JP3808782B2 - レール絶縁方式 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気鉄道のレール継目にレール絶縁体を介在して構成する軌道において、車輪が前記レール絶縁体を通過するときに、電流路が切り換わることにより発生する火花を減少する手段に関する。
【0002】
【従来技術】
電気鉄道の運転用の電力は変電所から電車線路にき電され、電気車を動かした後にレールなどの帰線を経て変電所にもどる。この電気鉄道き電回路は、直流と交流の2種類ある。直流の場合、運転電流が大きく、事故電流が大きい特徴を有する。
【0003】
以下、直流の例について説明する。
【0004】
直流き電方式では、一般に隣接変電所間で並列にき電されている。変電所の間隔はおよそ5〜10km程度であり、また、電流が大きいため、トロリ線と並列にき電線を設けるのが普通である。
【0005】
直流き電回路の線路定数は、電車線路の構成、レールから大地への漏れ電流の大小などによって多少異なるが、JRの直流き電回路の線路定数は表1に示すとおりである。大地漏れ電流は線路によって異なるが、一般には0%または10%として計算される。
【0006】
【表1】
Figure 0003808782
【0007】
図5は軌道回路境界での電流の流れ方の説明図である。
【0008】
インピーダンスボンド30、30’は、その1次巻線31、31’の両端が軌道回路境界の絶縁部材であるレール絶縁体40を挟んだレール間に接続される。
【0009】
図4は従来のレール絶縁方式における動作説明図である。
【0010】
図4(a)は火花が発生する直前の状態を示す図である。図4(b)は火花が発生した状態を示す図である。
【0011】
図4(a)の場合、トロリ線15から給電される直流電流は、以下の2つの経路▲1▼▲2▼を流れることになる
▲1▼トロリ線15→パンタグラフ16→車体17内の図示しないモータや電力変換器等の制御器→車輪11、12(図示しない経路)、13→レール44→インピーダンスボンド30、30’の中性点33で接続した両1次巻線31、31’→レール43を介して変電所へ直流電流が流れる経路。
【0012】
▲2▼トロリ線15→パンタグラフ16→車体内の図示しないモータや電力変換器等の制御器→車輪14→レール43を介して変電所へ直流電流が流れる経路。
【0013】
この時、車両は矢印方向に走行中とする。走行につれて図4(a)の状態から図4(b)の状態に切り替わる。この経過を車輪14とレール44および43との関係に絞って見てみる。
【0014】
図4(c)の状態では、車輪14はレール43に接しているので、電流は車輪14からレール43へ流れる。
【0015】
図4(d)の状態になると、車輪14はレール43と非接触となりレール絶縁体40に乗り上げる。直流電車線路の供給電圧は1例を示せば1500Vとなっている。電圧は低いが大電流が流れている。この時、車輪14とレール43の間に火花が飛ぶ。
【0016】
この現象を以下の2つの場合について説明することができる。
(1)車輪14がレール絶縁体40に乗り上げたとき、
他の車輪も他のレール絶縁体に乗り上げている場合、上記供給電圧が車輪とレール間にかかり、絶縁が破壊し火花が飛ぶ。
(2)車輪14がレール絶縁体40に乗り上げたとき、
(電流路▲1▼)他の車輪11、12、13→レール44→インピーダンスボンド30、30’の中性点33で接続した両1次巻線31、31’→レール43の電流路、
が形成される。
【0017】
上記(電流路▲1▼)はインピーダンスボンド30、30’の中性点33で接続した両1次巻線31、31’を流れる。上記巻線の充電電流は短時間に急激に変化できないので、車輪14とレール43との間の電流は継続して流れようとして火花を発生する。
【0018】
図4(e)の状態になると、車輪14はレール44に接するので、電流は車輪14からレール44へ安定に流れるようになる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
前記のようにレール端に火花が発生すると、レール端が火花のエネルギによって欠損する。この欠損箇所に走行中車輪が落ち込むと、衝撃音および振動を発生することになる。この衝撃音は騒音として問題になり、振動は安全性の問題となっている。
