JP3809680B2 - 露光方法 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程中で、マスクパターンを感光基板上に転写するための露光方法に関し、特にステップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型の露光装置で露光を行う場合に使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体素子を製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンをフォトレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)の各ショット領域に転写するための露光装置として、従来はステップ・アンド・リピート方式(一括露光方式)の縮小投影型露光装置(ステッパー)が多用されていた。これに対して最近、投影光学系に対する負担をあまり重くすることなく、高精度に大面積の回路パターンを転写するという要請に応えるために、レチクル上のパターンの一部を投影光学系を介してウエハ上に投影した状態で、レチクルとウエハとを投影光学系に対して同期走査することにより、レチクル上のパターンの像を逐次ウエハ上の各ショット領域に転写する所謂ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置が開発されている。
【0003】
従来より知られている、一体型のステージによる1回の走査露光でレチクル全面のパターンを等倍の正像でウエハの全面に転写するアライナは、走査型露光装置の原型とも言えるものである。これに対して、ステップ・アンド・スキャン方式では通常縮小倍率の投影光学系が使用されるため、レチクルステージとウエハステージとをその縮小倍率に応じた速度比で独立に駆動する必要があり、且つ各ショット領域間の移動はステッピング方式で行うため、ステージ系の機構は複雑で、極めて高度な制御が必要である(例えば特開平7−176468号公報参照)。
【0004】
そのため、図9に示すように、従来よりステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置のステージはレーザ干渉計の計測値に基づいて速度、及び位置が制御されていた。即ち、図9(a1)及び(a2)において、ウエハWが載置されるウエハステージ51にはX軸の移動鏡52X及びY軸の移動鏡52Yが固定され、レチクルRが載置されるレチクルステージ54にもX軸の移動鏡55X及びY軸の移動鏡55Yが固定されている。そして、ウエハWが移動する平面の直交座標系をX軸及びY軸として、走査露光時の走査方向をY軸に沿った方向(Y方向)とすると、従来は走査方向用のY軸の移動鏡52Y及び55Yに対して平行にそれぞれ2本の計測用のレーザビーム53Y1,53Y2、及び56Y1,56Y2が照射され、非走査方向用の移動鏡52X及び55Xに対してそれぞれ1本の計測用のレーザビーム53X及び56Xが照射され、走査方向の位置(Y座標)は2軸のレーザ干渉計で計測され、非走査方向の位置(X座標)は1軸のレーザ干渉計で計測されていた。
【0005】
このとき、走査方向用の2軸のレーザ干渉計の一方は、ヨーイング計測用のレーザ干渉計であり、2軸のY座標の差分より、ウエハステージ51(ウエハW)及びレチクルステージ54(レチクルR)の回転角が計測され、走査露光時には両ステージ51及び54のX座標、及びY座標が投影倍率に応じた位置関係となり、且つ両ステージの相対回転角が一定となるように両ステージ51及び54の同期走査が行われていた。なお、通常は反転投影の投影光学系が使用されるため、ウエハステージ51とレチクルステージ54との走査方向は逆であるが、簡単のために正立像が投影されるものとして両ステージの走査方向が共に−Y方向であるとしている。
【0006】
即ち、走査露光時には、移動鏡の反射面が正確にX軸及びY軸に平行であるとすると、ウエハステージ51によってスリット状の露光領域58に対してウエハWが−Y方向に移動するのと同期して、レチクルステージ54によってスリット状の照明領域57に対してレチクルRが−Y方向に移動して、ウエハW上の1つのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。この結果露光されるショット領域は、図9(a3)に拡大して示すショット領域SAaのように正確な矩形であり、ウエハW上に形成されるショット配列は、図9(a4)に示すようにX軸、及びY軸に沿って配列される格子状である。
【0007】
これに対して、ウエハステージ51のヨーイングによって、図9(b1)に示すように移動鏡52X,52Yが角度θだけ時計回りに回転すると、ウエハWの走査方向は、矢印60bで示すように移動鏡52Xの反射面に沿った方向(本来のY軸に対して角度θだけ傾斜した方向)となり、ウエハWの非走査方向へのステッピング方向は、矢印61bで示すように移動鏡52Yの反射面に沿った方向となる。この場合、移動鏡52Yの傾斜によってウエハステージ51の回転が検出され、それに合わせてレチクルステージ54も角度θだけ回転されるため、図9(b2)の矢印59bで示すように、レチクルRも角度θだけ回転した状態で、且つその回転した方向に走査される。従って、走査露光によってウエハW上で露光されるショット領域(レチクルRのパターン像の転写領域)は、図9(b3)のショット領域SAbで示すように、回転はしているが正確な矩形であり、ウエハW上のショット配列(図9(b4)参照)も、回転はしているが配列方向が直交する格子状(以下、「直交格子状」と呼ぶ)である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く従来のステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置では、ウエハステージ及びレチクルステージの座標位置はそれぞれレーザ干渉計によって計測され、レーザ干渉計用の2軸の移動鏡の直交度が良好である場合には、仮にウエハステージがヨーイングによって回転しても露光されるショット領域の形状は矩形であり、得られるショット配列も直交格子状であった。
【0009】
しかしながら、雰囲気気体の温度変化、又は露光光の照射による温度上昇等によって、ステージが熱変形したり、又はレーザ干渉計用の移動鏡自体が熱変形したりすることによって、それらの移動鏡の直交度が悪化したような場合に、露光されるショット領域の形状が矩形でなくなると共に、ショット配列も直交格子状でなくなる恐れがあった。これは主に、従来はステージの走査方向の位置を2軸のレーザ干渉計で計測し、得られた計測値の差分によってステージの回転角を求めていたこと、即ち図9の例では走査方向用の移動鏡52Y,55Yに対してヨーイング計測用のレーザ干渉計からのレーザビームが照射されていたことに依ると考えられる。
【0010】
具体的に、図9(c1)はウエハステージ側の非走査方向用、即ちヨーイング計測が行われない移動鏡52Xが角度θだけ傾斜した状態を示す。この場合、ウエハWの走査方向は矢印60cで示すように、傾斜した移動鏡52Xの反射面に沿った方向であるが、ウエハステージの回転角の変化は検出されないため、図9(c2)に示すように、レチクルR(レチクルステージ54)は−Y方向に走査される。そのため、ウエハW上に形成されるショット領域は、図9(c3)のショット領域SAcで示すように平行四辺形となり、ショット配列(図9(c4)参照)も平行四辺形状となる。
【0011】
また、図9(d1)はウエハステージ側の走査方向用、即ちヨーイング計測が行われている移動鏡52Yが角度θだけ傾斜した状態を示す。この場合、ウエハWの走査方向は−Y方向であるが、ウエハステージの回転角の変化が検出されるため、図9(d2)に矢印59dで示すように、レチクルRは本来のY軸に対して角度θだけ回転した状態で、且つ角度θだけ傾斜した方向に走査される。そのため、ウエハW上に形成されるショット領域は、図9(d3)のショット領域SAdで示すように平行四辺形を90°回転させた形状となり、ショット配列(図9(d4)参照)も同様の形状となる。
【0012】
図9(c4)又は(d4)に示すショット配列の配列誤差は、線形誤差(1次誤差)であるため、その上のレイヤへの露光を行う際には、例えば所謂エンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)方式のアライメントを行って統計処理によってショット配列を求め、求められたショット配列に従ってウエハステージのステッピングを行うことによって実質的にその配列誤差が補正できる。しかしながら、そのような配列誤差は少ない程良いのは言うまでもない。一方、ショット領域SAc,SAdで示すようにショット領域が変形した場合、図9(a1)のスリット状の露光領域58のY方向の幅をD、移動鏡の回転角をθ(rad)とすると、ウエハW上に露光される像は走査露光中に非走査方向に略D・θだけ横シフトした像と等価になり、像劣化を起こすという不都合がある。
【0013】
このような像劣化を低減するために、従来よりウエハステージ上に所定の基準マークが形成された基準マーク板が固定され、定期的に(例えばウエハ交換時に)その基準マーク板上の基準マークとレチクル上のアライメントマークとの相対回転角の計測が行われ、その計測結果に基づいてレチクルの回転角の補正が行われていた。この際に、ウエハステージの熱変形等によって、レーザ干渉計の移動鏡によって定まるウエハステージの走り方向とその基準マーク板との角度が変化していると、レチクルの回転角の補正が正確に行われなくなり、露光されるショット領域が変形するという不都合があった。
【0014】
また、上述のように例えばEGA方式のアライメントを行う場合、所定のアライメントセンサを用いてウエハ上の所定のショット領域に付設されたアライメントマーク(ウエハマーク)の位置検出を行う必要がある。この際に、アライメントセンサの検出結果に基づいてウエハ上の各ショット領域をそれぞれレチクルのパターン像に高精度に合わせ込むために、基準マーク板を使用することによって例えば定期的に、アライメントセンサの基準点(検出中心等)とウエハ上に露光される像の基準点(露光中心等)との間隔であるベースライン量が求めて記憶され、このベースライン量でそのアライメントセンサの検出結果が補正される。このように定期的にベースライン量の計測を行うことは、インターバル・ベースラインチェックと呼ばれている。この場合にも、熱変形等によってレーザ干渉計の移動鏡によって定まるウエハステージの走り方向と基準マーク板との傾斜角の変動があると、実質的にベースライン量が変動して、重ね合わせ誤差が大きくなるという不都合があった。
【0015】
本発明は斯かる点に鑑み、ウエハステージの走り方向と、レチクルの回転角の基準となる基準マーク板との相対角度が変化した場合でも、ウエハ上で露光されるショット領域の歪の発生を防止できるか、又はウエハ上のショット配列を直交格子状にできる露光方法を提供することを第1の目的とする。
本発明は更に、ウエハステージの走り方向と、アライメントセンサのベースライン量を計測するための基準マーク板との相対角度が変化した場合でも、そのベースライン量を高精度に計測できる露光方法を提供することを第2の目的とする。
【0016】
