JP3808936B2 - コークス炉ガス液の水素供与体添加による効率的脱窒方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークス炉での石炭乾留時に発生するコークス炉ガス液(以下、安水ということがある。)の処理に関するものであり、特にコークス炉ガス液の生物学的硝化脱窒法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コークス炉での石炭乾留時に発生するコークス炉ガス液は、多量のCOD(化学的酸素要求量)の他に高濃度アンモニアを含有しており、平成10年10月からのコークス炉排水の窒素濃度規制に対応する必要がある。
【0003】
これまでコークス炉ガス液処理は一般にストリッピングによってアンモニアを除去した後、活性汚泥で二次処理する方法が採られている。このアンモニアを除去した後、活性汚泥で処理する方法はエネルギー多消費型プロセスであり、かつ、高度処理にはアルカリ添加を必要とするため、処理水の目標水質を上げた場合にランニングコストが膨大となり、必ずしも適切なプロセスとはいえない。
【0004】
一方、生物による硝化脱窒法が一般に下水・屎尿等の排水処理で採用されており(稲森愁平、「資源環境対策」29(1993).8.12)、この生物学的硝化脱窒法は安水中のBOD(生化学的酸素要求量)を上手に利用してアンモニア性窒素を同時除去する省資源型プロセスとして注目されている。
【0005】
しかし、下水・屎尿等の排水中には含まれていないロダン(チオシアン)は活性汚泥法において難分解物として知られており、特にコークス炉安水についてはその分解性が問題になっている(藤井、八田ら文献:「製鉄研究」第300号、1980;同、「下水同協会誌」、Vol.19、No.2161982/5、等)。
【0006】
しかし、活性汚泥を用いたコークス炉ガス液の窒素除去に関する研究は、これまでにいくつか実施されており、神原らの研究(神原定良、「水処理技術」19(1979)7,65;神原定良、「水処理技術」21(1980)3,41)は安水中のシアン毒性・硝化脱窒等を考察しており、非常に興味深いものである。
【0007】
この方法の概略を述べると、排水処理装置はガス液のオイルを除くコークスろ過槽とシアンを除く前処理槽と上記成分を活性汚泥を用いて処理する曝気槽と汚泥と処理水を分離する沈澱槽から構成されている。そして、その処理手順は、次のようなものである。
(1)汚泥とガス液を好気性の雰囲気で処理してBODをBOD資化菌で、ロダン(SCN)をSCN資化菌等によってそれぞれ分解除去する。
(2)その処理液は沈澱槽で汚泥と処理水に分離されて濃縮汚泥は曝気槽に大部分返送される。
(3)一部の汚泥は余剰汚泥として抜き出され、ろ過あるいは遠心分離等によって脱水する。
【0008】
しかし、この処理法は処理水中に亜硝酸性窒素(NO2−N)やアンモニア性窒素が高濃度で残っている。また遠矢らの活性汚泥を利用したコークス炉ガス液処理に関する報告(遠矢泰典、「用水と排水」15(1973)9,26)によると、処理水中の窒素酸化物(NOx)が高濃度で残留した場合、高濃度MLSSが維持できず、硝化速度も早められない結果となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記神原らの研究では、コークス炉からのガス液(安水)を一部脱アンモニア処理したものを安水として使用しているため、例えば、下水・屎尿等の排水中のBOD/T−N(全窒素量)≒2程度と高いにもかかわらず、安水中のCOD/T−N≒1.2〜1.5であり、脱窒が亜硝酸態で進行した場合でもN=1に対してCOD(BOD)=2必要であり、不足分の有機炭素源はどうするか、有機炭素源の添加の仕方はどうか、下水・屎尿等の排水中に含まれていないフェノールの水素供与体としての挙動、または種々の条件下での硝化速度と脱窒反応速度の挙動はどうかなど未解決の問題が残っていた。
【0010】
