JP3817352B2 - タイヤ成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グリーンタイヤを成形するタイヤ成形装置に関わり、更に詳しくは、バンドドラムとベルトドラムとの配置を最適化するようにしたタイヤ成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、シングルステージ式のタイヤ成形装置では、バンドドラムでサイドウォール、インナーライナー、カーカスプライ等を取り付けたバンドを成形する一方、ベルトドラムでベルトプライ上にトレッドを積層したベルト積層体を成形し、これらをシェーピングドラムに搬送し、そこでバンドをトロイダル状に変形させ、その外周にベルト積層体を移載してグリーンタイヤを成形するようにしている。
【0003】
従来、上記のような装置において、バンドドラム、ベルトドラムで成形されたバンド、ベルト積層体をシェーピングドラムに搬送し、そこでシェーピングしてグリーンタイヤを成形する工程は、既に自動化されているが、供給された各成形部材をバンドドラムやベルトドラムに貼り付ける工程では、作業者が成形部材の先端をドラム上の定位置に誘導したり、巻き付け後に切断し、その先端と後端とを接合する等の作業を行う必要がある。そのため、一日の労働時間の内に、作業者がバンドドラムとベルトドラムとの間を何回も行き来しなければならないので、労働負担が極めて大きいという問題があった。
【0004】
そこで、上記対策として、例えば、バンドドラムとベルトドラムとを左右に配置し、その間にシェーピングドラムを配したT字状のレイアウトにしたり、或いはバンドドラムとベルトドラムとを隣接させて一直線状に配置するレイアウト等が提案されているが、まだ改善の余地がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、バンドドラムとベルトドラムとの配置を最適にし、作業者の労働負担を大きく軽減することが可能なタイヤ成形装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、バンドドラム、ベルトドラム、及びシェーピングドラムを有するタイヤ成形装置において、前記バンドドラムとベルトドラムとをその軸線を平行にして並設し、該バンドドラムの軸線方向の一方側にバンドホルダを設置する一方、前記ベルトドラムの軸線方向の一方側にベルトホルダを設置し、更に前記バンドホルダとベルトホルダの一方側に前記シェーピングドラムをその軸線が前記バンドドラムとベルトドラムの軸線と平行になるように配置し、前記バンドドラムとベルトドラムとをその軸線方向に往復移動可能に構成し、かつ前記シェーピングドラムをその軸線方向とそれに直交する方向にそれぞれ往復移動可能にしたことを特徴とする。
【0007】
このように軸線を平行にしてバンドドラムとベルトドラムとを並べて配置することにより、その間で作業する作業者が向きを変更するだけで両ドラムでの作業が可能になり、バンドドラムとベルトドラムとの配置を最適にすることができる。従って、従来のようにバンドドラムとベルトドラムとの間を歩いて何回も行き来する必要がないため、作業者の作業負担を大幅に軽減することができる。
【0008】
また、並設したバンドドラムとベルトドラムの一方側にバンドホルダとベルトホルダを配置し、更にその一方側にシェーピングドラムを配設する略矩形状のレイアウトにするため、それらユニット全体が長く延びることなく纏まった領域内に配置することができるので、省スペース化を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明のタイヤ成形装置の一例を示す。1はサイドウォール、インナーライナー、カーカスプライ等を取り付けたバンドを成形するバンド成形機、2はベルトプライ上にトレッドを積層したベルト積層体を成形するベルト成形機、3はバンド成形機1で成形されたバンドを保持するバンドホルダ、4はベルト成形機で成形されたベルト積層体を保持するベルトホルダ、5はバンドをトロイダル状にシェーピングするシェーピング成形機である。
【0010】
バンド成形機1は駆動装置11の一方側に拡縮自在なバンドドラム12が片持ち支持され、各成形部材をバンドドラム12上に貼り付ける際、駆動装置11の作動により、バンドドラム12を回転するようになっている。駆動装置11が移動体13上に設置され、この移動体13が左右に延在する前後のガイドレール14に沿って移動することにより、バンドドラム12をその軸線X方向に往復移動可能にしている。バンドドラム12の後方側にはバンドを成形する各成形部材を供給するバンドサービサー6が設置されている。
