JP3818211B2 - 生体信号検出装置および生体信号検出装置の校正処理プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体もしくは被照射体に光を照射しその透過光や反射光に基づき被検体又は被照射体の状態を検出測定するための生体信号検出装置および生体信号検出装置の校正処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の代表的な生体信号検出装置としては、パルスオキシメータがある。
【0003】
このパルスオキシメータは、血液中のヘモグロビンのうち、酸素と結合した酸化ヘモグロビンと、酸素と結合していない還元ヘモグロビンとの比率を検出し、酸素飽和度%として演算表示するもので、酸化ヘモグロビンに対する吸光度が高い赤外発光LEDと還元ヘモグロビンに対する吸光度が高い赤色発光LEDとの2つの発光素子と、この発光波長の異なる2つの発光素子を交互に発光させて生体(指や耳たぶ)に照射することで該生体を透過した透過光を受光する受光素子とを備え、この受光素子による赤外発光時と赤色発光時との各生体透過光の受光量の比、すなわち吸光度の比率を酸素飽和度%として演算算出し測定するものである。
【0004】
また、このパルスオキシメータでは、生体の透過光から血液の脈動に応じた受光信号が得られることから、脈拍を演算算出し測定することもできる。
【0005】
なお、このような生体への光の照射と受光を利用した生体信号検出装置一般として、生体の状態を直接検出する部分、つまり、生体に光を照射する発光部およびこの光の照射により得られる生体からの光を受光する受光部そしてその受光信号を取り出す部分をプローブと称している。
【0006】
このプローブは、生体測定の度に該生体に直接接触することおよび発光・受光動作を繰り返すことから、特にその使用環境に応じて性能の低下が著しく、一定以上の測定精度を維持する上で定期的な交換が必要になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような生体信号検出装置において、プローブの交換費用は高いため、特に一般ユーザへの普及がされにくい原因となっている。
【0008】
そこで、プローブの価格を下げることが考えられるが、その主要な構成部品である発光素子および受光素子に安価なものを使用すると、プローブ毎に個体差が生じ、プローブの交換に伴い所定の測定精度が得られているのか明確でなくなる問題がある。
【0009】
すなわち、プローブにおける発光部の駆動制御および受光部からの信号検出は何れも装置本体の側で行われ、所定の発光駆動制御をしたときの受光検出信号に基づいて脈拍や酸素飽和度などの演算測定が行われるため、プローブ毎にその発光効率や受光効率がばらついたり、また同一プローブであってもその発光効率や受光効率が低下したりすると、測定精度にもばらつきが生じてしまう。
【0010】
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、プローブ毎の性能のばらつきや多少の性能低下にも影響を受けることなく、常に安定した測定結果を得ることが可能になる生体信号検出装置および生体信号検出装置の校正処理プログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る第1の生体信号検出装置は、発光手段とこの発光手段により発光される光を被検体に照射することにより得られる被検体からの光を受光する受光手段とを有するプローブと、このプローブの発光手段を駆動する発光駆動手段と、この発光駆動手段により前記プローブの発光手段を駆動した際に、当該プローブの受光手段から出力される受光信号の信号レベルを測定する信号レベル測定手段と、前記発光駆動手段により前記プローブの発光手段を所定の発光駆動レベルで駆動した際に、前記信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルと前記所定の発光駆動レベルに応じた規定の信号レベルとに基づき当該測定された信号レベルの補正係数を算出する補正係数算出手段と、この補正係数算出手段により算出された信号レベルの補正係数に基づき、前記信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルを補正し前記被検体の状態を測定する状態測定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
このような、本発明に係る第1の生体信号検出装置では、発光駆動手段によりプローブの発光手段を所定の発光駆動レベルで駆動した際に、信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルと前記所定の発光駆動レベルに応じた規定の信号レベルとに基づき当該測定された信号レベルの補正係数が算出され、この算出された信号レベルの補正係数に基づき、前記信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルが補正されて被検体の状態が測定されるので、プローブ性能のばらつきが校正されて被検体の状態測定が行われることになる。
【0013】
また、本発明に係る第2の生体信号検出装置は、発光手段とこの発光手段により発光される光を被検体に照射することにより得られる被検体からの光を受光する受光手段とを有するプローブと、このプローブの発光手段を駆動する発光駆動手段と、この発光駆動手段により前記プローブの発光手段を駆動した際に、当該プローブの受光手段から出力される受光信号の信号レベルを測定する信号レベル測定手段と、この信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルに基づき前記被検体の状態を測定する状態測定手段と、前記発光駆動手段により前記プローブの発光手段を所定の被検体の状態に応じた疑似脈波形に対応する発光駆動レベルで駆動した際に、前記状態測定手段により測定された状態測定値と前記所定の被検体の状態とに基づき当該測定された状態測定値の補正係数を算出する補正係数算出手段と、この補正係数算出手段により算出された状態測定値の補正係数に基づき、前記状態測定手段により測定された状態測定値を補正する状態測定値補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
このような、本発明に係る第2の生体信号検出装置では、プローブの発光手段を駆動した際に、当該プローブの受光手段から出力される受光信号の信号レベルが信号レベル測定手段により測定され、この測定された受光信号の信号レベルに基づき状態測定手段により被検体の状態が測定されるもので、発光駆動手段によりプローブの発光手段を所定の被検体の状態に応じた疑似脈波形に対応する発光駆動レベルで駆動した際に、状態測定手段により測定された状態測定値と前記所定の被検体の状態とに基づき当該測定された状態測定値の補正係数が算出され、この算出された状態測定値の補正係数に基づき、前記状態測定手段により測定された状態測定値が補正されるので、プローブ性能のばらつきがあっても状態測定の測定精度が維持されることになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は本発明の実施形態に係る生体信号検出装置の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0017】
この生体信号検出装置は、被検体(例えば指先)10に対し2つの波長の光を交互に照射してそのそれぞれの透過光を受光するためのプローブ部1、及びこのプローブ部1における発光動作の制御を行なうと共に、該プローブ部1にて得られる受光信号を取り込んで脈拍および動脈血の酸素飽和度%を演算算出し出力するためのシステム部2から構成される。
【0018】
プローブ部1には、発光装置11と受光装置12が設けられる。
【0019】
発光装置11には、660nmの発光波長で発光する赤色LED11aと890nmの発光波長で発光する赤外LED11bが備えられ、この発光装置11により交互に発光される赤色発光と赤外発光とが受光装置12との間に挟まれた被検体10に対して照射される。
【0020】
受光装置12には、前記発光装置11による被検体10に対する光の照射によって該被検体10を透過してくる透過光を受光するためのフォトダイオード12aが備えられ、このフォトダイオード12aの受光動作に応じて出力される受光電流IFは、システム部2内の増幅回路(電流アンプ)21を介して増幅され、電流/電圧変換回路22に供給されて電圧変換される。
【0021】
この電流/電圧変換回路22により電圧変換された生体(被検体10)透過光の受光信号は、一方で増幅回路23を介してN倍(N=2,4,8,…)に増幅されてA/D変換回路24の第1端子CH1に供給され、デジタル変換された受光レベル信号Va1としてCPU25に読み込まれる。また、他方で直接A/D変換回路24の第2端子CH2に供給され、デジタル変換された受光レベル信号Va2としてCPU25に読み込まれる。
【0022】
なお、このCPU25に読み込まれる受光レベル信号Va1,Va2は、基準(設計通り)のプローブ部1を対象として所定の発光駆動を行った場合の受光レベル信号Va1,Va2を基準としたプローブ整合処理(図6〜図8参照)により得られる、実際の受光レベルとの差に応じた補正係数により補正されて読み込まれる。
【0023】
一方、前記電流/電圧変換回路22における、前記プローブ部1の発光装置11が未発光状態にある時の動作基準電圧、つまり、受光装置12のフォトダイオード12aに対し被検体10を介した透過光が受光されない状態での受光動作の基準となる動作点電圧は、電圧制御回路26から与えられる基準電圧によって制御設定されるもので、この電圧制御回路26から前記電流/電圧変換回路22に与えるべく基準電圧を調整するための信号は、前記プローブ部1における発光装置11の未発光時において前記A/D変換回路24から読み込まれる各受光レベル信号Va1,Va2に基づきCPU25により生成されて電圧制御回路26内のD/A変換回路26aに出力される。
【0024】
