JP3810260B2 - トリアザ−クリプタンド及びアルカリイオンの決定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サンプル中のアルカリイオンを決定するための発光団−イオノホア(luminophore−ionophores)(=指示体(indicators))として使用することができる発光団部分(luminophoric moiety)及びイオノホア部分(ionophoric moiety)を有するトリアザ−クリプタンド類(triaza−cryptands)に関する。本発明は、サンプル中のアルカリイオンを決定する方法であって、該アルカリイオンを発光団部分及びイオノホア部分を有するトリアザ−クリプタンドと接触させ、該イオノホア部分はサンプル中に存在するアルカリイオンと可逆的に反応し、発光団部分はそのルミネセンス特性を変え、その後ルミネセンスを測定し、そして該測定されたルミネセンスを利用してアルカリイオンの濃度又は活性を推定する、即ちアルカリイオンを決定することを特徴とする方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】
上記したタイプの決定方法は、カチオン選択性イオノホアへのカチオンの可逆的結合及びイオノホア部分と発光団部分との間のいわゆる「PET効果」(“PET effect”)に基づいている。
【0003】
いわゆる「PET効果」は、それぞれ、イオノホア部分もしくはイオノホア(ionophore)から発光団部分もしくは発光団(luminophore)への電子の光子により誘導された移動(光誘導電子移動(photoinduced electron transfer=PET)を表し、これは(相対的)ルミネセンス強度及び発光団のルミネセンス減衰時間(luminescence decay time)の減少をもたらす。しかしながら、吸収及び発光(emission)波長はこのプロセスにおいて基本的に影響を受けないままである(J.R.Lakowicz in “Topics in Fluorescence Spectroscopy”,Volume 4:Probe Design and Chemical Sensing;PlenumPress,New York & London(1994))。
【0004】
イオノホアへのイオンの結合によって、PET効果は部分的に又は完全に抑制され、その結果相対的ルミネセンス強度の増加及び発光団部分のルミネセンス減衰時間の増加がある。従って、決定されるべきイオンの濃度又は活性は、ルミネセンス特性、即ち、相対的ルミネセンス強度及び/又はルミネセンス減衰時間を測定することにより推定することができる。活性は既知のデバイ−ヒュッケルの式により濃度に関係させることができる。
【0005】
クリプタンド類が、好ましくはクリプタンドにより形成された空洞の半径にできるかぎり対応するイオン半径のこのようなカチオンと錯体(クリプテート類)を形成することは知られている(Lehn JM,Sauvage JP,Amer.Chem.Soc.97,6700−6207,1975)。アルカリ金属Li、Na、K及びRbのイオン直径は、それぞれ、0.78、0.98、1.33及び1.49オングストロームである。かくして、与えられたクリプタンドについて、特定のカチオンに対する選択性をエーテル鎖の変化により調節することができる。更に、指示体特性を有するクリプタンドは、発色団(chromophores)又は発光団(luminophores)へのクリプタンドのカップリングにより得ることができることは知られている。
【0006】
最初に述べた種類の方法は米国特許第5439828号から知れており、米国特許第5439828号においては、発光団−イオノホアとしてジアザ−クリプタンドが使用され、該ジアザ−クリプタンドは蛍光性クマリン(fluorescent coumarins)を有する発蛍光団(fluorophores)として機能化され(functionalized)、そしてそれらの構造に依存して、それぞれ、リチウム、ナトリウム及びカリウムイオンに対して選択性である。これらの発光団−イオノホアは中性pHのサンプル媒体中で使用することができ、そしてこのような系における好ましい選択ですらあることが述べれている。
【0007】
更に、生理学的pH範囲において、蛍光シグナル(fluorescencesignal)はサンプルのpHに有意に依存しており、そしてpH7.4から先においてすら、pHの減少とともに相当増加することが、研究(FrankKastenholz,Inaugural Dissertation,University of Cologne,1993,Fig.32,p.54)により示された。これは、生物学的サンプルにおいて行われる決定の正確さに影響を与える。更に、使用された化合物は、使用されたクマリンが約336nmの吸収波長を示し、従って商業的LEDsにより励起することができないという追加の欠点を有する。
【0008】
これらの欠点は米国特許第5162525号に記載の発光団−イオノホアにも当てはまる。
【0009】
2つの窒素原子が各々それぞれの芳香族環に結合している、即ち、両方の橋かけ窒素(bridging nitrogens)がアリール窒素であるジアザ−クリプタンドが、DeSilva,Tetrahedron Letters,Volume 31,No.36,pp.5193−5196(1990)から知られている。本出願人により行われた研究は、これらのジアザ−クリプタンドはPET機構によってカリウムイオンを決定するのには適していないことを示した。生理学的Na+濃度の不存在下又は存在下でのこれらのジアザ−クリプタンドへのK+の結合により、PET効果による発光団部分(即ちナフタルイミド)のルミネセンス強度の高まり(enhancement)は有用な実際の方法のためにはあまりにも小さすぎる。
【0010】
2つの橋かけ窒素原子の一つがアリール窒素であり、そして他の一つが脂肪族窒素であるジアザ−クリプタンドがヨーロッパ特許公開公報第0881488号(EP−A−0881488)から知られている。合成の観点から、商業的使用に必要な量のこれらのクリプタンドの製造は高価である。ヨーロッパ特許公開公報第0881488号はクラウンエーテルの前駆体を製造するのにウイリアムソンのエーテル合成(Williamson ether synthesis)を示唆している。油状前駆体は精製するのに長くかかり(tedious)、そして環化反応は低い収率を与える。合成経路の全体の収率は低い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、既知の方法を改良し、そして生理学的pH値におけるサンプルのpH値に対するルミネセンス特性の有意な依存性のない、従って好ましくは、生物学的サンプル中のアルカリイオンを決定するのに適した発光団−イオノホアを入手可能とすることを目的とするものである。更に、本発明は、サンプル中のK+イオンの決定において使用するのに特に良く適している発光団−イオノホアを提供することを目的とする。更にまた、本発明の方法は、生理学的濃度の他のアルカリイオンの存在下のアルカリイオンの決定の実施に特に良く適しているべきであり、即ち、それは決定されるべきアルカリイオンの濃度に対する発光シグナル(luminescent signal)の強い依存性を示すべきである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、発光団−イオノホアとして、一般式I
【0013】
【化5】
Figure 0003810260
【0014】
式中、
aは0及び1よりなる群から選ばれ、
b及びcは独立に0及び1よりなる群から選ばれ、但しb及びcの両方とも0であることはないものとし、
dは1、2及び3よりなる群から選ばれ、
e及びfは独立に0及び1よりなる群から選ばれ、但しe及びfの両方とも0であることはないものとし、
1及びR2は水素であるか、又はC1及びC2と一緒になって、C2がパラ位置であるアルキル(C1−C4)ベンゼン環もしくはアルコキシ(C1−C4)ベンゼン環を形成し、
3及びR4は水素であるか、又はC3及びC4と一緒になって、C3がパラ位置であるアルキル(C1−C4)ベンゼン環もしくはアルコキシ(C1−C4)ベンゼン環を形成し、
5及びR6は水素であるか、又はC5及びC6と一緒になってベンゼン環もしくはナフタレン環を形成し、
7及びR8は水素であるか、又はC7及びC8と一緒になって、C8がパラ位置であるアルキル(C1−C4)ベンゼン環もしくはアルコキシ(C1−C4)ベンゼン環を形成し、
9及びR10は水素であるか、又はC9及びC10と一緒になって、C9がパラ位置であるアルキル(C1−C4)ベンゼン環もしくはアルコキシ(C1−C4)ベンゼン環を形成し、
Xは窒素に対してオルト、パラ又はメタ位置にある発光団部分であり、そして
mは0、1及び2よりなる群から選ばれる、
のトリアザ−クリプタンドを提供することにより達成される。
【0015】
上記一般式Iのトリアザ−クリプタンドは新規である。これらの新規な発光団−イオノホアはアルカリイオンを決定するのに極めて有用であること及びカリウムイオンを決定するのに特に有用であることが見いだされた。
【0016】
適当な発光団部分Xは、イオノホア部分との組合わせにおいてPET効果を達成することができるすべてのこれらの部分を包含するであろう。イオノホアとの組合わせにおいて、PET効果を与えるか又は一般にその目的に適している多数の発光団部分は文献から知られている。これらの既知の部分を一般式Iのベンゼン環にカップリングさせることにより、新規な化合物が得られ、これらの化合物はPET効果が得られ得るかどうかを見いだすために当業者が検査することができる。カップリングは、(非橋かけ)窒素に対するオルト位置、その2つのメタ位置及びパラ位置にあることができる。パラ位置が好ましい位置である。
【0017】
当業者は、PET効果が実現するためには、特に、イオノホア部分の電子供与体(非橋かけ窒素(non−bridging nitrogen))が発光団部分の電子系から電子的にデカップリングされている(electronically decoupled)ことが必須であることに気が付くであろう。当該技術分野で周知のとおり、イオノホア部分と発光団部分とのこのような電子デカップリングは、存在する2つの該部分が、スペーサー基、即ち、m>0である(CH2)m鎖により、又はm=0である場合には仮想のスペーサー(virtual spacer)により(例えば、発光団部分の面をベンゼン環の面に対して旋回させること(pivoting)により)分離されることにより達成されうる。従って、スペーサーの機能はイオノホア部分の電子系と発光団部分の電子系との共役(conjugation)を妨害することである。
【0018】
電子デカップリングは、例えば、イオンの結合が吸収及び発光スペクトルの波長に関してなんらの有意な変化も引き起こさないということから認識されることができる。
【0019】
一般式Iにおける発光団部分Xは、好ましくは、一般式II
【0020】
【化6】
Figure 0003810260
【0021】
式中、R11、R12、R13、R14、R15及びR16の少なくとも1つは−NH−基であり、その基を介してXは基−(CH2m−に結合しており、そして残りの基及びR17は独立に水素、親油性基、親水性基及びポリマーにカップリングするための反応性基よりなる群から選ばれる、
を有するアミノナフタルイミド基であるか、又は
一般式III
【0022】
【化7】
Figure 0003810260
【0023】