そこで、本発明の課題はコークス炉ガス液(安水)の生物学的硝化脱窒法を確立することであり、特に本発明の課題は安水の生物学的硝化脱窒法での浄化水中の硝酸性窒素または亜硝酸性窒素濃度を低下することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。すなわち、コークス炉ガス液を嫌気性雰囲気にある第1脱窒槽に導入し、その後好気性雰囲気にある硝化槽において、窒素含有物を硝化し、第1脱窒槽に後段の硝化槽から硝化液を循環させて脱窒処理し、さらに硝化槽の後段の第2脱窒槽で脱窒処理して窒素除去を兼ねた活性汚泥を用いるコークス炉ガス液の処理方法において、コークス炉ガス液中の窒素含有物を硝化槽で硝化し、第1脱窒槽にコークス炉ガス液中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素濃度を0.6mg/リットル以下にする量で水素供与体を添加して硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素濃度(NOx−N)を低下させ、後段の第2脱窒槽でさらに水素供与体を添加してコークス炉ガス液中の(NOx−N)濃度をさらに低下させるコークス炉ガス液の水素供与体添加による効率的脱窒方法である。
【0012】
このとき、第1脱窒槽に添加する水素供与体はコークス炉ガス液中の(NOx−N)濃度を実質的に低下する量として、第2脱窒槽に添加する水素供与体はコークス炉ガス液中の(NOx−N)濃度を30mg/リットル以下にする量で添加することが望ましい。こうして安定的に(NOx−N)濃度が30mg/リットル以下まで、除去可能である。
【0013】
後段の第2脱窒槽のみに水素供与体を添加しても処理水中に残存するNOx−Nに対し理論量以上(理論量の約3倍程度)の水素供与体を添加してもNOx−Nの除去効果は少ない。
【0014】
系内のNO2−N濃度が100mg/リツトル以上に上がると、活性汚泥が分散気味になり、処理水中にリークするSSが多くなり、高濃度MLSSが維持できず、安定した処理が不可能になる。また、(NOx−N)濃度が30mg/リツトル以上になると実機規模では沈降槽で汚泥の脱窒浮上現象を起こし易いことになる。
【0015】
水素供与体としてはメタノールを用いることが多いが、その他の化合物を用いてもよい。実際の第1第1脱窒槽と第2脱窒槽に添加するメタノールの添加量の比率は特に問題ではない。
【0016】
本発明の生物硝化脱窒素法によるコークス炉からの安水の浄化法は硝化液を脱窒槽に循環することによりコークス炉ガス液のBODおよび窒素を生物学的に除去する硝化液循環方式によるものである。
【0017】
本発明は図1に示すように排水処理装置は処理工程順に第1脱窒槽(嫌気雰囲気)、硝化槽(好気雰囲気)、第2脱窒槽(嫌気雰囲気)、再曝気槽(好気雰囲気)および沈降槽を配置した構成からなる。
【0018】
そして、上記構成からなる本発明の排水処理装置では、次のような手順で排水が処理される。
コークス炉ガス液(安水)は希釈水とともに第1脱窒槽に入り、次の硝化槽からの硝化液の一部を第1脱窒槽に循環させて排水のBODを使って嫌気雰囲気で脱窒菌の作用で脱窒素が進行する。BOD不足分はメタノールなどの水素供与体で補う。硝化槽でアンモニア成分は硝化菌により酸化され第1脱窒槽への循環分と処理水分に分配される。ここでは窒素酸化物(NOx)が生成してpHが低下し、硝化菌の活性を低下させるのでアルカリを添加し、pHを6.5〜8.5に維持する。第2脱窒槽では硝化液にメタノールなど水素供与体を添加して嫌気雰囲気で脱窒する。
【0019】
再曝気槽では余剰の水素供与体(BOD)分を活性汚泥に消化させ、硝化脱窒された水は沈降槽において処理水と濃縮活性汚泥に分離される。分離された濃縮活性汚泥の大部分は第1脱窒槽に返送され、一部は余剰汚泥として抜き出される。
【0020】
前記本発明の排水処理装置の各槽の主要な好ましい制御条件は次の通りである。
a.第1脱窒槽(NOx→N2
酸化還元電位(ORP)が−50〜−250mVになるように負荷を調整する。
硝酸性及び亜硝酸性窒素(NOx−N)が30mg/リットル以下になるように負荷を調整する。
