JP3819476B2 - 容器用補強部材及び補強部材を使用した容器 - Google Patents

容器用補強部材及び補強部材を使用した容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液体の化学薬品等を輸送するための容器であって、特に容器の内圧試験及び落下試験等に対して要求される基準値を満足させるため上記容器に使用する補強部材、及び該補強部材を使用した容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、JIS(日本工業規格)Z 1620に規定されるような、いわゆるペール缶には、図10に示すように地板102は胴板103の周縁部に巻締めされ、かつかしめられて固定され、一方、天板101は胴板103の周縁部に巻締められることなく、胴板103に対して着脱可能としたタイプがある。このような天板101の周縁部分は、図11に示すように逆U字状の断面にてなる係合部110を有する。天板101は、胴板103の上端周縁部分をロール状に形成した天板取付部130との間にシール部材112を挟み込むようにして、天板101の係合部110を天板取付部130にはめ込む。そして、天板101の周囲に形成されているそれぞれのラグ111を、図12に示すように、胴板103の天板取付部130に沿って折り曲げることで、天板101は、胴板103に取り付け固定される。尚、折り曲げた各ラグ111をドライバ等にて引き起こし、ラグ111と天板取付部130との係合を解除することで、天板101は胴板103から取り外すことができる。
【0003】
又、ラグ111を有しないタイプの天板101の場合には、天板101を胴板103の天板取付部130に固定するため、図13に示すように、胴板103の天板取付部130と天板101の係合部110とを挟み込む平面形状が円環状のバンド140が使用される。図14に示すように、該バンド140は、円環状の一部にて分離されており、この分離部分141にはバンド140をペール缶に着脱可能とする連結部材142が取り付けられている。連結部材142は、分離されたバンド140を互いに連結するもので、一方のバンド140aの端部における支点143aに回動自在に支持されたレバー143と、該レバー143に一端が取り付けられ他端が他方のバンド140bの端部に取り付けられる連結金具144とを有する。このような連結部材142は、バンド140を図13に示すように天板取付部130と係合部110との係合部分に取り付けた後、支点143aを中心としてレバー143を保持位置IIに位置させる。こうすることで、分離部分141の間隔が狭くなり、天板取付部130と係合部110とを上下方向から挟み込み天板101と胴板103との係合を保持する。一方、レバー143を取外位置IIIに位置させることで、分離部分141の間隔が広がりバンド140を天板101と胴板103との係合部分から取り外すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
天板101が取り外し可能な上述のような容器内に液体の危険物を収納して輸送することも許可されているが、内容物が液体であること、かつ危険物であることから、液体の危険物を収納し、かつ天板101が取り外し可能な容器にあっては、危険物運搬容器性能試験基準の落下試験、気密試験、及び内圧(水圧)試験を満足する必要がある。ところが、上述した天板101が取り外し可能なペール缶では、天板101を胴板103に巻締めしていないことから、天板取付部130と係合部110との係合部分における容器の強度が低く、既存のペール缶そのものでは落下試験及び内圧試験について合格基準値を満足することができない。
【0005】
落下試験は、液体を収納した上記ペール缶を落下試験高さから落下させ、上記液体漏れが発生しない最高の落下試験高さを測定するものであり、合格基準値は容器の板厚に関係なく包装等級IIのものにあっては1.2m、包装等級IIIのものにあっては0.8mである。尚、上記包装等級は、運搬する危険物の危険度に対応して区分されたものである。このような落下試験について、図7に示すように、上記合格基準値の0.8mに対し、黒丸にて測定値を示した従来の上述したペール缶では天板、胴板の板厚が0.5mmのものであっても上記高さは0.6mであり、合格基準値未満である。
内圧試験は、ペール缶内部に試験水圧を加え、ペール缶より水漏れが発生し始めた試験水圧を測定するものであり、合格基準値は容器の板厚に関係なく包装等級II及びIIIともに100Kpaである。このような気密試験について、図8に示すように、上記合格基準値の100Kpaに対し、黒丸にて測定値を示した従来の上述したペール缶では天板、胴板の板厚が0.5mmのものであっても上記水圧は50Kpaであり、上記合格基準値未満である。