【0020】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、火花によるレールの欠損を減少するようにしたレール絶縁方式を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を達成するために以下の解決手段を採用する。
(1)レール絶縁方式において、電気的絶縁のためにレール継目にレール絶縁体を介在してなる軌道において、前記レール絶縁体の近傍のレールを電流減少手段が施されたレールとしたことを特徴とする。
(2)上記(1)記載のレール絶縁方式において、前記電流減少手段を抵抗体で構成したことを特徴とする。
(3)上記(2)記載のレール絶縁方式において、前記抵抗体が粒状抵抗体であることを特徴とする。
(4)上記(2)または(3)記載のレール絶縁方式において、前記抵抗体がレールの表面側にのみ設けられていることを特徴とする。
(5)上記(2)ないし(4)のいずれか1項記載のレール絶縁方式において、前記抵抗体が前記レール絶縁体に向かって抵抗値が高くなるように設けたことを特徴とする。
(6)上記(2)、(4)、(5)のいずれか1項記載のレール絶縁方式において、前記抵抗体を抵抗膜としたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を参照して詳細に説明する。
【0023】
本発明は、電気的絶縁のためにレール継目にレール絶縁体を介在してなる軌道において、前記レール絶縁体の近傍のレールを電流減少手段が施されたレールとしたレール絶縁方式に特徴を有する。
【0024】
前記電流減少手段は流れる電流を減少させる手段一般を意味し、以下詳細に述べる実施例を含む。
【0025】
本発明は、レール絶縁体の近傍のレールを電流減少手段が施されたレールとしたことにより、レールの欠損を防止することができる。
【0026】
(本発明の第1実施例)
図1は本発明の第1実施例である単位体積当たりの抵抗値が等しいレールの場合のレール絶縁方式を示す図である。
図1(a)〜(d)は複線の場合のレール絶縁方式を示し、図1(e)〜(h)は単線の場合のレール絶縁方式を示す。
【0027】
図1(a)は高抵抗短小レールまたは高抵抗レールの場合の平面図、
図1(b)は図1(a)が高抵抗短小レールの場合のA−A’断面図、
図1(c)は図1(a)が高抵抗レールの場合のA−A’断面図である。
【0028】
図1(d)は粒体埋め込み型レールの場合の平面図である。
【0029】
図1(e)は図1(a)を単線に適用した場合の平面図、
図1(f)は図1(e)が高抵抗短小レールの場合のA−A’断面図、
図1(g)は図1(e)が高抵抗レールの場合のA−A’断面図である。
【0030】
図1(h)は図1(d)を単線に適用した場合の平面図である。
【0031】
図1(b)の例では、レール44の一端部にレール絶縁体40を配置し、レール絶縁体40に接してレール43を配置する。レール43のレール絶縁体40に接する端部には、通常の組成のレール43と同じ組成の分割レール部42と、組成が高抵抗材料からなる高抵抗短小レール41が配置される。高抵抗短小レール41は車輪と接するように分割レール部42上に強固に載置される。
【0032】
一直線に配置されたレール44、レール絶縁体40、高抵抗短小レール41およびレール43は、それら側面に配置したシート状絶縁物47および48並びに絶縁継目板45および46を介して図示しないボルトとナットによって固定される。
【0033】
高抵抗短小レール41の長さおよび厚さは、車輪がこの高抵抗短小レール41上を通過するまでに、前記車輪を流れるき電回路の電流が所定の電流値まで下げることができるように設定する。
【0034】
レール絶縁体40と高抵抗短小レール41との配置関係は車輪が先に高抵抗短小レール41を通過し、その後でレール絶縁体40を通過するように設ける。
【0035】
高抵抗材料は、材質として、炭素、カーボン、炭素レジン、カーボンレジン、半導体酸化物、グレーズ抵抗(メタルグレーズ抵抗、金属ならびに半導体微粒子(酸化物)をガラス質結合剤中に分散させたもの。Pd−Ag系とRuO系が主流である。塗布、焼成工程で製造する。)、金属と絶縁物(主に金属酸化物)の混合材、等がある。
【0036】
図1(c)の例では、図1(b)の前記分割レール部42および高抵抗短小レール41の代わりに、前記両者を高抵抗材料で形成した高抵抗レール49とする。
【0037】
