JP3811592B2 - 粘性材料供給方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤やクリーム半田や導電ペーストなどの粘性材料を回路基板等の被塗布物上にスクリーンマスクを介して所定パターンで塗布する塗布ユニットに粘性材料を供給する粘性材料供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の粘性材料塗布装置として、図13(a)〜(e)に示すように、接着剤やクリーム半田などの粘性材料4をスクリーンマスク53を介して被塗布物50である回路基板等のランド51上に塗布するスクリーン印刷装置が一般的に知られている。
【0003】
スクリーンマスク53は被塗布物50のランド51に対応する所定パターンで配置された貫通穴からなる開口52を有しており、(a)、(b)に示すように、このスクリーンマスク53に対して図示しないテーブル部により被塗布物50を位置決めして接触させる。次に、(c)に示すように、スクリーンマスク53の一端に供給した粘性材料4をスキージ54により所定方向に移動させることにより、開口52内に粘性材料4を充填する。次に、(d)に示すように、被塗布物50をスクリーンマスク53から離すことにより、(e)に示すように、開口52内の粘性材料4を被塗布物50のランド51上に転写させ、粘性材料4を被塗布物50のランド51上に塗布している。
【0004】
また、特開平4−284249号公報においては、粘性材料を大気から遮断した状態で収容する閉鎖容器と、閉鎖容器と連通するとともにスクリーンマスクに実質的に密着する吐出口と、吐出口近傍で粘性材料の粘度を調整する攪拌ローラと、閉鎖容器内の粘性材料上に配置されたピストン上に気体圧を供給して粘性材料を押圧し、吐出口から粘性材料を吐出させる吐出圧供給手段とを備えた密閉タイプのスキージが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の粘性材料塗布装置では、スクリーンマスク53上をスキージ54を移動させて粘性材料4を開口52に充填する方式であるため、また粘性材料4が常時空気に触れているため、粘性材料4の状態が変化し易く、安定した塗布ができなくなる恐れがあるという問題があり、またスキージ54からはみ出した粘性材料4をスキージ54内に掻き寄せなくてはならないという問題があった。
【0006】
また、適正な塗布状態を得るために多くのノウハウがあって、熟練した技術者が必要であり、特に近年の開口52のファインピッチ化に対処し、かつ高速化の要請も満足しながら適正に塗布するのは一層困難であるため、ますますノウハウと熟練を要するという問題があった。
【0007】
一方、上記特開平4−284249号公報に開示された構成では、粘性材料4を掻き寄せる必要がなく、また粘性材料4が空気に触れず状態が変化することも抑制できるが、吐出口をスクリーンマスクに実質的に密着させるように位置決めしているだけであるため、ファインピッチ化や高速化に対応しながら粘性材料のはみ出しを防止するために強く密着させるようにすると、被塗布物50がスクリーンマスクから離れる際にスクリーンマスクに変形を生じ、粘性材料の転写性を損なうという問題があり、逆にスクリーンマスクに変形が生じないように密着力を設定すると、ファインピッチ化や高速化に対応するように吐出圧を大きくすると、粘性材料がはみ出してしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、粘性材料が常時空気に触れるのを防止して安定して塗布することができる塗布ユニットに、粘性材料がはみ出すことなく、かつスクリーンマスクが変形せずに、粘性材料を供給できる粘性材料供給方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の粘性材料供給方法は、粘性材料の貯留室を有し、貯留室に連通して粘性材料の吐出口が設けられ、貯留室に粘性材料を供給する粘性材料供給手段が連結され、貯留室内の粘性材料に吐出圧を付与する吐出圧調整手段が設けられ、弾性を有する2枚のブレードが下方に向けて互いに接近してその先端に吐出口を設けた塗布ユニットを用い、被塗布