式中、m=0であり、そしてR18、R19、R20、R21、R22、R23、R24及びR25の少なくも1つは化学結合を表し、その結合を介してXはイオノホア部分に直接結合しており、そして残りの基は各々−OH、−OR26(ここでR26は親水性基もしくは親油性基である)、−O−R27−G(ここでR27は親水性基もしくは親油性基でありそしてGはポリマーにカップリングするための反応性基である)、及び−(CH2n−COOH(ここでnは0〜17の数である)よりなる群から選ばれる、
を有するキサンテノン基であるか、又は
一般式IV
【0024】
【化8】
Figure 0003810260
【0025】
式中、R28、R29、R30、R31、R32、R33及びR34の少なくとも1つは化学結合を表し、その結合を介してXは基−(CH2m−に結合しており、そして残りの基は独立に水素、親油性基、親水性基及びポリマーもしくは生体分子にカップリングするための反応性基よりなる群から選ばれ、又はR29はR30と一緒になって芳香族環系を形成し、そしてR33はR34と一緒になって芳香族環系を形成している、
を有する化合物である。
【0026】
一般式IIにおいてR13又はR14は基−NH−であり、その基を介して発光団部分は上記一般式Iの基−(CH2m−に結合していることが好ましい。
【0027】
一般式IIIにおいてR22は化学結合であり、その結合を介して発光団部分が上記一般式Iのイオノホア部分に直接(m=0)結合していることが更に好ましい。
【0028】
一般式IVにおいてR31は化学結合であり、その結合を介して発光団部分が上記一般式Iのイオノホア部分に結合していることが好ましい。好ましくは、一般式IVにおいてR30及びR32は独立に水素又はメチルである。
【0029】
一般式IVにおいて基R28及びR34は親油性基、特に各々tert.ブチルを表すことが更に好ましい。
【0030】
一般式IVを有する化合物において下記の置換パターンが特に好ましい。
【0031】
パターン1:
31: イオノホア部分
28、R34: 親油性基、好ましくはt−ブチル、
30、R32: 独立に−CH3又はH、
29又はR33: 酸基、好ましくは固定化のためのプロピオン酸基
パターン2:
31: イオノホア部分
28、R34: 親油性基、好ましくはt−ブチル、
30: 独立に−CH3又はH、
32: 酸基、好ましくは固定化のためのプロピオン酸基
パターン3:
31: イオノホア部分、
28: 親油性基、好ましくはt−ブチル、
30、R34、R32: 独立に−CH3又はH、
33: 酸基、好ましくは固定化のためのプロピオン酸基。
【0032】
適当な親油性基は、例えば20個までのC原子を有する置換及び未置換アルキル基及びアルコキシ基である。
【0033】
適当な親水性基は、例えば、1〜17個のC原子を有しそして少なくとも1つのヒドロキシル基及び/又は測定溶液のpHにおいて解離した状態で存在する、例えばカルボン酸、スルホン酸及びリン酸のような官能基を有するアルキル基である。
【0034】
アミノ官能化されたポリマー、例えばアミノセルロース及びアミノ官能性ポリアクリルアミド類にカップリングするための反応性基は米国特許第4774339号、表4から知られる。
【0035】
好ましく利用されるこれらの上記した発光団部分は波長>400mmの光を使用して励起させることができる。
【0036】
好ましくは、一般式Iにおける発光団部分Xは発光性金属配位子錯体(luminescent metal ligand complex)である。配位子が、例えば、ルテニウム(II)、オスミウム(II)、イリジウム(III)及びロジウム(III)よりなる群の中心原子を含有する、2,2′−ビピリジン、1,10−フェナントロリン及び4,7−ジフェニル−1,20 −フェナントロリンの群より選ばれるα−ジイミン配位子を有する発光性長寿命遷移金属配位子錯体が特に適当である。
【0037】
本発明に従うイオノホア(トリアザ−クリプタンド)の例は、図1及び図2に示される。図2において、イオノホアは、それぞれ、すべて脂肪族、脂肪族/芳香族、及びすべて芳香族、橋かけ窒素に従ってグループ分けされる。図1、2、3及び4に示された化学構造において、遊離端部を有するいかなる単結合も−CH3基を表すことに留意されるべきである。例えば、
【0038】
【化9】
Figure 0003810260
【0039】
として図1、2及び3に示されたQ28の構造は、
【0040】
【化10】
Figure 0003810260
【0041】
と読まれるべきである。
【0042】
本発明に従うトリアザ−クリプタンドにおいて、クリプタンドの3個の窒素の各々が少なくとも1つのアリール基に結合していることが好ましい。このような発光団−イオノホアは6.5より高いpH値においてアルカリイオンを決定するのに特に有用である。
【0043】
カリウムイオンを決定するために、a=1、b=1、c=1、d=1、e=1、f=1であり、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が水素であり、R1及びR2がC1及びC2と一緒になって、C2がパラ位置であるトルエン環を形成し、そしてR9及びR10がC9及びC10と一緒になって、C9がパラ位置であるトルエン環を形成する一般式Iの3個のアリール窒素を有するトリアザ−クリプタンドを使用するのが好ましい。
【0044】
ナトリウムイオンを決定するために、a=0、b=1、c=1、d=1、e=0、f=1であり、R3、R4、R5及びR6が水素であり、R1及びR2がC1及びC2と一緒になって、C2がパラ位置であるトルエン環を形成し、そしてR9及びR10がC9及びC10と一緒になって、C9がパラ位置であるトルエン環を形成する一般式Iの3個のアリール窒素を有するトリアザ−クリプタンドを使用するのが好ましい。
【0045】
アルカリイオンを決定するための本発明のトリアザ−クリプタンドは、溶解した状態でサンプル溶液に加えることができる。しかしながら、それらはセンサの成分であることもでき、その場合にそれらは、図5を参照して下記で説明されるとおり例えばヒドロゲルから形成された層中に埋め込まれていることができる。
【0046】
本発明は、
発光団部分及びイオノホア部分を有する化合物を準備し、
該イオノホア部分をサンプル中に存在するアルカリイオンと反応させ、その際発光団部分はそのルミネセンス特性を変え、
該ルミネッセンスを測定し、そして
該測定されたルミネッセンスを利用してサンプル中のアルカリイオンの存在を決定する、
段階を含んで成り、該化合物が本発明に従うトリアザ−クリプタンドであることを特徴とするサンプル中のアルカリイオンの決定方法も提供する。
【0047】
本発明に関連して、「ルミネセンスを測定する」という表現は、ルミネセンスz強度の測定、減衰(decaying)ルミネセンス強度の時間分割測定(time−resolved measurements)及び位相変調測定(phase modulation measurements)を包含する任意のルミネセンス特性の測定を示すものである。
【0048】
測定されたルミネセンスを利用するサンプル中のアルカリイオン(アナライトイオン)の決定はルミネセンス強度又はルミネセンス減衰時間に基づくことができる。
【0049】
1.本発明に従う発光団−イオノホアによるアナライトイオンの濃度の強度に基づく決定:
イオノホア(I)への決定されるべきカチオン(M)の可逆的結合及び妨害カチオン(Ni)の可逆的結合は質量作用の法則(式1)の原理に従って進行する。
【0050】
【数5】
Figure 0003810260
【0051】
式中、与えられたイオン強度及び温度で、解離定数(Kd)は、式2
【0052】
【数6】
Figure 0003810260
【0053】
式中、Iはイオノホアを表し、IMはイオノホア−イオン錯体を表し、そしてcは濃度を表す、
により与えられる。以下においてKdはモル/lで与えられる。
【0054】
結合定数K(式3)は、
【0055】
【数7】
Figure 0003810260
【0056】
によりKdに関係しておりそしてl/モルで与えられる。
【0057】
カチオンMを決定するための好ましいイオノホアはMの予想される標的濃度から係数0.1未満〜10だけ異なるKd値を有する。
【0058】
イオノホアが他のカチオンNi(妨害カチオン)に対してクロスセンシティブ(cross−sensitive)であるならば、アナライトMと妨害カチオンNiとの間で競合結合が起こるであろう。インデックスiはi番目の妨害カチオンを表す。サンプル中に存在する妨害カチオンNiからの有意なクロスセンシティビティが存在しないようにするために、KdNiはサンプル中のNiの濃度に比べて少なくとも係数10〜100だけより高いことが必要である。KdNiが係数0.1〜10だけcNiと異なる場合には、補正が必要でありそしてこの方法はcNiが知られているサンプルに適用可能である。KdNiが係数0.1だけcNiより低い場合には、イオノホアの妨害カチオンNiによる飽和が起こり、そしてイオノホアは与えられたタイプのサンプルによるアナライトイオンMの決定に適当ではない。
【0059】
与えられた励起及び発光波長(emission wavelength)において、相対的ルミネセンス強度はすべての発光団−イオノホア種の相対的ルミネセンス強度の重ね合わせ(superposition):
【0060】
【数8】
Figure 0003810260
【0061】
式中、Sは相対的ルミネセンス強度を表し、Lは遊離の発光団−イオノホアを表し、LMは結合したアナライトイオンMを有する発光団−イオノホアを表し、そしてLNiは結合した妨害イオンNiを有する発光団−イオノホアを表す、
である。
【0062】
Lのイオノホア部分へのイオンの結合はPET効果を部分的に又は完全に抑制しそして全体のルミネセンス強度は式5
【0063】
【数9】
Figure 0003810260
【0064】
式中、cは濃度を表し、ko、km及びkiは、個々の発光団−イオノホア種の濃度に対するそれぞれL、LM及びLNiの濃度に関する係数である、
により与えられる。
【0065】
発光団−イオノホアの相対的ルミネセンス強度Sは式6に従ってcM及びcNiの関数として得られる。
【0066】
【数10】
Figure 0003810260
【0067】
SmMはアナライトイオンMで十分に飽和された発光団−イオノホアの相対的ルミネセンス強度である。qo=ko/kmはLMのルミネセンス強度に対するLのルミネセンス強度を示す係数であり、そしてqi=ki/kmはLMのルミネセンス強度に対するLNiのルミネセンス強度を示す係数である。KM及びKNiはイオノホア−イオン錯体の形成定数である。
【0068】
cMについて式6を解くと、サンプル中のアナライトイオンMの濃度を決定するための式が得られる。
【0069】
【数11】
Figure 0003810260
【0070】
Sはサンプルのイオンと(結合)平衡にある発光団−イオノホアの相対的ルミネセンス強度である。Qo、qi、KNi及びKMはサンプル中に溶解しているか又は親水性マトリックス中に存在する本発明に従う発光団−イオノホアに対する特定のパラメーターである。これらのパラメーターは温度依存性でありそして実施例に示されたように決定することができる。cNiはサンプル中のi番目の妨害イオンの濃度である。妨害イオンがないか又は積KNicNiがKNi及び/又はcNiの低い値により小さくなる場合には、「SUM」という表現は意味がなくそして省くことができる。
【0071】
与えられた測定状況又は与えられたセンサについて、SmMは式8から一点校正(1 point calibration)により決定することができる。