汚泥の沈降防止と系内の汚泥と安水と硝化液の混合を良くするため撹拌機を設置する。
【0021】
b.硝化槽(NH3→NOx)
溶存酸素(DO)が1〜6mg/リットルになるように空気量を調整する。
硝化菌の活性低下防止のためにpHが6.5〜8.5になるように調整する。
【0022】
c.第2脱窒槽(NOx→N2
硝酸性及び亜硝酸性窒素(NOx−N)が30mg/リットル以下になるように添加する水素供与体(メタノールなど)量を調整する。この時、ORPが−250mV以下にならないように添加する水素供与体量に注意する。
【0023】
d.再曝気槽
DOが1〜6mg/リットルになるように空気量を調整する。また、処理液のpHが硝化槽での硝化により低下するようであればアルカリでpHを6.5〜8.5に調整する。
【0024】
e.硝化槽からの硝化液の第1脱窒槽への循環量
第1脱窒槽での滞留時間を2〜8時間になるように調整する。これは滞留時間を2時間より短いと硝酸、亜硝酸の還元が完全に終わらず、また8時間を超えて循環液を滞留させると嫌気時間が長すぎて好気性の活性汚泥の活性が小さくなるからである。また、好ましくは4〜6時間になるように調整する。
【0025】
f.返送汚泥量
沈降槽で処理水と分離された汚泥は第1脱窒槽内に流入する安水量に対し、余剰汚泥分を除き100〜200%を第1脱窒槽内に返す。
【0026】
g.燐酸添加量
汚泥の栄養源としてBOD:P=100/1〜0.3の割合で第1脱窒槽に添加する。
【0027】
h.排水の温度
再曝気槽の温度が20〜35℃になるように第1脱窒槽内に設けられたヒーターで調整する。
【0028】
ところで、上記活性汚泥処理系内の(NO2−N)濃度が100mg/リットル以上に上がると活性汚泥が分散気味になり、処理水中にリークするSSが多くなり、高濃度MLSSが維持できず安定した処理ができなくなる。また、(NOx−N)濃度が30mg/リットルを超えると実機規模では沈降槽で汚泥の脱窒浮上現象を起こし易いことになる。
【0029】
本発明の特徴は上記硝化液循環方式のコークス炉ガス液の処理プロセスのなかで、特に活性汚泥法による安水の浄化処理中に生成する(NOx−N)濃度を安定的に30mg/リットル以下に迄除去することが可能な脱窒槽における水素供与体(メタノールなど)の添加手順に関するものである。
【0030】
第2脱窒槽のみに水素供与体(メタノールなど)を添加してもNOxの除去効果は少ない。処理水中に残存するNOx−Nに対し理論量以上(理論量の約3倍)の水素供与体(メタノールなど)を添加してもNOxの除去効果は少ない。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。
本発明ではコークス炉ガス液(安水)を用いて、図1に示す排水処理装置に導入する。図1の排水処理装置は処理工程順に嫌気雰囲気の第1脱窒槽A、好気雰囲気硝化槽B、嫌気雰囲気の第2脱窒槽C、好気雰囲気の再曝気槽Dおよび沈降槽Eを配置した構成からなる。
【0032】
コークス炉ガス液(安水)1は希釈水2と共に活性汚泥の存在する第1脱窒槽Aに導入され、ここで、硝化槽Bで酸化された窒素酸化物は脱窒菌とメタノール5により窒素に変換される。ついで、硝化槽B内に処理液が移される。硝化槽BにはpH調整用の炭酸ナトリウム6が添加され、処理液内のアンモニアは硝化菌により、窒素酸化物に変換される。硝化槽Bの処理液は第一脱窒槽Aに返送され、硝化槽Bで生成した窒素酸化物はコークス炉排水中に含まれるチオシアン酸成分(SCN)を含む有機物を水素供与体として脱窒される。
【0033】
硝化槽B内の処理液の一部は第2脱窒槽Cに導入され、ここで、前記硝化槽Bで生成した窒素酸化物は脱窒菌とここにも添加されるメタノール5により窒素に変換される。
【0034】
そして再ばっ気槽Eに移さればっ気用エアー9によりばっ気され、残余BODが処理される。こうして、浄化処理されたコークス炉ガス液は沈降槽Eで上澄水と汚泥に分離され、上澄水は放流水7として放流され、汚泥の大部分は第1脱窒槽Aに返送され、一部汚泥は余剰汚泥8として回収される。なお、第1脱窒槽Aには汚泥の栄養源として燐酸10が供給される。