物に対応した開口を有するスクリーンマスクと塗布ユニットの吐出口とを接触させ、貯留室の粘性材料に吐出圧を付与しながら塗布ユニットとスクリーンマスクを相対移動させ、被塗布物をスクリーンマスクに位置決めするテーブル部によって支持された被塗布物に粘性材料を塗布する粘性材料塗布方法において粘性材料供給手段にて貯留室に粘性材料を供給する粘性材料供給開始時には、前記テーブル部を前記スクリーンマスクの下面に当接させた後、吐出口とスクリーンマスクを押し付け、押し付けた状態で粘性材料の供給を開始し、粘性材料供給終了時には吐出口とスクリーンマスクが当接する位置に塗布ユニットを位置させた後、前記テーブル部を下降させるものであり、貯留室内に粘性材料を貯留し、粘性材料が常時空気に触れることがなく、粘性材料の変質を防いで安定して塗布することができる塗布ユニット内に粘性材料を供給する際に、テーブル部を前記スクリーンマスクの下面に当接させた後、塗布ユニットの吐出口をスクリーンマスクに押し付けているので、スクリーンマスクを変形させずに粘性材料が漏れ出すのを確実に防止して粘性材料を供給することができる。
【0011】
また、粘性材料を貯留室に供給するときに、粘性材料が最終到達する位置近傍で圧力を検出して粘性材料の供給を制御するのが好ましい。
【0012】
また、貯留室にその両端からそれぞれの粘性材料供給手段にて粘性材料を供給するとともに、貯留室の両端又はその近傍で圧力を検出し、両端の粘性材料供給手段による供給状態のモニタ及び供給制御を行うこともできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態の粘性材料塗布装置について、図1〜図9を参照して説明する。
【0024】
粘性材料塗布装置の全体概略構成を示す図1において、被塗布物50は搬送部55aにより装置内に搬送され、スクリーンマスク53の下部に配置されているテーブル部56に位置決め固定される。テーブル部56は被塗布物50をスクリーンマスク53に当接させるための上下機構(図示せず)を有している。また、被塗布物50とスクリーンマスク53のX、Y、θ方向の相対位置を合わせるためのX、Y、θ位置決め機構(図示せず)が、テーブル部56又はスクリーンマスク53のどちらかに設けられている。
【0025】
スクリーンマスク53の上部には塗布ヘッド57が配設されており、被塗布物50をスクリーンマスク53に当接させた後、塗布ヘッド57をスクリーンマスク53に押し付け、その状態で水平駆動手段58にて移動させることにより被塗布物50に粘性材料を塗布する。塗布終了後、被塗布物50は搬送部55bにより後工程に搬送される。
【0026】
塗布ヘッド57は、図2に示すように、材料供給部1、エア供給部2、塗布ユニット3から主構成されている。材料供給部1は、接着剤やクリーム半田等の粘性材料4がシリンジ状の収納タンク1bに収容されており、材料供給用の圧縮エアによってプランジャ1aが作動して粘性材料4が加圧され、塗布ユニット3における粘性材料4の貯留室であるチャンバ3a内に粘性材料4が充満するように圧送される。
【0027】
塗布ユニット3のチャンバ3aと材料供給部1とはジョイント5によって連結されており、ジョイント5に設けられた供給通路5aを通過して粘性材料4がチャンバ3a内に供給される。
【0028】
チャンバ3aの下部両側には、弾性を有する薄板からなる2枚のブレード6が、下方に向けて互いに接近してその先端間に10mm程度の間隔があくようにブレード押え7によって取付けられており、2枚のブレード6間の開口により、粘性材料4を吐出する吐出口8が形成されている。ブレード6は、例えば0.1〜0.5mm程度の銅やステンレスや樹脂などの薄板にて構成されるが、特にポリイミドやポリアミド・イミド等の樹脂材料が好適である。
【0029】
2枚のブレード6の両端にはストッパ9が配置されており、粘性材料4がチャンバ3aから漏れるのを防いでおり、粘性材料4にかかる圧力によりストッパ9が外れないようにジョイント5により押さえられている。
【0030】