すなわち、前記電流/電圧変換回路22では、プローブ部1における発光装置11が未発光状態にある受光装置12からの受光電流IFに応じた動作点基準電圧をVREFとして設定したいところ、プローブ部1の設置環境における外来光が受光装置12のフォトダイオード12aに受光されると、発光装置11の未発光状態にあっても、前記外来光の受光に応じた受光電流IFが出力されて電流/電圧変換回路22における動作点基準電圧VREFがシフトしてしまうもので、このため、本発明の実施形態における生体信号検出装置では、この外来光受光の影響による動作点基準電圧VREFの変動(シフト)を解消するための補正処理を行なう。
【0025】
つまり、プローブ部1の発光装置11が未発光状態での電流/電圧変換回路22の動作点基準電圧VREFとなるべき増幅回路23を介した受光レベル信号Va1をCPU25において読み込み、前記増幅回路23の増幅率Nを基準電圧VREFに掛けた値(N・VREF)と前記受光レベル信号Va1が一致しない場合には、その差(シフト量)であるVb(=N・VREF−Va1)を算出して電圧制御回路26へ出力し、この電圧制御回路26から前記Vbを前記増幅率Nで割った電流/電圧変換回路22における実シフト値Vb/NをVREFに加算した電圧を、基準電圧(VREF+Vb/N)として電流/電圧変換回路22に与える。
【0026】
さらに同様に、プローブ部1の発光装置11が未発光状態での電流/電圧変換回路22の動作点基準電圧VREFとなるべきそのままの受光レベル信号Va2をCPU25において読み込み、この受光レベル信号Va2と基準電圧VREFとが一致しない場合には、その差(シフト量)であるVb(=VREF−Va2)を算出して電圧制御回路26へ出力し、この電圧制御回路26から前記電流/電圧変換回路22における実シフト値VbをVREFに加算した電圧を、基準電圧(VREF+Vb)として電流/電圧変換回路22に与える。
【0027】
このように、増幅回路23を介した受光レベル信号Va1とそのままの受光レベル信号Va2とに基づく2段階の電流/電圧変換回路22に対する動作点基準電圧VREFの補正制御を行なうことにより、前記受光装置12に対し外来光が受光されても、電流/電圧変換回路22における動作点基準電圧VREFを一定に設定できるようになる。
【0028】
一方、CPU25には、さらに、発光電流制御回路25a及びタイミング発生回路25bが備えられ、この発光電流制御回路25aからの発光電流制御信号及びタイミング発生回路25bからの発光タイミング制御信号は、LED駆動装置27へ出力される。
【0029】
このLED駆動装置17には、前記プローブ部1の発光装置11における赤色LED11aと赤外LED11bとをそれぞれ点灯させるための赤色発光駆動回路27aと赤外発光駆動回路27bとが備えられると共に、この各駆動回路27a,27bによるそれぞれの発光駆動電流を設定するための定電流回路27cが備えられる。
【0030】
そして、前記定電流回路27cにおける発光駆動電流の設定値は前記CPU25内の発光電流制御回路25aからの発光電流制御信号により調整され、また、その発光駆動電流による各LED11a,11bそれぞれの駆動のタイミング(図4参照)は、前記CPU25内のタイミング発生回路25bからの発光タイミング制御信号により制御される。
【0031】
ここで、実際の生体測定に伴う前記LED駆動装置27の定電流回路27cによる赤色LED11a用の発光駆動電流の設定値と、赤外LED11b用の発光駆動電流の設定値とは、そのそれぞれの発光により被検体10からの透過光が受光装置12に受光された状態での、前記A/D変換回路24からCPU25に読み込まれる受光レベル信号Va1が、所定のレベルに設定されるよう発光電流制御回路25aにより調整するもので、この場合、被検体10に対する動脈血の流れ込みが最小のタイミング、つまり、被検体10の組織及び静脈血による固定的な吸光が主で該動脈血による吸光が最小になりフォトダイオード12aにおける受光量が最大となってCPU25に読み込まれる受光レベル信号Va1が最大となるタイミング(図2及び図5参照)において、当該受光レベル信号Va1が、所定のレベルに設定されるよう前記各LED11a,11bの発光量は調整される。
【0032】
このように、生体測定に際し、発光装置11の発光時における被検体10からの透過光の受光装置12による受光に伴ない、赤色及び赤外発光時それぞれの受光レベル信号Va1が所定のレベルとして得られるようにLED発光量の補正を行なうことで、被検体10の光の透過率が非常に低かったり高かったりする等の個人差があっても、安定した受光レベル信号Va1を読み込んで動脈血酸素飽和度%の適正な測定ができるようになる。
【0033】
さらに、前記CPU25には、入力装置28、記憶装置29A、外部記憶装置29B、表示部30、該表示部30のバックライト31を点灯制御するためのバックライト制御装置32、そして出力装置33が接続される。
【0034】
入力装置28には、本装置の電源投入スイッチや生体信号検出処理の開始を指示するための測定開始スイッチなどが備えられる。
【0035】
記憶装置29Aには、基準(設計通り)のプローブ部1を対象として、LED駆動装置27により所定の発光駆動電流で発光装置11の各LED11a,11bを発光駆動した場合に、受光装置12のフォトダイオード12aから出力されるはずの受光電流IFに応じた受光レベル信号Va1,Va2が、発光電流対受光レベルの基準データ(図6参照)として記憶される。この発光電流対受光レベルの基準データに従いプローブ整合処理(図8参照)が行われ、現在のプローブ部1による実際の受光レベル信号Vaとの差に応じた補正係数x10がプローブ受光量補正係数メモリ29aに記憶される。そして、A/D変換回路24からCPU25に読み込まれる各受光レベル信号Va1,Va2は前記プローブ受光量の補正係数x10により補正されることで、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能にばらつきがあっても安定した受光レベル信号Va1,Va2を得ることができる。なお、前記プローブ整合処理は、プローブ部1に吸光度N分の1の疑似被検体を挟んで行ってもよいし、挟まなくてもよい。
【0036】
また、記憶装置29Aには、プローブ部1に対して、LED駆動装置27により所定脈拍の脈動波形(図10参照)に対応した発光駆動電流および発光タイミングで発光装置11の各LED11a,11bを発光駆動するための疑似脈発光駆動テーブル(図9参照)が記憶される。この疑似脈発光駆動テーブルに従い脈拍測定確認処理(図11参照)が行われ、現在のプローブ部1による測定脈拍数との差に応じた補正係数x20が脈拍測定補正係数メモリ29bに記憶される。そして、実際の被検体10に対する脈拍測定時には前記脈拍測定補正係数x20による補正が行われることで、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能にばらつきがあっても安定した精度で脈拍測定を行うことができる。なお、前記所定脈拍の脈動波形(図10参照)に対応したLED発光駆動信号を、演算により発生させて脈拍測定確認処理(図12参照)を行う構成としてもよい。
【0037】
また、記憶装置29Aには、基準(設計通り)のプローブ部1を対象とした場合に、所定の酸素飽和度%となる動脈血の吸光度比率に応じた赤色/赤外受光レベル比R/IRの受光レベル信号VaR/VaIRが得られるはずの所定発光レベル比の疑似脈波形(図13参照)に対応した疑似脈所定比発光駆動テーブル(図14参照)が記憶される。この疑似脈所定比発光駆動テーブルに従い酸素飽和度測定確認処理(図17参照)が行われ、現在のプローブ部1による測定酸素飽和度%との差に応じた補正係数(または補正シフト値)x30が酸素飽和度補正係数メモリ29cに記憶される。そして、実際の被検体10に対する酸素飽和度測定時には前記酸素飽和度補正係数x30により補正が行われることで、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能にばらつきがあっても安定した精度で酸素飽和度測定を行うことができる。なお、前記所定吸光度比率の赤色/赤外受光レベル信号VaR/VaIRが得られるはずの疑似脈波形(図13参照)に対応したLED発光駆動信号を、演算により発生させて脈拍測定確認処理を行う構成としてもよい。
【0038】
さらに、記憶装置29Aには、現在装着中のプローブ部1に対してLED駆動装置27により発光駆動した積算時間tを記憶するためのプローブ駆動積算時間メモリ29dが備えられ、このプローブ駆動積算時間tが予め設定されたプローブ駆動耐用時間Tを超えると、プローブ交換のメッセージが表示報知される。
【0039】
外部記憶装置29Bには、CPU25を中心とする生体信号検出処理に応じて測定された種々のデータが記憶される。
【0040】
なお、この生体信号検出装置のCPU25を中心とする電子回路(コンピュータ)を制御するためのプログラムは、当該CPU25に内蔵されたROM、あるいは記憶装置29Aに記憶されるか、あるいはメモリカードなどの外部記憶装置28Bに外部で書き込まれて記憶される。
【0041】
バックライト制御装置32は、表示部30のバックライト31に対する点灯,消灯の制御、及びその点灯時における点灯レベル制御を行なうもので、前記電流/電圧変換回路22における受光動作の基準電圧(VREF)補正処理に伴ない、前記発光装置11が未発光状態での受光装置12による外来光の受光量に応じた受光レベル信号Va1がCPU25に読み込まれた際に、当該受光レベル信号Va1により外部環境の明るさが判定され、これに応じてバックライト31に対する点灯レベルが最適なレベルに制御される。
【0042】
ここで、前記生体信号検出装置による被検体10の脈拍は、プローブ部1の発光装置11を発光駆動することにより得られる生体の脈動に応じた受光レベル信号Va1,Va2のピーク値(図2および図5参照)が、所定時間あたり何回カウントされるかで演算算出されて測定される。
【0043】
次に、前記生体信号検出装置により被検体10の動脈血酸素飽和度を測定するための原理について説明する。
【0044】
本装置は、脈拍による動脈の血液量変動を利用することによって、動脈血酸素飽和度を測定する装置であり、採血の必要がなく、被検体10(例えば指)に光を当てるだけで測定できるため、麻酔や集中治療の領域モニタをはじめ、各種検査,臨床研究機器として使用される。
