JP3818976B2 - 被害情報収集方法およびシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被害情報収集方法およびシステムに関する。
災害が発生した場合において、それによる被害状況をできるだけ速く且つ正確に把握して対策をたてる必要がある。被害状況の把握のためには、現地調査によって被害状況を示す地図を作成することが最も有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来において、例えば現地調査によって被害状況を示す地図を作成する場合に、地図情報システムが利用される。
【0003】
このような目的で用いられる地図情報システムは、地図データベースを有したセンター側データ処理システムと、センター側データ処理システムに対して通信によってデータ転送が可能な端末装置とを有して構成される。
【0004】
現地調査を行うに際して、担当者は、センター側データ処理システムの地図データベースを端末装置にダウンロードする。担当者は、地図データベースを格納した端末装置を携帯して現地へ行く。現地において、端末装置に地図データベースに基づく地図を表示させ、調査対象の建物などを指示するために、端末装置に表示された地図上において該当する位置をポインティングデバイスによって指示入力し、そこに被害状況を示すシンボルデータを書き込む。
【0005】
このような操作を繰り返すことによって、被害状況地図を作成する。調査が終わると、作成された最終の地図を、端末装置からセンター側データ処理システムに送信する。
【0006】
また、調査対象の建物などを指示するために、GPSと呼称される位置検出装置が用いられる。この場合には、調査の担当者がGPSを背負って携帯することにより、担当者の位置がGPSから発信され、これを位置情報として入力することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
地図データベースを端末装置にダウンロードする前者の方法では、大量のデータが転送されて端末装置に格納されるので、データ転送に要する時間、端末装置におけるデータ処理時間、地図を表示する時間などが長くなって処理速度が低下し、且つ端末装置で保持するデータ量が多くなってそれだけ大容量の記憶装置が必要となる。
【0008】
また、GPSを用いる後者の方法では、装置が大がかりになり、機動性に欠けるとともに、コストが高くなる。
本発明は、端末装置からキャラクタデータのみを送信することによって地図情報を更新することを可能とし、またデータ転送のための時間を短縮し、簡便な操作によって災害発生時における現地の被害状況を調査して情報を収集することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る方法は、ネットワークを介して接続されたセンター側データ処理システムと端末装置とによって災害発生時の現地の被害状況の情報を収集するための被害情報収集方法であって、前記センター側データ処理システムは、調査対象を特定するための所在地情報を記録する所在地情報記録欄と、前記所在地情報に対応する調査対象の被害状況を記録する少なくとも1つの被害状況記録欄とを有し、前記被害状況記録欄には当該調査対象の被害状況を予め定めた被害の状況に対応するキャラクタデータを選択することにより入力するように構成された、現地調査のためのひな型シート、および、調査対象地区に含まれる調査対象の所在地情報を前記ひな型シートの所在地情報記録欄に記録して調査対象地区毎に作成された調査シートを、記憶装置に格納しており、担当者の指示入力に応じて、調査対象地区の前記調査シートを端末装置に転送し、前記端末装置は、前記センター側データ処理システムから転送された前記調査シートを記憶装置に記憶し、担当者の指示入力に応じて、前記記憶装置に記憶された調査シートをディスプレイの画面に表示し、被害の状況が確認された調査対象についてその被害の状況に対応して当該被害状況記録欄のキャラクタデータを担当者が選択して入力することにより被害状況が記録された前記調査シートの中から、新しく書き込まれたデータのみを抽出し、調査シートについて抽出した新しいデータのみを前記センター側データ処理システムに送信し、前記センター側データ処理システムは、受信した調査シートのデータの内容によって該当する調査対象地区の調査シートを更新するとともに、当該調査シートに記録された所在地情報に対応する地図上のデータ位置を所在地対応ファイルを参照して取得し、且つ、当該所在地情報に対応して記録されたキャラクタデータに対応するシンボルデータをシンボル対応ファイルを参照して取得し、取得したシンボルデータを取得した地図上のデータ位置に表示する。