尚、気密試験については図9に示すように、上記合格基準値は容器の板厚に関係なく包装等級II及びIIIともに20Kpaであり、従来の上述したペール缶で天板、胴板の板厚が0.4mmのものであっても上記合格基準値を満足している。
【0006】
上述した落下試験及び内圧試験における合格基準値を満足させる方法として以下の方法が考えられる。
▲1▼ペール缶の板厚を厚くする。
▲2▼ペール缶に使用する材料に高張力材を使用する。
ところが上記▲1▼及び▲2▼の方法には以下に示すような問題点がある。即ち、上記▲1▼の方法における板厚について、ペール缶用に使用される板材はティンフリースチール(JIS G 3315に規定)と呼ばれる鋼板であり、通常、板厚が0.5mm程度のものを使用する。よって、板厚を厚くした場合、現在使用している缶の製造機械が使用できなくなるという欠点が生じる。さらに、現在通常に市販されるティンフリースチール板の最大板厚は0.6mmであり、この0.6mm厚の材料にて製作される天板及び地板を使用しても上記落下試験及び内圧試験における基準値を満足しない。さらに又、ラグ111を有する天板101を使用するタイプのペール缶にあっては、天板101の板厚が厚くなることで、開封時にラグ111を人手にて引き起こすことが困難になり開封用の専用工具が必要となりユーザにおいて取り扱いが煩雑となるという問題もある。
したがって既存設備を使用し、かつ材料購入費を上げることなく、板厚を厚くすることは困難であるという問題がある。
次に、▲2▼の方法による使用材料を変更することは、特殊仕様材料を使用することになるため材料入手が困難となり、かつ材料購入費が上がることからコストアップにつながり、実用的ではないという問題がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、容器の機械的強度を容易に向上させることができる容器用補強部材及びこの補強部材を使用した容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1態様の容器用補強部材は、胴板の下端に地板が設けられ上端に天板が設けられる容器で、上記天板には、上記胴板の上端の周縁部に形成された天板取付部に係合する係合部が上記天板の周囲に形成されて上記天板が上記胴板に対して着脱可能な容器に使用される容器用補強部材であって、
上記天板が上記胴板に取り付けられた状態において上記天板取付部と上記係合部とを上下方向から挟み上記天板取付部と上記係合部の係合を保持する断面が略コ字状のバンドであって、該バンドを構成する部材であり当該容器の中心軸側に延在する上側部材は、上記係合部を超えて当該容器の中心軸側へ延在した円弧部用係止部を有するバンドと、
断面形状において、当該容器の中心軸側に位置する側面である上記天板の係合部の内側側面における立上り部分に沿って延在する脚部と、上記脚部に対して上側に位置する円弧部であって上記バンドの上記円弧部用係止部において上記天板に対向する上記円弧部用係止部の内面に当接するまで上記内側側面に沿って延在する円弧部と、を有し、平面形状において上記天板の周囲に沿って環状に延在する補強リングと、
を備え、上記バンドにて上記天板取付部と上記係合部とを挟み、かつ上記バンドの円弧部用係止部と上記補強リングの円弧部とを係止させ上記補強リングの脚部を上記天板に当接させることで、当該容器における上記天板取付部と上記係合部との係合部分及び上記天板の補強をすることを特徴とする。
【0008】
又、本発明の第2態様の容器用補強部材を使用した容器は、胴板の下端に地板が設けられ上端に天板が設けられる容器で、上記天板には、上記胴板の上端の周縁部に形成された天板取付部に係合する係合部が上記天板の周囲に形成されて上記天板が上記胴板に対して着脱可能な容器に使用される容器用補強部材であって、
上記天板が上記胴板に取り付けられた状態において上記天板取付部と上記係合部とを上下方向から挟み上記天板取付部と上記係合部の係合を保持する断面が略コ字状のバンドであって、該バンドを構成する部材であり当該容器の中心軸側に延在する上側部材は、上記係合部を超えて当該容器の中心軸側へ延在した円弧部用係止部を有し、当該バンドは、円環状にてなり、該円環状の一部を分離し該分離部分には、当該分離部分を連結し、上記天板取付部と上記係合部との係合を保持する保持位置、又は当該バンドを上記容器から取り外し可能となる取外位置に位置することで当該バンドを上記天板取付部と上記係合部との係合部分に着脱可能とする連結部材を備えたバンドと、
