JP3816214B2 - 熱現像感光材料及び画像形成方法 - Google Patents

熱現像感光材料及び画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規で、消色性及び保存性に優れた消色性色素を含有する熱現像感光材料に関するものである。
さらに本発明は、色分離及びシャープネスに優れた画像形成方法に関するものである。
また本発明は、熱現像により短時間で簡易に画像を形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀感光材料は、光感度が高く高精細な画像を得ることができる特長を有している反面、複雑な組成の処理液で現像するため、環境の制約や液管理の煩雑さという難点がある。近年、現像処理液が不要で微量の水と加熱により簡易・迅速に高画質のカラー画像が得られる熱現像色素転写型感光材料およびそれらの感光材料を用いる画像形成装置が開発され発売されている(富士写真フイルム(株)製、ピクトログラフィー2000、同3000、ピクトロスタット100、同200等)。また、特開昭62−283332号、同63−198050号等には熱現像銀塩拡散転写型感光材料が記載されている。しかしながら、これらの拡散転写した色素または銀で形成された画像は特定の用途、例えば撮影用カラーネガや製版用中間材料などの場合には十分満足できる鮮鋭度を有していないことがわかった。
【0003】
一方、色分離やシャープネスを改善する目的でコロイド銀またはフィルター染料が使用されてきた。しかし、コロイド銀はカブリ核となるためハロゲン化銀乳剤層と隔離する必要があり、中間層などの増設による膜厚の増大を伴い効果が半減する。またフィルター染料は現像処理時に処理液中に溶出したり、脱色するものが用いられてきたが、処理液を使用しない熱現像感光材料にそのまま適用すると、画像形成用色素とともに色素固定材料に転写したり、脱色が不十分で画像を汚染する等の問題点があり改善が要望されていた。さらに感光材料に微量の水を付与して熱現像を行うシステムにおいては、水溶性の染料を使用するとその染料が該水中に溶出し汚染するため、水を繰り返し使用することが不可能となり不都合を生じる。
【0004】
この問題点を解決するために特開平6−337,511号には水に不溶な有機顔料を固体微粒子分散して感光材料に含有し、水の存在下で熱現像する画像形成方法が開示されている。この方法では有機顔料は色素固定材料に転写しないため色素画像が汚染されず非常に望ましい。しかしながら、前記のように鮮鋭度を必要とする場合には転写画像は使用できないため感光材料側を用いざるを得ず、この場合には水に不溶な有機顔料はそのまま感光材料に残存するので好ましくない。
【0005】
これらの問題を解決する方法として、特開平8−101,487号には固体分散色素を用いる方法が開示されているが、感光材料の保存時に色素の一部が可溶化し移動してしまう、カプラーと発色現像主薬の反応性を低下させてしまう、等の問題があることが明らかになった。
また、特願平7−268,045号には、ロイコ色素と顕色剤による発色体を現像処理時にアルカリで消色させる系が示されている。この系は消色性に優れたものであるが、多量の顕色剤を使用する必要があり、アルカリを消費するので、カプラーと発色現像主薬の反応性を低下させてしまう問題があることがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、保存性及び消色性に優れる新規な消色性色素を用いた熱現像感光材料、及び該消色性色素を用いた画像形成方法を提供することにある。さらに、シャープネスに優れた画像を短時間で得る方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)処理時に消色剤との反応により消色する色素を含有し、かつその色素が耐拡散性であり、さらに現像処理後消色した色素の少なくとも一部が耐拡散性であり、前記色素が、下記一般式(V)で表されるイエローまたはマゼンタ色素であることを特徴とする熱現像感光材料である。
【化1】
Figure 0003816214
(式中、=は2重結合を、−は単結合を表す。A 61 は酸性核を表し、L 61 、L 62 、L 63 はそれぞれ独立にメチン基を表し、L 64 、L 65 はそれぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキレン基を表す。R 62 、R 63 はそれぞれ独立に、シアノ基、−COOR 64 基、−CONR 65 66 基、−COR 64 基、−SO 64 基、−SO NR 65 66 基を表し、R 64 はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基を、R 65 、R 66 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。R 61 は置換基を表し、m 61 は0または1をn 61 は0〜4の整数を表す。なお、R 65 、R 66 が互いに連結して環を形成してもよい。)
(2)色素が分子内にカルボキシル基および/またはスルホ基を有さないことを特徴とする(1)に記載の熱現像感光材料である。
(3)色素の少なくとも一種がオイルおよび/または油溶性ポリマーに溶解させた油滴が親水性バインダー中に分散された消色性色素層を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の熱現像感光材料である。
【0011】
(4)発色現像主薬及びカプラーを含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の熱現像感光材料である。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の熱現像感光材料を像様露光後または像様露光と同時に、消色剤または消色剤プレカーサーを含有する処理材料と水との存在下で膜面同士を重ね合わせて加熱し、その後両者を剥離することにより、該感光材料上に画像を得るとともに色素を消色させることを特徴とする画像形成方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
まず、本発明を構成する、現像処理時に消色剤との反応により消色する色素について説明する。
本発明を構成する色素は、現像処理時に消色剤との反応で消色するものであり、かつ耐拡散性を有するものである。さらに本発明を構成する色素は、現像処理後、消色した際にも、少なくとも一部が耐拡散性を有するものである。この様な色素を用いることにより、保存性、シャープネスおよび粒状性に優れ、かつ簡易、迅速処理が可能な感光材料を提供することができる。また、感光材料から不要なものを外に出すことがないため、環境面からも好ましい。
この様な色素としては、具体的にはシアニン類、メロシアニン類、オキソノール類、アリーリデン類(ヘテロアリーリデン類を含む)、アントラキノン類、トリフェニルメタン類、アゾ色素類、アゾメチン色素類等を挙げることができる。
本発明で用いる色素としては、分子内にカルボキシル基および/またはスルホ基を有さないことが好ましい。これらの基を有すると、感光材料の保存性が悪化し、感度、粒状度、シャープネス等を悪化させるほか、処理時に色素もしくはその分解物が感光材料の表面に出てきた場合に、面状悪化やハードの故障を引き起こす等の問題があるため好ましくない。
【0013】
以下に本発明に用いられる色素について詳しく述べる。
ここで、本発明に用いられる色素の化合物における置換基が、アルキル部位、アルケニル部位、アルキレン部位、シクロアルキル部位を含むとき、特に断りのないかぎり、これらの部位は直鎖状でも、分岐鎖状でもよく、さらに無置換でも、置換されていてもよい。
また、本発明に用いられる色素の化合物における置換基が、アリール部位を含むとき、特に断りのない限りアリール部位は、置換されていても、無置換でもよく、単環でも、縮合環でもよい。
また、本発明に用いられる色素の化合物における置換基が、ヘテロ環部位を含むとき、特に断りのない限りヘテロ環部位は、置換されていても、無置換でもよく、単環でも、縮合環でもよい。
本発明においてヘテロ環としては、非金属原子によって3〜8員環が形成されることが好ましく、5〜6員環が形成されることがより好ましい。
非金属原子としては炭素、酸素、窒素、硫黄、水素が好ましく炭素、水素、窒素がより好ましい。
上記各部位における置換基としては、好ましくは例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルキレン基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
【0020】
素がイエローまたはマゼンタ色素であるときは、一般式(V)で表されるものである。
【0021】
【化3】
Figure 0003816214
【0022】
(式中、=は2重結合を、−は単結合を表す。A61は酸性核を表し、L61、L62、L63はそれぞれメチン基を表し、L64、L65はそれぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキレン基を表す。R62、R63はそれぞれ独立に、シアノ基、−COOR64基、−CONR6566基、−COR64基、−SO2 64基、−SO2 NR6566基を表し、R64は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基を、R65、R66は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。R61は置換基を表し、m61は0または1をn61は0〜4の整数を表す。なお、R65、R66が互いに連結して環を形成してもよくL62、L63が複数存在する場合は同じであっても異なっていてもよい。)
【0023】
以下に、一般式(V)で表される色素について詳しく説明する。
一般式(V)で表される化合物(色素)にてm61は0または1であるが、m61が0のときはベンジリデン色素と呼ばれ、イエロー色素である場合が多く、m61が1のときシンナミリデン色素と呼ばれ、マゼンタ色素である場合が多い。
本発明において、一般式(V)中のm61は0であることが好ましく、また、一般式(V)の化合物はイエロー色素であることが好ましい。
【0024】
一般式(V)にてA61は酸性核を表し、一般式(I)〜(III)におけるA51、A52と同じであるが、より好ましくは、2−ピラゾリン−5−オン、イソオキサゾロン、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、バルビツール酸であり、さらに好ましくはイソオキサゾロン、ピラゾリジンジオン、バルビツール酸であり、最も好ましくはピラゾリジンジオンである。
【0025】
一般式(V)におけるL61、L62、L63で表されるメチン基の例としては一般式(I)〜(III)におけるL51、L52、L53と同じものが挙げられるが、L61、L62、L63で表されるメチン基は、好ましくは=CR67−(R67は、炭素原子数(以下、「C数」という)1〜10のアルキル基、または水素原子である)で表される。
さらに、L61、L62、L63の組み合せとしては、L61、L62、L63ともR67が水素原子であるか、もしくはL61、L63のR67が水素原子でL62のR67がメチル基であることが好ましく、L61、L62、L63ともR67が水素原子であることが最も好ましい。
【0026】
一般式(V)において、L64、L65はそれぞれ独立にC数1〜4のアルキレン基を表し、好ましくはメチレン基またはエチレン基を表す。L64とL65とは同じものであることが好ましい。
【0027】
一般式(V)において、R62、R63はそれぞれ独立に、シアノ基、−COOR64基、−CONR6566基、−COR64基、−SO2 64基、−SO2 NR6566を表す。R64はアルキル基(例えば、メチル、エチル、i−プロピル、t−ブチル、ベンジル、トリフルオロメチル、2−クロロエチル、2−エトキシエチル)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、オレイル)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(例えばフェニル、2−ナフチル、4−クロロフェニル、2−メトキシフェニル、3−ジメチルアミノフェニル)を表し、好ましくはアルキル基またはアルケニル基を、より好ましくは直鎖無置換アルキル基を表す。
65、R66はそれぞれ独立にR64で挙げた基または水素原子を表し、好ましくはアルキル基、アリール基、水素原子であり、より好ましくは連鎖無置換アルキル基、水素原子である。R65、R66が水素原子以外の場合は、好ましくはC数1〜20であり、より好ましくはC数6〜20であり、特に好ましくはC数8〜16である。
62、R63としては、シアノ基、−COOR64基、−CONR6566基がより好ましく、シアノ基、−COOR64基が特に好ましく、−COOR64基がもっとも好ましい。なお、R62、R63がシアノ基であるときはL64、L65はそれぞれエチレン基であることが好ましく、R62、R63がCOOR64基であるときはL64、L65はそれぞれメチレン基であることが好ましい。
62とR63とは、同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
【0028】
一般式(V)においてR61は置換基を表し、好ましくはL61、L63、L63のメチン基の置換基の例として挙げた基を表し、より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基を表し、特に好ましくはアルキル基またはアルコキシ基を表し、もっとも好ましくはメチル基またはメトキシ基を表す。
【0029】
一般式(V)において、n61は0〜4の整数を表し、好ましくは0または1を表し、より好ましくは0を表す。n61が1のときR61はアミノ基のm位に置換することが好ましい。
以下に本発明に用いられる色素の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
【化20】
Figure 0003816214
【0047】
【化21】
Figure 0003816214
【0048】
【化22】
Figure 0003816214
【0049】
【化23】
Figure 0003816214
【0050】
【化24】
Figure 0003816214
【0051】
【化25】
Figure 0003816214
【0052】
