JP3816501B2 - 石炭焚ボイラの燃焼方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石炭焚ボイラに係わり、多炭種対応が要求されるボイラにおいて、特に燃焼性の良好な高揮発分炭および亜瀝青炭などを高効率に粉砕・燃焼し、ボイラ伝熱面などに灰の付着を抑止するのに好適な燃焼システムに関するものである。
従来、石炭焚ボイラにおいて、原料の石炭を粉砕機で粉砕した後、分級機で所定の大きさ以下に分級し、搬送用空気(一次空気)で微粉炭バーナへ供給する直接燃焼システムが一般的に用いられている。ここで使用される粉砕機としては分級機を内蔵した竪型ミルが主流を占めている。
以下、石炭焚ボイラシステムにおける竪型ミルを例に説明する。
図11は竪型ミルを備えた石炭焚ボイラシステムの概略系統図である。図11の石炭焚ボイラシステムはボイラ1と、ボイラ1の微粉炭バーナ2に対し微粉炭を供給する竪型ミル3と、ボイラ1に対し一次空気B、二次空気を供給する押込通風機4と、竪型ミル3に対し一次空気Bを供給する一次空気用押込通風機5と、ボイラ1および竪型ミル3に供給される空気を予熱する空気予熱器6と、ボイラ1の燃焼ガスが導かれる集塵機7と、脱硝装置8と、誘引通風機9および脱硫装置10とから主に構成されている。
押込通風機4は燃焼用空気(一次空気、二次空気)を供給するもので、燃焼用空気の一部は空気予熱器6を介してボイラ1の火炉11に供給される。また、燃焼用空気の他の部分は一次空気用押込通風機5によって加圧され、さらに、その一部が空気予熱器6を経由して、火炉11に供給され、他の部分は空気予熱器6を通らずに竪型ミル3に供給される。この竪型ミル3の上部には石炭Aを投入するバンカ12と、バンカ12から竪型ミル3に石炭Aを供給する給炭機13が設けられ、必要な量の石炭Aが給炭管14から竪型ミル3内に供給される。
この竪型ミル3内で粉砕された微粉炭は、送炭管24を経由して微粉炭バーナ2に供給され、空気予熱器6から直接送られる二次空気と一緒になってボイラ1の火炉11内で燃焼される。燃焼によって生じた排ガスは集塵機7に導かれ、排ガス中のダストが集塵され、引き続いて脱硝装置8により窒素酸化物が除去される。これらの排ガスは、空気予熱器6を通って誘引通風機9によって吸引され、空気予熱器6のエレメントを加熱した後、脱硫装置10により硫黄酸化物が除去されて次工程に移送される。
このような石炭焚ボイラシステムにおける竪型ミル3の構造を図12に示す。図12は竪型ミル3の概略構成を示す断面図である。図12において、竪型ミル3の下部にはギヤボックス15に収容されたギヤ(図示せず)によって回転駆動される粉砕テーブル16が設けられ、粉砕テーブル16の上には粉砕リング17が固定されている。粉砕リング17の上面には粉砕ローラ18が図示していない加圧機構によって弾圧された状態で当接しており、粉砕ローラ18は石炭Aを介して粉砕テーブル16上の粉砕リング17により回転力が付与される。そして、これらの粉砕テーブル16、粉砕リング17、粉砕ローラ18によって粉砕部を構成している。また、粉砕リング17の外周側にはスロートリング19が配置されスロートリング19の下方には、一次空気Bが導入される一次空気入口20が設けられている。
一方、粉砕ローラ18の上部側には、粉砕された粉砕物を所定の粒度の微粉炭として取り出し、粗粉炭を再び粉砕テーブル16上に戻す回転式分級機21が設けられている。
この回転式分級機21はロータ22に支持されて回転円筒23による回転力が与えられて微粉炭と粗粉炭に分離するものであり、この回転式分級機21の上方には粉砕された微粉炭を図11の微粉炭バーナ2に導入する送炭管24が設けられ、さらにこの送炭管24と回転式分級機21の真ん中を貫通して粉砕テーブル16上に給炭機13(図11)からの石炭Aを供給する供給部としての給炭管14が設けられている。