【0010】
本発明に係るシステムは、センター側データ処理システムと端末装置とがネットワークを介して接続され、前記センター側データ処理システムは、調査対象を特定するための所在地情報を記録する所在地情報記録欄と、前記所在地情報に対応する調査対象の被害状況を記録する少なくとも1つの被害状況記録欄とを有し、前記被害状況記録欄は当該調査対象の被害状況を予め定めた被害の状況に対応するキャラクタデータを選択することにより入力するように構成された、現地調査のためのひな型シートを、センター側データ処理システムの記憶装置に登録する、ひな型シート登録手段と、 調査対象地区毎に、各調査対象地区に含まれる調査対象の所在地情報を、前記ひな型シートの所在地情報記録欄に記録して調査対象地区毎の調査シートを作成し、記憶装置に登録する調査シート作成手段と、前記所在地情報と地図上のデータ位置とを対応付ける所在地対応ファイルと、前記キャラクタデータとシンボルデータとを対応付けるシンボル対応ファイルと、端末装置から要求された調査対象地区の調査シートを前記端末装置に送出する調査シート送出手段と、端末装置から送信された調査シートのデータを受信し、受信したデータの内容によって該当する調査対象地区の調査シートを更新する調査シート更新手段と、更新された調査シートに記録された所在地情報に対応する地図上のデータ位置を前記所在地対応ファイルを参照して取得する手段と、更新された調査シートに記録された前記キャラクタデータに対応するシンボルデータを前記シンボル対応ファイルを参照して取得する手段と、取得したシンボルデータをそれに対応する地図上のデータ位置に表示する表示手段と、を有し、前記端末装置は、前記センター側データ処理システムから送出された調査シートを記憶装置に記憶する調査シート取得手段と、前記記憶装置に記憶された調査シートをディスプレイの画面に表示する調査シート表示手段と、被害の状況が確認された調査対象についてその被害の状況に対応して当該被害状況記録欄のキャラクタデータを選択することにより、当該調査対象の被害状況を調査シートに記録する調査シート更新手段と、前記調査シートに書き込まれたデータの中から新しく書き込まれたデータのみを抽出する抽出手段と、前記調査シートについて抽出されたデータを前記センター側データ処理システムに送信する調査シート送信手段と、を有する。
【0011】
本発明に係るセンター側データ処理システム、又は端末装置は、例えばパーソナルコンピュータ又はワークステーションを用いて実現される。本発明に係る方法を実行するためのプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、CD−ROM、フロッピーディスク(登録商標)、又は光磁気ディスクなどの記録媒体に格納される。その場合に、センター側データ処理システム及び端末装置のそれぞれに、それぞれの処理のためのプログラムが格納される。又は、システムの全体のプログラムがセンター側データ処理システムに格納され、端末装置に必要なプログラムはセンター側データ処理システムからダウンロードされる。
【0012】
記録媒体に格納されたプログラムは、主メモリ上に適時ローディングされ、処理装置によって実行される。その際に、CD−ROM装置、フロッピィディスク装置、又は光磁気ディスク装置などのドライブ装置が必要に応じて用いられる。記録媒体がネットワークなどの通信回線で結ばれたサーバに設けられている場合には、通信回線を介してサーバからプログラムがダウンロードされる。また、プログラムが通信回線を介して処理装置に転送される場合には、通信回線自体も記録媒体に相当する。プログラムは、種々のOS、プラットホーム、システム環境、又はネットワーク環境の下で動作するように供給可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る地図情報システム1の全体の構成を示すブロック図、図2は端末装置12の構成の例を示す図、図3は調査シート51の例を示す図、図4は住所対応テーブル52の例を示す図、図5はシンボル対応テーブル53の例を示す図、図6はセンター側処理システム11の画面HGに表示される地図MAPの例を示す図である。
【0014】