【0035】
ここで、本実施例ではコークス炉ガス液中のアンモニア性窒素を硝化槽Bで硝化してた際にNOxが生成されるが、この硝化液を第1脱窒槽Aに循環させ、第1脱窒槽A内の液中にメタノール5を添加して液中のNOx−N濃度を低下し、後段の第2脱窒槽Cでさらにメタノール5を添加してコークス炉ガス液中の(NOx−N)濃度をいかなる負荷状態でも、すなわち、T−N(全窒素量)のいかんにかかわらず、安定的に30mg/リットル以下にすることに特徴がある。
【0036】
次に具体例で説明する。
実施例1
硝化液循環方式の生物脱窒のベンチスケール実験装置(840リットル)を用い、コークス炉ガス液(安水)を硝化脱窒処理した。汚泥は実機の好気性消化汚泥を2週間以上硝化馴致したものを使用した。
【0037】
メタノール5の添加位置による脱窒素の効果を確認するため比較的亜硝酸濃度の高い領域で3系列の実験装置を用い、メタノール無添加、第2脱窒槽Cのみメタノール80mリットル/hr(4%MeOH)添加、第1脱窒槽Aおよび第2脱窒槽Cの両方に各々40mリットル/hrのメタノール5添加の3つのケースについて実験を行った。その他の処理条件を表1に示す。なお、添加したメタノール5は4%品を用いた。
【0038】
【表1】
Figure 0003808936
【0039】
安水は次の表2のものを用いた。
【表2】
Figure 0003808936
【0040】
T−N負荷量は安水中のT−N量を硝化槽Bの汚泥量で除して求めた。
分析方法は次の通りである。
T−Nは化学発光法によった。
NH4−N、NO2−N、COD、透明度はJIS K.0102に準拠した。
MLSSは重量法によった。
DO、ORP、pHについては、自動測定装置により連続測定を行った。
【0041】
また、硝化速度は安水中のNH4−Nの削減量を硝化槽の汚泥量で、脱窒速度は安水中のT−N削減量を脱窒槽の汚泥量でそれぞれ除して求めた。
(a)A系統:処理結果は表3に示したようにメタノール無添加の系では第1脱窒槽Aでの脱窒は安水1中のCOD分のみで約40%に留まった。また、系内のNOX−Nが170〜230mg/リットルと高く、硝化率は60%程度であり、脱窒率は約40%程度であった。このことより安水1中のCODによる脱窒は安水中のCOD/T−N削減量の比は3.2となった。また、この運転では、系内のNO2濃度(NO2−N)が高いままで推移し、汚泥が分散気味となり、沈降槽Eからの汚泥が流出し、汚泥濃度が低下した。
【0042】
(b)B系統:後段の第2脱窒槽Cのみにメタノール5を80ミリリットル/hrで添加し、安水1中のCODを巧く利用した後、第2脱窒槽CでNO2−Nを除去する系とした。A系での残存NO2−N量に対してメタノール5を過剰(理論量の3.5倍)に添加したにもかかわらずNO2濃度は高めで推移し、脱窒率は約50%に留まった。このように後段のみの第2脱窒槽Cにメタノール5を添加する系では、安定した運転が難しいと判断された。
【0043】
(c)C系統:前段の脱窒槽A、後段の脱窒槽Cにメタノール5をそれぞれ40ミリリットル/hrづつ添加したこの系では、急激に脱窒が促進され、硝化率も向上がみられ安定した処理が可能になり、脱窒率90%以上が維持可能となった。この系ではテストの経過と共に汚泥の状態もよくなり、フロックが大きく、処理水の透視度が急激に良くなった。この時のメタノール使用量は、前後段合わせて添加MeOH/安水中のT−N=0.7であった。
処理が良好な汚泥の中には原生動物も観察された。
【0044】
【表3】
Figure 0003808936
【0045】
前記C系統のメタノール添加テストにおいて、処理水中のNO2−N濃度の汚泥への影響が顕著に観察されたため、C系におけるNO2−NとMLSSとの推移を調べた。その結果を図2に示す。
【0046】
