JP3813756B2 - プログラマブルコントローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄鋼設備や、製紙プラント、上下水道などの公共システム、さらには自動車産業など、産業用システムの制御に広く使用されているプログラマブルコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプログラマブルコントローラ(以下、「PLC」と称する)のプログラム実行の高速化のために、プログラムを複数のタスクやコントローラに分担して実行させることが考えられる。
しかし、従来、プログラムの分割や同期を柔軟に実行することは困難であり、殆ど実用にはなっていない。
特にシステム内に複数のコントローラが存在し、通信手段やバスで結合されている場合には、制御の冗長性を得る目的からも複数のコントローラでプログラムを分担して実行したいという要求がある。
しかし、前述したようにプログラムの分割や変更が困難であることから未だ実現できていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたもので、SFC(シーケンシャル・ファンクション・チャート)を用いて作成されたシーケンスプログラムを実行する場合に、複数のタスクやコントローラの間で並列実行や分担実行を容易に実現できるようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明は、
SFCを用いて作成されたシーケンスプログラムを記憶したシーケンスプログラムメモリと、被制御装置の制御に必要なデータを記憶するデータメモリと、このデータメモリの記憶内容を参照しながらシーケンスプログラムメモリに記憶されたシーケンスプログラムを実行するシーケンス演算プロセッサとを備えたプログラマブルコントローラにおいて、
前記シーケンスプログラムメモリは、SFCプログラムにおけるステップ毎の実行状態を管理する情報、およびステップ間の遷移を制御する情報を、複数のタスクあるいはコントローラから共通にアクセスできる領域に持っており、
ステップの実行状態を管理する情報およびステップ間の遷移を制御する情報の存在場所を示す論理セグメントを命令語中に指定しており、
ステップの実行状態を管理する情報およびステップ間の遷移を制御する情報が、通信手段で結合された他のコントローラに存在し、前記実行状態を管理する情報のアクセスのために他のコントローラとの間で通信を実行するように構成されていることを特徴とするものである。
【0005】
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
<SFCプログラムの説明>
まず、本発明で扱うSFCプログラムの適用対象であるコントローラシステムについて図13を参照して説明する。このシステムは、コントローラ51,52および伝送装置53がバス54を介して接続されているコントローラ装置50と、コントローラ61および伝送装置62がバス63を介して接続されているコントローラ装置60と、コントローラ71および伝送装置72がバス73を介して接続されているコントローラ装置70とが、各伝送装置53,62,72および共通の通信手段45を介して接続されている。通信手段45は通信回線やバスであり得る。
このシステムにおいては、各コントローラ装置50,60,70間で互いに制御データを参照し合うことができるように構成されている。本発明は、このようなシステムにおいて用いられるSFCプログラムに関連しており、次に図14を参照してSFCプログラムの概略説明を行う。
【0014】
図14のプログラムはステップS1から動作を開始し、ステップS2,S3およびS4と次々と歩進し実行した後、ここからn本に分岐したプログラムP1,P2,…,Pnを並列に実行する。この後、1本のプログラム経路に合流し、ステップS5,S6を実行し、ステップS1に戻る。ステップS4の後の二重線はそれ以下の分岐プログラムP1〜Pnを並列に実行する、ということを表現している。
これに対応して、ステップS5の前の二重線は並列実行の終了を意味している。各分岐プログラムP1〜Pnは図示の例ではそれぞれ3つのステップSP11〜SP13,SP21〜SP23,…,SPn1〜SPn3からなっている。
【0015】
各ステップ間の動作の遷移に関しては、ステップ間を結ぶ線上の横棒が遷移条件を示しており、それぞれ先行ステップの表示に対応するx番号をもってTxまたはTPxという条件が付けられている。