このように構成された竪型ミル3では、給炭管14より供給された石炭Aは、竪型ミル3内の回転式分級機21で分級された粗粉炭とともに、回転している粉砕テーブル16上に送られ、遠心力により粉砕リング17と粉砕ローラ18との隙間を通過し、その際、粉砕ローラ18で押し潰し粉砕される。一方、300℃前後に加熱された一次空気Bは、一次空気入口20からスロートリング19を経てスロート上部25へ供給されている。このため、粉砕ローラ18で粉砕された石炭粒子はこの一次空気Bにより竪型ミル3内を矢印Cで示すように上方へ搬送される。搬送された石炭粒子のうち比較的細かい微粉炭は、回転式分級機21へ送られる。また、粗粉炭は、空気流速の低下に伴い、気流から分離されて粉砕ローラ18を越え、再び矢印Dで示すように粉砕テーブル16上へ戻される。こうして、微粉炭と粗粉炭の一次分級がなされる。回転式分級機21へ送られた石炭粒子のうち比較的粗い粗粉炭は、遠心力により気流から分離されて二次分級が行われ、自重によりミルハウジング26内を矢印Eで示すように落下し、再び粉砕テーブル16上に戻される。一方、回転式分級機21で分離された微粉炭は、矢印Fで示すように微粉炭出口27より気流とともに製品として取り出され、送炭管24によって微粉炭バーナ2(図11)に送られる。この微粉炭の粒度は、例えば回転式分級機21の回転数を調節することにより200メッシュパス(粒径75μm以下)70〜90%程度の粒度に調整される。
以前は竪型ミル3の出口の微粉炭の粒度は200メッシュパス70%(重量平均径50μm)程度になるように竪型ミル3は運転されていた。近年、ボイラ3出口から排出される灰中に残存する未燃分を減らすことを一つの目的として微粉炭の粒度を細かくしており、200メッシュパス80%(重量平均径40μm)以上で運用される例が多く、なかには200メッシュパス90%(重量平均径30μm)程度で運転されている場合もある(火力原子力発電、Vol.43、No.4、P412)。粒度が細かくなるにつれて竪型ミル3に内蔵される分級機もサイクロン式から回転分級式へと転換されつつある。
一方、わが国で燃料として使用される石炭の輸入先は多岐にわたり、その性状も多種多様である。今まで、わが国では燃料比(固定炭素量/揮発分量)が1〜3程度の燃焼性が良好で、かつ、ボイラ内の伝熱面に灰が付着しにくい灰の溶融点が高い瀝青炭が利用されてきた。有限な化石燃料を有効に利用する観点から、わが国でも炭化度の低い亜瀝青炭や褐炭などもボイラ用燃料として利用する要求が強まっている。したがって、将来は石炭焚ボイラでは、今まで以上に多種多様の石炭を燃焼させるようになる。一般に亜瀝青炭や褐炭は灰の溶融点が低く、ボイラ火炉11の伝熱面に溶融灰が付着するスラッギングが激しいと言われており、その対策としてボイラ火炉11のサイズを大きくして火炉内の温度を下げる手法がとられている(Steam/40th Edition,P20−14〜16)。
火力原子力発電、Vol.43、No.4、P412 Steam/40th Edition,P20−14〜16
今後、わが国の石炭焚ボイラは、多種多様の石炭を焚けるように設計されなければならない。スラッギングが激しい灰の溶融点の低い亜瀝青炭、褐炭などの石炭用にボイラ火炉を大きく設計すると、ボイラの設置面積が増え、かつ設備費も高くなるという問題点がある。また、今後利用が増加すると考えられる揮発分の少ない高燃料比炭(例えば、特公平4−38464号公報に開示されている)を火炉の大きなボイラで燃焼させると、火炉内の温度が低下するため、灰中未燃分が増大し、未燃損失の増加によりボイラの効率が低下するという問題点がある。
本発明の目的は、スラッギングの激しい石炭からスラッギングの激しい石炭までを高効率に燃焼させることができる石炭焚ボイラの燃焼方法を提供することにある。また、本発明の目的はスラッギングの激しい亜瀝青炭、褐炭などの石炭を燃焼する場合にボイラ火炉内の伝熱面に灰が付着するスラッギングを抑止できる石炭の燃焼方法を提供することにある。
本発明の上記目的は次の構成により達成される。
すなわち、火炉を構成する垂直壁面の対向する同一水平面上の各壁面に微粉炭バーナをそれぞれ複数列配置すると共に、前記同一水平面上の各列の微粉炭バーナを垂直壁面の上下方向に三段以上設けた石炭焚ボイラの燃焼方法において、前記同一水平面上の各列の微粉炭バーナのうち、両端の微粉炭バーナに供給される微粉炭粒度を他のバーナに供給される微粉炭粒度より粗くした石炭焚ボイラの燃焼方法である。
