JP3816130B2 - 回転防止装置付き高強度トルク型ブラインドボルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の加工品用のファスナーに関連するもので、より詳細には、高い最終クランプ荷重で加工品を共に保持するための、ネジ山付きトルク型の高強度ブラインドボルトに関連するものである。上記の関連する公開特許及び出願特許で指摘されるように、このようなブラインドファスナーは、一般の用途の外、ボックスビーム、柱、あるいはブリッジ等を利用した建設工事において特に有用であり、更に、加工品の1つの側面へのアクセスが妨害されたり限定されている場合での応用に有用である。
【0002】
また、本発明のファスナーは、一般的に、主スリーブ、拡張可能なスリーブ、及びピンを含み、ピンを通してかけられた相対的軸方向の力に対応して、ブラインドヘッドを形成するために拡張可能なスリーブが半径方向に拡張するような、複数の加工品用のブラインドボルトファスナーに関連している。この点に関して、本発明のブラインドボルトは、上述の特許の外に、一般に、1972年2月22日付けでジョゼフHマッサに発行された米国特許第3, 643, 544号に見られる、同種のネジ山付きブラインドファスナーに関連している。この主のファスナーは、米国のモノグラム・エアロスペース・ファスナー社及びボイサン・マニュファクチャリング社によって、ビスロック(Visu-Lok)あるいはジョーボルト(Jo-Bolt) の商品名で販売されている。Rウィルツらに発行された1966年7月26日付け米国特許第3, 262, 353号、J ラトールに発行された1956年10月9日付け米国特許第2, 765, 699号、ブリルメイヤーに発行された1959年5月19日付け米国特許第2, 887, 003号、オーロフに発行された1963年10月22日付け米国特許第3, 107, 572号を参照されたい。関連する米国特許第5, 213, 460号に指摘されているように、先例のブラインドボルトファスナーには、主スリーブがクランプ荷重をかけるための力の大部分を吸収することができ、更に、クランプ荷重、せん断力及びブラインド側面の突出がファスナーのグリップ範囲内で変化できることから、ある種の問題を持っていた。この点について、ファスナーのグリップ範囲は、単一のファスナーで共に固定される加工品の最大総厚みと最少総厚みの差によって定義されている。しかしながら、本発明では、広いグリップ範囲許容量を持ち、均一構造の高強度ブラインドヘッドがこの広いグリップ範囲にわたって形成される、独特なブラインドボルト構造が呈示される。それゆえ均一構造のブラインドヘッドは、グリップ範囲にわたって一様なブラインド側面の突出を持つことになる。更に、本発明は、高強度材料を用いることができる構造であるため、高度に均一なクランプ力を出せる高強度ファスナーを提供するものである。
【0003】
本発明では、ネジ山付きナットとコアボルト、あるいはピン構造が使用され、又、ナット部材はピンのシャンクのネジ山部分とネジ状にかみ合わされている。溝をきられた部分はピンシャンクの末端部に位置している。取付け工具はスプラインされた部分とかみ合うために使用される中央ソケット部材及び外部レンチ部材を有するが、このレンチ部材でナットの間にトルクをかけて相対的回転を与え、それによってナットをピンにねじ込み、必要なクランプ締め付けを得る。拡張可能なスリーブと主スリーブの一組のスリーブは、ピン上にあり、適用されたトルクに対応してブラインドヘッドを形成するための協力的関係にある。
【0004】
本発明では、ナットとピン間にかけたトルクの結果として、ナットが最初にグリップアジャスターを経て軸方向の力を主スリーブに伝達する。同時にピンは、拡張可能なスリーブに相対する軸方向の力を伝達する拡張されたヘッドを持っている。トルクとその結果生じた相対的な軸力が増大するにつれて、拡張可能なスリーブは、主スリーブに対して応答しながら、半径方向に拡張しブラインドヘッドを形成する。後に分かるように、ブラインドヘッドの均一な形は、ファスナーの拡張されたグリップ範囲にわたって呈示される。
【0005】
多くの場合、従来型のTC型の高張ボルト用の取付け工具は、ピンとナットのいずれかが他方に対して相対的に回転できるように、ピンとナット間に相対的なトルクをかける。
ピンがナットに対して回転された場合、ピンヘッドと拡張可能なスリーブ間の摩擦力によるかみ合いは、これらの部品の磨耗や不測の疲労及び変形を結果として生じることがある。これはブラインドヘッドの形成と強度に悪影響を与えることにもなり得る。このような相対的な回転は、ピンや拡張可能なスリーブが耐腐食剤で被覆されている場合に起きやすい。このようなコーティングはしばしば両者の表面に潤滑性を与え、摩擦を減少しそれによってピン回転のしやすさを増加する。本発明では、ピンヘッドと拡張可能なスリーブ間の両者の表面において、このような相対的回転が防止されるよう反回転構造が形成されている。
【0006】
取付けのこの段階では、加工品は、ピンを経てナットとグリップアジャスター及びブラインドヘッド間のクランプ荷重を受けていない。ブラインドヘッドをブラインド側面とかみ合わさせるため、グリップアジャスターに空洞との伝達を妨ぐ脆い部材が提供されている。脆い部材は、相対的軸方向の力の予め設定された大きさで壊れるが、これによって、もはやブロックされていない空洞はアクセス可能になり、拡張可能なスリーブとの荷重ベアリング関係から離れて、又は外れて、主スリーブが軸方向に動くことが可能になる。これは、完全に形成されたブラインドヘッドを拡張可能なスリーブとの荷重ベアリングのかみ合いから離れて十分自由に動いた主スリーブから軸方向に拘束を受けない加工品のブラインド側面に接触させる。そこで、ピンを通じてブラインドヘッドとナット間に実質的に単独に作用する結果として生じた相対的な軸方向の力と共に、更にトルクを加えることによって、加工品は共に引っ張られる。加工品を一緒にクランプする力は、トルクがコアボルトまたはピン上のスプラインのピンテール部分がピンから破断する状態に達するまで増加し続ける。破断荷重は加工品上の最終クランプ荷重を決定する。本発明の一つの形態として、ブラインドボルトは、溝山が一般に近接するボルトのネジ山と同等の直径である、スプラインの末端部を持つコアボルト又はピンを使用している。連続したネジ山の形状は、スプラインの部分及びネジ山部分を横切って延長している。ピンにこのようなスプライン構造を与えることによって、TCボルト用に使用される、従来型の二重ソケットドライブ工具は、また、同一直径を持つ加工品の穴に使用される、先に述べたブラインドトルク型のボルトの取付けに用いることができる。
【0007】
後に分かるように、グリップアジャスターは、比較的簡単な構造でよく、脆性部分またはせん断部分の強度が高いレベルに設定されうるよう、高強度材料で造ることができる。この点、これは比較的簡単な構造によって、脆性部分をせん断する荷重を、ブラインドヘッドの形成を保証するためには十分に高く、最終クランプとブレークネックの破断に必要な最終トルク荷重を達成する前に破断するには十分に低いレベルに容易に設定することができる。
【0008】
本発明の一つの形態として、主スリーブ及び拡張可能なスリーブの両方が、均一な断面を持つ一般に真直ぐなチューブ状構造でありうる。つまり、それらの長手方向に大きな変化がないまま、加工品の開口部への挿入後、コラムへの荷重を通じて、加工品のブラインド側を越えたところに位置する、拡張可能なスリーブの一部が膨らむことによってブラインドヘッドが形成される。この点、このような構造は一般に、1936年11月24日にハックに発行された米国特許第2, 061, 628号及び第2, 026, 629号、1938年4月19日にハックに発行された米国特許第2, 114, 493号、1950年10月24日にハックに発行された米国特許第2, 527, 307号にみられる。予め設定された位置でのブラインドヘッドの形成は、拡張可能なスリーブ上の希望する位置で円形バンドを焼きなますことによって容易に行うことができる。この点については1966年5月31日付けでオルロフに発行された米国特許第3, 253, 495号を参照されたい。後にみられるように、膨らんだブラインドヘッドは拡張したベアリング表面を提供することができ、そのため、加工品の開口部が実質的にファスナーの有効直径よりも大きい場合の応用において、特に有用である。