【化26】
Figure 0003816214
【0058】
本発明に用いられる色素は、国際特許WO88/04794号、欧州特許EP274,723号、同276,556号、同299,435号、米国特許2,527,583号、同3,486,897号、同3,746,539号、同3,933,798号、同4,130,429号、同4,040,841号、特開昭48−68,623号、同52−92,716号、同55−155,350号、同55−155,351号、同61−205,934号、特開平2−173,630号、同2−230,135号、同2−277,044号、同2−282,244号、同3−7,931号、同3−167,546号、同3−13,937号、同3−206,443号、同3−208,047号、同3−192,157号、同3−216,645号、同3−274,043号、同4−37,841号、同4−45,436号、同4−138,449号、同5−197,077号、特願平5−273,811号、同6−7,761号、同6−155,727号等に記載されている方法またはそれに準じて合成することができる。
【0059】
以下に代表例として本発明の例示化合物(A100)の具体的な合成例を示す。
(合成例−1)例示化合物(A10)の合成
【0063】
(合成例−2)例示化合物(A−100)の合成
【0064】
【化33】
Figure 0003816214
【0065】
ブロモ酢酸(a)76.4g(0.55モル)、ドデカノール(b)93.2g(0.5モル)、p−トルエンスルホン酸1水和物1.4gをトルエン200ml中に溶解し、生成する水を共沸で除きながら1時間還流した。2%炭酸ナトリウム水溶液で3回洗浄後硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し、透明液体であるエステル(c)を得た。(収率100%)
【0066】
アニリン21.1g(0.227モル)、上記エステル(c)0.5モル、炭酸カリウム105g(0.75モル)、ヨウ化ナトリウム11.2g(0.075モル)をジメチルアセトアミド300mlに溶解し、窒素雰囲気下80℃にて4時間加熱攪拌した。
冷却後、水、酢酸エチルを加えて分液し、水で2回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、アニリン(d)を主成分として含む溶液を得た。
【0067】
ジメチルホルムアミド300mlを10℃以下に冷却しながら攪拌し、そこにオキシ塩化リン69.6g(0.454モル)を温度が20℃以上にならないように滴下し、さらに20℃にて30分攪拌した。ここにアニリン(d)を含む溶液を加え、さらに60℃にて1時間加熱攪拌した。冷却後 水1リットル、水酸化カリウム110g、を順に注意深く加えてpH=8とし、酢酸エチルで抽出し、水で2回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、アセトニトリルを加えて冷却して、淡茶色結晶であるベンズアルデヒド(e)を晶析させ、濾別し、冷アセトニトリルで洗浄した。ベンズアルデヒド(e)は収量74.2g(収率57%(アニリンから))で得られた。
【0068】
ピラゾリジンジオン(f)6.31g(0.025モル)、上記ベンズアルデヒド(e)15.8g(0.0275モル)、無水酢酸7.7g(0.075モル)をエタノール50mlに溶解し、2時間還流した。冷却すると結晶が析出し、濾別して冷エタノールで洗浄し、例示化合物(A−100)の淡黄色結晶を得た。
収量は16.4g(収率81.2%(ピラゾリジンジオン(f)から))であった。
【0074】
これら化合物の構造はNMR、MSスペクトル及び元素分析にて確認した。
【0075】
本発明における上述の色素は、消色性色素層として、イエローフィルター層、マゼンタフィルター層、およびアンチハレーション層に使用することができる。それにより、例えば感光層が支持体に最も近い側から赤色感光層、緑色感光層、青色感光層の順に設けられている場合は、青色感光層と緑色感光層の間にイエローフィルター層、緑色感光層と赤色感光層の間にマゼンタ色フィルター層、赤色感光層と支持体の間にシアン色フィルター層(アンチハレーション層)を設けることができる。色素の使用量は、それぞれの層の透過濃度が各々青、緑、赤光に対し、0.03〜3.0、より好ましくは0.1〜2.0になるように用いる。具体的には、色素のεおよび分子量にもよるが、0.005〜2ミリモル/m2 用いればよく、より好ましくは0.05〜1ミリモル/m2 である。
【0076】
本発明の感光材料は一つの層に二つ以上の色素を混合して用いてもよい。例えば上述のアンチハレーション層にイエロー、マゼンタ、シアンの3種の色素を混合して用いることもできる。
本発明の感光材料は、好ましくは消色性色素をオイルおよび/または油溶性ポリマーに溶解させた油滴を親水性バインダー中に分散させた状態で用いる。その調製法としては乳化分散法が好ましく、例えば米国特許2,322,027号記載の方法によることができる。この場合には米国特許4,555,470号、同4,536,466号、同4,587,206号、同4,555,476号、同4,599,296号、特公平3−62,256号等に記載のような高沸点オイルを、必要に応じて沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して用いることができる。また、高沸点オイルは2種以上併用することができる。また、油溶性ポリマーをオイルの代わりに、または、併用して用いることができるが、その例はPCT国際公開番号WO88/00723号明細書に記載されている。高沸点オイルおよび/またはポリマーの量は、用いらる色素1gに対して0.01g〜10g、好ましくは0.1g〜5gをを用いる。
また、色素をポリマーに溶解させる方法として、ラテックス分散法によることも可能であり、その工程、含漬用のラテックスの具体例は、米国特許4,199,363号、西独特許公開(OLS)2,541,274号、同第2,541,230号、特公昭53−41,091号および欧州特許公開第029,104号等に記載されている。
【0077】
油滴を親水性バインダーに分散させる際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば特開昭59−157,636号の37〜38ページ、公知技術第5号(1991年3月22日、アズテック有限会社発行)136〜138ページに記載の界面活性剤を用いることができる。また、特願平5−204,325号、同6−19,247号、西ドイツ公開特許第932,299A号記載のリン酸エステル型界面活性剤も使用できる。
親水性バインダーとしては、水溶性ポリマーが好ましい。例としてはゼラチン、ゼラチン誘導体の蛋白質、またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキストリン、プルラン等の多糖類のような天然化合物とポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合体等の合成高分子化合物が挙げられる。これら水溶性ポリマーは2種以上組み合わせて用いることもできる。特にゼラチンとの組み合わせが好ましい。ゼラチンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシウム等の含有量を減らしたいわゆる脱灰ゼラチンから選択すればよく、組み合わせて用いることもできる。
【0078】
本発明において色素は、消色剤との反応により処理時に消色する。
消色剤としては、アルコールもしくはフェノール類(R51OH)、アミンもしくはアニリン類((R52)N)、ヒドロキシルアミン類((R52)NOR52)、スルフィン酸類(R51SOH)もしくはその塩、亜硫酸もしくはその塩、チオ硫酸もしくはその塩、カルボン酸類(R51COH)もしくはその塩、ヒドラジン類((R52)NN(R52))、グアニジン類([(R52)N]C=NH)、アミノグアニジン類((R52)NR52N(R52N)C=NH)、アミジン類、チオール類(R51SH)(R51はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基を表し、R52は水素原子またはR51で挙げた基を表す。R51、R52はそれぞれ置換基を有していても良く、分子内に複数のR51もしくはR52が有る場合、それらは同じであっても異なっていても良い。)、環状または鎖状の活性メチレン化合物(Z53−CH−Z54、ここでZ53、Z54は、それぞれ−CN、−SO 2 R51、−COR51、−COOR51、−CON(R52) 2 、−SO 2 N(R52) 2 、−C[=C(CN) 2 ]R51、−C[=C(CN) 2 ]N(R51) 2 を表し、かつ、Z53とZ54は結合して環を形成しても良い)、環状または鎖状の活性メチン化合物(Z53−CH(R51)−Z54またはZ53−CH(Z54)−Z55、ここでZ55はZ53と同義であり、Z53、Z54、Z55(またはR51)はそれぞれ結合して環を形成しても良い)、およびこれら化合物から生じるアニオン種等が挙げられる。
これらのうちで好ましくはヒドロキシルアミン類、スルフィン酸類、亜硫酸、グアニジン類、アミノグアニジン類、ヘテロ環チオール類、環状または鎖状の活性メチレン、活性メチン化合物類であり、特に好ましくはグアニジン類、アミノグアニジン類である。
これら消色剤は最初から感光材料中に添加しておいても良いし、また処理時に何らかの方法で感光材料中に添加しても良い。また添加する際の消色剤の形態としてプレカーサー化したものを添加しても良い。
【0079】
上述の消色剤は処理時に色素と接触し、色素分子に求核付加することにより、色素を消色させる。好ましくは色素を含有するハロゲン化銀感光材料を像様露光後または像様露光と同時に、消色剤または消色剤プレカーサーを含有する処理材料と水との存在下で膜面同士を重ね合わせて加熱し、その後両者を剥離することにより、該ハロゲン化銀感光材料上に発色画像を得るとともに色素を消色させる。この場合、消色後の色素の濃度は、元の濃度の1/3以下、好ましくは1/5以下である。消色剤の使用量は、色素の0.1倍から200倍モル、好ましくは0.5倍から100倍モルである。
【0080】
本発明を構成する色素は、種々のシステムで用いることができるが、その1つの好ましい形態として、内蔵発色現像主薬およびカプラーを含有するシステムに用いることができる。
内蔵可能な発色現像主薬のうち芳香族第一級アミン現像主薬、またはその前駆体として、例えば米国特許803,783号、同3,342,597号、同3,719,492号、同4,060,418号、英国特許1,069,061号、西独特許1,159,758号、特公昭58−14,671号、同58−14,672号、特開昭57−76,543号、同59−81,643号等に記載された化合物が挙げられる。
また、ヒドラジン型現像主薬の例としては、米国特許4,481,268号、欧州特許545,491号、同565,165号、特開平7−219,180号、特願平7−49,287号、同7−55,204号等に記載された化合物が挙げられる。
さらに、スルホンアミドフェノール型現像主薬の例としては、米国特許4,021,240号、特開平8−110,608号、同8−146,552号、同8−122,994号、特願平7−180,568号、同7−244,698号等に記載された化合物が挙げられる。
これらのうち発色現像主薬として好ましい化合物はヒドラジン型現像主薬及びスルホンアミドフェノール型現像主薬である。以下に発色現像主薬の代表的な化合物例を挙げる。
【0081】
【化35】
Figure 0003816214
【0082】
【化36】
Figure 0003816214
【0083】
【化37】
Figure 0003816214
【0084】
【化38】
Figure 0003816214
【0085】
【化39】
Figure 0003816214
【0086】
【化40】
Figure 0003816214
【0087】
【化41】
Figure 0003816214
【0088】
【化42】
Figure 0003816214
【0089】
【化43】
Figure 0003816214
【0090】
【化44】
Figure 0003816214
【0091】
【化45】
Figure 0003816214
【0092】
【化46】
Figure 0003816214
【0093】
【化47】
Figure 0003816214
【0094】
【化48】
Figure 0003816214
【0095】
【化49】
Figure 0003816214
【0096】
【化50】
Figure 0003816214
【0097】
【化51】
Figure 0003816214
【0098】
【化52】
Figure 0003816214
【0099】
【化53】
Figure 0003816214
【0100】
【化54】
Figure 0003816214
【0101】
【化55】
Figure 0003816214
【0102】
【化56】
Figure 0003816214
【0103】
【化57】
Figure 0003816214
【0104】
【化58】
Figure 0003816214
【0105】
【化59】
Figure 0003816214
【0106】
【化60】
Figure 0003816214
【0107】
【化61】
Figure 0003816214
【0108】
本発明において、発色現像主薬は、0.05ミリモル/m2 〜20ミリモル/m2 、好ましくは0.1ミリモル/m2 〜10ミリモル/m2 の範囲が適当である。
【0109】
前記カプラーとしては、上記発色現像主薬の文献に記載されているもの、及び引用されているもの等を用いることができる。以下に代表的なカプラーの例を挙げる。
【0110】
【化62】
Figure 0003816214
【0111】
【化63】
Figure 0003816214
【0112】
【化64】
Figure 0003816214
【0113】
【化65】
Figure 0003816214
【0114】
【化66】
Figure 0003816214
【0115】
【化67】
Figure 0003816214
【0116】
【化68】
Figure 0003816214
【0117】
【化69】
Figure 0003816214
【0118】
【化70】
Figure 0003816214
【0119】
【化71】
Figure 0003816214
【0120】
【化72】
Figure 0003816214