【0072】
【数12】
Figure 0003810260
【0073】
Qo、qi、KNi及びKMは式7におけると同じ意味を有する。cMcal及びcNicalは校正液体中のアナライトイオン及び妨害イオン(1種又はそれ以上)の濃度である。校正液体は妨害イオンを含有していてもいなくてもよい。
【0074】
式6のSmMを式8で置き換えると、センサの既知のパラメーター(Qo、qi、KNi及びKM)、校正媒体中のそれぞれアナライトイオン及び妨害イオンのMcal及びNicalの既知の濃度、校正媒体の存在下でのセンサの相対的ルミネセンス強度Scal、決定されるべきサンプルの存在下でのセンサの相対的ルミネセンス強度S、及びもし存在するならば、妨害イオンNiの知られた(測定された)濃度に基づいてサンプルのアナライトイオンMの濃度を決定するための式が得られる。
【0075】
かくして、サンプルのイオンと接触している本発明に従う発光団−イオノホアの相対的ルミネセンス強度を測定し、そしてアルカリイオンの濃度を、
校正媒体中で発光団−イオノホアを校正し、その際アナライトアルカリイオンMで十分に飽和された発光団−イオノホアの相対的ルミネセンス強度SmMは上記した式8に従って決定され、そして
サンプル中のアナライトアルカリイオンMの濃度cMを上記した式7に従って決定する、
段階を含んで成る方法により、該測定されたルミネセンスを利用して決定することを特徴とするサンプル中のアルカリイオンの決定方法も提供される。
【0076】
2.本発明に従う発光団−イオノホアによるアナライトイオンの濃度の減衰時間に基づく決定:
(参考文献:S.Draxler,M−E.Lippitsch,Sensors and Actuators B29(1995)199−203)。
【0077】
発光団−イオノホアの発光団部分が励起されるとき、イオノホア部分から発光団部分への電子移動(PET)の或る確率が存在する。このプロセスはルミネセンス発光(luminescence emission)と競合し、従ってルミネセンス減衰時間に影響を与える。遊離の指示体種(free indicator species)Lについては、PET率(PET rate)は最大でありそしてルミネセンス減衰時間は最小である。指示体種LMについては、PET率は減少しそしてルミネセンス減衰時間は遊離の指示体のルミネセンス減衰時間に比べてより高い。PET率(従ってルミネセンス減衰時間)は結合したイオンのタイプに依存する。個々のルミネセンス減衰時間を有する結合した及び結合していない指示体分子(L、LM、LNi)はKd値及び取り囲んでいる媒体中のイオンの濃度に依存する程度に存在するので、全体の減衰S(t)は個々の種の減衰の重ね合わせである。従って、時間依存性ルミネセンス強度は式9から得られる。
【0078】
【数13】
Figure 0003810260
【0079】
式中、S(t)は励起光のスイッチを切った後の時間依存性ルミネセンス強度であり、下つき文字L、LM及びLNiは指示体の結合した形態及び結合していない形態を指し、τL、τLM及びτLNiは、結合した形態及び結合していない形態についてのそれぞれの減衰時間でありそしてAL、ALM及びANiはそれぞれの種のプレエクスポネンシャル係数(pre−exponential factors)である。
【0080】
L、ALMは式10によりアナライトイオンの濃度に関係している。
【0081】
【数14】
Figure 0003810260
【0082】
式中、qoは式6におけると同じ意味を有し、KdMは指示体−イオン錯体の解離定数でありそしてcMはアナライトイオンの濃度である。
【0083】
τL、τLM、qo及びKdMは、サンプル中に溶解しているか又はサンプルと接触している親水性のイオン透過性材料(センサ)中に存在する本発明に従う与えられた発光団−イオノホアに対する特定のパラメーターである。
【0084】
減衰時間に基づく測定の既知の方法は、時間分割法及び位相変調法を包含する。位相変調法及び時間分割法の両方とも当該技術分野で周知である(Lakowicz,Principles of Fluorescence Spectroscopy,Plenum Press,1993,Chapter 3参照)。
【0085】
時間分割測定において、照射後の減衰しているルミネセンス強度S(t)を検出する。式9から、比ALM/ALは既知のパラメーター、τL、τLM、τLNiに基づいて処理することができる。最後に、アナライトイオンの濃度は比ALM/AL及び既知のパラメーターqo及びKdMから計算される(式10)。
【0086】
かくして、サンプルのイオンと接触している発光団−イオノホアの時間依存性ルミネセンス強度を励起光のスイッチを切った後測定し、そしてアルカリイオンの濃度を、上記した式9及び10に従ってサンプル中のアナライトアルカリイオンMの濃度cMを決定することにより、該測定された時間依存性ルミネセンスを利用して決定することを特徴とするサンプル中のアルカリイオンを決定する更なる方法が提供される。
【0087】
位相変調法においては、指示体は好ましくは正弦波方式(sinusoidal manner)で照射される。励起とルミネセンスとの時間的ずれ(time lag)はルミネセンスを位相においてシフトさせ(shifted inphase)そして励起放射の振幅に対して復調させる。位相シフトは、結合した及び結合していない指示体種の既知のKd値、減衰時間及び振幅に依存する。位相シフトを決定することができそしてアナライトイオンの濃度を計算するのに使用することができる。
【0088】
これまでに知られている発光団部分の大部分は、100ns以下の減衰時間を表示し、これは時間領域減衰時間測定(time−domain decay−time measurements)のため又は周波数領域測定(frequency−domain measurements)のための変調周波数>10MHzのための相対的に早くて且つ高価なエレクトロニクスを必要とする。従って、減衰時間に基づく測定では、より遅いエレクトロニクス及び変調周波数を必要とする遷移金属配位子錯体又は或る種のランタニド類のような長い減衰時間(即ち、>100ns)を有する発光団部分を選ぶことが望ましい。
【0089】
強度に基づく測定とは対照的に、減衰時間に基づく測定は、指示体濃度、光源の強度、光検出器の感度及び光学部品の特性とは大体独立な或る限界内にある。減衰時間に基づく測定は指示体の光脱色(photo bleaching )及び洗いだし(washout)により影響されなくてすむことができる。
【0090】
従って、ルミネセンス減衰時間に基づく測定は、測定の前に校正なしで及び/又は監視用途(monitoring applications)(連続測定)における頻繁な再校正なしに行われる可能性を与える。減衰時間に基づく測定は校正するのが困難な(即ち、サンプルに加えられた指示体)測定状況において好ましい。
【0091】
PETタイプの発光団−イオノホアについて特に考案された式9及び10から、或る制限付きで、サンプル中に存在する妨害イオンについての補正は、ルミネセンス減衰時間測定に基づいてアナライトイオンを決定する場合には必要ではないことが分かる。更に、或る条件下で、ルミネセンス減衰時間法により単一の発光団−イオノホアによりいくつかのアナライトイオンを決定することが主として可能であることがこれらの式から分かる。
【0092】
更に本発明は、発光団部分とイオノホア部分を有する化合物を含んで成るマトリックスを有し、該化合物が本発明に従うトリアザ−クリプタンドであることを特徴とするサンプル中のアルカリイオンを決定するための光学的センサ(optical sensor)を提供する。
【0093】
更に、本発明は、サンプル中のアルカリイオンの決定のための光学的センサにおける特許請求の範囲1及び態様2〜5のいずれかに記載のトリアザ−クリプタンドの使用に関する。
【0094】
【実施例】
以下において、本発明を実施例により更に詳細に説明する。実施例においては好ましく使用されるいくつかのトリアザ−クリプタンドの合成及び性質を説明する。本発明に従う他の化合物は当業者により同様な方法で製造されうる。
【0095】
本発明に従うトリアザ−クリプタンドの合成の一般的説明
サイドアーム付きトリアザ−クリプタンド(side−armed triaza−cryptands)の一般的合成方法は、最初にトリアザ含有中間体、トリアザクラウンエーテルを合成し、次いで高い希釈条件を使用して二酸クロリドで環化することである。我々は、同じ分子中に第三級窒素を含有する二酸クロリドを製造することには成功しなかった。これは第三級アミンによる自己触媒分解によるものであるかも知れない。Q4、Q7、Q8及びQ29を除いては、クリプタンドの大部分は下記の方法に従って製造することができる。パラメチルニトロフエノール(S1)を大過剰のジブロモエタンでアルキル化してブロモエトキシニトロフェニルエーテルを得、これを使用して異なるサイドアームを有するトリガーアニリン(trigger aniline)(S7)をジアルキル化してジニトロフェノキシアルキル−アニリン(S3)を得る。ジニトロ化合物を水素化してジアミン(S4)を得、これを高い希釈条件を使用して二酸クロリドでアシル化して環状ジアミド(S8)を得る。ジアミドをTHF中でボラン又はLAHでトリアザクラウンエーテル(S9)に還元することができる。芳香族ジアミドを還元するためにボランを使用することが推奨される。何故ならば、未知の理由でLAHによる還元の適正な収率が得られなかったからである。得られたジアミンを再び二酸クロリドと反応させて第三級アミド(S12)を得る。アミドをTHF中でボランで還元してイオノホア(Q28)を得ることができる。このイオノホアをホルミル化することができ(S14)、ニトロスチレン(S15)に転化することができ、次いで第一級アミン(S16)に還元することができる。次いでこのアミンをクロロナフタルイミドとカップリングさせて発光団−イオノホア(Q28FI)を得る。
【0096】
Q4、Q7、Q8及びQ29については、トリアザクラウンはそれらの非対称性(asymmetries)により異なる経路により製造されなければならない。全体の経路は下記するとおりQ29の製造により説明することができる。アミノメチルフェノール(R112)をt−BOCで選択的に保護し、そしてS2と反応させ、水素化してモノ保護された(monoprotected)ジアミン(R106)を得る。このジアミンをブロモアセチルクロリドでアシル化し、そしてサイドアーム付きアニリン(S7)でアルキル化して保護された線状トリアザ化合物(R141)を得る。TFAによる脱保護の後、アミン(R142)を二酸クロリドでアシル化して環状トリアミド(R143)を得、これをTHF中でボランにより還元してトリアザクラウンエーテル(R144)を得る。高希釈アシル化及びボラン還元の後、最終イオノホアを50〜80%の範囲の極めて良好な収率で得ることができる。同様な方法を使用して発光団−イオノホアを得ることができる。
【0097】
実施例1:2−メトキシエトキシニトロベンゼン(S6)
2−ニトロフェノール140g(1010ミリモル)、クロロエチルメチルエーテル105g(1110ミリモル))、KI84.2g(507ミリモル))及びK2CO3153g(1110ミリモル))を、110±5℃で6時間加熱された2lのエルレンマイヤーフラスコ中のDMF500mlに懸濁させた。溶媒を蒸発させそして残留物をCHCl3500ml及び水500mlに溶解させた。有機相を2×500mlの2.5%Na2CO3、500mlの飽和NaClで洗浄しそしてNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて淡黄色油(lightyellow oil)201g(100%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)3.45(s,3H)、3.78(t,2H)、4.25(t,2H)、7.02(dd,1H)、7.10(dd,1H)、7.50(dd,1H)、7.82(dd,1H)。