【0009】
しばしばブラインドファスナーと共に採用されるブラインドヘッドのもう一つの形は、チューリップ状のブラインドヘッドと呼ばれる。チューリップ型のブラインドヘッドの例は、1964年6月9日付けでP.J.レーノルズに発行された米国特許第3, 136, 204号にみられる。1977年5月22日付けでマツシェックに発行された米国特許第4, 012, 984号、1984年5月29日付けでプラットに発行された米国特許第4, 451, 189号、1986年12月9日付けでディクソンに発行された米国特許第4, 627, 775号を参照されたい。チューリップ状のブラインドヘッドが形成される本発明の一つの形として、これが、ブラインドヘッドの強度を増加させるための球状及びチューリップ状の両方のブラインドヘッド構造を含めた、最終形状を持たせるためにブラインドヘッドを形成することによってなされる。
【0010】
本発明のファスナーによって指摘されるように、加工品にかかる最終クランプ荷重を最大にするがスリーブ構造には何らの荷重をも受けないような、特殊な構造が提供されている。同時に、ファスナーには確定可能な広いグリップ範囲を持たせることができ、最大の最終クランプ荷重が、一般に均一な広いグリップ範囲にわたって得られる。後に示されるように、本発明の一つの形では、球状ヘッドを形成した後、脆性部材またはせん断部材の破断に先だって、拡張可能なスリーブにかかる軸方向の力の程度を調整するための構造を持たせることによって、拡張可能なスリーブの変形を妨げる。このような変形は結果として、加工品にかかる最終クランプ荷重の減少を招くことがある。
【0011】
本発明の特徴は、主スリーブ上のテーパーを付けたノーズ部による、拡張可能なスリーブの半径方向の拡張によって形成されるブラインドヘッドを持つファスナーと共に利用することができる。上記の米国特許第5, 178, 502号及び米国特許第5, 213, 460号を参照されたい。
【0012】
すなわち、本発明による高強度ブラインドボルトは、ASTM A325規格あるいは日本のJISB1186/F8T規格に適合する高強度ボルトを利用している応用例において、容易に使用することができる。またブラインドウェルディング、ナット板及びその他の複雑な構造の固定システムが、接合部の裏面にアクセスできないところでボックスビーム等の構造部品に使用されている場合においても、この高強度ブラインドボルトが使用されることが望ましい。この点、本発明のブラインドファスナーは、高度のクランプ荷重の適用能力と併せて、高強度及び耐久性が非常に重要と考えられる、建物、橋、及び類似構造の建設において特に適している。
【0013】
つまり、本発明の目的は、広いグリップ範囲をもつ高強度ファスナーとなる高強度材料の使用を容易にする、トルク型ネジ山付きブラインドボルト構造を提供することである。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、球状及びチューリップ状を組み合わせた形状を形成するブラインドヘッドを持つ、特殊なブラインドボルト構造を提供することである。
【0015】
本発明の他の一般的な目的は、高強度構造を持ち広いグリップ範囲にわたって均一で望ましい構成の、特殊なトルク型ネジ山付きブラインドボルトを提供することである。
【0016】
本発明の他の一般的な目的は、トルク型ネジ山構造を利用し、広いグリップ範囲にわたって一般に均一な高い最終クランプ荷重を与える、特殊な高強度ブラインドボルトを提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、拡張可能なスリーブとかみ合い、ピンと拡張可能なスリーブ間の相対的な回転を妨げるための構造を含む拡張されたヘッドと共にピンを持つ、特殊なトルク型ネジ山付きファスナーを提供することである。
【0018】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付の図と関連して、次の説明及び付記された特許請求の範囲から明らかにされるものである。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0020】
図1Aを参照して、ネジ山付きまたはトルク型のブラインドファスナー10には、コアボルトまたはピン12、環状ナット14、拡張可能なスリーブ16、主スリーブ18及び、荷重ベアリングウォッシャーまたは停止ウォッシャー20及び脆性またはせん断ウォッシャー24で定義されるグリップアジャスター構造またはアッセンブリー19が含まれる。ベアリングウォッシャー20には、相対する環状荷重ベアリング表面22及び23と、内部末端に拡大したさら穴27のついた中央の通し穴26がある。せん断ウォッシャー24は、ベアリングウォッシャー20のさら穴27に十分に受け入れられるような直径のものである。この点、さら穴27の軸方向の深さは一般にせん断ウォッシャー24の厚みと同等かまたは少し大きくなっている。せん断ウォッシャー24は、以下に述べる目的のために、部分的に穴26をふさぐよう、半径方向に内部に向かって部分的に穴26の中に拡張している。ナット14には、ピン12の延長したシャンク32の一端のネジ山のある部分30上にあるネジ山28にナット14をねじ込むことができるように、ネジ山がきられた穴29がある。ピン12にはピンシャンク32の他端に大きなヘッド34がある。ピンシャンク32には、ヘッド34から延びた均一な直径の第1の滑らかなシャンク部分36があるが、それはより小さな均一直径を持つ相対的な第2の滑らかなシャンク部分38まで延長し、ネジ山部30に至る。ネジ山部30にはスプライン部分41を持つピンテール部40が含まれる。スプライン部分41は、複数の軸方向に延びた溝44と共に形成されており、本発明の1つの形では、一般的な従来型の12点溝付き構造が構成されている。ピンテール部40は、環状のブレークネック溝46を経て、ネジ山部30の残りの部分に連結している。ブレークネック溝46は、小さな断面積を持ち取付けサイクルの最後に予め決められたトルク荷重において破断するように設計されている。リリーフ溝43は、ネジがつまることなく溝の形成を可能にするために、スプライン部分41及びネジ山付きピンテール部40の非スプライン部分の接合点に設けられている。リリーフ溝43の直径は、ネジ山28の谷径以上にはならないが、取付けの完了時に希望する破断がブレークネック溝46で起きることを保証するために、ブレークネック溝46の谷径より大きい。第1シャンク部36の直径D1は、第2シャンク部38の直径D2より大きく、これにより環状ショルダ48が定義される。ショルダ48は、予め設定されたピンヘッド34から距離L1に位置する。拡張可能なスリーブ16は、内径D3が第1シャンク部36の拡大された直径D1と等しく、組立を容易にするための多少のクリアランスを持った、一般に均一な内径及び外径を持つ一般に均一なチューブ形状をしている。つまり、第1のシャンク部36は、拡張可能なスリーブ16をピンヘッド34に対して適切に配列するためのガイドとして作用する。拡張可能なスリーブ16は一般に均一な外径D4を持つ。拡張可能なスリーブ16は長さL2でショルダ48の予め選択されたピンヘッド34からの距離L1よりも長く、距離Lxだけ第2シャンク部38よりも部分的に延長しており、後で分かるように、距離Lxは、ブラインドヘッドを形成し最終取付けを完了するために必要な長さ、詳しくは、主スリーブ18の対面する末端49とショルダ48がかみ合わないように選定される。