本実施形態においては、災害が発生した場合における被害状況の調査に用いられる地図情報システム(被害情報収集システム)1を例として説明する。
図1において、地図情報システム1は、センター側処理システム11、及びセンター側処理システム11と公衆電話回線41やLAN(Local Area Network)42などで接続される多数の端末装置12a,12b,12c…からなる。端末装置12a,12b,12c…の全部又は一部を「端末装置12」と記載することがある。
【0015】
センター側処理システム11は、処理装置21、地図データベース22、住所対応ファイル23、シンボル対応ファイル24、調査済ファイル25、ひな型ファイル26、ディスプレイ31、プリンタ32、キーボード33、マウス34、CD−ROM装置35、及びフロッピィディスク装置36などからなる。地図データベース22、住所対応ファイル23、シンボル対応ファイル24、調査済ファイル25、ひな型ファイル26、及び後述するセットアップファイルなどは、図示しない磁気ディスク装置に格納されているが、その一部を処理装置21に内蔵した半導体メモリに格納してもよい。
【0016】
図2において、端末装置12は、処理装置61、ディスプレイ62、キーボード63、パッド64、CD−ROM装置65、フロッピィディスク装置66、及び磁気ディスク装置67などからなる。また、図示は省略したが、公衆電話回線41やLAN42と接続するためのモデム又は通信制御装置が設けられている。なお、これらは1つのキャビネットに内蔵されて一体化され、且つ電池による動作が可能であり、携帯が容易なものとなっている。端末装置12として、例えば、所謂ノート型パーソナルコンピュータ、又はモバイル端末などが利用可能である。
【0017】
センター側処理システム11は、例えば災害対策本部に設置される。端末装置12は、通常は災害対策本部に配置され、調査に際しては担当者によって現地へ持ち出される。
【0018】
地図データベース22は、市街地図などの地図情報をデータベース化したものであり、処理装置21に格納されたプログラムの実行によって、その内容を修正し又は編集し、ディスプレイ31の画面HGに表示し、プリンタ32で印刷することができる。このような地図データベース22及びその操作処理のためのプログラムとして、公知の種々のものが利用可能である。
【0019】
住所対応ファイル23には住所対応テーブル52が格納されている。住所対応テーブル52は、図4に示すように、住所ADRと地図上の座標位置TONとを対応付けるテーブルである。座標位置TONとして、例えば地図番号MNB及び座標CDNが記録される。住所対応テーブル52を参照することによって、住所ADRに対応する地図上のデータ位置が取得される。
【0020】
シンボル対応ファイル24にはシンボル対応テーブル53が格納されている。シンボル対応テーブル53は、図5に示すように、シンボル番号SNBと、シンボルデータSDT及び色データSCLとを対応付けるテーブルである。
【0021】
シンボルデータSDTとして、例えば、建物の全壊を示すマークのデータ、又はそのようなデータを格納したメモリ上のアドレス又はファイル名などが記録される。図6に示すように、シンボルデータSDTを地図上に表示することによって、それが表示された位置における被害状況が一目瞭然となる。
【0022】
このように、センター側処理システム11においては、地図情報が更新される度毎に、及び表示の指示が行われることにより、ディスプレイ31の画面HGにシンボルデータSDTの書き込まれた地図MAPが表示される。
【0023】
色データSCLとして、赤、黄、青などのように、シンボルデータSDTに付する色が記録される。色を付することにより、シンボルデータSDTにより表示される状況がより一層分かりやすくなる。異なる複数の被害状況に対して同じ形状のシンボルデータSDTを割り当てた場合には、色データSCLによってそれらに異なる色を付することにより、それら複数の被害状況を判別させることができる。なお、色データSCLをシンボルデータSDTの中に含めてもよい。
【0024】
シンボル対応テーブル53を参照することによって、シンボル番号SNBに対応するシンボルデータSDT及びその色データSCLが取得できる。
なお、図6に示す地図MAPにおいて、シンボルデータSDT1は建物の全壊を、シンボルデータSDT2は建物の一部損壊を、それぞれ示す。シンボルデータSDT3は水道設備の損壊を示し、それらに付された色によって損壊または阻害の程度を示す。