【0045】
血液中のヘモグロビンのうち、酸素と結合したヘモグロビンを酸化ヘモグロビン(HbO2)、酸素と結合していないヘモグロビンを還元ヘモグロビン(Hb)と呼び、この比率を%で表わしたものが酸素飽和度(SpO2)である。
【0046】
血液は酸素を含めば赤くなり、酸素を失えば黒くなる。よって、血液の色を見れば酸素量の評価が行なえる。体外から測定する場合、動脈流と静脈流が混ざった状態で得られてしまうが、実際に測定したいのは動脈流単独の飽和度であるので、動脈流の脈動を利用する。
【0047】
図2は人体に光を透過させた場合の吸光度全体に対する各吸光成分の割合とその脈動に伴なう吸光度の変化状態を示す図である。
【0048】
被検体10に対し光を透過させた場合の光の吸収の度合いは、当然脈動成分を持っている。この脈動成分は動脈の拍動によって起こる。
【0049】
心臓の拍動に一致して変化するのは動脈成分であり、従ってこの拍動部分の血液の色を取り出すことで、動脈血の色だけを分離して測定することが可能である。
【0050】
すなわち、図2に示すように、血管以外の組織と静脈血による光の吸収は心拍の影響を受けないので一定なのに対し、動脈血は脈動するのでその成分による光の吸収は心拍に同期して変動する。
【0051】
このように、動脈血による吸光が心拍に伴ない変動しているので、吸光全体から変動の不変な成分を数値的に差し引けば、人体組織や静脈血による吸光の成分は除去され、動脈血による吸光成分のみが残り、これが動脈血酸素飽和度を示すものとなる。
【0052】
酸素を光により測定する原理は、Lambert−Beerの法則と吸光による測定の原理に基づく。
【0053】
(Lambert−Beer)の法則
基本:“吸光量は、入る光と溶質濃度の積に比例する”
液体に物質が溶けている溶液で、入射光Iinと透過光Ioutの比が物質の濃度と光路長に比例した分だけ減衰する。
【0054】
A=log(Iin/Iout)=E・C・D
A:吸光度 C:濃度 E:吸光係数 D:厚み
吸光係数Eとは、試料固有の光吸収の強さを表わす定数であり、入射光の波長に依存する。
【0055】
ここで、厚みがΔDだけ増加して透過光が減少し(Iin−ΔI)になったとする。これは、あたかも厚みΔDに入射光Ioutが入射し(Iout−ΔI)なる透過光が得られたことに等しい。従って次式が成立する。
【0056】
ΔA=log{Iout/(Iout−ΔI)}=E・C・ΔD
本装置では、動脈血の脈動によって厚みの変化ΔDが生じ、その結果吸光度がΔAだけ変化したと考える。
【0057】
ここで、2つの波長でΔAを測定すると、
ΔA1=E1・C・ΔD
ΔA2=E2・C・ΔD
E1:波長1の動脈血の吸光係数
E2:波長2の動脈血の吸光係数
吸光度の比ΔA1/ΔA2をφとして求めると、濃度Cと厚みの変化ΔDは波長によらず一定であるので、
φ=ΔA1/ΔA2=E1/E2
と表現される。
【0058】
酸素飽和度Sとφは、1対1の関係にあることから、φが決まればSも決定する。
【0059】
よって、異なる2波長の光源を用い、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの比率により動脈血酸素飽和度を求めることが可能となる。
【0060】
図3は赤色発光波長と赤外発光波長における酸化ヘモグロビン及び還元ヘモグロビンに対する吸光度の変化とその吸光度比に応じた酸素飽和度の変化を示す図であり、同図(A)は酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンに対する発光波長と吸光度の関係を示す図、同図(B)は赤色光Rと赤外光IRの吸光度比R/IRと酸素飽和度SpO2との関係を示す図である。
【0061】
図4は前記生体信号検出装置の赤色LED11aと赤外LED11bにおける発光駆動間隔を示すタイミングチャートである。
【0062】
図5は前記生体信号検出装置の赤色LED11aと赤外LED11bの発光に伴なう脈動に応じた各受光信号波形を示す図である。
【0063】
すなわち、プローブ部1の発光装置11における赤色LED11aと赤外LED11bとは、図4に示すように、CPU25内のタイミング発生回路25bからLED駆動装置27へ出力される発光タイミング制御信号に応じて時分割駆動され、図5に示すように、A/D変換回路24からCPU25に読込まれる脈動に応じた受光合成信号から分離される各発光波長毎の受光レベル信号Vaの比率(A/B)により、動脈血酸素飽和度(SpO2)が演算算出される。
【0064】
この場合、被検体10に対する動脈血の流れ込みが最大のタイミング、つまり、被検体10の組織及び静脈血による固定的な吸光と共に該動脈血による吸光が最大になりフォトダイオード12aにおける受光量が最小となってCPU25に読み込まれる受光レベル信号Vaが最小(図5では暗レベル最大)となるタイミングにおいて、赤色発光に伴なう受光レベル信号VaRと赤外発光に伴なう受光レベル信号VaIRとが分離され、その比率(A/B)に対応した動脈血酸素飽和度(SpO2)が測定される。
【0065】
なお、赤色光Rと赤外光IRの受光レベルの比率R/IRに対応する酸素飽和度(SpO2)の規定値は、予めROMテーブル(図16参照)として格納し測定時に対応するデータを読み出す構成としてもよいし、その都度、前記脈動に伴なう吸光度比(ΔA1/ΔA2)に基づき演算算出する構成としてもよい。
【0066】
次に、前記構成による生体信号検出装置の一連の動作について説明する。
【0067】
(プローブの整合(校正))
図6は前記生体信号検出装置のプローブ整合処理に伴いプローブ駆動の基準となる発光電流対受光レベルの基準データを示す図である。この発光電流対受光レベルの基準データでは、所定の発光駆動電流(mA)の変化に対する受光レベル信号(V)の規定値と実測定値、そしてその実測値の補正係数が各アドレスに対応付けられる。
【0068】
図7は前記生体信号検出装置のプローブ整合処理に伴う発光電流対受光レベルの基準データに従い基準(設計通り)のプローブ部1を対象として発光駆動した場合の受光レベルの規定値曲線と現在のプローブ部1を対象として発光駆動した場合の受光レベルの測定値曲線とを対比して示す図である。図7における横軸は発光駆動電流値(mA)、縦軸は受光レベルの電圧値(V)である。
【0069】
図8は前記生体信号検出装置のプローブ整合処理を示すフローチャートである。
【0070】
このプローブ整合処理は、例えば電源の投入に伴い毎回実施され、赤色LED11a発光の場合と赤外LED11b発光の場合とで2度行われる。
【0071】
生体信号検出装置の電源が投入されると、CPU25の内部ROMあるいは記憶装置29Aあるいは外部記憶装置29Bに記憶されているシステムプログラムに従って図8におけるプローブ整合処理が起動される。
【0072】
このプローブ整合処理が起動されると、まず、プローブ部1の発光装置11に対する駆動電流Iが初期値“0(mA)”に設定され(ステップA1)、前記図6で示した発光電流対受光レベルの基準データのADDRESS“00”が指定される(ステップA2)。
【0073】
すると、前記設定駆動電流I(初期値“0”)によりLED(11a又は11b)が点灯駆動され(ステップA3)、このとき受光装置12から出力された受光電流IFに応じた受光レベル信号(Va1又はVa2)の測定値(この場合“0”)が前記基準データの指定ADD“00”に対応させて書き込まれる(ステップA4)。
【0074】
すると、LEDが消灯されると共に(ステップA5)、前記基準データの指定ADDが+1されてADDRESS“01”が指定され(ステップA6)、LED駆動電流Iが+5(mA)されて“5(mA)”に設定される(ステップA7)。
【0075】
ここで、前記設定駆動電流Iが整合最大値の40(mA)を超えたか否か判断され(ステップA8)、当該整合最大値の40(mA)を超えてないと判断された場合には、前記ステップA7にて更新設定された設定駆動電流I(この場合“5(mA)”)によりLEDが点灯駆動され(ステップA8→A3)、このときの受光レベル信号Vaの測定値(この場合“0.25”)が前記基準データの指定ADD“01”に対応させて書き込まれる(ステップA4)。
【0076】
この後、前記同様にステップA3〜A8が繰り返されることで、前記基準データの各ADDRESS(00〜08)で指定された発光駆動電流Iにそれぞれ対応するLED点灯時の受光レベル信号Vaの測定値が、各対応する指定ADDに順次書き込まれる。
【0077】
そして、ステップA8において、前記設定駆動電流Iが整合最大値の40(mA)を超えたと判断された場合には、現在のプローブ部1を基準の発光駆動電流I(0,5,10,…,40mA)で点灯駆動した場合の各受光測定値が得られたことになり、前記基準データの指定ADDが“00”にリセットされる(ステップA8→A9)。
【0078】
ここで、プローブ部1の発光,受光動作に伴う許容誤差範囲y1が設定されると共に(この場合はy1=50%)(ステップA10)、補正係数x1が“0”にリセットされる(ステップA11)。
【0079】
すると、前記基準データ(図6参照)における現在の指定ADD“00”に対応するところの測定値がレジスタaにセットされると共に(ステップA12)、基準(設計通り)のプローブ部1である場合に得られたはずの規定値がレジスタbにセットされ(ステップA13)、この測定値aと規定値bとの比a/bが対応補正係数x1としてセットされる(ステップA14)。
【0080】
すると、この測定値aと規定値bとの比a/bからなる補正係数x1が前記ステップA10にて設定された許容誤差範囲y1の範囲内か範囲外かが判断され(ステップA15,A16)、許容誤差範囲y1内であると判断された場合には、現在の指定ADD“00”に対応して補正係数x1が書き込まれる(ステップA17)。
【0081】
すると、前記基準データの指定ADDが+1されて更新されるのに伴い(ステップA18)、当該指定ADDが最終の“08”を超えるまで前記ステップA12〜A19の処理が繰り返され(ステップA19)、基準データの各アドレスADDに対応した各測定値a…毎の規定値bとの比a/bである補正係数x1…が取得される。
【0082】