【0121】
【化73】
Figure 0003816214
【0122】
【化74】
Figure 0003816214
【0123】
【化75】
Figure 0003816214
【0124】
【化76】
Figure 0003816214
【0125】
【化77】
Figure 0003816214
【0126】
【化78】
Figure 0003816214
【0127】
【化79】
Figure 0003816214
【0128】
【化80】
Figure 0003816214
【0129】
【化81】
Figure 0003816214
【0130】
【化82】
Figure 0003816214
【0131】
【化83】
Figure 0003816214
【0132】
【化84】
Figure 0003816214
【0133】
【化85】
Figure 0003816214
【0134】
【化86】
Figure 0003816214
【0135】
【化87】
Figure 0003816214
【0136】
【化88】
Figure 0003816214
【0137】
【化89】
Figure 0003816214
【0138】
【化90】
Figure 0003816214
【0139】
【化91】
Figure 0003816214
【0140】
【化92】
Figure 0003816214
【0141】
【化93】
Figure 0003816214
【0142】
【化94】
Figure 0003816214
【0143】
【化95】
Figure 0003816214
【0144】
【化96】
Figure 0003816214
【0145】
【化97】
Figure 0003816214
【0146】
【化98】
Figure 0003816214
【0147】
本発明において、カプラーは、各色0.05〜10ミリモル/m2 、好ましくは0.1〜5ミリモル/m2 の範囲が適当である。
【0148】
本発明に使用し得るハロゲン化銀は、塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀のいずれでもよい。
本発明で使用するハロゲン化銀乳剤は、表面潜像型乳剤であっても、内部潜像型乳剤であってもよい。内部潜像型乳剤は造核剤や光カブラセとを組合わせて直接反転乳剤として使用される。また、粒子内部と粒子表層が異なる相を持ったいわゆるコアシェル乳剤であってもよく、またエピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていても良い。ハロゲン化銀乳剤は単分散でも多分散でもよく、特開平1−167,743号、同4−223,463号記載のように単分散乳剤を混合し、階調を調節する方法が好ましく用いられる。粒子サイズは0.1〜2μm、特に0.2〜1.5μmが好ましい。ハロゲン化銀粒子の晶癖は立方体、8面体、14面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、高アスペクト比の平板状のような変則的な結晶系を有するもの、双晶面のような結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合系その他のいずれでもよい。
【0149】
具体的には、米国特許第4,500,626号第50欄、同4,628,021号、リサーチ・ディスクロージャー誌(以下RDと略記する)No. 17,029(1978年)、同 No.17,643(1978年12月)22〜23頁、同No. 18,716(1979年11月)648頁、同No. 307,105(1989年11月)863〜865頁、特開昭62−253,159号、同64−13,546号、特開平2−236,546号、同3−110,555号およびグラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテ社刊(P.Glafkides ,Chemie etPhotographique,Paul Montel, 1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duffin,Photographic Emulsion Chemistry,Focal Press,1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et al.,Making and Coating Photographic Emalusion ,Focal Press ,1964)等に記載されている方法を用いて調製したハロゲン化銀乳剤のいずれもが使用できる。
【0150】
本発明で使用する感光性ハロゲン化銀乳剤を調製する過程で、過剰の塩を除去するいわゆる脱塩を行うことが好ましい。このための手段として、ゼラチンをゲル化させて行うヌーデル水洗法を用いても良く、また多価アニオンより成る無機塩類(例えば硫酸ナトリウム)、アニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポリスチレンスルホン酸ナトリウム)、あるいはゼラチン誘導体(例えば脂肪族アシル化ゼラチン、芳香族アシル化ゼラチン、芳香族カルバモイル化ゼラチンなど)を利用した沈降法を用いても良い。沈降法が好ましく用いられる。
【0151】
本発明で使用する感光性ハロゲン化銀乳剤は、種々の目的でイリジウム、ロジウム、白金、カドミウム、亜鉛、タリウム、鉛、鉄、オスミウムなどの重金属を含有させても良い。これらの化合物は、単独で用いても良いしまた2種以上組み合わせて用いてもよい。添加量は、使用する目的によるが一般的には、ハロゲン化銀1モルあたり10-9〜10-3モル程度である。また含有させる時には、粒子に均一にいれてもよいし、また粒子の内部や表面に局在させてもよい。具体的には、特開平2−236,542号、同1−116,637号、特願平4−126,629号等に記載の乳剤が好ましく用いられる。
【0152】
本発明で使用する感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子形成段階において、ハロゲン化銀溶剤としてロダン塩、アンモニア、4置換チオ尿素化合物や特公昭47−11,386号記載の有機チオエーテル誘導体または特開昭53−144,319号に記載されている含硫黄化合物等を用いることができる。
【0153】
その他の条件については、前記のグラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテ社刊(P.Glafkides ,Chemie et Phisique Photographique ,Paul Montel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duffin,Photographic Emulsion Chemistry,Focal Press,1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et al.,Making and Coating Photographic Emalusion ,Focal Press ,1964)等の記載を参照すれば良い。すなわち酸性法、中性法、アンモニア法のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては片側混合法、同時混合法、それらの組み合わせのいずれを用いてもよい。単分散乳剤を得るためには、同時混合法が好ましく用いられる。
粒子を銀イオン過剰の下において形成させる逆混合法も用いることができる。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ、いわゆるコントロールドダブルジェット法も用いることができる。
【0154】
また、粒子成長を速めるために、添加する銀塩およびハロゲン塩の添加濃度、添加量、添加速度を上昇させてもよい(特開昭55−142,329号、同55−158,124号、米国特許第3,650,757号等)。
さらに反応液の攪拌方法は、公知のいずれの攪拌方法でもよい。またハロゲン化銀粒子形成中の反応液の温度、pHは目的に応じてどのように設定してもよい。好ましいpH範囲は2.2〜8.5、より好ましくは2.5〜6.0である。
【0155】
感光性ハロゲン化銀乳剤は通常は化学増感されたハロゲン化銀乳剤である。本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤の化学増感には、通常型感光材料用乳剤で公知の硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法などのカルコゲン増感法、金、白金、パラヂウムなどを用いる貴金属増感法および還元増感法などを単独または組合わせて用いることができる(例えば特開平3−110,555号、特開平5−241,267号など)。これらの化学増感を含窒素複素環化合物の存在下で行うこともできる(特開昭62−253,159号)。また後掲するカブリ防止剤を化学増感終了後に添加することができる。具体的には、特開平5−45,833号、特開昭62−40,446号記載の方法を用いることができる。
化学増感時のpHは好ましくは5.3〜10.5、より好ましくは5.5〜8.5であり、pAgは好ましくは6.0〜10.5、より好ましくは6.8〜9.0である。
本発明において使用される感光性ハロゲン化銀の塗設量は、銀換算1mg/m2 ないし10g/m2 の範囲、好ましくは0.1g/m2 ないし10g/m2 の範囲である。
【0156】
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀に緑感性、赤感性、赤外感性の感色性を持たせるためには、感光性ハロゲン化銀乳剤をメチン色素類その他によって分光増感する。また、必要に応じて青感性乳剤に青色領域の分光増感を施してもよい。
用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が包含される。
具体的には、米国特許第4,617,257号、特開昭59−180,550号、同64−13,546号、特開平5−45,828号、同5−45,834号などに記載の増感色素が挙げられる。
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合わせを用いてもよく、増感色素の組合わせは特に、強色増感や分光感度の波長調節の目的でしばしば用いられる。
増感色素とともに、それ自身分光増感作用を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない化合物であって、強色増感を示す化合物を乳剤中に含んでもよい(例えば米国特許第3,615,641号、特開昭63−23,145号等に記載のもの)。
これらの増感色素を乳剤中に添加する時期は化学熟成時もしくはその前後でもよいし、米国特許第4,183,756号、同4,225,666号に従ってハロゲン化銀粒子の核形成前後でもよい。またこれらの増感色素や強色増感剤は、メタノールなどの有機溶媒の溶液、ゼラチンなどの分散物あるいは界面活性剤の溶液で添加すればよい。添加量は一般にハロゲン化銀1モル当り10-8ないし10-2モル程度である。
【0157】
このような工程で使用される添加剤および本発明に使用できる公知の写真用添加剤は、前記のRDNo. 17,643、同No. 18,716および同No. 307,105に記載されており、その該当箇所を下記の表にまとめる。
Figure 0003816214
【0158】
本発明においては、感光性ハロゲン化銀と共に、有機金属塩を酸化剤として併用することもできる。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、特に好ましく用いられる。
上記の有機銀塩酸化剤を形成するのに使用し得る有機化合物としては、米国特許第4,500,626号第52〜53欄等に記載のベンゾトリアゾール類、脂肪酸その他の化合物がある。また米国特許第4,775,613号記載のアセチレン銀も有用である。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。
以上の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり0.01〜10モル、好ましくは0.01〜1モルを併用することができる。感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の塗布量合計は銀換算で0.05〜10g/m2、好ましくは0.1〜4g/m2が適当である。
【0159】
感光材料や構成層のバインダーには親水性のものが好ましく用いられる。その例としては記載のRDおよび特開昭64−13,546号の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが挙げられる。具体的には、透明か半透明の親水性バインダーが好ましく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体等の蛋白質またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキストラン、プルラン等の多糖類のような天然化合物とポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合体糖の合成高分子化合物が挙げられる。また、米国特許第4,960,681号、特開昭62−245260号等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−COOMまたは−SO3 M(Mは水素原子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマーとの共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲルL−5H)も使用される。これらのバインダーは2種以上組み合わせて用いることもできる。特にゼラチンと上記バインダーの組み合わせが好ましい。またゼラチンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシウムなどの含有量を減らしたいわゆる脱灰ゼラチンから選択すれば良く、組み合わせて用いる事も好ましい。
本発明において、バインダーの塗布量は1m2 あたり30g以下が好ましく、より好ましくは1g以上20g以下であり、特に2g以上15g以下にするのが適当である。
【0160】