【0025】
調査済ファイル25には、端末装置12から送信されてきた調査済の調査シート51が格納される。調査シート51は、市内において区画された各地区毎に作成されている。例えば100個の地区に区画された場合には、100種類の調査シート51が格納される。また、ひな型ファイル26には、調査前の、又は調査済ではあるがその調査内容が既にセットアップファイルに登録された後の調査シート51が格納される。ひな型ファイル26に格納された調査シート51は、端末装置12にダウンロード可能である。調査シート51は、データ取得用シートという場合もある。
【0026】
図3において、調査シート51には、地区名NAR、住所ADR、名前NME、状況1STT1、状況2STT2、状況3STT3、状況4STT4、状況5STT5…、及び更新フラグFLGが記録される。
【0027】
地区名NARは、市内において区画された各地区の名前である。市内におけるある住所ADRは、いずれか1つの地区名NARの調査シート51に含まれるように作成される。住所ADRの欄には、所在地情報である住所が書き込まれている。名前NMEは、その住所ADRに住んでいる個人又は法人の名前、又はビルディングの名前などである。
【0028】
状況1STT1、状況2STT2、状況3STT3…は、被害状況の調査対象を示す。これらは、例えば、建物、ガス、水道、電気、人的などであり、実際には「状況1」などの語句に代えて「建物」などの語句を表示するのがよい。各状況STTの記録欄には、「1」「2」「3」の数字が表示されている。これらは、それぞれの被害状況を示すものであり、本発明における状況情報である。例えば、「1」は被害大、建物であれば全壊、「2」は被害中、建物であれば半壊、「3」は被害小、建物であれば一部損壊、という具合に、被害の状況に応じて定められている。端末装置12においては、ポインティングデバイスによってそれぞれの数字の上を指し示すことによって、それぞれの入力が行われる。更新フラグFLGは、ある住所ADRに対して端末装置12で調査を実行することによりデータが更新された場合に、その住所ADRに対して立てられるフラグである。したがって、更新フラグFLGの欄に記録があれば、その住所ADRについてのデータは新しいものであることが分かる。
【0029】
このような調査シート51として、例えば表計算ソフトなどで用いられるワークシートを利用することができる。調査シート51のデータは、キャラクタデータであり、イメージデータと比較してデータ量は少ない。また、調査シート51は、住民票などの住民記録台帳のデータを基にして作成される。その際に、必要に応じて家屋台帳又は固定資産台帳のデータも利用される。したがって、住民記録台帳を含むデータベースにより構成された情報システムとの連携を図ることにより、正確な調査シート51を作成することが可能である。
【0030】
次に、地図情報システム1による被害状況の調査方法、及び地図情報の更新方法について、フローチャートを参照して説明する。
図7は地図情報システム1による被害状況の調査の流れを示すフローチャート、図8は端末処理の流れを示すフローチャート、図9はセンター側処理の流れを示すフローチャート、図10はセットアップファイルの作成処理を示すフローチャートである。
【0031】
図7に示すように、準備として、まず、調査シート51のひな型を作成し、ひな型ファイル26に格納しておく(#1)。調査のための端末処理を行い(#2)、地図データベース22の更新のためのセンター側処理を行う(#3)。
【0032】
図8において、調査を行う場合に、調査の担当者は、1つの端末装置12を携帯して現地へ行くが、その前に、調査対象となる地区の調査シート51をセンター側処理システム11からダウンロードする(#11)。このダウンロードは、例えばLAN42を介して行われる。ダウンロードされた調査シート51は、例えば端末装置12の磁気ディスク装置67に格納される。
【0033】
担当者は、現地において、調査シート51をディスプレイ62の画面HGに表示させる。現地における住所、及びその位置の建物、ガス、水道、電気、又は人的な被害状況について確認し、調査シート51の欄に入力していく(#12)。データが入力された住所ADRについては、更新フラグFLGが立てられる。
【0034】