また、本発明の上記目的は次の構成によっても達成される。
すなわち、火炉を構成する垂直壁面の対向する同一水平面上の各壁面に微粉炭バーナをそれぞれ複数列配置すると共に、前記同一水平面上の各列の微粉炭バーナを垂直壁面の上下方向に三段以上設けた石炭焚ボイラの燃焼方法において、前記同一水平面上の各列の微粉炭バーナのうち、両端のバーナの空気比を1以上とし、その他のバーナの空気比を1以下とし、さらに、前記両端のバーナに供給される微粉炭の粒度を他のバーナに供給される微粉炭の粒度より粗くした石炭焚ボイラの燃焼方法である。
上記本発明において回転式分級機を内蔵した竪型ミル又はサイクロン式分級機を内蔵した竪型ミルを用いて石炭を粉砕し、粉砕された石炭を搬送用気体を用いて回転式分級機またはサイクロン式分級機により分級して微粉炭の粒度を選択して火炉のバーナへ搬送することが望ましい。
(作用)
粉砕機(ミル)の負荷、石炭の粉砕性などによって異なるが、石炭はミルの粉砕部で200メッシュパス20〜50%程度に粉砕される。本発明において、粉砕された石炭は、一次空気により分級機へ運ばれる途中、重力分級により粗い粒子が分離され、分級機で200メッシュパス40〜60%程度に分級されてバーナへ送られる。ボイラ内では、従来よりも微粉炭の粒度が粗いので、燃焼が緩慢となり、燃焼の最高温度は従来の微粉炭より大幅に下がり、伝熱面への灰の付着を抑止することができる。さらに本発明では例えば分級機で200メッシュパス40〜60%程度に分級された微粉炭をボイラ火炉の同一水平面上の各列の微粉炭バーナのうち、両端のバーナへ送り、その他のバーナへは200メッシュパス70%程度に分級された微粉炭を送ると同時に、前記同一水平面上の各列の微粉炭バーナのうち、両端のバーナの空気比を1以上とし、その他のバーナ空気比を1以下にすると、ボイラ火炉の前記両端では燃焼が緩慢となり、燃焼の最高温度は従来より大幅に下がり、酸化雰囲気になると灰の融点が上がることから伝熱面への灰の付着を抑止することができる。
本発明によれば、スラッギングしやすい石炭の場合のみ、両端のバーナに供給される微粉炭の粒度を粗くし、かつ酸化雰囲気で燃焼させるので、ボイラ火炉内でスラッギングを防止することができ、ボイラの安定連続運転を達成することができる。また、ボイラシステムのエネルギ損失を最小に抑え、使用する炭種に応じた高効率運転を達成できる。
以下本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
図1は本実施例に係る石炭焚ボイラの燃焼システムの概略系統図、図2は図1の本実施例のフローチャート、図3は本実施例の竪型ミルに内蔵された回転式分級機回転数のプログラムの一例、図4は従来の竪型ミルの分級機回転数プログラム、図5は石炭の粉砕性が異なるときのミル差圧の特性図、図6は微粉炭の粒度による未燃損失の変化を表す図、図7はミル運転動力と微粉炭粒度の関係を表す図、図8はミル運転動力と未燃損失の総和と微粉炭粒度の関係を示す図である。
図1において、石炭焚ボイラの燃焼システムは、竪型ミル3への石炭供給系統100と、微粉炭を空気により燃焼させる微粉炭バーナ2と、石炭を粉砕、分級した後に空気とともに微粉炭を送炭管24より微粉炭バーナ2を介してボイラ1へ供給する竪型ミル3と、微粉炭バーナ2へ送られる微粉炭の粒度を石炭の種類によって調整する分級機回転数プログラムを組み込んだ制御系統200とから構成されている。
竪型ミル3はバンカ12と給炭機13により供給される石炭を粉砕する粉砕ローラ18と、粉砕される石炭のうち粗炭を分離した後、微粉のみを空気とともに送炭管24へ取り出す分級機21とが備えられるとともに、竪型ミル3の入口と分級機21の入口との圧力損失であるミル差圧を検出するミル差圧検出手段30が設けられている。
また、ミル制御系統200は石炭の性状とミル差圧と給炭機13により供給される石炭量と一次空気量の情報を分級機モータ31に取り込み、これらの情報に基づき、石炭性状に応じて分級機モータ31の回転数を変化させ、回転式分級機21の回転数プログラムを選択できるようになっている。