本発明の感光材料には、以下のような機能性カプラーを含有しても良い。発色色素の不要な吸収を補正するためのカプラーとして、EP456,257A1号に記載のイエローカラードシアンカプラー、該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラー、US4,833,069号に記載のマゼンタカラードシアンカプラー、US4,837,136号の(2) 、WO92/11575のクレーム1の式(A)で表わされる無色のマスキングカプラー(特に36−45頁の例示化合物)。
現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化合物残査を放出する化合物(カプラーを含む)としては、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:EP378,236A1号の11頁に記載の式(I)〜(IV)で表わされる化合物、EP436,938A2号の7頁に記載の式(I)で表わされる化合物、特願平4−134523号の式(1) で表わされる化合物、EP440,195A2の5、6頁に記載の式(I)(II)(III)で表わされる化合物、特願平4−325564号の請求項1の式(I)で表わされる化合物−リガンド放出化合物、US4,555,478号のクレーム1に記載のLIG−Xで表わされる化合物。
【0161】
カプラー、発色現像主薬などの疎水性添加剤は米国特許第2,322,027号記載の方法などの公知の方法により感光材料の層中に導入することができる。この場合には、米国特許第4,555,470号、同4,536,466号、同4,536,467号、同4,587,206号、同4,555,476号、同4,599,296号、特公平3−62,256号などに記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して、用いることができる。またこれら色素供与性カプラー、高沸点有機溶媒などは2種以上併用することができる。
高沸点有機溶媒の量は用いられる疎水性添加剤1gに対して10g以下、好ましくは5g以下、より好ましくは1g〜0.1gである。また、バインダー1gに対して1cc以下、更には0.5cc以下、特に0.3cc以下が適当である。
特公昭51−39,853号、特開昭51−59,943号に記載されている重合物による分散法や特開昭62−30,242号等に記載されている微粒子分散物にして添加する方法も使用できる。
水に実質的に不溶な化合物の場合には、前記方法以外にバインダー中に微粒子にして分散含有させることができる。
疎水性化合物を親水性コロイドに分散する際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、前記のRD記載の界面活性剤として挙げたものを使うことができる。また、特開平7−56,267号、同7−228,589号、西独公開特許第1,932,299A号記載のリン酸エステル型界面活性剤も使用できる。
【0162】
本発明に用いる感光材料は、分光感度及び発色色素の色相が互いに異なる少なくとも3種の感光層を含む。それぞれの感光層は、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層に分けられていても良い。また、上記3種の感光層は好ましくは青色光、緑色光、及び赤色光のいずれかに感光する層である。この配列順は、一般的には支持体側から順に赤色感光性層、緑色感光性層、青色感光性層の順である。ただし、目的に応じ、これとは別の配列をとっても良い。例えば特開平7−152129号の162欄に記載されているような配列でも良い。本発明においては、ハロゲン化銀と色素供与性カプラー及び発色現像主薬は同一層に含まれていても良いが、反応可能な状態であれば別層に分割して添加することもできる。例えば発色現像主薬を含む層とハロゲン化銀を含む層とを別層にすると感光材料の生保存性の向上がはかれる。
各層の分光感度及びカプラーの色相の関係は任意であるが、赤色感光性層にシアンカプラー、緑色感光性層にマゼンタカプラー、青色感光性層にイエローカプラーを用いると、従来のカラーペーパー等に直接投影露光できる。
【0163】
感光材料には、上記のハロゲン化銀乳剤層の間および最上層、最下層には、前述したイエローフィルター層、マゼンタフィルター層及びシアンフィルター層以外に、保護層、下塗り層、中間層などの各種の非感光性層を設けても良く、支持体の反対側にはバック層などの種々の補助層を設けることができる。具体的には、上記文献に記載されているような層構成、米国特許第5,051,335号記載のような下塗り層、特開平1−167,838号、特開昭61−20,943号記載のような固体顔料を有する中間層、特開平1−120,553号、同5−34,884号、同2−64,634号記載のような還元剤やDIR化合物を有する中間層、米国特許第5,017,454号、同5,139,919号、特開平2−235,044号記載のような電子伝達剤を有する中間層、特開平4−249,245号記載のような還元剤を有する保護層またはこれらを組み合わせた層などを設けることができる。
【0164】
本発明の感光材料の塗布層は硬膜剤で硬膜されていることが好ましい。
硬膜剤の例としては米国特許第4,678,739号第41欄、同4,791,042号、特開昭59−116,655号、同62−245,261号、同61−18,942号、特開平4−218,044号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234,157号などに記載の化合物)が挙げられる。
これらの硬膜剤は、親水性バインダー1gあたり0.001〜1g、好ましくは0.005〜0.5gが用いられる。
【0165】
感光材料には、種々のカブリ防止剤または写真安定剤およびそれらのプレカーサーを使用することができる。その具体例としては、前記RD、米国特許第5,089,378号、同4,500,627号、同4,614,702号、特開昭64−13,564号(7)〜(9) 頁、(57)〜(71)頁および(81)〜(97)頁、米国特許第4,775,610号、同4,626,500号、同4,983,494号、特開昭62−174,747号、同62−239,148号、特開平1−150,135号、同2−110,557号、同2−178,650号、RD17,643号(1978年) (24)〜(25)頁等記載の化合物が挙げられる。
これらの化合物は、銀1モルあたり5×10-6〜1×10-1モルが好ましく、さらに1×10-5〜1×10-2モルが好ましく用いられる。
【0166】
感光材料には、塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体例は公知技術第5号(1991年3月22日、アズテック有限会社発行)の136〜138頁、特開昭62−173,463号、同62−183,457号等に記載されている。
感光材料には、スベリ性防止、帯電防止、剥離性改良等の目的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有機フルオロ化合物の代表例としては、特公昭57−9053号第8〜17欄、特開昭61−20944号、同62−135826号等に記載されているフッ素系界面活性剤、またはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられる。
【0167】
感光材料には滑り性がある事が好ましい。滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いることが好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.25以下0.01以上である。この時の測定は直径5mmのステンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を表す(25℃、60%RH)。この評価において相手材として感光層面に置き換えてもほぼ同レベルの値となる。
使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等を用いることができる。添加層としては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポリジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステルが好ましい。
【0168】
また本発明においては、帯電防止剤が好ましく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カチオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げることができる。
帯電防止剤として最も好ましいものは、ZnO 、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2、MgO 、BaO 、MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率が107 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下である粒子サイズ0.001〜1.0μm結晶性の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb, P, B, In, S, Si,C など)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。感光材料への含有量としては5〜500mg/m2が好ましく、特に好ましくは10〜350mg/m2である。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバインダーの量の比は1/300〜100/1が好ましく、より好ましくは1/100〜100/5である。
【0169】
感光材料または後述する処理材料の構成(バック層を含む)には、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性改良の目的で種々のポリマーラテックスを含有させることができる。具体的には、特開昭62−245,258号、同62−136,648号、同62−110,066号等に記載のポリマーラテックスのいずれも使用できる。特に、ガラス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテックスを処理層に用いると処理層のヒビ割れを防止することができ、またガラス転移点が高いポリマーラテックスをバック層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0170】
本発明の感光材料にはマット剤が有る事が好ましい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。マット剤は処理時可溶性でも不溶性でもよく、好ましくは両者を併用することである。例えばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸=9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径としては0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭い方が好ましく、平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子数の90%以上が含有されることが好ましい。又、マット性を高めるために0.8μm以下の微粒子を同時に添加することも好ましく、例えばポリメチルメタクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸=9/1(モル比)、0.3μm))、ポリスチレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)が挙げられる。具体的には、特開昭61−88,256号(29)頁に記載されている。その他、ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−274,944号、同63−274,952号記載の化合物がある。その他前記RD記載の化合物が使用できる。
【0171】
本発明において感光材料の支持体としては、透明かつ処理温度に耐えることのできるものが用いられる。一般的には、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、(株)コロナ社刊(昭和54年)(223) 〜(240) 頁記載の紙、合成高分子(フィルム)等の写真用支持体が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、セルロース類(例えばトリアセチルセルロース)等が挙げられる。
この他に、特開昭62−253,159号(29)〜(31)頁、特開平1−161,236号(14)〜(17)頁、特開昭63−316,848号、特開平2−22,651号、同3−56,955号、米国特許第5,001,033号等に記載の支持体を用いることができる。
【0172】
特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場合、感光材料の支持体として特開平6−41,281号、同6−43,581号、同6−51,426号、同6−51,437号、同6−51,442号、同6−82,961号、同6−82,960号、同6−123,937号、同6−82,959号、同6−67,346号、同6−118,561号、同6−266,050号、同6−202,277号、同6−175,282号、同6−118,561号、同7−219,129号、同7−219,144号各公報に記載の支持体が好ましく用いることができる。
また、主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体である支持体も好ましく用いることができる。
【0173】
また、支持体と感光材料構成層を接着させるために、表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
次に下塗法について述べると、単層でもよく2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げることができる。SiO2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤として含有させてもよい。