断面形状において、当該容器の中心軸側に位置する側面である上記天板の係合部の内側側面における立上り部分に沿って延在する脚部と、上記脚部に対して上側に位置する円弧部であって上記バンドの上記円弧部用係止部において上記天板に対向する上記円弧部用係止部の内面に当接するまで上記内側側面に沿って延在する円弧部と、上記脚部に対して下側に位置し上記天板に近接又は接触して延在する、上記脚部に対してL字状の断面形状である補強部と、を有し、平面形状において上記天板の周囲に沿って環状に延在する補強リングと、
を備え、上記バンドにて上記天板取付部と上記係合部とを挟み、かつ上記バンドの円弧部用係止部と上記補強リングの円弧部とを係止させ上記補強リングの脚部を上記天板に当接させることで、当該容器における上記天板取付部と上記係合部との係合部分及び上記天板の補強をする容器用補強部材を取り付けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態である容器用補強部材、及び該容器用補強部材を使用した容器について図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同一の構成部分については同じ符号を付している。又、上記容器用補強部材が取り付けられる容器としては、上述したペール缶を例に採る。容器として市販のペール缶を選択することは、容器側に特別な加工を必要とせず、当該容器用補強部材をも含めた全コスト的に最も安価に当該容器用補強部材を使用した容器を作製することができる。
【0010】
図1に示すように、本実施形態の容器用補強部材30は、補強リング10と、バンド20との2つの部材から構成される。
補強リング10は、天板101の係合部110において、ペール缶60の中心軸側に位置する内側側面113に沿ってかつ天板101の周囲に沿って延在する、図2に示すような円環状の平面形状を有するリングである。このような補強リング10は、図1及び図3に示すような断面において、上記内側側面113の立上り部分114に沿って延在する脚部11と、該脚部11に対して上側に位置し内側側面113の円弧部分115に沿って延在する円弧部12と、上記脚部11に対して下側に位置し天板101に近接又は接触して延在して脚部11に対してL字状の断面形状を有する補強部13とからなり、本実施形態にあっては、脚部11、円弧部12及び補強部13は、一体的に成形されている。尚、円弧部12は、詳細後述するバンド20における円弧部用係止部に当接するような長さにて延在するものであり、円弧部12がバンド20から容易に外れるのを防止するため、ペール缶の反中心軸方向へ円弧状に曲げられたものである。尚、本実施形態では円弧部12は、図示するように円弧状の断面にてなるものであるが、円弧部12の概念は円弧状の断面に限定されるものではなく、上記反中心軸方向へ直線状に延在するものも含む概念である。又、ペール缶60の内圧の上昇により図12に例えば点線にて示すように天板101が膨れようとする場合に、天板101をより強固に補強するため、脚部11は、図3に示すように、鉛直方向に延在するよりもむしろ、鉛直方向に対して上記反中心軸側へ角度θにて傾斜しているのが好ましい。この角度θの値としては、0〜約15度が好ましい。尚、本実施形態の補強リング10において、図3に示す「H」及び「A」の寸法は、寸法Hが約10mm、寸法Aが約11mmであり、又、板厚は1.2mmである。
【0011】
又、補強リング10における補強部13は、図3に示すように、天板101の平板部分101aの中心部分までは延在していないが、より強固に天板101の補強を行う必要がある場合には、図4に示すように天板101の平板部分101aの全面を覆うように、補強部13を天板101の中心側へ延長した補強部13Aを形成した、補強リング10Aを形成することもできる。
【0012】
又、図5に示すように、補強部13の断面が環状になるようにロールした補強部13Bとした、補強リング10Bを形成することもできる。尚、上記ロールされた部分の形状は、環状に限らず、例えば楕円、四角等の形状であってもよい。
逆に、天板101がさほど強固な補強を必要としない場合には、図6に示すように、補強部13を有さずに、脚部11と円弧部12とから構成される補強リング10Cを形成することもできる。尚、この場合、補強部13における反円弧部側の端部は天板101の平板部分101aに当接するまで延在している。
【0013】
次に、バンド20について説明する。バンド20は、上述した、連結部材142を有する既存のバンド140とほぼ同じ構成を有するものであるが、補強リング10における円弧部12の係止を容易にするため円弧部用係止部21を設けた点でバンド140とは異なる。円弧部用係止部21は、バンド20を構成する部材である、ペール缶60の中心軸側に延在する上側部材22を、天板101の係合部110を超えてペール缶60の中心軸側へ延在させた部分である。