チャンバ3aの吐出口8とは反対側、即ちチャンバ3aの上部には、吐出口8と対向させて、チャンバ3a内に一部が臨むように、くぼみを有したシートからなる袋10がチャンバ3aの長手方向に沿ってほぼ全長にわたって配設されており、チャンバ3aとその上部を閉鎖するプレート3bとにより挟み込まれて固定されている。袋10はエア供給部2からエアポート2aを介してエアが供給及び排出されることにより、内部容積が増減するように構成されている。袋10は、厚みが0.03から1mm程度のウレタンエラストマーやポリエチレンやナイロン等の樹脂材にて構成され、より好ましい厚みは0.3から0.5mm程度である。ここで、袋10の厚みは、供給されるエアの圧力にもよるが、薄すぎると破れる恐れがあり、また厚すぎると膨張収縮の応答性が悪くなる恐れがある。
【0031】
チャンバ3a内に粘性材料を供給した後、袋10にエアを供給すると、粘性材料4を所定の圧力で押すことができ、粘性材料4の塗布時の吐出圧を付与することができ、袋10からエアを排出すると、瞬時に吐出圧を解除することができる。
【0032】
なお、上記袋10などから成る吐出圧調整手段はチャンバ3aなどの貯留室の上方、又は吐出口8と反対側に配設するのが好適である。
【0033】
袋10のチャンバ3aとプレート3bとで挟まれて固定されている部分において、袋10の下面にエアを抜くためのエア抜きシート11が配置されており、材料供給部1からチャンバ3a内に最初に粘性材料4が供給される際に、チャンバ3a内のエアがエア抜きシート11から抜けるようになっている。
【0034】
チャンバ3aの中央は、袋10が配設されず、この部分にチャンバ3a内の粘性材料4の圧力を検出するために圧力検出手段12が設けられている。
【0035】
次に、塗布ユニット3の動作について説明する。
【0036】
チャンバ3aに粘性材料4を供給する動作を、図3を参照して説明すると、塗布ユニット3内に粘性材料4がない初期状態で、まず塗布ユニット3を塗布ヘッド57にセッティングした後、塗布ユニット3の吐出口8をスクリーンマスク53に当接させる。次に、テーブル部56をスクリーンマスク53の下面に当接させてスクリーンマスク53を支持した後、吐出口8をスクリーンマスク53に押し付ける。この押し付け状態で材料供給部1から塗布ユニット3内に粘性材料4を供給することによって、チャンバ3a内に粘性材料4が充満しても粘性材料4がスクリーンマスク53上にはみださないようにできる。
【0037】
粘性材料4をチャンバ3a内に供給する際には袋10を膨らませておき、チャンバ3a内に配置してある圧力検出手段12により検出した粘性材料4の圧力が所定圧力に達すると、粘性材料4の供給を停止し、袋10のエアを排出することにより、粘性材料4の供給によりチャンバ3a内にかかっている残圧を除去することができる。その後、吐出口8がスクリーンマスク53に当接する位置に塗布ユニット3を上昇させる。これによってスクリーンマスク53の変形を防止できる。次に、テーブル部56を下降させ、被塗布物50を搬入できる位置に位置決めする。粘性材料4の供給時に吐出口8をスクリーンマスク53に押し付ける押し付け量は、粘性材料4の種類により材料供給部1の押し出し圧力が異なるので、0.5から2mm程度が好適である。
【0038】
以上、チャンバ3a内に粘性材料4が無い状態での粘性材料4の供給について説明したが、塗布を繰り返し行うことによりチャンバ3a内の粘性材料4は減ってくるので、チャンバ3a内に粘性材料4を補充供給する必要があるが、この場合も同様にして粘性材料4を供給することができる。補充供給のタイミングとしては、予め塗布回数を粘性材料塗布装置の制御部に設定しておいても良いし、チャンバ3a内に設けてある圧力検出手段12によりチャンバ3a内の圧力を検出し、塗布に必要な圧力の下限値に達した時に補充供給するようにしても良い。
【0039】
次に、被塗布物50に粘性材料4を塗布する塗布ユニット3の動作について、図4を参照して説明する。
【0040】
被塗布物50は搬送部55aにより搬送され、テーブル部56に位置決め固定される。次に、テーブル部56をスクリーンマスク53の下面に当接させることにより、被塗布物50をスクリーンマスク53に当接させる。塗布ユニット3の吐出口8は、チャンバ3a内に粘性材料4を供給した後は常時スクリーンマスク53に当接させた状態にあり、テーブル部56がスクリーンマスク53に当接した後に、吐出口8をスクリーンマスク53に押し付ける。