図示の例では、x=1〜6またはx=11〜13,…,n1〜n3であり、ステップ1,2間に遷移条件T1が、ステップ2,3間に遷移条件T2が、ステップ3,4間に遷移条件T3が、ステップ4の後に遷移条件T4が、ステップ5,6間に遷移条件T5が、ステップ6,1間に遷移条件T6がそれぞれ設定され、さらに、並列分岐の各ステップの後にもそれぞれ対応する遷移条件が設定されている。
あるステップの直前のステップの動作中(以下、「ON」と称する)であって、遷移条件TxまたはTPxが成立したときに直前のステップの動作が終了し、次のステップが動作を開始する。各ステップには、それぞれ対応するプログラムが付随しているが、ここでは省略している。また、この回路全体にプログラムの識別番号が付与され、同様のプログラムの集合により、全体の制御プログラムが構成されるものとする。
【0016】
<各請求項に共通のハードウェア構成>
本発明の共通のハードウェア構成を、図1に示す。図1において、PLC(プログラマブルコントローラ)15を全体的な制御を司る中枢部はCPU1であり、このCPU1に対してプログラムメモリ2、ワークメモリ3、シーケンス演算プロセッサ4、シーケンスプログラムメモリ5、およびデータメモリ6がマイコンバス7を介して接続されている。マイコンバス7には、通信インターフェイス8、I/O(入出力装置)9およびバスインターフェイス10も接続されている。
【0017】
プログラムメモリ2は、CPU1が実行するプログラムを格納しているメモリであり、OSや制御プログラムが格納されている。ワークメモリ3は、CPU1が全体制御を実行するときに作業領域として使用するメモリである。シーケンス演算プロセッサ4は、シーケンスプログラムを実行するプロセッサであり、プログラムのモニタのためのモニタデータのトレースも実行する。
シーケンスプログラムメモリ5は、ユーザが作成したシーケンスプログラムを格納するメモリである。データメモリ6は、ユーザが使用する変数などのデータを格納するメモリである。マイコンバス7は、PLC内の要素をCPU1やシーケンス演算プロセッサ4と接続するためのバスであり、アドレスバスや、データバス、制御バスの総体である。通信インターフェイス8は、PLCとモニタ装置40などを接続するためのインターフェイス回路である。I/O9は、PLC15と外部の制御対象を接続するための入出力装置である。
バスインターフェイス10は、マイコンバス7とコントローラ間バス20とを接続するインターフェイスであり、コントローラ間バス20上の他のコントローラ装置30との間でデータ伝送を行う場合に使用される。
モニタ装置40は、PLC15のシーケンスプログラム実行状態を監視したり、シーケンスプログラムの作成・修正をしたりするのに使用される。モニタ装置40は、CRT等の表示装置のほかにキーボード等の入力装置を持ち、PLC15のシーケンスプログラムの実行状態を監視したり、シーケンスプログラムの作成・修正をしたりするために使用される。
【0018】
コントローラ間バス20は、コントローラ装置30および伝送装置21と本発明のPLC15とを接続するためのバスである。本発明のPLC15は、コントローラ間バス20を使用することにより、コントローラ装置30および伝送装置21との間でデータ転送が可能である。
伝送装置21は、離れた場所にあるコントローラ33と本発明のPLC15との間でデータ転送を行う場合に使用する装置であり、バスインターフェイス10を介して渡したデータを長距離伝送に適した信号に変換して送信するとともに、受信時には逆の変換動作を行ってPLC15に渡す。
【0019】
コントローラ装置30は、本発明に係るPLC15と同種類または他の種類のコントローラであり、本発明のPLC15とはコントローラ間バス20や伝送装置21を介して接続可能である。コントローラ装置30は、一例としてはn台のコントローラ30a,…,30nからなり、バス20に接続された形で共有メモリ22および伝送装置21を備えている。共有メモリ22は、コントローラ間バス20に接続されている機器のいずれからもアクセス可能なメモリである。
【0020】
PLC15は、コントローラ間バス20に接続された伝送装置21を介してさらに他の伝送線路31上のコントローラ装置33に対してもアクセスすることができる。コントローラ装置33は、それぞれ伝送装置32a,…,32nを介して伝送線路31に接続されるn台のコントローラ33a,…,33nを備えている。
【0021】
<実施形態1>
本発明の実施形態1について説明する。この実施形態1のPLC15で使用するSFCプログラムの実行のためには、図14を参照して説明したように、ステップの実行管理情報および遷移情報を必要とする。
