JP3812272B2 - データサーバシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、データサーバシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭内においてもネットワークが普及しつつあり、例えば、ネットワーク上に画像データ送信装置(以下、サーバと記述)と画像データ受信装置(以下、クライアントと記述)を接続し、各クライアントからの画像データ要求に応じた画像データをサーバから提供する画像データサーバシステムが使用されている。
【0003】
ところで、クライアントが有する表示装置上に、画像データの再生を問題なく(途切れたり、画質の劣化を生じさせることなく)行うためには、時間あたり一定容量以上のデータ伝送を行うことが必要となる。しかし、単位時間あたりのネットワークの伝送可能なデータ容量には限界があるため、例えば、多数のクライアントから一度にデータ伝送要求があった場合は、各クライアントに対して十分なデータを伝送できない状況が生じてしまう。
【0004】
このような状況下でのデータ伝送手段としては、サーバ側が、データ伝送をすべきクライアントに優先順位をつけ、この優先順位の高いものから単位時間あたりのデータ伝送量(以下、データ伝送レートと記述)を決定していくことが一般的である。この優先順位は、クライアントとして使用される装置によらずに決定されることもあれば、各クライアントが有する表示装置の仕様(表示装置の大きさや表示分解能の値)に応じて決定されることも多い。例えば、表示装置として大画面モニタを有するクライアントに対しては常に高いデータ伝送レートが確保され、表示装置として小型モニタを有するクライアントに対するデータ伝送レートはネットワークの伝送状況に応じて低いデータ伝送レートが割り当てられることになる。空きレート容量が小さい場合は、該クライアントに対しての伝送すべき画像データは縮減(高率圧縮符号化や間引き)された上で伝送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したような大画面モニタを有するクライアントが常に高いデータ伝送レートを必要とするとは限らない。例えば、該クライアントが要求した画像データが静止画に近い符号量が少ないデータである場合である。このような場合にまで、該クライアントに対して必要以上に高いデータ伝送レートを確保するのはネットワークの伝送効率からも望ましくないことである。
また、伝送すべきデータの中には、例えば画面テストデータのように、データの縮減(高率圧縮符号化や間引き)が許されないものも存在する。このようなデータは、たとえ小型モニタを有するようなクライアントに伝送する場合であっても、データの縮減は行うべきでない。
【0006】
すなわち、サーバは、クライアントが有する表示装置の仕様だけでなく、該クライアントが要求した画像データの仕様(データ量やデータの種類)まで考慮した上で各クライアントに対するデータ伝送レートを決定する必要があるが、このための技術開示はこれまでなされていなかった。
【0007】
本発明は、以上の点を鑑みなされたものであり、サーバ側において、クライアントが有する表示装置の仕様と、要求したデータの仕様に応じて、該クライアントに対するデータ伝送の優先順位を決定した上で、実際のデータ伝送レートを決定する、効率的なネットワーク上のデータサーバシステムの提供を行うことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、請求項1に記載のデータサーバシステムにあっては、ネットワーク上にデータ送信装置および複数のデータ受信装置が接続され、データ伝送要求のあったデータ受信装置に対して、前記データ送信装置から前記ネットワークを介し所定のデータが供給されるデータサーバシステムであって、前記データ伝送要求のあったデータ受信装置が有する表示装置の仕様を記憶する表示仕様記憶手段と、要求のあったデータを前記ネットワーク上を伝送する際に必要となるデータ伝送レートを記憶するレート記憶手段と、前記ネットワークにおいて既に使用されているデータ伝送レートを記憶する使用レート記憶手段と、新たにデータ伝送要求を行ったデータ受信装置が要求するデータ伝送レートが、前記使用レート記憶手段から判断されるネットワークの空き伝送レートよりも大きい場合は、前記表示仕様記憶手段および前記レート記憶手段により記憶された内容に基づき、データ伝送要求のあった各データ受信装置に対するデータ伝送レートを変更するデータ伝送レート変更手段とを有することを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2に記載の発明にあっては、請求項1に記載のデータサーバシステムにおいて、前記表示仕様記憶手段、前記レート記憶手段、前記使用レート記憶手段、前記データ伝送レート変更手段のうち少なくとも1つが前記データ送信装置に具備されていることを特徴とするものである。
【0010】
【本発明の実施の形態】
以下、本発明を家庭内で使用するネットワークシステム(以下「家庭内ネットワーク」と記述する。)に適用した実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