本発明は更に、ウエハステージの走り方向と、アライメントセンサのベースライン量を計測するための基準マークとの相対角度が変化しにくく、結果としてそのベースライン量を高精度に計測できる露光方法を提供することを第3の目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の露光方法は、マスク(12)上のパターンの一部を露光光のもとで基板ステージ(1〜4)上の感光性の基板(5)上に投影した状態で、マスク(12)及び基板(5)を同期して対応する走査方向に走査することにより、マスク(12)上のパターンを基板(5)上の各ショット領域に逐次転写する露光方法において、マスク(12)上にその走査方向に沿って複数個の計測用マーク(29A,29D)を形成し、これら複数個の計測用マークと実質的に同一の位置関係を有する複数個の基準マーク(35A,35D)が形成された基準マーク部材(6)をその基板ステージ上に配置しておき、その基板ステージをその走査方向に移動することによって、マスク(12)上のそれら複数個の計測用マークの内の1つの計測用マーク(29A)と基準マーク部材(6)上の複数個の基準マーク(35A,35D)のそれぞれとの位置ずれ量を順次計測し、この計測結果より複数個の基準マーク(35A,35D)の配列方向と、その基板ステージの走り方向との相対回転角θ1を検出する第1工程と、マスク(12)及び基板(5)をその対応する走査方向に同期して移動させて、マスク(12)上の複数個の計測用マーク(29A,29D)のそれぞれと基準マーク部材(6)上の対応する基準マーク(35A,35D)との位置ずれ量を順次計測し、この計測結果より、マスク(12)の走査方向とその基板ステージの走査方向との相対回転角θ2を検出する第2工程と、を有し、その相対回転角θ1の情報に基づいて、その基板ステージのステッピング方向を決定し、その相対回転角θ2の情報に基づいて、マスク(12)の走査方向を決定するものである。
【0018】
斯かる本発明によれば、マスク(12)を固定してその基板ステージを走査した状態で検出される相対回転角θ1は、基準マーク(35A,35D)の配列方向、即ち基準マーク部材(6)の角度と、その基板ステージの走査露光時の走り方向との相対角度である。また、仮にその基板ステージを基準マーク部材(6)に沿って走査した場合、マスク(12)を対応する走査方向に同期して移動したときに計測される相対回転角θ2は、両ステージの走査方向の回転誤差である。そこで、ステージの熱変形等によってその基板ステージと基準マーク部材(6)の角度が変化したような場合でも、その基板ステージのショット領域間のステッピング方向を例えばその基準マーク部材(6)の基準マークの配列方向、又はこれに直交する方向にすることによって、基板(5)上に形成されるショット配列が直交格子状となる。更に、その基板ステージの走査方向を基準マーク部材(6)に沿った方向として、マスク(12)を基準マーク部材(6)に沿って走査することによって、ショット領域が矩形となる。
【0019】
また、本発明による第2の露光方法は、上記の本発明の第1の露光方法とその第1工程、及び第2工程を実行するまでは同一である。その後、この第2の露光方法では、それら第1工程及び第2工程で得られる相対回転角θ1と相対回転角θ2との差に基づいて、マスク(12)の回転角の補正を行うものである。
斯かる本発明によれば、例えば基準マーク部材(6)に対するマスク(12)の相対回転誤差をΔθとすると、マスク(12)及び基板(5)を対応する走査方向に同期して移動したときに計測される相対回転角θ2は、(Δθ+θ1)となる。即ち、マスク(12)の基準マーク部材(6)に対する相対回転誤差Δθは(θ2−θ1)である。そこで、ステージの熱変形等によってその基板ステージと基準マーク部材(6)の角度が変化したような場合でも、本発明による相対回転誤差Δθの計測を行って、マスク(12)の回転角を例えば−Δθだけ補正することによって、マスク(12)の回転角を基準マーク部材(6)に合わせることができる。これによって、基板(5)上に露光されるショット領域がより矩形となる。
【0020】
また、本発明による第3の露光方法は、上記の本発明の第1の露光方法とその第1工程を実行するまでは同一である。その後、この第3の露光方法では、マスク(12)をその走査方向に走査することによって、基準マーク部材(6)上のそれら複数個の基準マークの内の1つの基準マーク(35A)とマスク(12)上のそれら複数個の計測用マーク(29A,29D)のそれぞれとの位置ずれ量を順次計測し、この計測結果より複数個の計測用マーク(29A,29D)の配列方向と、マスク(12)の走り方向との相対回転角θ3を検出する第2工程を実行し、その第1工程で検出される相対回転角θ1の情報に基づいて走査露光時のその基板ステージの位置を補正し、その相対回転角θ3の情報に基づいて走査露光時のマスク(12)の位置を補正するものである。
【0021】
斯かる本発明によれば、その第1工程で検出される相対回転角θ1は、基準マーク部材(6)に対するその基板ステージの走り方向の傾斜角であり、その第2工程で検出される相対回転角θ3は、マスク(12)の走り方向に対するマスク(12)のパターンの傾斜角である。そこで、走査露光時に、その基板ステージの走査方向が基準マーク部材(6)に沿った方向となるようにその基板ステージの位置を次第にずらすと共に、マスク(12)の走査方向がマスク(12)のパターンに沿った方向となるようにマスク(12)の位置を次第にずらすことによって、基板(5)上に露光されるショット領域の歪が低減される。
【0022】
また、本発明の第4の露光方法は、露光光のもとでマスク(12)上のパターンの一部の像を投影光学系(8)を介して基板ステージ(1〜4)上の感光性の基板(5)上に投影した状態で、マスク(12)及び基板(5)を同期して対応する走査方向に走査することにより、マスク(12)上のパターンを基板(5)上の各ショット領域に逐次転写する露光方法において、投影光学系(8)の近傍に基板(5)上の位置合わせ用マークの位置を検出するためのオフ・アクシス方式のアライメント系(34)を配置し、マスク(12)上にその走査方向に沿って複数個の計測用マーク(29A,29D)を形成し、投影光学系(8)の露光フィールド内の基準点とアライメント系(34)の基準点との間隔に対応する間隔で第1及び第2の基準マーク(35A,37A)が形成された基準マーク部材(6)をその基板ステージ上に配置しておき、アライメント系(34)で基準マーク部材(6)上の第2の基準マーク(37A)を観察した状態で、マスク(12)をその走査方向に移動させて、マスク(12)上の複数個の計測用マーク(29A,29D)のそれぞれと基準マーク部材(6)上の第1の基準マーク(35A)との位置ずれ量を順次計測し、複数個の計測用マーク(29A,29D)のそれぞれと第1の基準マーク(35A)との位置ずれ量の平均値、このそれぞれの位置ずれ量より求めたマスク(12)のその走査方向に対する相対回転誤差、及びアライメント系(34)で観察した第2の基準マーク(37A)の位置ずれ量より、投影光学系(8)の露光フィールド内の基準点とオフ・アクシス方式のアライメント系(34)の基準点との間隔(ベースライン量)を求めるものである。
【0023】
斯かる本発明によれば、基準マーク部材(6)を基準として、マスク(12)上の計測用マーク(29A,29D)の配列方向、即ちマスクパターンの転写像の方向とマスク(12)の走り方向との相対回転誤差θ3の計測を行うのと並行して、アライメント系(34)で観察した第2の基準マーク(37A)の位置ずれ量ΔB2が計測され、これらの計測値よりアライメント系(34)のベースライン量が求められる。従って、その基板ステージの変形等によってその基板ステージに対する基準マーク部材(6)の相対角度が変化した場合でも、基準マーク部材(6)に基づいて高精度にベースライン量が計測される。
【0024】
また、本発明の実施の形態に記載された別の露光方法(以下、「第5の露光方法」という。)は、露光光のもとでマスク(12)上のパターンの一部の像を投影光学系(8)を介して基板ステージ(1〜4)上の感光性の基板(5)上に投影した状態で、マスク(12)及び基板(5)を同期して対応する走査方向に走査することにより、マスク(12)上のパターンを基板(5)上の各ショット領域に逐次転写する露光方法において、投影光学系(8)の近傍に基板(5)上の位置合わせ用のマークの位置を検出するためのオフ・アクシス方式のアライメント系(34)を配置し、マスク(12)上にその走査方向に沿って複数個の計測用マーク(29A,29D)を形成し、マスク(12)上のこれら複数個の計測用マークに対応させて第1の基準マーク(35A,35D)が複数個形成されると共に、これら複数個の第1の基準マークからそれぞれ投影光学系(8)の露光フィールド内の基準点とアライメント系(34)の基準点との間隔に対応する間隔で第2の基準マーク(37A,37D)が複数個形成された基準マーク部材(6)を基板ステージ(1〜4)上に配置し、マスク(12)及び基板(5)をそれら対応する走査方向に同期して移動させて、マスク(12)上の複数の計測用マーク(29A,29D)とそれに対応した基準マーク部材(6)上の第1の基準マーク(35A,35D)との位置ずれ量を計測するのと並行して、アライメント系(34)により第2の基準マーク(37A,37D)の位置ずれ量を計測する工程を、基準マーク部材(6)上の複数個の第1の基準マーク(35A,35D)のそれぞれに対して繰り返して行い、それら複数個の第1及び第2の基準マークのそれぞれに対して得られる位置ずれ量に基づいて、マスク(12)と基板(5)とのその対応する走査方向間の相対回転誤差を補正すると共に、基準マーク部材(6)上のそれら第1及び第2の基準マークの配列方向とその基板ステージの走査方向との相対回転角を補正するものである。
【0025】
斯かる本発明によれば、実質的に本発明の第1の露光方法の第2工程が実施されるのと並行して、アライメント系(34)のベースライン量の計測が行われる。そして、それらの計測結果に基づいて、基準マーク部材(6)を基準として、その基板ステージの走査方向が補正され、その基板ステージの走査方向に対してマスク(12)の走査方向が補正される。従って、その基板ステージの走り方向と、マスク(12)の回転角、及びアライメント系(34)のベースライン量を計測するための基準マーク板との相対角度が変化した場合でも、露光されるショット領域の歪が軽減され、アライメント系(34)のベースライン量が高精度に計測できる。
【0026】
また、本発明の実施の形態に記載された更に別の露光方法(以下、「第6の露光方法」という。)は、露光光のもとでマスク(12)上のパターンの一部の像を投影光学系(8)を介して基板ステージ(1〜3,4A)上の感光性の基板(5)上に投影した状態で、マスク(12)及び基板(5)を同期して対応する走査方向に走査することにより、マスク(12)上のパターンを基板(5)上の各ショット領域に逐次転写する露光方法において、投影光学系(8)の近傍に基板(5)上の位置合わせ用マークの位置を検出するためのオフ・アクシス方式のアライメント系(34)を配置し、座標位置計測用の移動鏡(41X)をその基板ステージ上に固定し、マスク(12)上にその走査方向に沿って複数個の計測用マーク(29A,29D)を形成し、移動鏡(41X)の上面部にマスク(12)上の複数個の計測用マーク(29A,29D)に対応させて第1の基準マーク(35A,35D)を複数個形成すると共に、これら複数個の第1の基準マークからそれぞれ投影光学系(8)の露光フィールド内の基準点とアライメント系(34)の基準点との間隔に対応する間隔で第2の基準マーク(37A,37D)を複数個形成し、マスク(12)及び基板(5)をその対応する走査方向に同期して移動させて、マスク(12)上の複数の計測用マーク(29A,29D)とそれに対応した移動鏡(41X)上の第1の基準マーク(35A,35D)との位置ずれ量を計測するのと並行して、アライメント系(34)により第2の基準マーク(37A,37D)の位置ずれ量を計測する工程を、移動鏡(41X)上の複数個の第1の基準マーク(35A,35D)のそれぞれに対して繰り返して行い、それら複数個の第1及び第2の基準マークのそれぞれに対して得られる位置ずれ量に基づいて、マスク(12)と基板(5)とのその対応する走査方向間の相対回転誤差を補正すると共に、投影光学系(8)の露光フィールド内の基準点とアライメント系(34)の基準点との間隔(ベースライン量)を補正するものである。
