JP3809528B2 - 端末位置の検出方法及び、端末位置検出システム - Google Patents
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Description
また、非特許文献1に開示されるRADARと称される技術のように、既存の無線LAN(802.11b)の通信システムを用いて、ユーザーの位置確認を行うシステムも提案されている。
このようなブルートゥースを位置検出に用いることは、省電力化を図ると共に、チャンネル数の制約も少ないため好適であり,従来特許文献1、2に示すような技術が開示されている。
このような構成は、実際の通信の場面においては有効であり、この仕組みそのものを排除してしまうのは、通信時の機能を損ねるだけでなく、通信設備の変更が必要となり、設備コスト上の問題もある。
すなわち、請求項1に記載の発明は、端末からの信号を基地局で受信する際に基地局において取得可能な信号強度出力の値が、実際に受信された実信号強度値が通信可能状態と判断される最小値より大きな値である場合に、一定の信号強度の値を出力し、該最小値より小さい実信号強度値である場合に、小さな値に偏った信号強度の値で出力する無線通信システムを用いる端末位置検出方法である。該方法では、位置の異なる複数のアンテナを配設し、全てのアンテナで受信した受信信号に対して異なる複数の減衰量の減衰処理を行い、各減衰量における上記信号強度出力を得ると共に、各アンテナにおける該減衰量及び信号強度出力の関係と、予め複数の位置に端末を設置して該関係を測定した結果とを比較し、最も近似した結果を示す位置を、該端末の現在の存在位置又は存在領域として出力する構成において、複数の減衰量のうち少なくとも最大の減衰量は、受信信号に対して、該無線通信システムで出力される信号強度の値が変動するまで減衰可能な量であることを特徴とするものである。
すなわち、請求項6記載の発明は、端末からの信号を基地局で受信する際に基地局において取得可能な信号強度出力の値が、実際に受信された実信号強度値が通信可能状態と判断される最小値より大きな値である場合に、一定の信号強度の値を出力し、該最小値より小さい実信号強度値である場合に、小さな値に偏った信号強度の値で出力する無線通信システムを用いる端末位置検出システムであって、位置の異なる複数のアンテナと、各アンテナからの受信信号をそれぞれ複数の減衰量で減衰処理可能であり、その複数の減衰量のうち少なくとも最大の減衰量は、受信信号に対して、該無線通信システムで出力される信号強度の値が変動するまで減衰可能な量である減衰手段と、該減衰手段を経た受信信号について基地局からの信号強度出力を減衰量と共にアンテナ毎に記録する記録手段と、予め複数の位置に端末を設置してアンテナ毎の減衰量及び信号強度出力の関係を測定した結果を備えたサンプルデータベースと、該記録手段における記録値と、該サンプルデータベースとを比較し、最も近似した結果を示す位置を、該端末の現在の存在位置又は存在領域として出力する比較出力手段とを備える。
また、請求項10の発明に基づけば、前記無線通信システムが、ブルートゥースリンクである端末位置検出システムを提供することもできる。
小さな減衰量であっても、信号強度出力が急に小さくなる場合は、実際の受信信号強度が小側であることを示し、大きな減衰量としたときに初めて信号強度出力が急に小さくなる場合には、実際の受信信号強度は大側であることを示す。これらの関係により、擬似的に受信信号強度を検知することができる。
これらのシステムは設備コストの抑制、良好なメンテナンス性に寄与するものである。
請求項5又は10記載の発明は、既存のブルートゥースリンクを用いる構成のため、すでにPDAなどに搭載しているブルートゥースタグを用いて、本発明の実施を行うことができる。規格化された通信システムを採用することで、タグの種類にかかわらず、位置検出対象とすることができるため、システムの汎用化を図られる。
図1は、本発明に係る端末位置検出システムの全体構成図である。端末は、例えば携帯情報端末PDA(10)に公知のブルートゥースモジュール(11)を内蔵し、ブルートゥースを利用可能にしたものである。