【0098】
実施例2:2−メトキシエトキシアニリン(S7)
2−メトキシエトキシアニシジン(MEA)3.05g(12.0ミリモル)をメタノール200mlに溶解し、カーボンブラック上の10%パラジウム1.5gを加えた。この懸濁液を、2.2気圧で18時間もはや水素の取り込みが観察されなくなるまで水素化した。触媒をろ別しそして溶媒を蒸発させて淡黄色油48.7g(102%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)3.45(s,3H)、3.65(br.s,2H)、3.78(t,2H)、4.25(t,2H)、6.74(m,2H)、6.82(m,2H)。
【0099】
実施例3:2−(ブロモエトキシ)−4−メチルニトロベンゼン(S2)
5−メチル−2−ニトロフェノール122.5g(800ミリモル)、1,2−ジブロモエタン751.0g(4000ミリモル))、K2CO3110.7g(800ミリモル)を無水DMF400mlに懸濁させた。懸濁液を120℃で1時間加熱し、次いで冷却しそして液体の大部分を蒸発させた。残留物をCHCl31l及び水1lに溶解した。有機層を、水性層が淡黄色(pale yellow)になるまで2×1lの1.8%NaOHで洗浄した。有機層をNa2SO4上で18時間乾燥し、ろ過しそして溶媒を蒸発させて〜240gの油を得た。この油を沸騰メタノール240mlで摩砕し(triturated)、そして2時間沈降させた。得られる沈殿をろ過し、2×100mlの冷メタノールで洗浄しそして室温で18時間乾燥してオフホワイトな(off−white)結晶89.4g(43%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm):2.40(s,3H)、3.65(t,2H)、4.30(t,2H)、6.85(d,2H)、7.75(d,1H)。
【0100】
実施例4: N,N−ビス[(2'−ニトロ−5'−メチルフェノキシ)エトキシ]−2−メトキシエトキシ−アニリン(S3)
2−メトキシエトキシアニリン(MEA)16.7g(100ミリモル)、2−(ブロモエトキシ)−4−メチルニトロベンゼン(BMNB)78.0g(300ミリモル)、K2CO341.4g(300ミリモル)及びKI24.9g(150ミリモル)をアセトニトリル200mlに懸濁させた。懸濁液を還流下に20時間加熱した。次いで2−(ブロモエトキシ)−4−メチルニトロベンゼン(BMNB)26g及びK2CO313.8g(300ミリモル)を加え、そして加熱をさらに18時間続けた。冷却の後溶媒を蒸発させそして残留物をCHCl3500ml及び飽和NaCl、500mlに溶解し、そしてNa2SO4上で乾燥した。溶液を蒸発させて油120gを得た。この油を沸騰メタノール120mlで摩砕しそして熱ろ過した。室温で18時間乾燥させると、鮮やかな黄色の(bright yellow)結晶30.4gが得られた。この結晶を約2lのエタノールから再結晶させて鮮やかな黄色の結晶29g(58%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)2.35(s,6H)、3.35(s,3H)、3.70(t,2H)、3.75(t,4H)、4.10(t,2H)、4.20(t,4H)、6.85(m,8H)、7.75(d,2H)。
【0101】
実施例5:N,N−ビス[(2'−アミノ−5'−メチルフェノキシ)エトキシ]−2−メトキシエトキシ−アニリン(S4)
N,N−ビス[(2'−ニトロ−5'−メチルフェノキシ)エトキシ]−2−メトキシエトキシ−アニリン(BEMA)54.0g(100ミリモル)をDMF500mlに溶解し、カーボンブラック上の10%パラジウム17.5gを加えた。この懸濁液をもはや水素の取り込みが観察されなくなるまで2.2psiで18時間水素化した。触媒をろ別しそして溶媒を蒸発させて淡黄色油46.8g(97%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)2.20(s,6H)、3.35(s,3H)、3.45(br.s,4H)、3.70(m,6H)、4.10(m,6H)、6.60〜7.10(m,10H)。
【0102】
実施例6: 3,6−ジオキサ−1,8−オクタン二酸ジクロリド(DODC) 3,6−ジオキサ−1,8−オクタン二酸31.3g(175ml)を無水ベンゼン200mlに懸濁させた。オキサリルクロリド62.5g(492ミリモル)及び6滴のピリジンを加えた。混合物を室温で20時間撹拌しそして溶媒の大部分を蒸発させた。残留物をベンゼン200mlに溶解しそして溶媒を蒸発させた。最後の工程をもう1回繰り返した。〜5mmHgに減少した圧力を油に加えてオキサリルクロリドを完全に除去した。生成物36.5g(95%)を得た。生成物を次の反応工程のために冷蔵庫に保った。
【0103】
実施例7: ビス(4−メチルベンゾ[5,6,17,18](O,N,N′,O′)−N″−(2−メトキシエトキシ−フェニル)−1,7,16−トリアザ−21−クラウン−7−[8,15]ジ−オン(S8)
N,N−ビス[(2'−アミノ−5'−メチルフェノキシ)エトキシ]−2−メトキシエトキシ−アニリン(AEMA)46.8g(100.6ミリモル)及びトリエチルアミン22.4g(221.3ミリモル)を500mlの添加漏斗中の無水THF500mlに溶解し、その間3,6−ジオキサ−1,8−オクタン二酸クロリド23.8g(110.6ミリモル)を別の500mlの添加漏斗中のTHF500mlに溶解した。2つの添加漏斗中の溶液を、無水THF2.5lを含む5lのフラスコに8時間の間にゆっくりと加えた。混合物を室温で20時間撹拌した。沈殿をろ別しそしてろ液を蒸発させて白色固体60gを得た。固体を熱メタノール200mlで摩砕し、ろ過し、2×100mlのメタノールで洗浄し、そして室温で18時間乾燥して粗生成物55gを得た。この粗生成物を、溶離剤としてCHCl3及びCHCl3/MeOH(97/3,v/v)を使用して240gのシリカゲル60で精製して白色粉末34.1g(55%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)2.25(s,6H)、3.45(s,3H)、3.75(m,2H)、3.85(t,4H)、3.90(s,4H)、4.10(m,6H)、4.15(s,4H)、6.50〜7.00(m,6H)、8.20(d,2H)、9.10(s,2H)。
【0104】
実施例8: ビス(4−メチルベンゾ[5,6,17,18](O,N,N′,O′)−N″−(2−メトキシエトキシ−フェニル)−1,7,16−トリアザ−21−クラウン−7(S9)
35.0g(57.6ミリモル)のS8を無水THF800mlに溶解しそして氷−塩浴で−5〜0℃に冷却した。ボラン/THF錯体800mlを、ステンレス鋼製カニューレを使用して1.5時間の間に加えた。添加が完了したとき冷却浴を除去した。混合物を2時間室温に加温させた。混合物を還流下に2時間加熱しそして15℃に冷却した。水50mlを、水素ガスが発生しなくなるまで、非常にゆっくりと加えて過剰のボランをクエンチした(quench)。溶媒を蒸発させ、そして残留物を1lの6NHClに溶解し、還流下に3時間加熱し、そして室温で18時間撹拌した。酸性溶液を固体NaOHで塩基性にして中性pHとし、2×500mlのCHCl3で抽出し、そしてNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させそして残留物を、溶離剤としてCHCl3を使用して120gのシリカゲル60で精製して油31.4g(94%)を得、室温で18時間沈降の後結晶化させた。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)2.20(s,6H)、3.30(t,4H)、3.45(s,3H)、3.70(s,4H)、3.75(m,6H)、3.85(t,4H)、4.05(t,4H)、4.15(t,2H)、6.50〜7.10(m,10H)。
【0105】
実施例9: ビス(4−メチルベンゾ[5,6,17,18](O,N,N′,O′)−]−N″−(2−メトキシエトキシ−フェニル)−1,7,16−トリアザ−クリプタンド[3,2,2]−[8,15]ジ−オン(S12)
11.0g(19.1ミリモル)のS9及びピリジン3.36g(42.0ミリモル)を125mlの添加漏斗中の無水CH2Cl2100mlに溶解し、その間3,6−ジオキサ−1,8−オクタン二酸クロリド4.52g(21.0ミリモル)を別の125mlの添加漏斗中のCH2Cl2125mlに溶解した。2つの添加漏斗中の溶液を、無水THF400mlを含む1lのフラスコに5時間の間にゆっくりと加えた。混合物を室温で20時間撹拌した。得られる溶液を2×600mlの0.2NHCl、600mlの飽和NaClで洗浄し、そしてNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させそして残留物をCHCl3及びCHCl3/MeOH(97/3、v/v)を使用して80gのシリカゲル100で精製して白色発泡体(white foam)10.6g(77%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)2.25(d,6H)、3.45(s,3H)、3.60〜4.15(m,32H)、6.50〜7.00(m,10H)、7.40(br.s,2H)。
【0106】
実施例10: ビス(4−メチルベンゾ[5,6,17,18](O,N,N′,O′)−]−N″−(2−メトキシエトキシ−フェニル)−1,7,16−トリアザ−クリプタンド[3,2,2].Q28
10.6g(14.7ミリモル)のS12を無水THF250mlに溶解しそして氷−塩浴で−5〜0℃に冷却した。次いで1モルのボラン/THF錯体220mlをステンレス鋼製カニューレを使用して40分の間に加えた。添加が完了したとき冷却浴を除去した。混合物を室温で2時間加温させた。混合物を還流下に2時間加熱しそして15℃に冷却した。水10mlを、水素ガスが発生しなくなるまで、非常にゆっくりと加えて過剰のボランをクエンチした。溶媒を蒸発させそして残留物を200mlの6NHClに溶解し、還流下に3時間加熱しそして室温で18時間撹拌した。酸性溶液を固体LiOHで塩基性にして(basified)中性pHとし、2×300mlのCHCl3で抽出しそしてNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させ、そして残留物を、溶離剤としてCHCl3を使用して30gのシリカゲル60で精製して油8.4g(83%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)2.20(s,6H)、3.30〜4.20(m39H)、6.50〜7.10(m,10H)。
【0107】
実施例11: ビス(4−メチルベンゾ[5,6,17,18](O,N,N′,O′)−]−N″−(2−メトキシエトキシ−4−ホルミル−フェニル)−1,7,16−トリアザ−クリプタンド[3,2,2](S14)