【0041】
この状態でエア供給部2から袋10へエアを供給することにより、チャンバ3a内の粘性材料4に吐出圧をかけることができるとともに、粘性材料4がスクリーンマスク53上にはみ出さないようにできる。また、このときチャンバ3a内に配置してある圧力検出手段12により粘性材料4の圧力を検出し、検出した圧力が塗布に必要な所定圧力に達していることを確認しておくと、塗布不良を発生させないことができるので好適である。また、チャンバ3a内の上部でその長手方向略全長にわたって配設された可撓性のある袋10にエア圧をかけて粘性材料4に吐出圧をかけるので、全体に均等にかつ応答性よく、高い精度で所定の吐出圧を付与することができる。
【0042】
ここで、水平駆動手段58により塗布ユニット3をスクリーンマスク53上を移動させると、スクリーンマスク53の開口52に粘性材料4を充填することができる。全ての開口52に粘性材料4を充填できるだけ塗布ユニット3を移動させた後、塗布ユニット3のスクリーンマスク53に対する押し付けを解除して吐出口8がスクリーンマスク53に当接した状態に復帰させ、その後テーブル部56を下降させてスクリーンマスク53から被塗布物50を離すと、スクリーンマスク53を変形させることなく、開口52内に粘性材料4が被塗布物50に転写不良を生じることなく転写される。その後、被塗布物50は搬送部55bにより後工程へ搬出される。
【0043】
以上のように、粘性材料4を供給する時及び被塗布物50に塗布する時など、塗布ユニット3を動作させるときは、塗布ユニット3をスクリーンマスク53に押し付け、動作させていないときはスクリーンマスク53に当接した状態にしている。スクリーンマスク53に押し付けるのは、上述のようにチャンバ3a内から粘性材料4がはみ出し、スクリーンマスク53上に漏らさないためであり、動作させていないときにスクリーンマスク53に当接した状態にするのは、スクリーンマスク53にダメージを与えないためと、テーブル部56を下降させてスクリーンマスク53から離す時にスクリーンマスク53を変形させて粘性材料4の転写不良を発生するのを防ぐためである。これにより、塗布品質の安定化とスクリーンマスク53の長寿命化を図ることができる。
【0044】
次に、上記動作を行うための塗布ヘッド57の詳細構成を、図5を参照して説明する。
【0045】
塗布ユニット3は、ブロック13を介してプレート14に取付けられ、プレート14はピン15を介してその軸芯まわりに揺動自在にプレート16に取付けられている。この取付構成は、スクリーンマスク53と塗布ユニット3とは必ずしも平行に取付けられるわけではないので、吐出口8をスクリーンマスク53に密着させるために好適である。但し、そのままでは塗布ユニット3が傾いたりして不安定なので、ストッパ17がプレート16の両端に設けられている。
【0046】
プレート16は、その両端に取付けられたシャフト19がガイド18にて上下移動自在に支持され、かつ上下駆動手段であるシリンダ20にてスクリーンマスク53に対して垂直方向に上下移動することができるように構成されている。シリンダ20は上下の2位置しか位置決めすることができないので、ストローク調整用のストッパ部21、22を設けて、シリンダ20のストロークを多段階に設定し、上記のように塗布ヘッド57をスクリーンマスク53に当接した状態と押し付けた状態に任意に位置決めできるように構成されている。また、このようにシリンダ20を用いることにより、塗布ユニット3と従来のスキージとを交換して使用することもできる。
【0047】
次に、ストッパ部21、22の構成を、図6を参照して説明する。(a)はストッパ部21、(b)はストッパ部22を示している。両ストッパ部21、22は基本的に同一構成であり、図中では対応する構成要素に同一参照番号を付すとともに、その後にa、b、又はcを付加して相違点の区別を行っており、以下の説明では必要のない限り、参照番号のみを付して説明する。ストッパ部21、22は、シリンダ23と、ピン24を支点として揺動自在で、その一端がシリンダ23に連結され、他端に当たり面26が形成されたL字状のレバー25と、シャフト19の先端部に当たり面26に当接可能に取付けられたカムフォロア27にて構成されている。レバー25aには当たり面26aが、レバー25bには当たり面26b、26cが形成されている。