なお、特に位置検出する領域が室内において限られている場合には、該領域近傍のアンテナ密度を高く、その他の領域では密度を低く設けても良い。
アクセスポイント(20)の構成は公知であり、アンテナとの信号の入出力を司る信号入出力部(24)や、通信を確立し信号を他のサーバーやクライアント等の接続機器に中継する通信モジュール(22)、受信した信号強度を接続機器に通知する信号強度出力部(23)等が設けられている。
このような構成により、例えば1回の接続確立に3秒を要する通信システムの場合、従来は4つの基地局で12秒必要であったが、これが3秒で済むように短縮できる。
この時に得るデータ形式は、アンテナ番号、減衰量をパラメータとする信号強度出力値の集合であり、アンテナ数×減衰量の種類の次元数のベクトルデータで表すことができる。
ブルートゥースのようにごく近距離での通信を目的とした無線通信システムでは、アクセスポイントで受信した信号強度を出力する際に、実際のRFレベルをそのまま出力するのではなく、RSSI(Received signal strength indicator)という値に変換して接続機器に出力するものがある。
ここで、RFレベルとRSSI値が線形になっていれば、接続機器では電波強度から端末との距離を推定し、3角測量と同様に位置を検出することができるが、実際には、図4に示すような特性を有している。
この変換の結果、機器側では通信可能状態と不可能状態が明瞭に区別され、ブルートゥースリンクの確立が容易となる。
本件発明者らによると、これらの特性は無響室でブルートゥース信号の外乱を除去してもなお同様であり、マルチパスなどの外乱の除去によってもクリアできない問題であることが判っている。
このようなデータは、電波強度を表しているが、本発明では3角測量を用いずに、サンプルデータとの比較で、いずれの位置であるかを推定する手法を導入する。
そして、CPUの演算処理部(37)において、今回測定したベクトルデータと、サンプルデータベース内の各ベクトルデータとのベクトル量の差を算出する。
ユークリッド距離を求める場合には、公知のように各成分間の差の2乗を全て加算し、その平方根を求めることで算出される。
そして、サンプルデータベースにおけるそのベクトルデータに対応する位置を、測定対象の端末の位置としてモニタ(33)などから出力する。
あるいは、室内を均等に分割せず、室内における各ブース毎にサンプルデータベースを構築しておけば、例えば室内のテレビ付近、ソファー付近、窓際付近、といったようにそれぞれのブースにおける位置を出力することもできる。
実験室(40)には、コンピュータ及びデスク、テーブル、大型プラズマディスプレイ、スピーカなどが配置され、3面はほぼ木製の壁で囲まれている。
これに対し、本発明のように減衰量を可変にした場合、検出精度は92%まで高まり、アンテナの設置数、位置の調整などにより、さらに高められるものと考えられる。
なお、アッテネータはソフトウェアで自在に可変したが、複数の減衰量が固定のアッテネータをアンテナの切り換えと同様に切り換えて、他種類の減衰量の場合を測定してもよい。上記構成によれば、アッテネータを1個で構成することができるが、アンテナ毎にアッテネータを設置してもよい。
アンテナやアッテネータの設置数、アッテネータにおける減衰量の種類数は任意に設定することができる。
2a〜2d アンテナ
3 可変アッテネータ
4 基地局
5 位置検出サーバ
Claims (10)
- 端末からの信号を基地局で受信する際に基地局において取得可能な信号強度出力の値が、実際に受信された実信号強度値が通信可能状態と判断される最小値より大きな値である場合に、一定の信号強度の値を出力し、該最小値より小さい実信号強度値である場合に、小さな値に偏った信号強度の値で出力する無線通信システムを用いた端末位置検出方法であって、
位置の異なる複数のアンテナを配設し、
全てのアンテナで受信した受信信号に対して異なる複数の減衰量の減衰処理を行い、各減衰量における上記信号強度出力を得ると共に、