調査シート51について全部の調査を終えたとき、又はその一部ではあるが調査が一段落したときに、担当者は、調査済のデータをセンター側処理システム11にアップロードするための指示入力を行う。その指示入力を行うと、処理装置61は、調査シート51に記録されたデータのうち、更新フラグFLGが立っている住所ADRのデータのみが今回の新しいデータとして抽出される(#13)。送信のための指示入力を行うと、抽出されたデータ(更新データ)がセンター側処理システム11に送信される(#14)。このアップロードは、例えば公衆電話回線41を介して行われる。送信される更新データは、キャラクタデータであるので、データ量が少なく、短時間で容易に送信できる。
【0035】
図9において、端末装置12から送信された更新データは、センター側処理システム11によって受信され、調査済ファイル25に格納される(#21)。センター側処理システム11においては、多数の端末装置12から更新データを受信するが、それらのデータは調査済の調査シート51として調査済ファイル25に格納される。また、1つの端末装置12から1日に複数回にわたって更新データが送信されてくることがあるが、後から送信されるデータの方が新しいので、後からのデータによって該当する調査シート51が上書きされる。なお、送信されてくる複数の更新データをその時刻とともにそれぞれ調査済ファイル25に格納しておき、後でセットアップアイルを作成する際に新しいデータのみを残すようにしてもよい。
【0036】
センター側処理システム11は、例えば1日1回のバッチ処理によって、調査済ファイル25に格納された更新データを地図データベース22に登録する。そのバッチ処理において、図示しないセットアップファイルを作成する(#22)。セットアップファイルは、更新データを地図データベース22に反映させるために設けられる中間ファイルである。しかし、このようなセットアップファイルを作成することなく、更新データに基づいて地図データベース22を直接に更新してもよい。
【0037】
図10に示すように、調査済ファイル25に更新データが存在する場合に、その更新データに含まれた住所ADRに基づいて、住所対応ファイル23を参照し、地図上の座標位置TONを取得する(#32)。また、シンボル対応ファイル24を参照して、状況STTに対応するシンボルデータSDTを取得する(#33)。取得したこれらのデータを、セットアップファイルに書き込む(#34)。
【0038】
図9に戻って、セットアップファイルが作成されると、調査済ファイル25に格納された調査シート51の内容がひな型ファイル26の調査シート51に転送される(#23)。その際に、更新フラグFLGはクリアされる。したがって、ひな型ファイル26に格納される調査シート51については、更新フラグFLGは全てクリアされた状態である。セットアップファイルの内容に基づいて、地図データベース22の更新が行われる(#24)。
【0039】
図11は本発明に係る方法を実行するためのプログラムの記録媒体STの形態を示す図である。図11に示すシステムは、センター側処理システム11又は端末装置12のそれぞれに対応する。
【0040】
図11に示すように、処理装置PSに設けられた主メモリ、RAM、ROM、若しくは磁気ディスクなどの記憶装置STA、CD−ROM、フロッピーディスク(登録商標)、若しくは光磁気ディスクなどの可搬媒体STB、ネットワーク若しくは通信回線STDで結ばれたサーバ若しくはDASDなどの回線先媒体STC、又は通信回線STDそれ自体が、記録媒体STとして利用可能である。
【0041】
記録媒体STが可搬媒体STBである場合には、プログラムは可搬媒体STBの種類に対応するドライブ装置によって読み出され、処理装置PSの記憶装置STAに格納され又は主メモリ上にローディングされ、実行される。記録媒体STが回線先媒体STCである場合には、プログラムは通信回線STDを介して記憶装置STAにダウンロードされ、又は適時転送されて実行される。プログラムは、種々のOS、プラットホーム、システム環境、又はネットワーク環境の下で動作するように供給可能である。
【0042】
上述のように、地図情報システム1によると、調査において、端末装置12には調査シート51を格納しておけばよく、地図をイメージデータとして格納する必要が全くないので、少ない記憶容量でよく、しかもそのデータの取得、データの表示、データの転送などを短時間で行うことができ、操作が軽快である。
【0043】
また、端末装置12において、被害状況を入力するに当たり、住所ADRに対応する状況の欄にチェックを入れるだけでよいので、入力が極めて簡単であり、誰でも簡単に操作を行うことができる。