【0048】
次に、ストッパ部21、22の動作を図7を参照して説明する。(a)は粘性材料4を塗布ユニット3に供給するとき、(b)は粘性材料4を塗布するとき、(c)は吐出口8をスクリーンマスク53に当接させるとき、(d)は両ストッパ部21、22が共に位置決め作用を解除した位置決め開放位置にある状態で、従来のスキージを用いる時及び塗布ユニット3をスクリーンマスク53に当接せずに上昇させる時を示している。
【0049】
粘性材料4を塗布ユニット3に供給するときには、(a)に示すように、ストッパ部21のシリンダ23aを先にオンさせた状態で、シリンダ20にて塗布ユニット3を下降させ、カムフォロア27aをレバー25aの当たり面26aに当てる。その後、ストッパ部22のシリンダ23bをオンさせると、レバー25bの当たり面26b、26cがカムフォロア27bの上下に対して適当な間隔があいた状態で対向位置する。この状態は、例えば吐出口8がスクリーンマスク53に対して1mm押し付けられている状態である。
【0050】
次に、粘性材料4を塗布するときには、(b)に示すように、ストッパ部21のシリンダ23aをオフさせてカムフォロア27aを当たり面26aから外し、ストッパ部22のシリンダ23bをオンさせたままで、シリンダ20にて塗布ユニット3をさらに下降させ、カムフォロア27bをレバー25bの当たり面26cに当てる。この状態は、例えば吐出口8がスクリーンマスク53に対して2mm押し付けられている状態である。
【0051】
次に、吐出口8がスクリーンマスク53に当接した状態にするときには、(c)に示すように、同様にストッパ部21のシリンダ23aをオフさせ、ストッパ部22のシリンダ23bをオンさせたままで、シリンダ20にて塗布ユニット3を上昇させ、カムフォロア27bをレバー25bの当たり面26bに当てる。この状態は、吐出口8がスクリーンマスク53に当接している状態である。
【0052】
次に、塗布ユニット3を大きく上方に上昇させて待機させたり、従来のスキージ54を用いる状態にするときには、(d)に示すように、両ストッパ部21、22のシリンダ23a、23bをともにオフさせる。この状態は、シリンダ20にて塗布ユニット3又はスキージ54を任意に上下移動させることができる状態である。
【0053】
このように、スキージ54を使用する場合は、上下の位置決めをすることなくシリンダ20の出力荷重のみで塗布を行った方が好適である。一方、塗布ユニット3で塗布する場合は、粘性材料4を塗布ユニット3内に貯留しているため、塗布により粘性材料4の量が変わるので、スクリーンマスク53に対して上下方向の位置決めで塗布を行った方が好適である。
【0054】
なお、図7では粘性材料4をチャンバ3a内に供給する時と、塗布する時で、塗布ユニット3の高さを変えたが、同じ高さで供給と塗布を行ってもよい。
【0055】
また、図5で示したガイド18及びシャフト19とシリンダ20とストッパ部21、22と同じものを、後ろ側にもう1セット設け、押し込みレバー28を介して同じ動作を行い、塗布ユニット3をサポートすることにより、塗布ユニット3がスクリーンマスク53を押す反力を受けることができて好適である。
【0056】
なお、上記の構成では、シリンダ20とストッパ部21、22で、塗布ユニット3の上下駆動及びストローク調整を行ったが、図示しないが、モータによって駆動及び位置決めを行うようにしても、同等の効果を得ることができる。
【0057】
次に、材料供給部1からチャンバ3aへ粘性材料4を供給するジョイント5の詳細について、図8を参照して説明する。
【0058】
