズマ装置となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
<第1実施例>
図1は、本発明による誘導結合プラズマ装置の第1実施例の基本構成を示す要部の断面図である。
図において、1は、石英製の内筒1aと外筒1bよりなる二重構造の電気絶縁管で、その内径は59mmである。2は、電気絶縁管1の外周に巻装した高周波誘導コイルで、直径は90mm、巻数は3ターンである。高周波誘導コイル2には、高周波誘導電流を供給する最大電圧10kV、最大出力75kW、周波数4MHzの真空管自励式の図示しない高周波電源が接続されている。電気絶縁管1の上部には、ガス導入部4および接地電極5Aが配されている。このうち、ガス導入部4には、図11に示した従来例と同様に、電気絶縁管1の内部へ径方向にガスを供給するための径方向ガス導入口4aと径方向リング状ガス吹出ノズル4c、周方向にガスを供給するための周方向ガス導入口4bと周方向リング状ガス吹出ノズル4dが備えられている。一方、接地電極5Aには、従来例と異なり、軸方向ガス導入口5aとこれに連通して電気絶縁管1の内部へ軸方向にガスを供給するための軸方向主ノズル5cが備えられている。ガス導入部4の径方向ガス導入口4aと周方向ガス導入口4b、ならびに接地電極5Aの軸方向ガス導入口5aは、図示しないプラズマガス供給源に連結されたガス供給配管6とガス流量調節弁11を介して接続されており、各導入口より供給されるプラズマガスの流量は、それぞれのガス流量調節弁11により個別に調整できるよう構成されている。なお、石英製の内筒1aと外筒1bとの間の通路には冷却水が流されており、管面を冷却して管内に生じたプラズマの熱から電気絶縁管1を保護している。また、接地電極5Aは、図示されていないが水冷式でアース側に接地して高周波誘導コイル2と容量結合されている。
【0018】
図2および図3は、図1に示した誘導結合プラズマ装置の特性測定結果を示すもので、アルゴンガスを供給してプラズマを形成した際の熱収支を示す特性図である。
このうち、図2は、ガス導入部4の径方向ガス導入口4aより導入する径方向流量を35〔l/min 〕、周方向ガス導入口4bより導入する周方向流量を10〔l/min 〕とし、接地電極5Aの軸方向ガス導入口5aより導入する軸方向流量をゼロとしてアルゴンプラズマを形成した場合の熱収支を、種々の投入電力量について示したものである。図に見られるように、プラズマフレーム出力は投入電力の増加に伴い増大しているが、電気絶縁管損失、すなわち電気絶縁管壁への損失熱量の増大の割合がより大きいので、全体に占めるプラズマフレーム出力の割合は投入電力の増加とともに減少している。電気絶縁管損失の急激な上昇は、投入電力の増加によりプラズマ温度が上昇していくことによるものである。
【0019】
図3は、図2の場合と同様に径方向流量を35〔l/min 〕、周方向流量を10〔l/min 〕とし、さらに接地電極5Aの軸方向ガス導入口5aより15〔l/min 〕の軸方向流量を導入して、アルゴンプラズマを形成した場合の熱収支を種々の投入電力量について示したものである。図に見られるように、図2の場合に比較してプラズマフレーム出力が増大し、全体に占める割合も増加している。軸方向へ供給するガスを導入することによって、プラズマの軸方向への熱移動量が増加し、熱出力が大きく安定なプラズマフレームが得られることを示している。
【0020】
<第2実施例>
図4は、本発明による誘導結合プラズマ装置の第2実施例の基本構成を示す要部の断面図である。本実施例の構成の第1実施例の構成との差異は、接地電極5Bに、軸方向ガス導入口5aとこれに連通する軸方向主ノズル5cに加えて、軸方向ガス導入口5bと、これに連通して電気絶縁管1の内部へ軸方向に対しやや傾斜してガスを供給するための軸方向副ノズル5dが備えられており、軸方向ガス導入口5bがガス流量調節弁11を介してガス供給配管6と接続されている点にある。
【0021】