メタノール(4%品)を前後段両方の脱窒槽にそれぞれ60、40ミリリットル/hrで添加し、(NOx−N)濃度を100mg/リットル以下に押さえることにより、処理水中のSSが低く、推移しMLSSが実験の経過とともに徐々に増加した。また、A、B、C系統の全ての実験で得られたNO2−N濃度と透視度との関係を図4にまとめた。NO2−N濃度が下がってから透視度が良くなってくるまで、1週間程度かかっており、このため、低NO2−N濃度時の透視度にはバラツキがあるものの確実に良くなっており、沈殿層の汚泥界面も安定していた。
【0047】
この結果、硝化脱窒を安定的に行うためには、処理水NO2−N濃度を少なくとも100mg/リットル以下好ましくは50mg/リットルより低く抑える必要があることが分かった。
【0048】
実施例2
前記実施例1では前脱窒槽A、後段の脱窒槽Cへのメタノール5の添加でNOx濃度をかなり下げることが確認できたが、まだ処理水中に70mg/リットル程度の濃度でNOXが残存しており、これは処理水中のCODをアップさせること、および実機の沈降槽Eでの汚泥の脱窒浮上現象を引き起こすので、さらにNOx濃度を下げるためメタノール5の添加量を変化させてテストを行った。その一例の処理条件を表4に示す。
【0049】
【表4】
Figure 0003808936
【0050】
その結果、メタノール5の添加量を調整することで第2脱窒槽CのNOxはほとんど消滅し、処理水中のNOxが低位安定し、汚泥ブロックの分散も見られず、処理水の透視度向上が見られた。表5に処理の一例を示す。
【0051】
【表5】
Figure 0003808936
【0052】
以上の結果により、メタノール5は第1脱窒槽Aに添加してNOxをできるだけ下げ、残ったNOxを後段の第2脱窒槽Cに添加すると系内のNOxが低下し、汚泥の分散がなくなり安定した硝化、脱窒処理ができることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のコークス炉ガス液(安水)の浄化処理装置のフローを示す図である。
【図2】 本発明の一実施例のコークス炉ガス液(安水)の浄化処理実験でのC系統におけるNO2−NとMLSSとの推移を調べた結果を示す図である。
【図3】 本発明の一実施例のコークス炉ガス液(安水)の浄化処理実験でのA、B、C系統でのNO2−N濃度と透視度との関係を示す図である。
【符号の説明】
A 第1脱窒槽 1 安水 6 炭酸ソーダ
B 硝化槽 2 希釈水 7 放流水
C 第2脱窒槽 3 返送汚泥 8 余剰汚泥
D 再ばっ気槽 4 硝化液 9 ばっ気エアー
E 沈降槽 5 メタノール 10 燐酸

Claims (2)

  1. コークス炉ガス液を嫌気性雰囲気にある第1脱窒槽に導入し、その後好気性雰囲気にある硝化槽において、窒素含有物を硝化し、第1脱窒槽に後段の硝化槽から硝化液を循環させて脱窒処理し、さらに硝化槽の後段の第2脱窒槽で脱窒処理して窒素除去を兼ねた活性汚泥を用いるコークス炉ガス液の処理方法において、
    コークス炉ガス液中の窒素含有物を硝化槽で硝化し、第1脱窒槽にコークス炉ガス液中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素濃度を0.6mg/リットル以下にする量で水素供与体を添加して硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素濃度を低下させ、後段の第2脱窒槽でさらに水素供与体を添加してコークス炉ガス液中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素濃度をさらに低下させることを特徴とするコークス炉ガス液の水素供与体添加による効率的脱窒方法。
  2. 2脱窒槽に添加する水素供与体の量はコークス炉ガス液中の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素濃度を30mg/リットル以下にすることを特徴とする請求項1記載のコークス炉ガス液の水素供与体添加による効率的脱窒方法。
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