A1:本発明の実施形態の構成
A1−1:本実施形態の構成概要
図1は、本実施形態に係る家庭内ネットワークシステム100の構成を示したものである。同図に示すように、家庭内ネットワークシステム100は、ネットワーク10、サーバ11および2つのクライアント21、22から構成されており、サーバ11のクライアント21、22はネットワーク10に接続されている。
【0012】
図1に示すように、サーバ11は、インターフェース12、トランスコーダ13、ハードディスク14、制御部15、メモリ16から構成されている。
インターフェース12は、ネットワーク10との間でデータの送受信を行うための装置である。ハードディスク14は、映画会社等から支給される各種画像データを格納する装置であり、各画像データは、MPEG(Moving Picture Expert Group)方式により固定レートでの圧縮符号化が行われている。
トランスコーダ13は、MPEG画像データを再符号化するための装置であり、MPEGに規格される量子化パラメータの値を変換することにより再符号化することが可能である。制御部15は上述したサーバ11の各部の制御を行う装置であり、メモリ16にはこの制御を行うための各種プログラムが格納されている。
【0013】
クライアント21は、操作部211、インターフェース212、デコーダ214および表示装置215から構成される。
インターフェース212は、ネットワーク10を介してデータ送受信を実行するための装置である。操作部211はユーザによって操作される各種操作ボタン(図示せず)を有している。操作部211はこれらの操作ボタンによって所定の操作が行われたときデータ要求信号を出力する。また、デコーダ214は、符号化画像データを復号化する装置であり、この復号化された画像データ信号は表示装置215により表示が行われる。
クライアント22の構成は、上述したクライアント21と同一の構成を有しているため、その説明を省略する。
【0014】
ネットワーク10は1つの伝送路から構成され、サーバ11からクライアント21または22に要求されたデータを伝送する場合は、この1つの伝送路によってデータ伝送が行われる。すなわち、各クライアント21、22は、1つの伝送路を共有しデータの授受を行っている。
そして、このネットワーク10の単位時間あたりにデータ伝送できる容量(データ伝送レート許容量)に限界があるため、以下に説明を行うデータ伝送優先度Pの値を決定した上で、優先度順に各クライアントに対するデータ伝送レートが決定されることになる。
【0015】
A1−2:データ伝送優先度
データ伝送優先度Pとは、サーバ11が、データ伝送要求があった各クライアントに対して決定するパラメータである。
本実施形態に係るサーバ11に、クライアント21または22からデータ要求信号が供給されると、サーバ11の制御部15は、該クライアントの表示性能値Sと、該クライアントが要求したデータの画像パラメータGの値からデータ伝送優先度Pを決定する。このデータ伝送優先度Pは以下の式により演算される。
【0016】
P=S×G
S:データ要求をしたクライアントに係る表示性能値
G:該クライアントが要求した画像パラメータ
【0017】
表示性能値Sとは、クライアントが有する表示装置の仕様を表すパラメータであり、具体的には表示装置の画面の大きさおよび表示分解能の値により決定される値である。
本実施形態に係るネットワーク10に新規にクライアントを接続する場合、該クライアントはサーバ11に対して、該クライアントが有する表示装置の画面の大きさおよび表示装置の表示分解能の値を伝送する。サーバ11の制御部15は、これらの仕様パラメータの値とメモリ16に格納されている変換テーブルにより該クライアントに対する表示性能値Sを決定する。
【0018】
図2は、メモリ16に格納された変換テーブルの概略を示したものである。同図に示すように、表示装置の画面の大きさおよび表示装置の表示分解能の値から一義に表示性能値Sの値を決定することが可能である。具体的には、画面の大きさが大きいほど、表示性能値Sが高い値に決定され、表示分解能が高いほど、表示性能値Sが高い値に決定されるようになっている。
すなわち、クライアントが例えばホームシアタ表示装置のような大画面かつ高分解能の表示装置を有していると判断した場合、制御部15は、該クライアントの表示性能値Sを「10」と決定する。また、クライアントが例えば小型液晶モニタのような小画面で低い表示分解能の表示装置を有していると判断した場合、制御部15は、該クライアントの表示性能値Sを「1」と決定する。
【0019】
画像パラメータGとは、ハードディスク14に格納される画像データの各々について決定されるパラメータであり、データ伝送するに際してネットワーク上で必要とされる単位時間あたりの伝送容量(データ伝送レート)に相当するものである。本実施形態に係るサーバ11のハードディスク14に画像データを格納する場合、制御部15は、該画像データに含まれる量子化パラメータの値を検出することにより、該画像データをネットワーク上に伝送する時に必要となるデータ伝送レートを算出する。例えば、静止画に近く符号量が少ない画像データの画像パラメータGは小さな値に決定され、動画像で符号量が多い画像データの画像パラメータGは大きい値に決定される。