【0021】
主スリーブ18は、拡張可能なスリーブ16の外径D4に等しく、一般に一定の最大外径D5の外部表面を持った、一般に均一なチューブ形状をしている。主スリーブ18は、一般にネジ山の切られた部分30の山の主直径に等しく、組立を容易にするため多少のクリアランスを持った、一般に均一な直径D6の通し穴を持つ。第2シャンク部38の直径D2は、一般にネジ山の切られた部分30のロールまたはピッチ直径に等しい。しかしながら、後で分かるように、ネジ山28は相対的に浅いルート構造であるため、第2シャンク部38の直径D2は、単にネジ山28の主直径より少し小さくなり、穴の直径D6も同様になる。同時に、主スリーブ18の穴の直径D6は、拡張可能なスリーブ16の穴の直径D3より小さくなる。つまり、主スリーブ18の壁の厚みt1は、拡張可能なスリーブ16の壁の厚みt2よりショルダ48の半径深さd1だけ大きくなる。
【0022】
ファスナー10の使用において、主スリーブ18及びピンシャンク32は、加工品56の外部表面58がベアリングウォッシャー20の荷重ベアリング表面22と組み合わされ、一組の加工品54と56のそれぞれの配列された開口部または穴50と52のところに位置し、それを貫くために採用されている。この点において、取付け後の加工品54と56に対する運転荷重と同様に取付け荷重を加工品の外部表面58に希望する配分で与えるため、荷重ベアリング表面22は十分に大きな有効ベアリング面積を持つ。更に、相対する荷重ベアリング表面23は、ナット14の荷重ベアリング表面65と完全にかみ合い、ナット14がベアリングウォッシャー20に相対的に回転する際に加えられるトルク荷重に耐えるように、磨耗に耐える強い表面を提供している。拡張可能なスリーブ16及び主スリーブ18の外径D4とD5は、それぞれ、クリアランスを持つ配列された開口部50と52を貫いてはまるように選定されている。この点、ピンヘッド34の直径D7及びスリーブの外径D4とD5は、組立物が一定のクリアランスの関係にある開口部50と52を通して受容されるように、一般に同一になっている。
【0023】
まずグリップアジャスターアッセンブリー19を見ると、抵抗ウォッシャーまたはせん断ウォッシャー部品24は一般に偏平な構造であり、中央にピン12のネジ山が切られたシャンク部30を受容するために採用された小さな直径のネジ山穴60を有する。ベアリングウォッシャー20の穴26は均一な直径で、せん断ウォッシャー部品24の外部側において外部グリップ空洞64を定義している。グリップ空洞64は、ナット14の対面する荷重ベアリング表面65によって、外部末端において閉じている。穴26は一般に主スリーブ18の外径D5に等しい直径で、その間で起こる相対的な軸運動に対する摩擦抵抗を避けるため多少のクリアランスを有する。脆性せん断ウォッシャー部品24は、ピン12と主スリーブ18間の相対的な軸方向の力により生じる穴26の外周に対して相対的な、予め設定されたせん断荷重において、破断するように採用された一定の幅のせん断部66を規定する、予め設定された厚みを有する。せん断ウォッシャー24の穴60とピン12のネジ山部分30間の相対的に小さなクリアランスは、これらの部品が一般的に同軸配列にならしめ、同時に、せん断ウォッシャー24の環状せん断部66を主スリーブ18との同軸配列にならしめる。グリップ空洞64の軸方向の深さd3は、ファスナー10の有効グリップ範囲を定義するように選定されており、ブラインドヘッドを完全に形成させ、グリップ範囲全体で加工品54のブラインド側面と実質的な拘束を受けないかみ合いを可能にする。
【0024】
ファスナー10は、ネジ山のついたシャンク部30のナット14のネジ山でのかみ合わせを通じて、ピン12とナット14間にかかるトルクによって設定されるようになっている。図2〜4を参照し、取付けは、従来技術で一般に知られた構造の工具68を用いて達成でき、従って図には工具の詳細な部分は簡潔さを期すために省略されており、工具68の一部だけが示されている。ナット14は、外部ナット表面70とかみ合うように構成された外部末端で、六角形の半径方向の内部表面74を持つ外部レンチ部材72のようなチューブ状ソケットにより、ネジを回すことによってかみ合わされるように使用される、従来型の六角形の外部表面70(図1B参照)を有する。(図2参照)工具68は、ピン12の12点のスプライン部分41を定義するスプライン44を受容するために溝が切られた、外部末端に半径方向の内部表面78を持つ、中央ソケット部材76を有する。工具68の一つの形では、中央ソケット部材76は溝をつけた部分41と十分にかみ合わせるために、弾力的に軸方向で前方にバイアスされている。外部レンチ部材72と中央ソケット部材76は互いに相対的に回転できるようになっている。従ってファスナー10を取付けるため、ファスナー10の外部末端に工具68を差し込み、外部レンチ部材72が六角ナット表面70とかみ合い、中央ソケット部材76がスプライン部分41とかみ合うようにさせるのである。工具68が作動している時、外部レンチ部材72は、ナット14がネジ状のシャンク部分30に深くネジ込まれるように、中央ソケット部材76に対して相対的に回転している。しばしば、取付けサイクルの最初に、外部レンチ部材72が回転しないように保持されている一方で、中央ソケット部材76が回転し、それによってピン12とスリーブ16と18が一体となって、静止しているナット14とベアリングウォッシャー20に対して相対的に回転する。ファスナー10の部品と加工品54と56が大きな荷重関係になると、ピン12、スリーブ16と18、及びベアリングウォッシャー20が静止している一方で、ナット14は回転する。どちらの場合でも、これが起きると、コアボルトまたはピン12がナット14に対して相対的に軸方向に移動する。
【0025】
同時に、中央ソケット部材76の弾力的な軸方向のバイアスにより、それは軸方向後方に動くことができ、従って工具68に相対的にピン12が軸方向に動くことができるようになる。このようにして、ピン12とナット14間に工具68によってかけられたトルクの結果、ピン12と主スリーブ18及び拡張可能なスリーブ16の間に、相対的な軸方向の力が生じる。
【0026】
同時に、ナット14の相対的な回転によってピン12が軸方向に移動し始めると、かけられている相対的な軸方向の力は、拡張可能なスリーブ16へのコラム荷重を増加し、内部加工品54のブラインド側面82から一定の間隔の位置で球状構造を持つ第1のブラインドヘッド80を完全に定義するため、半径方向外部に向かって球状に拡張する。(図2を参照)相対的な軸方向の力が増加すると、脆性せん断ウォッシャー24は、せん断部66を横切るように破断し、主スリーブ18及び拡張可能なスリーブ16を、完全に形成された球状のブラインドヘッド80と共に、互いに相対的にまたベアリングウォッシャー20の荷重ベアリング表面22に相対的に、一般に自由に軸方向に移動させる。この条件で、球状のブラインドヘッド80は、内部の加工品54のブラインド側面82とかみ合って移動される。(図3参照)
【0027】
脆性ウォッシャー24のせん断部66は、球状ヘッド80を形成するためとその後主スリーブ18の前部末端をベアリングウォッシャー20のグリップ空洞に移動させるために、拡張可能なスリーブ16を球状にする際に必要とされる程度の相対的軸方向の力を受容するために十分なせん断力を持つように選ばれている。本発明の一つの形では、図2に示されるように、球状ヘッド80が完全に形成される軸方向の力より約15ないし25%高い、一定の相対的な軸方向の力においてせん断するせん断強度がせん断部66に与えられていた。
【0028】