したがって、本構成においては、ガス流量調節弁11の操作によって軸方向主ノズル5cより軸方向に供給される流量と軸方向副ノズル5dより軸方向に対しやや傾斜して供給される流量とを調整して、軸方向のガス流として供給されるプラズマガスの径方向の広がりを制御することができるので、これらのガスの加熱が効果的に促進され、プラズマの安定性を損なうことなく、熱出力が大きなプラズマフレームを得ることができる。
【0022】
<第3実施例>
図5は、本発明による誘導結合プラズマ装置の第3実施例の基本構成を示す要部の断面図である。本実施例の構成の第1実施例の構成との差異は、接地電極5Cの軸方向ガス導入口5aが、電気絶縁管1の内部に広がりをもって開口し軸方向にガスを供給する軸方向大径ノズル5eへと連通し、その経路の軸方向大径ノズル5eの近傍にガス整流板13が備えられている点にある。
【0023】
したがって、本構成においては、ガス整流板13によって電気絶縁管1の内部へと入射する際の軸方向のガスの速度分布が調整されるので、軸方向に導入されるガスの加熱が効果的に促進され、プラズマを安定に維持して熱出力の大きなプラズマフレームを得ることができる。
<第4実施例>
図6は、本発明による誘導結合プラズマ装置の第4実施例の基本構成を示す要部の断面図である。本実施例の構成の第1実施例の構成との差異は、接地電極5Dが、電気絶縁管1の内部に対向する軸方向端面に高周波誘導コイルと同軸に配された薄肉円筒部14を備えて構成されていることにある。
【0024】
したがって、本構成においては、軸方向主ノズル5cより軸方向に供給されたガスは薄肉円筒部14の内部を通流したのちプラズマ中へと供給されるので、軸方向主ノズル5cとプラズマとの間隔が大きくなり、軸方向へのガスの流れの制御がより容易となる。加えて、接地電極5Dのプラズマと接する接触表面積が小さくなるので、接地電極5Dでの熱損失が低減できる。
【0025】
図7は、図6に示した誘導結合プラズマ装置において、アルゴンガスを供給してプラズマを形成した際の熱収支を示す特性図である。本図は、第1実施例の図3の場合と同一のガス流量条件、すなわち、径方向流量を35〔l/min 〕、周方向流量を10〔l/min 〕、また軸方向流量を15〔l/min 〕としてアルゴンプラズマを形成したときの熱収支の測定結果である。図に見られるように、図3の第1実施例の特性に比べて、プラズマフレーム出力がさらに大きくなっており、また、接地電極損失が大幅に低下している。すなわち、本構成では、損失が低減し、プラズマを安定に維持して熱出力の大きなプラズマフレームを得ることができる。
【0026】
<第5実施例>
図8は、本発明による誘導結合プラズマ装置の第5実施例の基本構成を示す要部の断面図である。本実施例の特徴は、接地電極5Eに、第2実施例と同様に軸方向主ノズル5cと軸方向副ノズル5dを備えるとともに、第4実施例と同様に軸方向端面に薄肉円筒部14Aを備えて構成した点にある。したがって、本構成においては、軸方向主ノズル5cと軸方向副ノズル5dからの流量を調整することにより、軸方向のガスの流れの径方向の広がりが制御でき、さらに、軸方向主ノズル5cとプラズマとの間隔が大きくなるので、ガスの流れの制御がより容易となり、さらに、接地電極損失が大幅に低減される。すなわち、本構成では、プラズマの安定性を損なうことなく、軸方向のガスの加熱が効果的に促進され、熱出力の大きなプラズマフレームが得られる。
【0027】
<第6実施例>
図9は、本発明による誘導結合プラズマ装置の第6実施例の基本構成を示す要部の断面図である。本実施例の特徴は、接地電極5Fに、第1実施例と同様に軸方向主ノズル5cを備え、また第4実施例と同様に軸方向端面に薄肉円筒部14Bを備え、さらに第3実施例と同様に薄肉円筒部14Bの出口近傍にガス整流板13Aを備えて構成した点にある。したがって、本構成においては、軸方向のガスの流れが速度分布を調整してプラズマに導入されるので、導入されたガスを効果的に加熱できることとなり、プラズマを安定に維持し、プラズマフレームの熱出力を増大させることができる。