そして、前記ステップA19において基準データの指定ADDが最終の“08”を超えたと判断された場合、つまり前記基準データの各アドレスADDに対応した各測定値a…毎の補正係数x1…が全て許容誤差範囲y1内であると判断された場合には、プローブ整合終了メッセージが表示部30に表示され、前記基準データの各ADDに書き込まれた補正係数x1…のうち、その平均値あるいは中間値の補正係数x1が抽出されて現在のプローブ部1に対する受光レベル信号Vaの補正係数x10として記憶装置29Aのプローブ受光量補正係数メモリ29aに記憶される(ステップA20)。
【0083】
一方、前記ステップA15,A16において、基準データのある指定ADDに対応する測定値aに応じた補正係数x1が前記許容誤差範囲y1の範囲外であると判断された場合には、プローブNGメッセージと共に“プローブの発光面および受光面を拭いて下さい”などのガイドメッセージが表示部30に表示される(ステップA21)。
【0084】
ここで、現在のプローブ部1の発光面および受光面の汚れがユーザによって拭かれた後に、入力装置28のユーザ操作により再校正(整合)が指示されると(ステップA22)、前記ステップA1からのプローブ整合処理が最初から再スタートされ、前記同様にして基準データに従った現在のプローブ部1による受光レベル信号Vaの実測定処理(ステップA1〜A8)、測定値aと規定値bとの比a/bに応じた補正係数x1の許容誤差(y1)判断処理(ステップA9〜A19)、そして補正係数x1の書き込み処理(ステップA17)、が繰り返される。
【0085】
そして、ステップA20において、プローブ整合終了メッセージが表示部30に表示された場合には、この後のプローブ部1の発光駆動に伴いA/D変換回路24からCPU25に読み込まれる全ての受光レベル信号Vaについて、前記プローブ受光量補正係数メモリ29aに記憶された補正係数x10により補正されることで、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能に多少のばらつきがあっても安定した精度の受光レベル信号Vaを得ることができる。
【0086】
一方さらに、前記プローブ部1の発光面および受光面の汚れを拭き取った後の再校正(整合)処理により、再びプローブNGメッセージが表示される場合には、プローブ性能そのものが許容誤差範囲y1を超えて低下したものとして、プローブ交換メッセージが共に表示される(ステップA21)。
【0087】
これにより、ユーザは、装着中のプローブ部1を許容誤差範囲yに収まる性能限界まで最大限継続して使用できるばかりか、プローブ部1の性能が一定の生体検出精度を維持できない使用不能なレベルにまで低下した場合には、速やかにプローブ交換が必要であることを容易に知ることができる。
【0088】
(脈拍測定の精度確認)
図9は前記生体信号検出装置の脈拍測定確認処理に伴いプローブ部1を所定の脈拍に応じて擬似的に発光駆動するための疑似脈発光駆動テーブルを示す図である。図9では擬似的に発光駆動するための電流値と、その電流値のデータを記憶するメモリのアドレスを電流値に対応付けて表示している。
【0089】
図10は前記生体信号検出装置の脈拍測定確認処理に伴う疑似脈発光駆動テーブルに従いプローブ部1を発光駆動した場合の所定脈拍の脈動波形に対応した発光駆動曲線を示す図である。横軸は、擬似脈発光駆動テーブルのアドレス(ADD)に対応する値を経過時間として示し、縦軸は、擬似的に発光駆動するための電流値を発光量として示している。
【0090】
図11は前記生体信号検出装置の脈拍測定確認処理(テーブル方式)を示すフローチャートである。
【0091】
この脈拍測定確認処理は、例えば電源の投入に伴い毎回実施される前記プローブ整合処理に続いて、CPU25の内部ROMあるいは記憶装置29Aあるいは外部記憶装置29Bに記憶されているシステムプログラムに従って実施され、赤色LED11a又は赤外LED11bの何れか一方を所定の脈拍に応じて擬似的に発光駆動させる。
【0092】
なお、この脈拍測定確認処理において、所定の脈拍を例えば1分間で60拍とする場合には、前記疑似脈発光駆動テーブル(図9参照)において1拍の疑似脈拍となる発光駆動サイクル(ADD1-6,7-12,…)が1秒間で繰り返される。
【0093】
図11における脈拍測定確認処理が起動されると、まず、前記疑似脈発光駆動テーブルのアドレスADDが“1”に指定され(ステップB1)、この指定ADD“1”に対応するLED駆動電流I(=10)によりLEDが点灯駆動される(ステップB2,B3)。
【0094】
すると、前記疑似脈発光駆動テーブルの指定ADDが+1されてADD“2”が指定されると共に(ステップB4)、この指定ADD“2”に対応するLED駆動電流I(=12)によりLEDが点灯駆動される(ステップB5→B2,B3)。
【0095】
この後、前記同様に疑似脈発光駆動テーブルの指定ADDが順次+1されるのに伴い、LED駆動電流Iが所定の脈拍に応じた擬似的な脈動波形(図10参照)に対応させて変化され、発光装置11が繰り返し点灯駆動されるもので(ステップB2〜B5)、この間CPU25において一定時間内の受光レベル信号Vaのピーク値が何回カウントされるかで脈拍算出が繰り返される(ステップB5)。
【0096】
そして、前記所定脈拍の脈動波形に対応した発光駆動に従いCPU25において脈拍が算出されると、プローブ部1の性能のばらつきに伴う脈拍測定の許容誤差範囲y2が設定されると共に(この場合はy2=10%)(ステップB6)、補正係数x2が“0”にリセットされる(ステップB7)。
【0097】
すると、前記ステップB5においてCPU25にて算出された前記プローブ部1に対する疑似脈発光駆動に応じて測定された脈拍測定値がレジスタaにセットされると共に(ステップB8)、基準(設計通り)のプローブ部1である場合に得られたはずの前記所定の脈拍規定値(例えば60拍)がレジスタbにセットされ(ステップB9)、この測定値aと規定値bとの比a/bが脈拍補正係数x2としてセットされる(ステップB10)。
【0098】
すると、この現在のプローブ部1を使用した脈拍測定値aと所定の脈拍規定値bとの比a/bからなる脈拍補正係数x2が前記ステップB6にて設定された許容誤差範囲y2の範囲内か範囲外かが判断され(ステップB11,B12)、許容誤差範囲y2内であると判断された場合には、脈拍測定OKメッセージが表示部30に表示され、前記脈拍補正係数x2が現在のプローブ部1を使用した脈拍測定の補正係数x20として記憶装置29Aの脈拍測定補正係数メモリ29bに記憶される(ステップB13)。
【0099】
一方、前記ステップB11,B12において、現在のプローブ部1を使用した脈拍測定値aと所定の脈拍規定値bとの比a/bからなる脈拍補正係数x2が前記許容誤差範囲y2の範囲外であると判断された場合には、プローブ(脈拍測定)NGメッセージと共に“プローブの発光面および受光面を拭いて下さい”などのガイドメッセージが表示部30に表示される(ステップB14)。
【0100】
ここで、現在のプローブ部1の発光面および受光面の汚れがユーザによって拭かれた後に、入力装置28のユーザ操作により再測定が指示されると(ステップB15)、前記ステップB1からの脈拍測定確認処理が最初から再スタートされ、前記同様にして所定脈拍の疑似脈波形に対応した現在のプローブ部1の発光駆動に伴う脈拍測定処理(ステップB1〜B5)、測定値aと規定値bとの比a/bに応じた補正係数x2の許容誤差(y2)判断処理(ステップB6〜B12)、そして脈拍補正係数x2の書き込み処理(ステップB10)、が繰り返される。
【0101】
そして、ステップB13において、脈拍測定OKメッセージが表示部30に表示された場合には、この後の被検体10に対する実際の脈拍測定に伴いCPU25にて算出された脈拍値について、前記脈拍測定補正係数メモリ29bに記憶された脈拍補正係数x20により補正されることで、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能に多少のばらつきがあっても安定した精度で脈拍測定を行うことができる。
【0102】
一方さらに、前記プローブ部1の発光面および受光面の汚れを拭き取った後の再測定処理により、再びプローブ(脈拍測定)NGメッセージが表示される場合には、現在のプローブ部1を使用した脈拍測定精度が許容誤差範囲y2を超えて低下したものとして、プローブ交換メッセージが共に表示される(ステップB14)。
【0103】
これにより、ユーザは、装着中のプローブ部1を許容誤差範囲yに収まる性能限界まで最大限継続して使用できるばかりか、プローブ部1の性能が一定の脈拍測定精度を維持できない使用不能なレベルにまで低下した場合には、速やかにプローブ交換が必要であることを容易に知ることができる。
【0104】
なお、前記所定脈拍の脈動波形(図10参照)に対応したLED発光駆動信号を、疑似脈発光駆動テーブル(図9参照)によらず、演算により発生させて脈拍測定確認処理(図12参照)を行う構成としてもよい。
【0105】
図12は前記生体信号検出装置の脈拍測定確認処理(演算方式)を示すフローチャートである。
【0106】
この演算方式の脈拍測定確認処理では、プローブ部1に対する発光駆動電流IをI=10からI=20まで“2”ずつ演算増加させてLEDを点灯駆動する処理を、所定の脈拍に応じた一定時間毎(例えば1分間に60拍の場合は1秒)に繰り返し行うことで(ステップC1〜C6)、前記同様に所定脈拍の疑似脈波形に対応した現在のプローブ部1の発光駆動に伴う脈拍測定処理を実行させる。
【0107】
なお、この演算方式の脈拍測定確認処理においても、ステップB6〜B15に伴う測定値aと規定値bとの比a/bに応じた補正係数x2の許容誤差(y2)判断処理、そして脈拍補正係数x2の書き込み処理は、前記テーブル方式の場合と同一の処理であり、現在のプローブ部1を使用した脈拍測定の補正係数x20として記憶装置29Aの脈拍測定補正係数メモリ29bに記憶させることができる。
【0108】
よってこの場合にも、被検体10に対する実際の脈拍測定に伴いCPU25にて算出された脈拍値について、前記脈拍測定補正係数メモリ29bに記憶させた脈拍補正係数x20により補正することで、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能に多少のばらつきがあっても安定した精度で脈拍測定を行うことができる。また、プローブ部1の性能が一定の脈拍測定精度を維持できない使用不能なレベルにまで低下した場合には、速やかにプローブ交換が必要であることを容易に知ることができる。