【0044】
また、調査シート51をセンター側処理システム11において作成し、センター側処理システム11から端末装置12にダウンロードするので、センター側処理システム11において調査シート51を集中的に管理することができ、端末装置12における操作及び処理を簡便なものとすることができる。
【0045】
端末装置12からセンター側処理システム11への更新データの送信に当たっては、キャラクタデータを送信するので、送信のデータ量が少なく、短時間で送信が行える。また、端末装置12に格納された調査シート51のデータのうち、更新フラグFLGが付されたデータのみを抽出して送信するので、データ量が一層軽減され、送信時間が短くなる。
【0046】
上述の実施形態においては、調査に出掛ける前に、調査シート51をセンター側処理システム11のひな型ファイル26から端末装置12にダウンロードするが、1つの地区について担当が決まっており、且つ端末装置12に以前に調査に用いた調査シート51が残っている場合には、端末装置12に残っている調査シート51の更新フラグFLGをクリアして使用してもよい。端末装置12とセンター側処理システム11との間のデータ転送に当たって、無線通信を利用してもよい。各ファイル、各テーブルなどの内容、構成、センター側処理システム11、端末装置12、及び地図情報システム1の全体又は各部の構成、処理内容、処理順序などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【0047】
なお、センター側処理システム11は本発明のセンター側データ処理システムに、調査シート51における地区名NARは本発明の調査対象地区に、住所ADRまたは名前NMEは本発明の所在地情報記録欄に、状況1STT1〜3は本発明の被害状況記録欄に、センター側処理システム11の処理装置21は本発明のひな型シート登録手段、調査シート作成手段、調査シート更新手段、および取得する手段などに、端末装置12の処理装置61は本発明の調査シート取得手段、調査シート表示手段、調査シート更新手段、および調査シート送信手段などに、それぞれ相当する。
【0048】
【発明の効果】
本発明によると、端末装置からキャラクタデータのみを送信することによって地図情報を更新することが可能であり、これによってデータ転送のための時間を短縮することができる。
【0049】
また、1つのひな型シートまたは調査シートによって所在地情報および状況情報を管理することができる。また、調査シートをセンター側データ処理システムにおいて作成し、センター側データ処理システムから端末装置にダウンロードなどによって送出するので、センター側データ処理システムにおいて調査シートを集中的に管理することができ、端末装置における操作及び処理を簡便なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地図情報システムの全体の構成を示すブロック図である。
【図2】端末装置の構成の例を示す図である。
【図3】調査シートの例を示す図である。
【図4】住所対応テーブルの例を示す図である。
【図5】シンボル対応テーブルの例を示す図である。
【図6】画面に表示される地図の例を示す図である。
【図7】地図情報システムによる被害状況の調査の流れを示すフローチャートである。
【図8】端末処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】センター側処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】セットアップファイルの作成処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る方法を実行するためのプログラムの記録媒体の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 地図情報システム(被害情報収集システム)
11 センター側処理システム(センター側データ処理システム)
12 端末装置
21 処理装置
22 地図データベース
31 ディスプレイ(表示手段)
51 調査シート
61 処理装置
62 ディスプレイ
ADR 住所(所在地情報)
STT 状況(状況情報)
SDT シンボルデータ
FLG 更新フラグ(フラグ)
STA,STB,STC,STD 記録媒体
Claims (2)