通常、これらの情報は、あるタスクの中だけでアクセス可能なローカルな情報である。この場合、他のタスクからは前記情報のアクセスは不可能なので、他のタスクからSFCプログラムの実行状況を知ったり制御したりすることは不可能である。
そこで、本発明のPLC15においては、各ステップの実行管理情報および遷移情報を各ステップまたは遷移条件ごとにローカルなメモリ領域にもグローバルなメモリ領域にも置けるようにすることにより、複数のタスクあるいはコントローラによってプログラムを分担実行させた後、それぞれのタスクまたはコントローラ内にあるプログラムの実行完了情報を別のタスクまたはコントローラ内のSFCプログラムで監視し、実行完了の同期をとったり、並列実行の開始を制御したりすることができるようにする。
【0022】
<実施形態2>
本発明の実施形態2について説明する。この実施形態2のPLC15で使用するSFCプログラムを構成する命令の一例として、ステップを処理する命令の形式を図2に示す。図2において、ステップ80を処理する命令は、ステップの実行状態を管理する情報をオペランドとして持っている。オペランドを指定するために前記命令にはオペランドの存在場所を示す論理セグメントコード81と、その論理セグメントの中でのアドレス情報82を持たせている。オペランドの論理セグメントコード81は図3に示すようにして指定する。
【0023】
図3において、論理セグメントコード81は、コード“0”で「ローカル(コントローラタスク内)」を表し、コード“1”で「グローバル(コントローラ内の共有エリア)」を表し、以下、コード“2”で「I/O」を、コード“3”で「他のコントローラ内(バス上)」を、コード“4”で「他のコントローラ(伝送線路上)」を、コード“5”で「その他」を、それぞれ表している。
ここで「ローカル」とは、SFCプログラムが属するタスク専用のメモリ内にオペランドが存在することを示す。「グローバル」とは、コントローラ内において複数のタスクから共通にアクセス可能であるエリアを指す。
図3の例では、コード“1”〜“4”はグローバル領域とみなされる。コード“2”の「I/O」は、オペランドがI/Oデータであることを示す。コード“3”の「他のコントローラ内(バス上)」は、コントローラ間バス20で接続された他のコントローラ装置30内にオペランドが存在することを示す。コード“4”の「他のコントローラ(伝送線路上)」は、伝送線路31で結合された他のコントローラ装置33内にオペランドがあることを示す。オペランド情報は、図4に示すように、該当ステップのON/OFF情報84のほかに、ステップの実行回数情報85や実行時間情報86などを持っているものとする。
【0024】
このように、本発明のPLC15では、SFCプログラムに使用する命令を構成する情報として、オペランドが存在する場所をコード化して命令語内に置くようにしたので、例えば遷移条件のオペランドを他のコントローラ装置30,33内の変数にすることも容易である。
したがって、他のコントローラ装置30,33内にあるプログラムの遷移を制御したり、他のコントローラ装置30,33で実行されているプログラムと自コントローラ(PLC)15で実行しているプログラムとの同期をとったりすることなどを容易に実現することができる。
【0025】
<実施形態3>
本発明の実施形態3について説明する。この実施形態3のPLC15では、SFCプログラムで使用するオペランドの存在場所を指定するために、図3に示す論理セグメントコード81を使用する。PLC15のシーケンス演算プロセッサ4(図1)はSFCプログラムを実行する際にオペランドの論理セグメントコード81の内容を調べ、オペランドが伝送線路31上の他のコントローラ装置33に存在することが判明した場合には、CPU1にそれを通知し、伝送線路31上にある他のコントローラ装置33内の変数をアクセスするための通信プログラムを起動させることが可能である。
このように、オペランドが論理セグメントコード81に従って必要なデータアクセスプログラムを起動することが可能なので、オペランドデータの存在場所のいかんにかかわらず、容易にプログラムを作成することが可能である。
【0026】
<実施形態4>
本発明の実施形態4について説明する。この実施形態4のPLC15では、以下のようにしてプログラムの分配を実行する。ここで、図15に示すようなプログラムを図14に示す3台のコントローラ51,52,61で分配して実行するものとする。ここで、並列分岐の数nを、仮にn=16とする。