次に、ミル制御系統200の動作について図2に示したフローチャートを用いて説明する。まず、バンカ12内に石炭を投入し、あらかじめ石炭の性状を分析した情報に基づいて、投入された石炭がスラッギングしやすいかどうかを判定する。スラッギングしにくい石炭の場合は、分級機21の回転数プログラムを図4に示した従来の定格設定値通りとする。スラッギングしやすい石炭の場合は分級機21の回転数変更処理を開始する。炭種切替前の石炭がスラッギングしやすい石炭であるならば、分級機21の回転数のプログラムを図3に示した新しい設定値のままにしておく。切替前の石炭がスラッギングしにくい石炭ならば、竪型ミル3内で従来の石炭といつ切り替るかを判定する必要がある。炭種が代わると石炭の粉砕性(HGI)が異なるので、図5に示したように従来の石炭と同一のミル負荷でミル差圧に変化が生じる。ミル差圧に変化が生じたら、分級機回転数のプログラムを図3に示した新しい設定値に変更する。
亜瀝青炭あるいは褐炭は、燃料比(FR)が1前後と小さく、燃焼性が良好であるが、灰の溶融点が低くスラッギングしやすい。このような燃焼性の良好な石炭の場合は、従来のように微粉炭の粒度を細かくしなくても、低NOx・高効率燃焼を達成できる。例えば、公知の低NOxバーナ(特公平4−39564号公報)を用いた場合、微粉炭の粒度と灰中未燃分の関係から未燃損失熱量を求め、これに発電プラントの効率に乗じて、未燃損失(KW)を求めた一例が図6である。図6には亜瀝青炭(FR=1.0)と瀝青炭(FR=2.1)の場合の未燃損失と微粉炭の粒度(200メッシュパス)の関係を示している。この図6から明らかなように、亜瀝青炭(FR=1.0)の場合は、微粉炭の粒度が200メッシュパス40%程度と粗くても、未燃損失が低いことが分かる。一方、瀝青炭(FR=2.1)の場合は微粉炭の粒度を200メッシュパス70%以上に上げないと未燃損失を低く抑えられないことが分かる。
図7は、ミル運転動力(粉砕動力と一次空気用の押込通風機動力の和)と微粉炭の粒度(200メッシュパス)との関係を示す。竪型ミル3の運転動力は石炭の粉砕性が悪いほど(HGIが低いほど)、また微粉炭の粒度が細かいほど増加する。特に、200メッシュパスが90%以上になると竪型ミル3の運転動力は急増することが分かる。図8は竪型ミル3の運転動力と未燃損失の和と微粉炭粒度との関係を表す。図8よりFR=2.1の瀝青炭の場合、ミル運転動力と未燃損失の和は、200メッシュパス80%付近の粒度で最小となる。言い換えると、FR=2.1の瀝青炭の場合は、200メッシュパス80%程度で竪型ミル3を運転すれば、石炭焚ボイラシステムのエネルギ損失が最小になることを意味している。一方、FR=1.0の亜瀝青炭の場合は、石炭の粉砕性(HGI)が異なっても、微粉炭粒度が200メッシュパス40〜60%程度で竪型ミルを運転すれば、エネルギ損失が最小になる。また、同時に微粉炭の粒度が粗いので、ボイラ火炉内の燃焼最高温度が下げられ、灰の溶融が抑制され、ボイラ伝熱面などへの付着(スラッギング)を防ぐことができる。
通常、竪型ミル3の粉砕部では、ミル負荷および石炭の粉砕性によって異なるが、200メッシュパス20〜50%程度に粉砕される。これを分級機21で分級機回転数を定格の1/2以下に設定して従来より弱い旋回力で分級することにより200メッシュパス40〜60%程度に分級して、微粉炭バーナ2へ送る。粉砕性のよい亜瀝青炭や褐炭の場合は、分級機21の回転数を停止しても、微粉炭の粒度は、200メッシュパス40〜60%程度になるので、この場合は、図3に示した分級機回転数のプログラムの代りに、ミルの全負荷にわたって、分級機回転数を停止させることによって達成できる。また、場合によっては図3に示した回転数プログラムと分級機停止プログラムを組み合わせてもよい。また、図2で説明した石炭の切替をミル差圧の変化により検知する方法に代って、ミル駆動モータの動力の変化により検知して、分級機回転数プログラムの変更を行っても同様な効果を期待できる。さらに、同一ボイラ負荷におけるボイラ火炉出口のガス温度の変化を検知して分級機回転数プログラムの変更を行ってもよい。