【0027】
斯かる本発明によれば、ベースライン量の計測時に、基準マーク板を兼用する移動鏡(41X)上の第1の基準マーク(35A,35D)に基づいてマスク(12)の走査方向が補正される。また、移動鏡(41X)が基準マーク板を兼用していると共に、その基板ステージの走り方向はその移動鏡(41X)の反射面に沿った方向であるため、その基板ステージの走り方向に対する基準マークの傾斜角が変化しにくくなっている。従って、そのベースライン量の計測を高精度に行うことができると共に、露光されるショット領域の歪が生じにくい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例につき図1〜図7を参照して説明する。本例は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置で露光を行う場合に本発明を適用したものである。
図1は本例の投影露光装置を示し、この図1において、図示省略された照明光学系からの露光光ELによる矩形の照明領域(以下、「スリット状の照明領域」という)によりレチクル12上のパターンが照明され、そのパターンの像が投影光学系8を介してフォトレジストが塗布されたウエハ5上に投影される。この状態で、露光光ELのスリット状の照明領域に対して、レチクル12が図1の紙面に対して前方向(又は後方向)に一定速度Vで走査されるのに同期して、ウエハ5は図1の紙面に対して後方向(又は前方向)に一定速度V/M(1/Mは投影光学系8の投影倍率)で走査される。投影倍率(1/M)は、例えば1/4,1/5等である。以下、投影光学系8の光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内でレチクル12及びウエハ5の設計上の走査方向(即ち、図1の紙面に垂直な方向)にY軸を、この走査方向に直交する非走査方向(即ち、図1の紙面に沿った方向)にX軸を取って説明する。但し、後述のようにステージ系の座標計測用の干渉計の移動鏡の傾斜等によって、レチクル及びウエハの実際の走査方向はY軸に平行な方向(Y方向)から外れることがある。
【0029】
次に、本例のレチクル12及びウエハ5のステージ系について説明する。先ず、レチクル支持台9上にY方向に駆動自在にレチクルY軸駆動ステージ10が載置され、このレチクルY軸駆動ステージ10上にレチクル微小駆動ステージ11が載置され、レチクル微小駆動ステージ11上にレチクル12が真空チャック等により保持されている。レチクル微小駆動ステージ11は、X方向、Y方向及び回転方向(θ方向)にそれぞれ微小量だけ且つ高精度にレチクル12の位置制御を行う。レチクル支持台9、レチクルY軸駆動ステージ10、及びレチクル微小駆動ステージ11よりレチクルステージが構成されている。レチクル微小駆動ステージ11上には移動鏡21が配置され、レチクル支持台9上に配置された干渉計本体14によって、常時レチクル微小駆動ステージ11のX方向、Y方向及びθ方向の位置がモニタされている。即ち、干渉計本体14は実際には、図2(a)に示す4軸の干渉計本体14X1,14X2,14Y1,14Y2を総称している。干渉計本体14により得られた位置情報が、装置全体の動作を統轄制御する主制御系22Aに供給されている。主制御系22Aは、レチクル駆動装置22Dを介してレチクルY軸駆動ステージ10及びレチクル微小駆動ステージ11の動作を制御する。
【0030】
一方、ウエハ支持台1上には、Y方向に駆動自在にウエハY軸駆動ステージ2が載置され、その上にX方向に駆動自在にウエハX軸駆動ステージ3が載置され、その上にZθ軸駆動ステージ4が設けられ、このZθ駆動ステージ4上にウエハ5が真空吸着によって保持されている。Zθ軸駆動ステージ4は、ウエハ5のZ方向の位置、傾斜角、及び微小回転角の制御を行う。ウエハ支持台1、ウエハY軸駆動ステージ2、ウエハX軸駆動ステージ3、及びZθ軸駆動ステージ4よりウエハステージが構成されている。Zθ軸駆動ステージ4上にも移動鏡7が固定され、外部に配置された干渉計本体13により、Zθ軸駆動ステージ4のX方向、Y方向及びθ方向の位置がモニタされ、干渉計本体13により得られた位置情報も主制御系22Aに供給されている。即ち、干渉計本体13も実際には、図2(b)に示す5軸の干渉計本体13X1,13X2,13FX,13Y1,13Y2を総称している。主制御系22Aは、ウエハ駆動装置22Bを介してウエハY軸駆動ステージ2、ウエハX軸駆動ステージ3、及びZθ軸駆動ステージ4の位置決め動作を制御する。
【0031】
また、後述するが、干渉計本体13によって計測される座標により規定されるウエハステージの座標系と、干渉計本体14によって計測される座標により規定されるレチクルステージの座標系との対応をとるために、Zθ軸駆動ステージ4上のウエハ5の近傍に所定の基準マークが形成された基準マーク板6が固定されている。その基準マーク中にはZθ軸駆動ステージ4の内部に導かれた露光光ILと同じ波長域の照明光により底面側から照明されている基準マーク、即ち発光性の基準マークもある。
【0032】
本例のレチクル12の上方には、基準マーク板6上の基準マークとレチクル12上のアライメントマークとを同時に観察するためのレチクルアライメント顕微鏡(以下、「RA顕微鏡」と呼ぶ)19及び20が配置されている。この場合、レチクル12からの検出光をそれぞれRA顕微鏡19及び20に導くための偏向ミラー15及び16が移動自在に配置され、露光シーケンスが開始されると、主制御系22Aからの指令のもとで、ミラー駆動装置17及び18によりそれぞれ偏向ミラー15及び16は退避される。更に、投影光学系8のY方向の側面部に、ウエハ5上のアライメントマーク(ウエハマーク)の位置を検出するためのオフ・アクシス方式のアライメントセンサ34が配置されている。本例のアライメントセンサ34は、一例として撮像方式で内部の指標マークに対するウエハマークの位置ずれ量を検出して主制御系22Aに供給する。なお、アライメントセンサ34としては、回折格子状のウエハマークに可干渉な2光束を照射する所謂2光束干渉方式(LIA方式)、又はドット列状のウエハマークとスリット状に照射されたレーザビームとを相対走査するレーザ・ステップ・アライメント方式(LSA方式)等も使用できる。また、主制御系22Aには、オペレータからのコマンドを入力したり、計測データを表示したりするためのコンソール22Cが接続されている。
【0033】
次に、図2を参照して本例のステージ系用のレーザ干渉計(レーザ光波干渉式測長器)の構成につき説明する。
図2(a)は、図1のレチクル微小駆動ステージ11を示す平面図、図2(b)は、図1のウエハステージ側のZθ軸駆動ステージ4を示す平面図であり、図2(a)において、レチクル微小駆動ステージ11上にはレチクル12が真空吸着等によって保持され、レチクル12上のX方向に細長いスリット状の照明領域61に露光光が照射されている。
【0034】
レチクル12(レチクル微小駆動ステージ11)はY方向に走査されるため、レチクル微小駆動ステージ11の+X方向の端部に、走査方向(Y方向)に沿って延びた平行平板ガラスよりなる移動鏡21Xが設置され、干渉計本体14X1及び14X2より移動鏡21Xの反射面に、Y方向に間隔L1で平行に計測用のレーザビーム(計測用ビーム)LRX1及びLRX2が照射されている。干渉計本体14X1,14X2はそれぞれ参照鏡と、移動鏡21X及びその参照鏡からのレーザビームの干渉光を受光するレシーバと、このレシーバからの光電変換信号を処理する信号処理部とを備え、そのレシーバからの光電変換信号を処理することによって移動鏡21Xの反射面のX座標が検出できるように構成されている。移動鏡21Xはレチクル12の加速、露光、減速時に両計測用ビームLRX1,LRX2が移動鏡21Xから外れることが無いように十分長く形成されている。更に、計測用ビームLRX1,LRX2は、スリット状の照明領域61の中心(投影光学系8の光軸AX)に対してY方向に振り分けになるように配置されており、干渉計本体14X1及び14X2の計測値をそれぞれXR1及びXR2とすると、これらの計測値の平均値としてレチクル12の非走査方向の位置(X座標)XRが検出され、それらの計測値の差分を間隔L1で除算することによって、レチクル12の非走査方向から見た回転角θRXが検出される。即ち、次式が成立している。
【0035】
【数1】
XR=(XR1+XR2)/2
【0036】
【数2】
θRX=(XR1−XR2)/L1
また、レチクル微小駆動ステージ11の+Y方向の端部には、X方向に間隔L2で移動鏡としてのコーナキューブ21Y1,21Y2が固定されており、コーナキューブ21Y1,21Y2に対してそれぞれ干渉計本体14Y1,14Y2より、走査方向に沿って平行に計測用ビームLRY1,LRY2が照射されている。また、コーナキューブ21Y1,21Y2で反射された計測用ビームLRY1,LRY2をそれぞれ反射して干渉計本体14Y1,14Y2側に戻す固定平面鏡14M1及び14M2が配置され、干渉計本体14Y1,14Y2はそれぞれダブルパス干渉方式でコーナキューブ21Y1,21Y2のY座標を検出する。なお、レチクル12はX方向の移動範囲は狭いと共に、コーナキューブ21Y1,21Y2の入射面に計測用ビームLRY1,LRY2が収まっている範囲では正確に位置検出を行うことができるため、走査方向の移動鏡としてはコーナキューブ21Y1,21Y2を使用できる。
【0037】
計測用ビームLRY1,LRY2も、照明領域61の中心(光軸AX)に関してX方向に中心対称に振り分けされており、干渉計本体14Y1,14Y2の計測値YR1,YR2の平均値によってレチクル12の走査方向の位置(Y座標)YRが検出される。また、それらの計測値の差分を間隔L2で除算することによってレチクル12の走査方向から見た回転角θRYが検出される。即ち、次式が成立している。
【0038】
【数3】
YR=(YR1+YR2)/2
【0039】
【数4】
θRY=(YR1−YR2)/L2
また、走査方向から見た回転角θRYと非走査方向から見た回転角θRXとの差分が、次のように移動鏡21Xとコーナキューブ21Y1,21Y2との直交度誤差ΔωRとなる。
【0040】
【数5】
ΔωR=(YR1−YR2)/L2−(XR1−XR2)/L1
本例では通常の露光時は、(数2)の非走査方向から見た回転角θRXに基づいてレチクル12の回転角(ヨーイング量)の補正を行い、走査方向から見た回転角θRYは使用しない。但し、例えば移動鏡21Xの曲がり量を計測するような場合には、その走査方向から見た回転角θRYによってレチクル12の回転角の制御を行う。即ち、移動鏡21Xの曲がり量の計測時には、その走査方向から見た回転角θRYが一定の値になるようにレチクル微小駆動ステージ11をY方向に走査し、所定間隔で干渉計本体14X1,14X2の計測値の差分(XR1−XR2)をサンプリングする。このようにサンプリングされたn番目(n=1,2,…)の差分をΔXDnとすると、レチクル微小駆動ステージ11のヨーイングは逐次補正されているので、差分ΔXDnは純粋に移動鏡21Xの曲がり情報であり、レチクル微小駆動ステージ11の各Y座標においてそれまでの差分ΔXDnをそれぞれ積分すると共に、それらの中間のY座標では前後の曲がり量を補間することによって、そのY座標の関数として移動鏡21Xの曲がり量が求められる。なお、その移動鏡21Xの曲がり量をスプライン関数等を用いてY座標の関数として求めてもよい。