【0174】
また、支持体として例えば、特開平4−124,645号、同5−40,321号、同6−35,092号、特願平5−58,221号、同6−317,875号記載の磁気記録層を有する支持体を用い、撮影情報などを記録することが好ましい。
【0175】
磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上に塗設したものである。
磁性体粒子は、γFe2O3 などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co被着γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いずれでもよい。比表面積ではSBET で20m2/g以上が好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、好ましくは3.0×104 〜3.0×105 A/m であり、特に好ましくは4.0×104 〜2.5×105 A/m である。強磁性体粒子を、シリカおよび/またはアルミナや有機素材による表面処理を施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6−161,032号に記載された如くその表面にシランカップリング剤またはチタンカップリング剤で処理されてもよい。又特開平4−259,911号、同5−81,652号に記載の表面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0176】
磁性体粒子に用いられるバインダーは、特開平4−219,569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体、糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用することができる。上記の樹脂のTgは−40℃〜300℃、重量平均分子量は0.2万〜100万である。例えばビニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルローストリプロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシアネート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリレンジイソシアナート3mol とトリメチロールプロパン1mol の反応生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮合により生成したポリイソシアネートなどが挙げられ、例えば特開平6−59,357号に記載されている。
【0177】
前述の磁性体を上記バインダー中に分散する方法は、特開平6−35,092号に記載されている方法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが好ましく併用も好ましい。特開平5−88,283号記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録層の厚みは0.1μm〜10μm、好ましくは0.2μm〜5μm、より好ましくは0.3μm〜3μmである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ましくは0.5:100〜60:100からなり、より好ましくは1:100〜30:100である。磁性体粒子の塗布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01〜2g/m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g/m2である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.01〜0.50が好ましく、0.03〜0.20がより好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面またはストライプ状に設けることができる。磁気記録層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トランスファロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、特開平5−341,436号等に記載の塗布液が好ましい。
【0178】
磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を併せ持たせてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイアモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、その表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使用するバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有する感光材料については、US5,336,589号、同5,250,404号、同5,229,259号、同5,215,874号、EP466,130号に記載されている。
【0179】
上述の磁気記録層を有する感光材料に好ましく用いられるポリエステル支持体について更に記すが、感光材料、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細については、公開技報、公技番号94−6023(発明協会;1994.3.15)に記載されている。ポリエステルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜100モル%含むポリエステルである。中でも特に好ましいのはポリエチレン−2,6−ナフタレートである。平均分子量の範囲は約5,000ないし200,000である。ポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに90℃以上が好ましい。
【0180】
次にポリエステル支持体は、巻き癖をつきにくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間は、0.1時間以上1,500時間以下、さらに好ましくは0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えばSnO2やSb2O5 等)の導電性無機微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端部にローレットを付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。
このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエステル用として市販されている染料または顔料を練り込むことにより目的を達成することが可能である。
【0181】
次に、感光材料を装填することのできるフィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパトローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよい。
好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更にパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー等を好ましく用いることができる。これらの帯電防止されたパトローネは特開平1−312,537号、同1−312,538号に記載されている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラスチックを使って製作される。パトローネのサイズは現在の135サイズのままでもよいし、カメラの小型化には、現在の135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下とすることも有効である。パトローネのケースの容積は、30cm3 以下好ましくは25cm3 以下とすることが好ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用されるプラスチックの重量は5g〜15gが好ましい。
【0182】
更にスプールを回転してフィルムを送り出すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトローネ本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向に回転させることによってフィルム先端をパトローネのポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらはUS4,834,306号、同5,226,613号に開示されている。
以上の感光材料は特公平2−32,615号、実公平3−39,784号に記載されているレンズ付フィルムユニットにも好ましく用いることができる。
【0183】
本発明に用いる処理材料の処理層には、好ましくは塩基及び/または塩基プレカーサーを含む。
塩基としては無機あるいは有機塩基を用いることができる。無機の塩基としては、特開昭62−209,448号記載のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等)、リン酸塩(例えばリン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素アンモニウム・ナトリウム、リン酸水素カルシウム等の第二または第三リン酸塩等)、炭酸塩(例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム等)、ホウ酸塩(例えばホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム等)、有機酸塩(例えば酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等)、特開昭63−25,208号記載のアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアセチリド、などが挙げられる。
【0184】
また有機の塩基としては、アンモニア、脂肪族あるいは芳香族アミン類(例えば1級アミン(例えばメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アリルアミン、エチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、アニリン、アニシジン、p−トルイジン、α−ナフチルアミン、m−フェニレンジアミン、1,8−ジアミノナフタレン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、エタノールアミン、タリウム等)、2級アミン(例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジアリルアミン、N−メチルアニリン、N−メチルベンジルアミン、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン等)、3級アミン(例えば特開昭62−170,954号記載のN−メチルモルホリン、N−ヒドロキシエチルモルホリン、N−メチルピぺリジン、N−ヒドロキシエチルピペリジン、N,N′−ジメチルピペラジン、N,N′−ジヒドロキシエチルピペラジン、ジアザビシクロ〔2,2,2〕オクタン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルトリメチレンジアミン、N−メチルピロリジン等)、ポリアミン(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルベンジルアミン、ポリ−(N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ−(N,N−ジメチルビニルベンジルアミン等)、ヒドロキシルアミン類(例えばヒドロキシルアミン、N−ヒドロキシ−N−メチルアニリン等)、複素環状アミン類(例えばピリジン、ルチジン、イミダゾール、アミノピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ポリ−4−ビニルピリジン、ポリ−2−ビニルピリジン等)、アミジン類(例えばモノアミジン、(例えばアセトアミジン、イミダゾタン、2−メチルイミダゾール、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、2−フェニル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、イミノピペリジン、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)等)、ビスあるいはトリスあるいはテトラアミジン、グアニジン類(例えば水溶性のモノグアニジン(例えばグアニジン、ジメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、2−アミノイミダゾリン、2−アミノ−1,4,5−テトラヒドロピリミジン等)、特開昭63−70,845号記載の水不溶性のモノあるいはビスグアニジン、ビスあるいはトリスあるいはテトラグアニジン、4級アンモニウムの水酸化物(例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムハイドロオキサイド、トリオクチルメチルアンモニウムハイドロオキサイド、メチルピリジニウムハイドロオキサイド等)などが挙げられる。
【0185】
塩基プレカーサーとしては、脱炭酸型、分解型、反応型および錯塩形成型などを用いることができる。
本発明においては、欧州特許公開210,660号、米国特許第4,740,445号に記載されているように、塩基プレカーサーとして水に難溶な塩基性金属化合物およびこの塩基性金属化合物を構成する金属イオンと水を媒体として錯形成反応しうる化合物(錯形成化合物という)の組合せで塩基を発生させる方法を採用するのが効果的である。この場合、水に難溶な塩基性金属化合物は感光材料に、錯形成化合物は処理材料に添加するのが望ましいが、この逆も可能である。特に、グアニジン類を発生させる方法を採用すると、効率の良い色素消色剤にもなり得るので好ましい。
【0186】