図15のプログラムは、ステップS4から16本のプログラムP1〜P16に分岐し、その後、ステップS5に合流するプログラムである。この分岐プログラムのうち、並列分岐プログラムの一つの枝をPxで表す。プログラムP1からプログラムP6までをコントローラ51が実行し、プログラムP7からプログラムP11までをコントローラ52が実行し、さらに、プログラムP12からプログラムP16までをコントローラ61が実行するものとする。
【0027】
まず、プログラムの分配を指示するコントローラ、例えばコントローラ51から図5に示す分岐制御情報87を他のコントローラ52,61に送る。分岐制御情報87は、タスク指定情報88、プログラム指定情報89、および分岐指定情報90からなっている。ここでは、分岐指定情報90は16ビットで表現され、そのいずれに“1”がセットされるかに従って分岐指定が行われ、対応する分岐プログラムを実行するものとする。
例えば、ビット0が“1”にセットされているときは分岐プログラムP1を実行し、ビット15が“1”にセットされているときは、分岐プログラムP16を実行するものとする。この分岐制御情報87は、各コントローラに備えられる分岐制御テーブル91に格納される。この分岐制御テーブル91の構成例を、図6に示す。これは、各コントローラの各タスクのデータ領域にプログラム順に格納されるものとする。
【0028】
本発明のPLC15では、プログラムの分配を可能にするために、シーケンス演算プロセッサ4(図1)内に、図7に示すような分岐制御レジスタ92を持たせている。このレジスタ92は、SFCプログラムの分岐および収束を実行するときの演算に使用される。 例えば、図14に示す分岐プログラムP1〜Pnが、コントローラA内ではプログラムのm番目に当っていたとすると、PLC15は図6の分岐制御テーブル91からプログラムmに対応する分岐制御情報87を読み出して、それを分岐制御レジスタ92に格納する。
この分岐制御情報87は、分岐プログラムP1〜P6を実行させるために、ビット0〜5がそれぞれ“1”にセットされている。この分岐制御レジスタ92内の情報は、図14のプログラムを実行する場合に、分岐プログラムへの遷移命令を実行する際に使用され、分岐制御レジスタ92内のビットが“1”にセットされている分岐プログラムについてだけ遷移が許可されるように構成されている。これは、選択実行時の分岐でも、並列実行時の分岐でも同様である。
【0029】
次に、選択実行時の合流の際には、分岐制御レジスタ92内のビットが“1”にセットされている分岐プログラムについてだけ合流の条件演算が実行される。並列実行時の合流の際には、分岐制御レジスタ92の内容いかんにかかわらず、全ての分岐プログラムについて完了状態が調べられる。
各コントローラでは、分岐プログラムの最後のステップが実行されたときに、その情報を他の全てのコントローラに連絡するようにする。その情報を受信した他のコントローラは、その完了情報を自コントローラ内の対応するステップの制御情報にコピーする。
【0030】
以上のように、分岐プログラムのステップ情報を他のコントローラに伝えることにより、各コントローラ内の分岐プログラムは、仮想的に図8に示したような状態になる。なお、この分岐プログラムは、図14の分岐プログラムにおいて分岐数nを、n=16とした場合に対応している。この分岐プログラムP1〜P16のうち、分岐プログラムP1〜P6に対応するステップSP11〜SP63の状態は、他のコントローラから送信されたデータとなる。
これにより、自コントローラが実行しなかった分岐プログラムについても、その最終ステップの実行状態が収束時の演算に使用できるようになる。これにより、各コントローラにおける並列実行時の完了条件の演算は、コントローラが1台のときと同様に実行することが可能になる。以上のように構成することにより、PLC15は複数のPLCに分配して実行されたプログラムの同期をとることが可能になる。
【0031】
<実施形態5>
本発明の実施形態5について説明する。この実施形態5のPLC15では、実施形態4で説明したプログラムの分担方式を採用する。システム内のコントローラが停止したり故障したりした場合に、制御を継続する必要がある場合には、図7に示す各コントローラ内の分岐制御レジスタ92の内容を変更するだけでプログラムの分担状況を変更することができる。
このような方式を採用することにより、プログラムの再ダウンロードを行うことなく、プログラムの分担状況を変化させることができるとともに、変更に要する時間も短くて済むので、プログラムの分担実行の継続可能性が増大する。
【0032】
<実施形態6>
本発明の実施形態6について説明する。すでに述べた実施形態4においては、並列実行時の動作について説明した。しかし、ここで説明する実施形態のPLC15では、図6に示す分岐制御テーブル91を使用するが、このテーブルは並列分岐の制御だけではなく、プログラム毎の実行制御にも使用できるように構成される。