【0109】
(酸素飽和度測定の精度確認)
図13は前記生体信号検出装置の酸素飽和度測定確認処理に伴う所定の酸素飽和度%となる動脈血吸光度比率に応じた所定発光レベル比R/IRの疑似脈波形に対応した発光駆動曲線を示す図である。横軸は、擬似脈所定比発光駆動テーブルのアドレス(ADD)に対応する値を経過時間として示し、縦軸は、擬似的に発光駆動するための電流値を発光量として示している。
【0110】
図14は前記生体信号検出装置の酸素飽和度測定確認処理に伴いプローブ部1を所定の酸素飽和度%となる発光レベル比R/IRで擬似的に発光駆動するための疑似脈所定比発光駆動テーブルを示す図である。この疑似脈所定比発光駆動テーブルでは、所定発光レベル比R/IRの疑似脈波形に対応する赤色LED11aと赤外LED11bそれぞれの発光駆動電流(mA)が各アドレスに対応付けられてセットされる。
【0111】
図15は前記生体信号検出装置の酸素飽和度測定確認処理に伴う疑似脈波形での発光駆動による発光レベル比R/IRの変化に応じた酸素飽和度測定の規定値曲線と現在のプローブ部1を対象として発光駆動した場合の酸素飽和度測定の測定値曲線とを対比して示す図である。横軸に発光レベル比R/IRを、縦軸に酸素飽和度%を示す。
【0112】
図16は前記生体信号検出装置の酸素飽和度測定確認処理に伴う動脈血の吸光度比R/IRに対応した酸素飽和度の規定値と各対応した測定値およびその補正係数x3を示すテーブルである。このテーブルでは、動脈血の吸光度比R/IRの変化に対する酸素飽和度%の規定値と実測定値、そしてその実測値の補正係数が各アドレスに対応付けられる。
【0113】
図17は前記生体信号検出装置の酸素飽和度測定確認処理を示すフローチャートである。
【0114】
この酸素飽和度測定確認処理は、例えば電源の投入に伴い毎回実施される前記プローブ整合処理および脈拍測定確認処理に続いて、CPU25の内部ROMあるいは記憶装置29Aあるいは外部記憶装置29Bに記憶されているシステムプログラムに従って実施される。
【0115】
なお、この酸素飽和度測定確認処理では、赤色光Rと赤外光IRによる動脈血の吸光度比R/IRに応じた疑似脈波形に対応する発光比率でプローブ部1を発光駆動し、測定された酸素飽和度と規定値との比(差)から該酸素飽和度の測定補正係数x3を得るものである。
【0116】
図17における酸素飽和度測定確認処理が起動されると、まず、発光比率R/IRの更新間隔をz(=0.2)とし、図16におけるテーブルのアドレス(ADR)を“00”に指定する(ステップD1)。
【0117】
また、測定確認初期の発光比率R/IRを“3.6”に設定し(ステップD2)、この設定発光比率R/IR(=3.6)に対応した疑似脈波形を得るための疑似脈所定比発光駆動テーブル(図14参照)が生成されてその先頭アドレス(ADD=1)が指定される(ステップD3)。
【0118】
すると、前記設定発光比率R/IR(=3.6)に対応して生成した疑似脈所定比発光駆動テーブルに従い、当該所定発光比率R/IRの疑似脈波形に対応した発光駆動電流Iの変化により赤色LED11aと赤外LED11bの発光駆動が行われ(ステップD4〜D7)、この間CPU25において赤色発光時の受光レベル信号VaRと赤外発光時の受光レベル信号VaIRとに応じた酸素飽和度の算出が繰り返される(ステップD7)。
【0119】
そして、前記所定発光比率R/IR(=3.6)の疑似脈波形に対応した発光駆動に従いCPU25において酸素飽和度が算出されると、プローブ部1の性能のばらつきに伴う酸素飽和度測定の許容誤差範囲y3が設定されると共に(この場合はy3=10%)(ステップD8)、補正係数x3が“0”にリセットされる(ステップD9)。
【0120】
すると、前記ステップD7においてCPU25にて算出された前記プローブ部1に対する所定発光比率R/IR(=3.6)での疑似脈発光駆動に応じて測定された酸素飽和度がレジスタaにセットされると共に(ステップD10)、動脈血吸光度比R/IR(=3.6)である場合の酸素飽和度の規定値がレジスタbにセットされ(ステップD11)、この測定値aと規定値bとの比a/bが酸素飽和度補正係数x3としてセットされる(ステップD12)。
【0121】
すると、この現在のプローブ部1を使用した所定発光比率R/IR(=3.6)での酸素飽和度測定値aと規定値bとの比a/bからなる酸素飽和度補正係数x3が前記ステップD8にて設定された許容誤差範囲y3の範囲内か範囲外かが判断され(ステップD13,D14)、許容誤差範囲y3内であると判断された場合には、現在のテーブル指定ADR“00”(図16参照)に対応して該補正係数x3が書き込まれる(ステップD15)。
【0122】
すると、この所定発光比率R/IR(=3.6)での酸素飽和度測定確認に対応するプローブOK判定メッセージが表示部30に経過表示されると共に(ステップD16)、次の所定発光比率R/IRが−z(=0.2)されて“3.4”に更新され(ステップD17)、前記テーブル指定ADR“00”が+1されて“01”に更新される(ステップD18)。
【0123】
すると、前記ステップD17にて更新設定された次の所定発光比率R/IR(=3.4)が、この酸素飽和度測定確認処理における最小の所定発光比率R/IR(=0.4)より低下して設定されたか否か判断され(ステップD19)、当該最小の所定発光比率R/IR(=0.4)より低下してないと判断された場合には、前記ステップD3〜D7の処理が繰り返される。
【0124】
つまり、更新設定された発光比率R/IR(=3.4)に対応して生成した疑似脈所定比発光駆動テーブル(図14参照)に従い、当該所定発光比率R/IRの疑似脈波形に対応した発光駆動電流Iの変化により赤色LED11aと赤外LED11bの発光駆動が行われ(ステップD4〜D7)、この間CPU25において赤色発光時の受光レベル信号VaRと赤外発光時の受光レベル信号VaIRとに応じた酸素飽和度の算出が繰り返される(ステップD7)。
【0125】
そして、前記更新された所定発光比率R/IR(=3.4)の疑似脈波形に対応した発光駆動に従いCPU25において酸素飽和度が算出されると、前回同様にプローブ部1の性能のばらつきに伴う酸素飽和度測定の許容誤差範囲y3が設定され(ステップD8)、補正係数x3が“0”にリセットされる(ステップD9)。
【0126】
そして、前記ステップD7においてCPU25にて算出された前記プローブ部1に対する所定発光比率R/IR(=3.4)での疑似脈発光駆動に応じて測定された酸素飽和度がレジスタaにセットされると共に(ステップD10)、動脈血吸光度比R/IR(=3.4)である場合の酸素飽和度の規定値がレジスタbにセットされ(ステップD11)、この測定値aと規定値bとの比a/bが酸素飽和度補正係数x3としてセットされる(ステップD12)。
【0127】
すると、この現在のプローブ部1を使用した更新後の所定発光比率R/IR(=3.4)での酸素飽和度測定値aと規定値bとの比a/bからなる酸素飽和度補正係数x3が前記許容誤差範囲y3の範囲内か範囲外かが再び判断され(ステップD13,D14)、許容誤差範囲y3内であると判断された場合には、現在のテーブル指定ADR“01”(図16参照)に対応して当該補正係数x3が書き込まれる(ステップD15)。
【0128】
すなわち、前記ステップD3〜D19の処理が繰り返し行われることで、所定発光比率R/IR(=3.6)からR/IR(=0.4)まで、その更新間隔z(=0.2)毎に更新設定されながら、各所定発光比率R/IR…での酸素飽和度測定結果aと規定値bとの比a/bからなる酸素飽和度補正係数x3が求められ、予め設定された許容誤差範囲y3の範囲内であることが確認され、図16におけるテーブルの各対応する指定ADRに当該補正係数x3が順次セットされる。
【0129】
この後、ステップD19において、更新された次の所定発光比率R/IRがこの酸素飽和度測定確認処理における最小の所定発光比率R/IR(=0.4)より低下して設定されたと判断された場合、つまり、所定発光比率R/IR(=3.6)からR/IR(=0.4)までの各発光比率R/IR…でのプローブ駆動に対応した各酸素飽和度測定値とその既定値との比からなる全ての酸素飽和度補正係数x3…について許容誤差範囲y3の範囲内であると判断された場合には、酸素飽和度測定OKメッセージが表示部30に表示され、前記テーブルの各ADRに書き込まれた補正係数x3…のうち、その平均値あるいは中間値あるいは代表的な酸素飽和度既定値(=50,80%など)での補正係数x3が抽出されて現在のプローブ部1を使用した酸素飽和度測定の補正係数x30として記憶装置29Aの酸素飽和度補正係数メモリ29cに記憶される(ステップD20)。
【0130】
一方、前記ステップD13,D14において、ある所定発光比率R/IRでのプローブ駆動時に対応する酸素飽和度測定値aに応じた補正係数x3が前記許容誤差範囲y3の範囲外であると判断された場合には、プローブ(酸素飽和度測定)NGメッセージと共に“プローブの発光面および受光面を拭いて下さい”などのガイドメッセージが表示部30に表示される(ステップD21)。
【0131】
ここで、現在のプローブ部1の発光面および受光面の汚れがユーザによって拭かれた後に、入力装置28のユーザ操作により再測定が指示されると(ステップD22)、前記ステップD1からの酸素飽和度測定確認処理が最初から再スタートされ、前記同様にして所定発光比率R/IRの疑似脈波形に対応した現在のプローブ部1の発光駆動に伴う酸素飽和度測定処理(ステップD1〜D7)、測定値aと規定値bとの比a/bに応じた補正係数x3の許容誤差(y3)判断処理(ステップD8〜D14)、そして酸素飽和度補正係数x3の書き込み処理(ステップD15)、が繰り返される。
【0132】
そして、ステップD20において、酸素飽和度測定OKメッセージが表示部30に表示された場合には、この後の被検体10に対する実際の酸素飽和度の測定に伴いCPU25にて算出された酸素飽和度について、前記酸素飽和度補正係数メモリ29cに記憶された酸素飽和度補正係数x30により補正されることで、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能に多少のばらつきがあっても安定した精度で酸素飽和度の測定を行うことができる。