【0020】
上述した表示性能値Sおよび画像パラメータGの値は、制御部15によってメモリ16内の画像データメモリ17、クライアントメモリ18に格納される。
図3は、この画像データメモリ17およびクライアントメモリ18を模式的に示したものである。同図に示すように、画像データメモリ17には、ハードディスク14に格納されている画像データの画像パラメータGの値が格納され、クライアントメモリ18には、ネットワーク10に接続されるクライアントの表示性能値Sおよびデータ伝送優先度Pが格納される。また、クライアントメモリ18には、各クライアントに対する単位時間あたりの伝送データ量(使用データ伝送レートZ)も格納される。
【0021】
A2:実施形態の動作
以下、本実施形態に係る家庭内ネットワークシステム100の具体的動作を説明する。
図4は、本実施形態におけるサーバ11のメモリ16の内容の一例を示したものであり、ハードディスク14に2つの画像データa、bが格納された場合を示している。すなわち、画像パラメータG(ネットワーク伝送時に必要なデータレート)が400[Mbps]の画像データaと、200[Mbps]の画像データbがハードディスク14に格納されている場合を示している。
また、ネットワーク10上には、2つのクライアント21、22が接続され、各クライアントの表示性能値Sが「4」、「6」である場合を示している。
そして、このネットワーク10の単位時間あたりのデータ伝送容量の最大値(以下、最大データ伝送レートと記述)Zmaxが500[Mbps]である場合を想定する。
【0022】
以上の場合において、クライアント22から画像データbの伝送要求があった場合を考える。制御部15は、いずれかのクライアントからデータ伝送要求があった場合、図5にフローを示す制御プログラムを実行する。
クライアント22からのデータ伝送要求が制御部15に供給されると(ステップS100)、制御部15は、まず、クライアント22からのデータ要求であることを判別し(ステップS101)、クライアント22の表示性能値Sをクライアントメモリ18から読み出す(ステップS102)。そして、制御部15は、伝送要求のあったデータが画像データbであることを判別し(ステップS103)、画像データbの画像パラメータG(伝送時に必要なデータレート)を画像データメモリ17から読み出す(ステップS104)。
【0023】
そして、制御部15は、上述した表示性能値および画像パラメータの値により、クライアント22に対するデータ伝送優先度Pを演算し、クライアントメモリ18に格納する(ステップS105)。
すなわち、この例においては、クライアント22の表示性能値Sは「6」、画像パラメータGは「200」であるので、クライアント22に対するデータ伝送優先度Pの値「1200」がクライアントメモリ18に格納されることになる。
【0024】
次に、制御部15は、画像データbをデータレート200[Mbps](画像データbの画像パラメータGの値)でデータ伝送できるか否かを判断する(ステップS106)。すなわち、制御部15は、ネットワーク10の単位時間あたりに伝送しているデータ量(以下、使用データレートと記述)Zuseの値を検出し、この値と、ネットワークの最大データ伝送レートZmaxとを比較する。この例においては、使用データレートZuseは0[Mbps]であるので、制御部15は、画像データbをデータレート200[Mbps]でデータ伝送できると判断する(ステップS106のYES)。その後、制御部15は、ハードディスク14に格納されている画像データbを取り出し、実際のデータ伝送を開始し(ステップS107)、本フローに示す制御プログラムを終了させる(ステップS108)。
【0025】
次に、クライアント21から画像データaの伝送要求があった場合を考える。この場合も、制御部15は、図5にフローを示す制御プログラムを実行する。
制御部15は、データ要求を行ったクライアント21の表示性能値Sをクライアントメモリ18から読み出し(ステップS101、S102)、伝送要求のあった画像データaの画像パラメータGを画像データメモリ17から読み出す(ステップS103、S104)。
【0026】
この例においては、クライアント21の表示性能値Sは「4」、画像パラメータGは「400」であるので、クライアント21に対するデータ伝送優先度Pの値「1600」がクライアントメモリ18に格納されることになる。
図6は、この時点の画像データメモリ17およびクライアントメモリ18の具体的内容を示したものである。
【0027】
そして、制御部15は、画像データaをデータレート400[Mbps](画像データaの画像パラメータGの値)でデータ伝送できるか否かを判断する(ステップS106)。この例においては、すでにクライアント22に対するデータ伝送が行われており、使用データレートZuseは200[Mbps]である。よって、制御部15は、画像データaをデータレート400[Mbps]ではデータ伝送できないと判断する(ステップS106のNO)。この場合、制御部15は、各クライアントに対するデータ伝送レートの値を補正する制御をする(ステップS109)。
【0028】