【0041】
その後、走査露光を行う際には、レチクル微小駆動ステージ11の移動鏡21Xで実測されるX座標XR(=(XR1+XR2)/2)に対して、その移動鏡21Xの曲がり量を例えば加算することによって、その移動鏡21Xの曲がり量を補正したレチクル微小駆動ステージ11の正確なX座標が求められる。この補正後のX座標を使用することによって、レチクル微小駆動ステージ11(レチクル12)が直線的に走査されるため、ウエハ上に露光されるショット領域の形状がより正確な矩形となる。
【0042】
図2(a)において、移動鏡21X及び干渉計本体14X1,14X2より非走査方向用の2軸のレーザ干渉計が構成され、コーナキューブ21Y1,21Y2、固定平面鏡14M1,14M2、及び干渉計本体14Y1,14Y2より走査方向用の2軸のレーザ干渉計が構成されている。そして、干渉計本体14X1,14X2によって計測されるX座標XR、及び干渉計本体14Y1,14Y2によって計測されるY座標YRよりなる座標系をレチクルステージの座標系(XR,YR)と呼ぶ。この座標系は、X軸及びY軸よりなる設計上の理想的な直交座標系とは或る程度異なっている場合があるが、レチクル12はそのレチクルステージの座標系(XR,YR)に基づいて駆動される。
【0043】
次に、図2(b)において、Zθ軸駆動ステージ4上にはウエハ5が真空吸着等によって保持され、ウエハ5の近傍に基準マーク板6が固定されている。また、ウエハ5上でレチクル上の照明領域61と共役なスリット状の露光領域62にレチクル12の一部のパターンの像が投影され、露光領域62に対してウエハ5をY方向に走査することによって、ウエハ5上の1つのショット領域にレチクル12のパターンが転写される。Zθ軸駆動ステージ4の−X方向の端部に、走査方向(Y方向)に沿って延びた平行平板ガラスよりなる移動鏡7Xが設置され、Zθ軸駆動ステージ4の+Y方向の端部に移動鏡7Xに直交するように、非走査方向に沿って延びた平行平板ガラスよりなる移動鏡7Yが固定されている。干渉計本体13X1及び13X2より移動鏡7Xの反射面に、Y方向に間隔L3で平行に計測用ビームLWX1及びLWX2が照射され、干渉計本体13Y1及び13Y2より移動鏡7Yの反射面に、X方向に間隔L4で平行に計測用ビームLWY1及びLWY2が照射されている。また、干渉計本体13X1に対して干渉計本体13X2と対称な位置に干渉計本体13FXが配置され、干渉計本体13FXから計測用ビームLWX1に対してY方向に間隔L3で移動鏡7Xに計測用ビームBFXが照射されている。
【0044】
移動鏡7X,7Yはウエハ5の走査露光、又はステッピング時に対応する計測用ビームが外れることが無いように十分長く形成されている。更に、計測用ビームLWX1,LWX2は、スリット状の露光領域62の中心(光軸AX)に対してY方向に振り分けになるように配置されており、露光時には干渉計本体13X1及び13X2の計測値XW1,XW2の平均値によってウエハ5の非走査方向の位置(X座標)XWが検出され、干渉計本体13Y1及び13Y2の計測値YW1,YW2の平均値によってウエハ5の走査方向の位置(Y座標)YWが検出される。また、計測値XW1,XW2の差分を間隔L3で除算することによって、ウエハ5のヨーイング量(回転角)θWXが検出され、計測値YW1,YW2の差分を間隔L4で除算した回転角θWYと、そのヨーイング量θWXとの差分によって移動鏡7X,7Yの直交度誤差ΔωWが検出される。即ち、次式が成立している。
【0045】
【数6】
XW=(XW1+XW2)/2
【0046】
【数7】
YW=(YW1+YW2)/2
【0047】
【数8】
θWX=(XW1−XW2)/L3
【0048】
【数9】
ΔωW=(YW1−YW2)/L4−(XW1−XW2)/L3
更に本例では、計測用ビームLWX1,BFXは、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ34の検出中心である光軸に対してY方向に振り分けになるように配置されており、アライメントセンサ34を使用してアライメントを行う場合には、干渉計本体13X1,13FXの計測値XW1,XWFの平均値によってウエハ5の非走査方向の位置(X座標)XW’(次式)が検出され、このX座標XW’に基づいてウエハステージが駆動される。
【0049】
【数10】
XW’=(XW1+XWF)/2
この際に、計測用ビームLWX1,LWX2の間隔と計測用ビームBFX,LWX1の間隔とが等しいため、移動鏡7Xに曲がりがあっても、ウエハステージのX座標を(数6)から(数10)に切り換えた際に、その移動鏡7Xの曲がりの影響を受けにくくなっている。
【0050】
また、露光領域62の中心(投影光学系8の光軸AX)とアライメントセンサ34の光軸とのY方向の間隔ILが、アライメントセンサ34のY方向のベースライン量であり、それらの中心のX方向の間隔(本例では0)がアライメントセンサ34のX方向のベースライン量である。更に、図2(a)のスリット状の照明領域61のX方向の両端部に図1のRA顕微鏡19,20の観察領域19R,20Rが設定され、図2(b)のスリット状の露光領域62のX方向の両端部にそれらの観察領域と共役な観察領域19W,20Wが設定されている。
【0051】
図2(b)において、移動鏡7X及び干渉計本体13X1,13X2,13FXより非走査方向用の3軸のレーザ干渉計が構成され、移動鏡7Y及び干渉計本体13Y1,13Y2より走査方向用の2軸のレーザ干渉計が構成されている。このように干渉計本体13X1,13X2によって計測されるX座標XW(アライメント時にはXW’)、及び干渉計本体13Y1,13Y2によって計測されるY座標YWよりなる座標系をウエハステージの座標系(XW,YW)と呼ぶ。この座標系も、X軸及びY軸よりなる設計上の理想的な直交座標系とは或る程度異なっている場合があるが、ウエハ5の走査、及びステッピングはそのウエハステージの座標系(XW,YW)に沿って行われる。例えば(数9)の直交度誤差ΔωWの補正を行わない場合、Zθ軸駆動ステージ4(ウエハ5)のステッピング方向は、走査方向では、移動鏡7Xの反射面に沿った方向(X座標XWが変化しない方向)となり、非走査方向では移動鏡7Yの反射面に沿った方向(Y座標YWが変化しない方向)となる。
【0052】
また、レチクルステージの座標系とウエハステージの座標系との対応が基準マーク板6を介して取られる。そのため、レチクル12上には複数のアライメントマークが形成され、基準マーク板6上には対応する基準マーク、及びベースライン計測用の基準マークが形成されている。
図4(a)はレチクル12の平面図であり、この図4(a)において、レチクル12の中央の矩形のパターン領域を囲むように枠状の遮光帯31が形成され、遮光帯31の非走査方向(±X方向)の両側にY方向に沿って直線状のラフ・アライメントマーク27及び28が形成されている。ラフ・アライメントマーク27及び28の両端はそれぞれ十字状となっている。また、遮光帯31とラフ・アライメントマーク27及び28との間に、Y方向に沿ってそれぞれファイン・アライメントマーク29A〜29D、及び30A〜30Dが形成されている。この場合、ファイン・アライメントマーク29A,29D,30A,30Dは正確な矩形の頂点に配置され、ファイン・アライメントマーク29B,29C,30B,30Cはその矩形の辺上に対称に配置されている。且つ、ファイン・アライメントマーク29A〜29D,30A〜30Dは、図4(c)に示すように共通に3本の遮光パターンを枠状の4箇所に対称に配列した形状となっている。また、ファイン・アライメントマーク29A,29Dの中心、及びファイン・アライメントマーク30A,30Dの中心をそれぞれラフ・アライメントマーク27及び28の両端部の十字状のパターンの横線が通過している。本例のレチクル12はY方向に広い範囲で移動するが、ラフ・アライメントマーク27及び28を使用することによって容易にファイン・アライメントマーク29A〜29D,30A〜30Dが検出できる。
【0053】
図4(b)は、図1のRA顕微鏡19,20による観察領域19R,20Rを示し、この図4(b)において、図1の投影光学系8の有効露光フィールドと共役な円形の領域33Rに内接するようにスリット状の照明領域61が設定され、照明領域61の非走査方向の両側のエッジ付近にそれらの観察領域19R,20Rが設定されている。図4(b)では、レチクル12をY方向に移動することによって、レチクル12上のファイン・アライメントマーク29D及び30Dがそれぞれ観察領域19R,20Rのほぼ中心に位置している。この状態でレチクル12をY方向に移動することによって、観察領域19R及び20Rのほぼ中心に順次ファイン・アライメントマーク29C〜29A、及び30C〜30Aが設定される。
【0054】
図6(a)は、図4(a)のレチクル12を図2(b)の基準マーク板6上に投影して得られるレチクル像12Wを示し、この図6(a)において、図4(a)のファイン・アライメントマーク29A〜29Dに共役なマーク像29AW〜29DWと、ファイン・アライメントマーク30A〜30Dに共役なマーク像30AW〜30DWとが示されている。各マーク像29AW〜29DW及び30AW〜30DWは、それぞれ図6(b)に示すように、3本の直線状のパターンを枠状に配置した形状である。
【0055】
図6(c)は、基準マーク板6上の基準マークの配置を示し、この図6(c)の基準マーク板6上には、図6(a)のマーク像29AW〜29DW及び30AW〜30DWとほぼ同一の配置でそれぞれ基準マーク35A〜35D及び36A〜36Dが形成されている。即ち、基準マーク35A,35D,36A,36Dは正確な矩形の頂点に配置され、他の基準マーク35B,35C,36B,36Cはその矩形の辺上に対称に配置されている。基準マーク板6は、石英、又はガラスセラミックス(例えばショット社の商品名「ゼロデュアー」)のような熱膨張係数の極めて低い光透過性の材料から形成され、それらの基準マークは基準マーク板6の裏面から、若しくはレチクル12上のレチクルアライメント顕微鏡19,20の内部に設けられた照明系から露光光と同じ波長の照明光で照明されている。また、基準マーク板6上には、基準マーク35A及び36Aの中点から走査方向であるY方向に間隔ILだけ離れた位置に基準マーク37Aが形成されている。間隔ILは、図1のオフ・アクシス方式のアライメントセンサ34のY方向のベースライン量と等しい。同様に、基準マーク35B,36Bの中点、基準マーク35C,36Cの中点及び基準マーク35D,36Dの中点からそれぞれY方向に間隔ILだけ離れた位置に、基準マーク37B,37C及び37Dが形成されている。
【0056】
基準マーク35A〜35D,36A〜36Dはそれぞれ図6(d)に示すように、7行×7列の直線状パターンから構成され、且つこれら基準マーク35A〜35D,36A〜36Dは図6(b)のマーク像29AW〜30DWの内部に収まる大きさである。また、基準マーク37A〜37Dは、図6(e)に示すように、X方向及びY方向に所定ピッチで形成された格子パターンの内の対応する格子点を使用するものである。
【0057】