【0133】
一方さらに、前記プローブ部1の発光面および受光面の汚れを拭き取った後の再測定処理により、再びプローブ(酸素飽和度測定)NGメッセージが表示される場合には、現在のプローブ部1を使用した酸素飽和度の測定精度が許容誤差範囲y3を超えて低下したものとして、プローブ交換メッセージが共に表示される(ステップD21)。
【0134】
これにより、ユーザは、装着中のプローブ部1を許容誤差範囲yに収まる性能限界まで最大限継続して使用できるばかりか、プローブ部1の性能が一定の酸素飽和度測定精度を維持できない使用不能なレベルにまで低下した場合には、速やかにプローブ交換が必要であることを容易に知ることができる。
【0135】
なお、この酸素飽和度測定確認処理では、所定の発光比率R/IRでプローブ駆動した場合の酸素飽和度測定値aと規定値bとの比率a/bを酸素飽和度補正係数x3として取得(図17(ステップD15))したが、酸素飽和度測定値aと規定値bとの差a−bを酸素飽和度補正(シフト)係数として取得し、酸素飽和度補正係数メモリ29cに記憶させてもよい。
【0136】
また、前記所定吸光度比率の赤色/赤外受光レベル信号VaR/VaIRが得られるはずの脈動波形(図13参照)に対応したLED発光駆動信号を、疑似脈所定比発光駆動テーブル(図14参照)によらず、演算により発生させて酸素飽和度測定確認処理を行う構成としてもよい。
【0137】
(プローブ交換時期監視)
この生体信号検出装置において、電源が投入された状態では、例えば一定時間毎に記憶装置29Aのプローブ駆動積算時間メモリ29dに積算記憶されている現在装着中のプローブ部1に対する駆動積算時間tが読み出され、予め設定されたプローブ駆動耐用時間Tを超えたか否か監視される。
【0138】
このプローブ駆動積算時間tがプローブ駆動耐用時間Tを超えた場合には、“プローブ交換時期です”などのガイドメッセージが表示される。
【0139】
これにより、ユーザは、プローブ交換時期を目安として容易に知ることができる。
【0140】
次に、実際の被検体(生体)10に対して脈拍測定および酸素飽和度測定を行う場合の動作について説明する。
【0141】
図18は前記生体信号検出装置による被検体(生体)10に対する生体信号検出処理を示すフローチャートである。
【0142】
プローブ部1における発光装置11と受光装置12との間に被検体10を挟み込み、入力装置28に備えられる測定開始キーを操作すると、CPU25の内部ROMあるいは記憶装置29Aあるいは外部記憶装置29Bに記憶されているシステムプログラムに従って図18における生体信号検出処理が起動される。
【0143】
(外来光影響除去)
この生体信号検出処理が起動されると、まず、発光装置11の未発光時における増幅回路23を介した側の受光レベル信号Va1、つまり、被検体10を通した透過光の受光以前でもプローブ部1の設置環境に応じた受光装置12での外来光の受光動作に伴ない増幅回路23によりN倍されてA/D変換回路24から出力される受光レベル信号Va1がCPU25に読み込まれる(ステップS1)。
【0144】
すると、このCPU25に読み込まれた発光装置11の未発光時における増幅側受光レベル信号Va1がN倍にした受光動作の基準電圧(N・VREF)と等しいか否か、つまり、電圧/電流変換回路22から出力される受光装置12での受光動作に応じた出力電圧が、予め設定された基準電圧VREFとなっているか否か判断される(ステップS2)。
【0145】
ここで、前記プローブ部1の設置環境に応じた外来光が受光装置12のフォトダイオード12aに受光されていることで、その受光電流IFの上昇に応じ電流/電圧変換回路22からの出力電圧が前記基準電圧VREFからシフトし、これにより前記CPU25に読み込まれた増幅側の受光レベル信号Va1が基準電圧(N・VREF)に等しくないと判断されると、その差(シフト量)であるVb(=N・VREF−Va1)が算出されて電圧制御回路26へ出力される(ステップS2→S3)。
【0146】
すると、この電圧制御回路26から前記Vbを前記増幅率Nで割った電流/電圧変換回路22における実シフト値Vb/NをVREFに加算した電圧が、基準電圧(VREF+Vb/N)として電流/電圧変換回路22に与えられる(ステップS4)。
【0147】
こうして、増幅回路23を介した受光レベル信号Va1に基づく第1段階の電流/電圧変換回路22に対する動作点基準電圧VREFの補正制御により、前記被検体10を挟み込んだ状態で受光装置12に対し外来光が受光されていても、発光装置11の未発光時における増幅側受光レベル信号Va1がN倍にした受光動作の基準電圧(N・VREF)と等しく設定されたと判断されると、さらに同様に、プローブ部1の発光装置11が未発光状態での電流/電圧変換回路22の動作点基準電圧VREFとなるべきそのままの受光レベル信号Va2が、CPU25において読み込まれる(ステップS1,S2→S5)。
【0148】
そして、前記CPU25に読み込まれた受光レベル信号Va2と基準電圧VREFとが一致しないと判断された場合には、その差(シフト量)であるVb(=VREF−Va2)が算出されて電圧制御回路26へ出力される(ステップS6→S7)。
【0149】
すると、この電圧制御回路26から前記電流/電圧変換回路22における実シフト値VbをVREFに加算した電圧が、基準電圧(VREF +Vb)として電流/電圧変換回路22に与えられる(ステップS8)。
【0150】
こうして、電流/電圧変換回路22からのそのままの受光レベル信号Va2に基づく第2段階の電流/電圧変換回路22に対する動作点基準電圧VREFの補正制御により、前記被検体10を挟み込んだ状態で受光装置12に対し外来光が受光されていても、発光装置11の未発光時における受光レベル信号Va2が受光動作の基準電圧(VREF)と等しく設定されたと判断されると、ステップS9〜S16における発光レベルの制御処理に移行される(ステップS5,S6→S9)。
【0151】
このように、被検体10を挟み込んだ状態で、増幅回路23を介した受光レベル信号Va1とそのままの受光レベル信号Va2とに基づく2段階の電流/電圧変換回路22に対する動作点基準電圧VREFの補正制御を行なうことにより、前記受光装置12に対し外来光が受光されても、電流/電圧変換回路22における動作点基準電圧VREFを高精度に一定に設定することができる。
【0152】
(被検体個体差影響除去)
前記ステップS1〜S8における動作点基準電圧VREFの補正制御が行なわれ、外来光の影響が除去されると、被検体10の光透過率の個体差の影響を除去するためステップS9〜S16における発光レベルの制御処理に移行され、まず、CPU25の発光電流制御回路25aから所定初期レベルの赤色発光駆動用の発光電流制御信号がLED駆動装置27の定電流回路27cへ出力され、赤色発光駆動回路27aによりプローブ部1の発光装置11における赤色LED11aが所定初期レベルの発光量で点灯される(ステップS9)。
【0153】
すると、被検体10を通した赤色発光の透過光が受光装置12のフォトダイオード12aに受光され、このフォトダイオード12aから出力される受光電流IF に応じて、電流/電圧変換回路22からは前記基準電圧VREFから受光量分シフトした受光電圧信号が出力されるもので、これに対応してA/D変換回路24から出力される受光レベル信号Va1がCPU25に読み込まれ、当該赤色発光の透過光に応じた受光レベル信号Va1が適正な測定処理を行なうために必要なレンジ範囲の所定の受光レベルに等しいか否か判断される(ステップS10,S11)。
【0154】
ここで、例えば前記プローブ部1に挟み込んだ被検体10である指が非常に太いことでその光の透過率が極めて低く、赤色透過光の受光動作により得られる前記基準電圧VREFからのシフト量が非常に小さいことで、これに対応する受光レベル信号Va1は所定の受光レベルより大幅に小さいと判断されると、CPU25の発光電流制御回路25aからLED駆動装置27の定電流回路27cへ出力されている赤色発光駆動用の発光電流制御信号により、赤色発光駆動回路27aからの赤色LED11aに対する発光駆動電流が増加制御される(ステップS11→S12)。
【0155】
こうして、赤色LED11aによる発光量が増加されるのに伴ない、被検体10を通した赤色透過光の受光装置12における受光量も増大され、前記A/D変換回路24からCPU25に読み込まれる受光レベル信号Va1が適正な測定処理を行なうために必要なレンジ範囲の所定の受光レベルに等しくなったと判断されると、続いて同様に、CPU25の発光電流制御回路25aから所定初期レベルの赤外発光駆動用の発光電流制御信号がLED駆動装置27の定電流回路27cへ出力され、赤外発光駆動回路27bによりプローブ部1の発光装置11における赤外LED11bが所定初期レベルの発光量で点灯される(ステップS10,S11→S13)。
【0156】
すると、被検体10を通した赤外発光の透過光が受光装置12のフォトダイオード12aに受光され、このフォトダイオード12aから出力される受光電流IF に応じて、電流/電圧変換回路22からは前記基準電圧VREFから受光量分シフトした受光電圧信号が出力されるもので、これに対応してA/D変換回路24から出力される受光レベル信号Va1がCPU25に読み込まれ、当該赤外発光の透過光に応じた受光レベル信号Va1が適正な測定処理を行なうために必要なレンジ範囲の所定の受光レベルに等しいか否か判断される(ステップS14,S15)。
【0157】
ここで、例えば前記同様にプローブ部1に挟み込んだ被検体10である指が非常に太いことでその光の透過率が極めて低く、赤外透過光の受光動作により得られる前記基準電圧VREFからのシフト量も非常に小さいことで、これに対応する受光レベル信号Va1は所定の受光レベルより大幅に小さいと判断されると、CPU25の発光電流制御回路25aからLED駆動装置27の定電流回路27cへ出力されている赤外発光駆動用の発光電流制御信号により、赤外発光駆動回路27bからの赤外LED11bに対する発光駆動電流が増加制御される(ステップS15→S16)。
【0158】