なお、本実施例では、回転式分級機21を内蔵した竪型ミル3を用いた燃焼システムについて説明したが、サイクロン式分級機を内蔵した竪型ミルを用いた燃焼システムにおいて、スラッギングしやすい石炭を粉砕する場合に分級機ベーン(固定羽根)を全開もしくは全開に近い状態で運転することによっても、ボイラ火炉内のスラッギングを防止できるなどの効果を得ることができる。また、図4に示した従来の分級機回転数を用いた場合でも、スラッギングしやすい石炭を粉砕する際に粉砕力(粉砕荷重、ミル回転数)を定格より下げて運転することによっても前記と同様な効果を得ることができる。
本実施例では微粉炭の粒度を従来よりも粗くして竪型ミル3を運転するので、ミル内の保有炭量が少なく、負荷応答が優れているという利点を有する。また、竪型ミル3の欠点である、低負荷における竪型ミル3の振動を抑止することもできる。
石炭焚ボイラの燃焼システムでは、竪型ミル3の他に横型ミル(チューブミル)が使用される場合がある。横型ミルの場合は、分級機は外部に設置されている。この横型ミルの場合も、スラッギングしやすい石炭を粉砕するときに外部分級機をバイパスさせるか、または、分級機の負荷を低下させて運転し、ボイラ内へ200メッシュパス40〜60%の微粉炭を供給することによってボイラ火炉内のスラッギングを防止することができる。
図9は本実施例を示すもので、ボイラ1の火炉11の同一水平断面に片側6列のバーナを対向に配置したときの火炉内水平断面での燃焼状態を模式的に示す図である。この図9において、前記同一水平面上の各列の微粉炭バーナのうち、両端のバーナ2aは高空気比で、かつ粗粉用のバーナであり、その他のバーナ2bは低空気比で、かつ微粉用のバーナである。また、火炉11内には粗粉バーナ2aによって形成される高空気比火炎31と微粉バーナ2bによって形成される低空気比火炎32が形成される。
なお、空気比を変える方法としては、石炭量を同じにして二次空気量を変える方法、すなわち、微粉バーナ2bへの二次空気量を少なくして低空気比にし、粗粉バーナ2aの二次空気比を多くして高空気比にする方法、あるいは二次空気量を同じにして石炭量を変える方法、すなわち微粉バーナ2bへの石炭量を多くして低空気比にし、粗粉バーナ2aへの石炭量を少なくして高空気比にする方法などがある。
また、微粉炭の粒度を変える方法としては微粉炭を製造する竪型ミル3(図1)を粒度別に分けて設置する方法、すなわち火炉11両端の粗粉バーナ2aへは粗粉ミルで製造された粗粉炭を供給し、その他の微粉バーナ2bへは微粉ミルで製造された微粉炭を供給する方法、あるいは片側6本の粗粉バーナ2a、微粉バーナ2bへ供給する微粉炭を同一のミルで製造し、火炉11両端の粗粉バーナ2aへは回転式分級機21(図1)の入口から抜き出した粗粉炭を供給し、その他の微粉バーナ2bへは回転式分級機21の出口から抜き出した微粉炭を供給する方法などがある。
図9に示した例の具体例を示すと、例えば、火炉11の両端の粗粉バーナ2aの空気比は1.1、微粉炭の粒度は200メッシュパス50%とし、その他の微粉バーナ2bの空気比は0.8、微粉炭の粒度は200メッシュパス70%とする。この場合は全体として空気比は0.9、微粉炭粒度は63%になる。
図10は、本実施例で用いる石炭焚ボイラの垂直断面を示す図である。大容量ボイラではバーナ段41は4段程度設けられており、バーナ段41の上方(下流)にアフタエアポート42が設けられている。前記図9の具体例で説明したように、全体としてバーナ部の空気比は1以下の還元雰囲気であるので、バーナ部では石炭は完全に燃焼されず、アフタエアポート42から火炉11内へ導入された空気によって完全に燃焼される。