【0011】
ベルト成形機2は、駆動装置21の一方側に拡縮自在なベルトドラム22が片持ち支持され、各成形部材をベルトドラム22上に貼り付ける時、駆動装置21の作動により、ベルトドラム22を回転するようにしている。駆動装置21が移動体23上に配置され、この移動体23が左右に延在する前後のガイドレール24に沿って移動することで、ベルトドラム22がその軸線Y方向に往復移動可能になっている。このベルトドラム22とバンドドラム12とは、左右に延在する軸線X,Yが平行となるようにして前後に隣接して並設されている。ベルトドラム22の前方側にはベルト積層体を成形する各成形部材を供給するベルトサービサー7が配設されている。
【0012】
バンドホルダ3は、バンドドラム12の軸線X方向の一方側に設置され、バンドドラム12上で成形されたバンドを拡縮する筒状の保持部31で保持できるようになっている。この保持部31はバンドを保持するバンド保持機構と、その後方側に配設されたビードローダ9からローディングされたビードを保持するビード保持機構とを備えており、その軸線Sがバンドドラム12の軸線Xと一致するように配置されている。
【0013】
ベルトホルダ4は、ベルトドラム22の軸線Y方向の一方側に設置され、バンドドラム22上で成形されたベルト積層体を拡縮自在なリング状の保持部41で保持できるようにしている。この保持部41はその軸線Tがベルトドラム22の軸線Yと一致するように配置されている。このベルトホルダ4とバンドホルダ3とは前後に並設され、共にその位置に固定され、移動できないようになっている。
【0014】
シェーピング成形機5は、バンドホルダ3とベルトホルダ4の一方側に設置されている。駆動装置51の他方側に拡縮自在なビードロック機構を有するシェーピングドラム52が片持ち支持され、駆動装置51の作動によりシェーピングドラム52が回転可能になっている。シェーピング成形機5はシェーピングドラム52と共に左右に延在する前後のガイドレール53に沿ってシェーピングドラム52の軸線Z方向に往復移動可能であると共に、それと直交する前後に延びる左右のガイドレール54に沿って往復移動できるようになっている。シェーピングドラム52の軸線Zは、バンドドラム12とベルトドラム22の軸線X,Yと平行である。
【0015】
8はシェーピング成形機5に隣接して設置されたステッチャー、Pは作業者の作業位置である。
上記のタイヤ成形装置によれば、バンドサービサー6からバンドを成形する各成形部材が供給され、作業位置Pで作業者が成形部材の先端をバンドドラム12上の定位置に誘導したり、バンドドラム12に巻き付け後に切断し、その先端と後端とを接合する等の作業を行い、バンドドラム12上にバンドを成形する。
【0016】
成形されたバンドドラム12上のバンドは、自動工程によりシェーピングドラム52に受け渡される。即ち、バンド成形機1が一方側(図の左側)に移動し、予めビードローダー9によりビードが移載されたバンドホルダ3内にバンドドラム12を挿入する。バンドドラム12が拡径して円筒状のバンドを環状のビードに圧着した後、バンドホルダ3が縮径して保持部31のバンド保持機構でバンドを保持し、バンドを受け取ると、バンド成形機1は他方側(図の右側)に移動して、元の図1の位置に復帰する。
【0017】
続いて、シェーピング成形機5が後方(図の上方)に移動し、バンドホルダ3に対面する位置にくると、他方側に移動してシェーピングドラム52をバンドホルダ3内に挿入する。シェーピングドラム52を拡径してビードロック機構によりバンドに圧着されたビードを保持するようにしてドラム上にバンドを受け取ると、シェーピング成形機5が一方側に後退する。次いで、前方(図の下方)に移動し、ベルトホルダ4と対面する位置まで来ると、再び他方側に移動する。
【0018】
上記自動工程の間に、作業者がベルト成形機2でベルト積層体を成形する。作業者がバンド成形機1からベルト成形機2に移動する際に、バンドドラム12とベルトドラム22とがその軸線を平行にして並設されているので、その間の作業位置Pで作業する作業者は後向きの状態から前向きの状態となるように向きを変えるだけで、ベルト積層体を成形する作業に移ることができる。
【0019】
ベルト成形機2では、ベルトサービサー7から供給された成形部材を作業者が先端をベルトドラム22上の定位置に誘導したり、ベルトドラム22に巻き付けた後に切断し、その先端と後端とを接合したりする等の作業を行い、ベルト積層体をベルトドラム22上に成形する。成形後、ベルト成形機2が一方側に移動し、ベルトホルダ4内にベルトドラム22を挿入する。ベルトホルダ4が縮径して保持部41でベルト積層体を保持すると、ベルト成形機2は他方側に移動して元の図1の位置に復帰する。