塩基または塩基プレカーサーの使用量は、0.1〜20g/m2、好ましくは1〜10g/m2である。
処理層のバインダーは感光材料同様の親水性ポリマーを用いることができる。
処理材料は感光材料同様に硬膜剤で硬膜されていることが好ましい。硬膜剤は感光材料と同様のものを用いることができる。
【0187】
処理材料には、媒染剤を含ませることができる。媒染剤としては、ポリマー媒染剤が好ましい。その例としては、二級および三級アミノ基を含むポリマー、含窒素複素環部分をもつポリマー、これらの四級カチオン基を含むポリマーなどで分子量が5,000〜20,000、特に10,000〜50,000のものである。
例えば米国特許2,548,564号、同2,484,430号、同3,148,061号、同6,756,814号明細書等に開示されているビニルピリジンポリマー、及びビニルピリジニウムカチオンポリマー;米国特許3,625,694号、同3,859,096号、同4,128,538号、英国特許1,277,453号明細書等に開示されているゼラチン等と架橋可能なポリマー媒染剤;米国特許3,958,995号、同2,721,852号、同2,798,063号、特開昭54−115,228号、同54−145,529号、同54−126,027号明細書等に開示されている水性ゾル型媒染剤;米国特許3,898,088号明細書に開示されている水不溶性媒染剤;米国特許4,168,976号(特開昭54−137,333号)明細書等に開示の染料と共有結合を行うことのできる反応性媒染剤;更に米国特許3,709,690号、同3,788,855号、同3,642,482号、同3,488,706号、同3,557,066号、同3,271,147号、同3,271,148号、特開昭50−71,332号、同53−30,328号、同52−155,528号、同53−125号、同53−1,024号明細書に開示してある媒染剤を挙げることが出来る。
その他米国特許2,675,316号、同2,882,156号明細書に記載の媒染剤も挙げることができる。
【0188】
本発明においては、処理材料に現像停止剤を含ませておき、現像と同時に現像停止剤を働かせても良い。
ここでいう現像停止剤とは、適正現像後、速やかに塩基を中和または塩基と反応して膜中の塩基濃度を下げ現像を停止する化合物または銀および銀塩と相互作用して現像を抑制する化合物である。具体的には、加熱により酸を放出する酸プレカーサー、加熱により共存する塩基と置換反応を起す親電子化合物、または含窒素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物及びその前駆体等が挙げられる。更に詳しくは特開昭62−253,159号(31)〜(32)頁に記載されている。
また、特願平6−190,529号等に記載のメルカプトカルボン酸の亜鉛塩を感光材料に含有させ、前述した錯形成化合物を処理材料に含有させた組合せは有利である。
また、同様にハロゲン化銀のプリントアウト防止剤を処理材料に含ませておき、現像と同時にその機能を発現させても良い。プリントアウト防止剤の例としては特公昭54−164号記載のモノハロゲン化合物、特開昭53−46,020号記載のトリハロゲン化合物、特開昭48−45,228号記載のハロゲンが脂肪族炭素原子に結合する化合物、特公昭57−8,454号に記載のテトラブロムキシレンに代表されるポリハロゲン化合物が挙げられる。また、英国特許第1,005,144号に記載されている1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールのような現像抑制剤も有効である。
また、特願平6−337,531号に記載されているビオローゲン化合物も有効である。
プリントアウト防止剤の使用量は好ましくは10-4〜1モル/Ag1モル、特に好ましくは10-3〜10-1モル/Ag1モルである。
【0189】
また、処理材料に物理現像核およびハロゲン化銀溶剤を含ませておき、現像と同時に感光材料のハロゲン化銀を可溶化、及び処理層に固定しても良い。
物理現像核は、感光材料より拡散してきた可溶性銀塩を還元して物理現像銀に変換し、処理層に固定させるものである。物理現像核としては、亜鉛、水銀、鉛、カドミウム、鉄、クロム、ニッケル、錫、コバルト、銅、ルテニウムなどの重金属、あるいはパラジウム、白金、銀、金等の貴金属、あるいはこれらの硫黄、セレン、テルル等のカルコゲン化合物のコロイド粒子等の物理現像核として公知のものはすべて使用できる。これらの物理現像核物質は、対応する金属イオンをアスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ハイドロキノン等の還元剤で還元して、金属コロイド分散物をつくるか、あるいは、可溶性硫化物、セレン化物またはテルル化物溶液を混合して、水不溶性の金属硫化物、金属セレン化物または金属テルル化物のコロイド分散物をつくることによって得られる。これら分散物は、ゼラチンのような親水性バインダー中で形成させるのが好ましい。コロイド銀粒子の調製法は、米国特許第2,688,601号等に記載されている。必要に応じて、ハロゲン化銀乳剤調製法で知られている過剰の塩を除去する、脱塩法を行ってもよい。
【0190】
これらの物理現像核の大きさは、2〜200nmの粒径のものが好ましく用いられる。
これらの物理現像核は、処理層に、通常、10-3〜100mg/m2、好ましくは、10-2〜10mg/m2含有させる。
物理現像核は、別途調製して塗布液中に添加することもできるが、親水性バインダーを含有する塗布液中で、例えば、硝酸銀と硫化ナトリウム、または、塩化金と還元剤等を反応させて作製してもよい。
物理現像核としては、銀、硫化銀、硫化パラジウム等が好ましく用いられる。錯化剤シートに転写した物理現像銀を画像として用いる場合は、硫化パラジウム、硫化銀等がDmin が切れ、Dmax が高いという点で、好ましく用いられる。
【0191】
ハロゲン化銀溶剤は、公知のものを使用できる。例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素ナトリウムの如き亜硫酸塩、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、特公昭47−11,386号記載の1,8−ジ−3,6−ジチアオクタン、2,2′−チオジエタノール、6,9−ジオキサ−3,12−ジチアテトラデカン−1,14−ジオールのようなチオエーテル化合物、特願平6−325,350号記載のウラシル、ヒダントインの如き5ないし6員環のイミド環を有する化合物、特開昭53−144,319号記載の下記一般式(VI)の化合物を用いることができる。アナリティカ・ケミカ・アクタ(Analytica Chemica Acta )248 巻 604〜614 頁(1991年)記載のトリメチルトリアゾリウムチオレートにメソイオンチオレート化合物も好ましい。特願平6−206,331号記載のハロゲン化銀を定着して安定化しうる化合物もハロゲン化銀溶剤として使用しうる。
【0192】
一般式(VI) N(R1 )(R2 )−C(=S)−X−R3
式中、Xは、硫黄原子または酸素原子を表す。R1 及びR2 は同じであっても異なってもよく、各々、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環残基またはアミノ基を表す。R3 は脂肪族またはアリール基を表す。R1 とR2 またはR2 とR3 は互いに結合して5員または6員のヘテロ環を形成してもよい。上記のハロゲン化銀溶剤を併用して用いてもよい。
上記化合物の中でも、亜硫酸塩、ウラシルやヒダントインのような5ないし6員のイミド環を有する化合物が特に好ましい。特にウラシルやヒダントインはカリウム塩として添加すると、処理材料の保存時の光沢低下が改善できる点で好ましい。
【0193】
処理層中の全ハロゲン化銀溶剤の含有量は、0.01〜50ミリモル/m2であり、好ましくは、0.1〜30ミリモル/m2である。より好ましくは、1〜20ミリモル/m2である。感光材料の塗布銀量に対してモル比で、1/20〜20倍で、好ましくは1/10〜10倍で、より好ましくは、1/3〜3倍である。ハロゲン化銀溶剤は、水、メタノール、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルプロピルグリコール等の溶媒或いはアルカリまたは酸性水溶液に添加してもよいし、固体微粒子分散させて塗布液に添加してもよい。
【0194】
処理材料には、感光材料と同様に、保護層、下塗り層、バック層その他の、種々の補助層があっても良い。
処理材料は連続ウェブ上に処理層が設けられていることが好ましい。
ここでいう処理材料の連続ウェブとは、処理材料の長さが処理時対応する感光材料の長辺より長さが十分に長く、処理に使用する時にその一部を裁断すること無く使用し、複数の感光材料を処理できる長さを有する形態をいう。一般には、その処理材料の長さが、幅の5倍以上1,000倍以下のことをいう。処理材料の幅は任意であるが、対応する感光材料の幅以上であることが好ましい。
【0195】
また、複数の感光材料を並行し、すなわち感光材料を複数並べて処理するような形態も好ましい。この場合、処理材料の幅は、感光材料の幅×同時処理数以上であることが好ましい。
このような連続ウェブ処理材料は、感光材料の長さが50cm以上の場合、及び複数の感光材料を連続的に処理する場合に特に有効である。
また、このような連続ウェブ処理材料を用いた場合、現像後に感光材料と処理材料を剥離することが容易になる。
この連続ウェブの処理材料は、送りだしロールから供給され、巻き取りロールに巻き取られて廃棄されることが好ましい。特にサイズが大きい感光材料の場合、廃棄が容易である。
以上のように、連続ウェブの処理材料は従来のシート状部材に比べ、取扱性が著しく向上する。
【0196】
本発明において、処理材料に用いられる支持体の厚みは任意であるが、薄いほうが好ましく、特に好ましくは4μm以上、40μm以下である。この場合、単位体積当たりの処理材料の量が多くなるので、上記の処理材料用ロールをコンパクトにできる。
支持体の素材についても特に限定はなく、処理温度に耐えることのできるものが用いられる。一般的には、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、(株)コロナ社刊(昭和54年)(223)〜(240)頁記載の紙、合成高分子(フィルム)等の写真用支持体が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、セルロース類(例えばトリアセチルセルロース)またはこれらのフィルム中へ酸化チタンなどの顔料を含有させたもの、更にポリプロピレンなどから作られる合成紙、ポリエチレン等の合成樹脂パルプと天然パルプとから作られる混抄紙、ヤンキー紙、バライタ紙、コーティッドペーパー(特にキャストコート紙)等が用いられる。
【0197】
これらは、単独で用いることもできるし、ポリエチレン等の合成高分子で片面または両面をラミネートされた支持体として用いることもできる。
この他に、特開昭62−253,159号(29)〜(31)頁、特開平1−161,236号(14)〜(17)頁、特開昭63−316,848号、特開平2−22,651号、同3−56,955号、米国特許第5,001,033号等に記載の支持体を用いることができる。
また、主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体である支持体も好ましく用いることができる。
【0198】
これらの支持体の表面に親水性バインダーとアルミナゾルや酸化スズのような半導性金属酸化物、カーボンブラックその他の帯電防止剤を塗布してもよい。
アルミニウムを蒸着した支持体も好ましく用いることができる。
【0199】
本発明においては、カメラ等で撮影した感光材料を現像する方法として、感光材料及び処理材料双方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する量の0.1から1倍に相当する水を感光材料または処理材料に与えた後、感光材料と処理材料を感光層と処理層が向かい合う形で重ね合わせ、60℃から100℃の温度で5秒から60秒間加熱する方法が好ましい。
ここで言う水とは一般に用いられる水であれば何を用いても良い。具体的には蒸留水、水道水、井戸水、ミネラルウォーター等を用いることができる。
本発明では感光材料及び/または処理材料が水で膨潤した状態で貼り合わされ、加熱される。この膨潤時の膜の状態は不安定であり、水の量を上記の範囲に限定することが、局所的な発色ムラを防ぐのに重要である。
最大膨潤に要する水の量は、用いる水の中に測定するべき塗布膜をもつ感光材料または処理材料を浸漬させ、十分膨潤したところで膜厚を測定し、最大膨潤量を計算してから塗布膜の重量を減じれば求めることができる。また、膨潤度の測定法の例はホトグラフィック・サイエンス・エンジニアリング、16巻、449ページ(1972年)にも記載がある。
水の付与方法としては、感光材料または処理材料を水に浸漬し、スクウィーズローラーで余分な水を除去する方法がある。ただし、一定量の水を塗りきりで感光材料または処理材料に付与する方が好ましい。また、水を噴射する複数のノズル孔が一定の間隔で感光材料または処理材料の搬送方向と交差する方向に沿って直線状に並べられたノズルと前期ノズルを搬送経路上の感光材料または処理材料に向かって変位させるアクチュエータとを有する水塗布装置により水を噴射する方法が特に好ましい。
付与する水の温度は、30℃〜60℃が好ましい。
感光材料と処理材料を重ね合わせる方法の例としては特開昭62−253,159号、特開昭61−147,244号記載の方法がある。
【0200】
現像工程における加熱方法としては、加熱されたブロックやプレートに接触させたり、熱板、ホットプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプヒーター、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに接触させたり高温の雰囲気中を通過させる方法などがある。
本発明の処理には種々の熱現像装置のいずれもが使用できる。例えば、特開昭59−75,247号、同59−177,547号、同59−181,353号、同60−18,951号、実開昭62−25,944号、特願平4−277,517号、同4−243,072号、同4−244,693号、同6−164,421号、同6−164,422号等に記載されている装置などが好ましく用いられる。