次に、本例の投影露光装置でアライメント、走査露光、及びステッピングを行う際の基本的な動作つき説明する。先ず、図6(c)の基準マーク板6を用いてレチクルアライメントを行う。即ち、図1のウエハY軸駆動ステージ2及びウエハX軸駆動ステージ3を駆動することによって、基準マーク板6の基準マーク35A,36Aを図2(b)の露光領域62の両側の観察領域19W,20W内に移動して静止させた後、レチクルY軸駆動ステージ10を駆動して図4のレチクル12上のファイン・アライメントマーク29A,30Aを、図2(a)の照明領域61の両側の観察領域19R,20R内に移動する。そして、図1のRA顕微鏡19,20によって、基準マーク35A,36Bと対応するファイン・アライメントマーク29A,30Aとの位置ずれ量を検出し、レチクルY軸駆動ステージ10及びレチクル微小駆動ステージ11を駆動して、基準マーク35A,36Aの像の中心とファイン・アライメントマーク29A,30Aの中心とが合致し、且つ基準マーク35A,36Aの像に対してファイン・アライメントマーク29A,30Aの位置ずれ量が対称になるように合わせ込む。これによって、レチクル12の位置、及び回転角が基準マーク板6に対して合わせ込まれる。また、この状態で例えば、レチクルステージ側の4軸の干渉計本体14の計測値、及びウエハステージ側の5軸の干渉計本体13の計測値をリセットすることによって、(数1)及び(数3)より定まるレチクルステージの座標系(XR,YR)と、(数6)及び(数7)より定まるウエハステージの座標系(XW,YW)との原点のオフセットが補正される。
【0058】
また、予め走査露光時のウエハステージ側のZθ軸駆動ステージ4の走査方向を基準マーク板6の基準マークの配列方向に平行にしておく。このためには、一例として機械的に基準マーク35A〜35Dの配列方向(基準マーク板6の方向)を移動鏡7Xの反射面の方向(ウエハステージの走り方向)に平行にしておけばよい。但し、本例では後述のようにその基準マーク板6の方向に対するウエハステージの走り方向の傾斜角は容易に計測できるため、機械的な調整誤差が残存する際には、ウエハステージのY座標YWが所定ステップ変化する毎に、そのX座標XWが対応する量だけ変化するようにして、ソフトウェア的にZθ軸駆動ステージ4の走査方向を補正してもよい。以下ではこのように補正された走査方向をY軸とする座標系をウエハステージの座標系(XW,YW)と呼ぶ。
【0059】
次に、露光光を照射することなく、走査露光時と同様にウエハステージ側のZθ軸駆動ステージ4とレチクル微小駆動ステージ11とを同期走査すると共に、基準マーク板6上の基準マーク35A〜35Dと対応するレチクル12上のファイン・アライメントマーク29A〜29Dとの相対的な位置ずれ量をRA顕微鏡19,20によって順次検出する。これらの相対的な位置ずれ量の平均値より、レチクル12の走査方向とウエハ5の走査方向との傾き角、即ちレチクルステージの座標系(XR,YR)と、ウエハステージの座標系(XW,YW)との走査方向の軸の回転角を求める。その後、レチクル12を走査する際には、レチクルY軸駆動ステージ10及びレチクル微小駆動ステージ11を介してY座標YRが所定間隔変化する間にX座標XRを対応する量だけ横ずれさせることによって、ソフトウェア的にレチクル12の走査方向を基準マーク板6の基準マークの配列方向に合わせ込む。以下ではこのように補正された走査方向をY軸とする座標系をレチクルステージの座標系(XR,YR)と呼ぶ。この結果、ウエハステージの座標系(XW,YW)及びレチクルステージの座標系(XR,YR)は、基準マーク板6を基準として走査方向の軸が互いに平行になり、走査露光時にレチクル12及びウエハ5は平行に走査される。
【0060】
この場合、各ステージの移動は各ステージのガイド面基準であり、投影露光装置の組立調整時に、例えばレチクルY軸駆動ステージ10のガイド面とウエハY軸駆動ステージ2のガイド面との平行度を数100μrad程度以下に機械的に合わせておく。更に、それらのガイド面に対して移動鏡及び基準マーク板6を合わせて固定することで、走査露光時に各ステージを非走査方向へも駆動することによるソフトウェア的な補正量を小さくし、制御精度を向上させている。このように調整されたレチクル微小駆動ステージ11に対し、実際にレチクル12を載置した場合、レチクル12が外形基準等で設置されると、各移動鏡及び基準マーク板6に対しレチクル12のファイン・アライメントマーク29A〜30Dのみが大きく回転している可能性がある。これは、レチクルの外形と転写用パターンとの間の位置ずれ量は大きいときには0.5mm程度あるからである。
【0061】
図2(a)のレチクル12の外形と転写用パターンとの位置ずれ量が大きいと、レチクル12のファイン・アライメントマーク29A〜29Dと基準マーク板6の基準マーク35A〜35Dとの位置ずれ量を計測した場合、相対的にレチクル12又は基準マーク板6が大きく回転しているか、大きなオフセットを持っているように計測される。しかし、基準マーク板6は移動鏡7X,7Yの走り方向に合わせて固定されているので、レチクル微小駆動ステージ11を回転又はシフトさせることで補正が行われる。このようにレチクル微小駆動ステージ11を回転させた場合、移動鏡21Xも同様に回転するので、レチクル12の走り方向に対して移動鏡21Xが傾くこととなるが、レチクル12上のファイン・アライメントマーク29A〜29Dは基準マーク板6上の基準マーク35A〜35Dに平行になっており、走査露光時にはレチクル12の走り方向とウエハ5の走り方向とが平行となるように制御される。
【0062】
次に、ウエハ5上の各ショット領域のウエハステージの座標系(XW,YW)上での配列を求めるためのウエハアライメントが行われる。一例として、図1のアライメントセンサ34を用いてウエハ5上から選択された所定個数のショット領域(サンプルショット)のウエハマークの座標を計測し、この計測結果を統計処理するEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式でウエハ5上の全部のショット領域の配列座標が算出される。また、予め後述のベースライン計測工程(インターバル・ベースラインチェック)によって、基準マーク板6を用いて、アライメントセンサ34のベースライン量が求められて主制御系22A内に記憶されている。そこで、ウエハ5上の各ショット領域の配列座標、アライメントセンサ34のベースライン量、及びウエハステージの座標系(XW,YW)とレチクルステージの座標系(XR,YR)との関係に基づいて、ウエハ5上の露光対象のショット領域が走査開始位置に位置決めされると共に、レチクル12も対応する位置に位置決めされる。
【0063】
その後、先のレチクルアライメント時に定められたウエハステージの座標系(XW,YW)及びレチクルステージの座標系(XR,YR)に従って走査露光が行われるが、その座標系は各移動鏡7X,7Y,21X及びコーナキューブ21Y1,21Y2の反射面を基準としてソフトウェア的に補正されたものであり、これらの移動鏡等の位置がレチクル12やウエハ5に対して相対的にずれた場合、ショット領域の形状やショット配列に影響を及ぼすこととなる。本例ではこのようなときでも正確な矩形のショット領域、及び直交格子状のショット配列が形成されるように、以下の方法により走査露光及びステッピングを行っている。
【0064】
即ち、ウエハアライメントによって、露光対象のショット領域とレチクルとが位置合わせされたときのレチクルステージの座標系(XR,YR)の座標を(XR0,YR0)、ウエハステージの座標系(XW,YW)の座標を(XW0,YW0)とすると、投影光学系8の投影倍率は1/Mであるため、それ以後のレチクル微小駆動ステージ11(レチクル12)とZθ軸駆動ステージ4(ウエハ5)との走査方向、及び非走査方向の同期誤差ΔX,ΔYは次のように表すことができる。但し、これらの同期誤差はレチクル12上に換算した誤差である。また、図1の投影光学系8は反転投影系であるが、図2に示すように、非走査方向ではレチクルステージ側の干渉計とウエハステージ側の干渉計とは計測方向が反転しているため、同期誤差は単に移動量の倍率補正値の差分を取るだけで求められる。一方、走査方向では両ステージの移動鏡は同じ方向にあるため、例えばレチクル側の干渉計本体14Y1,14Y2では、レチクル微小駆動ステージ11が遠避かる際に計測値が減少するように符号を定めておくものとする。
【0065】
【数11】
ΔX=(XW−XW0)・M−(XR−XR0)
【0066】
【数12】
ΔY=(YW−YW0)・M−(YR−YR0)
また、本例では(数9)で表されるZθ軸駆動ステージ4の非走査方向から見た回転角θWXと、(数2)で表されるレチクル微小駆動ステージ11の非走査方向から見た回転角θRXとの差分を次のように回転方向の同期誤差Δθとする。
【0067】
【数13】
Δθ=θWX−θRX
=(XW1−XW2)/L3−(XR1−XR2)/L1
そして、走査露光時には、図1のレチクルY軸駆動ステージ10及びウエハY軸駆動ステージ2が加速を開始し、これらがそれぞれ所定の走査速度に達した後、上記の同期誤差ΔX,ΔY,Δθがそれぞれ0となるようにレチクル微小駆動ステージ11を駆動して同期制御を行う。この状態で所定の整定時間が経過した後、レチクル12上の照明領域61への露光光の照射が開始されて露光が行われる。
【0068】
その後、次のショット領域への露光を行うためにウエハ5のステッピングを行う際には、ウエハステージ側の移動鏡7X,7Yの直交度が悪化したときでも、ショット配列が直交格子(配列方向が直交する格子)状を維持するように、Zθ軸駆動ステージ4の非走査方向のステッピング方向を(数9)の直交度誤差ΔωW分だけ補正する。
【0069】
更に、(数9)の直交度誤差ΔωW、又は(数5)の直交度誤差ΔωRが所定の許容値を超えて大きく変化する場合は、その他のオフ・アクシス方式のアライメントセンサ34のベースライン量の精度やその機械的な安定性に問題が発生している可能性がある。そこで、直交度誤差ΔωW、又はΔωRが所定の許容値を超えて大きく変化している場合は、ウエハの交換時等に再度上記のレチクルアライメントやベースラインチェックを行うようにする。これによって、レチクルのパターンとウエハの各ショット領域との重ね合わせ精度を向上できる。
【0070】
次に、本例の投影露光装置で例えば定期的に行われるベースラインチェック(インターバル・ベースラインチェック)の一例につき、図3のフローチャートを参照して説明する。本例ではそのベースラインチェック時に並行して、いわば動的なレチクルアライメントも実行される。
先ず、図3のステップ101において、図4(a)のレチクル12上のファイン・アライメントマーク29A,30Aをそれぞれ図4(b)のRA顕微鏡19,20の観察領域19R,20R内に移動させる。その後、ステップ102において、図6(c)の基準マーク板6上の基準マーク35A,36Aをそれぞれの観察領域19R,20Rと共役なウエハステージ上での観察領域19W,20W(図2(b)参照)に移動する。
【0071】
図5(a)は、このようにレチクル12のマーク及び基準マーク板6上の基準マークを対応する観察領域内に移動した状態を示し、この図5(a)に示すように、観察領域19W内でマーク像29AWと基準マーク35Aとが同時に観察でき、観察領域20W内でマーク像30AWと基準マーク36Aとが同時に観察できる。また、図5(c)に示すように、観察領域19W及び20Wは、それぞれ投影光学系8の露光フィールド内の光軸を横切る位置にあり、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ34の観察領域内に基準マーク37Aが収まっている。その後ステップ103で、RA顕微鏡19及び20では観察される画像を撮像信号に変換して、その撮像信号を処理してそれぞれ基準マーク35Aに対するマーク像29AWの位置ずれ量、及び基準マーク36Aに対するマーク像30AWの位置ずれ量を求め、これらの位置ずれ量を図1の主制御系22Aに供給する。これと同時に、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ34でも対応する基準マーク37Aの像を撮像し、この撮像信号を処理して得られる基準マーク37Aの検出中心(指標マークの中心等)からの位置ずれ量を主制御系22Aに供給する。