8.5g(12.3ミリモル)のQ28をDMF46mlに溶解しそして−5〜0℃に冷却した。POCl318.9g(123ミリモル)を1時間の間に加え、その間温度を0℃以下に保った。添加が完了したとき、氷浴を除去した。溶液を室温で18時間撹拌し、次いで70℃に1時間加温し、冷却し、氷水420ml中に注ぎ、固体Na2CO3で塩基性にしてpH7とし、CHCl3400mlで抽出し、そしてNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて淡黄色油9.08g(102%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)2.20(s,6H)、3.30〜4.20(m39H)、6.50〜7.10(m,9H)、9.75(s,1H)。
【0108】
実施例12: ビス(4−メチルベンゾ[5,6,17,18](O,N,N′,O′)−]−N″−(2−メトキシエトキシ−4−ニトロビニル−フェニル)−1,7,16−トリアザ−クリプタンド[3,2,2](S15)
9.05g(12.3ミリモル))のS14、ニトロメタン16.6g(271ミリモル)、NH4Ac9.50g(136ミリモル)を酢酸40mlに懸濁させた。懸濁液を4時間55〜60℃に加熱し、次いで水420ml中に注ぎ、CHCl3400mlで抽出し、そしてNa2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて赤色油6.40gを得た。この油を溶離剤としてCHCl3を使用して30gのシリカゲル60で精製して赤色油5.85g(62%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)2.20(s,6H)、3.30〜4.20(m39H)、6.50〜8.10(m,11H)。
【0109】
実施例13: ビス(4−メチルベンゾ[5,6,17,18](O,N,N′,O′)−]−N″−(2−メトキシエトキシ−4−アミノエチル−フェニル)−1,7,16−トリアザ−クリプタンド[3,2,2](S16)
THF80ml中の5.85g(7.69ミリモル)のS15を、THF230ml中のLiAlH44.38g(115ミリモル)を含有する沸騰懸濁液に1時間の間に加えた。還流下に5時間加熱を続けた。5NLiOHによるクエンチング、ろ過及び2×200mのTHFによる洗浄の後、溶媒を蒸発させて油5.3gを得た。この油をCHCl3及びCHCl3/メタノールを使用して16gのシリカゲル100で精製して透明な油(clear oil)2.47g(44%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)2.00(br.s,7H/H2O)、2.20(s,6H)、2.65(t,2H)、2.95(t,2H)、3.30〜4.20(m.39H)、6.50〜7.10(m,9H)。
【0110】
実施例14: 4−クロロ−1,8−ナフタルイミジルメチル安息香酸(C2) 4−クロロ−1,8−ナフタリン酸無水物46.4g(200ミリモル)及び4−アミノメチル安息香酸30.2g(200ミリモル)をDMF1lに懸濁させた。懸濁液を室温で16時間及び60℃で6時間撹拌した。混合物を水3l中に注ぎ、そしてpHを6NHClで4に調節した。得られる沈殿をろ過しそして60℃で18時間乾燥してオフホワイトな粉末36g(51%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)5.30(s,2H)、7.45(d,2H)、7.85(d,2H)、8.02(q,2H)、8.45(d,1H)、8.60(t,2H)。
【0111】
実施例15: t−ブチル4−クロロ−1,8−ナフタルイミジルメチルベンゾエート(C3)
29.2g(80ミリモル)のC2をDMF320mlに懸濁させ、そして窒素の流れの下で40℃で20分間撹拌した。1,1′−カルボニルジイミダゾール52.0g(320ミリモル)を20分の間にゆっくりと加えた。懸濁液は透明な溶液に変わりそして15分で再び濁ってきた。次いで混合物を70℃に加温しそして、t−ブタノール52ml(1600ミリモル)及び1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデク−7−エン(DBU)48ml(320ミリモル)の添加の後この温度で18時間保った。混合物を冷却しそして2.0lの氷状1NHCl中に激しく撹拌しながら注いだ。得られる沈殿をろ過し、2×300mlの1NHClで洗浄し、そしてP25を有するデシケーター中で18時間乾燥して粗生成物28.5gを得た。この粗生成物をCHCl3/シクロヘキサンを使用してシリカゲルカラムで精製して12.0gの白色粉末(36%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm)1.50(s,9H)、5.30(s,2H)、7.45(d,2H)、7.80(d,2H)、8.05(q,2H)、8.50(d,1H)、8.60(t,2H)。
【0112】
実施例16: t−ブチルN−{ビス(4−メチルベンゾ[5,6,17,18](O,N,N′,O′)−]−1,7,16−トリアザ−クリプタンド[3,2,2]−2−メトキシエトキシ−フェニルエチルアミノ]−1′,8′,−ナフタルイミジルメチル}ベンゾエート(Q28FI)
2.40g(3.4ミリモル)のS16及び1.42g(3.4ミリモル)のC3をN−メチルピロリジノン(NMP)7.6ml中に懸濁させ、そして85℃で18時間加熱した。混合物を冷却しそして水380mlに注いだ。得られる沈殿をろ過しそして3×20mlの水で洗浄した。沈殿をCHCl3に溶解し、CHCl3200mlで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、そして溶媒を蒸発させて3.9gの粗生成物を得た。粗生成物を溶離剤としてCHCl3を使用してシリカゲルカラムで精製して、純粋な生成物1.05g(29%)を得た。H1NMR(CDCl3)δ(ppm):1.55(s,9H)、2.20(s,6H)、3.05(t,2H)、3.35〜4.05(m,41H)、5.40(s,2H)、6.65〜8.60(aro,18H)。FABMS(70eV,LiIを有するm−ニトロベンジルアルコール分散液):1123(100%)、(M+H+);951(17%)、(脱ベンジル化された(de−benzylated)+Li+);722(11%)(エチルクリプタンド+H+)。
【0113】
実施例11〜16は、ナフタルイミド発光団のt−ブチルエステル(C3)へのイオノホアQ28のカップリングを説明する。ナフタルイミド発光団へのイオノホアQ27、Q17、Q7及びQ3のカップリングを類似した方法で行って化合物Q27FI、Q17FI、Q7FI及びQ3FIを得た。
【0114】
実施例17: N−{ビス(4−メチルベンゾ[5,6,17,18](O,N,N′,O′)−]−1,7,16−トリアザ−クリプタンド[3,2,2]−2−メトキシエトキシ−フェニルエチルアミノ]−1′,8′,−ナフタルイミジルメチル}安息香酸(Q28FIA)
トリフルオロ酢酸(TFA)1mlをCH2Cl24ml中のQ28FI0.20g(0.18ミリモル)の溶液に加えた。得られる溶液を約1時間室温で撹拌し、そのときTLCはQ28FIの大部分が消耗された(gone)ことを示した。混合物をCHCl320mlで希釈し、そして蒸発させた。残留物をCHCl320mlに溶解しそして再び蒸発させた。このプロセスをもう2回繰り返してTFAを完全に除去し、そしてゴム(gum)0.18g(95%)を得た。これはそのまま固定化(immobilization)のために使用された。
【0115】
実施例17は、t−ブチルエステルQ28FIを加水分解してQ28FIAを得ることを説明している。Q28FI及びQ28FIAの両方とも本発明に従う発光団−イオノホアでありそして指示体として使用することができる。
【0116】
化合物Q27FI、Q17FI、Q7FI及びQ3FIのエステル加水分解を類似した方法で行って化合物Q27FIA、Q17FIA、Q7FIA及びQ3FIAを得た。
【0117】
実施例18: アミノセルロースへのN−{ビス(4−メチルベンゾ[5,6,17,18](O,N,N′,O′)−]−1,7,16−トリアザ−クリプタンド[3,2,2]−2−メトキシエトキシ−フェニルエチルアミノ]−1′,8′,−ナフタルイミジルメチル}安息香酸(TNBA)の固定化
指示体Q28FIA0.18g(0.23ミリモル)、N,N−ジシクロヘキシル−1,3−カルボジイミド0.46g(2.3ミリモル)、N−ヒドロキシスクシンイミド0.26g(2.3ミリモル)及び活性化されたセルロース5g(〜1.5ミリ当量(meq))(SU1,028,677、CA99:177723hに従って製造された)をDMF25ml中に20時間懸濁させた。セルロース繊維をろ過しそして5×50mlのDMFで洗浄した。繊維を、トルエンスルホニルクロリド2.85g(15ミリモル)及びTEA1.55g(15ミリモル)を含有する25mlのDMFに懸濁させた。懸濁液を室温で18時間撹拌した。繊維をろ過し、5×50mlのDMF、50mlの水、2×50mlの0.2NHCl、50mlの水、2×50mlのアセトン、2×50mlのエーテルで洗浄し、そして室温で18時間乾燥した。この繊維はフォイル製造の準備が整っている。
【0118】
実施例18はアミノセルロースへのQ28FIAの共有結合による結合(covalent binding)を説明している。アミノセルロースへの化合物Q27FIA、Q17FIA、Q7FIA及びQ3FIAの結合を類似した方法で行った。
【0119】
実施例19: アミノセルロースに固定化された本発明のトリアザ−クリプタンドQ28FIAのルミネセンス特性
本発明の光学的センサ(センサディスク)を下記の方法で製造した。
【0120】
実施例18に従って製造された固定化された指示体を有するふるい分けられた(25μm)セルロース粉末0.5gを、90%エタノール−水中の10%ヒドロゲルD4(Tydale Plains−Hunter LTD.Ringoes,NJ08551)9.5g中に16時間懸濁させた。得られる均一な分散液を10μmの最終乾燥厚さでポリエステルフォイル(Melinex foil,ICI America)上にコーティングした。このフォイルを5μmの乾燥厚さで90%エタノール−水中の10%D4ヒドロゲル中の3%カーボンブラックでオーバーコーティングした。次いで2.5cm直径の小さなディスクを打ち抜きそして活性化のために少なくとも17時間緩衝液中に浸漬した。
【0121】
センサディスクを切断及び測定する方法は、M.J.P.Leiner and P.Hartmann in Sensors and Actuators B,11(1993),281−189(“Theory and Practice in optical pH sensing”)及び M.J.P.Leiner in Analytica Chimmica Acta 255(1991)209−222により記載されている。
【0122】
このようにして得られたセンサディスクを図5に略図で示された測定装置において使用した。
【0123】
図5において、参照文字Sはセンサディスクの部分を示す。親水性イオン透過性ポリマー(ヒドロゲル)中に懸濁させられそしてアミノセルロース上に固定化された本発明の化合物はIにより示される。この層Mは励起放射及び測定放射を透過させる基材(substrate)Tにより担持されており、この基材は透明な材料である。
【0124】