グリップ空洞64の軸方向の深度d3は、図2に示されるように球状ブラインドヘッド80が完全に形成された後、拡張可能なスリーブ16のブラインドヘッド80の自由末端の表面84から加工品54のブラインド側面82までの距離Lよりも大きくなるように選定されている。距離Lは、一緒に固定された加工品の総厚みによって変化することができる。最小のグリップ条件では、つまり、加工品54と56の総厚みが最小である場合、距離Lは最大となり、同様にして、グリップ空洞深さd3は、いかなるグリップ条件においてもファスナー10のグリップ範囲内で、球状ヘッド80の自由末端表面84がブラインド側面82とかみ合う前に、主スリーブ18が拡張可能なスリーブ16とのかみ合いから外れることを保証するために、最大距離Lよりも少なくとも多少大きくなるべきである。これによって、球状ヘッド80の末端表面84が、図3に示すように自由に、加工品54のブラインド側面82とかみ合いができることが保証される。前に述べたように、拡張可能なスリーブ16とのかみ合いが外れた主スリーブ18については、ナット14とコアボルトまたはピン12の間のトルクの結果生じた完全な相対的な軸方向の荷重が、ピンヘッド34と球状ヘッド80を通じて、ナット14とピン12の間に実質的に単独に加えられる。
【0029】
ブラインドヘッド構造の強度を適正化するため、球状ブラインドヘッド80とチューリップ状のブラインドヘッドを組み合わせとして持つ、二重ブラインドヘッド構造が形成されている。つまり、球状ブラインドヘッド80は、ブラインド側面82及び、停止ショルダ48とのかみ合いが外れた主スリーブ18とかみ合っており、完全なトルク荷重が、ピンヘッド34によって拡張可能なスリーブ16に再び加えられる。この状態になり相対的な軸方向の力が増加すると、ピンヘッド34が拡張可能なスリーブ16の開放末端へ移動し、拡大したチューリップ状ヘッド96を形成するようにそのスリーブ16の末端を半径方向に外部に向かって拡張するに従って、ピンヘッド34の下の表面85が拡張可能なスリーブ16の末端92から材料のリング94を切り取り始める。図4と6を参照されたい。この構造については、強度の増強された複合ブラインドヘッド98が形成されることによって、チューリップ状ヘッド96が球状ヘッド80を強化している。
【0030】
この条件では、加えられたトルクと結果として生じた軸方向の力は、それ以上かけるとブレークネック溝46が破断するような予め設定された大きさにまで達しており、その破損によって図4に示すように取付けが完了するのである。つまり、図4のファスナー10によって加えられ維持される希望の最終クランプ荷重は、主スリーブ18によって影響されない。
【0031】
チューリップ状ブラインドヘッド96の形成を促進するためにピンヘッド34の裏面85には半径方向外部方向と軸方向で前方に向かってテーパーがつけられている。本発明の一つの形では、ピン12の中心軸xに対して垂直な平面に相対的なテーパーの角度Aが約12. 5度に設定されていた。(図5を参照)この構造は、ピンヘッド34のせん断強度を増強し、またリング94を切り取りチューリップ状ヘッド96の形成の助けとなる。(図6を参照)同時に、拡張可能なスリーブ16dのかみ合っている末端92が、ピン軸xに対して直角の平面において半径方向になるように形成されている。図6で分かるように、複合ブラインドヘッド98は、穴50とピンヘッド34で囲まれている内部表面82のベアリング面積に相対的な増大した有効せん断面積を持つ。この点において、リング94を含むチューリップ状ヘッド96が、加工品54と56にかかる荷重に一体となって反応するように、本質的に球状ヘッド80と荷重ベアリング関係にあることが指摘されるべきであろう。
【0032】
目的の一つは、最小のブラインド側面クリアランスB(図1Aを参照)を持つ、高強度のブラインドファスナーを提供することである。取付けられたファスナーが、単に球状ヘッドのような単一のブラインドヘッドを持つように組み立てられている応用例では、拡張可能なスリーブ16の全体長L2が、まずより小さな予め取付けられたブラインド側面のクリアランスについて、球状ヘッドとチューリップ状ヘッドの複合ヘッド98を形成するために与えられる、拡張可能なスリーブ16より幾分小さいものであった。しかしながら、長さの増加は相対的に小さく、取り付けに際し結果として無視できるものである。その理由は、ピンヘッド34は、チューリップ状のブラインドヘッド96を形成する際に部分的に拡張可能なスリーブ16の末端に移動するからである。とにかく、拡張可能なスリーブ16に対する追加長は、コラム荷重からの歪みを減少し、コラム荷重によって球状化するのを妨げ、チューリップ状ブラインドヘッドの形成を保証するために、最小に維持される。
【0033】
上に述べた通り、本発明の主要な目的は、従来型の高強度ボルトや熔接ジョイントを使用した、高強度の特性を持つブラインドファスナーを提供することである。高強度のブラインドヘッド80の提供の他に、ファスナー10の材料が高強度、従って高硬度のものとして選択される。つまり、コアボルトやピン12は、予め設定された希望の硬度を持つ高強度スチールで造ることができる。本発明の一つの形として、AISI 4140スチール合金で造られたピン12で、約35から40のロックウェルC硬度を持つものがある。ナット14は同様の材料で造ることができ、一つの形としては、約25から35のロックウェルC硬度を持たせることができる。
【0034】
同時に、せん断ウォッシャー24が、せん断部66に沿って断裂を起こす強度を持つ同様の材料で造られた。本発明の一つの形としては、せん断ウォッシャー24が、約40から46のロックウェルC硬度を持つAISI 4140スチール合金で造られた。
【0035】
ベアリングウォッシャー20も鉄又は高炭素鋼のような他の材料で造ることができる。本発明の一つの形として、ベアリングウォッシャー20が約35から44のロックウェルC硬度を持つAISI 4130スチール合金で造られた。この構造に於いては、グリップアジャスター構造またはアッセンブリー19の形成を簡潔にし、同時に、ベアリングウォッシャー部品20と脆いせん断ウォッシャー24の材料を、それぞれの性能を適正化するために別々に選定することができる。
【0036】
この点について、低温圧延過程によって形成期間に硬化させることができる、拡張可能なスリーブ16が低炭素鋼で造られる一方で、主スリーブ18は中程度の炭素硬化鋼で造ることができる。希望する位置での球状ヘッド80の形成を促進するため、拡張可能なスリーブ16は、一般に番号88で示される帯状の部分にわたって部分的な焼きなましが行われる。(図1Aを参照)コラムの不具合または破損モードでこの中央の位置で球状ブラインドヘッド80を形成させ、同時にピン12上に方向性のないアッセンブリーを促進するためには、焼きなましされた部分88が、拡張可能なスリーブ16の中央部にあることが好ましい。本発明の一つの形としては、約43から47の間のロックウェルC硬度を持つ主スリーブ18が中程度の炭素鋼で造られた。拡張可能なスリーブ16は、最小ロックウェルB硬度の約60までの勾配を付けて焼きなましされた部分88を持ち、約85から95の間のロックウェルB硬度を持つAISI 1018鋼合金で造られた。つまり、拡張可能なスリーブ16よりはるかに高い強度を持つピンヘッド34については、テーパーのついた表面85の角度A(図5を参照)は、リング94の切り取り及びチューリップ状のヘッド96の形成を促進するために、かみ合っている末端で拡張可能なスリーブ16の形状に対して相対的に選択できる。
【0037】