天板101の係合部110及び胴板103の天板取付部130部分にバンド20を取り付けて、連結部材142のレバー143を保持位置IIに位置させたとき、上側部材22の内面22aの内、円弧部用係止部21に対応する内面22bには、補強リング10の円弧部12の端部が当接する。よって、レバー143が保持位置IIに位置している状態においては、円弧部用係止部21と円弧部12との係止により補強リング10が天板101から外れることは防止される。
【0014】
バンド20は、上記上側部材22に対向する下側部材23、及び上側部材22と下側部材23とを連結する中央部材24が一体的に形成されてなり、図1に示すように、略コ字状の断面をなすものである。尚、上記略コ字状とは、完全なコ字状のみならず、図1に示すように上側部材22と下側部材23との間隔が互いに広がる方向にそれぞれの部材が延在するような場合や、U字状の断面の場合をも含む概念である。即ち、バンド20は、上側部材22の内面22aが天板101の係合部110の上端部分110aに接触し、かつ、天板101のラグ111を介して、又はラグ111が無い場合には直接に胴板103の天板取付部130に下側部材23の内面23aが接触し、上側部材22と下側部材23にてペール缶60の上下方向から係合部110と天板取付部130とを挟み、係合部110と天板取付部130との係合を保持するような機能を有するものである。
【0015】
尚、図1に示すように、上側部材22と下側部材23とが互いに離れる方向に延在する場合、係合部110及び天板取付部130部分にバンド20を取り付けて、連結部材142のレバー143を保持位置IIに位置させたとき、バンド20がペール缶60の中心軸側に締め付けられることで、上側部材22と下側部材23との間隔が狭くなる方向にバンド20が移動することになるので、より強固に係合部110と天板取付部130とを係合することができるからである。
【0016】
このように構成される容器用補強部材30の動作について説明する。
ラグ111付きの天板101の場合を例に採ると、天板101の係合部110を胴板103の天板取付部130に係合させて胴板103に天板101を取り付けた後、ラグ111を天板取付部130に沿って折り曲げ、天板101を胴板103に固定する。
天板101の内側側面113に沿って補強リング10を天板101に載置する。次に、取外位置IIIにレバー143を位置させたバンド20を、図1に示すように、係合部110と天板取付部130とを上下から挟むようにして、係合部110及び天板取付部130の係合部分に取り付ける。このときバンド20の円弧部用係止部21と補強リング10の円弧部12とは接触するような配置となる。そして、レバー143を保持位置IIへ回動させることで、バンド20はペール缶60の中心軸側に狭められ、係合部110と天板取付部130との係合をより強固に保持するとともに、補強リング10の脚部11又は補強部13は天板101に当接する。尚、図3ないし図5に示すような補強リング10,10A、10Bにあっては、レバー143を保持位置IIへ回動したときには、円弧部用係止部21と円弧部12との係止、及び補強部13、13A、13Bの存在にて、補強リング10,10A、10Bは、積極的に天板101を押圧するものとなるが、図6に示す補強リング10Cにあっては、補強リング10Cは、天板101を積極的に押圧する程度の作用をするものではない場合もある。
【0017】
このようにして容器用補強部材30をペール缶60に取り付けることで、内圧試験時において、天板101に膨れが生じ始めたとき、補強リング10も天板101の膨れとともに移動しようとするが、補強リング10の円弧部12はバンド20の円弧部用係止部21に係止しており補強リング10の上記移動は制限される。よって、天板101の膨れは制限されることから、係合部110と天板取付部130との係合部分から漏れが発生し始める内圧を向上させることができる。従って、内圧試験において、容器用補強部材30を使用したペール缶60においては、図8に白丸にて示すように、ペール缶60の天板101、胴板103の板厚が0.4mmのものであっても漏れ発生内圧を120Kpaとすることができ、合格基準値の100Kpaを上回ることができる。
【0018】
又、係合部110と天板取付部130との係合部分にバンド20を設け、かつ係合部110の内側側面113には補強リング10が配置されることから、係合部110と天板取付部130との係合部分の機械的強度が向上する。よって、落下試験において、容器用補強部材30を使用したペール缶60においては、図7に白丸にて示すように、ペール缶60の天板101、胴板103の板厚が0.4mmのものであっても、漏れが発生しない最高の落下高さを、包装等級IIIにおける合格基準値と同じ0.8mにまで向上させることができる。