本発明に従えば、本発明の化合物Iは直接共有結合方式でイオン透過性マトリックスに結合させることができ、又はそれは物理的に溶解した状態でマトリックス中にもしくはサンプル中に存在させることができる。
【0125】
測定のために、センサディスクを、光を透過させないサーモスタット付き流通セル(thermostatted through−flow cell)中に導入し、そして種々の異なる濃度のアルカリイオンを有するサンプルPと接触させた。
【0126】
光学的測定システムは、光源として青色LED、検出器としてホトダイオードM、波長を選ぶための光学的フィルターA及びF、励起光をポリマーMに導きそして放出光(emission light)を光検出器Mに導くための光学繊維装置並びに電子工学的信号処理のための装置(示されていない)からなっていた。励起端部(excitation end)に干渉フィルター(480nmにおいて最大透過率)を及び発光端部(emission end)に520nmカットオフフィルターを使用した。
【0127】
図18はアミノセルロースに固定化された本発明のQ28FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をカリウム及びナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示す(曲線1:K+/Na+;ミリモル/l;1.0/104、1.8/112、2.6/121、3.4/129、4.2/138、5.0/146、5.8/154、6.6/163、7.4/171、8.2/180、9.0/188;曲線2:K+/Na+;ミリモル/l;1.0/196、1.8/186、2.6/176、3.4/166、4.2/156、5.0/146、5.8/136、6.6/126、7.4/116、8.2/106、9.0/96)。使用した測定媒体は0.1MHEPES緩衝液、CO2不含有、pH7.396(37℃)であった。曲線3は、ナトリウムイオンの不存在下にカリウムの濃度の関数としての計算されたルミネセンス強度である。
【0128】
図19はアミノセルロースに固定化された本発明のQ28FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をpH(6.841、6.932、7.030、7.149、7.271、7.396、7.507、7.603、7.700)の関数として示す。使用した測定媒体は種々の濃度のHEPES酸及びHEPES−Na塩、5ミリモル/lのカリウムイオン及び146ミリモル/lのナトリウムイオンを有する01MHEPES緩衝液であった。
【0129】
図20はアミノセルロースに固定化された本発明のQ28FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示す(Na+;ミリモル/l;104、112、121、129、138、146、154、163、171、180、188)。使用した測定媒体は、0.1MHEPES緩衝液、カリウム不含有、CO2不含有、pH7.396(37℃)であった。
【0130】
1〜9ミリモル/lK+の範囲内では、Q28FIAの相対的ルミネセンス強度は3.25〜9.5%/ミリモル/lK+の範囲の勾配(%信号変化)でK+に強く依存していることが図20、曲線1及び2から分かり得る。曲線1及び2から、1〜9ミリモル/lK+の範囲内で、ルミネセンス強度は100〜200ミリモル/lの範囲内でNa+レベルの変化に弱く依存していることも分かる。図20から、このことはK+の不存在下でも真実であることが分かる。
【0131】
実施例20:アミノセルロースに固定化された本発明のトリアザ−クリプタンドQ27FIAのルミネセンス特性
センサディスクの製造及び測定は実施例19に従って行われた。
【0132】
図15はアミノセルロースに固定化された本発明のQ27FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をカリウム及びナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示す。(K+/Na+;ミリモル/l;1.0/104、1.8/112、2.6/121、3.4/129、4.2/138、5.0/146、5.8/154、6.6/163、7.4/171、8.2/180、9.0/188)。使用した測定媒体は0.1MHEPES緩衝液、CO2不含有、pH7.396(37℃)であった。曲線3はナトリウムイオンの不存在下にカリウムの濃度の関数としての計算されたルミネセンス強度である。
【0133】
図16は、図19におけると同じ媒体を使用することにより決定された、アミノセルロースに固定化された本発明のQ27FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をpHの関数として示す。
【0134】
図17は、図20におけると同じ媒体を使用することにより決定された、アミノセルロースに固定化された本発明のQ27FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示す。
【0135】
実施例21:アミノセルロースに固定化された本発明のトリアザ−クリプタンドQ17FIAのルミネセンス特性
センサディスクの製造及び測定は実施例19に従って行われた。
【0136】
図12は、図15におけると同じ媒体を使用することにより決定された、アミノセルロースに固定化された本発明のQ17FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をカリウム及びナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示す。
【0137】
図13は、図19におけると同じ媒体を使用することにより決定された、アミノセルロースに固定化された本発明のQ17FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をpHの関数として示す。
【0138】
図14は、図20におけると同じ媒体を使用することにより決定された、アミノセルロースに固定化された本発明のQ17FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示す。
【0139】
実施例22:アミノセルロースに固定化された本発明のトリアザ−クリプタンドQ7FIAのルミネセンス特性
センサディスクの製造及び測定は実施例19に従って行われた。
【0140】
図9は、図15におけると同じ媒体を使用することにより決定された、アミノセルロースに固定化された本発明のQ7FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をカリウム及びナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示す。
【0141】
図10は、図19におけると同じ媒体を使用することにより決定された、アミノセルロースに固定化された本発明のQ7FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をpHの関数として示す。
【0142】
図11は、図20におけると同じ媒体を使用することにより決定された、アミノセルロースに固定化された本発明のQ7FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示す。
【0143】
図19、16、13、10から分かるとおり、2つのアリール結合した橋かけ窒素原子(aryl−bound bridging nitrogen atoms)を有する本発明に従う発光団−イオノホアは、生理学的pH値の影響を受けない。これは塩基性のpH値についても真実である(示されていない)。
【0144】
実施例23:実施例19〜22において使用された本発明に従うセンサについてのセンサに特定のパラメーターの計算
表1はアミノセルロースに固定化された指示体Q28FIA、Q27FIA、Q7FIA及びQ17FIAについてセンサに特定のパラメーター(sensor specific parameters)KdK、KdNa、qo及びq(Na)を示す。
【0145】
【表1】
Figure 0003810260
【0146】
表2a、2b、2c、及び2dは、それぞれ、指示体Q28FIA、Q27FIA、Q7FIA及びQ17FIAについてのK+及びNa+の種々の異なる濃度における信号変化[%/ミリモル/l]を示す。値は、図9〜20に示されている測定されたデータを商業的に入手可能な最小二乗アルゴリズム(least square argorithms)によって式6に適合させること(fitting)により計算された。
【0147】
【表2】
Figure 0003810260
【0148】
表1に示されてデータは、例えばQ28FIAについては、遊離の発光団−イオノホア(L)はK+飽和イオノホア(LK+)の強度の17%を有し、そしてLNa+はLK+に比べて強度の27%を有することを示す。
【0149】
Q7、Q17、及びQ27はQ28に比べてイオンの結合(ion binding)のためのより小さい空洞を有する。Q28に比べて、Q27のより小さい空洞はNa+に結合する能力を増加させ(より低いKd値により支持されているとおり)、そしてより高いqNa+値により支持されているとおり、Na+のPET効果を抑制する能力を増加させる。
【0150】
空洞サイズの更なる減少は、K+に対するよりもNa+に対するより高い選択性(即ち、K+についてよりはNa+についてより低いKd)を有する、従ってNa+の決定に適したイオノホア(即ちQ18)を生じさせるであろう。
【0151】
Q17、Q7、Q27は、イオンの結合のための同じ空洞サイズを有する。Q27は非橋かけ窒素の2−位置におけるエーテル鎖の長さに関してQ17及びQ7とは異なる。表1のKd値の比較は、鎖の長さを変えることは(即ち、メトキシ対メトキシ−エトキシ)はKd値を調節するための更なる手段(tool)として使用することができることを示す。
【0152】
実施例24: アミノセルロースに固定化された本発明のトリアザ−クリプタンドQ3FIAのルミネセンス特性
センサディスクの製造及び測定は実施例19に従って行われた。
【0153】
図6は、図15におけると同じ媒体を使用することにより決定された、アミノセルロースに固定化された本発明のQ3FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をカリウム及びナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示す。
【0154】
図7は、図19におけると同じ媒体を使用することにより決定された、アミノセルロースに固定化された本発明のQ3FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をpHの関数として示す。
【0155】
図8は、図20におけると同じ媒体を使用することにより決定された、アミノセルロースに固定化された本発明のQ3FIAの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示す。
【0156】
図7から分かるように、中性pH範囲では、Q3FIAのルミネセンス強度はpHに依存している。2つの脂肪族橋かけ窒素により、Q3は、それぞれ約7.0及び9.7のpK値を有する中性及び弱塩基性pH値でプロトンに可逆的に結合することができる。該pK値は、Q3FIAが強塩基性pH値ではpHの影響を受けないであろうということを示す。プロトンは妨害カチオンとみなすことができ、従ってpHの効果は式6及び7により補正することができる。