ジョイント5は、材料供給部1と塗布ユニット3とに連結されており、貫通形成された供給通路5aを通じて粘性材料4をチャンバ3aへ供給する。供給通路5aは、材料供給部1から粘性材料4が入る粘性材料4の入口5a−1とチャンバ3aに臨んで粘性材料4をチャンバ3aに供給する出口5a−2を有している。材料供給部1の粘性材料4の出口は、直径約8mm程度であるので、入口5a−1もほぼ同じ大きさであるが、チャンバ3aは粘性材料4を貯留するため断面が大きいので、出口5a−2も入口5a−1と同様の大きさ・形状であると、チャンバ3aの端にある粘性材料4はチャンバ3aの中央ヘ移動することが困難となる。そこで、図8に示すように、出口5a−2はできるだけ大きい方が好適である。ここで、材料供給部1は垂直方向に取付けているので、供給通路5aは上下方向に曲率を有し、かつ入口5a−1から出口5a−2に向けて断面積が徐々に大きくなるとともにチャンバ3aの幅寸法に近づくように幅広となる断面形状の曲面にて構成されている。このような構成により、粘性材料4が流動しやすく、供給するための力も小さくでき、供給する時間も短くすることができ、さらにチャンバ3aの端の粘性材料4を確実に中央に移動させることができる。
【0059】
また、チャンバ3aの端から粘性材料4を供給することにより、順次新しい粘性材料4がチャンバ3a内に貯留されるので、チャンバ3aの途中から供給するのに比べ、チャンバ3a内に古い粘性材料4が残らないため、塗布品質を安定させることができる。
【0060】
また、ジョイント5内の供給通路5aまたはチャンバ3a内をフッ素コート等にて表面処理すると、供給にかかる時間を多少であるが短縮することができて好適である。
【0061】
以上の説明では、図2に示したように、塗布ユニット3の両端から粘性材料4を供給し、粘性材料4がチャンバ3a内で最終到達する中央に圧力検出手段12を設け、チャンバ3a内が粘性材料4で満たされたことを検出するようにしたが、図9に示すように、チャンバ3a内の両端部又は両端のジョイント5の供給通路5aにも圧力検出手段12を配設し、両端の材料供給部1から供給される粘性材料4の各々の圧力を検出するようにしてもよい。このようにチャンバ3aの両端での粘性材料4の供給圧力を検出することで、両端からの供給バランスを検出し、大きくバランスが崩れている場合に異常警告を行ったり、材料供給用のエア圧を調整したりすることが可能となる。また、異常検出時に両端の材料供給部1の内、異常の無かった方の材料供給部1からのみ粘性材料4を供給し、他方の圧力検出手段12にてチャンバ3a内に粘性材料4が満たされたことを検出するようにしたり、あるいは異常のない状態でも、塗布ユニット3の移動方向に応じて交互にいずれか一方の材料供給部1から供給するようにすることができる。また、燃料供給を片側ずつ行い、一方の材料供給部1が空になったら他方の材料供給部1から供給するようにしたり、またいずれか一方の材料供給部1内の粘性材料4が空になった場合に他方の材料供給部1からのみ供給して稼働を継続するようにすることもでき、その際に圧力検出手段12を材料供給部1が空になったときの判断手段とすることができる。
【0062】
また、被塗布物50が小さい場合には、塗布ユニット3も小さくて良く、その場合には、図10(a)又は(b)に示すように、塗布ユニット3の片側端から粘性材料4を供給するようにしてもよい。この場合、圧力検出手段12は粘性材料4が最終到達する材料供給部1とは反対側端に設けるのがよい。図10(a)ではチャンバ3aの端部の上部に、図10(b)ではチャンバ3aの端壁に圧力検出手段12を配設している。
【0063】
また、上記実施形態では、チャンバ3a内で粘性材料4を加圧する手段として、袋10を用いたが、図11(a)に示すように、チャンバ3aにピストン等の加圧手段29を臨ませて粘性材料4を加圧するようにしたり、図11(b)に示すように、チャンバ3aの上部に粘性材料4を収納し、粘性材料4が通過できる貫通穴30aを有した容器30を設け、シリンダ等による押し込み手段31によりチャンバ3a内に粘性材料4を供給するとともに加圧するようにした構成でも、同様に安定して塗布を行うことができる。
【0064】
また、以上の実施形態では、スクリーンマスク53は移動させずに塗布ユニット3側を移動させる例についてのみ説明したが、逆に塗布ユニット3は移動させずに、スクリーンマスク53や被塗布物50を移動させるように構成しても、同様に作用してその効果を奏することができる。
【0065】