本発明の一つの実施例では、上で指摘された材料と構造を持つ公称直径24mm(0. 94インチ)のファスナー10について、拡張可能なスリーブ16が公称外径D4が24. 5mm(0. 96インチ)で公称内径D3が18. 8mm(0. 742インチ)になるように造られた。スリーブ16の総合長L2には43mm(1. 70インチ)で、長さL2に沿った中ほどに、焼きなましされたか又は軟化された帯状の部分がある。このような構造については、球状ヘッド80とチューリップ状ヘッド96を含む、希望の複合ブラインドヘッド98が形成された。この点、焼きなましされた帯状部分または軟化部分88は、長さL2の中間点(0. 5xL2)から約6. 4mm(0. 25インチ)以上離れるべきではない。スリーブ16の中間点(0. 5xL2)に位置する軟化された部分88についても、上記の構造については、スリーブ16の総合長L2が、好ましくは約36mm(1. 425インチ)以下になるべきではない。同時に、長さL2は上記に指摘されているとおりに作られたスリーブ16に対する長さを越えるべきではない。異なる公称直径及び異質の材料で造られたファスナー10に対しては、拡張可能なスリーブ16の特別な大きさは、それに準じて決定することができる。
【0038】
ある応用例では、スリーブ16と18が一体となった構造にすることができることが指摘されるべきだろう。前述の米国特許第5, 213, 460号に参照のこと。
【0039】
本特許の一つの形として、ブランクの接合部分と同一直径を持つピンブランクの末端部に、スキー溝用の溝を切ることによってスプライン44を形成できる。リリーフ溝43及びブレークネック溝46はスプライン44が切られる以前または以後に拡げることができる。次に、ネジ山は、溝の切られた部分41を越え、ブランクの接続部分上に拡げることによって形成することができる。その結果、リリーフ溝43及びブレークネック溝46を含めた、スプライン部分41及びネジ山の切られた部分30のブランクへの接続部分に及ぶ連続的なネジ山形状が形成される。他の方法として、ブレークネック溝46は、ネジ山を拡げる段階を終えた後ネジ山の切られた部分30に希望の位置で、希望の深さまで切り込んでもよい。さらに他の形としては、ネジ山形状がネジ山の切られた部分30上まで拡げられた後、スプライン44を切ってもよい。
【0040】
上に定義された特殊な構造について、ナット14は、まずネジ山のついたスプライン部分41を越えることによって、ネジ山部分のスプラインのない部分上にねじ込むことができる。このような方法によって、スプラインのルートの短いほうの直径Drを最大値に維持する一方で、スプライン44の半径方向の深さを、希望の強度を与えるような値に設定することができる。(図1A及び図1Bを参照)同時に、スプライン44の山または頂点は、ネジ山28の主直径または山直径に等しいか少し短くすることができる。この構造については、スプライン44のより小さい直径またはルート直径Drよりも一般に少し小さい直径に造ることによって、ブレークネック溝46の強度を最大にすることができる。同時に、この最大化されたスプラインの直径の特徴は、現在の従来型の張力調整用スプライン付きノンブラインドボルト上で同一の穴直径に対して使用されるような、同一の内部中央レンチソケット部材76及び同一の外部六角ソケット部材72を持つ従来型の工具の使用を可能にする。
【0041】
この点、従来型のノンブラインドTCボルトファスナーは一般にボルトとナット、又は可能性としてベアリングウォッシャーを含むということが指摘されるべきだろう。つまり、一般に同一穴直径を持つ異なる加工品を固定するためには、TCボルト(ノンブラインド)ファスナーのボルト部材が、一般に、対象となるブラインドファスナー10のスリーブ16及び18の外径D4、D5に等しい直径を持つことになる。つまり、従来型のノンブラインドファスナーのボルトは、現在のブラインドファスナーのピン12より大きな直径となる。しかし特殊なスプライン付きピンテール部分41は、ピン12の直径に比べ最大の直径となっており、TCボルト上の従来型でより小さな直径のスプラインをもつ部分と同一の直径を持たせるように造ることができる。同時に、ナット14は、張力が調整されたボルトに対して、ナットのネジ山付きの穴より小さなネジ山付きの穴29を持つことになる。しかしながら、ブラインドファスナー10用のナット14の六角形の外部表面70は、従来型のノンブラインドTCボルト用のナットと同一の大きさと形を持つように造られる。つまり、従来型のノンブラインドファスナーのスプライン付きの部分と現在型のブラインドファスナー10のピン12は、同一直径で同一のスプライン構造であり、ナット部材は同一の大きさで同一形状の六角形外部表面を持つので、一般に同一直径の穴を持つ加工品での応用では、どちらの型のファスナーを取付けるためにも、同一の取付け工具68が使用できる。従来型のノンブラインドファスナーと現在型のブラインドファスナー10との間で相互に交換使用できる従来型の工具の一つは、日本の前田金属工業が製造し、一つのモデルのサイズがS−90EZでTONEという商品名で販売されている。
【0042】
拡張可能なスリーブ16は、チューリップ状のブラインドヘッド96を形成させる一方で、球状のブラインドヘッド80が一般に希望する最終直径に均一に形成されることを保証するのに十分な、最小長さL2を与えるようにすることができる点が、指摘されるべきであろう。つまり、最小長さの拡張可能なスリーブ16は、前述のとおり、大きくなるように選ぶことが可能なグリップ範囲全体に対応できる。同時に、球状のブラインドヘッド80は、グリップとは関係なく、比較的大きな一定の直径になるので、ブラインド側表面82に対して大きなベアリング面積が得られる。大きな直径の球状のブラインドヘッド80はまた、加工品の開口部50、52と拡張可能なスリーブ16間に比較的大きなクリアランスがある応用例で、ファスナー10の使用を可能にする。
【0043】
図1〜4に示される構造について、単一の拡張可能なスリーブ16が、ファスナー10のようなより長いか、あるいはより短いピン12と主スリーブ18を持つ、多数の異なる長さのファスナーと共に用いることができることに注目されたい。更に、空間及び加工品の裏面82(図2を参照)から離れたところでの、球状のブラインドヘッド80の形成の特徴は、結果的にグリップ範囲全体にわたって、均一な裏面の突出物を生じる。(図3と4を参照)
【0044】
完全にかみ合っている状態の、ネジ山のついたピンシャンク部30とかみ合っているナット14のネジ山の数は、加工品54と56に対して、希望する高いクランプレベルを与えるに十分で、結果として生じた継ぎ目上にかかる最大設計せん断荷重に耐えるように選定される。つまり、ナット14の高さ又は幅Hは、ネジ山が完全にかみ合った時、これらの荷重に耐えるために必要とされるネジ山の数を与えるに十分な程度に選定される。(図1Aを参照)同時にネジ山のついたピンシャンク部分30は、取付け後に突出物の最小長が与えらる一方で、ファスナー10のグリップ範囲全体にわたってネジ山がナット14のネジ山と完全にかみ合うように選定される。(図4を参照)このような方法で、取付けられた状態と取付けられない状態での、ファスナー10の全体長を最小にすることができる。
【0045】
主スリーブ18は、ピン12のネジ山部分30の直径及び加工品の穴50と52の直径に対して最大になる壁厚みを持つことができる点に、注目されたい。つまり、主スリーブ18のコラム強度は、与えられた大きさのファスナー10と加工品穴50と52のに対して最大にすることができるのである。この点については、拡張可能なスリーブ16の壁厚みに比べて主スリーブ18の壁厚を厚くできるのは、ピンシャンク部36と38が段階的な構造を持つことによるのであり、これによってコラム強度を更に増強することができる。同時に、脆いウォッシャー部品24のせん断荷重は、単にせん断部66の厚みを選択し、脆いウォッシャー24の材料強度、ひいてはせん断強度を選択するだけで、容易に調整できる。このようにして、拡張可能なスリーブ16は、より高い強度の構造を持ち、球状ブラインドヘッド80を造るための高い荷重を必要とする材料で造られるように、選択することができる。結果は、一般により大きな総合強度を持つファスナーが得られる。