【0019】
以上説明したように、本実施形態の容器用補強部材30は、既存のペール缶60に取り付けることができ、ペール缶60には変更を加えることはないことから安価に既存のペール缶60の補強を行うことができ、かつ容器用補強部材30は、補強リング10と、バンド20との2つの部材からなり、容器の補強を行うためには、容器の補強リング10を天板101に載置して、バンド20を上記容器に取り付けるという動作のみにて上記補強を行えることから、容器用補強部材30は、容器の補強を容易に行うことがきる。
【0020】
又、天板101を胴板103から取り外す場合には、バンド20のレバー143を保持位置IIから取外位置IIIに回動させ、係合部110及び天板取付部130に取り付けられたバンド20を緩めて係合部110及び天板取付部130からバンド20を取り外し、次に補強リング10を天板101から取り除く。そして、天板取付部130に沿って折り曲げられて天板取付部130に係合しているラグ111について、ラグ111を引き起こすことで、胴板103の天板取付部130との係合を解除する。こうすることで、天板101は胴板103から取り外すことができる。
【0021】
以上の説明はペール缶を例に採り行ったが、本実施形態の容器用補強部材は、ペール缶以外の容器であって天板が取り外し可能な容器についても使用可能である。又、容器の外形形状は、円形に限るものではなく、補強リング及びバンドの平面形状も上述したような円形に限るものではない。
【0022】
又、本実施形態では、補強リング10と天板101とは別個に存在するものとしたが、例えば溶接にて天板に補強リングが固定され補強リングと天板とが一体的に構成されていてもよい。
【0023】
又、本実施形態における説明では、胴板103の天板取付部130は、胴板端部を円環状にロールしたものであるが、天板取付部の形状、構造はこれに限るものではなく、天板に形成された係合部と係合可能な形状、構造を有するものであればよい。したがって天板の係合部も実施形態における逆U字形状に限られるものではない。
【0024】
又、本実施形態では、バンド20は円環状のもので連結部材142を有するものであるが、これに限るものではない。例えば、連結部材142を設けず、天板の周囲の複数箇所に取り付けられる、コ字状の断面を有する複数のバンドからなるものであってもよい。
【0025】
又、天板のみならず地板も胴板に対して着脱可能な容器の場合には、地板側にも、本実施形態及び上述した各変形例による、容器用補強部材を取り付けることも可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、バンドと補強リングの2つの部材を設け、上記バンドにて天板取付部と係合部との係合部分を上下方向から挟み、かつ上記バンドにおける円弧部用係止部と上記補強リングの円弧部とを係止することで上記補強リングの脚部を天板に接触させるようにしたことにより、当該容器における上記天板取付部と上記係合部との係合部分及び上記天板の補強を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である容器用補強部材の構成を示す断面図である。
【図2】 図1に示す補強リングの平面図である。
【図3】 図2に示すA−A線における断面図である。
【図4】 図1に示す補強リングの他の実施形態を示す断面図である。
【図5】 図1に示す補強リングの別の実施形態を示す断面図である。
【図6】 図1に示す補強リングのさらに他の実施形態を示す断面図である。
【図7】 図1に示す容器用補強部材を使用した容器と、使用していない従来の容器とにおいて、落下試験を行った場合の結果を示すグラフである。
【図8】 図1に示す容器用補強部材を使用した容器と、使用していない従来の容器とにおいて、内圧試験を行った場合の結果を示すグラフである。
【図9】 図1に示す容器用補強部材を使用した容器と、使用していない従来の容器とにおいて、気密試験を行った場合の結果を示すグラフである。
【図10】 ペール缶の外形及び断面図である。
【図11】 図10に示すI部の断面図である。
【図12】 図10に示すI部の断面図であって、ラグを折り曲げた状態を示す断面図である。
【図13】 従来のバンドをペール缶に取り付けた状態を示す断面図である。
【図14】 図13に示すバンドに設けられている連結部材の構造及び動作を説明するための平面図である。
【符号の説明】
10…補強リング、11…脚部、12…円弧部、13…補強部、
20…バンド、21…円弧部用係止部、22…上側部材、
30…容器用補強部材、60…ペール缶、
101…天板、103…胴板、110…係合部、130…天板取付部、
142…連結部材。

Claims (7)

