JP3807810B2 - 切断バイス装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パイプ等の工作物を切断する際にそれを固定するための切断バイス装置に関する。
【０００２】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
例えば、パイプを切断する場合、バイスに固定し、パイプ切断機を用いて切断することになる。この切断機として、カッターブレードを往復動させてパイプを切断する形式のものが知られている。しかるに、パイプ切断時の、バイスに固定されたパイプに対してパイプ切断機のカッターブレードを振り下ろしていく際に、先端が拘束されずに自由であるカッターブレードが振れて、切断精度等が悪化することがある。そこで、斯かる不都合を安価且つ簡易に解決し得る切断バイス装置を実現することをその課題とする。
【０００３】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、被切断物を固定するための締結手段を具えたバイス本体と、バイス本体に対する取付け角度の変更が自在であり、パイプ切断機の往復動するカッターブレードの自由端側を拘束的に案内し得るガイド部材、とを具えることを特徴とする切断バイス装置を構成上の特徴とする。
【０００４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図１は、本発明の一実施例の切断バイス装置の斜視図であり、図２〜４は、同装置単体のそれぞれ正面図、平面図、及び側面図である。
本実施例の切断バイス装置１は、工作物、図示例ではパイプＰを切断する際にこれを締め付けて定位固定するための締め付け具であって、パイプＰが実際に載せられる一対の対向離設したＶ状支持部５を具えたバイス本体７を有する。
【０００５】
両Ｖ状支持部５を橋渡しするようにその上に載せられるパイプ（工作物）Ｐを上から横断するように押さえ込んで確実に固定するため、両Ｖ状支持部５の間のパイプ（工作物）Ｐを挟んで一方側部分には、所定長さのチェーンＣの一端が固定され、他方側部分には、このチェーンＣの自由端側を引っ掛けて引っ張るのを可能にする締め付け機構（締結手段）が設けられる。
【０００６】
この締め付け機構は、チェーンＣを引っ張るための、バイス本体側面部分に一端側が螺着され他端側に一文字状の握り部１１を具えたねじ棒１３と、全体的にく字形状を呈するレバー部材１５、とを有して成る。
レバー部材１５は、その中央部分が両Ｖ状支持部５に貫設された支持軸１７を介して回動自在に支持され、一端部分がチェーン自由端側のピン部分を引っ掛けるのに適した引っ掛け部１５ａを有し、他端部分が円弧状部１５ｂを呈し、その円弧状部１５ｂに前記ねじ棒１３の略中間のフランジ部１３ａが係合してこれを押圧し、これによりレバー部材１５全体が回転する。
【０００７】
このレバー部材１５の側面部分には、チェーンＣを引っ張るのと反対の回転方向（緩み方向）にレバー部材１５を常時付勢するように作用する捩りバネ２１が設けられている。
パイプ（工作物）Ｐを挟んでバイス本体側部の一方側には、間に僅かの隙間を設けた１対の相互平行に上下に延びる鋼製の棒材から成るガイドポール２３が固定的に植設されている。ガイドポール２３には、破線で示したパイプ切断機Ｓがセットされる。この切断機Ｓは、手持ちタイプのいわゆるセーバーソー（のこ刃装置）であって、片側に切刃が多数直列に形成された（例えば、特殊工具鋼製、高速度鋼製の）カッターブレードＢを往復動させて工作物を切断する装置である。ガイドポール２３にセットした図示セーバーソーＳは、このガイドポール２３を案内にして並進的に自重で下降し得るように構成される。
【０００８】
バイス本体側部の他方側にも、ガイドポール２３に対向し得るようにそれと殆ど同形状・同寸法の１対の棒材から成るブレードガイド２７が設けられるが、その角度を変えることができる点でガイドポール２３と異なる。すなわち、ブレードガイド２７は、コ字形ブロック３１に固定され、このブロック３１は、バイス本体７に形成した凹所内に嵌まり込むと共に、支持ピンを介して回動可能に取り付けられており、ブロック側面に設けた割り出し用の複数の窪み（図示せず）のいずれか１つにバイス本体側から凹所内に突出する位置決めピン３３の先端部分が嵌合することによりブロック３１の取付け角度位置、従って、ブレードガイド２７の角度位置が変えられるように構成されている。
【０００９】
以上の構成を有する本実施例の切断バイス装置においては、パイプ等の工作物を容易且つ迅速に定位固定できる。また、ガイドポールにセットしたセーバーソーによってパイプを機械的に切断することができる。更には、パイプ切断時に、パイプ径に適合するように適切な角度に角度位置決めしたブレードガイドによってカッターブレードの先端側を適切に補完的に案内することができるので、カッターブレードが振れるのを抑制でき、切断位置の精度や切り口を良好に改善することができる。
【００１０】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、カッターブレードの振れを効果的に抑制できる安価且つ簡易な切断バイス装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、本発明の一実施例の切断バイス装置の斜視図である。
【図２】図２は、同実施例装置単体の正面図である。
【図３】図３は、同平面図である。
【図４】図４は、同側面図である。
【符号の説明】
１…切断バイス装置
５…Ｖ状支持部
７…バイス本体
１１…握り部
１３…ねじ棒
１３ａ…フランジ部
１５…レバー部材
１５ａ…引っ掛け部
１５ｂ…円弧状部
１７…支持軸
２１…捩りバネ
２３…ガイドポール
２７…ブレードガイド
３１…ブロック
３３…位置決めピン
Ｂ…カッターブレード
Ｃ…チェーン
Ｐ…パイプ
Ｓ…パイプ切断機

Claims (1)

1. 被切断物が載せられる支持部を備えたバイス本体と、
   前記被切断物を固定するための締結手段と、
   前記支持部に載せられた前記被切断物の長手方向に対して前記バイス本体の側面の一方側に固定的にかつ前記被切断物に対して垂直に設けられると共に僅かな隙間を間に設けた互いに平行な一対の棒材である第一のガイド部材と、
   前記支持部に載せられた前記被切断物の長手方向に対して前記バイス本体の側面の他方側にかつ前記被切断物に対して垂直に設けられると共に僅かな隙間を間に設けた互いに平行な一対の棒材である第二のガイド部材とを備え、該第二のガイド部材は前記支持部に載せられた前記被切断物の直径に適合するように前記バイス本体に対する取付け角度が前記支持部に載せられた前記被切断物に対して垂直方向に変更自在であり、
   前記パイプ切断機の往復動するカッターブレードの自由端部が前記第二のガイド部材の一対の棒材の間に拘束的に案内され、前記第一のガイド部材に対応する場所に位置する前記カッターブレードの一部分が前記第一のガイド部材の一対の棒材の間に案内されることを特徴とする切断バイス装置。

Images