【0046】
更に、拡張可能なスリーブ16及び主スリーブ18はファスナー10の取付け後、加工品の穴50と52の相対する表面とかみ合う、一般に連続した軸方向に伸びた表面を規定することになる。このようにして、加工品の穴50と52と拡張可能なスリーブ16及び主スリーブ18間に、本質的に最小のギャップがあるため、継ぎ目の強度を改良することができる。
【0047】
取付けトルク荷重を最小にし、ファスナー部品の適切な機能とファスナーの定常的で適切な取付けを助けるために、モリダイサルファイド(モリジスルフィド)のような高品質の焼き付け乾燥フィルムの潤滑剤が、ファスナー10の移動する部品間の摩擦を減少するために、ピン12上及びベアリングウォッシャー部品30上に必要なことが分かっている。カルガード社製のカルガードFAなどのモリダイサルファイド潤滑剤が条件を満たすものとして知られている。
【0048】
電気的な耐腐食性亜鉛メッキ、及び、パラフィンのようなワックス用の潤滑剤もまた、ナット14に用いることができる。拡張可能なスリーブ16、主スリーブ18及びせん断ウォッシャー24は潤滑されていないし、塗装されてもいない。しかしながら、拡張可能なスリーブ16は幾つかの例で、ナット14と同様にメッキを施してもよい。つまり、拡張可能なスリーブ16上でバルブ(球状部)が形成される段階で、またせん断ウォッシャー24がせん断される時、コアボルトまたはピン12及び拡張可能なスリーブ16間、あるいは、拡張可能なスリーブ16と主スリーブ18間に相対的な回転は何ら起こらないのである。これらのピンやスリーブ部品間の過剰な相対的な回転は、スリーブ末端49、92の膨張を起こし、ファスナーの適切な取付けを妨害する、摩擦熱をスリーブ末端49、92で発生する。このように上述した構造ではそのような相対的回転は不可能で、ピンとスリーブ部品は一体となってピン12と回転し、ベアリングウォッシャー部品20及びナット14は動かないのである。せん断ウォッシャー24がせん断し、スリーブ16上の球状ヘッド80が加工品54の裏面82に移動する際、発生したクランプ荷重はピン12、拡張可能なスリーブ16、及び主スリーブ18の回転を停止させ、静止しているベアリングウォッシャー20に対しまたピン12に相対的なナット14の回転により、加工品54、56に更にクランプ荷重がかかる。指摘されているように、かみ合っている表面及びかみ合わされているネジ山は摩擦が最小となるように潤滑されている。
【0049】
幾つかの応用例では、ピン12、ナット14及びベアリングウォッシャー20への塗装及びメッキの他に、拡張可能なスリーブ16、主スリーブ18及びせん断ウォッシャー24に耐腐食油をつけるのが望ましい。耐腐食油の一つのタイプには、商品名ラナコートとしてアンレップ社が販売しているものがある。しかしながら、この場合、耐腐食油によって与えられる潤滑性によって、また前述の不要な相対的回転を防ぐために、ぎざぎざを付けたり、鋸状にすることによって、かみ合う表面を粗くすることができる。つまり、このような例では、主スリーブ18の対面する末端表面49及び拡張可能なスリーブ16の末端表面92を粗面にすることができる。さらに、ピン12の表面85も同様に粗くすることができる。これは、これらの部品の頭出し期間に行うことができる。このようにして、部品間の不要な相対的な回転を前もって取除くことができる。
【0050】
しかしながら、ピン12と拡張可能なスリーブ16間の相対的な回転を防ぐより簡単でより望まれる方法は、ピンヘッド34の裏面85上の外周部に間隔をおいて複数の突起を設けることであると考えられている。図5、7、及び8を参照して、ピンヘッド34の裏面85上に形成された、軸方向に延びる複数の突起物100が示されている。突起物は一般に正確に形成される。直径D3が約0.870インチ(2.2cm)のピン12の一つの例では、突起物100は、約0.030インチ(0.076cm)の半径を持つ半球部として形成された。突起物100は、ピンヘッド34の外部末端102から半径方向に内部に向かって、半径71に近接したところに位置している。約1.122インチ(2.85cm)の外径を持つピンヘッド34に於いて、突起物100のそれぞれの中心は、ピンヘッド34の外部末端102から約0.084インチ(0.213cm)中に向かったところに位置していた。これは、突起物100が拡張可能なスリーブ16の末端表面92のある点で、一般に半径方向で内部及び外部末端の間の中間点において、かみ合うことを保証するものである。この構造は、ピンヘッド34及び拡張可能なスリーブ16の末端表面92の両方の半径末端においてひずみが発するのを防止する。この構造は又、複合ブラインドヘッド98の形成を妨害することを防止する。突起物100は、すみ肉半径71と裏面85とに、スムーズで正確にブレンドされている。同時に、突起物100は、拡張可能なスリーブ16の対面する表面92とのかみ合いが妨げられず、また十分な貫通が得られるように、軸方向にピンヘッド34の外部末端102を越えて延びている。ここで示した構造では、突起物100の軸方向の外部先端がピンヘッド34の外部末端102を越えて約0.015インチ(0.04cm)軸方向に、半径表面71を越えて約0.01インチ(0.025cm)延びていた。指摘されるように、比較的低い軸方向の荷重、従ってピン12と拡張可能なスリーブ16との間の小さなトルクで、突起物100が容易に表面92に埋め込まれるように、拡張可能なスリーブ16はピン12よりもかなり柔らかな材料で造られている。同時に、突起物100は比較的小さく、比較的低い軸方向の力つまりトルクで埋め込みが容易にできるような形状のものである。
【0051】
主スリーブ18の軸が、取付けサイクルの間、ピン12のx軸と十分に同軸配列を維持されていることは重要である。ネジ山の部分30の主直径をせん断ウォッシャー24を通る穴60の直径に近くすることによって、このような配列が本質的に保証される。同様に、ベアリングウォッシャー20のさら穴27のせん断ウォッシャー24の一般的なすべりばめと共に、せん断ウォッシャー24の中心穴60とネジ山付きシャンク部30間の一般的な締りばめは、主スリーブ18、せん断部66及びベアリングウォッシャー穴26間に希望する配列を与える助けとなる。
【0052】
高強度で高硬度をもつ材料を用いて、ピンヘッド34の内部表面85と滑らかなシャンク部36との間の接合部で起きるようなひずみの集中を減少させることが望ましい。(図5を参照)これは、接合部にあるアーチ状のすみ肉71を一般的な流線型にすることによって達成される。拡張可能なスリーブ16の反対側の末端表面92が一般に平面であり、ピンのX軸に対して十分に直角に延びていることも、指摘されるべきである。同時に、拡張可能なスリーブ16の反対側の末端表面92での内径上に、面取り59が付けられる。面取り59は、ピンヘッド34の下面85とスリーブ末端表面92間の半径方向の内部クリアランスと共に、可能なスリーブ16の反対側の末端表面92が、すみ板71とかみ合わないことを保証する。この点について、組立を補助するシャンファー59は、スリーブ16を特別な方向に向ける必要性がないように対称性構造をもたせ拡張可能なスリーブ16の両端につけられる。同時に、主スリーブ18の反対表面49は、一般に平面で、ピンのX軸に対して直角に延びている。更に、スリーブ16と18の平面の末端表面92と49は、それぞれ、互いに良いベアリング表面を提供している。この点では、主スリーブ18の平面の表面49は、またせん断ウォッシャー24に対しても良いベアリング表面を提供している。先に指摘した、応力の集中の減少に加えて、かみ合うネジ山間での応力集中の減少も望ましい。つまり、ネジ山付きのシャンク部30のネジ山28は、一般に浅く、ルートが一般に流線型となるように形成されている。1つの実施例では、ネジ山28は、以前に指摘されている' 852ディクソン特許の溝の形状と概念を利用することができた。ルート構造に関しては、ネジ山28への応力の集中が減少されている。