【0028】
【発明の効果】
上述のごとく、本発明においては、誘導結合プラズマ装置を、
(1)請求項1に記載のごとく構成することとしたので、プラズマの安定性を損なうことなく、プラズマトーチのフレーム出力を増大させることができることとなり、安定性に優れ、かつ高効率で大出力のプラズマフレーム出力が発生でき、特に被処理物にプラズマフレームを照射して低コストで溶解処理する装置として効果的な、誘導結合プラズマ装置が得られることとなった。
【0029】
(2)また、請求項2、3あるいは4のごとく構成することとすれば、プラズマに導入されるガスがより効率的に加熱されるので、安定性に優れ、かつ高効率で大出力のプラズマフレーム出力が発生できる誘導結合プラズマ装置としてより好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導結合プラズマ装置の第1実施例の基本構成を示す要部の断面図
【図2】第1実施例の誘導結合プラズマ装置において軸方向のガスを導入しないでアルゴンプラズマを形成した時の熱収支を示す特性図
【図3】第1実施例の誘導結合プラズマ装置において軸方向のガスを導入しつつアルゴンプラズマを形成した時の熱収支を示す特性図
【図4】本発明の誘導結合プラズマ装置の第2実施例の基本構成を示す要部の断面図
【図5】本発明の誘導結合プラズマ装置の第3実施例の基本構成を示す要部の断面図
【図6】本発明の誘導結合プラズマ装置の第4実施例の基本構成を示す要部の断面図
【図7】第4実施例の誘導結合プラズマ装置のアルゴンプラズマ形成時の熱収支を示す特性図
【図8】本発明の誘導結合プラズマ装置の第5実施例の基本構成を示す要部の断面図
【図9】本発明の誘導結合プラズマ装置の第6実施例の基本構成を示す要部の断面図
【図10】従来の誘導結合プラズマ装置の基本構成を示す部分断面図
【図11】図10の従来の誘導結合プラズマ装置のガス供給部の構成を示す部分断面図
【符号の説明】
1 電気絶縁管
2 高周波誘導コイル
4 ガス導入部
4a 径方向ガス導入口
4b 周方向ガス導入口
4c 径方向リング状ガス吹出ノズル
4d 周方向リング状ガス吹出ノズル
5A,5B,5C 接地電極
5D,5E,5F 接地電極
5a,5b 軸方向ガス導入口
5c 軸方向主ノズル
5d 軸方向副ノズル
5e 軸方向大径ノズル
6 ガス供給配管
11 ガス流量調整弁
12 プラズマ
13,13A ガス整流板
14 薄肉円筒部
14A,14B 薄肉円筒部
Claims (4)
- 電気絶縁管、電気絶縁管に巻装された高周波誘導コイル、電気絶縁管の内部にガスを周方向に導入する第1のノズルと径方向に導入する第2のノズルを有して電気絶縁管の一端に配されたガス導入部、ガス導入部側の端部より電気絶縁管の内部へと高周波誘導コイルと同軸に配置された接地電極を備えてなり、絶縁管内部にプラズマガスを導入し高周波誘導コイルに高周波電流を流してガスをプラズマ化して用いる誘導結合プラズマ装置において、前記接地電極の絶縁管内部側の軸方向端面にプラズマガスを絶縁管内部の中心軸上の軸方向へ導入する第3のノズルを備えたことを特徴とする誘導結合プラズマ装置。
- 請求項1に記載の誘導結合プラズマ装置において、接地電極の絶縁管内部側の軸方向端面に、前記の第3のノズルに隣接して、プラズマガスを軸方向に対して傾斜させて導入する少なくとも1個の第4のノズルを備えたことを特徴とする誘導結合プラズマ装置。
- 請求項1に記載の誘導結合プラズマ装置において、前記の第3のノズルの接地電極の内部のプラズマガス導入経路にガス整流板を備えたことを特徴とする誘導結合プラズマ装置。
- 請求項1、2または3に記載の誘導結合プラズマ装置において、接地電極の電気絶縁管の内部に対向する軸方向端面に高周波誘導コイルと同軸に形成された薄肉円筒部を備えたことを特徴とする誘導結合プラズマ装置。
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