こうして、赤外LED11aによる発光量が増加されるのに伴ない、被検体10を通した赤外透過光の受光装置12における受光量も増大され、前記A/D変換回路24からCPU25に読み込まれる受光レベル信号Va1が適正な測定処理を行なうために必要なレンジ範囲の所定の受光レベルに等しくなったと判断されると、前述の脈拍測定および動脈血酸素飽和度(SpO2)の測定原理に従った測定処理に移行される(ステップS14,S15→S17)。
【0159】
すなわち、これ以降継続的に交互発光駆動される赤色LED11aからの赤色光と赤外LED11bからの赤外光とに対応する各透過光の受光レベル信号Va1(R)とVa1(IR)が順次読み込まれ、まず、被検体10に対する動脈血の流れ込みが最大となるタイミング、つまり、該動脈血による吸光が最大となり、フォトダイオード12aにおける受光量が最小となってCPU25に読み込まれる受光レベル信号Vaが最小(図5では暗レベル最大)となるタイミングが一定時間毎に繰り返しカウントされて脈拍が演算算出される。
【0160】
この際、脈拍測定値は、記憶装置29Aの脈拍測定補正係数メモリ29bに記憶されている脈拍測定補正係数x20により補正された値として、外部記憶装置29Bに記憶され、表示部30に表示されるので、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能に多少のばらつきがあっても、安定した精度で脈拍の測定結果を得ることができる。
【0161】
また、前記同様に、被検体10に対する動脈血の流れ込みが最大となるタイミング、つまり、該動脈血による吸光が最大となり、フォトダイオード12aにおける受光量が最小となってCPU25に読み込まれる受光レベル信号Vaが最小(図5では暗レベル最大)となるタイミングにおいて、この赤色光と赤外光による受光レベル信号Va1(R),Va1(IR)の比として得られる被検体10における吸光度の比率(A/B)に基づき動脈血酸素飽和度(SpO2)が演算算出される。
【0162】
この際、動脈血酸素飽和度の測定値は、記憶装置29Aの酸素飽和度補正係数メモリ29cに記憶されている酸素飽和度補正係数x30により補正された値として、外部記憶装置29Bに記憶され、表示部30に表示されるので、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能に多少のばらつきがあっても、安定した精度で酸素飽和度の測定結果を得ることができる。
【0163】
したがって、前記構成の生体信号検出装置によれば、例えば電源投入時において、現在装着中のプローブ部1の発光装置11を所定の発光駆動電流で発光駆動した場合に受光装置12から出力される受光電流IFに応じてCPU25に読み込まれる受光レベル信号Vaの測定値aと、基準(設計通り)のプローブ部1を対象とした場合にCPU25に読み込まれるはずの予め記憶された受光レベル信号Vaの規定値bとの比a/bを、プローブ受光量補正係数x10としてプローブ受光量補正係数メモリ29aに記憶させ、これ以後CPU25に読み込まれる受光レベル信号Vaは前記プローブ受光量の補正係数x10により補正されるので、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能にばらつきがあっても、安定した受光レベル信号Vaを得て、高精度な生体測定を維持することができる。
【0164】
また、前記受光レベル信号Vaの測定値aと規定値bとの比a/bであるプローブ受光量補正係数x1が予め設定された許容誤差範囲y1を超えた場合には、プローブNGメッセージをプローブ発光面/受光面の拭き取りメッセージと共に表示部30に表示させるので、プローブ部1を最大限長く使用でき、しかも交換時期を容易に知ることができる。
【0165】
また、前記構成の生体信号検出装置によれば、例えば電源投入時において、現在装着中のプローブ部1の発光装置11を所定脈拍の脈動波形に対応した発光駆動電流で発光駆動した場合に受光装置12から出力される受光電流IFに応じてCPU25に読み込まれる受光レベル信号Vaに基づき演算算出された脈拍の測定値aと、前記所定脈拍の規定値bとの比a/bを、脈拍測定補正係数x20として脈拍測定補正係数メモリ29bに記憶させ、この後、実際の被検体(生体)10をプローブ部1に挟み込んで行う脈拍測定の際には、その測定脈拍値は前記脈拍測定補正係数x20により補正されて結果表示されるので、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能にばらつきがあっても、高精度な脈拍測定を維持することができる。
【0166】
また、前記所定脈拍の脈動波形に対応したプローブ駆動による脈拍測定値aとその所定脈拍である規定値bとの比a/bからなる脈拍測定補正係数x2が予め設定された許容誤差範囲y2を超えた場合には、プローブNGメッセージをプローブ発光面/受光面の拭き取りメッセージと共に表示部30に表示させるので、プローブ部1を脈拍測定精度を維持しつつも最大限長く使用でき、しかも交換時期を容易に知ることができる。
【0167】
また、前記構成の生体信号検出装置によれば、例えば電源投入時において、現在装着中のプローブ部1の発光装置11における赤色LED11aと赤外LED11bとを、所定の酸素飽和度の疑似脈波形に対応した赤色/赤外発光比R/IRの駆動電流で発光駆動した場合に、受光装置12から出力される受光電流IFに応じてCPU25に読み込まれる受光レベル信号Vaに基づき演算算出された酸素飽和度の測定値aと、前記所定の酸素飽和度の規定値bとの比(または差)a/b(a−b)を、酸素飽和度補正係数x30として酸素飽和度補正係数メモリ29cに記憶させ、この後、実際の被検体(生体)10をプローブ部1に挟み込んで行う酸素飽和度測定の際には、その測定された酸素飽和度は前記酸素飽和度補正係数x30により補正されて結果表示されるので、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能にばらつきがあっても、高精度な酸素飽和度測定を維持することができる。
【0168】
また、前記所定酸素飽和度の疑似脈波形に対応したプローブ駆動による酸素飽和度測定値aとその所定酸素飽和度である規定値bとの比a/bからなる脈拍測定補正係数x3が予め設定された許容誤差範囲y3を超えた場合には、プローブNGメッセージをプローブ発光面/受光面の拭き取りメッセージと共に表示部30に表示させるので、プローブ部1を酸素飽和度測定精度を維持しつつも最大限長く使用でき、しかも交換時期を容易に知ることができる。
【0169】
なお、前記実施形態における生体信号検出装置では、プローブ部1を、発光装置11により発光される光を被検体10に透過させ、その透過光を受光装置12で受光するものとして構成したが、同発光装置11により発光される光を被検体10に反射させ、その反射光を受光装置12で受光するものとして構成してもよい。このような被検体反射光受光型のプローブ部とした生体信号検出装置であっても、前記実施形態と全く同様のプローブ整合処理および脈拍測定確認処理および酸素飽和度測定確認処理を行なうことにより、プローブ部1の交換や経時変化に伴いプローブ性能にばらつきがあっても、測定精度を維持しつつ最大限長く使用でき、しかも交換時期を容易に知ることができる。
【0170】
なお、前記実施形態において記載した生体信号検出装置によるプローブ校正や生体測定の手法、すなわち、図8のフローチャートに示すプローブ整合(校正)処理、図11のフローチャートに示す脈拍測定確認処理(テーブル方式)、図12のフローチャートに示す脈拍測定確認処理(演算方式)、図17のフローチャートに示す酸素飽和度測定確認処理、図18のフローチャートに示す被検体(生体)10に対する生体信号検出処理等の各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録媒体(29B)に格納して配布することができる。そして、プローブ部1に対する発光駆動機能および受光信号入力機能を備えた種々のコンピュータ機器は、この外部記録媒体(29B)に記憶されたプログラムを読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記実施形態において説明したプローブ校正機能や生体測定機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0171】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0172】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る第1の生体信号検出装置によれば、発光駆動手段によりプローブの発光手段を所定の発光駆動レベルで駆動した際に、信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルと前記所定の発光駆動レベルに応じた規定の信号レベルとに基づき当該測定された信号レベルの補正係数が算出され、この算出された信号レベルの補正係数に基づき、前記信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルが補正されて被検体の状態が測定されるので、プローブ性能のばらつきが校正されて被検体の状態測定が行われるようになる。
【0173】
また、本発明に係る第2の生体信号検出装置によれば、プローブの発光手段を駆動した際に、当該プローブの受光手段から出力される受光信号の信号レベルが信号レベル測定手段により測定され、この測定された受光信号の信号レベルに基づき状態測定手段により被検体の状態が測定されるもので、発光駆動手段によりプローブの発光手段を所定の被検体の状態に応じた疑似脈波形に対応する発光駆動レベルで駆動した際に、状態測定手段により測定された状態測定値と前記所定の被検体の状態とに基づき当該測定された状態測定値の補正係数が算出され、この算出された状態測定値の補正係数に基づき、前記状態測定手段により測定された状態測定値が補正されるので、プローブ性能のばらつきがあっても状態測定の測定精度が維持されるようになる。
【0174】
よって、プローブ毎の性能のばらつきや多少の性能低下にも影響を受けることなく、常に安定した測定結果を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る生体信号検出装置の電子回路の構成を示すブロック図。