【0020】
この状態で、上記ベルトホルダ4と対面する位置まで来ているシェーピング成形機5が他方側に移動し、ベルトホルダ4内にシェーピングドラム52を挿入する。シェーピング成形機5がシェーピング作業を開始し、シェーピングドラム52外周のバンドをトロイダル状にシェーピングし、ベルトホルダ4に保持されたベルト積層体に押し付けた状態にする。保持部41が拡径してベルト積層体の保持を解除し、トロイダル状のバンド外周にベルト積層体を移載する。
【0021】
シェーピング成形機5が一方側に移動してシェーピングドラム52がステッチャー8と対面する位置まで後退し、そこで駆動装置51によりシェーピングドラム52を回転させながらステッチャー8によりトロイダル状のバンドにベルト積層体を隙間無く貼り付け、次いでシェーピングドラム52に取り付けられた不図示のブラダーによりカーカス両端部をビードコアの周りに折り返して、グリーンタイヤに成形する。成形されたグリーンタイヤは、不図示のグリーンタイヤ取り出し装置により取り出される。
【0022】
このように本発明では、バンドドラム12とベルトドラム22とをその軸線X,Yを平行にして並設するため、その両ドラム間で作業する作業者が向きを変えるだけで、両ドラム12,22での作業を行うことができるようになる。そのため、バンドドラム12とベルトドラム22との間を労働時間中に歩いて何回も往復せずに済むので、作業者の労働負担を大きく軽減することができる。その結果、疲労による事故の発生や各成形部材の貼り付け精度低下等の低減に大きく寄与する。
【0023】
また、並設したバンドドラム12とベルトドラム22の一方側にバンドホルダ3とベルトホルダ4を並設し、更にその一方側にシェーピングドラム52を配置する略矩形状のレイアウトとすることで、それらユニット全体が長く延在せずに所定の領域内に纏めて配置することができるため、省スペース化を図ることができる。また、バンドホルダ3とベルトホルダ4とを移動する構成とせずに固定位置にするので、それらホルダの設計自由度を高めることができる。
【0024】
本発明において、上述したタイヤ成形装置は、ステッチャー8による貼り付け工程後、カーカス両端部をビードコアの周りに折り返すようにしたが、それに代えて、シェーピング成形機5で受け取ったバンドをシェーピングドラム52でトロイダル状にシェーピングし、ブラダーによりカーカス両端部をビードコアの周りに折り返した後、ベルト積層体を移載し、ステッチャー8によりステッチングしてグリーンタイヤを成形するようにしたものであってもよい。
【0025】
【発明の効果】
上述したように本発明は、バンドドラム、ベルトドラム、及びシェーピングドラムを有するタイヤ成形装置において、バンドドラムとベルトドラムとをその軸線を平行にして並設するようにしたので、その間で作業する作業者が向きを変えるだけで、バンドドラムにおけるバンド成形とベルトドラムにおけるベルト積層体成形を行うことができ、バンドドラムとベルトドラムとの配置を最適化して、作業者の作業軽減に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ成形装置の一例を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 バンド成形機 2 ベルト成形機
3 バンドホルダ 4 ベルトホルダ
5 シェーピング成形機 6 バンドサービサー
7 ベルトサービサー 8 ステッチャー
12 バンドドラム 22 ベルトドラム
52 シェーピングドラム P 作業位置
S,T,X,Y,Z 軸線
Claims (2)
- バンドドラム、ベルトドラム、及びシェーピングドラムを有するタイヤ成形装置において、
前記バンドドラムとベルトドラムとをその軸線を平行にして並設し、該バンドドラムの軸線方向の一方側にバンドホルダを設置する一方、前記ベルトドラムの軸線方向の一方側にベルトホルダを設置し、更に前記バンドホルダとベルトホルダの一方側に前記シェーピングドラムをその軸線が前記バンドドラムとベルトドラムの軸線と平行になるように配置し、前記バンドドラムとベルトドラムとをその軸線方向に往復移動可能に構成し、かつ前記シェーピングドラムをその軸線方向とそれに直交する方向にそれぞれ往復移動可能にしたタイヤ成形装置。 - 前記バンドホルダとベルトホルダとをそれぞれ位置を固定して設置した請求項1に記載のタイヤ成形装置。
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