【0072】
その後、ステップ104において、走査露光時と同様に、図2(b)のZθ軸駆動ステージ4を+Y方向に移動させるのと同期して、図2(a)のレチクル微小駆動ステージ11を−Y方向に移動させる。実際には、Zθ軸駆動ステージ4の移動方向は、ウエハステージの座標系(XW,YW)で座標XWの値が変化しない方向であり、レチクル微小駆動ステージ11の移動方向はレチクルステージの座標系(XR,YR)で座標XRの値が変化しない方向である。これによって、図5(b)に示すように、基準マーク板6とレチクル像12Wとが共に+Y方向に移動する。このとき、RA顕微鏡19,20の観察領域19W,20Wと、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ34の観察領域とは固定されているので、観察領域19W,20W及びアライメントセンサ34の観察領域を、符号Aが付されたマーク群(マーク像29AW,30AW、及び基準マーク35A,36A,37A)から符号Dが付されたマーク群(マーク像29DW,30DW、及び基準マーク35D,36D,37D)までが移動していく。この際に、符号Bが付されたマーク群、符号Cが付されたマーク群、及び符号Dが付されたマーク群が順次観察領域19W,20W及びアライメントセンサ34の観察領域に入ったときに、Zθ軸駆動ステージ4及びレチクル微小駆動ステージ11を静止させて各マークの位置検出を行う。
【0073】
即ち、図5(a)の状態を第1の静止位置とすると、第2の静止位置では観察領域19W,20W及びアライメントセンサ34の観察領域に存在するマーク群は符号Bが付されたマーク群、即ち図6(a)のマーク像29BW,30BW、及び図6(c)の基準マーク35B,36B,37Bである。そして、RA顕微鏡19及び20では基準マーク35B,36Bに対するマーク像29BW,30BWの位置ずれ量を求めて主制御系22Aに供給し、アライメントセンサ34では対応する基準マーク37Bの位置ずれ量を求めて主制御系22Aに供給する。以上のようなシーケンスを第3の静止位置及び第4の静止位置(図5(b)の状態)と繰り返すことにより、符号Cが付されたマーク群(マーク像29CW,30CW、及び基準マーク35C,36C,37C)、及び符号Dが付されたマーク群についても、それぞれRA顕微鏡19,20及びアライメントセンサ34によって位置計測が行われる。RA顕微鏡19,20で8個のマーク像29AW〜30DWに対して計測されるウエハステージの座標系での位置ずれ量を(ΔXn,ΔYn)(n=1〜8)として、アライメントセンサ34で4個の基準マークに対して計測されるウエハステージの座標系での検出中心からの位置ずれ量を(ΔAXi,ΔAYi)(i=1〜4)とする。
【0074】
次に、ステップ105において、得られた計測データを演算処理して動的なレチクルアライメントを行う。この際に、本例では計測精度を高めるために、図6(c)の基準マーク板6上の基準マークの配列方向によって定まる座標系(以下、「基準マーク板の座標系」と呼ぶ)を基準としてレチクルアライメントを行う。一例として、基準マーク板の座標系は、基準マーク部材6の基準マーク35A及び36Aを通る直線を横軸(これをXS軸と呼ぶ)、基準マーク35A及び35Dを通る直線を縦軸(これをYS軸と呼ぶ)とする座標系(XS,YS)である。また、この基準マーク板の座標系(XS,YS)に対して、レチクルステージの座標系(XR,YR)を基準マーク板6上に投影した座標系のXS方向及びYS方向のスケーリング(線形伸縮)をRx,Ry、ローテーション(回転)をθ、直交度誤差をω、XS方向及びYS方向のオフセットをOx,Oyとする。この場合のローテーションθは、YS軸に対するレチクルステージの座標系のYR軸を投影した軸の回転角、即ちレチクルステージの走査方向の回転誤差であり、ローテーションθは本発明における相対回転角θ2に対応する。
【0075】
更に、図6(a)のマーク像29AW〜30DWのレチクルステージの座標系を基準マーク板6上に投影した座標系での設計上の座標を(Dxn,Dyn)(n=1〜8)として、対応する基準マーク35A〜36Dの座標系(XS,YS)上での座標を(Exn,Eyn)とする。このとき、RA顕微鏡19,20で計測された位置ずれ量(ΔXn,ΔYn)を用いて、マーク像29AW〜30DWの基準マーク板6の座標系(XS,YS)での実測された座標(Dxn’,Dyn’)は近似的に次のようになる。
【0076】
【数14】
Dxn’=Exn+ΔXn
Dyn’=Eyn+ΔYn
このとき、上述の6個の変換パラメータ(Rx,Ry,θ,ω,Ox,Oy)、及びマーク像29AW〜30DWの設計上の座標(Dxn,Dyn)より、マーク像29AW〜30DWの基準マーク板の座標系(XS,YS)上での計算上の座標(Fxn,Fyn)は次のように表される。
【0077】
【数15】
Figure 0003809680
【0078】
また、マーク像29AW〜30DWのXS方向及びYS方向での計算上の座標(Fxn,Fyn)と実測された座標(Dxn’,Dyn’)との差分、即ち非線形誤差(εxn,εyn)は次のようになる。
【0079】
【数16】
Figure 0003809680
【0080】
そして、この非線形誤差(εxn,εyn)の8個のマーク像29AW〜30DWについての自乗和が最小となるように、図1の主制御系22Aでは最小自乗法を用いて、上記6個の変換パラメータRx,Ry,θ,ω,Ox,Oyの値を決定する。
次にステップ106において、決定されたスケーリングRx,Ryをレチクルステージの座標系(XR,YR)の座標に乗じた座標を有すると共に、決定されたローテーションθを0にするように、レチクルステージの座標系(XR,YR)を回転して得られる座標系を新たにレチクルステージの座標系(XR,YR)として、これ以後はこの新たな座標系に沿ってレチクル微小駆動ステージ11(レチクル12)を走査する。これは、図6(c)の基準マーク板6上の基準マーク35A〜35Dの配列方向に沿って図4(a)のファイン・アライメントマーク29A〜29Dが移動するようにレチクル12を走査することを意味する。なお、オフセットOx,Oyについてはウエハアライメントで補正が行われるために、ここでは補正を行う必要はない。また、直交度誤差ωについては特に補正を行う必要はない。
【0081】
この結果、レチクル12のパターンは、基準マーク板6上の矩形に配置された基準マーク35A〜36Dに沿って走査されることになって、ウエハ上に露光されるショット領域の形状は正確な矩形となる。更に、ウエハステージ側の移動鏡7Xと基準マーク板6との傾斜角が変化したような場合でも、基準マーク板6上の基準マークを基準としているため、その傾斜角の変化の影響を受けないという利点もある。
【0082】
次のステップ107において、主制御系22Aでは、RA顕微鏡19,20で計測された位置ずれ量(ΔXn,ΔYn)(n=1〜8)、及びアライメントセンサ34で計測された位置ずれ量(ΔAXi,ΔAYi)(i=1〜4)を演算処理してアライメントセンサ34のX方向及びY方向のベースライン量(BX,BY)を算出する。即ち、図6(c)の基準マーク35A,36Aに対するマーク像29AW,30AWの位置ずれ量を(ΔX1,ΔY1),(ΔX2,ΔY2)、対応する基準マーク37Aに対してアライメントセンサ34で計測される位置ずれ量を(ΔAX1,ΔAY1)とすると、符号Aが付されたマーク群に対するベースライン量(BX1,BY1)は次のようになる。
【0083】
【数17】
BX1=(ΔX1+ΔX2)/2−ΔAX1
BY1=IL+(ΔY1+ΔY2)/2−ΔAY1
同様にして他の3個のマーク群に対するベースライン量(BX2,BY3)〜(BX4,BY4)も算出される。そして、これら4個のベースライン量を平均化することで、アライメントセンサ34のX方向及びY方向のベースライン量(BX,BY)が算出される。このように本例では、4個のマーク群に対する計測データを平均化してベースライン量を求めているため、高精度にベースライン量を計測できる。
【0084】
また、本例ではレーザ干渉計の計測値を基準とするのではなく、基準マーク板6を「測長基準」としてベースライン量を求めている。この基準マーク板6は石英又はガラスセラミックス等の低膨張率の材料より形成されているため、レーザ干渉計のように空気揺らぎの影響を受けることなくベースライン量を高精度に計測できる利点もある。
【0085】
また、本例では平均化効果を高めるために、アライメントセンサ34で複数の基準マーク37A〜37Dの位置検出を行っているが、アライメントセンサ34の計測精度が良好であるときには、1つの基準マーク37Aに対する計測データのみからアライメントセンサ34のベースライン量を求めてもよい。
なお、複数の基準マーク37A〜37Dの計測データからベースライン量を求める場合、図2(b)において、ウエハステージ側の移動鏡7Xと基準マーク板6との傾斜角が変化すると、X方向のベースライン量BXの計測値に誤差が生ずるため、予めその移動鏡7Xと基準マーク板6の基準マークの配列方向との傾斜角を計測しておき、この傾斜角に基づいてベースライン量を補正することが望ましい。
【0086】
図7(a)は、ウエハステージ側の移動鏡7Xが基準マーク板6に対して傾斜している場合を示し、この図7(a)において、基準マーク板6上の基準マークの配列方向に対して移動鏡7Xの反射面の方向(Zθ軸駆動ステージ4の走り方向)は時計方向に傾斜角Δθだけ傾斜している。この傾斜角Δθは、本発明における相対回転角θ1に対応する。また、RA顕微鏡の観察領域19W,20W、及びアライメントセンサ34の観察領域ではそれぞれ基準マーク35A,36A,37Aが観察されている。図7(b)は、図7(a)の状態からZθ軸駆動ステージ4が移動鏡7Xに沿って+Y方向に間隔WYだけ移動して、観察領域19W,20W、及びアライメントセンサ34の観察領域で基準マーク35D,36D,37Dが観察されている状態を表している。
【0087】
この図7(b)の状態でのZθ軸駆動ステージ4のX方向への位置ずれ量δXは近似的に次のようになる。
【0088】
【数18】
δX=Δθ・WY
このとき、レチクル12は基準マーク板6上の基準マークの配列方向に沿って走査されるため、基準マーク35D,36D,37Dの計測データより求められるX方向のベースライン量BX4からそのδXを減算した結果(BX4−δX)が実際のベースライン量BX4’となる。同様に、図6(c)の他のマーク群(35B,36B,37B)及び(35C,36C,37C)についても、X方向のベースライン量の補正が行われ、補正後のベースライン量を平均化することで最終的なベースライン量が求められる。
【0089】
ここで、その基準マーク板6に対する移動鏡7Xの傾斜角Δθの計測方法の一例につき図3のフローチャートを参照して説明する。