【0157】
実施例は、本発明に従う2つの脂肪族橋かけ窒素原子を有するトリアザ−クリプタンドが、好ましくは高いpH値(即ち、11以上)を有する媒体について、又はpH中性(pH neutral)及び弱くpH緩衝された(weaklypH buffered)媒体について、カチオンの決定に使用することができることを示す。pHについての補正は可能ではあるが、あまり好ましくはない。 本発明に従う1つの脂肪族及び1つの芳香族結合橋かけ窒素原子を有するトリアザ−クリプタンドについて同様なことが言える。脂肪族窒素原子のpK値は7〜9であると予想されうる。
【0158】
本発明の主なる特徴及び態様は以下のとおりである。
【0159】
1.一般式I
【0160】
【化11】
Figure 0003810260
【0161】
式中、
aは0及び1よりなる群から選ばれ、
b及びcは独立に0及び1よりなる群から選ばれ、但しb及びcの両方とも0であることはないものとし、
dは1、2及び3よりなる群から選ばれ、
e及びfは独立に0及び1よりなる群から選ばれ、但しe及びfの両方とも0であることはないものとし、
1及びR2は水素であるか、又はC1及びC2と一緒になって、C2がパラ位置であるアルキル(C1−C4)ベンゼン環もしくはアルコキシ(C1−C4)ベンゼン環を形成し、
3及びR4は水素であるか、又はC3及びC4と一緒になって、C3がパラ位置であるアルキル(C1−C4)ベンゼン環もしくはアルコキシ(C1−C4)ベンゼン環を形成し、
5及びR6は水素であるか、又はC5及びC6と一緒になってベンゼン環もしくはナフタレン環を形成し、
7及びR8は水素であるか、又はC7及びC8と一緒になって、C8がパラ位置であるアルキル(C1−C4)ベンゼン環もしくはアルコキシ(C1−C4)ベンゼン環を形成し、
9及びR10は水素であるか、又はC9及びC10と一緒になって、C9がパラ位置であるアルキル(C1−C4)ベンゼン環もしくはアルコキシ(C1−C4)ベンゼン環を形成し、
Xは窒素に対してオルト、パラ又はメタ位置にある発光団部分であり、そして
mは0、1及び2よりなる群から選ばれる、
のトリアザ−クリプタンド。
【0162】
2.発光団部分Xが、
一般式II
【0163】
【化12】
Figure 0003810260
【0164】
式中、R11、R12、R13、R14、R15及びR16の少なくとも1つは−NH−基であり、その基を介してXは基−(CH2m−に結合しており、そして残りの基及びR17は独立に水素、親油性基、親水性基及びポリマーにカップリングするための反応性基よりなる群から選ばれる、
を有するアミノナフタルイミド基、及び
一般式III
【0165】
【化13】
Figure 0003810260
【0166】
式中、m=0であり、そしてR18、R19、R20、R21、R22、R23、R24及びR25の少なくも1つは化学結合を表し、その結合を介してXはイオノホア部分に直接結合しており、そして残りの基は各々−OH、−OR26(ここでR26は親水性基もしくは親油性基である)、−O−R27−G(ここでR27は親水性基もしくは親油性基でありそしてGはポリマーにカップリングするための反応性基である)、及び−(CH2n−COOH(ここでnは0〜17の数である)よりなる群から選ばれる、
を有するキサンテノン基、及び
一般式IV
【0167】
【化14】
Figure 0003810260
【0168】
式中、R28、R29、R30、R31、R32、R33及びR34の少なくとも1つは化学結合を表し、その結合を介してXは基−(CH2m−に結合しており、そして残りの基は独立に水素、親油性基、親水性基及びポリマーもしくは生体分子にカップリングするための反応性基よりなる群から選ばれ、又はR29はR30と一緒になって芳香族環系を形成し、そしてR33はR34と一緒になって芳香族環系を形成している、
を有する化合物、及び
発光性金属配位子錯体、
よりなる群から選ばれる上記1に記載のトリアザ−クリプタンド。
【0169】
3.該クリプタンドの3つの窒素の各々が少なくとも1つのアリール基に結合している上記1又は2に記載のトリアザ−クリプタンド。
【0170】
4.a=1、b=1、c=1、d=1、e=1、f=1であり、
3、R4、R5、R6、R7及びR8が水素であり、
1及びR2が、C1及びC2と一緒になって、C2がパラ位置であるトルエン環を形成し、そして
9及びR10が、C9及びC10と一緒になって、C9がパラ位置であるトルエン環を形成する、
上記3に記載のトリアザ−クリプタンド。
【0171】
5.a=0、b=1、c=1、d=1、e=0、f=1であり、
3、R4、R5及びR6が水素であり、
1及びR2が、C1及びC2と一緒になって、C2がパラ位置であるトルエン環を形成し、そして
9及びR10が、C9及びC10と一緒になって、C9がパラ位置であるトルエン環を形成する、
上記3に記載のトリアザ−クリプタンド。
【0172】
6.発光団部分及びイオノホア部分を有する化合物を準備し、
該イオノホア部分をサンプル中に存在するアルカリイオンと反応させ、その際発光団部分はそのルミネセンス特性を変え、
該ルミネッセンスを測定し、そして
該測定されたルミネッセンスを利用してサンプル中のアルカリイオンの存在を決定する、
段階を含んで成り、該化合物が上記1〜5のいずれかに記載のトリアザ−クリプタンドである、
ことを特徴とするサンプル中のアルカリイオンの決定方法。
【0173】
7.サンプルが6.5より高いpHを有し、そして化合物が上記3に記載のトリアザ−クリプタンドである上記6に記載の方法。
【0174】
8.カリウムイオンを決定するための上記6又は7に記載の方法。
【0175】
9.化合物が上記4に記載のトリアザ−クリプタンドである上記8に記載の方法。
【0176】
10.化合物が上記5に記載のトリアザ−クリプタンドである、ナトリウムイオンを決定するための上記6又は7に記載の方法。
【0177】
11.サンプルのイオンと接触している発光団−イオノホアの相対的ルミネセンス強度を測定し、そしてアルカリイオンの濃度を、
校正媒体中で発光団−イオノホアを校正し、その際アナライトアルカリイオンMで十分に飽和された発光団−イオノホアの相対的ルミネセンス強度SmMは、式8
【0178】
【数15】
Figure 0003810260
【0179】
式中、
calは校正媒体の存在下でのセンサの相対的ルミネセンス強度であり、
qo、qi、KM及びKNiは、サンプル中に溶解しているか又は親水性マトリックス中に存在する発光団−イオノホアに対する特定のパラメーターであり、ここでqoは結合したアナライトアルカリイオンMを有する発光団−イオノホアLMのルミネセンス強度に対する遊離の発光団−イオノホアLのルミネセンス強度を示す係数であり、qiはLMのルミネセンス強度に対する結合した妨害イオンNiを有する発光団−イオノホアLNiのルミネセンス強度を示す係数であり、KM及びKNiはイオノホア−イオン錯体の形成定数であり、
cMcal及びcNi,calは校正液体中のアナライトアルカリイオンM及び1種もしくはそれ以上の妨害イオンNiの濃度である、
に従って決定され、そして
サンプル中のアナライトアルカリイオンMの濃度cMを、式7
【0180】
【数16】
Figure 0003810260
【0181】
式中、
Sはサンプルのイオンとの結合平衡における発光団−イオノホアの測定された相対的ルミネセンス強度であり、
cNiはサンプル中のi番目の妨害イオンの濃度であり、そして
qo、qi、KNi、KM及びSmMは式8におけると同じ意味を有する、
に従って決定する、
段階を含んで成る方法により、該測定されたルミネセンスを利用して決定する上記6に記載の方法。
【0182】
12.サンプルのイオンと接触している発光団−イオノホアの時間依存性ルミネセンス強度を励起光のスイッチを切った後測定し、そしてアルカリイオンの濃度を、式10
【0183】
【数17】
Figure 0003810260
【0184】
式中、
KdMは発光団−イオノホアに対して特定のイオノホア−イオン錯体の解離定数であり、
qoは上記11の式8におけると同じ意味を有し、そして
比ALM/ALは、式9
【0185】
【数18】
Figure 0003810260
【0186】
式中、
S(t)は励起光のスイッチを切った後測定されたサンプルのイオンと接触している発光団−イオノホアの時間依存性ルミネセンス強度であり、
下つき文字L、LM及びLNiは、それぞれ、遊離の発光団−イオノホア、結合したアナライトアルカリイオンMを有する発光団−イオノホア、及び結合した妨害イオンNiを有する発光団−イオノホアを表し、
τL、τLM及びτLNiは、それぞれ、遊離の発光団−イオノホア、結合したアナライトアルカリイオンMを有する発光団−イオノホア及び結合した妨害イオンiを有する発光団−イオノホアについての減衰時間であり、そして
L、ALM及びANiは発光団−イオノホアの結合していない形態及び結合している形態のそれぞれのプレエクスポネンシャル係数(pre−exponential factors)である、
に従って決定される、
に従ってサンプル中のアナライトアルカリイオンMの濃度cMを決定することにより、該測定された時間依存性ルミネセンスを利用して決定する上記6に記載の方法。
【0187】
13.発光団部分及びイオノホア部分を有する化合物を含んでなるマトリックスを有し、該化合物が上記1〜5のいずれかに記載のトリアザ−クリプタンドであることを特徴とするサンプル中のアルカリイオンを決定するための光学的センサ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うイオノホア(トリアザ−クリプタンド)の例を示す。
【図2】それぞれ、すべて脂肪族、脂肪族/芳香族、及びすべて芳香族の橋かけ窒素に従ってグループ分けされた本発明に従うイオノホアを示す。
【図3】本発明に従うトリアザ−クリプタンド(Q28)及び発光団−イオノホア(Q28FI及びQ28FIA)の合成経路の例示である。
【図4】本発明に従うトリアザ−クリプタンド(Q29)及び発光団−イオノホア(Q29FI)の合成経路の例示である。
【図5】本発明に従うルミネセンス測定システムの略図である。
【図6】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ3FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をカリウム及びナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示すグラフである。
【図7】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ3FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をpHの関数として示すグラフである。
【図8】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ3FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示すグラフである。
【図9】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ7FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をカリウム及びナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示すグラフである。