制御部15は、各クライアントに対するデータ伝送レートの補正を行う必要が生じた場合(図5のステップS109)、図7にフローを示す制御プログラムを実行する。
制御部15は、まず、データ伝送優先度Pの値が高い順に、クライアントに優先度順位をつける(ステップS62)。上記例では、図6にも示すように、クライアント21のデータ伝送優先度Pが「1600」、クライアント22のデータ伝送優先度Pは「1400」であるので、優先度順位はクライアント21が「1」、クライアント22が「2」と決定される。
【0029】
次に、制御部15は、以下の式を満たす自然数iの最大値を求める(ステップS63)。
【0030】
1〜n:優先度順位(nつのクライアントからデータ要求があった場合の例)
Gi:優先度順位がiであるクライアントが要求した画像データの画像パラメータ(伝送時に必要なデータレート)
k:補正係数
Zmax:最大データ伝送レート
【0031】
本実施形態においては上式における補正係数kを0.5として演算する。すなわち、ネットワークの最大データ伝送レートZmaxが問題となる場合は、データ伝送優先度Pの値が低いクライアントが要求した画像データの符号量を半分に再符号化した上でデータ伝送を行うのである。
【0032】
上記式を、クライアント21、22に対する例に適用すると、G1はクライアント21が要求した画像データaの画像パラメータ“400[Mbps]”、G2はクライアント22が要求した画像データbの画像パラメータ“200[Mbps]”となる。また最大データ伝送レートZmaxは“500[Mbps]”であるので、上記式を満たす自然数iの最大値は1であることが以下の式により判別される。
【0033】
400+0.5×200=500(≦500)
【0034】
すなわち、データ伝送優先度Pの低いクライアント22のデータ伝送レート200[Mbps]を100[Mbps]に補正することにより、データ伝送優先度Pの高いクライアント21のデータ伝送容量400[Mbps]を確保することが可能になるのである。
【0035】
制御部15は、このようにクライアント21および22に対するデータ伝送容量を決定し(ステップS64)、図7にフローを示す制御プログラムを終了させる(ステップS65)。そして、図5に示すフローにおいて、実際のデータ伝送を開始させる(図5のステップS107)。
具体的には、制御部15はハードディスク14から取り出した画像データbをトランスコーダ13に供給すると同時に、データレートを半分にする再符号化を行わせるための命令信号を供給する。そして、制御部15は、トランスコーダ13により再符号化が行われた画像データbについて、クライアント22に対するデータ伝送を開始する。
そしてその後、制御部15は、図5にフローを示す制御プログラムを終了させる(図5のステップS108)。
【0036】
図8は、この時点における、メモリ16内の画像データメモリ17およびクライアントメモリ18の内容を模式的に示したものである。同図にも示すように、表示性能値Sのみを考えた場合は、クライアント22の値の方が高い。しかし、伝送要求したデータに係る画像パラメータ(必要とされるデータ伝送レート)Gの値まで考慮した上でデータ伝送優先度Pは決定されるため、クライアント21が要求した画像データaのデータ伝送レートが優先的に確保されることになるのである。
【0037】
A3:実施形態の効果
以上、本実施形態の説明を行ったが、上述したように、制御部15は、いずれかのクライアントからデータ伝送要求があった場合、まず、該クライアントに係る表示性能値Sおよび該クライアントが要求したデータに係る画像パラメータG(伝送時に必要なデータレート)から、該クライアントに対するデータ伝送優先度Pを決定する。そして、単位時間あたりにネットワーク10を伝送できるデータ容量限界(最大データ伝送レート)Zmaxを超えるようなデータ要求が生じた場合、制御部15は、データ伝送優先度Pの値に応じて各クライアントに対するデータ伝送レートを補正する。
よって、クライアントに係る表示性能値Sだけでなく、該クライアントが要求したデータに係る画像パラメータGも考慮した上で、各クライアントに対するデータ伝送レートを決定するため、限られたネットワークのデータ伝送容量を常に有効に活用することが可能である。
【0038】
B:変形例
以上、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記実施形態は例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形が可能である。例えば以下のような変形例が考えられる。
【0039】
(変形例1)
上記実施形態においては、ハードディスク14内に格納される画像データは固定レート符号化が行われているものと想定しているが、可変レートで符号化が行われたものが格納されている場合にも本発明の適用は可能である。
この場合は、所定時間毎にデータ伝送優先度Pを演算することとし、所定時間毎に各クライアントに対するデータ伝送レートの値を見直すことにすれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0040】
(変形例2)