- ネットワークを介して接続されたセンター側データ処理システムと端末装置とによって災害発生時の現地の被害状況の情報を収集するための被害情報収集方法であって、
前記センター側データ処理システムは、
調査対象を特定するための所在地情報を記録する所在地情報記録欄と、前記所在地情報に対応する調査対象の被害状況を記録する少なくとも1つの被害状況記録欄とを有し、前記被害状況記録欄には当該調査対象の被害状況を予め定めた被害の状況に対応するキャラクタデータを選択することにより入力するように構成された、現地調査のためのひな型シート、および、調査対象地区に含まれる調査対象の所在地情報を前記ひな型シートの所在地情報記録欄に記録して調査対象地区毎に作成された調査シートを、記憶装置に格納しており、
担当者の指示入力に応じて、調査対象地区の前記調査シートを端末装置に転送し、
前記端末装置は、
前記センター側データ処理システムから転送された前記調査シートを記憶装置に記憶し、
担当者の指示入力に応じて、前記記憶装置に記憶された調査シートをディスプレイの画面に表示し、
被害の状況が確認された調査対象についてその被害の状況に対応して当該被害状況記録欄のキャラクタデータを担当者が選択して入力することにより被害状況が記録された前記調査シートの中から、新しく書き込まれたデータのみを抽出し、調査シートについて抽出した新しいデータのみを前記センター側データ処理システムに送信し、
前記センター側データ処理システムは、
受信した調査シートのデータの内容によって該当する調査対象地区の調査シートを更新するとともに、当該調査シートに記録された所在地情報に対応する地図上のデータ位置を所在地対応ファイルを参照して取得し、且つ、当該所在地情報に対応して記録されたキャラクタデータに対応するシンボルデータをシンボル対応ファイルを参照して取得し、取得したシンボルデータを取得した地図上のデータ位置に表示する、
ことを特徴とする被害情報収集方法。 - 災害発生時の現地の被害状況を調査して情報を収集するための被害情報収集システムであって、
センター側データ処理システムと端末装置とがネットワークを介して接続され、
前記センター側データ処理システムは、
調査対象を特定するための所在地情報を記録する所在地情報記録欄と、前記所在地情報に対応する調査対象の被害状況を記録する少なくとも1つの被害状況記録欄とを有し、前記被害状況記録欄は当該調査対象の被害状況を予め定めた被害の状況に対応するキャラクタデータを選択することにより入力するように構成された、現地調査のためのひな型シートを、センター側データ処理システムの記憶装置に登録する、ひな型シート登録手段と、
調査対象地区毎に、各調査対象地区に含まれる調査対象の所在地情報を、前記ひな型シートの所在地情報記録欄に記録して調査対象地区毎の調査シートを作成し、記憶装置に登録する調査シート作成手段と、
前記所在地情報と地図上のデータ位置とを対応付ける所在地対応ファイルと、 前記キャラクタデータとシンボルデータとを対応付けるシンボル対応ファイルと、
端末装置から要求された調査対象地区の調査シートを前記端末装置に送出する調査シート送出手段と、
端末装置から送信された調査シートのデータを受信し、受信したデータの内容によって該当する調査対象地区の調査シートを更新する調査シート更新手段と、
更新された調査シートに記録された所在地情報に対応する地図上のデータ位置を前記所在地対応ファイルを参照して取得する手段と、
更新された調査シートに記録された前記キャラクタデータに対応するシンボルデータを前記シンボル対応ファイルを参照して取得する手段と、
取得したシンボルデータをそれに対応する地図上のデータ位置に表示する表示手段と、を有し、
前記端末装置は、
前記センター側データ処理システムから送出された調査シートを記憶装置に記憶する調査シート取得手段と、
前記記憶装置に記憶された調査シートをディスプレイの画面に表示する調査シート表示手段と、
被害の状況が確認された調査対象についてその被害の状況に対応して当該被害状況記録欄のキャラクタデータを選択することにより、当該調査対象の被害状況を調査シートに記録する調査シート更新手段と、
前記調査シートに書き込まれたデータの中から新しく書き込まれたデータのみを抽出する抽出手段と、
前記調査シートについて抽出されたデータを前記センター側データ処理システムに送信する調査シート送信手段と、
を有することを特徴とする被害情報収集システム。
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