【図10】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ7FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をpHの関数として示すグラフである。
【図11】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ7FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示すグラフである。
【図12】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ17FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をカリウム及びナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示すグラフである。
【図13】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ17FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をpHの関数として示すグラフである。
【図14】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ17FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示すグラフである。
【図15】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ27FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をカリウム及びナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示すグラフである。
【図16】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ27FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をpHの関数として示すグラフである。
【図17】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ27FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示すグラフである。
【図18】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ28FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をカリウム及びナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示すグラフである。
【図19】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ28FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をpHの関数として示すグラフである。
【図20】アミノセルロースに固定化された本発明に従うQ28FIAトリアザ−クリプタンドの相対的ルミネセンス強度(縦座標)をナトリウムイオンの種々の濃度の関数として示すグラフである。
【符号の説明】
A 光学フィルター
F 光学フィルター
I 本発明の化合物
L 光源(青色LEDs)
M 検出器(ホトダイオード)
M 親水性イオン透過性ポリマー(ヒドロゲル)中に懸濁させそしてアミノセルロースに固定化され本発明の化合物の層
P サンプル
S センサディスク
T 基材

Claims (6)

  1. 一般式I
    Figure 0003810260
    式中、
    aは0及び1よりなる群から選ばれ、
    b及びcは独立に0及び1よりなる群から選ばれ、但しb及びcの両方とも0であることはないものとし、
    dは1、2及び3よりなる群から選ばれ、
    e及びfは独立に0及び1よりなる群から選ばれ、但しe及びfの両方とも0であることはないものとし、
    1及びR2は水素であるか、又はC1及びC2と一緒になって、C2がパラ位置であるアルキル(C1−C4)ベンゼン環もしくはアルコキシ(C1−C4)ベンゼン環を形成し、
    3及びR4は水素であるか、又はC3及びC4と一緒になって、C3がパラ位置であるアルキル(C1−C4)ベンゼン環もしくはアルコキシ(C1−C4)ベンゼン環を形成し、
    5及びR6は水素であるか、又はC5及びC6と一緒になってベンゼン環もしくはナフタレン環を形成し、
    7及びR8は水素であるか、又はC7及びC8と一緒になって、C8がパラ位置であるアルキル(C1−C4)ベンゼン環もしくはアルコキシ(C1−C4)ベンゼン環を形成し、
    9及びR10は水素であるか、又はC9及びC10と一緒になって、C9がパラ位置であるアルキル(C1−C4)ベンゼン環もしくはアルコキシ(C1−C4)ベンゼン環を形成し、
    Xは窒素に対してオルト、パラ又はメタ位置にある発光団部分であり、そして
    mは0、1及び2よりなる群から選ばれる、
    のトリアザ−クリプタンド。
  2. 発光団部分Xが、
    一般式II
    Figure 0003810260
    式中、R11、R12、R13、R14、R15及びR16の少なくとも1つは−NH−基であり、その基を介してXは基−(CH2m−に結合しており、そして残りの基及びR17は独立に水素、親油性基、親水性基及びポリマーにカップリングするための反応性基よりなる群から選ばれる、
    を有するアミノナフタルイミド基、及び
    一般式III
    Figure 0003810260
    式中、m=0であり、そしてR18、R19、R20、R21、R22、R23、R24及びR25の少なくも1つは化学結合を表し、その結合を介してXはイオノホア部分に直接結合しており、そして残りの基は各々−OH、−OR26(ここでR26は親水性基もしくは親油性基である)、−O−R27−G(ここでR27は親水性基もしくは親油性基でありそしてGはポリマーにカップリングするための反応性基である)、及び−(CH2n−COOH(ここでnは0〜17の数である)よりなる群から選ばれる、
    を有するキサンテノン基、及び
    一般式IV
    Figure 0003810260
    式中、R28、R29、R30、R31、R32、R33及びR34の少なくとも1つは化学結合を表し、その結合を介してXは基−(CH2m−に結合しており、そして残りの基は独立に水素、親油性基、親水性基及びポリマーもしくは生体分子にカップリングするための反応性基よりなる群から選ばれ、又はR29はR30と一緒になって芳香族環系を形成し、そしてR33はR34と一緒になって芳香族環系を形成している、
    を有する化合物、及び
    発光性金属配位子錯体、
    よりなる群から選ばれる請求項1に記載のトリアザ−クリプタンド。
  3. 発光団部分及びイオノホア部分を有する化合物を準備し、
    該イオノホア部分をサンプル中に存在するアルカリイオンと反応させ、その際発光団部分はそのルミネセンス特性を変え、
    該ルミネセンスを測定し、そして
    該測定されたルミネセンスを利用してサンプル中のアルカリイオンの存在を決定する、
    段階を含んで成り、該化合物が請求項1又は2に記載のトリアザ−クリプタンドである、
    ことを特徴とするサンプル中のアルカリイオンの存在の決定方法。
  4. サンプルのイオンと接触している発光団−イオノホアの相対的ルミネセンス強度を測定する請求項3に記載の方法であって該方法がさらに、アルカリイオンの濃度を、
    校正媒体中で発光団−イオノホアを校正し、その際アナライトアルカリイオンMで十分に飽和された発光団−イオノホアの相対的ルミネセンス強度Smは、式8
    Figure 0003810260
    式中、
    calは校正媒体の存在下でのセンサの相対的ルミネセンス強度であり、
    qo、q、K及びKNiは、サンプル中に溶解しているか又は親水性マトリックス中に存在する発光団−イオノホアに対する特定のパラメーターであり、ここでqoは結合したアナライトアルカリイオンMを有する発光団−イオノホアLMのルミネセンス強度に対する遊離の発光団−イオノホアLのルミネセンス強度を示す係数であり、qiはLMのルミネセンス強度に対する結合した妨害イオンNを有する発光団−イオノホアLNのルミネセンス強度を示す係数であり、K及びKNiはイオノホア−イオン錯体の形成定数であり、
    cMcal及びcN,calは校正液体中のアナライトアルカリイオンM及び1種もしくはそれ以上の妨害イオンNの濃度である、
    に従って決定され、そして
    サンプル中のアナライトアルカリイオンMの濃度cMを、式7
    Figure 0003810260
    式中、
    Sはサンプルのイオンとの結合平衡における発光団−イオノホアの測定された相対的ルミネセンス強度であり、
    cNはサンプル中のi番目の妨害イオンの濃度であり、そして
    qo、q、KNi、K及びSmは式8におけると同じ意味を有する、
    に従って決定する、
    段階を含んで成る方法により測定されたルミネセンスを利用してアルカリイオンの濃度を決定することを含んで成る方法。
  5. サンプルのイオンと接触している発光団−イオノホアの時間依存性ルミネセンス強度を励起光のスイッチを切った後測定する請求項3に記載の方法であって該方法がさらに、アルカリイオンの濃度を、式10
    Figure 0003810260
    式中、
    Kdは発光団−イオノホアに対して特定のイオノホア−イオン錯体の解離定数であり、
    qoは請求項4の式8におけると同じ意味を有し、そして
    比ALM/Aは、式9
    Figure 0003810260
    式中、
    S(t)は励起光のスイッチを切った後測定されたサンプルのイオンと接触している発光団−イオノホアの時間依存性ルミネセンス強度であり、
    下つき文字L、LM及びLNは、それぞれ、遊離の発光団−イオノホア、結合したアナライトアルカリイオンMを有する発光団−イオノホア、及び結合した妨害イオンNを有する発光団−イオノホアを表し、
    τ、τLM及びτLNiは、それぞれ、遊離の発光団−イオノホア、結合したアナライトアルカリイオンMを有する発光団−イオノホア及び結合した妨害イオンiを有する発光団−イオノホアについての減衰時間であり、そして
    、ALM及びANiは発光団−イオノホアの結合していない形態及び結合している形態のそれぞれのプレエクスポネンシャル係数(pre−exponential factors)である、
    に従って決定される、
    に従ってサンプル中のアナライトアルカリイオンMの濃度cMを決定することにより測定された時間依存性ルミネセンスを利用してアルカリイオンの濃度を決定することを含んで成る方法。
  6. 発光団部分及びイオノホア部分を有する化合物を含んでなるマトリックスを有し、該化合物が請求項1又は2に記載のトリアザ−クリプタンドであることを特徴とするサンプル中のアルカリイオンを決定するための光学的センサ。
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