また、以上の実施形態では、図12(a)に示すように、スクリーンマスク53の下面に被塗布物50を配置し、塗布ユニット3から吐出した粘性材料4をスクリーンマスク53の開口52を通して被塗布物50のランド51上に塗布して印刷する例を示したが、本発明は、図12(b)に示すように、被塗布物50に形成されている凹部又は貫通穴内に粘性材料4を充填塗布する場合にも適用でき、この場合も同様の効果を奏することができる。
【0066】
【発明の効果】
本発明の粘性材料供給方法によれば、以上の説明から明らかなように、貯留室内に粘性材料を貯留し、粘性材料が常時空気に触れることがなく、粘性材料の変質を防いで安定して塗布することができる塗布ユニット内に粘性材料を供給する際に、テーブル部を前記スクリーンマスクの下面に当接させた後、塗布ユニットの吐出口をスクリーンマスクに押し付けて粘性材料を供給し供給終了時には、吐出口とスクリーンマスクが当接する位置に塗布ユニットを位置させた後、前記テーブル部を下降させているので、スクリーンマスクを変形させずに粘性材料が漏れ出すのを確実に防止して粘性材料を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘性材料塗布装置の一実施形態の全体構成を示す正面図である。
【図2】同実施形態の塗布ヘッドの構成を示し、(a)は縦断正面図、(b)は縦断側面図である。
【図3】同実施形態における供給動作フロー図である。
【図4】同実施形態における塗布動作フロー図である。
【図5】同実施形態の塗布ヘッドの構成を示す部分断面正面図である。
【図6】同実施形態の塗布ヘッドにおけるストッパ部の構成を示す側面図である。
【図7】同実施形態の塗布ヘッドにおけるストッパ部の動作説明図である。
【図8】同実施形態における粘性材料の供給経路を示す斜視図である。
【図9】同実施形態における圧力検出手段の配設状態の変形例を示す要部の縦断正面図である。
【図10】同実施形態の他の変形例の全体構成を示す正面図である。
【図11】本発明の粘性材料塗布装置のその他の各種実施形態の縦断側面図である。
【図12】本発明の各実施形態の他の適用例の説明図である。
【図13】従来例のスクリーン印刷方式の説明図である。
【符号の説明】
1 材料供給部(粘性材料供給手段)
2 エア供給部(吐出圧調整手段)
3 塗布ユニット
3a チャンバ(貯留室)
4 粘性材料
5 ジョイント
5a 供給通路
6 ブレード
8 吐出口
9 ストッパ
10 袋(吐出圧調整手段)
12 圧力検出手段
20 シリンダ(位置決め手段)
21、22 ストッパ部
26a、26b、26c 当たり面
27a、27b カムフォロア
50 被塗布物
53 スクリーンマスク

Claims (3)

  1. 粘性材料の貯留室を有し、貯留室に連通して粘性材料の吐出口が設けられ、貯留室に粘性材料を供給する粘性材料供給手段が連結され、貯留室内の粘性材料に吐出圧を付与する吐出圧調整手段が設けられ、弾性を有する2枚のブレードが下方に向けて互いに接近してその先端に吐出口を設けた塗布ユニットを用い、被塗布物に対応した開口を有するスクリーンマスクと塗布ユニットの吐出口とを接触させ、貯留室の粘性材料に吐出圧を付与しながら塗布ユニットとスクリーンマスクを相対移動させ、被塗布物をスクリーンマスクに位置決めするテーブル部によって支持された被塗布物に粘性材料を塗布する粘性材料塗布方法において粘性材料供給手段にて貯留室に粘性材料を供給する粘性材料供給開始時には、前記テーブル部を前記スクリーンマスクの下面に当接させた後、吐出口とスクリーンマスクを押し付け、押し付けた状態で粘性材料の供給を開始し、粘性材料供給終了時には吐出口とスクリーンマスクが当接する位置に塗布ユニットを位置させた後、前記テーブル部を下降させることを特徴とする粘性材料供給方法。
  2. 粘性材料を貯留室に供給するときに、粘性材料が最終到達する位置近傍で圧力を検出して粘性材料の供給を制御することを特徴とする請求項に記載の粘性材料供給方法。
  3. 貯留室にその両端からそれぞれの粘性材料供給手段にて粘性材料を供給するとともに、貯留室の両端又はその近傍で圧力を検出し、両端の粘性材料供給手段による供給状態のモニタ及び供給制御を行うことを特徴とする請求項記載の粘性材料供給方法。
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