亜瀝青炭あるいは褐炭は、燃料比(FR)が1前後と小さく、燃焼性が良好であるが、灰の溶融点が低くスラッギングしやすい。このようなスラッギングしやすい石炭の場合は、従来のように微粉炭の粒度を細かくしなくても、低NOx・高効率燃焼を達成できる。例えば、公知の低NOxバーナ(特公平4−39564号公報)を用いた場合、未燃損失(KW)とミルの運転動力の合計値に対する微粉炭の粒度の関係を図8に示す。ここで、未燃損失(KW)は微粉炭の粒度と灰中未燃分の関係から得られる未燃損失熱量に発電プラントの効率に乗じて求めた値である。図8からFR=2.1の瀝青炭の場合は、200メッシュパス80%程度で竪型ミルを運転すれば、石炭焚ボイラシステムのエネルギ損失が最小になり、FR=1.0の亜瀝青炭の場合は、石炭の粉砕性(HGI)が異なっても、微粉炭粒度が200メッシュパス40〜70%程度で竪型ミルを運転すれば、エネルギ損失が最小になることが分かる。そこで図9の具体例に示したように火炉11の両端の粗粉バーナ2aへ供給される微粉炭の粒度が200メッシュパス50%と粗いので、燃焼の最高温度が下げられると同時に、この粗粉バーナ2aは酸化雰囲気で燃焼するので、灰の溶融が下がる。したがって、灰の溶融が抑制され、ボイラ伝熱面への灰の付着(スラッギング)、特に火炉11の側壁への灰の付着を抑止することができる。
本発明によれば、スラッギングしやすい石炭、スラッギングしにくい石炭など今まで以上に多種多様の石炭を燃焼させることができる石炭焚ボイラとして利用可能性がある。
本発明の一実施例に係る石炭焚ボイラ燃焼システムの概略系統図である。 図1に示す石炭焚ボイラ燃焼システムを実施するためのフローチャートの図である。 本発明の一実施例に係る竪型ミルの回転式分級機回転数のプログラムの一例を示す図である。 従来の竪型ミルの回転式分級機回転数プログラムを示す図である。 石炭の粉砕性が異なるときのミル差圧の特性図である。 微粉炭の粒度による未燃損失の変化を表す図である。 ミル運転動力と微粉炭粒度の関係を表す図である。 ミル運転動力と未燃損失の総和と微粉炭粒度との関係を表す図である。 本発明の一実施例を示す火炉内水平断面での燃焼状態を模式的に示す図である。 本発明の一実施例で用いる石炭焚ボイラの垂直断面を示す図である。 石炭焚ボイラシステムの概略系統図である。 竪型ミルの概略構成を示す断面図である。
符号の説明
1…ボイラ、2…微粉炭バーナ、3…竪型ミル、11…火炉、12…バンカ、 13…給炭機、18…粉砕ローラ、21…回転式分級機、24…送炭管、
30…ミル差圧検出手段、31…分級機モータ、100…石炭供給系統、
200…ミル制御系統

Claims (4)

  1. 火炉を構成する垂直壁面の対向する同一水平面上の各壁面に微粉炭バーナをそれぞれ複数列配置すると共に、前記同一水平面上の各列の微粉炭バーナを垂直壁面の上下方向に三段以上設けた石炭焚ボイラの燃焼方法において、
    前記同一水平面上の各列の微粉炭バーナのうち、両端の微粉炭バーナに供給される微粉炭粒度を他のバーナに供給される微粉炭粒度より粗くしたことを特徴とする石炭焚ボイラの燃焼方法。
  2. 回転式分級機を内蔵した竪型ミル又はサイクロン式分級機を内蔵した竪型ミルを用いて石炭を粉砕し、粉砕された石炭を搬送用気体を用いて、回転式分級機またはサイクロン式分級機により分級して微粉炭の粒度を選択して火炉のバーナへ搬送することを特徴とする請求項1記載の石炭焚ボイラの燃焼方法。
  3. 火炉を構成する垂直壁面の対向する同一水平面上の各壁面に微粉炭バーナをそれぞれ複数列配置すると共に、前記同一水平面上の各列の微粉炭バーナを垂直壁面の上下方向に三段以上設けた石炭焚ボイラの燃焼方法において、
    前記同一水平面上の各列の微粉炭バーナのうち、両端のバーナの空気比を1以上とし、その他のバーナの空気比を1以下とし、さらに、前記両端のバーナに供給される微粉炭の粒度を他のバーナに供給される微粉炭の粒度より粗くしたことを特徴とする石炭焚ボイラの燃焼方法。
  4. 回転式分級機を内蔵した竪型ミル又はサイクロン式分級機を内蔵した竪型ミルを用いて石炭を粉砕し、粉砕された石炭を搬送用気体を用いて分級して微粉炭の粒度を選択して火炉のバーナへ搬送することを特徴とする請求項3記載の石炭焚ボイラの燃焼方法。
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