また市販の装置としては富士写真フイルム(株)製ピクトロスタット100、同ピクトロスタット200、同ピクトロスタット300、同ピクトロスタット330、同ピクトロスタット50、同ピクトログラフィー3000、同ピクトログラフィー2000などが使用できる。
【0201】
本発明に用いる感光材料およびまたは処理材料は加熱現像のための加熱手段としての導電性の発熱体層を有する形態であっても良い。この発明の発熱要素には、特開昭61−145,544号等に記載のものを利用できる。
【0202】
【実施例】
以下、実施例によって本発明の効果を詳しく説明する。
【0236】
実施例5
<感光性ハロゲン化銀乳剤の調製>
青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)の調製法を以下に示す。
平均分子量12000のゼラチン0.96gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水1191mlを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶液に強く攪拌しながら硝酸ナトリウム銀0.5gを含む水溶液(A)10.5mlと臭化カリウム0.35gを含む水溶液(B)10mlとを150秒間で添加した。添加終了30秒後に臭化カリウム10%水溶液を12mlを添加し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上昇させた。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250mlと共に加えた後、硝酸銀10.0gを含む水溶液(C)39mlと臭化カリウム6.7gを含む水溶液(D)30mlとを添加流量を加速しながら3分15秒間にわたって添加した。次いで硝酸銀96.7gを含む水溶液(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウムとのモル比7:9 3で含む水溶液(F)(臭化カリウムの濃度26%)とを添加流量を加速しながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して−20mVとなるように20分間で添加した。さらに硝酸銀24.1gを含む水溶液(G)97mlと臭化カリウムの21.9%水溶液(H)とを3分間にわたって、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して25mVとなるように添加した。添加終了後1分間75℃に保った後、反応液の温度を55℃に下降させた。次いで、1規定の水酸化ナトリウム15mlを添加した。その2分後、硝酸銀5gを含む水溶液(I)100mlと沃化カリウム4.7gを含む水溶液(J)200.5mlとを5分間にわたって添加した。添加終了後臭化カリウム7.11gを加え、55℃で1分間保った後、さらに硝酸銀62gを含む水溶液(K)248mlと臭化カリウム48.1gを含む水溶液(L)231mlとを8分間にわたって添加した。その30秒後に、エチルチオスルホン酸ナトリウム0.03gを含む水溶液を添加した。温度を下げ、花王製デモールを用いて、乳剤粒子を凝集沈降せしめて脱塩を行った。分散は、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウムと、フェノキシエタノールと水溶性ポリマー(27)と石灰処理ゼラチンを添加して行った。
【0237】
化学増感は、60℃にて行った。増感色素(12)をゼラチン分散物として、化学増感前に添加した後に、チオシアン酸カリウムと塩化金酸の混合液を添加し、次いで、チオ硫酸ナトリウム、セレン増感剤を添加し、化学増感の停止は、メルカプト化合物で行った、増感色素、化学増感剤、メルカプト化合物の量は、感度、カブリで最適化した。
得られた乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占め、平均球相当直径は1.07μmで、平均厚み0.38μm、平均等価円直径1.47μm、平均アスペクト比3.9であった。
【0238】
【化107】
Figure 0003816214
【0239】
【化108】
Figure 0003816214
【0240】
青色感光性ハロゲン化銀乳剤(2)の調製法を以下に示す。
平均分子量12000のゼラチン0.96gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水1191mlを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶液に強く攪拌しながら硝酸銀1.5gを含む水溶液(A)37.5mlと臭化カリウム1.051 gを含む水溶液(B)37.5mlとを90秒間で添加した。添加終了30秒後に臭化カリウム10%水溶液を12mlを添加し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上昇させた。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250mlと共に加えた後、硝酸銀29.0gを含む水溶液(C)116mlと臭化カリウム20gを含む水溶液(D)91mlとを添加流量を加速しながら11分35秒間にわたって添加した。次いで硝酸銀96.7gを含む水溶液(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウムとのモル比3.3:96.7で含む水溶液(F)(臭化カリウムの濃度26%)とを添加流量を加速しながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して2mVとなるように20分間で添加した。さらに硝酸銀24.1gを含む水溶液(G)97mlと臭化カリウムの21.9%水溶液(H)とを3分間にわたって、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなるように添加した。添加終了後1分間75℃に保った後、反応液の温度を55℃に下降させた。次いで、1規定の水酸化ナトリウム15mlを添加した。その2分後、硝酸銀10.4gを含む水溶液(I)153mlと沃化カリウム9.35gを含む水溶液(J)414.5mlとを5分間にわたって添加した。添加終了後臭化カリウム7.11gを加え、55℃で1分間保った後、さらに硝酸銀57.1gを含む水溶液(K)228mlと臭化カリウム43.9gを含む水溶液(L)201mlとを8分間にわたって添加した。その30秒後に、エチルチオスルホン酸ナトリウム0.04gを含む水溶液を添加した。温度を下げ、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)と同様にして、脱塩分散を行った。化学増感は、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)とセレン増感剤を添加しない以外は、同様に行った。増感色素、化学増感停止のメルカプト化合物は、乳剤粒子の表面積に概ね比例した。
得られた乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.66μmで、平均厚み0.17μm、平均等価円直径1.05μm、平均アスペクト比6.3であった。
【0241】
青色感光性ハロゲン化銀乳剤(3)の調製法を以下に示す。
石灰処理ゼラチン17.8g、臭化カリウム6.2gとヨウ化カリウム0.46gを含む蒸留水1345mlを反応容器中に入れ、45℃に昇温した。この溶液に強く攪拌しながら硝酸銀11.8gを含む水溶液70ml(A)と臭化カリウム3.8gを含む水溶液70ml(B)とを45秒間で添加した。4分間45℃に保った後、反応溶液の温度を63℃に上昇させた。石灰処理ゼラチン24gを蒸留水185mlと共に加えた後、硝酸銀73gを含む水溶液208ml(C)と臭化カリウムの24.8%水溶液(D)とを添加流量を加速しながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなるように13分間にわたって添加した。添加終了後2分間63℃に保った後、反応液の温度を45℃に下降させた。次いで、1規定の水酸化ナトリウム15mlを添加した。その2分後、硝酸銀8.4gを含む水溶液60ml(E)と沃化カリウム8.3gを含む水溶液461ml(F)とを5分間にわたって添加した。さらに硝酸銀148.8gを含む水溶液496ml(G)と臭化カリウムの25%水溶液(H)とを反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して90mVとなるように47分間にわたって添加した。添加終了30秒後に臭化カリウム2gおよびエチルチオスルホン酸ナトリウム0.06gを含む水溶液を添加した。温度を下げ、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(2)と同様にして、脱塩および分散、化学増感を行った。
得られた乳剤中の粒子は、球相当の直径で表した平均粒子サイズ0.44μm、平均厚み0.2μm、平均等価円直径0.53μm、平均アスペクト比2.6の六角平板粒子であった。
【0242】
緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(4)の調製法を以下に示す。
平均分子量12000のゼラチン0.96gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水1191mlを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶液に強く攪拌しながら硝酸銀0.7gを含む水溶液(A)17.5mlと臭化カリウム1.051gを含む水溶液(B)17.5mlとを120秒間で添加した。添加終了30秒後に臭化カリウム10%水溶液を12mlを添加し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上昇させた。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250mlと共に加えた後、硝酸銀19.0gを含む水溶液(C)56mlと臭化カリウム10gを含む水溶液(D)461mlとを添加流量を加速しながら7分35秒間にわたって添加した。次いで硝酸銀96.7gを含む水溶液(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウムとのモル比3.3:96.7で含む水溶液(F)(臭化カリウムの濃度26%)とを添加流量を加速しながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなるように20分間で添加した。さらに硝酸銀24.1gを含む水溶液(G)97mlと臭化カリウムの21.9%水溶液(H)とを3分間にわたって、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなるように添加した。添加終了後1分間75℃に保った後、反応液の温度を55℃に下降させた。次いで、硝酸銀8.3gを含む水溶液(I)122mlと沃化カリウム7.48gを含む水溶液(J)332mlとを5分間にわたって添加した。添加終了後臭化カリウム7.11gを加え、55℃で1分間保った後、さらに硝酸銀62.8gを含む水溶液(K)228mlと臭化カリウム48.3gを含む水溶液(L)201mlとを8分間にわたって添加した。温度を下げ、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)と同様にして脱塩及び分散を行った。化学増感も、増感色素(12)の代わりに増感色素(13)、(14)、(15)の混合物のゼラチン分散物を添加した以外は、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)と同様にして行った。なお、増感色素(13)、(14)、(15)の混合割合は12:2:1(モル比)である。
得られた乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.85μmで、平均厚み0.26μm、平均等価円直径1.25μm、平均アスペクト比4.8であった。
【0243】
【化109】
Figure 0003816214
【0244】
緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(5)の調製法を以下に示す。
粒子形成中の水酸化ナトリウムとエチルチオスルホン酸ナトリウムを添加しない以外は、青色感光性ハロゲン化銀乳剤と同様にして、粒子形成、脱塩および分散を行い、化学増感は、緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(4)と同様にして、乳剤を調製した。
得られた乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.66μmで、平均厚み0.17μm、平均等価円直径1.05μm、平均アスペクト比6.3であった。
【0245】
緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(6)の調製法を以下に示す。
粒子形成中の水酸化ナトリウムを添加しないで、エチルチオスルホン酸ナトリウムを4mgに変更する以外は、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(3)と同様にして、粒子形成、脱塩および分散を行い、化学増感に於てセレン増感剤を添加しない以外は、緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(4)と同様にして乳剤を調製した。
得られた乳剤中の粒子は、球相当の直径で表した平均粒子サイズ0.44μm、平均厚み0.2μm、平均等価円直径0.53μm、平均アスペクト比2.6の六角平板粒子であった。
【0246】
赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(7)の調製法を以下に示す。
化学増感時の増感色素を増感色素(16)のゼラチン分散物と、増感色素(17)、(18)の混合物のゼラチン分散物にして、添加した以外は、緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(4)と同様にして乳剤を調製した。なお、増感色素(16)、(17)、(18)の混合割合は、40:2:58(モル比)である。
得られられた粒子は平板粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.85μmで、平均厚み0.26μm、平均等価円直径1.25μm、平均アスペクト比4.8であった。