先ず、図3のステップ111において、レチクル微小駆動ステージ11を駆動して図7(a)に示すように、レチクル12上のファイン・アライメントマーク29Aの像29AWをRA顕微鏡19の観察領域19W内に移動してから、レチクル微小駆動ステージ11(レチクル12)を静止させる。その状態で、Zθ軸駆動ステージ4を駆動して基準マーク板6上の基準マーク35Aを観察領域19W内に移動して、RA顕微鏡19でマーク像29AWに対する基準マーク35AのX方向への位置ずれ量ΔXA1を検出して主制御系22Aに供給する。
【0090】
次にステップ112において、レチクル12を静止させた状態で、Zθ軸駆動ステージ4(基準マーク板6)を移動鏡7Xに沿って間隔WYだけ移動することによって、図7(b)に示すように、観察領域19W内に基準マーク35Dを移動する。そして、RA顕微鏡19でマーク像29AWに対する基準マーク35DのX方向への位置ずれ量ΔXD1を検出して主制御系22Aに供給する。これに応じてステップ113で主制御系22Aは、2箇所での位置ずれ量ΔXA1,ΔXD1、及び間隔WYより次のように基準マーク板6に対する移動鏡7Xの傾斜角Δθを算出し、算出された傾斜角Δθを主制御系22A内の記憶部に記憶する。このように記憶された傾斜角Δθを(数18)で使用することによって、その傾斜角Δθに依る誤差が補正される。
【0091】
【数19】
Δθ=(ΔXA1−ΔXD1)/WY
更に、走査露光時には、その傾斜角Δθを相殺するように、ウエハステージのZθ軸駆動ステージ4の走査方向をその基準マーク板6上の基準マークの配列方向にする。また、ショット領域間の走査方向のステッピング方向は、その基準マークの配列方向として、非走査方向のステッピング方向はその配列方向に直交する方向とする。これによって、移動鏡7Xと基準マーク板6との傾斜角が変動したような場合でも、得られるショット配列が直交格子状となる。この場合、Zθ軸駆動ステージ4の走査方向を補正するためには、Zθ軸駆動ステージ4がY方向に所定間隔移動する毎にZθ軸駆動ステージ4のX方向の位置を対応する量だけ補正してもよい。このような駆動方法は、制御が容易である。
【0092】
但し、上述の傾斜角Δθを計測する際の間隔WYは短いので、傾斜角Δθの計測精度を高めるために、ステップ111〜113の計測を複数回繰り返して、これらの計測結果を平均化することが望ましい。
また、前述のウエハステージ側の4軸のレーザ干渉計の計測データを用いて、(数9)より算出される直交度誤差ΔωWが所定の許容値より大きい場合のみに、その移動鏡の傾斜角の計測シーケンスを実施するようにしてもよい。この場合、より高精度に傾斜角Δθを算出するために、基準マーク板6の走査方向の両端部に計測用の基準マークを形成しておき、(数19)における間隔WYをできるだ長くとるようにしてもよい。これによって、複数回の計測を行うことなく高精度に傾斜角Δθを求めることができる。
【0093】
このように本例によれば、インターバル・ベースラインチェック時には、高速に動的なレチクルアライメント、及びベースライン量の計測を行うことができる。また、例えば直交度誤差ΔωWが大きくなったような場合、即ち移動鏡7Xの傾斜角Δθがドリフトした可能性がある場合にのみ、その傾斜角Δθの計測シーケンスを実行することで、露光工程のスループットを低下させることなく、高精度にベースライン量を計測できる。
【0094】
なお、上述の実施の形態では、基準マーク板6に対するウエハステージ側の移動鏡7Xの傾斜角を計測しているが、更にレチクルステージの走り方向(移動鏡21Xの反射面に沿った方向)に対するレチクル12上のパターンの傾斜角を計測するようにしてもよい。このためには、図3のステップ111に対応して、図7(a)に示すように、基準マーク板6上の例えば基準マーク35AをRA顕微鏡19の観察領域19W内に移動してその基準マーク板6を静止させた後、レチクル12のマーク像29AWをその観察領域19W内に移動してRA顕微鏡19で位置ずれ量を計測する。
【0095】
その後、ステップ112に対応して、図2(a)の移動鏡21Xに沿ってレチクル微小駆動ステージ11を所定間隔だけ駆動することによって、例えば図6(a)のマーク像29DWを観察領域19W内に移動してRA顕微鏡19で位置ずれ量を計測する。その後、2箇所での位置ずれ量の差分をその所定間隔で除算することによって、レチクル微小駆動ステージ11の走り方向に対するファイン・アライメントマーク29A及び29Dの配列方向(即ち、レチクル12上のパターンの配列方向)の傾斜角ΔθR が算出される。この傾斜角ΔθR は本発明の相対回転角θ3に対応する。
【0096】
この場合、予め上述の動的なレチクルアライメントによって、レチクル12上のパターンの配列方向が基準マーク板6上の基準マークの配列方向に平行になるように、レチクル微小駆動ステージ11の回転角を補正しておく。その後、走査露光時には、上記の傾斜角ΔθR を相殺するように、レチクル12のパターンの配列方向に沿ってレチクル微小駆動ステージ11を走査することによって、ウエハ上での各ショット領域の回転(ショットローテーション)が無くなって、正確に矩形のショット領域が直交格子状のショット配列で露光される。この場合にも、レチクル微小駆動ステージ11の走査方向を補正するためには、レチクル微小駆動ステージ11がY方向に所定間隔移動する毎にレチクル微小駆動ステージ11のX方向の位置を対応する量だけ補正してもよい。
【0097】
次に、本発明の実施の形態の他の例につき図8を参照して説明する。本例は、ウエハステージ側の移動鏡と基準マーク板とを一体化することによって、上述の移動鏡7Xの傾斜角Δθが発生しないようにしたものである。また、本例でも図1及び図2に示される投影露光装置と同様の投影露光装置が使用されるが、ウエハステージのZθ軸駆動ステージの構成が異なっている。
【0098】
図8(a)は、本例の投影露光装置のウエハステージの上部の構成を示す平面図、図8(b)はその側面図であり、図8(a)に示すように、図1のZθ軸駆動ステージ4に対応するZθ軸駆動ステージ4A上にウエハ5が載置されている。また、Zθ軸駆動ステージ4Aの−X方向及び+Y方向の端部にそれぞれ、Y方向に延びた平行平板ガラスよりなるX軸の移動鏡41X、及びX方向に延びた平行平板ガラスよりなるY軸の移動鏡41Yが固定されている。本例の移動鏡41X,41Yはそれぞれ低膨張率のガラスセラミックス(例えばショット社の商品名ゼロデュアーが使用できる)より構成され、移動鏡41X,41Yの外側面がそれぞれ反射面とされ、移動鏡41X,41Yの上面はウエハ5の表面と同じ高さに設定されている。更に、移動鏡41X及び41Yの上面にはクロム蒸着によって複数個の基準マークが形成されている。
【0099】
即ち、移動鏡41X上にはこの反射面に平行な直線パターン42X、及び図6(c)の基準マーク板6上の基準パターンと同一の形状及び配列の基準パターン35A,35D,36A,36D,37A,37Dが形成され、移動鏡41Y上にはこの反射面に平行な直線パターン42X、及びこの直線パターン42X上に図2(b)のRA顕微鏡19,20の観察領域19W,20Wの間隔と同じ間隔で配列された十字型の基準パターン43X,44Xが形成されている。また、X軸の移動鏡41Xには、図2(c)の3個の干渉計本体13X1,13X2,13FX(図8では不図示)より計測用ビームLWX1,LWX2,BFXが照射され、更に付加された干渉計本体13TXより計測用ビームLTXが照射されている。計測用ビームLTXはY方向では2つの計測用ビームLWX1,LWX2の中間位置を通過している。但し、図8(b)に示すように、3本の計測用ビームLWX1,LWX2,BFXの高さ(Z方向の位置)は同一であるのに対して、計測用ビームLTXの高さはそれらに対して間隔Hだけずれている。
【0100】
また、Y軸の移動鏡41Xには、図2(c)の2個の干渉計本体13Y1,13Y2(図8では不図示)より計測用ビームLWY1,LWY2が照射され、更にそれらの干渉計の中間位置に付加された干渉計本体13TYより計測用ビームLTYが照射されている。計測用ビームLTYの高さも、計測用ビームLTXと同様に他の計測用ビームに比べて間隔Hだけずれている。その他の構成は図1及び図2と同様であるため説明を省略する。
【0101】
本例でベースライン計測を行う場合には、図1のRA顕微鏡19,20によって図8(a)の移動鏡41X上の基準マーク35A,36Aを観察するのと同時に、図1のアライメントセンサ34によって基準マーク37Aを観察してそれぞれ位置ずれ量を計測した後、Zθ軸駆動ステージ4A及びレチクル微小駆動ステージ11を移動させてRA顕微鏡19,20及びアライメントセンサ34によって移動鏡41X上の基準マーク35D,36D,37Dに対応する位置ずれ量を計測すればよい。この際に、移動鏡41Xが基準マーク板を兼用しているために、ウエハステージが熱変形等を起こしても、移動鏡41Xの反射面の方向と基準マークの配列方向とが変化することはない。従って、常に高精度にベースライン量を計測できる。
【0102】
また、移動鏡41Xの曲がり量を計測する際には、例えば移動鏡41X上の直線パターン42Xを、図6(a)のレチクルのマーク像29AWの投影位置に移動して、図1のRA顕微鏡19によってマーク像29AWに対する直線パターン42Xの位置ずれ量を計測する。その後、Zθ軸駆動ステージ4Aを移動鏡41Xに沿って移動した状態で、RA顕微鏡19によってマーク像29AWに対する直線パターン42Xの位置ずれ量の変化を計測すればよい。この場合、移動鏡41Xの曲がり量を直接、且つ用に計測できる。なお、移動鏡の曲がり量の計測には、図1の他方のRA顕微鏡20、又はアライメントセンサ34を使用してもよい。同様に、Y軸の移動鏡41Yについても、直線パターン42Yを使用することで容易に曲がり量を計測できる。
【0103】
また、本例では移動鏡41Xと移動鏡41Yとの直交度の変化をも計測できる。そのためには、例えば組立調整時に、移動鏡41Xと移動鏡41Yとの直交度を所定の範囲内に追い込んだ状態で、図8(a)の移動鏡41Y上の基準マーク43X及び44Xをそれぞれ図1のRA顕微鏡19及び20で観察し、それぞれ所定の基準点からの位置ずれ量を検出し、2つのマークの位置ずれ量の差分を求めて記憶しておけばよい。その後、例えば所定時間経過する毎に、RA顕微鏡19,20で基準マーク43X,44Xの位置ずれ量の差分を検出し、検出結果をRA顕微鏡19,20の観察領域の間隔で除算することによって、移動鏡41Yの傾斜角の変動に起因する直交度誤差を検出できる。
【0104】
なお、本例では移動鏡41X,41Yの上面の高さをウエハ5の表面と同じ高さにする必要があり、計測用ビームLWX1,LWY1等の高さをウエハ5の表面の高さに合わせられないため、Zθ軸駆動ステージ4Aのピッチング、又はローリングによって所謂アッベ誤差による計測誤差が生ずる恐れがある。この計測誤差を補正するため、本例ではチルト干渉計としての干渉計本体13TX,13TYを設けている。具体的に計測用ビームLWX1,LWX2,LTXによるX座標の計測値をXW1,XW2,XTWとして、計測用ビームLWY1,LWY2,LTYによるY座標の計測値をYW1,YW2,YTWとすると、走査露光時のZθ軸駆動ステージ4AのY軸の周りのローリングの角度(以下、「チルト角」と呼ぶ)Tθx、及びX軸の周りのピッチングの角度(チルト角)Tθyはそれぞれ次のようになる。
【0105】
【数20】
Tθx={(XW1+XW2)/2−XTW}/H
Tθy={(YW1+YW2)/2−YTW}/H
そこで、通常の露光時の補正前のZθ軸駆動ステージ4AのX座標は(XW1+XW2)/2であるが、この座標に対して、例えば(Tθx・H/2)の値を加算した座標を新たな座標とすると共に、Y座標に対しては例えば(Tθy・H/2)の値を加算することによって、アッベ誤差の補正を行うことができる。