  1. 胴板(103)の下端に地板(102)が設けられ上端に天板(101)が設けられる容器で、上記天板には、上記胴板の上端の周縁部に形成された天板取付部(130)に係合する係合部(110)が上記天板の周囲に形成されて上記天板が上記胴板に対して着脱可能な容器に使用される容器用補強部材であって、
    上記天板が上記胴板に取り付けられた状態において上記天板取付部と上記係合部とを上下方向から挟み上記天板取付部と上記係合部の係合を保持する断面が略コ字状のバンドであって、該バンドを構成する部材であり当該容器の中心軸側に延在する上側部材(22)は、上記係合部を超えて当該容器の中心軸側へ延在した円弧部用係止部(21)を有するバンド(20)と、
    断面形状において、当該容器の中心軸側に位置する側面である上記天板の係合部の内側側面(113)における立上り部分(114)に沿って延在する脚部(11)と、上記脚部に対して上側に位置する円弧部であって上記バンドの上記円弧部用係止部において上記天板に対向する上記円弧部用係止部の内面(22b)に当接するまで上記内側側面に沿って延在する円弧部(12)と、を有し、平面形状において上記天板の周囲に沿って環状に延在する補強リング(10)と、
    を備え、上記バンドにて上記天板取付部と上記係合部とを挟み、かつ上記バンドの円弧部用係止部と上記補強リングの円弧部とを係止させ上記補強リングの脚部を上記天板に当接させることで、当該容器における上記天板取付部と上記係合部との係合部分及び上記天板の補強をすることを特徴とする容器用補強部材。
  2. 上記バンドは、円環状にてなり、該円環状の一部を分離し該分離部分には、当該分離部分を連結し、上記天板取付部と上記係合部との係合を保持する保持位置、又は当該バンドを上記容器から取り外し可能となる取外位置に位置することで当該バンドを上記天板取付部と上記係合部との係合部分に着脱可能とする連結部材(142)を備えた、請求項1記載の容器用補強部材。
  3. 上記補強リングは、上記脚部に対して下側に位置し上記天板に近接又は接触して延在する、上記脚部に対してL字状の断面形状である補強部(13)をさらに有する、請求項1又は2記載の容器用補強部材。
  4. 上記補強部は、断面が環状となるようにロールした、請求項3記載の容器用補強部材。
  5. 上記補強部は、上記天板の全面を覆う、請求項3記載の容器用補強部材。
  6. 上記補強リングは、上記天板と一体的に取り付けられている、請求項1ないし5のいずれかに記載の容器用補強部材。
  7. 胴板(103)の下端に地板(102)が設けられ上端に天板(101)が設けられる容器で、上記天板には、上記胴板の上端の周縁部に形成された天板取付部(130)に係合する係合部(110)が上記天板の周囲に形成されて上記天板が上記胴板に対して着脱可能な容器に使用される容器用補強部材であって、
    上記天板が上記胴板に取り付けられた状態において上記天板取付部と上記係合部とを上下方向から挟み上記天板取付部と上記係合部の係合を保持する断面が略コ字状のバンドであって、該バンドを構成する部材であり当該容器の中心軸側に延在する上側部材(22)は、上記係合部を超えて当該容器の中心軸側へ延在した円弧部用係止部(21)を有し、当該バンドは、円環状にてなり、該円環状の一部を分離し該分離部分には、当該分離部分を連結し、上記天板取付部と上記係合部との係合を保持する保持位置、又は当該バンドを上記容器から取り外し可能となる取外位置に位置することで当該バンドを上記天板取付部と上記係合部との係合部分に着脱可能とする連結部材(142)を備えたバンド(20)と、
    断面形状において、当該容器の中心軸側に位置する側面である上記天板の係合部の内側側面(113)における立上り部分(114)に沿って延在する脚部(11)と、上記脚部に対して上側に位置する円弧部であって上記バンドの上記円弧部用係止部において上記 天板に対向する上記円弧部用係止部の内面(22b)に当接するまで上記内側側面に沿って延在する円弧部(12)と、上記脚部に対して下側に位置し上記天板に近接又は接触して延在する、上記脚部に対してL字状の断面形状である補強部(13)と、を有し、平面形状において上記天板の周囲に沿って環状に延在する補強リング(10)と、
    を備え、上記バンドにて上記天板取付部と上記係合部とを挟み、かつ上記バンドの円弧部用係止部と上記補強リングの円弧部とを係止させ上記補強リングの脚部を上記天板に当接させることで、当該容器における上記天板取付部と上記係合部との係合部分及び上記天板の補強をする容器用補強部材
    を取り付けたことを特徴とする容器。
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