また、ハードディスク14内に格納される画像データは符号化されていなくてもよい。この場合は、例えば、サーバに、トランスコーダの変わりにエンコーダを設ければ本発明の適用が可能である。制御部15は、各クライアントに対するデータ伝送優先度Pの値を求め、そのデータ伝送優先度Pの値に応じた符号圧縮率を決定する。そして、この符号圧縮率によりエンコーダで符号化を行ったデータを伝送すれば、上述実施形態と同様の効果が得られる。
【0041】
(変形例3)
ネットワーク上にデータ送信装置(サーバ)を複数存在させてもよい。
図9は、サーバが2つ、クライアントが2つ存在するネットワークシステムの例を示したものであるが、ここではさらにホストを設置している。すなわち、このホストは、上記実施形態に係る画像データメモリ17およびクライアントメモリ18に相当するメモリを包含し、制御部15に相当する制御動作を行っている。その他の構成、効果は上記実施形態と同様であるのでその説明は省略する。
【0042】
(変形例4)
また、上記実施実施形態に係るデータ優先度Pの演算方法も任意に変形が可能である。例えば、クライアントの表示性能値Sの値が一定以上(例えば「5」以上)である場合は、データ伝送優先度Pを高く決定するようにして、該クライアントに対してのデータ伝送レートを保証することとしてもよい。
また、クライアント側からもデータ優先度Pの値を補正することを可能にしてもよい。
【0043】
(変形例5)
さらに、各クライアントに対するデータ伝送レートの補正方法についても任意に変形が可能である。本実施形態においては、データ伝送優先度Pの値のみにより各クライアントに対するデータ伝送レートの補正を行ったが、時間的に先にデータ要求を行ったクライアントに対しては、データ伝送レートの補正を行わないようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るネットワークシステムにおいては、各データ受信装置(クライアント)からデータ伝送要求があった場合、該クライアントの有する表示装置の仕様を表す値(表示性能値S)だけでなく、該クライアントが要求した画像データの仕様(画像パラメータG)の値まで考慮した上で、該クライアントに対するデータ伝送優先度Pを決定している。そして、データ送信装置(サーバ)は、単位時間あたりにネットワーク上を伝送可能なデータ容量の限界を超えるようなデータ要求が生じた場合、上記データ伝送優先度Pの値に応じて各クライアントに対するデータ伝送レートを補正する。
よって、クライアントに係る表示性能値Sだけでなく、該クライアントが要求したデータに係る画像パラメータGにも応じたネットワークのデータ伝送容量を常に有効に活用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における家庭内ネットワークシステムのブロック図である。
【図2】 同表示性能値を説明するための図である。
【図3】 同メモリの内容を示す模式図である。
【図4】 同メモリの内容を示す模式図である。
【図5】 同制御部におけるクライアントからデータ要求があった場合のフローチャートである。
【図6】 同メモリの内容を示す模式図である。
【図7】 同制御部における各クライアントに対するデータ伝送容量の見直し補正を行う際のフローチャートである。
【図8】 同メモリの内容を示す模式図である。
【図9】 本発明の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
100……家庭内ネットワークシステム、
10……ネットワーク、11……データ送信装置(サーバ)、12……インターフェース、13……トランスコーダ、14……ハードディスク、15……制御部、16……メモリ、17……画像データメモリ、18……クライアントメモリ、21、22……データ受信装置(クライアント)、211……操作部、212……インターフェース、214……デコーダ、215……表示装置。
Claims (2)
- ネットワーク上にデータ送信装置および複数のデータ受信装置が接続され、データ伝送要求のあったデータ受信装置に対して、前記データ送信装置から前記ネットワークを介し所定のデータが供給されるデータサーバシステムであって、
前記データ伝送要求のあったデータ受信装置が有する表示装置の仕様を記憶する表示仕様記憶手段と、
要求のあったデータを前記ネットワーク上を伝送する際に必要となるデータ伝送レートを記憶するレート記憶手段と、
前記ネットワークにおいて既に使用されているデータ伝送レートを記憶する使用レート記憶手段と、
新たにデータ伝送要求を行ったデータ受信装置が要求するデータ伝送レートが、前記使用レート記憶手段から判断されるネットワークの空き伝送レートよりも大きい場合は、前記表示仕様記憶手段および前記レート記憶手段により記憶された内容に基づき、データ伝送要求のあった各データ受信装置に対するデータ伝送レートを変更するデータ伝送レート変更手段と
を有することを特徴とするデータサーバシステム。 - 前記表示仕様記憶手段、前記レート記憶手段、前記使用レート記憶手段、前記データ伝送レート変更手段のうち少なくとも1つが前記データ送信装置に具備することを特徴とする
請求項1に記載のデータサーバシステム。
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