【0247】
【化110】
Figure 0003816214
【0248】
赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(8)の調製法を以下に示す。
化学増感時の増感色素を増感色素(16)のゼラチン分散物と、増感色素(17)、(18)の混合物のゼラチン分散物にして、添加した以外は、緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(5)と同様にして乳剤を調製した。なお、増感色素(16)、(17)、(18)の混合割合は、40:2:58(モル比)である。
得られた乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.66μmで、平均厚み0.17μm、平均等価円直径1.05μm、平均アスペクト比6.3であった。
【0249】
赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(9)の調製法を以下に示す。
化学増感時の増感色素を増感色素(16)のゼラチン分散物、増感色素(17)、(18)の混合物のゼラチン分散物にして、添加した以外は、緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(6)と同様にして乳剤を調製した。
得られた乳剤中の粒子は、球相当の直径で表した平均粒子サイズ0.44μm、平均厚み0.2μm、平均等価円直径0.53μm、平均アスペクト比2.6の六角平板粒子であった。
【0250】
<発色現像主薬及びカプラーの乳化分散物の調製>
下記表9に、後記表13の第3層で用いるシアン乳化物、表12の第6層で用いるマゼンタ乳化物および表11の第10層で用いるイエロー乳化物の組成を示す。
【0251】
【表9】
Figure 0003816214
【0252】
【化111】
Figure 0003816214
【0253】
表9に示す組成の油相成分、水相成分をそれぞれ溶解し、60℃の均一な溶液とする。油相成分と水相成分を合わせ、1リットルのステンレス容器中で、直径5cmのディスパーサーのついたディゾルバーにより、10000 rpmで20分間分散した。これに、後加水として、表9に示す量の温水を加え、2000 rpmで10分間混合した。このようにして、シアン(第3層)、マゼンタ(第6層)、イエロー(第10層)3色のカプラーの乳化分散物を調製した。
また、他の層の乳化物についても同様の方法で調製した。
【0254】
<イエローフィルター及びアンチハレーション層用染料組成物の調製>
染料組成物は以下のように乳化分散物として調製し添加した。
ロイコ染料と顕色剤および必要に応じて高沸点有機溶媒を秤量し、酢酸エチルを加え、約60℃に加熱溶解させ均一な溶液とし、この溶液100ccに対し、界面活性剤(7)を1.0g、約60℃に加熱した石灰処理ゼラチンの6.6%水溶液190ccを加え、ホモジナイザーで10分間10000 rpmで分散し、下記表10に示す2種類の染料分散物を作製した。
【0255】
【表10】
Figure 0003816214
【0256】
【化112】
Figure 0003816214
【0257】
<支持体の作製>
次いで、以下に示す方法にて本発明に用いる支持体を作製した。
ポリエチレン−2,6―ナフタレート(PEN)ポリマー100重量単位と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ.ガイギー社製)2重量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、更に250℃で6秒間熱固定して厚さ92μmのPENフィルムを得た。なおこのPENフィルムにはブルー染料、マゼンタ染料、イエロー染料(公開技報:公技番号94−6023号記載のI―1、I―4、I―6、I―24、I―26、I―27、II―5)をイエロー濃度0.01、マゼンタ濃度0.08、シアン濃度0.09になるよう添加した。更に、直径20cmのステンレス巻き芯に巻き付けて、113℃、30時間の熱履歴を与え、巻きぐせのつきにくい支持体とした。
【0258】
<下塗り層の塗設>
上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV照射処理、さらにグロー放電処理をした後、感光層を設ける面にゼラチン(0.1g/m2 )、ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘキシルサクシネート(0.01g/m2 )、サルチル酸(0.025g/m2 )、PQ−1(0.005g/m2 )、PQ−2(0.006g/m2 )からなる下塗液を塗布して(10cc/m2 、バーコーター使用)、下塗層を設けた。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃とした)。
【0259】
<バック層の塗設>
1)帯電防止層の塗設
平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の比抵抗が5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒子径約0.08μm;0.027g/m2 )、ゼラチン(0.03g/m2 )、(CH2 =CHSO2 CH2 CH2 NHCO)2 CH2 (0.02g/m2 )、ポリ(重合度10)オキシエチレン−p−ノニルフェノール(0.005g/m2 )、PQ−3(0.008g/m2 )及びレゾルシンを塗布した。
【0260】
2)磁気記録層の塗設
3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシシラン(15重量%) で被覆処理されたコバルト−γ−酸化鉄(比表面積43m2/g、長軸0.14μm、短軸0.03μm、飽和磁化89emu/g、Fe+2/Fe +3=6/94、表面は酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄の2重量%で処理されている)0.06g/m2をジアセチルセルロース1.15g/m2(酸化鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施した)、硬化剤としてPQ−4(0.075g/m2) 、PQ−5(0.004g/m2) を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジブチルフタレートを用いてバーコーターで塗布し、膜厚1.2 μmの磁気記録層を得た。滑り剤としてC6H13CH(OH)C10H20COOC40H81(50g/m2)、マット剤としてシリカ粒子(平均粒径1.0μm)と研磨剤の酸化アルミ(レイノルズメタルReynolds Metal 社製ERC−DBM;平均粒径0.44μm)をそれぞれ5mg/m2及び15mg/m2となるように添加した。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層のDB の色濃度増加分は約0.1、また磁気記録層の飽和磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力7.3×104 A/m、角形比は65%であった。
【0261】
3)滑り層の塗設
ヒドロキシエチルセルロース(25mg/m2) 、PQ−6(7.5mg/m2)、PQ−7(1.5mg/m2)、ポリジメチルシロキサン(1.5mg/m2)を塗布した。なお、この混合物は、キシレン/プロピレングリコールモノメチルエーテル(1/1)中で105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチルエーテル(10倍量)に注加分散して作製した後、アセトン中で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから添加した。乾燥は115℃、6分行った(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃)。滑り層は、動摩擦係数0.10(5mmφのステンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静摩擦係数0.09(クリップ法)、また後述する乳剤面と滑り層の動摩擦係数も0.18と優れた特性であった。
【0262】
上記支持体の各層に用いた化合物PQ−1〜PQ−7を以下に示す。
【0263】
【化113】
Figure 0003816214
【0264】
以上の素材および支持体を用い、下記表11〜13に示す各層を全層同時に重層塗布し、カラーネガフィルムである多層構成の感光材料501を作製した。
【0265】
【表11】
Figure 0003816214
【0266】
【表12】
Figure 0003816214
【0267】
【表13】
Figure 0003816214
【0268】
なお、作製した感光材料中に含まれるカリウムイオンの総量は、銀に対する重量比で2.2×10-4であった。
【0269】
更に下記表14および表15に示す内容の処理材料R―1を作製した。
【0270】
【表14】
Figure 0003816214
【0271】
【表15】
Figure 0003816214
【0272】
【化114】
Figure 0003816214
【0273】
以上のようにして作製した試料501に対して、第9層(イエローフィルター層)のロイコ染料Yの代わりに、本発明を構成する染料を表16で示すように等モルで置き換えて用い、試料506〜512を作製した(なお、試料501の第9層に用いている顕色剤は、試料506〜512においては、用いていない。)。
作製した試料506〜512に対して像様露光を行い、以下に示す熱現像処理を行った。処理直後の感光材料を乾燥後、「(試料501のカブリ)+2.0」のイエロー濃度を示す露光量における、各試料のカブリからのイエロー濃度を測定し、試料501を100とした相対値で表16に示した。この値をBLの発色性とした。
さらに同様の処理を行って、慣用のMTF(Modulation Transfer Function)法で測定し、イエロー画像20サイクル/mmのMTF値(BLの鮮鋭性)を求め、試料501を100とした相対値で表16に示した。
【0274】
(現像処理法)
露光後の感光材料に、40℃の水を15cc/m2 (感光材料の最大膨潤時の45%に相当)付与後、該感光材料を処理材料R−1と重ね、83℃のヒートドラムで感光材料バック面から、17秒間加熱した。その後、処理材料R−1から感光材料を引き剥がした。
【0275】
【表16】
Figure 0003816214
【0276】
表16の結果から、本発明を構成する染料をイエローフィルター層に用いた感光材料は、熱現像において、BLの発色性を損なうことなく、また鮮鋭性にも優れたものであることがわかった。
【0281】
実施例7
実施例5で作製した試料501に対して、第1層(アンチハレーション層)を表19で示す組成に置き換えて、第5層を表19に示すように置き換えて、更に、第9層(イエローフィルター層)のロイコ染料Yの代わりに、染料A−3を等モルで置き換えて用い、試料701を作製した。次に試料701の第1層の染料A−26と第5層の染料A−10及び第9層の染料A−3を表20に示すように置き換え、試料702〜716を作製した。これらの試料に対し、実施例5と同様の方法で発色性と鮮鋭性を測定したが、いずれの試料も発色性の低下が見られず、鮮鋭性に優れたものであることがわかった。
【0282】
【表19】
Figure 0003816214
【0283】
【表20】
Figure 0003816214
以上
【0284】
【発明の効果】
本発明によれば、保存性及び消色性に優れる新規な消色性色素を用いた熱現像感光材料提供することができる。
また本発明によれば、簡易な熱現像処理によって、シャープネスに優れたカラー画像を迅速に得ることができる。

Claims (5)

  1. 支持体上に感光層を有する熱現像感光材料において、該感光材料が、現像処理時に消色剤との反応により消色する色素を含有し、かつその色素が耐拡散性であり、さらに現像処理後消色した色素の少なくとも一部が耐拡散性であり、前記色素が、下記一般式(V)で表されるイエローまたはマゼンタ色素であることを特徴とする熱現像感光材料。
    Figure 0003816214
    (式中、=は2重結合を、−は単結合を表す。A 61 は酸性核を表し、L 61 、L 62 、L 63 はそれぞれ独立にメチン基を表し、L 64 、L 65 はそれぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキレン基を表す。R 62 、R 63 はそれぞれ独立に、シアノ基、−COOR 64 基、−CONR 65 66 基、−COR 64 基、−SO 64 基、−SO NR 65 66 基を表し、R 64 はアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基を、R 65 、R 66 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。R 61 は置換基を表し、m 61 は0または1をn 61 は0〜4の整数を表す。なお、R 65 、R 66 が互いに連結して環を形成してもよい。)
  2. 色素が分子内にカルボキシル基および/またはスルホ基を有さないことを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光材料。
  3. 色素の少なくとも一種がオイルおよび/または油溶性ポリマーに溶解させた油滴が親水性バインダー中に分散された消色性色素層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の熱現像感光材料。
  4. 発色現像主薬及びカプラーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱現像感光材料を像様露光後または像様露光と同時に、消色剤または消色剤プレカーサーを含有する処理材料と水との存在下で膜面同士を重ね合わせて加熱し、その後両者を剥離することにより、該感光材料上に画像を得るとともに色素を消色させることを特徴とする画像形成方法。
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