したがって、この分岐制御テーブル91を使用することにより、並列実行プログラムだけでなく、直列実行プログラムも分担実行することが可能になる。このために、PLC15のプログラムを、図9に示す構成となるようにコンパイルする。
図9に示すように、各プログラムの先頭にはプログラム識別命令100が置かれ、分岐プログラムP1,P2,…,Pnの境界にはプログラム区分命令101,102,…,10nが置かれる。プログラム識別命令プ100およびプログラム区分命令101〜10nの構成例を図10に示す。
【0033】
図10に示すように、プログラム識別命令100は、オペレーションコード(オペコード)100a、タスク番号100b、およびプログラム番号100cからなり、プログラム区分命令101〜10nは、オペコード101a、プログラム区分番号101b、および次プログラム区分命令アドレス101cからなっている。
このように、プログラム区分命令101〜10nは、次のプログラム区分命令のアドレスすなわち次プログラム区分命令アドレス101cと組み合わされており、図7の分岐制御レジスタ92の内容を参照して、自コントローラが実行すべき分岐プログラムの場合にはプログラム区分命令に続くプログラムを実行するが、自コントローラが実行しないプログラムの場合には次プログラム区分命令にジャンプすることにより、プログラムを高速に読み飛ばすように構成する。このように構成することにより、プログラムの実行部分を指定可能にするとともに、高速実行が可能になる。
【0034】
<実施形態7>
本発明の実施形態7について説明する。本発明のPLCでは、図6に示す分岐制御テーブル91を用いる。そのため、各コントローラの実行プログラムを任意に重複させて設定することが可能である。したがって、任意のプログラムを任意に台数のコントローラで並列に実行させ、その完了情報が全コントローラに同報されることを利用して、各コントローラの実行完了の同期をとることが可能である。
また、その実行結果を比較し、その比較結果を参照して、例えば多数決をとることにより、単一の比較結果を出力する。こうすることにより、分散配置された複数台のコントローラを利用して多重化システムを構築することが可能となる。この方式では、複数台のコントローラを同一の筐体に格納したり、ハード的に密結合したりする必要がないので、より自由度の高い配置構成が可能となる。
【0035】
<実施形態8>
本発明の実施形態8について説明する。SFCプログラムは、動作の推移が分かり易いプログラムではあるが、一方で多数のステップで構成される一連の機能をまとめてモニタしたい、という要求がある。
そこで、この実施形態8のPLCでは、一連のステップ群を1個の代表ステップの動作で表現できるように構成する。これは、例えば、図11に示すような一連のステップSm〜SnのSFCプログラムを、単一の代表ステップMmで代表させて表現する機能である。
この代表ステップMmを、マクロステップと呼ぶことにする。このマクロステップMmを使用したプログラム経路は、図12に示す経路の形にコンパイルされて実行される。すなわち、マクロステップMmと元のSFCプログラムSm〜Snとはあたかも並列実行されるかのようにコンパイルされる。命令語順の一例を、図13に示す。
【0036】
図13において、分岐プログラムを容易に識別できるように、元のSFCプログラムSm〜Snの先頭ステップはマクロスタートステップ命令に、最終ステップはマクロエンドステップ命令に変更される。
これは、マクロ化されたプログラムの範囲をモニタ装置に伝えるためである。実際のプログラムは図13に示したようになるが、モニタ装置でこのプログラムを表示する場合は、マクロステップMmだけを表示し、マクロスタートステップSmからマクロエンドステップSnまでのプログラムは表示しないようにする。
また、マクロステップMmに続く遷移条件は常にONしている。マクロステップMmは元のプログラム全体が実行完了となるまでの間ONの状態を継続し、マクロエンドステップが実行され、それに付随する遷移条件Tn(図11,12参照)がONになったときに次のステップへ遷移する。ここで、マクロスタートステップ命令とマクロエンドステップ命令の動作は、通常のステップ命令と全く同様である。
ただ、通常のステップ命令とは命令コードだけが異なっており、モニタ装置がマクロスタートステップ命令およびマクロエンドステップ命令を他のステップ命令とは識別できるようにしている。