図1(d)の例では、高抵抗短小レール41または高抵抗レール49の代わりに、粉体を含めた粒状抵抗体50を、単位体積当たりの抵抗値が同じに成るように、レール材中に埋め込みまたは混合して構成した粒状抵抗体レール51とする。前記粒状抵抗体50を構成する高抵抗材料は、形状として、抵抗材を固めたものまたは抵抗材を他の金属材料等に混合または充填したもの、等の粒状体がある。
【0038】
図1(e)〜(h)は単線、即ち、レールに対する車輪の進行方向が決まっていない場合のレールを示す。但し、図1(a)〜(d)のレール44の代わりに電流減少手段を備えたレール43または粒状抵抗体レール51を用いる。
【0039】
図1(f)の例は、前記図1(b)の例の高抵抗短小レール41をレール絶縁体40を中心にして両側に配置した構成となっている。
【0040】
図1(g)の例は、前記図1(b)の例の高抵抗レール49をレール絶縁体40を中心にして両側に配置した構成となっている。
【0041】
図1(h)は、図1(d)の粒状抵抗体レール51をレール絶縁体40を中心にして両側に配置した構成となっている。
【0042】
以下、図1のレールを用いるレール絶縁方式における動作を図3に基づいて説明する。
【0043】
図3は本発明のレール絶縁方式における動作説明図である。図1(b)の高抵抗短小レール41を用いた例を説明する。
【0044】
図3(a)は火花が発生する直前の状態を示す図である。図3(b)は火花が発生した状態を示す図である。
【0045】
(動作)
複線用レールの場合(図1(a)〜(d)):
車輪の移動(▲1▼レール43→▲2▼高抵抗短小レール41→▲3▼レール絶縁体40→▲4▼レール44)に伴って電流路は以下のように変化する。
▲1▼車輪14からレール43への電流路が形成される。通常の予定されているき電電流が流れる。
▲2▼車輪14から高抵抗短小レール41を介してレール43への電流路が形成される。高抵抗短小レール41の高抵抗により小さい値の電流値に減少される。相対的にレール絶縁体40または高抵抗短小レール41の介在しない他の電流路の電流が増加する。
▲3▼車輪14がレール絶縁体40上にきて電流路が切れる。この▲3▼の前段階で電流路の電流値が小さい値になっているので、この▲3▼段階で電流路が切れても、従来のような大きなエネルギの火花は発生せず、発生しても極めて小さいエネルギの火花の発生か、もしくは火花が発生しないことになる。
▲4▼車輪14からレール44、インピーダンスボンド30、30’の中性点33で接続した両1次巻線31、31’を介してレール43を流れる電流路が形成される。通常の予定されているき電電流が流れる。
【0046】
単線用レールの場合(図1(e)〜(h)):
車輪の移動(▲1▼レール43(進行方向後方)→▲2▼高抵抗短小レール41→▲3▼レール絶縁体40→▲4▼高抵抗短小レール41→▲5▼レール43(進行方向前方))に伴って電流路は以下のように変化する。
▲1▼車輪14からレール43(進行方向後方)への電流路が形成される。通常の予定されているき電電流が流れる。
▲2▼車輪14から高抵抗短小レール41を介してレール43(進行方向後方)への電流路が形成される。高抵抗短小レール41の高抵抗により小さい値の電流値に減少される。相対的にレール絶縁体40または高抵抗短小レール41の介在しない他の電流路の電流が増加する。
▲3▼車輪14がレール絶縁体40上にきて電流路が切れる。この▲3▼の前段階で電流路の電流値が小さい値になっているので、この▲3▼段階で電流路が切れても、従来のような大きなエネルギの火花は発生せず、発生しても極めて小さいエネルギの火花の発生か、もしくは火花が発生しないことになる。
▲4▼車輪14から高抵抗短小レール41、レール43(進行方向前方)、インピーダンスボンド30、30’の中性点33で接続した両1次巻線31、31’を介してレール43(進行方向後方)への電流路が形成される。高抵抗短小レール41の高抵抗により小さい値の電流値に減少される。相対的にレール絶縁体40または高抵抗短小レール41の介在しない他の電流路の電流が増加する。
▲5▼車輪14からレール43(進行方向前方)、インピーダンスボンド30、30’の中性点33で接続した両1次巻線31、31’を介してレール43(進行方向後方)への電流路が形成される。通常の予定されているき電電流が流れる。
【0047】
以上は、図1(b)の高抵抗短小レール41を用いた場合のレール絶縁方式における動作説明であるが、図1(c)〜(h)の例に示す電流減少手段を施したレール、即ち、高抵抗レール49、粒状抵抗体レール51を用いる場合も同様に動作する。