【0106】
なお、図8の実施の形態では移動鏡41Xが基準マーク板を兼用しているが、その代わりに図2(b)の移動鏡7X及び基準マーク板6を使用したときに、移動鏡7Xと基準マーク板6とを直接接合するようにしても、ほぼ同様の効果が得られる。
なお、本発明は上述実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
【0107】
【発明の効果】
本発明の第1の露光方法によれば、基準マーク板上の複数個の基準マークの配列方向(基準マーク板の方向)と基板ステージ(ウエハステージ)の走り方向との相対回転角θ1に応じてその基板ステージのステッピング方向を決定しているため、その基板ステージの走り方向と、その基準マーク板との相対角度が変化した場合でも、基板上でのショット配列を直交格子状にできる利点がある。更に、マスクの走査方向とその基板ステージの走査方向との相対回転角θ2に応じてそのマスクの相対回転誤差を決定しているため、この相対回転誤差を補正することによって、基板上に露光されるショット領域の歪を低減できる。
【0108】
また、本発明の第2の露光方法によれば、その相対回転角θ1、及びその相対回転角θ2に応じてそのマスクの回転角を補正しているため、その基板ステージの走り方向と、その基準マーク板との相対角度が変化した場合でも、基板上に露光されるショット領域の歪を低減できる利点がある。
また、本発明の第3の露光方法によれば、相対回転角θ1の他に計測用マークの配列方向に対するマスクの走り方向の相対回転角θ3を検出し、相対回転角θ1の情報に基づいて走査露光時の基板ステージの位置を補正し、相対回転角θ3の情報に基づいて走査露光時のそのマスクの位置を補正しているため、その基板ステージの走り方向と、基準マーク板との相対角度が変化した場合でも、基板上に露光されるショット領域の歪を低減できる。
【0109】
また、本発明の第4の露光方法によれば、基準マーク部材(基準マーク板)上第1の基準マークを介してマスク上の計測用マークの配列方向とそのマスクの走り方向との相対回転誤差が計測できる。更に、基準マーク部材(基準マーク板)上の第1及び第2の基準マークを介してアライメント系のベースライン量を計測しているため、基板ステージの走り方向と、その基準マーク部材との相対角度が変化した場合でも、そのベースライン量を高精度に計測できる利点がある。
【0110】
また、本発明の第5の露光方法によれば、基準マーク部材上の複数個の第1及び第2の基準マークのそれぞれに対して得られる位置ずれ量に基づいて、マスクと基板との対応する走査方向間の相対回転誤差を補正すると共に、その基準マーク部材上の第1及び第2の基準マークの配列方向と基板ステージの走査方向との相対回転角を補正しているため、その基板ステージとその基準マーク部材との傾斜角が変化した場合でも、基板上に露光されるショット領域の歪を低減できる利点がある。
【0111】
また、本発明の第6の露光方法によれば、基板ステージ側の移動鏡の上面部に第1及び第2の基準マークを形成し、その移動鏡が基準マーク板を兼用しているため、その基板ステージの走り方向と、それらの基準マークとの相対角度が変化しにくく、結果としてアライメント系のベースライン量を高精度に計測できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例で使用される投影露光装置を示す構成図である。
【図2】(a)は図1の投影露光装置のレチクルステージを示す平面図、(b)は図1の投影露光装置のウエハステージを示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるベースライン計測動作、及びウエハステージの走り方向の傾斜角の計測動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】(a)は図1のレチクル12のアライメントマークを示す平面図、(b)は図1のレチクルアライメント顕微鏡19,20の観察領域とレチクル12上の照明領域との関係を示す平面図、(c)はファイン・アライメントマーク29A〜30Dの構成を示す拡大平面図である。
【図5】基準マーク板6とレチクル12とを相対的に走査する場合の位置関係の説明図である。
【図6】(a)はレチクル12のウエハステージ上への投影像を示す平面図、(b)はレチクル12上のファイン・アライメントマークの投影像を示す拡大平面図、(c)は基準マーク板6上の基準マークの配列を示す平面図、(d)は基準マーク35A〜35D,36A〜36Dを示す拡大平面図、(e)は基準マーク37A〜37Dを示す拡大平面図である。
【図7】ウエハステージ側の移動鏡7Xと基準マーク板6との傾斜角Δθの計測方法の説明図である。
【図8】(a)は本発明の実施の形態の他の例で使用される投影露光装置のウエハステージの要部を示す平面図、(b)は図8(a)の側面図である。
【図9】従来技術においてショット領域の歪み、又はショット配列の歪みが発生する際の説明図である。
【符号の説明】
4 Zθ軸駆動ステージ
5 ウエハ
6 基準マーク板
7X,7Y ウエハステージ側の移動鏡
8 投影光学系
11 レチクル微小駆動ステージ
12 レチクル
13X1,13X2,13FX,13Y1,13Y2 干渉計本体
14X1,14X2,14Y1,14Y2 干渉計本体
19,20 レチクルアライメント顕微鏡(RA顕微鏡)
21X レチクルステージ側の移動鏡
21Y1,21Y2 コーナキューブ
22A 主制御系
22D レチクル駆動装置
29A〜29D,30A〜30D ファイン・アライメントマーク
35A〜35D,36A〜36D RA顕微鏡用の基準マーク
37A〜37D アライメントセンサ用の基準マーク
41X,41Y 移動鏡

Claims (4)

  1. マスク上のパターンの一部を露光光のもとで基板ステージ上の感光性の基板上に投影した状態で、前記マスク及び前記基板を同期して対応する走査方向に走査することにより、前記マスク上のパターンを前記基板上の各ショット領域に逐次転写する露光方法において、
    前記マスク上に前記走査方向に沿って複数個の計測用マークを形成し、該複数個の計測用マークと実質的に同一の位置関係を有する複数個の基準マークが形成された基準マーク部材を前記基板ステージ上に配置しておき、
    前記基板ステージを前記走査方向に移動することによって、前記マスク上の前記複数個の計測用マークの内の1つの計測用マークと前記基準マーク部材上の前記複数個の基準マークのそれぞれとの位置ずれ量を順次計測し、該計測結果より前記複数個の基準マークの配列方向と、前記基板ステージの走り方向との相対回転角θ1を検出する第1工程と、
    前記マスク及び前記基板を前記対応する走査方向に同期して移動させて、前記マスク上の前記複数個の計測用マークのそれぞれと前記基準マーク部材上の対応する前記基準マークとの位置ずれ量を順次計測し、該計測結果より、前記マスクの走査方向と前記基板ステージの走査方向との相対回転角θ2を検出する第2工程と、を有し、
    前記相対回転角θ1の情報に基づいて、前記基板ステージのステッピング方向を決定し、前記相対回転角θ2の情報に基づいて、前記マスクの走査方向を決定することを特徴とする露光方法。
  2. マスク上のパターンの一部を露光光のもとで基板ステージ上の感光性の基板上に投影した状態で、前記マスク及び前記基板を同期して対応する走査方向に走査することにより、前記マスク上のパターンを前記基板上の各ショット領域に逐次転写する露光方法において、
    前記マスク上に前記走査方向に沿って複数個の計測用マークを形成し、該複数個の計測用マークと実質的に同一の位置関係を有する複数個の基準マークが形成された基準マーク部材を前記基板ステージ上に配置しておき、
    前記基板ステージを前記走査方向に移動することによって、前記マスク上の前記複数個の計測用マークの内の1つの計測用マークと前記基準マーク部材上の前記複数個の基準マークのそれぞれとの位置ずれ量を順次計測し、該計測結果より前記複数個の基準マークの配列方向と、前記基板ステージの走り方向との相対回転角θ1を検出する第1工程と、
    前記マスク及び前記基板を前記対応する走査方向に同期して移動させて、前記マスク上の前記複数個の計測用マークのそれぞれと前記基準マーク部材上の対応する前記基準マークとの位置ずれ量を順次計測し、該計測結果より、前記マスクの走査方向と前記基板ステージの走査方向との相対回転角θ2を検出する第2工程と、を有し、
    前記相対回転角θ1と前記相対回転角θ2との差に基づいて、前記マスクの回転角を補正することを特徴とする露光方法。
  3. マスク上のパターンの一部を露光光のもとで基板ステージ上の感光性の基板上に投影した状態で、前記マスク及び前記基板を同期して対応する走査方向に走査することにより、前記マスク上のパターンを前記基板上の各ショット領域に逐次転写する露光方法において、
    前記マスク上に前記走査方向に沿って複数個の計測用マークを形成し、該複数個の計測用マークと実質的に同一の位置関係を有する複数個の基準マークが形成された基準マーク部材を前記基板ステージ上に配置しておき、
    前記基板ステージを前記走査方向に移動することによって、前記マスク上の前記複数個の計測用マークの内の1つの計測用マークと前記基準マーク部材上の前記複数個の基準マークのそれぞれとの位置ずれ量を順次計測し、該計測結果より前記複数個の基準マークの配列方向と、前記基板ステージの走り方向との相対回転角θ1を検出する第1工程と、
    前記マスクを前記走査方向に走査することによって、前記基準マーク部材上の前記複数個の基準マークの内の1つの基準マークと前記マスク上の前記複数個の計測用マークのそれぞれとの位置ずれ量を順次計測し、該計測結果より前記複数個の計測用マークの配列方向と、前記マスクの走り方向との相対回転角θ3を検出する第2工程と、を有し、
    前記相対回転角θ1の情報に基づいて走査露光時の前記基板ステージの位置を補正し、前記相対回転角θ3の情報に基づいて走査露光時の前記マスクの位置を補正することを特徴とする露光方法。
  4. 露光光のもとでマスク上のパターンの一部の像を投影光学系を介して基板ステージ上の感光性の基板上に投影した状態で、前記マスク及び前記基板を同期して対応する走査方向に走査することにより、前記マスク上のパターンを前記基板上の各ショット領域に逐次転写する露光方法において、
    前記投影光学系の近傍に前記基板上の位置合わせ用マークの位置を検出するためのオフ・アクシス方式のアライメント系を配置し、前記マスク上に前記走査方向に沿って複数個の計測用マークを形成し、前記投影光学系の露光フィールド内の基準点と前記アライメント系の基準点との間隔に対応する間隔で第1及び第2の基準マークが形成された基準マーク部材を前記基板ステージ上に配置しておき、
    前記アライメント系で前記基準マーク部材上の前記第2の基準マークを観察した状態で、前記マスクを前記走査方向に移動させて、前記マスク上の前記複数個の計測用マークのそれぞれと前記基準マーク部材上の前記第1の基準マークとの位置ずれ量を順次計測し、
    前記複数個の計測用マークのそれぞれと前記第1の基準マークとの位置ずれ量の平均値、該それぞれの位置ずれ量より求めた前記マスクの前記走査方向に対する相対回転誤差、及び前記アライメント系で観察した前記第2の基準マークの位置ずれ量より、前記投影光学系の露光フィールド内の基準点と前記オフ・アクシス方式のアライメント系の基準点との間隔を求めることを特徴とする露光方法。
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