このように構成することにより、任意の範囲のSFCステップ群を1個のマクロステップ命令で代表して表現することができるので、ステップの動作状態を非常に分かりやすく表示することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、SFCプログラムを実行するプログラマブルコントローラにおいて、SFCプログラムの各ステップ毎の実行状態を管理する情報およびステップ間の遷移を制御する情報を、複数のタスクやコントローラから共通にアクセスできる領域におくことにより、複数のタスクあるいはコントローラによるプログラムの並列実行や分担実行などの協調動作を可能にすることができる。
【0038】
また、プログラムを機能毎に分割した単位だけでなく、分割経路毎にも分担実行したり、並列実行できるように構成可能であり、その分担の設定をプログラムとは別の管理情報で実行することにより、プログラムの分担状態を変更する際にプログラムの再ローディングを不要にすることができる。
【0039】
さらに、任意のプログラム部分を複数のコントローラに重複して割り付けた状態で実行させ、その結果を比較してから結果を出力させることにより、コントローラの多重化をプログラム単位で実現することができ、その結果、システムの信頼性を向上させることができる。
【0040】
さらにまた、任意のプログラム部分を1個のステップで代表してモニタする機能を設けることにより、一連のステップからなるプログラムの全体としての動作状態を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるプログラマブルコントローラのハードウェア構成例を説明するためのブロック線図。
【図2】 本発明に係るステップ命令の形式を示す説明図。
【図3】 本発明に係るオペランドの論理セグメントを示す説明図。
【図4】 ステップ命令のオペランドを示す説明図。
【図5】 分岐制御情報の構成を示す説明図。
【図6】 分岐制御テーブルの構成を示す説明図。
【図7】 分岐制御レジスタの構成例を示す説明図。
【図8】 並列分岐プログラムの完了チェック時の状態を示す説明図。
【図9】 並列分岐プログラムのコンパイルされた状態を示す説明図。
【図10】 プログラム識別命令およびプログラム区分命令の構成を示す説明図。
【図11】 マクロステップの動作を示す説明図。
【図12】 図11のマクロステップの動作経路を示す説明図。
【図13】 マクロステップの命令語構成を示す説明図。
【図14】 本発明を適用するコントローラシステムのハードウェア構成の一例を示すブロック線図。
【図15】 SFCプログラムの動作を示す説明図。
【符号の説明】
1 CPU
2 プログラムメモリ
3 ワークメモリ
4 シーケンス演算プロセッサ
5 シーケンスプログラムメモリ
6 データメモリ
7 マイコンバス
8 通信インターフェイス
9 入出力インターフェイス(I/O)
10 バスインターフェイス
15 プログラマブルコントローラ(PLC)
20 コントローラ間バス
21 伝送装置
22 共有メモリ
30 コントローラ装置
30a〜30n コントローラ
31 伝送線路
32a〜32n 伝送装置
33 コントローラ装置
33a〜33n コントローラ
40 モニタ装置
Claims (2)
- SFCを用いて作成されたシーケンスプログラムを記憶したシーケンスプログラムメモリと、被制御装置の制御に必要なデータを記憶するデータメモリと、このデータメモリの記憶内容を参照しながらシーケンスプログラムメモリに記憶されたシーケンスプログラムを実行するシーケンス演算プロセッサとを備えたプログラマブルコントローラにおいて、
前記シーケンスプログラムメモリは、SFCプログラムにおけるステップ毎の実行状態を管理する情報、およびステップ間の遷移を制御する情報を、複数のタスクあるいはコントローラから共通にアクセスできる領域に持っており、
ステップの実行状態を管理する情報およびステップ間の遷移を制御する情報の存在場所を示す論理セグメントを命令語中に指定しており、
ステップの実行状態を管理する情報およびステップ間の遷移を制御する情報が、通信手段で結合された他のコントローラに存在し、前記実行状態を管理する情報のアクセスのために他のコントローラとの間で通信を実行するように構成されていることを特徴とするプログラマブルコントローラ。 - 請求項1に記載のプログラマブルコントローラにおいて、
複数台のコントローラによりプログラムの並列実行を可能とするために、分岐制御情報に、各コントローラが実行するプログラム部分を指定するプログラム指定情報を含んでいることを特徴とするプログラマブルコントローラ。
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