(本発明の図1の電流減少手段を施したレールを用いたレール絶縁方式の効果)車輪がレール絶縁体40を通過するときに発生する火花を減少することができるので、レールの欠損を防止できる。
【0048】
(本発明の第2実施例)
図2は本発明の第2実施例である単位体積当たりの抵抗値が車輪の進行方向に向かって漸次増加するレールの場合のレール絶縁方式を示す図である。
【0049】
図2(a)〜(d)は複線の場合のレール絶縁方式を示し、図2(e)〜(h)は単線の場合のレール絶縁方式を示す。
【0050】
図2(a)は高抵抗短小レールまたは高抵抗レールの場合の平面図、
図2(b)は図2(a)が高抵抗短小レールの場合のA−A’断面図、
図2(c)は図2(a)が高抵抗レールの場合のA−A’断面図である。
【0051】
図2(d)は粒体埋め込み型レールの場合の平面図である。
【0052】
図2(e)は図2(a)を単線に適用した場合の平面図、
図2(f)は図2(e)が高抵抗短小レールの場合のA−A’断面図、
図2(g)は図2(e)が高抵抗レールの場合のA−A’断面図である。
【0053】
図2(h)は図2(d)を単線に適用した場合の平面図である。
【0054】
図2の(a)〜(h)の各図は、図1の(a)〜(h)の各図に対応する。
【0055】
図1の例と図2の例で相互に異なる点は、図1におけるレールの抵抗値が車輪の進行方向に対し一定であるのに対し、図2におけるレールの抵抗値が車輪の進行方向に対し漸次増加する点にある。
【0056】
この抵抗値の漸次増加する点について説明する。その他の構成は図1のものと同じなので省略する。
【0057】
高抵抗材料は、その抵抗特性を、複線の場合、レール絶縁体40に向かって単位体積当たりの抵抗値が漸増するように設定し、単線の場合、レール絶縁体40を中心にして両方向に向かって単位体積当たりの抵抗値が漸減するように設定する。
【0058】
このように単位体積当たりの抵抗値を漸増する手段として、単位体積当たりの抵抗材の量または粒状体の数を漸増させる手段がある。
【0059】
レール絶縁体40と電流減少手段を備えたレール43、高抵抗レール49および粒状抵抗体レール51との配置関係は車輪が先に前記レール43または高抵抗レール49または粒状抵抗体レール51を通過し後でレール絶縁体40を通過するように設ける。
【0060】
以下、図2のレールを用いるレール絶縁方式における動作を図3に基づいて説明する。
【0061】
図3は本発明のレール絶縁方式における動作説明図である。図2(b)の高抵抗短小レール41を用いた例を説明する。
【0062】
図3(a)は火花が発生する直前の状態を示す図である。図3(b)は火花が発生した状態を示す図である。
【0063】
(動作)
複線用レールの場合(図2(a)〜(d)):
車輪の移動(▲1▼レール43→▲2▼高抵抗短小レール41→▲3▼レール絶縁体40→▲4▼レール44)に伴って電流路は以下のように変化する。
▲1▼車輪14からレール43への電流路が形成される。通常の予定されているき電電流が流れる。
▲2▼車輪14から高抵抗短小レール41を介してレール43への電流路が形成される。車輪の進行に応じて高抵抗短小レール41の抵抗値が漸増しそれに応じて電流値が減少する。相対的にレール絶縁体40または高抵抗短小レール41の介在しない他の電流路の電流が漸増する。
▲3▼車輪14がレール絶縁体40上にきて電流路が切れる。この▲3▼の前段階で電流路の電流値が小さい値になっているので、この▲3▼段階で電流路が切れても、従来のような大きなエネルギの火花は発生せず、発生しても極めて小さいエネルギの火花の発生か、もしくは火花が発生しないことになる。
▲4▼車輪14からレール44、インピーダンスボンド30、30’の中性点33で接続した両1次巻線31、31’を介してレール43を流れる電流路が形成される。通常の予定されているき電電流が流れる。
【0064】
単線用レールの場合(図2(e)〜(h)):
車輪の移動(▲1▼レール43(進行方向後方)→▲2▼高抵抗短小レール41→▲3▼レール絶縁体40→▲4▼高抵抗短小レール41→▲5▼レール43(進行方向前方))に伴って電流路は以下のように変化する。
▲1▼車輪14からレール43(進行方向後方)への電流路が形成される。通常の予定されているき電電流が流れる。