【図2】人体に光を透過させた場合の吸光度全体に対する各吸光成分の割合とその脈動に伴なう吸光度の変化状態を示す図。
【図3】赤色発光波長と赤外発光波長における酸化ヘモグロビン及び還元ヘモグロビンに対する吸光度の変化とその吸光度比に応じた酸素飽和度の変化を示す図であり、同図(A)は酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンに対する発光波長と吸光度の関係を示す図、同図(B)は赤色光Rと赤外光IRの吸光度比R/IRと酸素飽和度SpO2との関係を示す図。
【図4】前記生体信号検出装置の赤色LED11aと赤外LED11bにおける発光駆動間隔を示すタイミングチャート。
【図5】前記生体信号検出装置の赤色LED11aと赤外LED11bの発光に伴なう脈動に応じた各受光信号波形を示す図。
【図6】前記生体信号検出装置のプローブ整合処理に伴いプローブ駆動の基準となる発光電流対受光レベルの基準データを示す図。
【図7】前記生体信号検出装置のプローブ整合処理に伴う発光電流対受光レベルの基準データに従い基準(設計通り)のプローブ部1を対象として発光駆動した場合の受光レベルの規定値曲線と現在のプローブ部1を対象として発光駆動した場合の受光レベルの測定値曲線とを対比して示す図。
【図8】前記生体信号検出装置のプローブ整合処理を示すフローチャートである。
【図9】前記生体信号検出装置の脈拍測定確認処理に伴いプローブ部1を所定の脈拍に応じて擬似的に発光駆動するための疑似脈発光駆動テーブルを示す図。
【図10】前記生体信号検出装置の脈拍測定確認処理に伴う疑似脈発光駆動テーブルに従いプローブ部1を発光駆動した場合の所定脈拍の脈動波形に対応した発光駆動曲線を示す図。
【図11】前記生体信号検出装置の脈拍測定確認処理(テーブル方式)を示すフローチャート。
【図12】前記生体信号検出装置の脈拍測定確認処理(演算方式)を示すフローチャート。
【図13】前記生体信号検出装置の酸素飽和度測定確認処理に伴う所定の酸素飽和度%となる動脈血吸光度比率に応じた所定発光レベル比R/IRの疑似脈波形に対応した発光駆動曲線を示す図。
【図14】前記生体信号検出装置の酸素飽和度測定確認処理に伴いプローブ部1を所定の酸素飽和度%となる発光レベル比R/IRで擬似的に発光駆動するための疑似脈所定比発光駆動テーブルを示す図。
【図15】前記生体信号検出装置の酸素飽和度測定確認処理に伴う疑似脈波形での発光駆動による発光レベル比R/IRの変化に応じた酸素飽和度測定の規定値曲線と現在のプローブ部1を対象として発光駆動した場合の酸素飽和度測定の測定値曲線とを対比して示す図。
【図16】前記生体信号検出装置の酸素飽和度測定確認処理に伴う動脈血の吸光度比R/IRに対応した酸素飽和度の規定値と各対応した測定値およびその補正係数x3を示すテーブル。
【図17】前記生体信号検出装置の酸素飽和度測定確認処理を示すフローチャート。
【図18】前記生体信号検出装置による被検体(生体)10に対する生体信号検出処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 …プローブ部
10 …被検体(生体)
11 …発光装置
11a…赤色LED
11b…赤外LED
12 …受光装置
12a…フォトダイオード
2 …システム部
21 …増幅回路(電流アンプ)
22 …電流/電圧変換回路
23 …増幅回路(電圧アンプ)
24 …A/D変換回路
25 …CPU
25a…発光電流制御回路
25b…タイミング発生回路
26 …電圧制御回路
26a…D/A変換回路
27 …LED駆動装置
27a…赤色LED駆動回路
27b…赤外LED駆動回路
28 …入力装置
29A…記憶装置
29a…プローブ受光量補正係数メモリ(x10)
29b…脈拍測定補正係数メモリ(x20)
29c…酸素飽和度補正係数メモリ(x30)
29d…プローブ駆動積算時間メモリ(t)
29B…外部記憶装置
30 …表示部
31 …バックライト
32 …バックライト制御装置
33 …出力装置(コネクタ)
Va(R)…赤色透過光受光信号
Va(IR) …赤外透過光受光信号
Claims (8)
- 発光手段とこの発光手段により発光される光を被検体に照射することにより得られる被検体からの光を受光する受光手段とを有するプローブと、
このプローブの発光手段を駆動する発光駆動手段と、
この発光駆動手段により前記プローブの発光手段を駆動した際に、当該プローブの受光手段から出力される受光信号の信号レベルを測定する信号レベル測定手段と、
前記発光駆動手段により前記プローブの発光手段を所定の発光駆動レベルで駆動した際に、前記信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルと前記所定の発光駆動レベルに応じた規定の信号レベルとに基づき当該測定された信号レベルの補正係数を算出する補正係数算出手段と、
この補正係数算出手段により算出された信号レベルの補正係数に基づき、前記信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルを補正し前記被検体の状態を測定する状態測定手段と、
を備えたことを特徴とする生体信号検出装置。 - さらに、
前記補正係数算出手段により算出された信号レベルの補正係数が予め設定された許容誤差範囲を超えた場合に前記プローブに関する情報を出力するプローブ情報出力手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の生体信号検出装置。 - 発光手段とこの発光手段により発光される光を被検体に照射することにより得られる被検体からの光を受光する受光手段とを有するプローブと、
このプローブの発光手段を駆動する発光駆動手段と、
この発光駆動手段により前記プローブの発光手段を駆動した際に、当該プローブの受光手段から出力される受光信号の信号レベルを測定する信号レベル測定手段と、
この信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルに基づき前記被検体の状態を測定する状態測定手段と、
前記発光駆動手段により前記プローブの発光手段を所定の被検体の状態に応じた疑似脈波形に対応する発光駆動レベルで駆動した際に、前記状態測定手段により測定された状態測定値と前記所定の被検体の状態とに基づき当該測定された状態測定値の補正係数を算出する補正係数算出手段と、
この補正係数算出手段により算出された状態測定値の補正係数に基づき、前記状態測定手段により測定された状態測定値を補正する状態測定値補正手段と、
を備えたことを特徴とする生体信号検出装置。 - さらに、
前記補正係数算出手段により算出された状態測定値の補正係数が予め設定された許容誤差範囲を超えた場合に前記プローブに関する情報を出力するプローブ情報出力手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の生体信号検出装置。 - 前記プローブに関する情報は、プローブの汚れおよび交換に関する情報のうちの少なくとも何れかであることを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の生体信号検出装置。
- 前記被検体の状態は、脈拍および酸素飽和度のうちの少なくとも何れかであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の生体信号検出装置。
- 発光手段とこの発光手段により発光される光を被検体に照射することにより得られる被検体からの光を受光する受光手段とを有するプローブと、このプローブの発光手段を駆動する発光駆動手段とを備えた生体信号検出装置のコンピュータを制御するための生体信号検出装置の校正処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記発光駆動手段により前記プローブの発光手段を駆動した際に、当該プローブの受光手段から出力される受光信号の信号レベルを測定する信号レベル測定手段、
前記発光駆動手段により前記プローブの発光手段を所定の発光駆動レベルで駆動した際に、前記信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルと前記所定の発光駆動レベルに応じた規定の信号レベルとに基づき当該測定された信号レベルの補正係数を算出する補正係数算出手段、
この補正係数算出手段により算出された信号レベルの補正係数に基づき、前記信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルを補正し前記被検体の状態を測定する状態測定手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能な生体信号検出装置の校正処理プログラム。 - 発光手段とこの発光手段により発光される光を被検体に照射することにより得られる被検体からの光を受光する受光手段とを有するプローブと、このプローブの発光手段を駆動する発光駆動手段とを備えた生体信号検出装置のコンピュータを制御するための生体信号検出装置の校正処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記発光駆動手段により前記プローブの発光手段を駆動した際に、当該プローブの受光手段から出力される受光信号の信号レベルを測定する信号レベル測定手段、
この信号レベル測定手段により測定された受光信号の信号レベルに基づき前記被検体の状態を測定する状態測定手段、
前記発光駆動手段により前記プローブの発光手段を所定の被検体の状態に応じた疑似脈波形に対応する発光駆動レベルで駆動した際に、前記状態測定手段により測定された状態測定値と前記所定の被検体の状態とに基づき当該測定された状態測定値の補正係数を算出する補正係数算出手段、
この補正係数算出手段により算出された状態測定値の補正係数に基づき、前記状態測定手段により測定された状態測定値を補正する状態測定値補正手段、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能な生体信号検出装置の校正処理プログラム。
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