各アンテナにおける該減衰量及び信号強度出力の関係と、予め複数の位置に端末を設置して該関係を測定した結果とを比較し、
最も近似した結果を示す位置を、該端末の現在の存在位置又は存在領域として出力する構成において、
複数の減衰量のうち少なくとも最大の減衰量は、受信信号に対して、該無線通信システムで出力される信号強度の値が変動するまで減衰可能な量である
ことを特徴とする端末位置の検出方法。 - 前記端末位置の検出方法において、
前記複数のアンテナを、同一の基地局に接続し、
該基地局において各アンテナからの受信信号を順次切り替えることにより前記各アンテナにおける該減衰量及び信号強度出力の関係を得る
ことを特徴とする請求項1に記載の端末位置の検出方法。 - 前記端末位置の検出方法において、
各アンテナにおける該減衰量及び信号強度出力の関係を、(アンテナ数×減衰量の種類数)次元の信号強度出力のベクトルデータ形式で表し、同様のベクトルデータ形式で表される前記予め測定した結果とのベクトル量の差が最小となる位置を、該端末の現在の存在位置又は存在領域として出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末位置の検出方法。 - 前記ベクトル量の差を求める際に、ベクトル間のユークリッド距離を算出し、該ユークリッド距離が最小となる位置を、該端末の現在の存在位置又は存在領域として出力する
ことを特徴とする請求項3に記載の端末位置の検出方法。 - 前記無線通信システムが、ブルートゥースリンクである
ことを特徴とする請求項1ないし4に記載の端末位置の検出方法。 - 端末からの信号を基地局で受信する際に基地局において取得可能な信号強度出力の値が、実際に受信された実信号強度値が通信可能状態と判断される最小値より大きな値である場合に、一定の信号強度の値を出力し、該最小値より小さい実信号強度値である場合に、小さな値に偏った信号強度の値で出力する無線通信システムを用いた端末位置検出システムであって、
位置の異なる複数のアンテナと、
各アンテナからの受信信号をそれぞれ複数の減衰量で減衰処理可能であり、その複数の減衰量のうち少なくとも最大の減衰量は、受信信号に対して、該無線通信システムで出力される信号強度の値が変動するまで減衰可能な量である減衰手段と、
該減衰手段を経た受信信号について基地局からの信号強度出力を減衰量と共にアンテナ毎に記録する記録手段と、
予め複数の位置に端末を設置してアンテナ毎の減衰量及び信号強度出力の関係を測定した結果を備えたサンプルデータベースと、
該記録手段における記録値と、該サンプルデータベースとを比較し、最も近似した結果を示す位置を、該端末の現在の存在位置又は存在領域として出力する比較出力手段と
を備えたことを特徴とする端末位置検出システム。 - 前記端末位置検出システムにおいて、
前記複数のアンテナを、同一の基地局に接続し、
該基地局において各アンテナからの受信信号を順次切り替える入力切り替え手段を備えた
ことを特徴とする請求項6に記載の端末位置検出システム。 - 前記端末位置検出システムにおいて、
各アンテナにおける該減衰量及び信号強度出力の関係を、(アンテナ数×減衰量の種類数)次元の信号強度出力のベクトルデータ形式で表して記録手段に記録すると共に、前記サンプルデータベースも同様のベクトルデータ形式で格納しておき、
両ベクトル量の差を演算する演算手段と、
該演算結果が最小となる位置を、該端末の現在の存在位置又は存在領域として比較出力手段から出力する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の端末位置検出システム。 - 前記ベクトル量の差を求める際に、前記演算手段でベクトル間のユークリッド距離を算出し、該ユークリッド距離が最小となる位置を、該端末の現在の存在位置又は存在領域として比較出力手段から出力する
ことを特徴とする請求項8に記載の端末位置の検出システム。 - 前記無線通信システムが、ブルートゥースリンクである
ことを特徴とする請求項6ないし9に記載の端末位置検出システム。
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