【0053】
' 852ディクソン特許で指摘されているとおり、ネジ山28は、高強度の接合構造が必要とする高いクランプ荷重を持つことができるように、一般に流線型の浅いら旋構造にすることができる。指摘された浅いネジ山構造についは、ナット14のネジ山との締りばめが望ましい。本発明の一つの形では、クラス3のネジ山フィットが利用されている。つまり、ピンシャンク部30のネジ山28上の0. 612インチの主直径に対して、ナット14のはめ合うネジ山に0. 618インチの主直径が使用された。
【0054】
指摘されるように、本発明の高強度ファスナーは高い最終クランプ荷重をファスナー接合部に与えることが望ましい。この結果を得るためには、ブレークネック溝46での最終ピンブレーク荷重を含めた高い取付け荷重が取付け工具68から得られることが必要である。しかし、これらの荷重は、トルクによってかけられ、従って、一般に工具68によって吸収されるので、本質的には、取付け工具68を取り扱うオペレーターには伝達されない。つまり、ブレークネック溝46のピンブレークで発生する高い荷重は、ファスナー10へのトルクの適用によって、実質的には工具68が吸収する。工具68が必要とする取付けトルクの程度は、前述の選択的な潤滑剤を使用することによって減少させることができるので、工具68の最終出力の回転速度が増加し取付けに必要な時間を大幅に減少できるまでになる。
【0055】
拡張可能なスリーブ16に最小長L2を使用することの利点の1つは、ブラインド側面の公差Bが大幅に減少することである。(図1Aを参照)また、最終的に取付けられたブラインド側面の公差B’も最小にすることができる(図4を参照)。同時に、指摘したように、球状ブラインドヘッド80が加工品54の裏面から離れて均一に形成されているため(図2を参照)、最終ブラインド側面の公差B’は、ファスナー10の拡張されたグリップ範囲にわたって均一となる。
【0056】
上で述べた親出願の異なる実施例での多様な特徴は、上記に示され述べられた反回転用の突起物と相互に交換可能で、共に使用することができる点を指摘しておく。更に、呈示された実施例のそれぞれについて、異なるグリップ範囲において使用するための同一直径のファスナーにおいては、ファスナーの必要な長さに応じて単に、ピンと主スリーブだけを変えることが要求されるだけである。この特徴は、ファスナー部品の製造及び在庫の必要条件を単純化する。
【0057】
本発明の好適な実施例が、上述の目的を達成するため十分に計算されているが、本発明の適切な適用範囲または公正な意味から逸脱することなく、改善、改良及び変更ができることが理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aはコアベルトまたはピン、ナット、拡張可能なスリーブ、主スリーブ、及びグリップアジャスター構造を含むもので、加工品と共に固定され組み立てられた状態で示された本発明のブラインドファスナーの縦方向の図で特定の部分は断面図で示されている。Bは一般的に図1Aの矢印1Bの方向からみた、縮小された図1Aのファスナーの端面図である。
【図2】加工品表面から離れたある点で、部分的に示された取付け工具によって、球状のブラインドヘッドを形成するために、拡張可能なスリーブが半径方向に拡張された後のブラインドファスナーを示す、図1Aと同様の縮小された図である。
【図3】 球状のブラインドヘッドが形成され、グリップアジャスター構造の脆性部分が破断した後、球状ブラインドヘッドを後部の加工品表面とかみ合わせ主スリーブが軸方向の空洞内に動いた、ブラインドファスナーを示す、図2と同様な図である。
【図4】チューリップ状のブラインドヘッドを球状ブラインドヘッドと共に形成した後で、ファスナーが最終的にセットされた後のブラインドファスナーを示す、図2及び3と同様な図である。
【図5】図1Aの円5で示す領域に一般に見られ、ブラインドヘッドのチューリップ部分の形成を助ける構造を持つピンヘッドの一部の特徴を示し、ピンと拡張可能なスリーブの間の相対的な回転を止める複数の突出部の1つを示す、拡大部分断面図である。
【図6】チューリップ状と球状のブラインドヘッドの組み合わせを図示した、図4の円6で示される領域に一般に見られる、図4のファスナーの部分の拡大図の一部断面図である。
【図7】反回転用突出部を示すピンヘッドの裏面の拡大部分模式図である。
【図8】拡張可能なスリーブの対面する末端に埋め込まれた反回転用突出部を示す、図5と同様の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 ブラインドファスナー
12 ピン
14 ナット
16 スリーブ
34 ヘッド
49 末端
Claims (11)
- 直線上に配列された開口部、アクセス可能な側面、及びブラインド側面を有し、且つ、該アクセス可能な側面から取付け工具によって加えられたトルクの結果として生じる第1の大きさの軸方向の力によって取付けられるように作られた複数の加工品を、希望のクランプ荷重において固定するためのブラインドボルトであって、
広がったピンヘッドで一端が終わる長く延びたピンシャンクを有するピン部材と、
ここで上記ピンシャンクは、上記ピンヘッドに相対する他端でネジ山部分を越え延びた螺旋状のネジ山形状を有し、
上記のピンシャンクの上記ネジ山部分に填め合うように内部ネジ山が付けられ、取付け工具とかみ合わせられるかみ合い部分を含むナット部材と、
該加工品の直線上に配列した開口部に位置するように作られた第1のスリーブ及び上記ピンシャンク上で上記ピンヘッドと上記第1のスリーブの間に位置し、第1のスリーブと機能的に接続した第2のスリーブを備え、且つ、上記ピンシャンクを受容するための長く延びたチューブ状スリーブ構造を有するスリーブ手段とを有し、
ここで上記第2のスリーブは、上記ピンヘッドと該加工品のブラインド側面の間で、上記第1の大きさの軸方向の力より小さな第2の大きさの軸方向の力に応答して半径方向に変形可能であり、ブラインド側面に突き当たって拡大したブラインドヘッドを形成し、
ここで上記スリーブ手段は、加工品のアクセス可能な側面に対して締め付け力を発生する荷重ベアリング部材と、該荷重ベアリング部材に連結された脆い構造体を含み、前記荷重ベアリング部材と脆い構造体は上記第1の大きさの軸方向の力より小さく上記第2の大きさの軸方向の力より大きな第3の大きさを持つ軸方向の力で破壊するように作られ、この第2の大きさを持つ軸方向の力によって上記第1のスリーブと上記ピンヘッドとの間の軸方向力が消滅し、それにより、上記軸方向の第1の大きさの力と加工品に掛けられた最終的なクランプ荷重が上記のピン部材、上記のブラインドヘッド及び上記かみ合い部分の間にあるように上記ブラインドヘッドがブラインド側面にかみ合い、
ここで上記ピンシャンクは、取付け工具にかみ合うように作られたトルクドライブ末端部を有し、
また、上記ナット上の上記かみ合い部分及び上記ピンシャンク上の上記ドライブ末端部は取付け工具に同時にかみ合うように作られておりそれにより上記ピン部材及び上記ナット部材の間に軸方向の力を生じ、軸方向の第1の大きさの力で加工品を共にクランプし、
上記ピンヘッドは裏面に第1のかみ合い表面を有し、
更に、第2のスリーブは、上記ピンヘッドの上記第1のかみ合い表面と向かい合った第2のかみ合い表面と、上記取付けトルク工具により掛けられるトルクに対応して上記ピン部材と上記第2のスリーブが相対的に回転するのを防ぐため、第1及び第2のかみ合い表面に機能的に繁がり、軸方向に延び前記ピンヘッドの前記第1かみあい表面に配置された突起物を有する、