▲2▼車輪14から高抵抗短小レール41を介してレール43(進行方向後方)への電流路が形成される。車輪の進行に応じて高抵抗短小レール41の抵抗値が漸増しそれに応じて電流値が減少する。相対的にレール絶縁体40または高抵抗短小レール41の介在しない他の電流路の電流が漸増する。
▲3▼車輪14がレール絶縁体40上にきて電流路が切れる。この▲3▼の前段階で電流路の電流値が小さい値になっているので、この▲3▼段階で電流路が切れても、従来のような大きなエネルギの火花は発生せず、発生しても極めて小さいエネルギの火花の発生か、もしくは火花が発生しないことになる。
▲4▼車輪14から高抵抗短小レール41、レール43(進行方向前方)、インピーダンスボンド30、30’の中性点33で接続した両1次巻線31、31’を介してレール43(進行方向後方)への電流路が形成される。車輪の進行に応じて高抵抗短小レール41の抵抗値が漸減し電流値が漸増する。相対的にレール絶縁体40または高抵抗短小レール41の介在しない他の電流路の電流が漸減する。▲5▼車輪14からレール43(進行方向前方)、インピーダンスボンド30、30’の中性点33で接続した両1次巻線31、31’を介してレール43(進行方向後方)への電流路が形成される。通常の予定されているき電電流が流れる。
【0065】
以上は、図2(b)の高抵抗短小レール41を用いた場合のレール絶縁方式における動作説明であるが、図2(c)〜(h)の例に示す電流減少手段を施したレール、即ち、高抵抗レール49、粒状抵抗体レール51を用いる場合も同様に動作する。
(本発明の図2の電流減少手段を施したレールを用いたレール絶縁方式の効果)車輪がレール絶縁体40を通過するときに発生する火花を減少することができるので、レールの欠損を防止できる。
【0066】
(他の実施の形態)
前記レール絶縁体の近傍のレールを電流減少手段が施されたレールとするレール絶縁方式において、前記した電流減少手段の他に以下の電流減少手段がある。
【0067】
レール表面に抵抗材を塗布またはコーティングして皮膜とし、熱加工して強固な膜を形成する手段とすることも可能である。これによれば、正確な抵抗値を設定することが可能となる。
【0068】
【発明の効果】
本発明は、車輪がレール絶縁体を通過するときに発生する火花を減少することができるので、レールの欠損を防止することができる。また、その結果、騒音および振動の発生も減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である単位体積当たりの抵抗値が等しいレールの場合のレール絶縁方式を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例である単位体積当たりの抵抗値が車輪の進行方向に向かって漸次増加するレールの場合のレール絶縁方式を示す図である。
【図3】本発明のレール絶縁方式における動作説明図である。
【図4】従来のレール絶縁方式における動作説明図である。
【図5】軌道回路境界での電流の流れ方の説明図である。
【符号の説明】
11、12、13、14 車輪
15 トロリ線
16 パンタグラフ
17 車体
30、30’ インピーダンスボンド
31、31’ 1次巻線
32 2次巻線
33 中性点
40 レール絶縁体
41 高抵抗短小レール
42 分割レール
43、44、レール
45、46 絶縁継目板
47、48 シート状絶縁物
49 高抵抗レール
50 粒状抵抗体
51 粒状抵抗体レール

Claims (6)

  1. 電気的絶縁のためにレール継目にレール絶縁体を介在してなる軌道において、前記レール絶縁体の近傍のレールを電流減少手段が施されたレールとしたことを特徴とするレール絶縁方式。
  2. 前記電流減少手段を抵抗体で構成したことを特徴とする請求項1記載のレール絶縁方式。
  3. 前記抵抗体が粒状抵抗体であることを特徴とする請求項2記載のレール絶縁方式。
  4. 前記抵抗体がレールの表面側にのみ設けられていることを特徴とする請求項2または3項記載のレール絶縁方式。
  5. 前記抵抗体が前記レール絶縁体に向かって抵抗値が高くなるように設けたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項記載のレール絶縁方式。
  6. 前記抵抗体を抵抗膜としたことを特徴とする請求項2,4,5のいずれか1項記載のレール絶縁方式。
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