ことを特徴とするブラインドボルト。 - 請求項1記載のブラインドボルトであって、上記第2の大きさの軸方向の力に対応して上記ブラインドヘッドを球状に形成するため、半径方向で外側に向かって折り畳むようになる弱い部分を有する上記拡張可能なスリーブ構造を備えたことを特徴とするブラインドボルト。
- 請求項1記載のブラインドボルトであって、前記突起物は複数個設けられ、上記ピンヘッド上の上記第1のかみ合い表面の外周部に配置され軸方向に延び、ここで上記ピンヘッドは、第2のかみ合い表面より十分高い硬度を持ち、したがって上記突起物が容易に上記第2のかみ合い表面に埋め込まれ、その相対的回転を防ぎ、
また上記突起物は上記第1のかみ合い表面の外周末端から半径方向内部に位置し、上記第2のかみ合い表面の外周端および内周端から離れた場所で上記第2のかみ合い表面とかみ合うように作られており、一般的にはアーチ形状を有することを特徴とするブラインドボルト。 - 請求項1記載のブラインドボルトであって、加工品のアクセス可能な側面に対して締め付け力を発生するように作られた荷重ベアリング部材、及び上記荷重ベアリング部材と連結して操作される脆い構造体を含み、前記脆い構造体は崩壊しやすい材料で作られ、上記荷重ベアリング部材は、第1のスリーブを受容するように作られた軸方向に伸びた受容穴を持ち、上記脆い構造体は、上記荷重ベアリング部材によって上記受容穴を部分的に閉じる位置で支持され、更に、上記脆い構造体は、上記第1のスリーブの外部末端でかみ合うことができ、上記第3の大きさの軸方向の力をかけることによって切断するように作られた予め選択された切断領域を持ち、上記の第1のスリーブは上記受容穴内へ軸方向に動き、上記脆い構造体から上記荷重ベアリング部材の外部末端まで伸びた上記受容穴の一部分は、一般にブラインドボルトのグリップ範囲に等しい予め選択された長さのグリップ空洞を定義するもので、この時グリップ範囲は単一のファスナーが加工品を固定することができる加工品の総合厚みの最小値と最大値の差として定義される、ブラインドボルト。
- 請求項4記載のブラインドボルトであって、上記荷重ベアリング部材は、上記ナット部材と上記第1スリーブの上記外部末端間にあり、加工品のアクセス可能な側面表面にかみ合うように作られた拡大されたベアリングウォッシャーを有し、上記脆い構造体は、上記受容穴より大きな外径を持つ平坦なせん断ウォッシャー部材を有し、上記ベアリングウォッシャーは、内部末端に上記せん断ウォッシャー部材を受容するための軸方向の深さと直径を持つさら穴を有し、上記せん断ウォッシャー部材は、上記受容穴と共にせん断部を規定するため上記の受容穴を部分的に塞ぎ、予め選定された厚みによって上記の予め選定されたせん断領域を規定し、上記せん断部は、上記第1のスリーブによってかけられる上記第3の大きさの軸方向の力でせん断破壊するように作られていることを特徴とするブラインドボルト。
- 請求項1記載のブラインドボルトであって、上記第2のスリーブは上記第1のスリーブとは別の拡張スリーブ構造になっており、上記第2の大きさの軸方向の力に対応して、球状部を有する上記ブラインドヘッドが形成されるために半径方向に外部に向かって折り畳むように作られた脆弱な部分を有し、
上記拡張スリーブ構造は上記ピンシャンクを受容するように作られた第1の通し穴を有し、
上記ピンヘッドは、上記ブラインドヘッドに球状部に近接してチューリップ状の部分が含まれるよう、上記拡張スリーブ構造の末端を半径方向外側に向かって拡大するため上記通し穴に入るように作られていることを特徴とするブラインドボルト。 - 請求項1記載のブラインドボルトであって、取付け工具にかみ合わされるためのスプライン付き末端部を有する上記ピンシャンクの上記ドライブ末端部を備え、ここでスプライン末端部は、スプラインのルートから半径方向に延びた山によって規定される軸方向に延びたスプラインを有し、
上記ら旋状のネジ山は、上記ネジ山部及び上記ら旋状のネジ山に上記のナット部材が貫通できるよう、上記のネジ山の主直径及び小直径と同じ主直径及び小直径をもち、
上記ナット上の上記かみ合い部及び上記ピンシャンク上の上記スプライン付き末端部は取付け工具に同時にかみ合うように作られており、それにより上記ピン部材と上記ナット部材間にトルクが同時にかけられるように、構成されたことを特徴とするブラインドボルト。 - 請求項7記載のブラインドボルトであって、上記ピンシャンクは、上記ピンヘッド及び上記スプライン付き末端部間に環状ブレークネック溝を有し、上記ブレークネック溝は、上記ピンシャンク上にある上記ら旋ネジ山形状のルートの直径より大きくない直径を有するため上記ナット部材が上記ブレーク溝を通過でき、またブレークネック溝は、取付け工具によって加えられる予め選定されたトルクで破断するように作られたことを特徴とするブラインドボルト。
- 請求項7記載のブラインドボルトであって、上記スプライン付き末端部と上記ネジ山部の接合部に位置するリリーフ溝を持つ上記のピンシャンクを有し、上記ピンシャンクは、上記ネジ山部に位置する環状ブレークネック溝を有し、上記ブレークネック溝及び上記リリーフ溝は、上記ナット部材が上記ブレークネック溝と上記リリーフ溝を貫くことができるよう上記ピンシャンク上の上記ら旋ネジ山形状のルートの直径より大きくない直径を有し、また上記のブレークネック溝は、上記リリーフ溝が破断するトルクより小さな、予め選定されたトルクが取付け工具によってかけられることにより破断するよう構成されたブラインドボルト。
- 請求項7記載のブラインドボルトであって、
上記ブラインドボルトは直線状に配列された開口部に取り付けるように作られているが、該開口部は、従来のノンブラインドファスナーの従来のボルト及びナットを用いて共に固定されるように作られた加工品にある直線状に配列された開口部と同一の直径を有し、ここで、該従来のボルトは、それに対応した配列開口に適合するネジ山部分のあるピンシャンクを有し、また、該従来のピンシャンクは、従来のナットをその内部ネジ山と干渉なく自由に受容するよう小さめの直径を持つ従来のスプライン付き末端部を有し、
該従来のナット及びピンシャンクは、従来のナットの外部面とかみ合うよう受容する直径及び形状を持つ第1の大きい空洞、及び、小さめの直径を持ち従来のスプライン部と噛み合うよう受容するスプライン構造を持つ内部空洞を備えた従来のトルク発生取り付け工具で取り付けるように構成されており、
上記ブラインドボルトの上記第1スリーブは、ノンブラインドファスナーの従来のボルトシャンクと同一の外径を有し、また、上記ピンシャンクの上記ネジ山スプライン付き末端部は、従来のスプライン末端部と同等な直径及び形状のスプライン構造を有し、更に、上記ブラインドボルトの上記ナット部材は、従来のナットと同等な外径及び形状を有し、従って、上記ブラインドボルトは、従来のノンブラインドファスナーの従来のボルト及びナットの場合と同じトルク発生取り付け工具を用いて取り付けが可能になる、
ことを特徴とするブラインドボルト。 - 請求項1記載のブラインドボルトであって、上記ピンヘッド上の上記第1のかみ合い表面の外周部に配置され軸方向に延びた複数の突起物を備え、
上記突起物は、上記第1のかみ合い表面の半径方向外周端と半径方向内周端の間に位置し、上記第2のかみ合い表面の外周端及び内周端から間隔を置いた場所で上記第2のかみ合い表面とかみ合うように作られており、また、一般的にはアーチ形状を有し、
上記ピンヘッド及び上記第2のスリーブの少なくともひとつは、耐腐食性保護コーティングが施され、従って上記第1のかみ合い表面と上記第2のかみ合い表面の間の摩擦が減少し、
上記ピンヘッドは、第2のかみ合い表面より十分高い硬度を持ち、従って上記突起物が容易に上記第2のかみ合い表面に埋め込まれ、その相対的回転を防ぐ、
ことを特徴とするブラインドボルト。
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